JP6339787B2 - 核酸の分析方法 - Google Patents
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(1)以下の特徴(a)〜(d)を有する鋳型核酸、
(a)少なくとも一対の相補的な塩基配列からなる標的塩基配列を有している。
(b)前記(a)の相補的な塩基配列がハイブリダイズしたときに、ループ構造を形成することができる。
(c)3’末端が自身にアニールしてループ構造を形成することができる。
(d)自身にアニールした3’末端は自身を鋳型とする相補鎖合成の起点になることができる。
(2)鋳型核酸のループ構造において、相補鎖合成の起点を与えることができる少なくとも2種類のプライマーであって、そのうち少なくとも1種は固相に固定化されている前記プライマー、
(3)鎖置換を伴う相補鎖合成をするためのDNAポリメラーゼ、及び
(4)相補鎖合成のための基質。
(分析方法の概要)
本発明は、特定の構造をもつ鋳型核酸と、この核酸の特定の領域に相補鎖合成の起点を与えることができる、5’末端を固相に固定したプライマーを組み合わせることによって、迅速な相補鎖合成を可能とするとともに、固定したプライマー当りに増幅される鋳型核酸及び相補鎖配列を少なくとも1つ以上とすることにより、核酸配列決定時における単位面積当たりの光もしくは水素イオン等の信号を増やすことを可能とした。
図1に合成増幅に用いる鋳型核酸を生成するための前処理工程の一例を示す。生体試料等から抽出された核酸101を、超音波による切断、細孔を通すことによる物理的切断、制限酵素による切断等を用いて好ましい長さに断片化する。核酸の断片化の手段は、上記に限定されるものではなく公知のいずれかの手段を使用しても良い。アガロースゲル等を用いた電気泳動によって、断片化された核酸102の断片長を揃えても良い。断片化された核酸102の両末端構造は断片毎に不揃いであるため、平滑化しても良い。例えば、T4 DNAポリメラーゼの5’末端→3’末端のポリメラーゼ活性と3’末端→5’末端のエクソヌクレアーゼ活性を利用して平滑化することができる。また、制限酵素Eco RI、Bam HI、Hind III等を用いて断片化を行った場合は、3’末端の突出が生じるため、突出部分の相補鎖を酵素Klenow fragmentを用いて埋めることにより平滑化しても良い。平滑化した核酸103と、本発明における増幅法に適した配列を持つ核酸アダプター104とにより、ライゲーション等の反応を行い合成増幅に用いる核酸105を得る。核酸アダプター104は本発明の増幅法を成し得る配列を有する必要がある。ここでは、両末端を揃える例として平滑化を示したが、これに限定されるものではない。核酸アダプターをライゲーションする構造であれば良い。同様に核酸アダプターも核酸断片とライゲーション可能である構造であれば良い。例えば、各種制限酵素による断片化構造に対する相補的な塩基配列を持つ突出末端を核酸アダプターに持たせても良い。また、両端に異なる配列の核酸アダプターを結合させたい場合は、上記等のライゲーション反応の後に、各々の両端の配列を持つPCRプライマーを用いて、PCRにて増幅した産物を用いても良い。この場合、両端に同じ配列を持つ核酸アダプターが結合したものは増幅されないので、目的の核酸のみを得ることができる。
本発明において、合成増幅の対象とする特定構造の鋳型核酸は、1本鎖上に互いに相補的な塩基配列を有している。これらの相補的な塩基配列の間にはループ構造が形成される。本発明においては、この配列をループ形成配列と呼ぶ。そして、本発明によって合成増幅される核酸は、前記ループ形成配列によって同一の1本鎖上に互いに相補的な塩基配列が合成増幅される。相補的な塩基配列を持つことにより、同一1本鎖上で塩基対結合を形成することが一つの特徴である。1本鎖上に相補的な塩基配列が交互に連結した核酸が、同一鎖上で塩基対結合させることによって得られる分子内塩基対結合生成物は、見かけ上2本鎖を構成する領域と、塩基対結合を伴わないループ構造の領域とを有する。すなわち、本発明における1本鎖上に相補的な塩基配列が交互に連結した核酸とは、同一鎖上でアニールすることが可能な相補的な塩基配列を含み、そのアニール生成物は折れ曲がった部分に塩基対結合を伴わないループ構造を構成する1本鎖核酸と定義することができる。そして塩基対結合を伴わないループ構造には、相補的な塩基配列を持つプライマーがアニールすることができる。
