JP2003181271A - 水熱反応方法 - Google Patents

水熱反応方法

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JP2003181271A
JP2003181271A JP2001380480A JP2001380480A JP2003181271A JP 2003181271 A JP2003181271 A JP 2003181271A JP 2001380480 A JP2001380480 A JP 2001380480A JP 2001380480 A JP2001380480 A JP 2001380480A JP 2003181271 A JP2003181271 A JP 2003181271A
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JP
Japan
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hydrothermal reaction
reactor
kerosene
reaction
treated
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Application number
JP2001380480A
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English (en)
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Masaaki Wakita
正明 脇田
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Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
General Atomics Corp
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Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
General Atomics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応系内の汚染を防止し、水熱反応温度を制
御して効率良く水熱反応を行うことができる水熱反応方
法を得る。 【解決手段】 有機性の被処理物と酸化剤とを反応器内
へ供給し、水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応させ
る水熱反応方法において、灯油を反応器に供給して被反
応物供給系内の洗浄を行う水熱反応方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機性の被処理物
を、酸化剤の存在下、水の超臨界または亜臨界状態で水
熱反応させる水熱反応方法に関し、特に水熱反応の反応
制御を安定して行うことができる水熱反応方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、廃棄物の分解、エネルギーの生
成、化学物質の製造等において、水熱反応を用いて被処
理物を酸化分解または加水分解させる方法が利用されて
いる。特に近年、水の超臨界状態若しくはそれに近い亜
臨界状態で、被処理物と酸化剤を含んだ水とを反応さ
せ、被処理物中の有機物を短時間でほぼ分解できる水熱
反応方法が注目されている。この方法では、被処理物中
の有機物は燃焼を含む酸化反応により、水と二酸化炭素
からなる高温高圧の反応生成物となる。反応生成物はエ
ネルギー回収されるか、または冷却・減圧されてガス分
と液体分とに分離される。
【0003】このように水の超臨界または亜臨界状態に
おいて水熱反応を行う場合には、酸化反応によって反応
熱が発生し、反応器等の装置内の温度が上昇する。そこ
で反応器中の反応物の濃度を水で希釈したり、反応器内
を水の添加により冷却する等の処置によって、反応器等
の装置内の温度が装置材料の許容温度を超えないように
制御される。反対に反応器内の熱量が低すぎる場合には
有機物の分解に必要な反応温度を得る必要があるため、
外部から熱を加えるか、補助燃料を添加して反応器内の
温度を上昇させている。補助燃料としては、ケロシン、
イソプロピルアルコール、メタノール等が知られてい
る。
【0004】水熱反応の具体的方法としては、あらかじ
め混合若しくは配管中で混合された被処理物、酸化剤、
