JP2003179305A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

Info

Publication number
JP2003179305A
JP2003179305A JP2001377444A JP2001377444A JP2003179305A JP 2003179305 A JP2003179305 A JP 2003179305A JP 2001377444 A JP2001377444 A JP 2001377444A JP 2001377444 A JP2001377444 A JP 2001377444A JP 2003179305 A JP2003179305 A JP 2003179305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
face
side end
zinc
clad
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001377444A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3740055B2 (ja
Inventor
Takashi Kimura
貴司 木村
Hisayoshi Kitajima
久義 北嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP2001377444A priority Critical patent/JP3740055B2/ja
Priority to US10/315,191 priority patent/US7116692B2/en
Publication of JP2003179305A publication Critical patent/JP2003179305A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3740055B2 publication Critical patent/JP3740055B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】破壊光出力の向上を図ることにより、高出力化
を可能にした半導体レーザ素子およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】基板1の上には、下部クラッド層2、活性
層3、上部第1クラッド層4およびエッチングストップ
層5が順に積層されている。エッチングストップ層5の
上には、リッジ形状の上部第2クラッド層7が素子の長
さ方向に沿って形成されている。上部第2クラッド層7
の両側には、電流ブロック層6が形成されている。上部
第2クラッド層7および電流ブロック層6の上には、コ
ンタクト層8が形成されている。上部第2クラッド層7
とコンタクト層8との間で、素子の長さ方向の両端面で
あるレーザ出射側端面15および反射側端面16の近傍
には、電流遮断層10a,10bおよび亜鉛拡散源層1
7a,17bがそれぞれ形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CD−R/RW
ドライブ、DVD−RAMドライブ等の光ディスク機器
などに用いる半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録装置において、記録速度の向上が
図られており、たとえば、CD−Rドライブは、いわゆ
る16倍速の記録速度のものが実用化されるに至ってい
る。このように記録速度の大きい光記録装置において
は、高出力のレーザ光を瞬時に立ち上げる必要がある。
このような要求特性を満たすレーザとして、化合物半導
体を用いたリッジ型半導体レーザがある。
【0003】半導体レーザは、電子および正孔の再結合
により発生した光を素子の両端面で内方に反射させ、こ
れによりレーザ発振を生じさせるようにした発光装置で
ある。半導体レーザ素子の両端面、すなわちレーザ出射
側端面および反射側端面には、これらを保護するためア
ルミナなどからなる保護膜が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、半導体レー
ザ素子の製造工程において、保護膜形成前に素子の端面
が酸化されることにより、レーザ出射側端面および反射
側端面には、多数の非発光再結合中心が形成される。レ
ーザ発光時には、レーザ出射側端面から反射側端面に渡
る素子全長に電流が注入される。このとき、レーザ出射
側端面および反射側端面において、非発光再結合が起こ
り発熱する。発熱によりバンドギャップが小さくなる
と、レーザ光の吸収が増え、さらに温度が高くなる。こ
れの繰り返しにより、レーザ素子端面が溶融するいわゆ
るCOD(CatastrophicOptical