また、合成増幅物である鋳型核酸は、他分子との間のアニールではなく自己アニールを優先的に行うことが好ましく、相補的な配列である両領域の距離が不必要に離れないほうが望ましい。例えば、両領域の位置関係は、0から500塩基分の距離を介して連続することが望ましい。その反面、両領域があまりにも接近している場合には望ましい状態のループの形成を行うには不利となるケースも想定されるため、適宜設定される。
上記の増幅反応工程は、合成増幅に用いる核酸に対して、少なくともFAプライマー、RAプライマー、アウトサイドプライマーF3、及びアウトサイドプライマーR3、鎖置換型の相補鎖合成を行うDNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼの基質となるヌクレオチドを加え、FAプライマー及びRAプライマーを構成する塩基配列と相補的な塩基配列との間に塩基対結合を形成させ、かつ酵素活性を維持しうる温度でインキュベートするだけで合成反応がなされる。
本発明におけるプライマーとは、相補的な塩基対結合を形成できること、そしてその3’末端において合成増幅反応の起点となる水酸基を与えること、の2つの条件を満たすものを意味する。合成増幅酵素によって反応し相補的な塩基結合を形成可能である形態であれば、ペプチド核酸や類似体であっても良い。本発明におけるプライマーは、反応の起点となるだけでなく、相補鎖合成の鋳型として機能するものであることが望ましい。
本発明によるプライマーを固定化させる場合、それ自身を固相に固定させておく。あるいは、プライマーの任意の部分をビオチンのような結合性のリガンドで標識しておき、これを固相化アビジンのような結合対象によって間接的に固相化しても良い。
本発明に使用するプライマーの一例を、図2を用いて説明する。以下の説明では、仮にR2及びR1cからなる第1のプライマー(RA)、並びにF2及びF1cからなる第2のプライマー(FA)を用いて、本発明における鋳型ポリヌクレオチドを合成増幅する工程を例示する。以下の説明においては、第1のプライマー及び第2のプライマーを、それぞれ仮にRA及びFAと名づける。第1のプライマーRAは、その3’末端において標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に相補鎖合成の起点を与えることができ、かつ第1のプライマーRAの5’側には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を備え、且つ固相に固定される。RAの3’側の領域をR2、5’側の領域をR1cとする。一方、第2のプライマーFAは、その3’末端において前記第1のプライマーRAを起点とする伸長生成物における標的塩基配列の3’側を規定する領域に相補鎖合成の起点を与えることができる塩基配列を備え、かつ第2のプライマーFAの5’側には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を備える。FAの3’側をF2とし、5’側をF1cとする。さらにRAとFAの3’側と5’側を構成する各領域は、それぞれ次のような領域に対して相補的な塩基配列から構成される。
RAの3’側(R2): R2c
RAの5’側(R1c): R1
FAの3’側(F2): F2c
FAの5’側(F1c): F1
すなわち、RAプライマーは標的塩基配列のR2cとR1によって、またFAは標的塩基配列におけるF2cとF1によってそのプライマー構造が決定される。
図2−1(1)
図1に示すような工程を実施し、合成増幅に用いる核酸を用意する。
図2−1(2)