および必要により補助燃料、水等の被反応物を被反応物
供給系から反応器内に供給し、水熱反応を行う方法があ
げられる。この方法では、被処理物による熱量が十分得
られるような場合であっても、水熱反応開始の際には反
応器内へ被処理物を供給することなく、補助燃料と水と
酸化剤とを供給して反応を開始する。そして、反応器内
で水熱反応が安定して継続する状態となった時点で被処
理物の添加を開始し、順次被処理物の供給量を増加し、
補助燃料の供給量を減少させ、最終的には補助燃料の供
給を停止し、被処理物のみを水熱反応で処理する。すな
わち、供給する被反応物を、補助燃料から被処理物へ切
り替える方法が採用されている。一方、水熱反応を停止
する際には供給する被反応物を被処理物から補助燃料へ
切り替える。
【0005】このような水熱反応では、水熱反応を停止
した際に被処理物の貯留槽、供給路、被反応物供給口に
被処理物が残留することがある。このような残留物は水
洗や風乾させることによって除去する措置が採用されて
いる。しかし被処理物が高沸点や高粘度の非極性有機物
である場合、残留物を完全に除去することは難しい。残
留物が存在する状態において別の被処理物を供給して水
熱反応を再開すると、残留物が新たに供給される被反応
物に混入して反応器内へ供給される。またこのとき混入
する残留物質は、一気に反応器内へ供給されるのではな
く、断続的に反応器内へ供給されることもある。これら
の結果、反応器内の被反応物の熱量が均一でなくなり、
反応器内の温度が不安定になるといった問題が生じてし
まう。場合によっては、装置内の温度や圧力制御が困難
になって反応処理の緊急停止等も発生していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、反応
系内の汚染を防止し、水熱反応温度を正確に制御して効
率良く水熱反応を行うことができる水熱反応方法を提案
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の水熱反応方
法である。 (1) 有機性の被処理物および酸化剤を含む被反応物
を被反応物供給系から反応器内へ供給し、水の超臨界ま
たは亜臨界状態で水熱反応させる水熱反応工程と、灯油
を被反応物供給系に供給して被反応物供給系内の洗浄を
行う洗浄工程とを含む水熱反応方法。 (2) 洗浄工程を、水熱反応開始前、供給される被反
応物の種類の切り替え時および/または被反応物の供給
後に行う上記(1)記載の方法。 (3) 灯油による洗浄工程後、被反応物供給系内を水
で洗浄する工程を含む上記(1)または(2)記載の方
法。
【0008】本発明において処理の対象となる被処理物
は、有機性の被処理物であり、水熱反応により酸化分解
可能な有機物を含むものである。具体的には、廃液、廃
棄物、廃溶媒、汚泥、し尿、下水、菌体、プラスチック
廃棄物、膜、吸着樹脂、イオン交換樹脂、活性炭等があ
げられる。被処理物は有機物のほかに無機物を含んでい
てもよい。本発明において被反応物とは、反応器に供給
して水熱反応を行う物質であり、上記の被処理物のほか
酸化剤、および必要により添加される補助燃料、水その
他の物質、ならびにこれらの混合物などが含まれる。
【0009】本発明において水熱反応における反応系と
は、以上のような水熱反応において反応器を中心とし
て、これに被反応物を供給する系路および処理物を取り
出す系路を含む全体の系路である。本発明において被反
応物供給系とは、被反応物を反応器へ供給する系路であ
り、被処理物、酸化剤、補助燃料、水等の被反応物のそ
れぞれの貯留槽、供給路、ならびにこれらの混合物の供
給路、反応器への供給口などを含む。
【0010】本発明において水熱反応工程では、被処理
物、酸化剤、補助燃料、水等を被反応物として被反応物
供給系から反応器内に供給して水熱反応を行う。具体的
には、被処理物を酸化剤の存在下、水の超臨界または亜
臨界状態で水熱反応により分解する。分解は、例えば被
処理物の酸化分解、加水分解等によって行われる。超臨
界状態とは374℃以上、22MPa以上の状態であ
る。また亜臨界状態とは例えば374℃以上、2.5M
Pa以上22MPa未満あるいは374℃未満、22M
Pa以上の状態、あるいは374℃以下、22MPa未
満であっても臨界点に近い高温高圧状態をいう。
【0011】酸化剤としては、特に限定されないが、例
えば空気、酸素富化空気、酸素、液体酸素、過酸化水素
水、硝酸塩等があげられる。水熱反応において被処理物
の熱量が不足する場合、補助燃料を反応器に供給して反
応を行う。補助燃料としては、灯油、ケロシン、イソプ
