JP2003183862A - 水性系における金属腐食の抑制 - Google Patents

水性系における金属腐食の抑制

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ティルザンカ・ゴーシュ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水性系における金属腐食の抑制 【解決手段】水性系に接触している金属成分の腐食を抑
制する方法を提供するものであって、1以上のポリマー
を系中に有効量を添加する工程を含み、該ポリマーは: i)式Iaの官能化イミド成分、式Ibの官能化アミド成
分および式IaおよびIbの組み合わせから選択した少な
くとも1つの繰り返し単位を含有し: 【化1】 ii)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シクロヘク
ス−4−エニルテトラヒドロフタル酸および式IIのモ
ノマーから選択した少なくともひとつのエチレン性不飽
和モノマー成分を含有し: 式II CH(R5)=C(R6)(R7) iii)任意に1以上の末端基は開始剤のフラグメント、
連鎖移動剤のフラグメント、溶媒のフラグメント、およ
びそれらの組み合わせから選択したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は水性系および非水性系に接触して
いる金属成分の腐食を抑制する方法に関する。特に、本
発明はオリゴマー性およびポリマー性組成物を水性系に
流体の添加剤として導入することを示すものであり、前
記添加剤は広範囲のpH領域にわたって効果的な腐食抑
制剤であり、酸化剤および酸化性殺生物剤による度重な
る攻撃に対して不動態化することができる。加えて、本
発明は金属組成物へ抗腐食コーティングを適用する工程
に関する。
【0002】工業的なプロセス並びに、暖房換気および
空調(HVAC)操作に使用される、例えば冷却水をは
じめとする流体媒体に接触する金属成分は、3つの主要
な問題:すなわち金属腐食、固形分の堆積、および微生
物の成長、に直面している。前記の3つの問題は、ひと
つの問題の制御能が、たびたび残りの問題の効果的な制
御能に影響を及ぼすといったように相互関係を有してい
る。かかる問題を解決する最も一般的な方法は、化学物
質および腐食抑制剤の組み合わせを、金属成分に接触す
る流体媒体に添加する方法である。ポリマー性分散剤お
よびホスホネートが一般的に使用され、スケールとよば
れる固形分の堆積を抑制する。殺生物組成物、特に塩素
または臭素をはじめとする酸化性バイオサイドが多くの
場合に使用され、微生物の堆積および成長を抑制する。
新しい抗腐食組成物の開発における最も取り組むべき問
題は、腐食を抑制し、かつそれ自体もしくは酸化性バイ
オサイドでの処理に当たり不都合な環境影響を生じさせ
ない効果的な化学物質を提供することである。
【0003】腐食は、いくつかの化学プロセスまたは一
連の化学反応における金属成分の段階的な重量欠損と定
義することができる。海水、真水および汽水をはじめと
する水性系に接触し、さらにその中に含有された塩素、
酸、漂白剤、苛性および溶存酸素をはじめとする酸化剤
に暴露する金属は、腐食しやすい。より腐食耐性のある
金属(例えば、Ti、Cr、Ni)を用いた金属合金
は、腐食耐性を改善させるひとつの手段である。しかし
ながら、前記のような合金は高価であり、加工および製
造するのが困難であり、さらに結合部、溶接部において
の腐食、および度重なる腐食成分の暴露下においての腐
食の問題に直面している。クロム酸塩、リン酸塩または
亜鉛組成物をはじめとした無機組成物、さらにトリルト
リアゾール(TTA)およびベンゾトリアゾール(BZ
T)をはじめとした有機組成物は、金属に適用または金
属成分に接触する流体に添加される腐食抑制剤であり、
金属腐食を抑制または腐食の速度を減少させる。例え
ば、アゾールはフィルムを形成する組成物であって、金
属表面に吸着し、水性系との接触を妨げる。通常、特定
の組成物の有効性は、その抗腐食特性と、コスト、性能
の長期間性および環境影響をはじめとした特有の制限と
のかねあいである。金属腐食は様々な環境下で起きるの
で、特定な場合に腐食耐性を提供する特定の抑制組成物
が開発されている。
【0004】銅およびその合金をはじめとする一般的な
金属の腐食抑制剤は、トリルトリアゾール(TTA)お
よびベンゾトリアゾール(BZT)をはじめとするフィ
ルムを形成するアゾールである。TTAは通常、銅およ
び銅合金から製造される金属成分のための腐食抑制剤と
して使用されている。しかしながら、TTAフィルムで
保護されたかかる金属が塩素をはじめとする酸化性バイ
オサイドに暴露されると、腐食保護は失われる。フィル
ムが失われた後、定期的にまたは逐次的に塩素処理され
ているTTA処理された水性系中で新しい保護フィルム
を形成するのは困難である。性能を改善する意図で多用
量のTTAが頻繁に適用されるが、多くの場合その効果
は限定されたものである。他に、水性系でトリアゾール
と酸化性バイオサイドを組み合わせることに伴う問題と
して、有用でない腐食防止剤である副生成物、揮発性で
あって、好ましくない臭気を有する副生成物および、水
性系から放出された場合に環境に有毒であるハロゲンを
含む副生成物の問題が挙げられる。そのうえ、TTAの
分解生成物は、魚個体群に有毒であるTTAよりさらに
有毒であると言われている。冷却水処理装置に見られる
条件下において、TTAの分解生成物はN−塩素化化合
物であると言われており、このN−塩素化化合物は比較
的揮発性で冷却塔中でストリップすることによって除去
されやすく、さらに系中の腐食防止剤および酸化性バイ
オサイドのレベルを減少させる。
【0005】銅を含む金属が腐食した場合、過度な濃度
の銅が放出され逐次的に、多くの場合冷却水の受け入れ
先となっている河川に流出する。魚個体群または他の水
性生態系の生物への銅の毒性は確証されている。付け加
えて、過度の濃度の銅イオンは軟鉄上に再堆積し、ガル
バニック酸化還元対をつくり金属ピッティングを引き起
こす。
【0006】米国特許第4,282,007号は、燃料
組成物への腐食抑制添加剤である、C15〜C30炭化
水素性スクシン酸無水物とアミノトリアゾールの反応生
成物を開示している。しかしながら、こういった燃料は
アルコール由来の酸性不純物を含んでおり、前記添加物
は酸性条件下に暴露される金属表面の腐食の抑制にのみ
有用である。従って、広いpH領域にわたって有用であ
り、酸化性バイオサイドに耐性があり、環境影響が最小
である、腐食抑制剤を組み込んだ、水性系中で金属腐食
を抑制する代替的な方法の提供が望まれる。
【0007】発明者は、水性系または非水性系中で広い
pH領域にわたって効果的であり、酸化性バイオサイド
に耐性があり、度重なる長期の塩素をはじめとする腐食
剤の化学攻撃に耐えられる、充分なフィルム形成能を有
する腐食抑制組成物を提供する必要性を認識した。発明
者は、無水物と複素環の反応生成物である高分子性腐食
抑制組成物であって、驚異的に効果的な銅腐食抑制組成
物であり、水性系または非水性系中広いpH領域にかけ
て金属表面に残留する組成物が、酸化性バイオサイドに
耐性があり、腐食剤への度重なる長期の暴露に対し充分
に耐性であることを見いだした。
【0008】本発明は、水性系に接触している金属成分
の腐食を抑制する方法であって、式Iaの官能化イミド
成分、式Ibの官能化アミド成分および式IaおよびIb
の組み合わせから選択した少なくとも1つの繰り返し単
位を含有する1以上のポリマーを系中に有効量を添加す
る工程を含み:
