JP2003181527A - 押出加工用ダイス、押出加工装置、押出体、並びに押出加工用ダイスの設計方法 - Google Patents

押出加工用ダイス、押出加工装置、押出体、並びに押出加工用ダイスの設計方法

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JP2003181527A
JP2003181527A JP2001385015A JP2001385015A JP2003181527A JP 2003181527 A JP2003181527 A JP 2003181527A JP 2001385015 A JP2001385015 A JP 2001385015A JP 2001385015 A JP2001385015 A JP 2001385015A JP 2003181527 A JP2003181527 A JP 2003181527A
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die
extrusion
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holes
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Teru Sakae
輝 栄
Fumikazu Toda
文和 戸田
Kazuhisa Fujisawa
和久 藤沢
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば坏土を原材料として用い、ハニカム構
造の成形体を製造する場合に、しばしば割れや歪みを生
じていた。そこで本発明ではこの様な不良のない(或い
は小さい)押出材(成形体)を得ることのできる押出加
工用ダイス等を提供することを目的とする。 【解決手段】 原材料(坏土)入側に複数の独立した導
入孔が設けられ、出側より手前で導入孔が連通して所定
形状の押出材を押し出すダイス10である。ダイスにお
ける中央導入孔12aの開口面積に比べ、周辺導入孔1
2dの開口面積が大きい。ダイス入側では周辺部分の坏
土進行速度が遅いが、周辺導入孔12dの方が坏土が導
入され易く、上記連結部分に至ったときには、各導入孔
12において坏土の進行速度がほぼ均一となる。よって
押出材の残留応力が低減(或いは無し)し、割れや歪み
が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原材料入側に複数
の独立した導入孔を有し、出側より手前で上記導入孔を
連通させてこれにより所定形状の押出材を形作る押出加
工用ダイス、及び押出加工装置に関するもの、並びにこ
の様な押出加工用ダイスを用いて得られる押出体に関す
るものであり、また押出加工用ダイスの決定方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】例えばハニカム構造の触媒を製造するに
あたっては、坏土の様な無機粉体を可塑化したものを原
材料として用い、コンテナ内に収容した上記原材料をダ
イスから押し出して形作るという方法がしばしば取られ
ている。このときの上記ダイスとしては、入側に複数の
導入孔を設け、出側より手前で上記導入孔を連通させ
て、出側を所望の押出材形成形状としたものが一般的で
あり、この方法によってハニカム構造体等の複雑な形状
の押出材(成形体)を製造している。
【0003】図10,11は横断面格子状のハニカム構
造体を押出成形する場合に用いられるダイスを表す部分
図であり、図10の(a)はダイスを出側から見た図、
図10の(b)はダイスを入側から見た図で、図11は
図10に示すA−A線断面図である。
【0004】ダイスの出側には格子状の成形溝51が形
成されており、その反対側である原材料の入側には、上
記成形溝51の交叉部に対向し、且つこの成形溝51の
底部に到達するように出側に向かって延びる複数の導入
孔52が独立して設けられている。尚導入孔52が上記
格子状成形溝51に到達することにより、上記導入孔が
連通することとなる。
【0005】原材料(例えば坏土)は、上記ダイスの入
側に連結されたコンテナ導出口から供給され、上記ダイ
