JP2003180351A - 核酸高次構造誘導を用いた核酸変異検出法 - Google Patents

核酸高次構造誘導を用いた核酸変異検出法

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JP2003180351A
JP2003180351A JP2001402625A JP2001402625A JP2003180351A JP 2003180351 A JP2003180351 A JP 2003180351A JP 2001402625 A JP2001402625 A JP 2001402625A JP 2001402625 A JP2001402625 A JP 2001402625A JP 2003180351 A JP2003180351 A JP 2003180351A
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Joji Oshima
譲二 大島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2本鎖核酸を加熱して1本鎖核酸に解離する
温度点(Tm値)あるいは解離パターンから核酸の塩基
配列の変異を検出する方法(Tm法と呼ぶ)の検出精度
を高めた方法を提供する。 【解決手段】 検体中の2本鎖核酸に核酸のヌクレオチ
ドの配列序列である一次構造以外の立体構造で、機能発
現に重要な役割を持つ構造である核酸の二次、三次、四
次などの高次構造の形成を誘導した後、加熱して該高次
構造を崩壊し、さらに2本鎖核酸が1本鎖核酸に変性す
る温度を観察して核酸の塩基配列の変異を精度良く検出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸の解離温度ま
たは解離パターンから核酸変異を検出する方法に関す
る。さらに詳しくは2本鎖あるいは1本鎖核酸に環状構
造(ループ構造)、またはこれに類する構造を形成させ
て核酸の高次構造を誘導した後、該核酸を加熱し高次構
造を崩壊させることにより、2本鎖核酸が1本鎖核酸に
変性する温度あるいは1本鎖核酸が直線状に変性する温
度を観察、その解離温度または解離パターンから核酸変
異を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】検体中の2本鎖核酸に温度をかけていく
と、それらは各々1本鎖核酸に変性する。また、検体中
の1本鎖核酸に温度をかけていくと、1本鎖核酸は直線
状に変性する。これらの核酸変性は一般的に温度の上昇
で徐々に進行するが、各々特定の温度で急激に進行する
現象であり、その温度点をTm(Melting Te
mperature)値、また温度と核酸変性を観察し
て得られた曲線を核酸溶解曲線(Melt Curv
e)、あるいは該曲線を微分して得られた曲線を解離曲
線(Dissociation Curve)と呼び、
これらの変性パターンから核酸の変異を判別する方法
(Tm法と称する)が発明者により既に出願(特願20
01−91376、特願2001−135556、特願
2001−168840、特願2001−33350
1、および特願2001−349457)されている。
しかしながらTm法を実際に運用する際には、これらの
核酸変性の進行に核酸自体の高次構造が密接に関与する
ため、核酸の高次構造形成を誘導し、検体中に含まれる
核酸の状態を可能な限り均一にする必要がある。さら
に、高次構造が確実に形成されると、核酸に含まれる個
々の塩基が高次構造形成に関与する確率が高まり、これ
らの塩基に起因する核酸変異が最終的なTmパターンに
変化を及ぼす可能性が高くなるため、Tm法の精度を一
層向上させるためにも核酸の高次構造形成を誘導するこ
とが必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常のTm法では、検
体中の核酸に高次構造形成の誘導を行わないため、同一