【化2】 nは0または1;RおよびRは水素、メチル、および
〜Cアルキルから独立に選択され;複素環は不飽
和または芳香族の複素環を含み、N、O、Sおよびそれ
らの組み合わせから選択されるヘテロ原子を1以上有す
る不飽和または芳香族の複素環であって、該複素環は式
IaまたはIbの窒素原子が、複素環の一部であるヘテロ
原子または複素環の炭素原子を介して化学的に結合した
ものであり;Rは水素、メチル、エチル、およびC
〜C18の分岐鎖および直鎖の、アルキルおよびアルケ
ニル基から選択され;Rは、H、CH、C
およびC〜C18の分岐鎖および直鎖のアル
キルおよびアルケニル基から選択されたものである。
【0009】従って、本発明は水性系に接触している金
属成分の腐食を抑制する方法であって、腐食を抑制する
ポリマーを系中に有効量を添加する工程を含み、該ポリ
マーは: i)式Iaの官能化イミド成分、式Ibの官能化アミド成
分および式IaおよびIbの組み合わせから選択した少な
くとも1つの繰り返し単位; ii)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シクロヘク
ス−4−エニルテトラヒドロフタル酸および式IIのモ
ノマーから選択した少なくともひとつのエチレン性不飽
和モノマー成分:を含むポリマーであって 式II CH(R5)=C(R6)(R7) [Rは、水素、フェニル、メチル、エチル、C〜C
18の分岐鎖および直鎖のアルキルおよびアルケニル基
から選択され;Rは水素、メチル、エチル、フェニ
ル、C〜C18の分岐鎖および直鎖のアルキルおよび
アルケニル基、OR およびCHOR基(Rは、
アセテート、グリシジル、メチル、エチル、C〜C
18の分岐鎖および直鎖のアルキルおよびアルケニル
基)、さらに[CHCH(R)O]の化学式
を有する基(Rは水素、メチル、エチル、またはフェ
ニルであり、mは1〜20の整数であって、さらにR
は水素、メチル、エチル、フェニル、およびベンジルか
ら独立して選択される)から独立に選択され;さらにR
はH、CH、C、CN、COR基(R
OH、NH)、OR基(Rは先に記載したも
の)、およびNR基(RおよびR基は同じ基
または異なった基であり、5員環または6員環系の一
部、水素、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エチ
ル、およびC〜C18の分岐鎖および直鎖のアルキル
およびアルケニル)から独立に選択され;さらに任意に
1以上の末端基は、開始剤のフラグメント、連鎖移動剤
のフラグメント、溶媒のフラグメント、およびそれらの
組み合わせから選択される]を含む方法を提供する。
【0010】別法としては、本発明は水性系に接触して
いる金属成分の腐食を抑制する方法であって、腐食を抑
制する式IIIのポリマーを系中に有効量を添加する工
程を含む方法を提供する: 式III (A)x(B)y(C)z [Aは、開始剤のフラグメント、連鎖移動剤のフラグメ
ント、溶媒のフラグメント、およびそれらの組み合わせ
から選択した任意の末端基であり;Bは、式Iaの官能
化イミド成分、式Ibの官能化アミド成分、および式Ia
およびIbの組み合わせであり;Cは、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シクロヘクス−4−エニルテ
トラヒドロフタル酸および式IIのモノマーから選択し
たエチレン性不飽和モノマー成分であり;さらにx、
y、zは(y+z)/xが2より大きくなるように選択
した整数である]
【0011】本発明はまた、水性系に接触している金属
成分の腐食を抑制する方法であって、腐食を抑制する1
以上の式IIIのポリマーを1以上、系中に有効量を添
加する工程を含む方法を提供する: 式III (A)x(B)y(C)z [Aは、開始剤のフラグメント、連鎖移動剤のフラグメ
ント、溶媒のフラグメント、およびそれらの組み合わせ
から選択した末端基であり;Bは、式Iaの官能化イミ
ド成分、式Ibの官能化アミド成分、および式Iaおよび
Ibの組み合わせであり;Cは、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シクロヘクス−4−エニルテトラヒド
ロフタル酸および式IIのモノマーから選択したエチレ
ン性不飽和モノマー成分であり;さらにx、y、zは
(y+z)/xが2より大きくなるように選択した整数
である]
【0012】本発明はまた、水性系に接触している金属
成分の腐食を抑制する方法であって、1以上のポリマー
を系中に有効量を添加する工程を含み、該ポリマーは: i)開始剤のフラグメント、連鎖移動剤のフラグメン
ト、溶媒のフラグメント、およびそれらの組み合わせか
ら選択した1以上の末端基; ii)式Iaの官能化イミド成分、式Ibの官能化アミド成
分、および式IaおよびIbの組み合わせから選択される
少なくとも1つの繰り返し単位;および iii)スクシンイミド、グルタルイミドおよびそれらの
組み合わせから選択した官能化イミド成分または官能化
アミド成分から選択される、少なくとも1つの単位(各
成分B’の窒素原子は、C〜C18の分岐鎖または直
鎖のアルキル、C〜C18のアルキルまたはアルケニ
ル置換されたアリールからから選択した基に化学的に結
合し、前記の基は次にアミン基、アミド基、カルボン酸
基、アルコール基、式[CHCH(R)O]
を有する基(Rは水素、メチル、エチル、またはフェ
ニルであり、mは2〜20の整数、さらにRは独立に
水素、メチル、エチル、フェニル、またはベンジルであ
る)から選択したペンダント官能基に化学結合され
る):を含むポリマーである、該方法を提供する。
【0013】代替的には、本発明は水性系に接触してい
る金属成分の腐食を抑制する方法であって、腐食を抑制
する1以上の式IVのポリマーを系中に有効量を添加す
る工程を含む方法を提供するものである: 式IV (A)x(B)y(B’)z [Aは、開始剤のフラグメント、連鎖移動剤のフラグメ
ント、溶媒のフラグメント、およびそれらの組み合わせ
から選択した末端基であり;Bは、スクシンイミド、グ
ルタルイミドおよびそれらの組み合わせから選択された
式Iaの官能化イミド成分であり;B’はスクシンイミ
ド、グルタルイミドおよびそれらの組み合わせから選択
した官能化イミド成分または官能化アミド成分から選択
された、少なくとも1つの単位を含み、、各成分B’の
窒素原子は、C〜C18の分岐鎖または直鎖のアルキ
ル、C〜C18のアルキルまたはアルケニル置換され
たアリールからから選択した基に化学的に結合し、前記
の基は次にアミン基、アミド基、カルボン酸基、アルコ
ール基、式[CHCH(R)O]を有する基
(Rは水素、メチル、エチル、またはフェニルであ
り、mは2〜20の整数であり、さらにRは独立に水
素、メチル、エチル、フェニル、またはベンジルであ
る)から選択されたペンダント官能基に化学結合し;さ
らにx、y、zは(y+z)/xが2より大きくなるよ
うに選択された整数である]
【0014】本発明はまた、水性系に接触している金属
成分の腐食を抑制する方法を提供するものであって、腐
食を抑制する1以上のポリマー組成物、および殺生物組
成物、本発明のものとは異なった腐食抑制組成物、スケ
ール抑制組成物、分散剤、消泡剤、不活性トレーサー、
およびそれらの組み合わせからなる群から選択された1
以上の添加剤を含む腐食抑制配合物を系中に有効量を添
加する工程を含む。
【0015】従って、本発明は水性系および非水性系を
伴っている装置の製造に使用される、腐食保護が必要な
金属組成物の腐食を抑制する方法を提供する。「水性
系」とは、水性流体に接触している金属成分を含む任意