ス入側でそれぞれの上記導入孔52に分流された後、上
記格子状成形溝51に達して合流(接合)され、格子状
のハニカム構造体が得られる。この様にして坏土を連続
して押し出すことにより、押出方向に同一のハニカム構
造を呈する押出材を形成する。次いでこの押出材を乾燥
し、焼成することによりハニカム成形体が得られる。
【0006】上記の如く押出成形を行う場合において、
原材料(坏土)の押出速度が上記成形溝51の各箇所に
おいてほぼ均等でないと、得られるハニカム構造体に歪
みを生じたり、隔壁部のかすれや格子模様の部分消失等
の欠陥を生じる。
【0007】そこで従来では図12(従来のハニカム形
成用ダイスを示す断面図)に示すように、ダイスの導入
孔52と成形溝51とが連結される位置に、成形溝51
の格子模様に沿って(原材料流れ方向を横断するよう
に)貫通孔53が設けられたものが提案されている。上
記貫通孔53は成形溝51よりも大径であり、この貫通
孔53を通して原材料を横断方向に移動させ、成形溝5
1からの原材料吐出速度を均等化しようとするものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
坏土のように無機粉体を可塑化したものを原材料として
成形する場合においては、原材料の流動性が劣るから上
記貫通孔53を設けるという対策では十分ではなく、焼
成後の出来上がり製品に全体的な歪みや局所的なひび割
れ等がしばしば生じていた。
【0009】またひび割れや歪み等の防止対策として
は、上記の様に横断面方向の貫通孔を設ける手法の他、
原材料の坏土の中に混合する有機バインダーを改善し
たり、添加量を調整するといった方法や、押出材の乾
燥条件を改善して均一抜水を図る方法、時間をかけて
徐々に焼成することによりバーニングを防止する方法、
押出成形後に押出材を長時間寝かすことにより応力緩
和を図り、接合強度を増大させる方法等が提案されてい
るが、未だ満足いくものが得られていないのが現状であ
る。
【0010】そこで本発明においては、割れが無く歪み
の小さい(或いは無い)押出材を得ることのできる押出
加工用ダイス、押出加工装置を提供すること、またこの
様な押出加工用ダイスの決定方法を提供することを目的
とする。更に割れが無く歪みも小さい押出体を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】成形体(押出材)の割れ
は、殊に坏土を原材料とした場合にしばしば生じるが、
その割れの発生箇所としては、ダイス入側で分流された
原材料がダイス出側手前で合流した際にできる結合箇所
が主として挙げられる。これは当該結合箇所が、他の箇
所に比べて弱いからであると考えられるが、本発明者ら
は、この結合箇所での割れや成形体(押出材)全体の歪
みの原因は、押出材中に残る残留応力にあるとの知見を
得、本発明をなしたものである。
【0012】つまり押出材中の残留応力は、原材料(例
えば坏土)がコンテナからダイスに流入する際に、ダイ
スの中央部分(原材料進行方向と直交する面の中央部
分)における原材料の方が、ダイス周辺部分(原材料進
行方向と直交する面の周辺部分)における原材料に比べ
て速く押し出されることが原因であると考えられ、この
様な押し出しの速度差は、コンテナの内壁近くの原材料
が壁からの摩擦によってコンテナ中央部分の原材料に比
べて進行速度が遅くなっていることに起因する。そして
この様に中央部分が速く周辺部分が遅いといった速度差
があると、中央部分と周辺部分が互いに引っ張りあった
状態で押出形成されることとなり、結果として押出材内
部に応力が残留することになるのである。尚押し出しの
速度差があまりに大きいと、押し出されたハニカム体は
その先端部分において外周部分の無い不良品となるが、
この様な不良品とならない程度の小さな速度差であって
も、残留応力を有した状態で押出材が形成されるのであ
る。
【0013】そしてこの様に押出材中に応力が残留して
いると、後の焼成等の工程において成形体が歪んだり、
割れを発止したりするのである。
【0014】そこで本発明では下述の様にして、ダイス
から吐出する原材料(例えば坏土)の速度差の分布を補