の核酸であっても同一の高次構造を形成するとは限ら
ず、それがTmパターンの不安定性の一因となってい
る。また、個々の塩基が高次構造に関与する確率も低く
なっているため、核酸変異の検出精度も充分とは言えな
い。
【0004】検体中の核酸の高次構造形成を誘導するこ
とにより、核酸の物理的性状を可能な限り均一とし、か
つ該核酸を構成する個々の塩基が高次構造に関与する確
率を高めると、例えばTm法により温度−蛍光強度(核
酸変性)のTmパターンを観察した場合、このパターン
がより安定し、該核酸の変異検出精度が著しく改善され
たTm法を応用した核酸変異の検出法とすることが可能
となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】加熱による1本鎖あるい
は2本鎖核酸の変性を、温度−蛍光強度(核酸変性)の
Tmパターンとして観察し、核酸変異を検出するTm法
の検出安定度および検出精度を改善する方法として、加
温前に核酸高次構造を誘導する事が必要であり、以下に
その具体的な手段を記載する。対象が2本鎖核酸の場
合、その2本鎖核酸の両末端(5‘末端あるいは3’末
端)に互いに相補性を有する核酸断端(粘着末端とい
う)を付加する、この断端が相補的に結合する温度ま
で低下させる、2本鎖核酸が一定の環状構造(ループ
構造)あるいはこれに類する構造を形成し、一定の高次
構造が誘導される、次に再度加温し、高次構造を崩壊
させると同時に核酸の変性を促進させる、対象が1本
鎖核酸の場合にはその一端に1本鎖核酸内の任意の塩基
配列と相補性を有する核酸断端を付加する、という一連
の操作によってなされる。
【0006】本発明で言う高次構造とは、生体高分子で
ある核酸においてヌクレオチドの配列順序である一次構
造すなわち共有結合で形成される構造以外の構造のこと
で、核酸の二次、三次、四次などの構造が含まれるが、
主として核酸の立体構造を指し、その機能発現に重要な
構造である。構造を形成しているのは、イオン結合、水
素結合、疎水結合などの非共有結合などである。本発明
は、これまでのTm法による核酸変異の検出法がヌクレ
オチドの配列順序である一次構造にのみ着目した方法で
あったのと異なるところである。
【0007】高次構造がより複雑な場合、その崩壊に必
要な熱エネルギーは大きく核酸の変性も起こりにくい
が、高次構造がより単純な場合、その崩壊に必要な熱エ
ネルギーは小さく核酸の変性も起こりやすい。高次構造
は核酸を構成する個々の塩基に依存するため、高次構造
から核酸の変性に至る状況を経時的に観察することによ
り、塩基変異の有無を検出することが可能となる。
【0008】変性の進行は、高次構造を形成した核酸を
加温により観察可能であり、特に核酸50%が変性する
温度(溶解温度:Tm)までの変化として得られた蛍光
強度をパターン化することにより、核酸変異の有無を容
易に判別することができる。本発明は、検体核酸に高次
構造を誘導することにより、解離曲線をパターン化した
際の安定性および精度を向上させることによって課題を
解決した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に関し、請求
項1に記載された2本鎖核酸の高次構造誘導法の基本原
理を、図1(a)〜(d)面を使用して詳細に説明す
る。図1(a)はプライマーの構造、図1(b)はプラ
イマー付加核酸増幅産物の構造、図1(c)はプライマ
ー付加核酸増幅産物による環状構造(ループ構造)ある
いはこれに類する構造の形成、および独自高次構造の誘
導、図1(d)は加温による高次構造の崩壊の様子を示
すものである。図面は省略したがその後に核酸の変性が
続く。
【0010】図1(a)〜(d)に従って順に説明す
る。2本鎖核酸をPCR法などで増幅後(十分量がある
場合は増幅不用)、Enhance Primerを添
加し、さらにもう1サイクルの増幅を行う。Enhan