の系、または定期的または連続的に水性流体に接触して
いる金属成分を含むあらゆる系をいう。「水性流体」と
いう語は5重量パーセント以上の水を含有した流体をい
い、水ベースの流体を含む。水ベースの流体とは、最小
でも40重量パーセントの水を含むものであって、残分
は固形分および水に可溶な物質が懸濁および/または溶
解されたものをいう。「非水性系」とは、非水性流体に
接触している金属成分を含む任意の系、または定期的ま
たは連続的に非水性流体に接触している金属成分を含む
あらゆる系をいう。非水性流体は水に混和するものでも
混和しないものでもよい。
【0016】典型的な水性系としては、例えば、循環冷
却設備、蒸発を冷却源として利用する開放系の循環冷却
設備、密閉系の冷却設備、熱交換設備、反応器、液体の
保管および処理に使用する装置、ボイラーおよび関連し
たスチーム発生設備、ラジエーター、フラッシュ蒸発設
備、冷蔵設備、逆浸透装置、ガス洗浄設備、溶鉱炉、紙
およびパルプ加工設備、糖濃縮設備、火力発電所、地熱
設備、原子力冷却設備、水処理設備、食品および飲料加
工装置、プール循環設備、採鉱回路、密閉系加熱設備、
例えば削孔、ボーリング、製粉、リーマ加工、延伸、ブ
ローチ作業、旋削、切断、裁縫、研磨、ねじ切り、成
型、紡績および圧延をはじめとする操作に使用される機
工油剤、作動油、冷却液、石油生産設備および掘削液と
いったものが挙げられる。典型的な水性流体の例として
は、真水、汽水、海水、廃水、水と塩の混合物(かん水
として知られている)、水とメタノール、エタノールお
よびエチレングリコールといったアルコールの混合物、
水と鉱酸をはじめとした酸の混合物、水と苛性物をはじ
めとした塩基の混合物、およびこれらの組み合わせが挙
げられる。本発明の組成物を使用して処理した水性系は
溶存酸素を含んでもよく、または全く酸素を含まなくて
もよい。該水性系は他の溶存ガス、例えば、二酸化炭
素、アンモニアおよび硫化水素等を含んでいてもよい。
【0017】以下の記載には、オリゴマー、ポリマー、
およびコポリマーという語が使用されている。オリゴマ
ーは1以上のモノマー単位の重合から形成された組成物
をいい、オリゴマーに含まれるモノマー単位の数は2〜
約10の間である。ポリマーは1以上のモノマー単位の
重合から形成された組成物であって、ポリマーに属する
モノマー単位の数は制限がないものをいう。コポリマー
は2つの異なったモノマー単位の重合から形成された組
成物であって、ポリマーに含まれるどちらのモノマー単
位の数も制限がないものをいう。
【0018】水性系に接触する金属成分は、腐食および
/またはスケーリングを抑制することができるあらゆる
金属から製造される。腐食保護を要する金属の典型的な
例としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム
合金、鉄および低炭素鋼、クロム鋼、ステンレス鋼とい
った鋼鉄をはじめとする鉄類、鉄合金、およびそれらの
組み合わせが挙げられる。
【0019】例えば、金属表面全体にわたって均一な腐
食であったり、ピッティングおよびクレバス形成をはじ
めとする局所的な腐食であるといった、違ったタイプの
金属腐食が水性系中で起こる。多くの場合、局所的な腐
食の制御は、水性系に接触する金属成分の有効寿命の延
長における決定的な要因である可能性がある。塩化物お
よび硫酸塩をはじめとするアニオンをかなりの濃度(レ
ベルともいう)含む水性系は、均一なおよび局所的な腐
食の両方を起こしやすい。かかるアニオンは多くの場
合、系中で使用されている水性流体中に存在している。
均一および局所的な腐食は多くの場合、どちらも水性系
の操作を停止させる、交換または大規模な修理およびメ
ンテナンスを要する金属成分の破壊の結果である。それ
故、本発明は水性系における腐食を抑制するポリマー組
成物を提供するものである。
【0020】本発明で有効に使用されている耐腐食性ポ
リマー組成物は、例えば、酸素、オゾンおよび過酸化水
素をはじめとする酸化剤、塩素、臭素、ヨウ素をはじめ
とするハロゲン、NaOClおよびVII族(IUPA
Cの命名法に従うと17族)元素のアルカリ塩をはじめ
とする酸化剤の組み合わせ、ヒダンチノイド(hyda
ntinoids)、シアヌル酸誘導体、置換シアヌル
酸誘導体(クロロシアヌル酸、シアヌル酸およびシアヌ
ル酸誘導体のアルカリおよびアルカリ土類塩をはじめと
する)、およびそれらの組み合わせを含む酸化性バイオ
サイドに対して、実質的に耐性があるかあるいは傷つか
ない。加えて、該抗腐食組成物は、例えば、塩素、臭
素、およびヨウ素;次亜塩素酸塩および次亜塩素酸ナト
リウムをはじめとするそのアルカリ金属塩;次亜塩素
酸;亜塩素酸;塩酸、硫酸およびリン酸をはじめとする
鉱酸;過塩素酸、および灰汁、苛性物、漂白剤およびア
ンモニアをはじめとする塩基成分;硫化塩、亜硫酸塩お
よび硫酸アルカリ金属をはじめとする還元剤;およびそ
れらの組み合わせを含む腐食剤への度重なる長期の暴露
に対して、実質的に耐性があるかあるいは傷つかない。
【0021】本発明の腐食抑制組成物は、強酸性または
塩基性水性系、すなわちpH0.5〜14において効果
的である。腐食抑制組成物は、pH6〜10である系に
添加することが好ましい。
【0022】本発明で有用に使用されるあらゆるポリマ
ーおよび腐食抑制ポリマー組成物は、式Iaを有する官
能化イミド成分、式Ibを有する官能化アミド成分さら
にIaおよびIbの組み合わせから選択した少なくとも1
つの繰り返し単位を含む。
【化3】
【0023】好ましくは、nは0である。好ましくはR
およびRは水素である。好ましくはRはC〜C
18の分岐鎖および直鎖のアルキル基から選択したもの
である。好ましくは、RはC〜C18の分岐鎖およ
び直鎖のアルキル基から選択したものである。
【0024】本発明に従って有用に使用される適した複
素環としては、例えば、N、O、またはS原子から選択
したヘテロ元素を少なくとも1つ有する、ある程度の不
飽和性を有する5〜7員の複素環、芳香族複素環、およ
びその組合わせが挙げられる。複素環は複素環の一部で
あるヘテロ原子または複素環の炭素原子を介して、イミ
ドまたはアミド成分の窒素原子に化学結合している。加
えて、適した複素環として、例えば、5〜7員の複素環
であって、縮合して、1つのタイプもしくは、N、Oま
たはS原子の組み合わせを有するより大きな9〜14員
の複素環を形成するもの、その複素環の異性体、および
それらの組み合わせが挙げられる。
【0025】好ましい複素環基としては、例えば、イミ
ダゾール、トリアゾール、チオフェン、ピロール、オキ
サゾール、アゾール、インダゾール、チアゾールおよび
それらの異性体(たとえば、チアゾール−4−イル、チ
アゾル−3−イル、およびチアゾル−2−イル)、置換
チアゾールおよびそれらの異性体(たとえば、2−アミ
ノチアゾル−4−イル)、ピラゾール、テトラゾール、
ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インダ
ゾール、トリアゾールおよびそれらの異性体(たとえ
ば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾ
ール)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】B成分である官能化イミド成分および官能
化アミド成分を構成する窒素原子はさらに、複素環を構
成している原子に化学的に結合している。ひとつの態様
として、該腐食抑制組成物はオリゴマーまたはポリマー
であり、官能化イミド成分および官能化アミド成分は、
オリゴマーまたはポリマーのバックボーンに組み込まれ
