JP2003183721A - 溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法 - Google Patents
溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法Info
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- JP2003183721A JP2003183721A JP2001378571A JP2001378571A JP2003183721A JP 2003183721 A JP2003183721 A JP 2003183721A JP 2001378571 A JP2001378571 A JP 2001378571A JP 2001378571 A JP2001378571 A JP 2001378571A JP 2003183721 A JP2003183721 A JP 2003183721A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】溶融金属炉の羽口プラグの上面への補修材の流
れ込みを確実に防止し、作業性のよい補修方法を提供す
る。 【解決手段】羽口3の補修を行う際に、プラグ5の上面
にキャップ治具10を被せ、補修材8を上方から炉床2
に投入しても羽口プラグ5の上面にあるガス吹込みノズ
ルあるいはガス透過煉瓦に補修材8が流れ込むのを防
ぐ。補修終了後はキャップ治具10を取り除くので、キ
ャップ治具10が無駄になることはなく、また、羽口プ
ラグ自体のコストも低減できる。
れ込みを確実に防止し、作業性のよい補修方法を提供す
る。 【解決手段】羽口3の補修を行う際に、プラグ5の上面
にキャップ治具10を被せ、補修材8を上方から炉床2
に投入しても羽口プラグ5の上面にあるガス吹込みノズ
ルあるいはガス透過煉瓦に補修材8が流れ込むのを防
ぐ。補修終了後はキャップ治具10を取り除くので、キ
ャップ治具10が無駄になることはなく、また、羽口プ
ラグ自体のコストも低減できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属炉の炉床
において炉中の溶融金属にガスを吹き込むためのガス吹
込み羽口の補修方法に関するものである。
において炉中の溶融金属にガスを吹き込むためのガス吹
込み羽口の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】電気炉や転炉などの溶融金属炉において
は、その炉底部に精錬ガスのガス吹込み羽口が設けら
れ、この羽口から酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭
素、炭化水素、不活性ガス等、又はこれらの混合ガスを
吹き込むことにより、溶融金属を攪拌して、溶融金属炉
内の原料の溶融・溶解を促進させ、あるいは反応を促進
させて精錬効果を上げるようにしている。
は、その炉底部に精錬ガスのガス吹込み羽口が設けら
れ、この羽口から酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭
素、炭化水素、不活性ガス等、又はこれらの混合ガスを
吹き込むことにより、溶融金属を攪拌して、溶融金属炉
内の原料の溶融・溶解を促進させ、あるいは反応を促進
させて精錬効果を上げるようにしている。
【0003】しかし、このような精錬ガスの吹き込みを
行うと、溶融金属炉内の原料の溶融や溶解、さらには精
錬が進むにつれて、ガス吹込み羽口とその周辺の炉床耐
火煉瓦が溶融金属やスラグとの強制攪拌によって激しく
損耗することになる。そのため、ガス吹込み羽口の取替
えとその周辺の炉床耐火煉瓦の補修作業が必要になって
くる。
行うと、溶融金属炉内の原料の溶融や溶解、さらには精
錬が進むにつれて、ガス吹込み羽口とその周辺の炉床耐
火煉瓦が溶融金属やスラグとの強制攪拌によって激しく
損耗することになる。そのため、ガス吹込み羽口の取替
えとその周辺の炉床耐火煉瓦の補修作業が必要になって
くる。
【0004】この場合、羽口煉瓦に新しい羽口プラグを
セットした後、その周辺部をスタンプ材又は吹き付け材
で補修を行う方法が採用されているが、この際にプラグ
先端に補修材が付着し、ガス吹きが不能となるおそれが
ある。
セットした後、その周辺部をスタンプ材又は吹き付け材
で補修を行う方法が採用されているが、この際にプラグ
先端に補修材が付着し、ガス吹きが不能となるおそれが