ce Primerとは、センス・アンチセンスともに
3’側に増幅核酸と相補性を有する塩基配列があり、
5’側にセンス・アンチセンスが互いに相補性を有する
塩基配列があるものをいう。このため、Enhance
Primer添加後の1サイクルの増幅処理で、両端
に粘着末端を有し、かつ各々の粘着末端が相補性を有す
る2本鎖核酸が産生されることになる。
【0011】この2本鎖核酸が産生された後、温度を低
下させると2本鎖核酸の両端が相補鎖を形成し、一定の
環状構造(ループ構造)あるいはこれに類する構造を形
成、さらに独自の高次構造が誘導される。この操作によ
り大部分の2本鎖核酸が同一の高次構造に誘導されるた
め、その解析結果はより安定する。また、核酸を構成す
る個々の塩基が高次構造形成に関与する確率が高くなる
ため、塩基変異の検出精度が高まる。
【0012】検体にEnhance Primerを用
いて形成した2本鎖核酸の両端が相補鎖を形成して環状
構造(ループ構造)となり、さらに誘導された環状核酸
の高次構造が形成される様子を原子間顕微鏡(AFM)
での観察から確認された。
【0013】一定の高次構造が誘導された後、加温する
と高次構造の崩壊が始まり、さらに核酸の1本鎖への変
性が始まる。高次構造の複雑さは加温に対する耐性とな
るため、構造の複雑なものは核酸の1本鎖への変性が遅
れ、構造の簡易なものは1本鎖への変性が進行する。基
本的に高次構造の崩壊後核酸の変性が起こるため、この
高次構造の特性は核酸の加温に対する変性状況に反映さ
れる。
【0014】加温に伴う変性状況は、検体試料にインタ
ーカレーター色素(サイバーグリーンなど)を添加する
ことにより実施可能である。本色素は、2本鎖核酸中に
おいて励起光に対する蛍光を発光するが、1本鎖核酸中
ではこの性質を失うため、加温に伴う核酸の変性状況を
蛍光の減弱として観察することができる。
【0015】本発明では、高次構造の差異による核酸変
性の差異を、加温による経時的な温度と蛍光強度(核酸
変性)との関係を連続数値として客観化し、さらに微分
法、フーリエ変換法、ウェーブレット法などの数学的手
法を用いてパターン化することにより検出することがで
きる。
【0016】請求項2に記載された2本鎖核酸の高次構
造誘導法の基本原理を、図2(a)〜(d)を使用して
詳細に説明する。図2(a)はプライマーの構造、図2
(b)はプライマー付加核酸増幅物の構造、図2(c)
はDNA結合タンパク質添加後のプライマー付加核酸増
幅産物による環状構造(ループ構造)あるいはこれに類
する構造の形成、および独自高次構造の誘導、図2
(d)は加温による高次構造の崩壊を示すものである。
環状構造、高次構造の確認はAFM観察で行った。
【0017】図2(a)〜(d)に従って順に説明す
る。本発明の場合、上記記載のEnhance Pri
merの構造を、センス・アンチセンスともに3’側に
増幅核酸と相補性を有する塩基配列があり、5’側にセ
ンス・アンチセンスがDNA結合タンパク質などに親和
性のある塩基配列があるものをいう。このため、2本鎖
核酸の両端に、DNA結合タンパク質などが結合可能な
構造を有する2本鎖核酸が産生されることになる。
【0018】この2本鎖核酸に対して、この両端と結合
可能なDNA結合タンパク質などを添加し、温度を至適
温度に調整すると、2本鎖核酸の両端が近接し、一定の
環状構造(ループ構造)あるいはこれに類する構造を形
成、さらに独自の高次構造が誘導される。この操作によ
り大部分の2本鎖核酸が同一の高次構造に誘導されるた
め、その解析結果はより安定する。また、核酸を構成す
る個々の塩基が高次構造形成に関与する確率が高くなる
ため、塩基変異の検出精度が高まる。
【0019】前述と同様、一定の高次構造が誘導された
後、加温すると高次構造の崩壊が始まり、さらに核酸の
1本鎖への変性が始まる。高次構造の複雑さは加温に対
する耐性となるため、構造の複雑なものは核酸の1本鎖
への変性が遅れ、構造の簡易なものは1本鎖への変性が