ロピルアルコール、メタノール等をあげることができ
る。これらの中でも、灯油が好ましい。補助燃料は純物
質である必要はなく、例えば他の有機物、無機物、水分
などを含有する廃溶媒であってもよい。
【0012】本発明の水熱反応方法は、被反応物供給系
内へ灯油を供給して被反応物供給系内の洗浄を行う洗浄
工程を有する。洗浄工程では、この水熱反応工程の水熱
反応開始前、供給される被反応物の種類の切り替え時お
よび/または被反応物の供給後に、灯油を被反応物供給
系内に供給する。灯油の供給により、被処理物貯留槽や
供給路や供給口等を含む被反応物供給系内の洗浄を行
う。
【0013】灯油は、具体的には沸点約180〜300
℃の石油留分である。灯油としては白灯油や茶灯油など
が存在するが、本発明においては灯油として分類される
ものを何ら制限なく、用いることができる。水熱反応に
おいてこのように灯油を洗浄剤として被反応物供給系内
へ供給すると、被反応物が供給路や供給口等の被反応物
供給系内に付着することを防止できる。また灯油は被反
応物供給系内において既に付着してしまった被反応物等
を溶解して除去する洗浄効果も有する。したがって反応
器内の各物質濃度が設定値に極近いものとなり、水熱反
応を簡単かつ確実に制御することができる。
【0014】本発明において水熱反応を行うための反応
器は、反応を安全かつ安定して行えるものであればどの
ような形態のものであっても構わない。例えば、チュー
ブ式、ベッセル式、シリンダー式等の反応器、特開平1
1−156186号に示されているような縦筒型反応
器、特許第3036077号に示されているような管型
反応器が挙げられる。反応器は超臨界または亜臨界状態
で水熱反応を行うことができるように、耐熱、耐圧材料
により形成される。例えば、ハステロイ、インコネル、
ステンレス等の耐食性の材質によって形成された反応器
が好ましい。なお反応熱だけでは超臨界または亜臨界状
態に達しない場合に備え、反応器の外部に外部加熱手段
を設けることができる。
【0015】このような反応器には、好ましくは被処理
物供給路、酸化剤供給路、補助燃料供給路、水供給路が
連結する被反応物供給路が連結される。または被処理
物、補助燃料、水があらかじめ混合する混合部から延び
る混合物供給路と酸化剤供給路が被反応物供給路に連結
し、被反応物供給路が反応器に連結していてもよい。被
反応物供給路はそれぞれの被反応物を混合するように構
成するのが好ましい。
【0016】水熱反応開始の際には、通常、反応器は所
定の反応温度付近に予熱され、また反応器内に供給され
る被処理物等の被反応物も予熱される。被反応物の予熱
は、加熱装置を反応器、被処理物供給路、酸化剤供給路
等に設けることによって実施することができる。また通
常、反応器に水や酸化剤を供給し、通常設けられる圧力
調整弁によって所定の圧力に加圧される。所定の温度、
圧力に調整された後、被反応物を供給して水熱反応を開
始する。
【0017】好ましい被反応物の供給方法としては、ま
ず補助燃料と水とを反応器内へ供給して水熱反応を開始
し、順次被処理物の供給量を増加し、補助燃料の供給量
を減少させ、最終的には補助燃料の供給を停止し、被処
理物のみを水熱反応で処理する。そして反応器内で水熱
反応が継続して安定した状態となった時点で被処理物の
添加を開始する。このように、供給される被反応物を補
助燃料から被処理物へ切り替えて供給すると、水熱反応
を効率よく確実に行うことができる。さらに、被処理
物、補助燃料、水からなる部分と、空気とを別々に供給
することが好ましい。別々に供給するには、例えば二重
管ノズルを用いることができる。なお被反応物の供給に
は、被反応物が液体の場合は高圧ポンプ等、気体の場合
はエアコンプレッサーやブースターなどの気体圧縮機等
を使用できる。
【0018】水熱反応における反応温度および圧力は、
水の超臨界または亜臨界状態となるような温度と圧力に
なるように設定されるが、被処理物を安定して確実に分
解するため、所定温度に反応温度を設定することが好ま
しい。例えば一般の有機物の分解には374〜800
℃、好ましくは450〜800℃に制御することによ
り、炭酸ガスおよび水への分解が可能である。アンモニ
ア性窒素や有機性窒素を含む場合には374〜800
℃、好ましくは550〜800℃に制御することによ
り、窒素ガスへの分解が可能である。
【0019】なお被反応物の総熱量変動により反応温度
に変動が生じるので、水熱反応の反応温度をモニタリン
グしながら温度制御することが好ましい。本発明におい
ては洗浄工程を設けることによって管内等の汚染を防止
できるので、反応温度の不安定化を防止できる。その結