ある。
【0005】従来、プラグ先端に補修材が付着するのを
防止するために、様々な補修方法が採用されているが、
実開平4−129570号公報に記載されているよう
に、ガス吹き込み用プラグとして、ガス透過煉瓦の上面
を鉄皮で包囲し、かつ鉄皮の上面又は上部外周面にガス
透過確認用の複数個の小孔を形成したものを使用し、こ
れを用いて補修を行う方法が知られている。
防止するために、様々な補修方法が採用されているが、
実開平4−129570号公報に記載されているよう
に、ガス吹き込み用プラグとして、ガス透過煉瓦の上面
を鉄皮で包囲し、かつ鉄皮の上面又は上部外周面にガス
透過確認用の複数個の小孔を形成したものを使用し、こ
れを用いて補修を行う方法が知られている。
【0006】この補修方法によれば、補修を行う際にプ
ラグの先端には鉄皮が存在するため補修材が内部のガス
透過煉瓦に付着することはなくなる。また、小孔が形成
されているから、プラグからガスを吹きながら羽口煉瓦
とプラグ隙間の完全補修が行える。さらに、ガス透過煉
瓦の上面を包囲する鉄皮は、溶融金属を受けた際に溶
け、ガス透過煉瓦が上面に現われるので、ガス吹きが可
能となる。
ラグの先端には鉄皮が存在するため補修材が内部のガス
透過煉瓦に付着することはなくなる。また、小孔が形成
されているから、プラグからガスを吹きながら羽口煉瓦
とプラグ隙間の完全補修が行える。さらに、ガス透過煉
瓦の上面を包囲する鉄皮は、溶融金属を受けた際に溶
け、ガス透過煉瓦が上面に現われるので、ガス吹きが可
能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、上面を鉄皮で包囲した羽口プラグを使用する場合、
ガス透過煉瓦の周囲のみならず上面をも鉄皮で覆うこと
になるため、プラグの製造工程が複雑で製造コスト高と
なるばかりか、補修作業終了後においても鉄皮を取り除
くことなく、溶融金属により溶かす手法を採用している
ので、上面を覆う鉄皮が無駄になるといった不具合があ
る。
に、上面を鉄皮で包囲した羽口プラグを使用する場合、
ガス透過煉瓦の周囲のみならず上面をも鉄皮で覆うこと
になるため、プラグの製造工程が複雑で製造コスト高と
なるばかりか、補修作業終了後においても鉄皮を取り除
くことなく、溶融金属により溶かす手法を採用している
ので、上面を覆う鉄皮が無駄になるといった不具合があ
る。
【0008】本発明は、上記課題に鑑み、羽口プラグの
ガス透過煉瓦又はノズルへの補修材の流れ込みを確実に
防止でき、かつ作業性のよい補修方法を提供しようとす
るものである。
ガス透過煉瓦又はノズルへの補修材の流れ込みを確実に
防止でき、かつ作業性のよい補修方法を提供しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、溶融金属炉の炉床においてガス
吹込み羽口が溶損したときに、前記羽口に取り付けられ
た羽口プラグとその周囲の炉床耐火煉瓦との間の溶損部
分に、不定形耐火物からなる焼付け補修材を上方から炉
床に投入して充填するに際し、前記羽口プラグの上面を
覆うキャップ治具を着脱自在に被装した後、前記補修材
を投入充填する溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法を提
供するものである。
め、本発明においては、溶融金属炉の炉床においてガス
吹込み羽口が溶損したときに、前記羽口に取り付けられ
た羽口プラグとその周囲の炉床耐火煉瓦との間の溶損部
分に、不定形耐火物からなる焼付け補修材を上方から炉
床に投入して充填するに際し、前記羽口プラグの上面を
覆うキャップ治具を着脱自在に被装した後、前記補修材
を投入充填する溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法を提
供するものである。
【0010】また、羽口プラグの取り替えも同時に行う
場合、本発明においては、溶融金属炉の炉床においてガ
ス吹込み羽口が溶損したときに、その溶損部分に新たな
羽口プラグを設置し、その羽口プラグとその周囲の炉床
耐火煉瓦との間の溶損部分に、不定形耐火物からなる補
修材を上方から炉床に投入して充填するに際し、前記羽
口プラグの上面を覆うキャップ治具を着脱自在に被装し
た後、前記補修材を投入充填する溶融金属炉の底吹き羽
口の補修方法を提供するものである。
場合、本発明においては、溶融金属炉の炉床においてガ
ス吹込み羽口が溶損したときに、その溶損部分に新たな
羽口プラグを設置し、その羽口プラグとその周囲の炉床