正し、残留応力を極力低減して押出材(成形体)の割れ
や歪み等の発生を抑えたものである。
【0015】即ち本発明に係る押出加工用ダイスは、原
材料入側に複数の独立した導入孔が設けられ、出側より
手前で前記導入孔が連通して所定形状の押出材を押し出
す押出加工用ダイスであって、該ダイスが、原材料進行
方向と直交する面の中央部分に位置する前記導入孔(以
下、中央導入孔と称することがある)の開口面積に比
べ、原材料進行方向と直交する面の周辺部分に位置する
前記導入孔(以下、周辺導入孔と称することがある)の
開口面積が大きいものであることを要旨とする。
【0016】上述の様にコンテナ内壁近くの原材料、即
ちダイスの原材料入側において原材料進行方向と直交す
る面の周辺部分に到達する原材料は、コンテナ中心部分
の原材料、即ちダイスの原材料入側において原材料進行
方向と直交する面の中央部分に到達する原材料に比べ
て、進行速度が遅くなっているから、上記周辺導入孔の
開口面積を大きくして原材料が導入孔内に進入し易い様
にし、この原材料が導入孔の連通部分に至ったときに
は、ダイスの原材料進行方向横断面の各箇所において原
材料の進行速度がほぼ同じとなる様にしたものである。
言い換えれば上記周辺導入孔に比べて上記中央導入孔の
内に原材料が進入し難いから進行速度が低下し、よって
相対的にこの中央導入孔と上記周辺導入孔における原材
料進行速度がほぼ同じとなるのである。
【0017】この様に速度差がほぼ無い状態にして押し
出すことにより、残留応力が非常に低減された(或いは
零となった)押出材が得られ、よって該押出材には割れ
や歪み等が殆ど生じない。更に押出後に焼成等を必要と
する原材料の場合に、上記押出材を焼成して得られた成
形体としても、割れや歪み等の殆どないものが得られ
る。
【0018】殊に無機粉体を可塑化した坏土にあって
は、コンテナ内壁との摺擦による低速度化の影響が大き
いから、ダイス入側面における原材料の速度分布のばら
つきが大きく、上記の様にして導入孔の開口面積を変え
て押出速度の均一化を図ることは、非常に有効である。
【0019】更に本発明に係る押出加工用ダイスおい
て、前記導入孔の各開口面積が、前記中央部分に位置す
る導入孔から前記周辺部分に位置する導入孔に向けて徐
々に又は段階的に大きくなるものであることが好まし
い。
【0020】コンテナからダイスの原材料入側に到達す
る原材料の速度分布としては、中央部分から周辺部分に
向けて次第に速度が遅くなるのが一般的であるから、こ
の速度差の分布に合わせて、中央導入孔から周辺導入孔
に向けて徐々に開口面積を大きくすることにより、原材
料の速度分布の差をより一層小さくすることができ、よ
り残留応力を低減して押出材(成形体)の割れや歪み等
を防止することができる。尚中央導入孔から周辺導入孔
に向けて段階的に開口面積を大きくした場合も同様に、
原材料の速度分布の差を非常に小さくすることができ
る。
【0021】また本発明に係る押出加工用ダイスの決定
方法は、坏土入側に複数の独立した導入孔が設けられ、
出側より手前で前記導入孔が連通して所定形状の成形体
を形作る押出加工用ダイスについて、前記導入孔の開口
面積を決定する押出加工用ダイスの設計方法であって、
前記導入孔に対応して同一深さに配設された同一開口形
状・同一開口面積の貫通孔を有する測定用ダイスを用い
て、この測定用ダイス押出側の平面における坏土の通過
速度分布を調べる工程[A]と、この工程[A]により
求められた通過速度分布を実測速度分布とし、前記各導
入孔の相互位置情報を取り込むことによって、前記実測
速度分布における速度ばらつきを少なくする為に必要な
各貫通孔の開口面積を計算する工程[B]と、この工程
[B]の結果に基づいて前記導入孔の個々の開口面積を
決定することを要旨とする。
【0022】原材料として坏土を用いる場合において、
上記の様にしてダイスの導入孔の開口面積を決定すれ
ば、ダイスから吐出する坏土の速度差の分布が適正に補
正され、押出速度の均一化が図られる。
【0023】また本発明に係る押出加工装置は、前記押
出加工用ダイスを備え、コンテナ内の原材料を前記ダイ
スから押し出して押出材を作製する装置であることを要
旨とする。
【0024】本発明に係る押出体は、前記押出加工用ダ