Damage)が起こり、半導体レーザ素子は破壊に至
る。
【0005】CODは、半導体レーザの光出力を高くし
ていくと、あるレベル(破壊光出力)で起こる。したが
って、半導体レーザ素子の使用時の光出力は、破壊光出
力より低く設定しなければならない。そこで、本発明の
目的は、破壊光出力の向上を図ることにより、高出力化
を可能にした半導体レーザ素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、化合物半
導体基板(1,21)上に順に積層された下部クラッド
層(2,22)、活性層(3,23)および上部第1ク
ラッド層(4,24)と、前記上部第1クラッド層上に
設けられたリッジ形状の上部第2クラッド層(7,2
7)と、前記上部第2クラッド層の側方に設けられた電
流ブロック層(6,26)と、前記上部第2クラッド層
上に設けられたコンタクト層(8,28)と、前記上部
第2クラッド層の長手方向に関する素子両端面であるレ
ーザ出射側端面(15)および反射側端面(16)のう
ちの少なくとも一方の近傍において、前記上部第2クラ
ッド層と前記コンタクト層との間に設けられ、亜鉛を含
有した亜鉛拡散源層(17a,17b)とを含むことを
特徴とする半導体レーザ素子である。
【0007】なお、括弧内の英数字は後述の実施形態に
おける対応構成要素等を示す。以下、この項において同
じ。本発明に係る半導体レーザ素子が、製造時の温度履
歴において適当な高い温度(たとえば、500〜600
℃)を経験している場合、亜鉛拡散源層下方の活性層
は、亜鉛拡散源層からの拡散により亜鉛(Zn)が導入
され、無秩序化されている。たとえば、活性層がMQW
(Multi Quntum Well)活性層である
場合、交互に積層された組成の異なる層は、無秩序化に
より組成が均質化されている。活性層のうち、亜鉛が導
入されていない部分は、構成原子が秩序配列している。
無秩序化された部分は、秩序配列している部分に比し
て、バンドギャップが大きい。
【0008】したがって、本発明の半導体レーザの活性
層は、レーザ出射側端面および反射側端面のうちの少な
くとも一方の近傍の部分は、素子内部の部分よりバンド
ギャップが大きくなっている。このようなバンドギャッ
プが大きな部分では、レーザ光の吸収は起こらない。ま
た、レーザ出射側端面や反射側端面で非発光再結合が起
こり、ある程度温度が高くなってバンドギャップが小さ
くなっても、バンドギャップはレーザ光が吸収されるレ
ベルには至らない。端面でレーザ光が吸収されなけれ
ば、CODは起こらない。これにより、半導体レーザ素
子の破壊光出力を向上できるから、高出力の半導体レー
ザ素子を実現できる。
【0009】亜鉛拡散源層は、活性層の近くに配されて
いるので、拡散により効率的に亜鉛を活性層に導入する
ことができる。亜鉛拡散源層は、レーザ出射側端面近傍
および反射側端面近傍の双方に設けられていてもよく、
どちらか一方にのみ設けられていてもよい。亜鉛拡散源
層の大きさ(厚さ、幅、および素子の長さ方向に沿った
長さ)は、亜鉛の拡散により活性層の所定の部分が無秩
序化される限り、任意に設定することができる。
【0010】請求項2記載の発明は、前記上部第2クラ
ッド層の長手方向に関する素子両端面であるレーザ出射
側端面および反射側端面のうちの少なくとも一方の近傍
において、前記亜鉛拡散源層と前記コンタクト層との間
に設けられた絶縁体からなる電流遮断層(10a,10
b)をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の半導
体レーザ素子である。この発明によれば、絶縁体である
電流遮断層により、レーザ出射側端面および(または)
反射側端面を流れる電流を低減することができる。した
がって、非発光再結合による端面の温度上昇を抑制する
ことができる。これにより、端面でバンドギャップが小
さくなることを抑制することができる。
【0011】また、端面におけるバンドギャップが小さ
くなった場合でも、上述のようにこの部分の初期バンド
ギャップは大きいので、バンドギャップはレーザ光が吸
収されるレベルには、容易には至らない。以上の効果に
より、破壊光出力を著しく向上できる。これにより、半
導体レーザ素子の高出力化を可能にできる。電流遮断層
は、レーザ出射側端面近傍および反射側端面近傍の双方
に設けられていてもよく、どちらか一方にのみ設けられ
ていてもよい。また、電流遮断層をレーザ出射側端面近
傍および反射側端面近傍の双方に設けた場合、各々の電
流遮断層の素子の長さ方向に沿う方向の長さは同じであ
ってもよく、異なっていてもよい。非発光再結合による
発熱は、通常、レーザ出射側端面で顕著に起こるから、
電流遮断層の長さは反射側端面のものに比してレーザ出
射側端面のものを長くしてもよく、レーザ出射側端面側
にのみ電流遮断層を設けてもよい。