進行する。基本的に高次構造の崩壊後核酸の変性が起こ
るため、この高次構造の特性は核酸の加温に対する変性
状況に反映される。
【0020】加温に伴う変性状況は、検体試料にインタ
ーカレーター色素(サイバーグリーンなど)を添加する
ことにより実施可能である。本色素は、2本鎖核酸中に
おいて励起光に対する蛍光を発光するが、1本鎖核酸中
ではこの性質を失うため、加温に伴う核酸の変性状況を
蛍光の減弱として観察することができる。
【0021】本発明では、高次構造の差異による核酸変
性の差異を、加温による経時的な温度と蛍光強度(核酸
変性)との関係を連続数値として客観化し、さらに微分
法、フーリエ変換法、ウェーブレット法などの数学的手
法を用いてパターン化することにより検出することがで
きる。
【0022】請求項3に記載された1本鎖核酸の高次構
造誘導法の基本原理を、図3(a)〜(c)を使用して
詳細に説明する。図3(a)はプライマーの構造、図3
(b)はプライマー付加核酸増幅産物の構造、図3
(c)はプライマー付加核酸増幅産物による環状構造
(ループ構造)を示すものである。図面は省略したがそ
の後に加温による高次構造の崩壊と核酸の変性が続く。
【0023】図3(a)〜(c)に従って順に説明す
る。1本鎖核酸を何らかの方法で増幅後(十分量がある
場合は増幅不用)、検出目的塩基配列の3’側にこの配
列を含む適当な位置を適当な制限酵素などで処理し断端
を形成する。さらに検出目的塩基配列の5’側にEnh
ance PrimerおよびDNA増幅酵素を用いて
この範囲の核酸の増幅を行う。Enhance Pri
merとは、3’側に対象核酸と相補性を有する塩基配
列があり、5’側に対象核酸の内部塩基配列と互いに相
補性を有する塩基配列があるものをいう。このため、増
幅処理後は一端にそれ自身と相補鎖を構成し、一定の環
状構造(ループ構造)あるいはこれに類する構造を形成
する1本鎖核酸が産生されることになる。
【0024】この1本鎖核酸が産生された後、温度を低
下させると1本鎖核酸のプライマー付加端が内部の塩基
配列と相補鎖を形成し、一定の環状構造(ループ構造)
あるいはこれに類する構造を形成、さらに独自の高次構
造が誘導される。この操作により大部分の1本鎖核酸が
同一の高次構造に誘導されるため、その解析結果はより
安定する。また、核酸を構成する個々の塩基が高次構造
形成に関与する確率が高くなるため、塩基変異の検出精
度が高まる。
【0025】前述と同様、一定の高次構造が誘導された
後、加温すると高次構造の崩壊が始まり、さらに核酸の
1本鎖への変性が始まる。高次構造の複雑さは加温に対
する耐性となるため、構造の複雑なものは核酸の1本鎖
への変性が遅れ、構造の簡易なものは1本鎖への変性が
進行する。基本的に高次構造の崩壊後核酸の変性が起こ
るため、この高次構造の特性は核酸の加温に対する変性
状況に反映される。
【0026】加温に伴う変性状況は、検体試料にインタ
ーカレーター色素(サイバーグリーンなど)を添加する
ことにより実施可能である。本色素は、2本鎖核酸中に
おいて励起光に対する蛍光を発光するが、1本鎖核酸中
ではこの性質を失うため、加温に伴う核酸の変性状況を
蛍光の減弱として観察することができる。
【0027】本発明では、高次構造の差異による核酸変
性の差異を、加温による経時的な温度と蛍光強度(核酸
変性)との関係を連続数値として客観化し、さらに微分
法、フーリエ変換法、ウェーブレット法などの数学的手
法を用いてパターン化することにより検出することがで
きる。
【0028】請求項4に記載された1本鎖核酸の高次構
造誘導法の基本原理を、図4(a)〜(c)を使用して
詳細に説明する。図4(a)はプライマーの構造、図4
(b)はプライマー付加核酸増幅産物の構造、図4
(c)はDNA結合タンパク質添加後のプライマー付加
核酸増幅産物による環状構造(ループ構造)あるいはこ
れに類する構造の形成、および独自高次構造の誘導を示
す。その後に核酸変性が続く。