イスを用いて得られた押出体であり、隣接する前記導入
孔に導入された原材料が、前記連通部分において結合さ
れて形成された結合箇所の位置と、前記隣接する導入孔
に導入される原材料の速度が同じである場合に形成され
る理論上の結合箇所の位置との差が、前記隣接する導入
孔におけるそれぞれの導入方向軸心間距離に対して、1
0%未満であることを要旨とする。
【0025】この様に結合箇所の位置のズレが10%未
満のものであれば、残留応力が十分に小さく(或いは無
く)、割れや歪み等を殆ど発生しない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して例を示す図
面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより
図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合
し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能で
あり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0027】<実施形態1>図1は本発明の実施形態1
に係る押出加工装置の押出加工用ダイス10を示す図で
あり、該押出加工用ダイス10を原材料導入側から見た
図である。
【0028】ダイス10の出側には従来と同様に格子状
の成形溝51が形成されており、坏土(原材料)の入側
には、上記成形溝51の交叉部に対向して出側に向かっ
て延びる複数の導入孔12が独立して設けられている。
この導入孔12は上記成形溝51に達しており、形状は
円筒形で、その内径は少なくとも上記成形溝51の底部
に到達するまで一定で、この底部に達してから徐々に小
さくなり、上記成形溝51へと移行する。
【0029】上記導入孔12の孔径(即ち開口面積)
は、最も中央部分に位置する導入孔12aから最も周辺
に位置する導入孔12dに向けて徐々に大きくなってお
り、即ち最も中央の導入孔12aの孔径が小さく、その
周りの導入孔12bがこの導入孔12aよりも大きな孔
径であり、更にその周りの導入孔12cが導入孔12b
よりも孔径が大きく、最外周の導入孔12dの孔径が更
に大きくなっている。
【0030】次にこの様な導入孔12の孔径(開口面
積)の設定方法について述べる。
【0031】先ず(1):同じ孔径の円形貫通孔を複数有
し、この貫通孔が設定する導入孔と同一の深さである測
定用ダイスを用い、この測定用ダイスの出側平面におけ
る坏土の通過速度分布を調べる(工程[A])。尚この
(1)における坏土の押出条件(押出速度,温度等)は、
実際の押出加工と同条件とすることが望ましい。
【0032】(2):この工程[A]により求められた通
過速度分布を実測速度分布とし、前記各導入孔の相互位
置情報を取り込むことによって、前記実測速度分布にお
ける速度ばらつきを少なくする為に必要な各貫通孔の開
口面積を計算する(工程[B])。
【0033】次に上記(2)の結果に基づいて前記導入孔
の個々の開口面積を決定する。
【0034】上記(1)に関する具体的な手法としては、
測定用のダイスとして上記貫通孔が導入方向軸心を中心
にして対称に分布するものを用い(貫通孔の孔径は同
一)、例えば図2[坏土の通過速度分布の具体的測定方
法を説明する為の図]に示す様に、この測定用ダイス1
5を通してコンテナ19内の坏土ケーキ16を押し出し
て円柱状のロッド(押出材)17を得、それぞれの貫通
孔321〜32n(測定用ダイス中央の貫通孔321〜測
定用ダイス周辺の貫通孔32n)に対応する上記円柱状
ロッド171〜17nについての長さや重量を比較するこ
とにより、ダイス出側における坏土の通過速度分布を調
べる。或いは上記と同じく貫通孔が押出軸心を中心に対
象に分布した測定用ダイス15を用い、図3[坏土の通
過速度分布の具体的測定方法を説明する為の図]に示す
様に、坏土ケーキとして着色積層ケーキ18を用いてこ
れを上記測定用ダイス15を通して押し出し、押出材3
7の断面に形成された着色層の厚み変化(坏土進行方向
の厚み変化)に基づいて、測定用ダイス出側における坏