【0012】半導体レーザ素子の各部は、請求項3に記
載されている組成をとることができる。すなわち、前記
化合物半導体基板はGaAs化合物半導体基板であって
もよく、前記下部クラッド層はAlx1Ga(1-x1)As層
であってもよい。前記活性層はAly1Ga(1-y1)Asの
単層であってもよく、Aly11Ga(1-y1 1)AsとAl
y12Ga(1-y12)Asとの複合層、またはAly1Ga
(1-y1)AsとGaAsとの複合層であってもよい。活性
層がMQW(Multi Quantum Well)
活性層である場合、活性層は上述のような複合組成とな
る。
【0013】前記上部第1クラッド層はAlx2Ga
(1-x2)As層であってもよく、前記リッジ形状の上部第
2クラッド層はAlx3Ga(1-x3)As層であってもよ
い。前記電流ブロック層はAly2Ga(1-y2)As層から
なる単層であってもよく、前記化合物半導体基板側に配
されAly3Ga(1-y3)Asからなる下部層および前記コ
ンタクト層側に配されGaAsからなる上部層を含む複
合層であってもよい。前記コンタクト層はGaAs層で
あってもよい。
【0014】また、半導体レーザ素子の各部は、請求項
4に記載されている組成をとることができる。すなわ
ち、前記化合物半導体基板はGaAs化合物半導体基板
であってもよく、前記下部クラッド層はInx1(Gay1
Al(1-y1)(1-x1)P層であってもよい。前記活性層は
Inx2Ga(1-x2)Pの単層であってもよく、Inx3Ga
(1-x3)PとInx4(Gay4Al(1-y4)(1-x4)Pとの複
合層、またはInx5(Gay5Al (1-y5)(1-x5)PとI
x6(Gay6Al(1-y6)(1-x6)Pとの複合層であって
もよい。活性層がMQW(Multi Quantum
Well)活性層である場合、活性層は上述のような
複合組成となる。
【0015】前記上部第1クラッド層はInx7(Gay7
Al(1-y7)(1-x7)P層であってもよく、前記リッジ形
状の上部第2クラッド層がInx8(Gay8Al(1-y8)
(1-x 8)P層であってもよい。前記電流ブロック層は、G
aAs、Gay9Al(1-y9)As、Inx10(Gay10Al
(1-y10)(1-x10)P、もしくはInx11Al(1-x11)Pか
らなる単層であってもよく、前記化合物半導体基板側に
配されGay9Al(1-y9)As、Inx10(Gay10Al
(1-y10)(1-x10)P、もしくはInx11Al(1-x11)Pか
らなる下部層(26a)および前記コンタクト層側に配
されGaAsからなる上部層(26b)を含む複合層で
あってもよい。前記コンタクト層はGaAs層であって
もよい。
【0016】請求項5記載の発明は、前記亜鉛拡散源層
が酸化亜鉛からなることを特徴とする請求項1ないし4
のいずれかに記載の半導体レーザ素子である。亜鉛拡散
源層が酸化亜鉛である場合、試料(上述の各層が形成さ
れた化合物半導体基板)を加熱することにより、活性層
に亜鉛を容易に拡散させることができる。また、亜鉛拡
散源層は、請求項6に記載のように、絶縁性材料に亜鉛
をドープしてなるものであってもよい。
【0017】この場合でも、試料を加熱することによ
り、活性層に亜鉛を容易に拡散させることができる。絶
縁性材料に対する亜鉛のドープ量を適当な値とすること
により、活性層への亜鉛の拡散量を容易に制御すること
ができる。すなわち、亜鉛拡散源層全体を酸化亜鉛で構
成すると、加熱時の活性層への亜鉛拡散量が多すぎる場
合など、本発明の構成により、亜鉛拡散源層中の亜鉛量
の低減を図り、拡散量を抑制することができる。絶縁性
材料は、たとえば、酸化シリコン、窒化シリコンなどと
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発
明の第1の実施形態に係るリッジ型半導体レーザ素子の
構造を示す素子の長さ方向に沿った図解的な断面図であ
る。図2は、図1のリッジ型半導体レーザ素子の長さ方
向に直交する方向の図解的な断面図である。図2(a)
は図1のIIa−IIa線断面図であり、図2(b)は図1
のIIb−IIb線断面図である。図1は、図2(a)
(b)のI−I線断面図である。
【0019】このリッジ型半導体レーザ素子の長さ方向
に関する一方の端面はレーザ出射側端面15となってお
り、他方の端面は反射側端面16となっている。基板1
の上には、下部クラッド層2、活性層3、および上部第
1クラッド層4が順に積層されている。上部第1クラッ
ド層4の上には、リッジ形状の上部第2クラッド層7が
素子の長さ方向に沿って、素子の幅方向のほぼ中央部に
形成されている。上部第2クラッド層7の両側には、電
流ブロック層6が形成されている。電流ブロック層6
は、上部第2クラッド層7の側面、および上部第1クラ