耐火煉瓦との間の溶損部分に、不定形耐火物からなる補
修材を上方から炉床に投入して充填するに際し、前記羽
口プラグの上面を覆うキャップ治具を着脱自在に被装し
た後、前記補修材を投入充填する溶融金属炉の底吹き羽
口の補修方法を提供するものである。
【0011】上記構成によると、羽口の補修を行う際
に、プラグ上面にキャップ治具を被せるため、補修材を
上方から炉床に投入しても羽口プラグの上面にあるガス
吹込みノズルあるいはガス透過煉瓦に補修材が流れ込む
のを確実に防止でき、補修終了後にはキャップ治具を取
り除くので、キャップ治具が無駄になることはなく、ま
た、プラグ自体のコストも低減することができる。
に、プラグ上面にキャップ治具を被せるため、補修材を
上方から炉床に投入しても羽口プラグの上面にあるガス
吹込みノズルあるいはガス透過煉瓦に補修材が流れ込む
のを確実に防止でき、補修終了後にはキャップ治具を取
り除くので、キャップ治具が無駄になることはなく、ま
た、プラグ自体のコストも低減することができる。
【0012】また、補修材による補修は、通常、溶融金
属炉の操業を停止し、金属炉の温度が十分低下した後に
行うが、本発明においては、プラグの上面はキャップ治
具で覆われているので、金属炉がまだ熱い状態でも補修
材を上方から投入して補修を行うことができ、操業停止
からの立ち上がり時間を短縮することができる。
属炉の操業を停止し、金属炉の温度が十分低下した後に
行うが、本発明においては、プラグの上面はキャップ治
具で覆われているので、金属炉がまだ熱い状態でも補修
材を上方から投入して補修を行うことができ、操業停止
からの立ち上がり時間を短縮することができる。
【0013】すなわち、本発明においては、補修材の投
入作業を耐火物煉瓦の残熱状態で行い、投入後の補修材
を耐火物煉瓦の残熱を利用して焼成する底吹き羽口の補
修方法も提供することができる。
入作業を耐火物煉瓦の残熱状態で行い、投入後の補修材
を耐火物煉瓦の残熱を利用して焼成する底吹き羽口の補
修方法も提供することができる。
【0014】この場合の投入する補修材は不定形のアル
ミナ耐火物からなるものが好適に使用できる。
ミナ耐火物からなるものが好適に使用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係る溶融金属炉の羽
口補修方法を説明する概略図、図2は図1における羽口
部分の拡大図を示している。
基づいて説明する。図1は本発明に係る溶融金属炉の羽
口補修方法を説明する概略図、図2は図1における羽口
部分の拡大図を示している。
【0016】図1に示すように、本発明に係る溶融金属
炉の底吹き羽口の補修方法は、溶融金属炉1の炉床2に
おいてガス吹込み羽口3が溶損したときに、その溶損部
分に新たな羽口プラグ5を設置し、その羽口プラグ5と
その周囲の炉床耐火煉瓦6との間の溶損部分7に、不定
形耐火物からなる補修材8を上方から炉床2に投入して
充填するに際し、前記羽口プラグ5の上面を覆うキャッ
プ治具10を着脱自在に被装した後、前記補修材8を投
入充填して補修を行う。
炉の底吹き羽口の補修方法は、溶融金属炉1の炉床2に
おいてガス吹込み羽口3が溶損したときに、その溶損部
分に新たな羽口プラグ5を設置し、その羽口プラグ5と
その周囲の炉床耐火煉瓦6との間の溶損部分7に、不定
形耐火物からなる補修材8を上方から炉床2に投入して
充填するに際し、前記羽口プラグ5の上面を覆うキャッ
プ治具10を着脱自在に被装した後、前記補修材8を投
入充填して補修を行う。
【0017】溶融金属炉1は、例えば電気炉であって、
図1に示すように、鉄皮12の内側に炉床永久煉瓦13
が張付けられ、その上に炉床耐火煉瓦14が配列されて
築炉されている。炉床の羽口3部分には羽口耐火煉瓦6
が配列され、その羽口部分に羽口プラグ5が取替え自在
に設置されている。
図1に示すように、鉄皮12の内側に炉床永久煉瓦13
が張付けられ、その上に炉床耐火煉瓦14が配列されて
築炉されている。炉床の羽口3部分には羽口耐火煉瓦6
が配列され、その羽口部分に羽口プラグ5が取替え自在
に設置されている。
【0018】溶融金属炉1の上方には、作業デッキ17
が設置され、この作業デッキ17に立設されたポール1
8にウインチ19が吊り下げられ、ウインチ19に巻か
れたワイヤ20の先端にキャップ治具10が連結され、
このキャップ治具10を作業デッキ17から操作できる
ようになっている。
が設置され、この作業デッキ17に立設されたポール1