土の通過速度分布を調べる。若しくは有限要素法等を用
いた計算によって坏土の通過速度分布を調べても良い。
【0035】上記(2)に関する具体的な計算方法は例え
ば後述の実施例に示す様に、上記(1)の工程により求め
られた通過速度分布を基にして計算される。
【0036】以上の様にして押出加工用ダイス10の各
導入孔12の孔径を決定する。
【0037】押出加工方法としては従来と同様であり、
コンテナ内に収容された坏土をコンテナ導出口から上記
ダイス10の入側に供給してダイス10出側から吐出さ
せ、格子状ハニカム構造の押出材を得る。このとき坏土
はダイス10入側においてそれぞれの上記導入孔12に
分流された後、格子状成形溝51に達して合流(結合)
されるが、ダイス10入側面で坏土の進行速度に差があ
っても、導入孔12が連通した部分に到達したときには
進行速度がほぼ均一となっており、そしてほぼ均一速度
でダイス出側から坏土が押し出されることとなるから、
残留応力の極めて小さい(或いは無い)押出材が得られ
る。またこの押出材における結合箇所の位置のズレは1
0%未満となる。
【0038】次いでこの押出材を乾燥、焼結しても、出
来上がった成形体は割れが無く、歪みの小さい(或いは
無い)ものとなる。
【0039】<実施形態2,3>図4,5は本発明の実
施形態2,3に係る押出加工装置の押出加工用ダイス2
0,30を示す図であり、該押出加工用ダイス20,3
0をそれぞれ原材料導入側から見た図である。
【0040】実施形態2の押出加工用ダイス20におけ
る導入孔12の孔径は、中程に位置する導入孔12a,
12b,12cは同じ孔径であり、最外周の導入孔12
dの孔径がこれらより大きくなっている。また実施形態
3の押出加工用ダイス30における導入孔12の孔径
は、中央側に位置する導入孔12a,12bは同じ孔径
であり、外側に位置する導入孔12c,12dの孔径が
これらより大きくなっている。他の構成は上記実施形態
1と同じである。
【0041】上記実施形態1の様に外側に向かうほど徐
々に導入孔12の孔径を大きくしていく場合だけでな
く、実施形態2,3の様に2段階に導入孔の孔径を変え
る様にしても良く、この場合もほぼ均一な速度でダイス
出側から坏土が押し出されて、残留応力の極めて小さい
(或いは無い)押出材が得られる。そしてこれを乾燥、
焼結して出来上がった成形体も割れが無く、歪みの小さ
い(或いは無い)ものとなる。
【0042】尚上記実施形態では、縦横8列の導入孔1
2を有し、格子状ハニカム構造を形成するダイスを示し
たが、これに限らず様々な導入孔配列のもの、成形体形
状作製用のものに本発明は適用可能である。また導入孔
の孔径の変更態様としても上記実施形態に限るものでは
なく、中央部分に位置する導入孔比べて周辺部分に位置
する導入孔の方が孔径が大きいものであれば、様々な変
更態様が可能である。
【0043】
【実施例】まず押出加工用ダイスの導入孔の決定方法に
関する実施例について述べる。図6,7は導入孔の開口
面積決定方法のフローを示す図であり、図6は図2に示
す測定用ダイス15から押し出された坏土の押出ロッド
17が低保形性の場合であり、図7は坏土の押出ロッド
17が高保形性の場合である。
【0044】図6に示す様に坏土の押出ロッド17が低
保形性の場合は、先ず貫通孔321〜32nに対応する各
ロッド171〜17nについての重量(W1〜Wn)をそれ
ぞれ測定し(W1は測定用ダイス中央の貫通孔321に対
応したロッド171の重量を表し、Wiは任意のロッド1
iの重量を表す)、測定用ダイス15中央のロッド1
1に対する各ロッド172〜17nの重量比(Wi
1)を計算する。またロッド171に対する各ロッド1
2〜17nのロッド長比(li/l1)を計算する(l1
は中央のロッド171の長さを表し、liは任意のロッド
17iの長さを表す)。これらの重量比、ロッド長比に
基づいて貫通孔321〜32nの位置と坏土の通過速度に
関する基準曲線R(r)(実測速度分布)を算出する。
次に実際の製造に用いる押出加工用ダイスの導入孔のそ
れぞれの軸心位置(ri)を設定し、ダイスの中心に位
置する導入孔の開口面積(孔径)(D1)を設定して、
上記基準曲線に基づいて各ロッド17を同じ長さで押し