【0029】図4(a)〜(c)に従って順に説明す
る。本発明の場合、上記記載のEnhance Pri
merの構造を、3’側に対象核酸と相補性を有する塩
基配列があり、5’側にDNA結合タンパク質などに親
和性のある塩基配列があるものをいう。このため、増幅
処理後は1本鎖核酸のプライマー付加端にDNA結合タ
ンパク質などが結合可能な構造を有する1本鎖核酸が産
生されることになる。
【0030】この1本鎖核酸に対して、一端と結合可能
なDNA結合蛋白質などを添加し、温度を至適温度に調
整すると、1本鎖核酸の一端がDNA結合蛋白質などと
近接し、さらにDNA結合蛋白質などの帯電状況と1本
鎖核酸自体が反応するため、全体として一定の環状構造
(ループ構造)あるいはこれに類する構造を形成、さら
に独自の高次構造が誘導される。この操作により大部分
の1本鎖核酸が同一の高次構造に誘導されるため、その
解析結果はより安定する。また、核酸を構成する個々の
塩基が高次構造形成に関与する確率が高くなるため、塩
基変異の検出精度が高まる。
【0031】前述と同様、一定の高次構造が誘導された
後、加温すると高次構造の崩壊が始まり、さらに核酸の
1本鎖への変性が始まる。高次構造の複雑さは加温に対
する耐性となるため、構造の複雑なものは核酸の1本鎖
への変性が遅れ、構造の簡易なものは1本鎖への変性が
進行する。基本的に高次構造の崩壊後核酸の変性が起こ
るため、この高次構造の特性は核酸の加温に対する変性
状況に反映される。
【0032】加温に伴う変性状況は、検体試料にインタ
ーカレーター色素(サイバーグリーンなど)を添加する
ことにより実施可能である。本色素は、2本鎖核酸中に
おいて励起光に対する蛍光を発光するが、1本鎖核酸中
ではこの性質を失うため、加温に伴う核酸の変性状況を
蛍光の減弱として観察することができる。
【0033】本発明では、高次構造の差異による核酸変
性の差異を、加温による経時的な温度と蛍光強度(核酸
変性)との関係を連続数値として客観化し、さらに微分
法、フーリエ変換法、ウェーブレット法などの数学的手
法を用いてパターン化することにより検出することがで
きる。
【0034】請求項5に記載された、合成1本鎖あるい
は2本鎖核酸を介在させ(Bridging Prob
eと呼ぶ)、これを架橋とする核酸高次構造誘導法の基
本原理を、図5(a)〜(c)を使用して詳細に説明す
る。図5(a)プライマー、プローブの構造、図5
(b)はプライマー付加核酸増幅産物の構造、図5
(c)はプライマー付加核酸増幅産物による環状構造
(ループ構造)あるいはこれに類する構造の形成、およ
び独自高次構造の誘導を示す。図面は省略したがその後
に加温による高次構造の崩壊が続く。
【0035】図5(a)〜(c)に従って順に説明す
る。Bridging Probeとは、Enhanc
e Primerと相補性を有する塩基配列を両端にも
つものをいう。このプローブを添加することにより、増
幅核酸はこれを介在として環状構造(ループ構造)ある
いはこれに類する構造を形成、さらに独自の高次構造を
誘導することができる。
【0036】また、DNA増幅酵素を用いて2本鎖核酸
の増幅を行った場合、核酸増幅産物の両端にA(アデニ
ン)塩基が付加される性質を利用し、Bridging
Probeの両端にこれと相補性を有するT(チミ
ン)を付加したものを利用しても同等の効果が得られ
る。この場合、核酸増幅産物の両端にA(アデニン)塩
基が付加される性質は非特異的であるため、対象核酸を
増幅する際のプライマーは通常プライマーを用いること
ができ、上記Enhance Primerの使用は必
須ではない。
【0037】
【発明の効果】本発明は、検体中の2本鎖に核酸のヌク
レオチド配列順序である一次構造以外の機能発現に重要
な役割を持つ構造である、二次、三次、四次などの構造
を含む立体構造の形成を誘導した後、これを加熱して高
次構造を崩壊し、さらに2本鎖核酸が1本鎖核酸に変性