まず、1本鎖とされた標的塩基配列におけるX2cに対し、固定化されたRAプライマーやFAプライマーのX2がアニールし、相補鎖合成が行われる。例えば85〜100℃程度に一旦加熱した後に、プライマーをアニールさせても良い。
図2−1(3)
RAやFAプライマーを起点とする伸長生成物から、例えばアウトサイドプライマーR3やF3を使用して鎖置換伸長反応を行うことによってRAやFAプライマーを起点とする1本鎖を作製する。
図2−2(4)
そのRAやFAプライマーを起点とする1本鎖のX2cに、第1及び第2のプライマーであるR2やF2をアニールさせて相補鎖合成を行う。
図2−2(5)
相補鎖合成は、図2−1(3)で合成したRAやFAプライマーを起点とする伸長生成物の5’末端に達したところで終了する。図2−2(5)において合成される伸長生成物は、その3’末端にR1又はF1を備えている。この図2−2(5)において合成される伸長生成物から、例えばアウトサイドプライマーR3やF3を使用して鎖置換伸長反応を行うことによって1本鎖を作製する。
図2−3(6)
鎖置換伸長反応によって、両端にループ構造を形成可能な一本鎖核酸が得られる。
図2−3(7)
両端にループ構造を形成可能な一本鎖核酸は、3’末端において自身にアニールして相補鎖合成の起点となり、自身を鋳型とする相補鎖合成が行われる。
図2−3(8)
自身を鋳型に相補鎖合成がなされることにより、核酸配列読取の標的塩基配列とその相補鎖からなる1組の相補的な塩基配列を備え、それがハイブリダイズしたときには塩基対結合が可能なループを形成する。これらの構造において、その3’末端には、自身のR1cもしくはF1cに相補的な塩基配列からなるR1及びF1を備えている。R1及びF1は、図2−2(4)においてアニールしたプライマーのR1c及びF1cを鋳型として合成された領域である。図2−3(8)の生成物が本発明における鋳型核酸である。ここで、固定化したRAプライマーの延長線上には、核酸配列読取対象となる相補的な配列1組が生成されている。
図2−4(9)
これら生成物のループには、固定化された第1のプライマーRAのR2や第2のプライマーFAのF2がアニールし、鎖置換反応による相補鎖合成が行われる。
図2−4(10)
FA及びRAプライマーがアニールした生成物は、鎖置換によって1本鎖とされ、3’末端のR1及びF1は自身に自己アニールしてループ構造を形成する。そのループは相補鎖合成の起点となり、自身を鋳型とする相補鎖合成が行われる。元の生成物と固定化プライマーの延長上の生成物は上記相補鎖合成により解離する。
解離後、自身を鋳型に相補鎖合成がなされる。その結果、図2−3(8)に示す2つの生成物と同じ生成物が合成される。さらに、核酸配列読取の標的塩基配列とその相補鎖からなる2組の相補的な塩基配列を備え、それがハイブリダイズしたときには塩基対結合を形成可能なループ構造をもつ生成物が、固定RAプライマー上に1つと浮遊生成物として1つ合成される。
ここで、図2−3(8)と同じ生成物が得られることから、この生成物を元に再度合成反応が進む。このサイクルが繰り返されることにより標的塩基配列は増幅される。本実施形態においては、増幅される場合に、固定プライマーの延長線上には最大、標的塩基配列とその相補鎖からなる2組の相補的な塩基配列が得られる。この効果により、一つの標的塩基配列を元に増幅を実施した場合、増幅される単位面積当たりに得られる信号には上限が課せられ均一化される。また、ブリッジPCRを行った場合、単位面積として固定化したプライマー4本に付き標的塩基配列が2つ、相補的な配列が2つ増幅される。本手法では、多くの固定化したプライマー上の生成物は図2−3(8)の左図、図2−5(11)の右図に示す生成物が増幅される。したがって、標的塩基配列が4もしくは8本、相補的な配列が4もしくは8本に増幅される。例えば、図3に示すようにこれらに核酸配列決定用プライマー301をアニールし、伸長反応を行い光検出や水素イオン検知等を行う場合には2〜4倍の信号を得ることができる。また、得られる信号量の幅も2〜4倍に抑えることが可能である。