果、反応器に供給する被処理物、酸化剤、補助燃料等の
濃度、流量等を調整することによって反応温度の制御を
簡単かつ正確に行うことができる。なお被処理物が十分
な水を含む場合には水の供給は不要であるが、水量が不
足する場合あるいは熱量が大きすぎて高温になりすぎる
場合には水を供給して、水量を補ったり、希釈したりす
ることができる。なお水熱反応における反応圧力は反応
温度ほど処理物性状に大きな影響を与えないが、一定レ
ベルを保ち安定した制御を行うことが望ましい。
【0020】上記のようにして反応器内で水の超臨界ま
たは亜臨界状態で水熱反応を行うと、被処理物の有機物
は酸化剤により酸化されて最終的に水と二酸化炭素に分
解される。あるいは加水分解により低分子化し、無機物
は固体あるいは溶融状態で分離する。反応器内に供給さ
れた洗浄用の灯油も被反応物とともに酸化分解される一
方、補助燃料として水熱反応に寄与する。水熱反応後、
反応生成物は排出口から排出され、冷却、減圧され、ガ
ス分と液分と、さらに固形物に分離される。
【0021】本発明において灯油によって洗浄する被反
応物供給系としては、被反応物が残留しやすい系路であ
って、例えば、被処理物を貯留槽へ送るための供給路、
被処理物の貯留槽、貯留槽から被処理物を反応器へ供給
するための供給路、補助燃料や酸化剤などの供給路、供
給路から反応器への供給口等をあげることができる。本
発明において洗浄される個所はこれらのうち適宜選択さ
れ、例えば被処理物の供給路と供給口のみのように部分
的に洗浄してもよく、また上記被反応物供給系全てを洗
浄してもよい。あるいは貯留槽から洗浄を始めて、灯油
を貯留槽から供給し、貯留槽から洗浄を始めて供給路、
供給口へと続けて洗浄を行い、最終的には洗浄液を反応
器へ供給してもよい。なお、灯油を補助燃料として使用
することもできる。この場合は補助燃料の供給路や供給
口は洗浄しなくてもよい。
【0022】灯油を水熱反応開始前に供給する場合、補
助燃料や水を反応器へ供給する前に、まず灯油を貯留
槽、供給路、供給口等を含む被反応物供給系から反応器
へと供給し、前回の水熱反応処理において被反応物供給
系内に残留した被反応物を洗浄することができる。残留
物を含んだ使用済みの灯油は反応器内へと導入され、そ
の後に開始される水熱反応処理によって分解される。
【0023】さらに灯油は供給される被反応物の種類の
切り替え時に供給して、系内の洗浄を行うことが好まし
い。被反応物の切り替え時とは、例えば、異なる被処理
物の水熱反応を開始するために被処理物を別の被処理物
に切り替える場合や、水熱反応開始後に供給物を補助燃
料から被処理物へ切り替える場合や、水熱反応を終了さ
せる前において供給物を被処理物から補助燃料へ切り替
える場合、水熱反応状態の検査などで水熱反応処理を一
旦停止した後、再度運転開始させる場合等である。この
ように切り替え時に被反応物供給系内を洗浄することに
より、切り替える前に使用された被処理物や補助燃料を
被反応物供給系内から除去することができる。その結
果、切り替えた後に開始される水熱反応の温度を安定し
て制御することができる。
【0024】さらに水熱反応終了に際して被反応物の供
給を停止する段階で、灯油により洗浄を行うことが好ま
しい。水熱反応が終了して反応器から反応物を排出した
後、灯油を反応器内へ供給して反応系内に残留している
被処理物や補助燃料の洗浄を行うこともできる。この場
合、予め反応系内を洗浄しておくことによって、次の水
熱反応処理において反応系内の汚染が生じることを防止
でき、安定して水熱反応処理を行うことができるように
なる。なお、洗浄に使用された灯油は次の水熱反応にお
いて酸化分解される。
【0025】本発明の水熱反応は、水によって反応系内
を洗浄する水洗工程を、灯油による洗浄工程の後に有す
ることが好ましい。灯油の供給路若しくは他の供給路か
ら、水を反応系内へ供給することにより、洗浄に用いら
れた灯油を洗い流すとともに、洗浄をさらに確実に行う
ことができる。洗浄に使用された水はそのまま反応器へ
と送られ、燃焼される。
【0026】
【発明の効果】本発明の水熱反応方法においては、灯油
を洗浄剤として被反応物供給系内へ供給するため、供給
路や供給口等の被反応物供給系内への被反応物の付着を
防止でき、また付着してしまった被反応物を洗浄するこ
とができる。管内などに付着しやすい被処理物を用いて
水熱反応を行っても、被反応物供給系内の汚染を防止で
きるので、水熱反応温度を正確に制御して効率良く水熱
反応を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1の実施形態の水熱反応方法を示すフロー図を用いて説