8にウインチ19が吊り下げられ、ウインチ19に巻か
れたワイヤ20の先端にキャップ治具10が連結され、
このキャップ治具10を作業デッキ17から操作できる
ようになっている。
【0019】図3はキャップ治具の概略図、図4は羽口
プラグの断面図、図5は図4のA矢視図、図6は図4の
B−B断面図である。図3に示すように、キャップ治具
10は、金属製のものであって、カップ状のキャップ2
1と、その上面中心部に取り付けられた連結棒22とか
ら構成される。
プラグの断面図、図5は図4のA矢視図、図6は図4の
B−B断面図である。図3に示すように、キャップ治具
10は、金属製のものであって、カップ状のキャップ2
1と、その上面中心部に取り付けられた連結棒22とか
ら構成される。
【0020】キャップ21は、図3に示すように、天蓋
付き円筒部材であって、その内径(例えば直径が151m
m)が、羽口プラグ5の上部外径(例えば、直径138m
m)よりも大きく形成され、羽口プラグ5の上面及び上
部周面を完全に塞ぐことができるようになっている。
付き円筒部材であって、その内径(例えば直径が151m
m)が、羽口プラグ5の上部外径(例えば、直径138m
m)よりも大きく形成され、羽口プラグ5の上面及び上
部周面を完全に塞ぐことができるようになっている。
【0021】連結棒22は、図1に示すように、ウイン
チ19のワイヤ20に連結されるものであって、キャッ
プ治具10を炉床に配置したときに、上端が溶融金属炉
1よりも上方に突出する長さ(例えば4650mm)に設定
されている。
チ19のワイヤ20に連結されるものであって、キャッ
プ治具10を炉床に配置したときに、上端が溶融金属炉
1よりも上方に突出する長さ(例えば4650mm)に設定
されている。
【0022】羽口プラグ5は、図4に示すように、炉底
に設置される台座24と、この台座の中央穴部に連結さ
れ下方に延長されるガス吹込みノズル4と、台座24の
上面に設置されるポーラス煉瓦からなる円錐台状のガス
透過煉瓦25と、このガス透過煉瓦25に縦方向に貫通
形成されたガス吹出しスリット26と、ガス透過煉瓦2
5の周囲を覆うステンレス製の鉄皮27とを備えた公知
な構造物である。
に設置される台座24と、この台座の中央穴部に連結さ
れ下方に延長されるガス吹込みノズル4と、台座24の
上面に設置されるポーラス煉瓦からなる円錐台状のガス
透過煉瓦25と、このガス透過煉瓦25に縦方向に貫通
形成されたガス吹出しスリット26と、ガス透過煉瓦2
5の周囲を覆うステンレス製の鉄皮27とを備えた公知
な構造物である。
【0023】スリット26は、図5及び図6に示すよう
に、ガス透過煉瓦25の中心から放射状に形成されると
共に、その外周側にも間隔をおいて形成され、ガス吹込
みノズル4から精錬ガスをスリット26を通して炉内に
吹き込みやすいようにしている。
に、ガス透過煉瓦25の中心から放射状に形成されると
共に、その外周側にも間隔をおいて形成され、ガス吹込
みノズル4から精錬ガスをスリット26を通して炉内に
吹き込みやすいようにしている。
【0024】補修材8は、不定形耐火物であって、アル
ミナ耐火物が好適に使用される。アルミナ耐火物として
は、例えば、低発煙タイプの焼付補修材として九州耐火
煉瓦株式会社製のRBA−BL−A8Z(化学成分がA
l2O3(78%)、SiO2(5.0%)、F.C(11.0%)、
800℃で見掛け気孔率が25.5%、かさ比重が2.34、熱間
接着強さ1.5MPa)のものが例示できる。この耐火物
は、残熱状態の金属溶融炉に投入したときに、約200
℃の残熱状態で流動し、100kgで20分で硬化する。
ミナ耐火物が好適に使用される。アルミナ耐火物として
は、例えば、低発煙タイプの焼付補修材として九州耐火
煉瓦株式会社製のRBA−BL−A8Z(化学成分がA
l2O3(78%)、SiO2(5.0%)、F.C(11.0%)、
800℃で見掛け気孔率が25.5%、かさ比重が2.34、熱間
接着強さ1.5MPa)のものが例示できる。この耐火物
は、残熱状態の金属溶融炉に投入したときに、約200
℃の残熱状態で流動し、100kgで20分で硬化する。
【0025】次に、溶融金属炉1の底吹き羽口の補修方
法を詳述すると、溶融金属炉1のガス吹込み羽口3が溶
損したときには操業を一旦停止し、溶損したプラグを炉
底下側から昇降機具(図示せず)により受け取り、次
に、新しい羽口プラグ5を炉底から羽口部3に昇降機具
(図示せず)により挿入する。次に、金属溶融炉(電気
炉)1の上方のデッキ17に上がった作業者は、ウイン