ッド層4の上面に沿うように形成されている。上部第2
クラッド層7および電流ブロック層6の上には、上部第
2クラッド層7にオーミック接触するコンタクト層8が
形成されている。
【0020】上部第2クラッド層7とコンタクト層8と
の間で、レーザ出射側端面15の近傍および反射側端面
16の近傍には、亜鉛拡散源層17a,17bがそれぞ
れ形成されている。亜鉛拡散源層17a,17bとコン
タクト層8との間には、電流遮断層10a,10bが、
平面視においてそれぞれ亜鉛拡散源層17a,17bと
重なるように形成されている。亜鉛拡散源層17a,1
7bおよび電流遮断層10a,10bは、レーザ出射側
端面15および反射側端面16からそれぞれ所定の距離
以上内方の部分には形成されていない。すなわち、レー
ザ出射側端面15および反射側端面16から所定の距離
以上内方の部分では、上部第2クラッド層7の上部にコ
ンタクト層8が接している。
【0021】基板1は、たとえばn型GaAs化合物半
導体基板からなる。この場合に、下部クラッド層2は、
n型Alx1Ga(1-x1)As層で構成することができる。
活性層3は、導電型がn型、p型、またはアンドープで
あり、Aly1Ga(1-y1)As層からなっていてもよい
し、組成の異なる2層からなっていてもよい。すなわ
ち、Aly11Ga(1-y11)AsとAly12Ga(1-y12)As
(y11≠y12)とからなるMQW(Multi Q
uantum Well)活性層であってもよいし、A
y1Ga(1-y1)AsとGaAsとからなるMQW活性層
であってもよい。
【0022】上部第1クラッド層4は、p型Alx2Ga
(1-x2)As層で構成することができる。さらに、電流ブ
ロック層6は、n型Aly2Ga(1-y2)As層で構成する
ことができ、リッジ形状の上部第2クラッド層7は、p
型Alx3Ga(1-x3)As層で構成することができ、コン
タクト層8は、p型GaAs層で構成することができ
る。亜鉛拡散源層17a,17bは、ZnOからなる。
電流遮断層10a,10bは、SiO2からなる。
【0023】基板1の下面およびコンタクト層8の上面
には、それぞれn側電極12およびp側電極13が形成
されている。n側電極12およびp側電極13は、レー
ザ出射側端面15から反射側端面16に至る全長に渡っ
て形成されている。レーザ発光時、素子にはn側電極1
2およびp側電極13を介して電流が流される。このた
め、これらの電極部では、電流は素子の長さ方向の全域
にわたって流れる。しかし、レーザ出射側端面15近傍
および反射側端面16近傍では、電流遮断層10a,1
0bがそれぞれ存在するために、レーザ出射側端面15
および反射側端面16を流れる電流が低減される。
【0024】したがって、レーザ出射側端面15や反射
側端面16では、非発光再結合中心が存在していた場合
でも、非発光再結合が抑制され、発熱が抑制される。こ
れにより、レーザ出射側端面15近傍および反射側端面
16近傍における活性層3のバンドギャップが小さくな
ることを抑制できる。このような半導体レーザ素子の各
層は、MOCVD(Metal−Organic Ch
emical Vapor Deposition)法
やスパッタリング法などにより形成することができる。
その際、試料(亜鉛拡散源層17a,17bを含む各層
が形成された基板1)は亜鉛拡散源層17a,17bの
形成後、たとえば500〜600℃の温度を経験する。
この場合、亜鉛拡散源層17a,17b下方の活性層3
は、亜鉛拡散源層17a,17bから拡散により亜鉛
(Zn)が導入され、構成原子の配列が無秩序化した無
秩序部3a,3bとなっている。活性層3がMQW活性
層である場合、無秩序部3a,3bの組成は、交互に積
層された層の組成、すなわち、Aly11Ga(1-y11)As
およびAly12Ga( 1-y12)As(y11≠y12)、ま
たはAly1Ga(1-y1)AsおよびGaAsが均質化され
たものとなっている。
【0025】活性層3のうち、亜鉛拡散源層17a,1
7b下方以外の部分は、亜鉛が導入されておらず、構成
原子が秩序配列した秩序配列部3cとなっている。無秩
序部3a,3bは、秩序配列部3cに比して、バンドギ
ャップが大きい。したがって、活性層3は、レーザ出射
側端面15近傍および反射側端面16近傍において、素
子内部よりバンドギャップが大きくなっている。このよ
うなバンドギャップが大きな部分では、レーザ光の吸収
は起こらない。したがって、レーザ出射側端面15およ
び反射側端面16での非発光再結合により、ある程度温
度が高くなっても、この部分での初期的なバンドギャッ
プは大きいので、バンドギャップはレーザ光が吸収され
るレベルには、容易には至らない。レーザ出射側端面1
5および反射側端面16でレーザ光が吸収されなけれ
ば、CODは起こらない。これにより、半導体レーザ素