ており、さらには複素環基も含まれる。
【0027】別の態様として、B’成分である官能化イ
ミド成分および官能化アミド成分を構成する窒素原子
は、C〜C18の分岐鎖または直鎖のアルキル、C
〜C のアルキルまたはアルケニルで置換されたアリ
ールから選択した基に化学的に結合し、次にアミン基、
アミド基、カルボン酸基、アルコール基、式[CH
H(R)O]を有する基から選択したペンダン
ト官能基に化学結合し、Rは水素、メチル、エチル、
およびフェニルであり、mは2〜20の整数であり、さ
らにRは独立に水素、メチル、エチル、フェニル、お
よびベンジルである。好ましい例としては、ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、
ドデシルアミン、およびステアリルアミンをはじめとす
るC〜C 25アルキルアミン;オクチルアミン;およ
びヘキシルアミド、n−オクチルアミド、デシルアミド
およびステアリルアミドをはじめとするC〜C25
ルキルアミドである。
【0028】従って、本発明は、水性系に接触している
金属成分の腐食を抑制する方法であって、化学成分A、
BおよびCを含有する腐食抑制ポリマーを適量系中に添
加する工程を含み;、Aは任意に、開始剤フラグメン
ト、連鎖移動剤のフラグメント、溶媒のフラグメント、
およびそれらの組み合わせから選択した1以上の末端基
を含み;Bは、式Iaの官能化イミド成分、式Ibの官能
化アミド成分、および式IaおよびIbの組み合わせから
選択した少なくとも1つの繰り返し単位を含み;Cは、
少なくとも1つの、式IIのエチレン性不飽和モノマー
成分を示す、方法を提供するものである。A、Bおよび
Cはポリマー中で無作為に配列し、さらに本発明に従っ
てシーケンシャルに配列することも可能である。
【0029】成分A としては、例えば、フリーラジカ
ル付加重合の開始に使用できるあらゆる開始剤から生成
されるあらゆる開始剤のフラグメントが挙げられる。か
かる開始剤フラグメントとしては、t−ブチルペルベン
ゾネート、t−アミルペルオキシベンゾエート、t−ブ
チルペルオキシ−2−エチルヘキソエート、ブチルペル
アセテート、およびt−ブチルペルオキシマレイン酸を
はじめとするペルオキシエステル;ジ−t−ブチルペル
オキシド、ジクミルペルオキシドおよびt−ブチルクミ
ルペルオキシドをはじめとするジアルキルペルオキシ
ド;ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシドお
よび アセチルペルオキシドをはじめとするジアシルペ
ルオキシド;クメンヒドロペルオキシドおよびt−ブチ
ルヒドロペルオキシドをはじめとするヒドロペルオキシ
ド;アゾニトリル、アザミジン、環状アゾアミジン、ア
ゾジ−tert−オクタンをはじめとするアルキルアゾ
化合物をはじめとするアゾ化合物が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0030】成分Aとしてはさらに、例えばフリーラジ
カル重合における分子量の制御に使用されるあらゆる連
鎖移動剤から得られる末端基が挙げられる。適した連鎖
移動剤としては、アルコール、アルキルおよび芳香族チ
オール、アルキルホスファイト、アリールホスフィン
酸、アルキルホスフィン酸、次亜リン酸塩、アルデヒ
ド、ホルマート、アルキルハライドおよび、トルエン、
キシレンおよび、たとえば、Aromatic 100
のようなC9−10 アルキル芳香族をはじめとするア
ルキル芳香族が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0031】成分Bは、それぞれ式IaおよびIbを有
する官能化イミド成分または官能化アミド成分のいずれ
かの1以上である。好ましいB成分は、スクシンイミ
ド、グルタルイミドおよびそれらの組み合わせから選択
される。成分Bの一部である該イミドまたはアミドを構
成する窒素原子は、R基の少なくとも1つの原子に化
学的に結合していなければならず、R基は次にペンダ
ント複素環に化学的に結合している。R基は成分Bの
イミドまたはアミド部分の窒素原子との間の2〜8個の
連続した原子からなり、複素環がより好ましい。R
は成分Bのイミドまたはアミド部分との間の3〜6個の
連続した原子からなり、複素環が最も好ましい。
【0032】成分Cとしては式IIIのエチレン性不飽
和モノマーが挙げられる。好ましいモノマーの例として
は、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシ(メタ)アクリレート, 2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート, およびヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート;無水マレイン酸を
はじめとする環状無水物;無水イタコン酸、およびシク
ロヘクス−4−エニルテトラヒドロフタル酸無水物をは
じめとする無水物;エチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレン、ジイソブチレン、d−リモネンをはじめ
とするオレフィン;プロピレンテトラマー(C12〜C
14)およびプロピレンダイマートリマー(C18〜C
22)をはじめとするオレフィンオリゴマー;1−ブテ
ン、1−オクテン、および1−デセン、 1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、l−ヘキサデセン、l−オクタ
デセン、Gulftene(登録商標)20〜24、G
ulftene(登録商標)24〜28をはじめとする
α−オレフィン;スチレン、およびα−メチルスチレ
ン、4−ヒドロキシスチレン、スチレンスルホン酸をは
じめとするスチレン置換体;ブタジエン;ビニルアセテ
ート、ビニルブチレートおよび他のビニルエステル;お
よびビニルクロライド、ビニリデンクロライドをはじめ
としたビニルモノマー;メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテルをはじめとする
ビニルエーテル;アリルエーテル、アリルエチルエーテ
ル、アリルブチルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、アリルカルボキシエチルエーテルをはじめとするア
リルエーテル;ビニル‐2‐(2‐エトキシ‐エトキ
シ)エチルエーテル、メトキシエトキシビニルエーテ
ル、ビニルアセテート、ビニルホルマルムアミドおよび
ビニルアセトアミド、スチルベンをはじめとするエトキ
シビニルエーテル;ジビニルベンゼン;(メタ)アクリ
レートエステル、(メタ)アクリルアミド、および(メ
タ)アクリロニトリルをはじめとする(メタ)アクリル
モノマーが挙げられる。本明細書においては、アクリレ
ートまたはアクリルアミドをはじめとする他の語がその
後に引き続いている「(メタ)」は、アクリレートまた
はアクリルアミド、およびメタクリレートおよびメタク
リルアミドの双方を、個々に示している。成分Cの好ま
しいモノマーとしては、エチレン、プロピレン、イソブ
チレン、ジ−イソブチレン、プロピレンテトラマー(C
12〜C14)、およびプロピレンダイマートリマー
(C18〜C22)が挙げられる。
【0033】本発明で有用に使用される腐食抑制組成物
は、400〜20,000の範囲の重量平均分子量を有
する。より好ましいものは、400〜10,000の範
囲の重量平均分子量を有する組成物である。最も好まし
いものは、400〜5,000の範囲の重量平均分子量
を有する組成物である。ポリマーの重量平均分子量は、