チ19を操作してキャップ治具10を新たな羽口プラグ
5の上面に被せ、羽口プラグ5とその周囲の炉床耐火煉
瓦6との間の溶損部分7に、不定形耐火物からなる焼付
補修材8を上方から炉床2に投入して充填硬化させる。
充填作業終了後には、デッキ上の作業者は、ウインチ1
9を操作してキャップ治具10を羽口プラグ5から取り
外して作業を終了する。
法を詳述すると、溶融金属炉1のガス吹込み羽口3が溶
損したときには操業を一旦停止し、溶損したプラグを炉
底下側から昇降機具(図示せず)により受け取り、次
に、新しい羽口プラグ5を炉底から羽口部3に昇降機具
(図示せず)により挿入する。次に、金属溶融炉(電気
炉)1の上方のデッキ17に上がった作業者は、ウイン
チ19を操作してキャップ治具10を新たな羽口プラグ
5の上面に被せ、羽口プラグ5とその周囲の炉床耐火煉
瓦6との間の溶損部分7に、不定形耐火物からなる焼付
補修材8を上方から炉床2に投入して充填硬化させる。
充填作業終了後には、デッキ上の作業者は、ウインチ1
9を操作してキャップ治具10を羽口プラグ5から取り
外して作業を終了する。
【0026】この間の作業は炉床内に作業者が入って行
うものではないので、金属溶融炉1が残熱状態であって
も作業を行うことができ、取替え作業性が良好となり、
操業停止からの立ち上がり時間も短縮することができ
る。しかも、キャップ治具10は、次回の作業において
も使用できるので経済的である。
うものではないので、金属溶融炉1が残熱状態であって
も作業を行うことができ、取替え作業性が良好となり、
操業停止からの立ち上がり時間も短縮することができ
る。しかも、キャップ治具10は、次回の作業において
も使用できるので経済的である。
【0027】また、溶損部分の補修は、キャップ治具1
0を羽口プラグ5の上面に被せて行うので、羽口プラグ
5のノズル4及びガス透過スリット部分が補修材8によ
って塞がれることがなく、ガス吹込み流量の低下を解消
することができる。
0を羽口プラグ5の上面に被せて行うので、羽口プラグ
5のノズル4及びガス透過スリット部分が補修材8によ
って塞がれることがなく、ガス吹込み流量の低下を解消
することができる。
【0028】しかも、デッキ17上から焼付補修材を投
入して溶損部分を焼付け補修する場合、キャップ冶具な
しで行ったときには、遠くへ落とすと溶損部に補修材が
うまく流れ込まず、また、近過ぎると羽口プラグ5のス
リット部に被り、ガス詰まりを起こす原因となり、溶損
部分の補修が極めて困難であった。しかし、本発明のよ
うに、キャップ冶具を用いて羽口プラグ5の上面を覆っ
た場合、焼付補修材の投入に際して補修材を羽口プラグ
5の近傍に落としてもプラグ上面のスリットが詰まるこ
となく、羽口溶損部への補修材の充填作業を確実に行う
ことができ、補修直後は新品の羽口煉瓦に取り替えた状
態と同じ状態にまで復元することができる。そのため、
羽口プラグ5の使用回数も向上させることができる。
入して溶損部分を焼付け補修する場合、キャップ冶具な
しで行ったときには、遠くへ落とすと溶損部に補修材が
うまく流れ込まず、また、近過ぎると羽口プラグ5のス
リット部に被り、ガス詰まりを起こす原因となり、溶損
部分の補修が極めて困難であった。しかし、本発明のよ
うに、キャップ冶具を用いて羽口プラグ5の上面を覆っ
た場合、焼付補修材の投入に際して補修材を羽口プラグ
5の近傍に落としてもプラグ上面のスリットが詰まるこ
となく、羽口溶損部への補修材の充填作業を確実に行う
ことができ、補修直後は新品の羽口煉瓦に取り替えた状
態と同じ状態にまで復元することができる。そのため、
羽口プラグ5の使用回数も向上させることができる。
【0029】本発明者らの実験によると、図7に示すよ
うな結果が得られた。図7はキャップ治具を使用せずに
溶損部分の補修を行った場合(改善前)と、キャップ治
具を使用して溶損部分を補修した場合(改善後)との羽
口プラグ使用回数の比較図である。
うな結果が得られた。図7はキャップ治具を使用せずに
溶損部分の補修を行った場合(改善前)と、キャップ治
具を使用して溶損部分を補修した場合(改善後)との羽
口プラグ使用回数の比較図である。
【0030】図7において、縦軸は溶融金属炉における
羽口プラグの使用回数を表わす。使用回数は、例えば、
高さ300mmの羽口プラグ5が溶損により半分の高さ150
mmまで磨耗したときを使用限度としたものである。横
軸の「本目」は金属溶融炉1の炉床耐火煉瓦14の張替
え後、何本目の羽口プラグ5かを示している。本目が増