出せる様に他の導入孔の開口面積(Di)を算出する
(Di=D1/R(ri))(Diは任意の導入孔の開口面積
を表す)。
【0045】坏土の押出ロッド17が高保形性の場合は
図7に示す様に、貫通孔321〜32nに対応する各ロッ
ド171〜17nについての長さ(l1〜ln)をそれぞれ
測定し、以降上記押出ロッド17が低保形性の場合(図
6の場合)と同様に、ロッド171に対する各ロッド1
2〜17nのロッド長比(li/l1)を計算し、貫通孔
321〜32nの位置と坏土の通過速度に関する基準曲線
R(r)を算出して、実際の製造に用いる押出加工用ダ
イスの導入孔の軸心位置(ri)、各導入孔の開口面積
(D1,Di)を算出し、ダイスの導入孔の開口面積決定
作業が終了する。
【0046】上記の様にして導入孔の開口面積(孔径)
が決定された押出加工用ダイスを実施例1とし、原材料
として坏土を用い、格子状ハニカム構造の押出材を作製
した。この押出加工用ダイス(外形155mm×155mm)は縦
25個×横25個の導入孔が配置されたものであり、中
央に位置する導入孔の孔径1.0に対して最も周辺に位
置する導入孔の孔径を1.2とし、その間の導入孔の孔
径として周辺部に向かうほど次第に大きくしたものであ
る。また比較として導入孔の孔径が全て同じで他は実施
例1と同様の押出加工用ダイス(比較例1)を用いて、
同じく格子状ハニカム構造の押出材を作製した。これら
実施例1,比較例1の押出条件は、温度約4℃,押出ス
テム速度約0.25m/min.である。尚一般的に行われて
いる坏土の押出条件は、温度0〜22℃の範囲,押出ス
テム速度0.1〜5m/min.の範囲である。次いで上記実
施例1,比較例1により押し出された押出材を乾燥、焼
結して成形体を得た。
【0047】上記実施例1,比較例1の成形体につい
て、成形体長さLに対する歪み量δmaxを測定したとこ
ろ(図8:成形体の歪み量を説明する為の図)、上記比
較例1は2%を超えており、この様に大きく歪んだ上、
割れも発生したのに対し、上記実施例1では歪み量が約
0.3%と小さく、また割れが発生しておらず、良好な
成形体が得られた。
【0048】この実施例1,比較例1における結合箇所
の位置のズレに関して、成形体における複数の結合箇所
について測定したところ、比較例1では25〜80%も
ズレていたのに対し、実施例1ではいずれの結合箇所に
ついても10%未満のズレであった。また坏土ケーキと
して着色積層ケーキを用いて坏土の通過速度分布を測定
したところ、比較例1ではダイス中心部と端部ではかな
りの速度差が生じていたが、実施例1では上記比較例1
の速度差の80%以上小さいものとなっていた。
【0049】尚図9は結合箇所の位置のズレの算出方法
を説明する為の図であり、隣接する2つの導入孔1
1,122に坏土26が導入され、これらの導入孔12
1,122の連通部分において上記坏土26が結合されて
結合箇所25が形成されている。このダイスの導入孔1
1,122の導入方向軸心12s1,12s2は均等に配置
されているから、上記2つの導入孔121,122に導入
される坏土26の速度が同じである場合に形成される理
論上の結合箇所25は、上記導入方向軸心12s1,12
s2の丁度真ん中の位置(導入方向軸心間距離Bの1/2
の位置)となる。従って実際の結合箇所25の位置と理
論上の結合箇所25の位置との差の、導入方向軸心12
s1,12s2の距離Bに対する割合、即ち結合箇所25の
位置のズレ(%)は、下式[1]により求めることができ
る。結合箇所の位置のズレ=(2|B1−B2|/B)×
100 …[1]上記実施例1,比較例1の結合箇所の
ズレはこの式[1]により求められたものである。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、得られる押出材は割れ
が無くまた歪みが小さい(或いは無い)ものであり、更
にこれを焼成して出来上がった成形体も割れが無くまた
歪みが小さい(或いは無い)ものとなる。殊に坏土の様
に流動性の比較的劣る原材料を用いて押出加工する場合
に非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る押出加工装置の押出