固定化するプライマーをRA及びFAの2つのプライマーとし、RAを全て固定化しFAは一部を固定化し合成反応を進めると、図2−1(1)から図2−5(11)までと同様の反応が進む。固定化したFAプライマーの延長線上にも同様の生成物が合成されるのは明らかである。ここで、図2−5(11)で生成される合成浮遊物にはF2cもしくはR2cのループ構造を有しているため、固定化されたFAもしくはRAプライマーがアニールする。図2−5(12)には固定化したFAプライマーがアニールした状態を示すがFAプライマーのみに限定される訳ではなく、固定化したRAプライマーにおいても同様である。
FAプライマーがアニールした生成物は、鎖置換合成によって部分的に1本鎖となる。生成物とアニールしたFAプライマー自身は、生成物に対し相補的な配列を生成し延長上に二本鎖を形成する。この二本鎖の部分は、部分的に1本鎖となった3’末端を起点とする相補鎖合成により解離される。
相補鎖合成により解離され、伸長反応が進んだ結果、浮遊する標的塩基配列とその相補鎖からなる4組の相補的な塩基配列と、固定したFAプライマーの延長線上に標的塩基配列とその相補鎖からなる2組の相補的な塩基配列が得られる。これら2つの生成物は、FAプライマーによるさらなる鎖置換合成によって、標的塩基配列とその相補鎖からなる複数組の相補的な塩基配列が合成され、増幅が繰り返される。
本発明によって、固定プライマーの延長線上に増幅される核酸を構成する相補的な塩基配列の数は、少なくとも1つであり整数倍となることもある。この場合、本増幅法のループ形成配列により、理論的には、核酸を構成する相補的な塩基配列のペアの数に上限なく増幅することも可能である。
次に、鋳型ポリヌクレオチドを合成するための反応における図2−1(3)の工程、すなわち図2−1(2)の工程で合成された、第1のプライマーRA及び第2のプライマーFAを起点とする伸長生成物について、図2−2(4)におけるプライマーがアニールすべき領域を塩基対結合が可能な状態とするための工程を行うには、アウトサイドプライマーの利用が望ましい。図2−1(3)におけるF3及びR3を指し、アウトサイドプライマーとは、標的塩基配列に対してアニールする第1のプライマー及び第2のプライマーより上流に対して相補的な塩基配列からなるプライマーである。上流とは、鋳型における3’側を意味する。したがって、アウトサイドプライマーがアニールするのは、第1のプライマー及び第2のプライマーから見れば5’側の領域が上流となる。
上記反応に最も望ましい酵素は、鎖置換型の相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼである。反応工程中には、必ずしも鎖置換型のポリメラーゼを必要としない反応ステップも含まれてはいる。しかし、合成増幅反応を行う試薬構成を簡素化するには、1種類のDNAポリメラーゼを用いるのが最も好ましい。鎖置換型の相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼとして、BstDNAポリメラーゼ、Bca(exo−)DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノウ・フラグメント、Φ29ファージDNAポリメラーゼ、VentDNAポリメラーゼ、Vent(Exo−)DNAポリメラーゼ(VentDNAポリメラーゼからエクソヌクレアーゼ活性を除いたもの)、DeepVentDNAポリメラーゼ、DeepVent(Exo−)DNAポリメラーゼ(DeepVentDNAポリメラーゼからエクソヌクレアーゼ活性を除いたもの)、MS−2ファージDNAポリメラーゼ、Z−TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社製)、KOD DNAポリメラーゼ(東洋紡績社製)等が一般的に知られている。
上記に示す合成増幅反応によって得られる、固定化されたプライマー上に鋳型核酸の相補的な塩基配列が交互に連結された核酸には、例えば次のような有用性がある。第一には、増幅後に平面基板、もしくはビーズの洗浄を行った後に、固相上に増幅した核酸のみを用いる核酸配列決定における面積当たりの信号の強化である。