子の破壊光出力を著しく向上できるから、高出力の半導
体レーザ素子を実現できる。
【0026】亜鉛拡散源層17a,17bは、活性層3
の近くに配されているので、拡散により効率的に亜鉛を
活性層3に導入することができる。レーザ出射側端面1
5側の亜鉛拡散源層17aおよび反射側端面16側の亜
鉛拡散源層17bは、双方ともに設けられていてもよ
く、どちらか一方にのみ設けられていてもよい。亜鉛拡
散源層の大きさ(厚さ、幅、および素子の長さ方向に沿
った長さ)は、亜鉛の拡散により活性層3の所定の部分
が無秩序化される限り、任意に設定することができる。
【0027】亜鉛拡散源層17a,17bは、絶縁性材
料に亜鉛をドープしてなるものであってもよい。この場
合でも、試料を加熱することにより、活性層3に亜鉛を
容易に拡散させることができる。絶縁性材料に対する亜
鉛のドープ量を適当な値とすることにより、活性層3へ
の亜鉛の拡散量を容易に制御することができる。たとえ
ば、上述の実施形態のように亜鉛拡散源層全体を酸化亜
鉛で構成すると、加熱時の活性層3などへの亜鉛拡散量
が多すぎる場合がある。この場合、亜鉛拡散源層17
a,17bを、絶縁性材料に亜鉛をドープしたものとす
ることにより、亜鉛拡散源層17a,17b中の亜鉛量
の低減を図り、加熱時の亜鉛拡散量を抑制することがで
きる。絶縁性材料は、たとえば、酸化シリコン、窒化シ
リコンなどとすることができる。
【0028】レーザ出射側端面15側の電流遮断層10
aおよび反射側端面16側の電流遮断層10bは、双方
ともに設けられていてもよく、どちらか一方にのみ設け
られていてもよい。また、電流遮断層10a,10bを
双方とも設けた場合、それぞれの素子の長さ方向に沿っ
た長さは同じであってもよく、異なっていてもよい。非
発光再結合による発熱は、通常、レーザ出射側端面15
近傍で顕著に起こるから、電流遮断層10a,10bの
素子の長さ方向に沿った長さは、電流遮断層10bに比
して電流遮断層10aを長くしてもよく、レーザ出射側
端面15近傍にのみ電流遮断層10aを設けてもよい。
【0029】上述の実施形態においては、亜鉛拡散源層
17a,17bと電流遮断層10a,10bとは、それ
ぞれ平面視において重なるように形成されているが、本
発明はこれに限定されるものではない。すなわち、亜鉛
拡散源層17a,17bの大きさおよび配置と、電流遮
断層10a,10bの大きさおよび配置とは独立に設定
することができる。上部第1クラッド層4と上部第2ク
ラッド層7との間には、エッチングにより上部第2クラ
ッド層7をリッジ形状に整形する際に用いるエッチング
ストップ層(エッチング媒体に対する耐性を有する層)
が設けられていてもよい。上部第2クラッド層7は、た
とえば、SiO2からなる帯状のマスク層をマスクとし
て、エッチングによりリッジ形状に整形することができ
る。その場合、MOCVD法により電流ブロック層6
を、リッジ形状の上部第2クラッド層7の側方に選択的
に成長させることができる。その後、マスク層のうち、
レーザ出射側端面15近傍および反射側端面16近傍以
外の部分を除去し、マスク層の残部を電流遮断層10
a,10bとすることができる。
【0030】電流遮断層10a,10bが存在しない構
造の半導体レーザを得る場合は、電流ブロック層6を選
択成長させた後、マスク層を完全に除去すればよい。図
3は、本発明の第2の実施形態に係るリッジ型半導体レ
ーザ素子の構造を示す素子の長さ方向に直交する方向の
図解的な断面図である。図3(a)は、レーザ出射側端
面15近傍の断面を示しており、図3(b)は、素子の
長さ方向中央部近傍の断面を示している。図1、2に示
す実施形態による半導体レーザ素子と同一構成である部
分は同一符号を付して説明を省略する。
【0031】基板21の上には、下部クラッド層22、
活性層23、および上部第1クラッド層24が順に積層
されている。上部第1クラッド層24の上には、リッジ
形状の上部第2クラッド層27が素子の長さ方向に沿っ
て、素子の幅方向のほぼ中央部に形成されている。上部
第2クラッド層27の両側には、電流ブロック層26が
形成されている。電流ブロック層26は、上部第2クラ
ッド層27の側面、および上部第1クラッド層24の上
面に沿うように形成されており、基板21側に配された
下部層26aとその上(基板21から遠い側)に配され
た上部層26bとを含んでいる。上部第2クラッド層2
7および電流ブロック層26の上には、上部第2クラッ
ド層27にオーミック接触するコンタクト層28が形成
されている。
【0032】上部第2クラッド層27とコンタクト層2
8との間で、レーザ出射側端面15の近傍(図3
(a))および反射側端面16の近傍には、亜鉛拡散源
層17a,17bがそれぞれ形成されている。亜鉛拡散
源層17a,17bとコンタクト層28との間には、電
流遮断層10a,10bが、平面視においてそれぞれ亜