加工用ダイスを原材料導入側から見た図。
【図2】坏土の通過速度分布の具体的測定方法を説明す
る為の図。
【図3】坏土の通過速度分布の他の具体的測定方法を説
明する為の図。
【図4】本発明の実施形態2に係る押出加工装置の押出
加工用ダイスを原材料導入側から見た図。
【図5】本発明の実施形態3に係る押出加工装置の押出
加工用ダイスを原材料導入側から見た図。
【図6】導入孔の開口面積決定方法のフローを示す図。
【図7】導入孔の開口面積決定方法のフローを示す図。
【図8】成形体の歪み量を説明する為の図。
【図9】結合箇所の位置のズレの算出方法を説明する為
の図。
【図10】断面格子状のハニカム構造体を押出成形する
場合に用いられるダイスを表す部分図。
【図11】図10に示すA−A線断面図。
【図12】従来のハニカム形成用ダイスを示す断面図。
【符号の説明】
10,20,30 押出加工用ダイス 12,12a,12b,12c,12d 導入孔 12s1,12s2 導入方向中心 25 結合箇所 51 成形溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤沢 和久 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 4E029 MB03 MB09 TA02 TA08 4G054 AA05 AB09 BD14 BD19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料入側に複数の独立した導入孔が設
    けられ、出側より手前で前記導入孔が連通して所定形状
    の押出材を押し出す押出加工用ダイスにおいて、 該ダイスは、原材料進行方向と直交する面の中央部分に
    位置する前記導入孔の開口面積に比べ、原材料進行方向
    と直交する面の周辺部分に位置する前記導入孔の開口面
    積が大きいものであることを特徴とする押出加工用ダイ
    ス。
  2. 【請求項2】 前記導入孔の各開口面積は、前記中央部
    分に位置する導入孔から前記周辺部分に位置する導入孔
    に向けて徐々に又は段階的に大きくなるものである請求
    項1に記載の押出加工用ダイス。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の押出加工用ダ
    イスを備え、コンテナ内の原材料を前記ダイスから押し
    出して押出材を作製する装置であることを特徴とする押
    出加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の押出加工用ダ
    イスを用いて得られた押出体であり、 隣接する前記導入孔に導入された原材料が、前記連通部
    分において結合されて形成された結合箇所の位置と、前
    記隣接する導入孔に導入される原材料の速度が同じであ
    る場合に形成される理論上の結合箇所の位置との差が、
    前記隣接する導入孔におけるそれぞれの導入方向軸心間
    距離に対して、10%未満であることを特徴とする押出
    体。
  5. 【請求項5】 坏土入側に複数の独立した導入孔が設け
    られ、出側より手前で前記導入孔が連通して所定形状の
    成形体を形作る押出加工用ダイスについて、前記導入孔
    の開口面積を決定する押出加工用ダイスの設計方法であ
    って、 前記導入孔に対応して同一深さに配設された同一開口形
    状・同一開口面積の貫通孔を有する測定用ダイスを用い
    て、この測定用ダイス押出側の平面における坏土の通過
    速度分布を調べる工程[A]と、 この工程[A]により求められた通過速度分布を実測速
    度分布とし、前記各導入孔の相互位置情報を取り込むこ
    とによって、前記実測速度分布における速度ばらつきを
    少なくする為に必要な各貫通孔の開口面積を計算する工
    程[B]と、 この工程[B]の結果に基づいて前記導入孔の個々の開
    口面積を決定することを特徴とする押出加工用ダイスの
    設計方法。
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