する温度または解離パターンを観察することから高い検
出精度で、容易に核酸変異を検出することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の2本鎖核酸高次構造誘導の方
法を示す模式図である。
【図2】請求項2に記載の2本鎖核酸高次構造誘導の方
法を示す模式図である。
【図3】請求項3に記載の1本鎖核酸高次構造誘導の方
法を示す模式図である。
【図4】請求項4に記載の1本鎖核酸高次構造誘導の方
法を示す模式図である。
【図5】請求項5に記載の1本鎖核酸高次構造誘導の方
法を示す模式図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸変異を検出する方法であって、対象
    2本鎖核酸の両端に相互が相補鎖を形成する粘着末端を
    付加し、これらを介して対象2本鎖核酸に環状構造(ル
    ープ構造)あるいはこれに類する構造を形成させ、これ
    により核酸の高次構造形成を誘導した後、加熱して高次
    構造が崩壊し、さらに2本鎖核酸が1本鎖核酸に変性す
    る温度を観察することにより、その解離温度または解離
    (変性)パターンから核酸変異の有無を判別することを
    特徴とする核酸変異検出法。
  2. 【請求項2】 核酸変異を検出する方法であって、対象
    2本鎖核酸の両端に核酸結合タンパク質が反応する塩基
    配列を付加し、これらを介して対象2本鎖核酸に環状構
    造(ループ構造)あるいはこれに類する構造を形成さ
    せ、これにより核酸の高次構造を誘導した後、加熱して
    高次構造が崩壊し、さらに2本鎖核酸が1本鎖核酸に変
    性する温度を観察することにより、その解離温度または
    解離(変性)パターンから核酸変異の有無を判別するこ
    とを特徴とする核酸変異検出法。
  3. 【請求項3】 核酸変異を検出する方法であって、対象
    1本鎖核酸の一端に同核酸の反対端あるいは内部塩基配
    列の一部と相補鎖を形成する塩基配列を付加し、これら
    を介して対象1本鎖核酸に環状構造(ループ構造)ある
    いはこれに類する構造を形成させ、これにより核酸の高
    次構造を誘導した後、加熱して高次構造が崩壊し、さら
    に1本鎖核酸が直線状に変性する温度を観察することに
    より、その解離温度または解離(変性)パターンから核
    酸変異の有無を判別することを特徴とする核酸変異検出
    法。
  4. 【請求項4】 核酸変異を検出する方法であって、対象
    1本鎖核酸の一端に核酸結合タンパク質が反応する塩基
    配列を付加し、これらを介して対象1本鎖核酸に環状構
    造(ループ構造)あるいはこれに類する構造を形成さ
    せ、これにより核酸の高次構造を誘導した後、加熱して
    高次構造が崩壊し、さらに1本鎖核酸が直線状に変性す
    る温度を観察することにより、その解離温度または解離
    (変性)パターンから核酸変異の有無を判別することを
    特徴とする核酸変異検出法。
  5. 【請求項5】 上記環状構造(ループ構造)あるいはこ
    れに類する構造を形成させる際に合成した1本鎖あるい
    は2本鎖核酸を介在させ、これを架橋として形成させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の核酸
    変異検出法。
  6. 【請求項6】 上記解離パターン解析が、直接測定で得
    られた温度と蛍光強度(核酸変性)との数値を微分法、
    フーリエ法、ウェーブレット法などの波形解析法でなさ
    れることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    核酸変異検出法。
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