鉛拡散源層17a,17bと重なるように形成されてい
る。亜鉛拡散源層17a,17bおよび電流遮断層10
a,10bは、レーザ出射側端面15および反射側端面
16からそれぞれ所定の距離以上内方の部分には形成さ
れていない。すなわち、レーザ出射側端面15および反
射側端面16から所定の距離以上内方の部分では、上部
第2クラッド層27の上部にコンタクト層28が接して
いる。
【0033】基板21は、たとえばn型GaAs化合物
半導体基板からなる。この場合に、下部クラッド層22
は、n型Inx1(Gay1Al(1-y1)(1-x1)P層で構成
することができる。活性層23は、導電型がn型、p
型、またはアンドープであり、Inx2Ga(1-x2)P層か
らなっていてもよいし、組成の異なる2層からなってい
てもよい。すなわち、Inx5(Gay5Al(1-y5)
(1-x5)PとInx6(Gay6Al(1-y6)(1-x6)P(y5
≠y6)とからなるMQW(Multi Quantu
m Well)活性層であってもよいし、Inx3Ga
(1-x3)PとInx4(Ga y4Al(1-y4)(1-x4)Pとから
なるMQW活性層であってもよい。
【0034】上部第1クラッド層24は、p型In
x7(Gay7Al(1-y7)(1-x7)P層で構成することがで
きる。さらに、電流ブロック層26の導電型はn型とす
ることができ、下部層26aは、Gay9Al(1-y9)As
層であってもよいし、Inx10(Gay10Al(1-y10)
(1-x10)P層であってもよいし、Inx11Al(1-x11)
層であってもよい。上部層26bは、GaAs層で構成
することができる。リッジ形状の上部第2クラッド層2
7は、p型Inx8(Gay8Al(1-y8)(1-x8)P層で構
成することができ、コンタクト層28は、p型GaAs
層で構成することができる。
【0035】亜鉛拡散源層17a,17bおよび電流遮
断層10a,10bは、このようなInGaAsP系材
料で構成された半導体レーザ素子においても、AlGa
As系材料(第1の実施形態)で構成された半導体レー
ザ素子におけるものと同様の効果を奏することができ
る。SiO2からなる帯状のマスク層を用いてリッジ形
状に整形された上部第2クラッド層27の両側方に、M
OCVD法によりAlGaAs系などの3(4)元混晶
からなる電流ブロック層26を形成しようとすると、マ
スク層の上にも電流ブロック層26を構成する材料が堆
積する。そこで、下部層26aとして3元混晶材料から
なる層を薄く成膜し、その後GaAsからなる上部層2
6bを成膜することにより、このような事態を回避する
ことができる。すなわち、このような構成により、電流
ブロック層26を上部第2クラッド層27の両側方に良
好に選択成長させることができ、かつ、必要な厚さの電
流ブロック層26を得ることができる。本発明の第1の
実施形態のように、主としてAlGaAs系材料からな
る半導体レーザ素子においても、電流ブロック層6を、
3元混晶からなる下部層と、GaAsからなる上部層と
で構成することにより上述の効果を得ることができる。
【0036】第2の実施形態において、電流ブロック層
26は、下部層26aと上部層26bとを含む複合層で
あるが、電流ブロック層26は、GaAs層、Gay9
(1 -y9)As層、Inx10(Gay10Al(1-y10)
(1-x10)P層、またはInx11Al( 1-x11)P層からなる
単層であってもよい。その他、特許請求の範囲に記載さ
れた事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素
子の構造を示す素子の長さ方向に沿った図解的な断面図
である。
【図2】図1のリッジ型半導体レーザ素子の長さ方向に
直交する方向の図解的な断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素
子の構造を示す素子の長さ方向に直交する方向の図解的
な断面図である。
【符号の説明】
1,21 基板 2,22 下部クラッド層 3,23 活性層 4,24 上部第1クラッド層 6,26 電流ブロック層 26a 下部層 26b 上部層 7,27 上部第2クラッド層 8,28 コンタクト層 10a,10b 電流遮断層 15 レーザ出射側端面 16 反射側端面 17a,17b 亜鉛拡散源層
フロントページの続き Fターム(参考) 5F073 AA09 AA74 AA87 BA05 CA04 CA05 CA14 CB02 CB18 DA13 DA15 EA24 EA28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体基板上に順に積層された下部
    クラッド層、活性層および上部第1クラッド層と、 前記上部第1クラッド層上に設けられたリッジ形状の上