10×トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 5.0mL
20%SDS 5.0mL
5M NaCl 0.5mL
ヌクレアーゼフリー水 39.5mL
フローセル容器内で本発明の合成増幅反応を実施した後、固定化されたプライマーの延長線上の増幅産物3’末端からの再度の合成増幅反応が起きないように、不活化の処理として3’末端を加工することができる。例えば、図7の(2)に示すように、反応直後に伸長反応阻害物質としてddNTPを添加し、再度酵素反応を行うことにより増幅産物3’末端にddNTPを取り込み、伸長反応を停止する。又は、図7の(1)に示すように、増幅反応溶液にddNTPを初めから添加し、増幅反応実施中にddNTPを取り込むことにより伸長反応を停止させても良い。その他の例として、増幅反応後に3’末端にポリメラーゼが伸長反応を進めることのできない物質を付加しても良い。3’末端の不活化後に、核酸配列決定反応が実施される。
フローセル容器内の鋳型となる固定化されたプライマー延長線上の増幅産物に対して、少なくとも核酸配列決定用プライマー、DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼの基質となるヌクレオチドを加え、最適な温度でインキュベートし、合成反応と、光検出もしくは水素イオン等の検出を繰り返して核酸配列決定がなされる。核酸配列決定用プライマーのみ事前に添加し、加熱冷却を行ってアニールしても良い。例えば、2分間95℃で加熱した後、2分間37℃に冷却及び静置する。又は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅法を応用しても良い(特許文献U.S.S.N.60/358,563、特許第4340543号公報、特許第5089466号公報)。例えば、核酸配列決定用プライマーとリコンビナーゼ因子とを接触させ、増幅産物に核酸配列決定用プライマーをアニールさせた後、DNAポリメラーゼを用いて鎖置換合成を行うことにより核酸配列を決定しても良い。リコンビナーゼ因子を用いて核酸配列決定用プライマーをアニールすることは、高温(例えば95℃)に加熱することが不要であるため、そのような装備を備える必要がなくなるという利点を持つ。通常、増幅産物内に相補的な配列を有するがゆえに、コンパクトに折りたたまれる構造を持つ。しかし、加熱及び冷却による核酸配列決定用プライマーのアニールは、隣り合う増幅産物同士の絡み合いや、反応効率を低下させる可能性がある。リコンビナーゼ因子によりアニールの操作は部分的な解離のみ行われ、上記問題が回避される。
102 断片化された核酸
103 平滑化した核酸
104 核酸アダプター
105 合成増幅に用いる核酸
301 核酸配列決定用プライマー
302 相補的核酸配列決定用プライマー
401 平面基板
402 鋳型核酸
403 クラスター
501 フローセル容器
502 フローセル入口
503 フローセル出口
601 試薬分注ノズル
602 光源
603 対物レンズ
604 ダイクロイックミラー
605 フィルタ
606 レンズ
607 検出器
801 固相
802 核酸
803 プライマー
Claims (14)
- 以下の4つの成分(1)〜(4)を混合し、インキュベートを行い、鋳型核酸を増幅させた後もしくは増幅中に、増幅産物の3’末端の不活化処理を行い、その後に、前記増幅産物に対し酵素を用いて伸長反応を行い、光検出又は水素イオン検出により核酸配列を決定する核酸の分析方法。
(1)以下の特徴(a)〜(d)を有する鋳型核酸、
(a)少なくとも一対の相補的な塩基配列からなる標的塩基配列を有している。
(b)前記(a)の相補的な塩基配列がハイブリダイズしたときに、ループ構造を形成することができる。
(c)3’末端が自身にアニールしてループ構造を形成することができる。
(d)自身にアニールした3’末端は自身を鋳型とする相補鎖合成の起点になることができる。
(2)鋳型核酸のループ構造において、相補鎖合成の起点を与えることができる少なくとも2種類のプライマーであって、そのうち少なくとも1種は固相に固定化されており、少なくとも1種は固相に固定化されていない前記プライマー、
(3)鎖置換を伴う相補鎖合成をするためのDNAポリメラーゼ、及び
(4)相補鎖合成のための基質。 - 前記固相が、天然高分子担体、合成高分子担体、金属コロイド、磁性粒子、ガラス基板又は樹脂基板である請求項1に記載の核酸の分析方法。
- 前記鋳型核酸が、自身の塩基配列の任意の領域に対して相補的な塩基配列をその5’末端に備えている請求項1に記載の核酸の分析方法。
- 前記鋳型核酸が、以下に示す工程によって生成される請求項1に記載の核酸の分析方法。
a)標的塩基配列に、第1のプライマーをアニールし、そのアニールした前記第1のプライマーを起点として相補鎖を合成する工程であって、前記第1のプライマーは、その3’末端において標的塩基配列を構成する鎖の3’側を規定する領域に相補鎖合成の起点を与えることができ、前記第1のプライマーの5’側には、このプライマーを起点として相補鎖を合成する反応によって生成される伸長生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を備える、前記工程、
b)前記工程a)において合成された第1のプライマーを起点とする伸長生成物における第2のプライマーがアニールすべき領域を、塩基対結合が可能な状態とする工程であって、前記第2のプライマーは、その3’末端において前記第1のプライマーを起点とする伸長生成物における標的塩基配列の3’側を規定する領域に相補鎖合成の起点を与えることができる塩基配列を備え、前記第2のプライマーの5’側には、このプライマーを起点として相補鎖を合成する反応によって生成される伸長生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を備える、前記工程、
c)前記工程b)において塩基対結合が可能となった領域に第2のプライマーをアニールし、そのアニールした前記第2のプライマーを起点として相補鎖を合成する工程、及び
d)前記工程c)によって合成された第2のプライマーを起点とする伸長生成物の3’末端を自身にアニールさせ、自身を鋳型とする相補鎖を合成する工程。 - 前記工程b)及び/又は工程c)において、第1のプライマー及び/又は第2のプライマーの上流に相補鎖合成の起点を与えるアウトサイドプライマーからの相補鎖合成によって、第1のプライマー及び/又は第2のプライマーを起点とする伸長生成物を置換して1本鎖とする請求項4に記載の核酸の分析方法。
- 前記工程a)が、ベタイン、プロリン、ジメチルスルホキシド及びトリメチルアミン−N−オキシドよりなる群から選択される少なくとも1種の融解温度調整剤の存在下で行われる請求項4に記載の核酸の分析方法。
- 前記鋳型核酸を増幅させた後、浮遊物を洗浄除去し、増幅した前記鋳型核酸を起点として再度増幅反応を行う請求項1に記載の核酸の分析方法。
- 前記増幅産物の3’末端の不活化処理が、増幅後に伸長反応阻害物質を結合させることにより行われる請求項1に記載の核酸の分析方法。
- 前記伸長反応阻害物質が、ジデオキシヌクレオシド三リン酸である請求項8に記載の核酸の分析方法。
- 前記増幅産物の3’末端の不活化処理が、増幅中に伸長反応阻害物質を取り込ませ反応を停止させることにより行われる請求項1に記載の核酸の分析方法。
- 前記伸長反応阻害物質が、ジデオキシヌクレオシド三リン酸である請求項10に記載の核酸の分析方法。
- 前記増幅産物を標識することによって、増幅工程を管理する請求項1に記載の核酸の分析方法。
- 前記酵素を用いた伸長反応が、リコンビナーゼ因子の存在下で行われる請求項1に記載の核酸の分析方法。
- 前記核酸配列の決定において、既知の配列から得られる信号を元にノイズ除去及び/又は演算処理が行われる請求項1に記載の核酸の分析方法。
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