明するが、本発明はこれに限定されない。図1において
1は反応器で注入装置1aを有する。、2はエアコンプ
レッサー、3は外部熱源、4は水槽、6は被処理物槽、
8は灯油槽、9は熱交換器、10は気液分離装置であ
る。
【0028】図1において、反応器1は外部加熱源と圧
力調節弁を有し、反応器内を所定の温度、圧力に調整し
た後、被反応物の供給を開始する。このとき酸化剤とし
て空気が、エアコンプレッサー2から外部熱源3を経て
酸化剤供給路11を通り、注入装置1aへと送られる。
またバルブV4が開放され、バルブV3が閉鎖された状
態で、補助燃料として灯油が、灯油槽8からポンプP3
によって灯油供給路14へ送られ、さらに被反応物供給
路5へと送られる。ここで、空気と、灯油とは混合され
ずに別々に送られる。そして、反応器1の注入装置1a
において灯油に空気が混合されて反応器1へと供給され
る。このとき、注入装置1aとして二重管ノズルを用い
ることが好ましい。
【0029】このように供給された空気と補助燃料とし
て供給された灯油を用いて反応器1内において反応を開
始する。安定した反応状態が継続した時点で、被処理物
の供給を開始する。被処理物槽6から延びる被処理物供
給路13にはポンプP2が設けられており、被反応物供
給路5に連結している。バルブV1が開放され、バルブ
V2が閉鎖された状態で、被処理物供給路13から被処
理物が供給される。また、必要に応じて水が水槽4から
ポンプP1によって水供給路12へ送られ、さらに被反
応物供給路5へ送られる。被反応物供給路5において水
と被処理物は灯油と混合され、さらに反応器1の注入装
置1aにおいて空気とが混合されて、反応器1へ供給さ
れる。反応器1内では、被処理物の有機物は酸化剤によ
り酸化されて最終的に水と二酸化炭素に分解される。
【0030】水熱反応により生成する反応生成物は反応
器1の排出口から排出され、熱交換器9を経て冷却さ
れ、気液分離装置10へ送られる。気液分離装置では、
CO2やN2等のガス分はバルブV5によって減圧されて
ガス排出路19より排出される。一方、固形物を含む処
理水は、バルブV6によって減圧されて、液体排出路2
0より排出される。
【0031】被処理物槽6中の被処理物が全て反応器1
へ供給された後、洗浄剤としての灯油によって供給系内
の洗浄を行う。灯油は、バルブV3が開放され、バルブ
V4が閉鎖された状態で、灯油連絡路16から被処理物
槽6へ導入される。被処理物槽6を洗浄した灯油は、ポ
ンプP2によって、被処理物供給路13へ供給される。
被処理物供給路13を経た灯油は、バルブV1が閉鎖さ
れ、バルブV2が開放された状態で、循環路15へ送ら
れ、再度被処理物槽6内へと送られ、循環による洗浄が
行われる。このように灯油を被処理物槽6、被処理物供
給路13、循環路15を1回または2回以上循環させる
ことにより、被処理物槽6および被処理物供給路13内
を確実に洗浄することができ、被処理物供給路13内に
被処理物の残留がなくなる。
【0032】なお、被処理物が灯油に馴染みやすい性質
のものである場合や、槽内や管内に付着しにくい性質の
ものである場合、上記のように灯油を被処理物槽6およ
び被処理物供給路13内を何度も循環させる必要はな
く、バルブV2を閉鎖し、バルブV1を開放させた状態
で灯油を一回流すだけでもかまわない。
【0033】被処理物槽6および被処理物供給路13の
洗浄が終了した時点で、バルブV1を開放し、バルブV
2を閉鎖し、灯油を被反応物供給路5へ送り、反応器1
へ導入する。ここで、被反応物供給路5内に残留してい
た被処理物が灯油によって洗浄されて、灯油と共に反応
器1内へ導入される。反応器1内では、管内に残留して
いた被処理物を含む灯油が水熱反応に供される。灯油が
反応器内で分解された後、加熱を停止して水熱反応を終
了させる。
【0034】なお、上記実施の形態においては、洗浄工
程時にバルブV1およびバルブV4を完全に閉鎖してい
るが、これらは閉鎖されていなくてもよい。例えば、V
4を所定量流通できる程度に開放し、引き続き灯油供給
路14から少量の灯油が反応器内へ供給されて水熱反応
が継続されるようにしてもよい。また、バルブV1を所
定量流通できる程度に開放し、洗浄に使用された灯油が
被処理物供給路13から反応器内へ供給されて水熱反応
が継続されるようにしてもよい。また被処理物の供給終
了後、洗浄工程が行われた後に引き続き他の被処理物が
被処理物槽6へと導入されて、反応器1内における水熱
反応が引き続き行われるようにすることができる。
【0035】また上記実施の形態においては、反応開始
時に灯油および酸化剤のみを供給しているが、灯油およ
び酸化剤とともに水や被処理物も供給されて反応が開始
されるものであってもよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 塗料廃液(TOC50300mg/L)を被処理液とし
て用いて水熱反応を行った。反応系は図1に示すものと
同じ装置を用い、反応器として内径9.45mm、長さ
300mmのステンレス管を用いた。なお被処理液注入
口と灯油注入口との距離は10cmである。まず、酸化
剤として空気の代わりに過酸化水素水を用い、配管部で
外部熱源により370℃に予熱し、注入口の直前で被処
理液あるいは、被処理液/水あるいは補助燃料混合物と
混合して高圧ポンプを用いて反応器へ圧入した(1.5
mL/min)。その後反応器内を約400℃に安定さ
せ、被処理液を少しずつ供給した。供給量は1.0mL
/minとした。反応器はセラミックヒーターと内部に
設けた熱伝対を使用し、反応流体の温度が650℃とな
るようにした。また、反応器内の圧力は反応器の出口に
設けた調圧弁で24MPaに調節した。反応開始から4
5分経過後、被処理液の供給を停止した。これに続い
て、洗浄剤として灯油を5分間供給した後、加熱を停止
して水熱反応を終了した。
【0037】次に、インク廃水(TOC26000mg
/L)を被処理液として上記同様の操作によって水熱反
応を行った。その結果、水熱反応における反応温度を制
御することができ、水熱反応が安定して継続できた。得
られた反応生成液は二重管式冷却器で冷却した。この反
応生成液は無色透明で、TOCは10ppmで、被処理
物に含まれていた有機物をほぼ完全に分解されているこ
とが確認できた。
【0038】比較例1 実施例1と同様に塗料廃液を被処理液として水熱反応を
行った。その後、灯油による洗浄を行わずに、実施例1
と同様にインク廃液を被処理液として水熱反応を行っ
た。このインク廃液の水熱反応では、反応器内の温度が
安定せず、予め設定していた許容温度(670℃)を超
えてしまい、反応を継続できなかった。原因は、塗料廃
液が配管中に残留し、残留物がインク廃液とともに反応
器内へ供給されて水熱反応が行われためと推測された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の水熱反応方法を示すフロー
【符号の説明】
1 反応器 1a 注入装置 2 エアコンプレッサー 3 外部熱源 4 水槽 5 被反応物供給路 6 被処理物槽 8 灯油槽 9 熱交換器 10 気液分離装置 11 酸化剤供給路 12 水供給路 13 被処理物供給路 14 灯油供給路 15 循環路 16 灯油連絡路 19 ガス排出路 20 液体排出路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 ZAB B09B 3/00 ZAB C02F 11/08 B08B 9/06 (71)出願人 598124412 ジェネラル アトミックス インコーポレ イテッド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン ディエゴ ジェネラル アトミックス コ ート 3550 (72)発明者 脇田 正明 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 3B116 AA12 AA33 AB53 4D004 AA02 AA07 AA47 CA39 CA40 CC15 DA02 DA06 DA07 4D059 AA01 AA02 AA03 BC01 CB30 EB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性の被処理物および酸化剤を含む被
    反応物を被反応物供給系から反応器内へ供給し、水の超
    臨界または亜臨界状態で水熱反応させる水熱反応工程
    と、 灯油を被反応物供給系に供給して被反応物供給系内の洗
    浄を行う洗浄工程とを含む水熱反応方法。
  2. 【請求項2】 洗浄工程を、水熱反応開始前、供給され
    る被反応物の種類の切り替え時および/または被反応物
    の供給後に行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 灯油による洗浄工程後、被反応物供給系
    内を水で洗浄する水洗工程を含む請求項1または2記載
    の方法。
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