    部第2クラッド層と、 前記上部第2クラッド層の側方に設けられた電流ブロッ
    ク層と、 前記上部第2クラッド層上に設けられたコンタクト層
    と、 前記上部第2クラッド層の長手方向に関する素子両端面
    であるレーザ出射側端面および反射側端面のうちの少な
    くとも一方の近傍において、前記上部第2クラッド層と
    前記コンタクト層との間に設けられ、亜鉛を含有した亜
    鉛拡散源層とを含むことを特徴とする半導体レーザ素
    子。
  2. 【請求項2】前記上部第2クラッド層の長手方向に関す
    る素子両端面であるレーザ出射側端面および反射側端面
    のうちの少なくとも一方の近傍において、前記亜鉛拡散
    源層と前記コンタクト層との間に設けられた絶縁体から
    なる電流遮断層をさらに含むことを特徴とする請求項1
    記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】前記化合物半導体基板がGaAs化合物半
    導体基板であり、 前記下部クラッド層がAlx1Ga(1-x1)As層であり、 前記活性層がAly1Ga(1-y1)Asの単層、Aly11
    (1-y11)AsとAly1 2Ga(1-y12)Asとの複合層、
    またはAly1Ga(1-y1)AsとGaAsとの複合層であ
    り、 前記上部第1クラッド層がAlx2Ga(1-x2)As層であ
    り、 前記リッジ形状の上部第2クラッド層がAlx3Ga
    (1-x3)As層であり、 前記電流ブロック層がAly2Ga(1-y2)As層からなる
    単層、または、前記化合物半導体基板側に配されAly3
    Ga(1-y3)Asからなる下部層および前記コンタクト層
    側に配されGaAsからなる上部層を含む複合層であ
    り、 前記コンタクト層がGaAs層であることを特徴とする
    請求項1または2記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】前記化合物半導体基板がGaAs化合物半
    導体基板であり、 前記下部クラッド層がInx1(Gay1Al(1-y1)
    (1-x1)P層であり、 前記活性層がInx2Ga(1-x2)Pの単層、Inx3Ga
    (1-x3)PとInx4(Ga y4Al(1-y4)(1-x4)Pとの複
    合層、またはInx5(Gay5Al(1-y5)(1-x5)PとI
    x6(Gay6Al(1-y6)(1-x6)Pとの複合層であり、 前記上部第1クラッド層がInx7(Gay7Al(1-y7)
    (1-x7)P層であり、 前記リッジ形状の上部第2クラッド層がInx8(Gay8
    Al(1-y8)(1-x8)P層であり、 前記電流ブロック層がGaAs、Gay9Al(1-y9)
    s、Inx10(Gay10Al(1-y10)(1-x10)P、もしく
    はInx11Al(1-x11)Pからなる単層、または前記化合
    物半導体基板側に配されGay9Al(1-y9)As、In
    x10(Gay10Al(1 -y10)(1-x10)P、もしくはIn
    x11Al(1-x11)Pからなる下部層および前記コンタクト
    層側に配されGaAsからなる上部層を含む複合層であ
    り、 前記コンタクト層がGaAs層であることを特徴とする
    請求項1または2記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】前記亜鉛拡散源層が酸化亜鉛からなること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の半導
    体レーザ素子。
  6. 【請求項6】前記亜鉛拡散源層が、絶縁性材料に亜鉛を
    ドープしてなることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の半導体レーザ素子。
JP2001377444A 2001-12-11 2001-12-11 半導体レーザ素子 Expired - Fee Related JP3740055B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377444A JP3740055B2 (ja) 2001-12-11 2001-12-11 半導体レーザ素子
US10/315,191 US7116692B2 (en) 2001-12-11 2002-12-10 Semiconductor laser and method of producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377444A JP3740055B2 (ja) 2001-12-11 2001-12-11 半導体レーザ素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003179305A true JP2003179305A (ja) 2003-06-27