スチレンをスタンダードとして用い、GPC法によって
測定した。
【0034】本発明に従って有用に使用されているポリ
マーは、米国特許第4,973,409に開示されてい
るプロセスをはじめとする、公知の乳化、溶液、または
懸濁重合法によって調製することができる。溶液重合法
が好ましい。
【0035】モノマーの重合は適した溶媒中、開始剤の
存在下にて行われる。適した溶媒としては、例えば水、
ジオキサン、4‐メチルブタン−2‐オンをはじめとす
るケトン、トルエン、キシレンおよびキシレン異性体を
はじめとする芳香族炭化水素、メタノールおよびエタノ
ールをはじめとするアルコール、およびジオキサンをは
じめとするエーテルが挙げられる。適した反応開始剤と
しては、例えば、アゾ(ビス)イソブチロニトリル(A
IBN)、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペ
ルオキシド、ヒドロペルオキシド(たとえば、t−ブチ
ルヒドロペルオキシド および t−アミルヒドロペルオ
キシド)をはじめとした有機ペルオキシド、過酸化水
素、過ホウ酸ナトリウム、アルカリ金属パーサルフェー
トおよびアンモニウムパーサルフェートが挙げられる。
【0036】該腐食抑制ポリマー組成物は、2つの工程
で容易に調製できる。1つめの1工程は、例えば 無水
マレイン酸をはじめとする1以上のモノマーと、ジ−イ
ソブチレンをはじめとするCユニットのエチレン性不飽
和モノマーの1以上との重合を含む。得られたコポリマ
ーの無水物部分は、次に重縮合、アミド化、イミド化、
または エステル化のような1以上の重合後官能化反応
によって転化され、式IaまたはIbのポリマー組成物
を生成する。例えば, 得られたコポリマーの無水物部分
は、アミノトリアゾールまたはアミノピリジンをはじめ
とする1以上の複素環と重縮合によって反応し、式Ia
またはIbのポリマー組成物を生成する。代替的には、
該組成物は、Bユニットの官能性モノマーの1以上と、
Cユニットのエチレン性不飽和モノマーの1以上との重
合によって容易に調製され、式IaまたはIbのポリマ
ー組成物を生成する。
【0037】分離のために、いずれの工程のポリマー生
成物も、減圧下で、部分的にまたは完全に蒸発させてよ
い。未精製の反応生成物が、本発明のポリマー組成物と
して使用されてもよい。反応生成物は精製されてもよ
い。精製手段としては、a)反応溶媒を蒸発させ、さら
にエーテルをはじめとした水に非混和性の溶媒で洗浄
し、続いてかかる溶媒を蒸発させる方法、または b)
反応溶媒を蒸発させ、ポリマー生成物を適した溶媒に溶
解させ、さらにトルエンまたはキシレンをはじめとした
適した非溶媒で再沈殿させる方法が挙げられる。
【0038】ポリマー中に存在する、複素環基、末端基
およびアミド/イミド成分由来の極性基が強力に金属表
面に吸着する。多数の極性アンカー基(polar a
nchoring groups)と組み合わされた該
組成物のポリマー特性は、広いpH範囲にわたって優れ
た防護特性を示し、一方水性系に存在する腐食剤に対し
て実質的に傷つかず、さらに酸化性バイオサイドおよび
塩素をはじめとする腐食剤の度重なる添加に対して、長
期間抗腐食効果を維持するフィルムを形成することによ
って、金属および金属合金へ効果的な腐食抑制を提供す
る。
【0039】本発明の腐食抑制ポリマー組成物は以下
の:改善された耐塩素性、低毒性、およびTTAおよび
BZTをはじめとするアゾールと比較して低環境影響
性、広範囲のpH領域における安定性、安全で価格対性
能に優れた配合物、さらにppm濃度で検出およびモニ
ターされる(追跡可能性(traceability)
とも言われる)という利点を有している。改善された耐
塩素性は、EPA規制流出制限(regulatory
discharge restrictions)に
従って水性系に流出するCu2+をはじめとする金属イ
オン濃度の低下、ガルバニック腐食の減少、金属成分の
有効寿命の増長、腐食保護のためのポリマーの必要量の
減少、およびアゾールに伴う臭気の除去に帰着する。ポ
リマー組成物の低毒性は、水中の毒性を相対的に低下さ
せることで明らかであるように、環境影響の低下に帰着
する。広いpH範囲におけるポリマー組成物の安定性
は、苛性の減少または除去を可能にし、取り扱いおよび
出荷の危険性を減少させる。ポリマーは、高価でない、
商業的に入手可能なモノマー原液(feedstock
s)から調製し、さらに他のバイオサイド、スケール抑
制剤、および他の水性系における処理で有用であると知
られている任意の所望の添加剤を容易に配合することが
できる。該ポリマーに組み込まれた複素環基は、水性系
において低濃度(ppmレベル)のポリマーをUV−v
is吸光分析または蛍光分析によって観測する手段を提
供し、追跡可能性があるとも言われる。不活性な蛍光を
発するトレーサーもまたポリマーに組み込むことがで
き、水性系において同様にポリマーの静的および動的レ
ベルを決定およびモニターする。ポリマーのppmレベ
ルでの追跡可能性は、水性系におけるポリマー濃度を検
出する手段を提供し、さらに所望のフィード(fee
d)または投与量の割合を制御し、重要なコストパフォ
ーマンスに帰着する。実際には、通常水性系で扱われる
式IaまたはIbのポリマー組成物の量は、所望の保護
機能に従って様々である。
【0040】本発明のポリマー組成物は好ましくは、水
性系の重量を基準とし0.1〜50,000ppm
(0.00001〜5重量%)の範囲の活性量を水性系
に添加することができ、好ましくは1〜500ppm、
最も好ましくは1〜100ppmである。
【0041】本発明のポリマー組成物は、例えば殺生物
組成物、当該技術分野において知られている他の任意の
腐食抑制組成物, スケール抑制組成物、分散剤、消泡
剤、不活性蛍光トレーサーおよびそれらの組み合わせを
はじめとする、水性系における処理で有用であると知ら
れている1以上の添加剤を組み合わせることによって、
腐食抑制形成物を調製するために使用される。
【0042】配合物および流体媒体中における可溶性お
よび混和性を増加させるために、本発明の腐食抑制剤
は、界面活性剤、消泡剤、共溶媒、およびヒドロトロー
プと供に形成させることができ、またそのpHは適した
酸または塩基によって変化させることができる。適した
界面活性剤の例としては、Rhodia,Inc.製R
hodafac(商標)RS610またはRhodaf
ac(商標)RE610が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。適した消泡剤の例としては、GEシ
リコンアンチフォームAF60挙げられるがこれらに限
定されるものではない。適した共溶媒としては、例えば
エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールお
よびプロピレングリコールが挙げられる。適したヒドロ
トロープとしてはUniqema製Monatrope
(商標)1250A、およびキシレンスルホン酸ナトリ
ウムが挙げられる。
【0043】適したスケール抑制剤としては、例えばポ
リホスホネートおよびポリカルボン酸、および米国特許
第4,936,987で開示されているものをはじめと
するコポリマーが挙げられる。
【0044】本発明の腐食抑制剤は、銅、アルミニウ
ム、軟鋼、それらの合金および他の金属の腐食の抑制を
強化する他の物質と供に使用することも可能である。か
かる物質の例としては、ホスフェートまたはリン酸、ピ
ロリン酸四カリウムおよびヘキサメタリン酸ナトリウム
をはじめとするポリホスフェート、亜鉛、トリルトリア
ゾール、ベンゾトリアゾールおよび他のアゾール、モリ
ブデン酸塩、クロム酸塩、l−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、アミノトリス(メチレンホスホ
ン酸)、ヒドロキシホスホノ酢酸および2−ホスホノブ
タン−l,2,4−トリカルボン酸をはじめとするホス
ホネート、ポリ(メタ)アクリル酸またはポリマレイン
酸、およびアクリル、メタクリル、およびマレイン酸の
コポリマー、さらにそれらのアルカリ金属およびアルカ
リ土類金属塩をはじめとした高分子性腐食抑制剤が挙げ
られる。
【0045】加えて、該腐食抑制剤は、スケール抑制剤
および分散剤をはじめとした他の物質と供に使用するこ
ともできる。かかる物質の例としては、ポリ(メタ)ア
クリル酸、ポリマレイン酸、アクリル、メタクリル、ま
たはマレイン酸のコポリマー、前述のホスホネート、お
よびニトリロ三酢酸またはエチレンジアミン四酢酸をは
じめとするキレート剤、さらにそれらの金属塩が挙げら
れる。記載した物質は、1つの配合物中に適用されても
よく、また別途適用されても良い。
【0046】本発明のポリマー組成物は、流体添加剤と
して有用に使用され、例えば、冷却水、不凍液、金属作
動流体、潤滑油、ブレーキ液、トランスミッション液、
航空不氷結液、電気デバイスの研磨用液(例えば、化学
的機械的平坦化(CMP)工程において)、はんだ用添
加剤、抗研磨物質、直接金属処理流体、写真プロセスの
ための洗浄剤および浄化剤、抗腐食コーティング、コー
キング材、シーリング材および金属成分に接触している
感圧接着剤などが挙げられる。
【0047】好ましい態様として、腐食抑制組成物は本
発明に従って、金属成分に接触する流体添加剤として有
用に使用される
【0048】代替的な態様として、腐食抑制組成物は、
コーティング技術分野においてよく知られている技術に
よって抗腐食コーティングとして有用に使用される。第
一に、組成物がエラストマーコーティング、コーキング
材、シーリング材である場合、または感圧接着剤組成物
が着色されている場合、少なくとも1つの顔料が水媒体
中に、高剪断下で良分散され、これは例えば、COWL
ES(商標)ミキサーにより、またコーキング材および
シーリング材をはじめとするより高粘度の組成物には、
強力ミキサーまたはミルによって行われる。次に水溶性
(waterborne)ポリマーを、他の所望のエラ
ストマーコーティング、コーク、シーラントまたは感圧
接着性補助剤と供に攪拌しながら、低剪断下で添加す
る。代替的には、水性エマルジョンポリマーが顔料分散
工程に含まれてもよい。水性組成物は従来のエラストマ
ーコーティング、コーク、シーラントまたは感圧接着性
補助剤を含んでいてもよく、例えば粘着付与剤、顔料、
乳化剤、造膜助剤、緩衝剤、中和剤、増粘剤またはレオ
ロジー改良剤、保湿剤、湿潤剤、バイオサイド、可塑
剤、消泡剤、染料、ワックス、および抗酸化剤などが挙
げられる。
【0049】水性コーティング組成物の固形分含量が、
体積百分率で約10%〜約85%で形成されても良い。
水性組成物の粘度が、0.05〜2000Pa.s(5
0cps〜2,000,000cps)(ブルックフィ
ールド粘度計を用いて測定)で形成されてもよく;異な
った最終用途および適用方法についての好適な粘度は著
しく異なる。
【0050】オリゴマーおよびポリマー腐食抑制組成物
は従来の適用方法で適用されても良く、例えば、ブラッ
シングおよびスプレー方法などが挙げられ、例えば、ロ
ールコーティング、浸漬ドクターブレード塗布(dip
ping doctor−blade applica
tion)、印刷法、エアロゾル、空気アトマイズド
(air−atomized)スプレー、エアアシスト
(air−assisted)スプレー、エアレススプ
レー、高容量低圧(high volume low
pressure)スプレー、空気アシストエアレスス
プレー、コーキングガン(caulk guns)およ
びこてをはじめとする。
【0051】金属に加えて、ポリマー腐食抑制組成物は
基体に適用されることができ、基体としては例えば、酸
エッチングまたはコロナ放電または下塗りをはじめとし
た基体の事前処理を施した、または施さない、シートお
よびフィルムを含むプラスチック、木材、あらかじめ塗
料が塗られた基体、セメント質基体、アスファルト基体
または類似物が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0052】以下の実施例は、本発明および本試験手順
から得られた結果を説明するために提供されている。
【0053】略語 AA=アクリル酸 BA=ブチルアクリレート MMA=メチルメタクリレート AN=アクリロニトリル EHA=2−エチルヘキシルアクリレート DI水=脱イオン水
【0054】実施例1 無水スクシン酸基およびジイソ
ブチル基を含有するポリマー(P1)の調製 1.8Lの反応容器に無水マレイン酸フレーク150.
8g、乾燥試薬グレードのキシレン485g、ジイソブ
チレン179.4g、およびp−トルエンスルホン酸
0.3gを仕込んだ。前記反応容器を密閉した。窒素を
フラッシュし、真空度−15psig.にした。160
℃に加熱しはじめ、さらに90gのキシレン中にジ−t
−ブチルペルオキシド27.5gを溶解させ、開始剤の
フィードを調製した。反応温度が160℃に到達した時
に、開始剤溶液を15分間、2g/分で供給した。加熱
を停止すると、反応は発熱反応であり175℃および3
2psigに達する。残りの開始剤溶液は85分間、1
g/分で添加する。その間反応容器は175〜180℃
に保持され、160rpmで攪拌される。開始剤供給
後、30分間加熱を継続させる。反応混合物は冷却さ
れ、反応容器は室温および大気圧でドレインされる。か
かる手段によって、固形分35.2%を含む溶液928
gが得られる。かかる溶液(P1)は、官能化工程に使
用される。
【0055】実施例2 無水スクシン酸基を含有するポ
リマー(P2)の調製 メカニカルスターラー、上部に窒素導入口を有する還流
凝縮器、および熱電対を設置した1リットルの4つ口フ
ラスコに、無水マレイン酸200gおよび工業用のキシ
レン200gを添加した。不活性ガスで反応器をフラッ
シングした後、内容物を60℃に加熱し、無水マレイン
酸を溶解し、その後n−オクチルアミン(NOA)1.
00gを添加する。攪拌された反応容器の内容物は加熱
され、還流され(140〜145℃)、さらに167g
のキシレン中のジ−t−ブチルペルオキシド(DBP)
20.0gを2時間にわたりゆっくりと添加する。かか
る溶液は還流条件下で2時間保持される。反応容器は減
圧蒸留にかけられ、キシレンは蒸留され所望の濃度のP
2溶液を得る。
【0056】実施例3 P2の官能化−Aの調製 ジオキサン45g中に50gのP2の入った溶液を60
℃に加熱し、ジオキサン/メタノールの1:1混合物3
0g中に26.2gの3−アミノ−1,2,4−トリア
ゾールの入った溶液をゆっくりと添加した。60℃に加
熱し、90分間反応を行う。冷却後、反応混合物を固形
分45%に濃縮し、さらにpHを6に調整しAを得る。
【0057】実施例4 P2の官能化−Bの調整 ジオキサン30g中に40gのP2の入った溶液を60
℃に加熱し、ジオキサン106g中の13.6gの3−
アミノイオダゾールのスラリーをゆっくりと添加した。
60℃に加熱し、120分間反応を行う。冷却後、反応
混合物を固形分50%に濃縮し、さらにpHを7に調整
しBを得る。
【0058】実施例5 P1の官能化−Cの調整 キシレン30mL中にP1(固形分45%)10gが入
った溶液に3−アミノ−1,2,4−トリアゾール1.
68gをゆっくり添加し、さらにかかる混合物を還流下
で4時間、加熱した。キシレンは減圧蒸留下で除去さ
れ、 粗製物を水(3×100mL)で洗浄し5.8g
のCを得る。
【0059】実施例6 P1の官能化−DおよびEの調
整 キシレン20mL中にP1(固形分45%)20gが入
った溶液に3−アミノ−1,2,4−トリアゾール3.
36gをゆっくり添加する。かかる混合物を還流下で4
時間、加熱し、その後室温まで放冷する。キシレン層を
デカントし、減圧蒸留でキシレンを除去し、1.1gの
Dを得る。残留物を水で洗浄し、吸引ろ過を行い9.8
gのEを得る。
【0060】実施例7 P1の官能化−FおよびGの調
整 4(1−H−イミダゾール−1−イル)−アニリン5.
0gに、P1(固形分45%)18およびキシレン16
mLの混合物をゆっくりと添加する。反応混合物を還流
下で4時間加熱し、その後室温まで放冷する。キシレン
層をデカントし、減圧蒸留でキシレンを除去し、2.0
gのFを得る。沈殿物を300mLのアセトンに溶解
し、その後かかる溶媒は減圧下で除去され、9.2gの
Gを得る。
【0061】腐食耐性試験 以下の手順を塩素化条件下における本発明のポリマー組
成物の腐食耐性を決定するために利用した。本試験は、
銅表面上に吸着したフィルムへの塩素の浸透に抵抗する
腐食抑制ポリマー組成物の性能を重視している。
【0062】配合物ストック溶液:リン酸(PO 3−
として、85%HPO1.21g)1000pp
m、l−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスホスホン
酸625ppm(PO 3−として、60%HEDP
1.13g、Dequest(商標)2010、Sol
utia)および活性分39.5%でRohm and
Haas Companyから供給されているAcu
mer(商標)2000コポリマー625ppm(1.
58g)を含むストック液を調製した。ストック液を完
成させるために水をかかる混合物に、総重量が998g
になるように添加した。pHを10.5に調整し、その
後ピロリン酸四カリウム1000ppm(PO 3−
して、TKPP1.74g)を添加した。最終混合液の
pHを11.0に調整した。
【0063】ポリマーのストック溶液:各々のポリマー
は、適切な溶媒(水、メタノールまたはイソプロパノー
ル)中、1000ppm(活性量として)に調製した。
【0064】試験溶液の調製: 容器に以下: (a)溶液のpHを7.0に調整した、500ppmの
NaCl、200ppmのCaCl(CaCOとし
て)、100ppmのMgCl(CaCOとし
て)、全アルカリ度(CaCOとして)400ppm
を含む溶液125mL; (b)配合物ストック溶液1mL;および (c)ポリマーストック溶液0.38g(活性分は3p
pm) が添加され、溶液はpH7.0に保持される。
【0065】試験器具の調製:600グリットSiC紙
で、ステンレス鋼リファレンス電極を研磨し、水で濯
ぎ、イソプロパノールで濯ぎ、水で濯ぎ、タオル乾燥す
る。600グリットSiC紙で研磨した、18ゲージの
本実施例の銅電極は、水で濯ぎ、イソプロパノールで濯
ぎ、水で濯ぎ、アセトンで濯ぎ、空気乾燥する。2本の
ステンレス鋼ワイヤーおよび1本の銅ワイヤーを125
mLの試験溶液を包含した容器に挿入し、かかるワイヤ
ーを容器の上部蓋を通して固定した。銅ワイヤーはルー
プ状に曲げられており、水の銅に対する容積/表面積は
264mL/inである。試験溶液は室温にて、18
時間、300rpmで攪拌した。18時間後、NaOC
lを5ppm(Clとして)添加した。30分後、E
G&G Princeton提供のResearch
Potentiostat/Galvanostatモ
デル273を用いて、腐食速度をミル/年(mpy)で
測定した。塩素を用いない試験として、下記の条件:N
aCI(1000ppm)、Ca/Mg(100ppm
/50ppm、CaCOとして)、容積/表面積49
2mL/in、ポリマーフィルム形成時間(攪拌せ
ず)4時間に変えて、上記手順を用いた。
【0066】
【表1】
【0067】表1は、腐食耐性および塩素耐性に関する
最良の能力が、実施例6および7によって得られたこと
を示している。実施例は、塩素耐性に関してTTA、B
ZT(比較例1および2)よりもよい性能を示した。結
局、実施例のほとんどは、塩素耐性に関してTTAおよ
びBZTに匹敵し、TTAおよびBZTの有力な代替品
であるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム・エム・ハン アメリカ合衆国ペンシルバニア州19345, グウィネズ,ディカルブ・パイク・1312 (72)発明者 バリー・ワインシュタイン アメリカ合衆国ペンシルバニア州19024, ドレッシャー,ブルーバード・レーン・ 419 Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA04Q AA06Q AA15Q AA19Q AA21Q AB02Q AB03Q AB07Q AB13Q AB16Q AC03Q AC04Q AE02Q AE03Q AE04Q AE09Q AE13Q AE18Q AG02Q AG04Q AJ02Q AK31P AK31Q AK32P AL03Q AL04Q AL05Q AL09Q AM02Q AM14Q AM15Q AM47P AS02Q BA03Q BA05Q BA06Q BA16H BA16Q BA20H BA38H BA56Q BC54Q BC66H BC69H BC73H BC73P BC75H BC83H CA01 CA04 CA31 HA45 HA61 4K062 AA03 BB11 BB15 BB18 BC07 BC10 BC21 CA05 DA05 FA04 FA05 FA12 GA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性系に接触している金属成分の腐食を抑
    制する方法であって、1以上のポリマーを系中に有効量
    を添加する工程を含み、該ポリマーは: i)式Iaの官能化イミド成分、式Ibの官能化アミド成
    分、および式IaおよびIbの組み合わせから選択した少
    なくとも1つの繰り返し単位: 【化1】 [nは0または1;RおよびRは水素、メチル、およ
    びC〜Cアルキルからなる群から独立に選択され;
    複素環は、N、O、Sおよびそれらの組み合わせからな
    る群から選択されるヘテロ原子を1以上有する不飽和ま
    たは芳香族の複素環を含み、該複素環は複素環の一部で
    あるヘテロ原子または複素環の炭素原子を介して化学的
    に窒素原子に結合し;Rは水素、メチル、エチル、お
    よびC〜C18の分岐鎖および直鎖の、アルキルおよ
    びアルケニル基からなる群から選択され;Rは、H、
    CH、C、CおよびC〜C18の分岐
    鎖および直鎖のアルキルおよびC〜C18のアルケニ
    ル基からなる群から選択される] ii)無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シクロヘク
    ス−4−エニルテトラヒドロフタル酸および式IIのモ
    ノマーから選択された少なくとも1つのエチレン性不飽
    和モノマー成分: 式II CH(R5)=C(R6)(R7) [Rは、水素、フェニル、メチル、エチル、C〜C
    18の分岐鎖および直鎖のアルキルおよびアルケニル基
    から選択され;Rは水素、メチル、エチル、フェニ
    ル、C〜C18の分岐鎖および直鎖のアルキルおよび
    アルケニル基、OR およびCHOR基(Rは、
    アセテート、グリシジル、メチル、エチル、C〜C
    18の分岐鎖および直鎖のアルキルおよびアルケニル
    基)、並びに[CHCH(R)O]の化学式
    を有する基(Rは水素、メチル、エチル、またはフェ
    ニルであり、mは1〜20の整数であって、さらにR
    は水素、メチル、エチル、フェニル、およびベンジルか
    ら独立して選択される)から独立に選択され;さらにR
    はH、CH、C、CN、COR基(R
    OH、NH)、OR基(Rは先に記載したとおり
    である)、およびNR基(RおよびR基は同
    じ基または異なった基であり、5員環または6員環系の
    一部、水素、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エチ
    ル、およびC〜C の分岐鎖および直鎖のアルキル
    およびアルケニル基)から独立に選択される];さらに iii)任意に、開始剤のフラグメント、連鎖移動剤のフ
    ラグメント、溶媒のフラグメント、およびそれらの組み
    合わせから選択された1以上の末端基、を含む方法。
  2. 【請求項2】該ポリマーの重量平均分子量が400〜2
    0,000であり、水性系のpHが6〜10である請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】水性系に添加する該ポリマーの量が、水性
    系の重量を基準として、1〜500ppmである請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】該ポリマーを周期的または連続的に水性系
    に添加する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】ポリマーが、殺生物組成物、公知の腐食抑
    制組成物、スケール抑制組成物、分散剤、消泡剤、不活
    性蛍光トレーサーおよびそれらの組み合わせからなる群
    から選択した1以上の添加剤との配合物として水性系に
    添加される、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】該ポリマーが、スクシンイミド、グルタル
    イミドおよびそれらの組み合わせから選択される式Ia
    の官能化イミド成分を含有し;複素環基が、イミダゾー
    ル、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール
    およびそれらの異性体、置換チアゾールおよびそれらの
    異性体、ピラゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダ
    ジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾールおよびそれ
    らの異性体、並びにそれらの組み合わせからなる群から
    選択され;エチレン性不飽和モノマー成分が、無水マレ
    イン酸、無水イタコン酸、無水シクロヘクス−4−エニ
    ルテトラヒドロフタル酸、エチレン、プロピレン、ブチ
    レン、イソブチレン、ジ−イソブチレン、プロピレンテ
    トラマー(C12〜C14)、プロピレンダイマートリ
    マー(C18〜C22)、1−ブテン、1−オクテン、
    1−デセン;スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキ
    シスチレン、スチレンスルホン酸、ブタジエン;ビニル
    アセテート、ビニルブチレート、ビニルエステル、ビニ
    ルクロライド、ビニリデンクロライド、スチルベン、ジ
    ビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸、C〜C
    18(メタ)アクリレートエステル、C〜C18(メ
    タ)アクリルアミド、および(メタ)アクリロニトリル
    からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】1以上の該ポリマーが式IIIを有する請
    求項1記載の方法: 式III (A)x(B)y(C)z [Aは、開始剤のフラグメント、連鎖移動剤のフラグメ
    ント、溶媒のフラグメント、およびそれらの組み合わせ
    から選択される任意の末端基;Bは、式Iaの官能化イ
    ミド成分、式Ibの官能化アミド成分、および式Iaおよ
    びIbの組み合わせ;Cは、無水マレイン酸、無水イタ
    コン酸、無水シクロヘクス−4−エニルテトラヒドロフ
    タル酸および式IIのモノマーから選択されるエチレン
    性不飽和モノマー成分であり;さらにx、y、zは(y
    +z)/xが2より大きくなるように選択した整数であ
    る]
  8. 【請求項8】Aが、ジアルキルペルオキシド、アルキル
    ヒドロペルオキシド、n−ドデシルイソプロピルアルコ
    ール、アルキルホスホネート、アルキルホスファイト、
    アリールホスフィン酸、アルキルホスフィン酸、次亜リ
    ン酸塩、アルデヒド、ホルメート、トルエン、キシレ
    ン、C〜C10アルキル芳香族およびAromati
    c 100からなる群から選択され;Bに結合している
    複素環は、イミダゾール、トリアゾールおよびそれらの
    異性体、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾ
    ールおよびそれらの異性体、ピラゾール、置換チアゾー
    ルおよびそれらの異性体、テトラゾール、ピリジン、ピ
    リダジン、ピリミジン、ピラジン、並びにそれらの組み
    合わせからなる群から選択され;Cは、無水マレイン
    酸、無水イタコン酸、無水シクロヘクス−4−エニルテ
    トラヒドロフタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレ
    ン、イソブチレン、ジ−イソブチレン、プロピレンテト
    ラマー(C12〜C14)、プロピレンダイマートリマ
    ー(C18〜C22)、1−ブテン、1−オクテン、1
    −デセン;スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシ
    スチレン、スチレンスルホン酸、ブタジエン;ビニルア
    セテート、ビニルブチレート、ビニルエステル、ビニル
    クロライド、ビニリデンクロライド、スチルベン、ジビ
    ニルベンゼン、(メタ)アクリル酸、C〜C18(メ
    タ)アクリレートエステル、C〜C18(メタ)アク
    リルアミド、および(メタ)アクリロニトリルからなる
    群から選択される、請求項7記載のポリマー。
  9. 【請求項9】1以上の該ポリマーが式IVを有する請求
    項1記載の方法:式IV (A)x(B)y
    (B’)z[Aは、開始剤のフラグメント、連鎖移動剤
    のフラグメント、溶媒のフラグメント、およびそれらの
    組み合わせから選択される末端基;Bは、スクシンイミ
    ド、グルタルイミドおよびそれらの組み合わせから選択
    した式Iaの官能化イミド成分;B’はスクシンイミ
    ド、グルタルイミドおよびそれらの組み合わせから選択
    された官能化イミド成分または官能化アミド成分から選
    択された少なくとも1つの単位を含み、成分B’の各々
    の窒素原子は、C〜C18の分岐鎖または直鎖のアル
    キル、C〜C18のアルキルまたはアルケニルで置換
    されたアリールから選択された基に化学的に結合する、
    この基は次にアミン基、アミド基、カルボン酸基、アル
    コール基、式[CHCH(R)O]を有する
    基(Rは水素、メチル、エチル、またはフェニル、m
    は2〜20の整数、さらにRは独立に水素、メチル、
    エチル、フェニル、またはベンジルである)から選択し
    たペンダント官能基に化学結合し;さらにx、y、zは
    (y+z)/xが2より大きくなるように選択した整数
    である]
  10. 【請求項10】B’に結合している基がC〜C18
    分岐鎖または直鎖のアルキルアミンであり、さらにBに
    結合しているペンダント複素環が、イミダゾール、トリ
    アゾールおよびそれらの異性体、チオフェン、ピロー
    ル、オキサゾール、チアゾールおよびそれらの異性体、
    ピラゾール、置換チアゾールおよびそれらの異性体、テ
    トラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラ
    ジン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択さ
    れる、請求項9記載の方法。
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