すにつれて使用回数が減少するのは、炉床耐火煉瓦14
も損耗するため、羽口プラグ5も損耗しやすくなるため
である。
羽口プラグの使用回数を表わす。使用回数は、例えば、
高さ300mmの羽口プラグ5が溶損により半分の高さ150
mmまで磨耗したときを使用限度としたものである。横
軸の「本目」は金属溶融炉1の炉床耐火煉瓦14の張替
え後、何本目の羽口プラグ5かを示している。本目が増
すにつれて使用回数が減少するのは、炉床耐火煉瓦14
も損耗するため、羽口プラグ5も損耗しやすくなるため
である。
【0031】図7から明らかなように、キャップ治具1
0を使用した補修方法は、キャップ治具を使用しない場
合に比べて、例えば、4本目以降の使用回数で、8回の
使用回数が14回の使用回数と大幅に向上した。これ
は、前述のごとく、キャップ治具10により羽口プラグ
5の上面への焼付補修材8の流動を確実に抑えて、焼付
補修材8を溶損部分7に十分充填させて硬化させること
ができ、新品の羽口煉瓦に交換した場合に近い復元状態
が得られるから、その分、プラグの使用回数が増加した
ものと考えられる。
0を使用した補修方法は、キャップ治具を使用しない場
合に比べて、例えば、4本目以降の使用回数で、8回の
使用回数が14回の使用回数と大幅に向上した。これ
は、前述のごとく、キャップ治具10により羽口プラグ
5の上面への焼付補修材8の流動を確実に抑えて、焼付
補修材8を溶損部分7に十分充填させて硬化させること
ができ、新品の羽口煉瓦に交換した場合に近い復元状態
が得られるから、その分、プラグの使用回数が増加した
ものと考えられる。
【0032】さらに、本発明の補修方法によると、羽口
プラグの損耗状態に拘らず、羽口プラグにキャップ冶具
を着脱自在に被せて、焼付補修材によりプラグ周辺の溶
損部分を補修することができるため、羽口プラグの寿命
前にプラグ周辺が溶損した場合でも、羽口プラグを取り
替えることなく、周辺の溶損部分のみを焼付補修材で補
修することができる。
プラグの損耗状態に拘らず、羽口プラグにキャップ冶具
を着脱自在に被せて、焼付補修材によりプラグ周辺の溶
損部分を補修することができるため、羽口プラグの寿命
前にプラグ周辺が溶損した場合でも、羽口プラグを取り
替えることなく、周辺の溶損部分のみを焼付補修材で補
修することができる。
【0033】なお、本発明の上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で多くの修正変更を加え
ることができるのは勿論である。例えば、羽口プラグ
は、スリットが形成されているものに限らず、スリット
のないものであってもよい。また、スリットの代わりに
ノズルが上方まで延設されたものであってもよい。ま
た、上記実施形態では電気炉を例示したが、転炉の羽口
にも本発明を適用することができる。
ものではなく、本発明の範囲内で多くの修正変更を加え
ることができるのは勿論である。例えば、羽口プラグ
は、スリットが形成されているものに限らず、スリット
のないものであってもよい。また、スリットの代わりに
ノズルが上方まで延設されたものであってもよい。ま
た、上記実施形態では電気炉を例示したが、転炉の羽口
にも本発明を適用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、羽口の補修を行う際に、プラグ上面にキャップ
治具を被せるため、補修材を上方から炉床に投入しても
羽口プラグの上面にあるガス吹込みノズルあるいはガス
透過煉瓦に補修材が流れ込むのを確実に防止でき、補修
終了後にはキャップ治具を取り除くので、キャップ治具
が無駄になることはなく、また、プラグ自体のコストも
低減することができる。
よると、羽口の補修を行う際に、プラグ上面にキャップ
治具を被せるため、補修材を上方から炉床に投入しても
羽口プラグの上面にあるガス吹込みノズルあるいはガス
透過煉瓦に補修材が流れ込むのを確実に防止でき、補修
終了後にはキャップ治具を取り除くので、キャップ治具
が無駄になることはなく、また、プラグ自体のコストも
低減することができる。
【図1】本発明に係る溶融金属炉の底吹き羽口の補修方
法の説明する概略図
法の説明する概略図
【図2】図1の羽口部の拡大図、
【図3】図1のキャップ治具の概略図
【図4】図1の羽口プラグの断面図
【図5】図4のA矢視図
【図6】図4のB−B断面図、
【図7】キャップ治具を使用しない場合(改善前)と使
用した場合(改善後)のプラグ使用回数の比較図
用した場合(改善後)のプラグ使用回数の比較図
1 溶融金属炉
2 炉床
3 羽口
4 ガス吹込みノズル
5 羽口プラグ
6 羽口煉瓦
7 溶損部分
8 補修材
10 キャップ治具
17 作業デッキ
19 ウインチ
20 ワイヤ
21 キャップ
22 連結棒
26 スリット
フロントページの続き
(72)発明者 勝部 義則
大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式会
社中山製鋼所内
(72)発明者 住吉 裕昭
大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式会
社中山製鋼所内
(72)発明者 鈴木 誠
大阪市大正区船町1丁目1番66号 株式会
社中山製鋼所内
Fターム(参考) 4K051 AA02 AA05 AA06 AB05 GA00
LJ00
4K070 CC02 CC03 CG04
Claims (4)
- 【請求項1】溶融金属炉の炉床においてガス吹込み羽口
が溶損したときに、前記羽口に取り付けられた羽口プラ
グとその周囲の炉床耐火煉瓦との間の溶損部分に、不定
形耐火物からなる焼付け補修材を上方から炉床に投入し
て充填するに際し、前記羽口プラグの上面を覆うキャッ
プ治具を着脱自在に被装した後、前記補修材を投入充填
する溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法。 - 【請求項2】溶融金属炉の炉床においてガス吹込み羽口
が溶損したときに、その溶損部分に新たな羽口プラグを
設置し、その羽口プラグとその周囲の炉床耐火煉瓦との
間の溶損部分に、不定形耐火物からなる補修材を上方か
ら炉床に投入して充填するに際し、前記羽口プラグの上
面を覆うキャップ治具を着脱自在に被装した後、前記補
修材を投入充填する溶融金属炉の底吹き羽口の補修方
法。 - 【請求項3】前記補修材の投入作業を耐火物煉瓦の残熱
状態で行い、投入後の補修材を耐火物煉瓦の残熱を利用
して焼成する請求項1又は2記載の底吹き羽口の補修方
法。 - 【請求項4】前記補修材が不定形のアルミナ耐火物から
なるものを使用する請求項1、2又は3記載の底吹き羽
口の補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001378571A JP2003183721A (ja) | 2001-12-12 | 2001-12-12 | 溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001378571A JP2003183721A (ja) | 2001-12-12 | 2001-12-12 | 溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003183721A true JP2003183721A (ja) | 2003-07-03 |
Family
ID=27590892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001378571A Pending JP2003183721A (ja) | 2001-12-12 | 2001-12-12 | 溶融金属炉の底吹き羽口の補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003183721A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200466345Y1 (ko) * | 2011-04-07 | 2013-04-12 | 토쿄 요교 가부시키가이샤 | 가스 취입 플러그 |
-
2001
- 2001-12-12 JP JP2001378571A patent/JP2003183721A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200466345Y1 (ko) * | 2011-04-07 | 2013-04-12 | 토쿄 요교 가부시키가이샤 | 가스 취입 플러그 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050301 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20051101 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060228 |