JP3740055B2 JP3740055B2 (ja) 2006-01-25

Family

ID=19185402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001377444A Expired - Fee Related JP3740055B2 (ja) 2001-12-11 2001-12-11 半導体レーザ素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3740055B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006294879A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置および半導体レーザ装置の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006294879A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置および半導体レーザ装置の製造方法
JP4502867B2 (ja) * 2005-04-12 2010-07-14 パナソニック株式会社 半導体レーザ装置および半導体レーザ装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3740055B2 (ja) 2006-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6127691A (en) Semiconductor laser device
US7613220B2 (en) Two-wavelength semiconductor laser device and method for fabricating the same
JP2002353563A (ja) 半導体発光素子およびその製法
US5311534A (en) Semiconductor laser devices
JPH11284282A (ja) 短波長発光素子
JP2008047639A (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
US7116692B2 (en) Semiconductor laser and method of producing the same
JP4121271B2 (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2009302582A (ja) 二波長半導体レーザ装置
JP4155664B2 (ja) 半導体レーザ装置
JP3740055B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP4249920B2 (ja) 端面窓型半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2879875B2 (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP3387976B2 (ja) 半導体レーザ
JP2833962B2 (ja) 半導体レーザおよびその製法
JP2002026448A (ja) 半導体レーザ素子
JP2003023218A (ja) 半導体レーザ素子
EP1251609B1 (en) High-power semiconductor window laser device
JPH07321395A (ja) 自励発振型半導体レーザ素子
Qiu et al. High reliability, high power arrays of 808 nm single mode diode lasers employing various quantum well structures
JP2000138419A (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
JPH0818156A (ja) 半導体発光装置
JPH07170017A (ja) 半導体レーザー
JPH07263794A (ja) 自励発振型半導体レーザ素子
JP3646487B2 (ja) 面発光型半導体レーザおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051104

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees