JP2003178537A - 信号評価装置および信号評価方法 - Google Patents

信号評価装置および信号評価方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な回路構成でかつ短時間で信頼性の高い
再生信号の品質評価ができる信号評価装置および信号評
価方法を提供する。 【解決手段】 光ピックアップ2により再生された光磁
気ディスク1からの再生信号のPRML復号過程におい
てトレリス線図の正解状態に入力される2本のパスのパ
スメトリック差をSAM値計算回路3により求める。上
記パスメトリック差の度数分布を第1のしきい値で区切
った片側部分の相対度数である第1相対度数を第1相対
度数検出手段(4,5,6)により求め、上記パスメトリッ
ク差の度数分布を第2のしきい値で区切った片側部分の
相対度数である第2相対度数を第2相対度数検出手段
(7,8,9)により求める。そうして求められた第1,第
2相対度数に基づいて、コントローラ11は、予め作成
されたルックアップテーブル10を参照することにより
再生信号の品質を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PRML(Parti
al Response Maximum Likelihood)方式の再生信号の品
質を評価する信号評価装置および信号評価方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、信号評価装置としては、光ディス
クの再生信号品質の評価値としてジッタが用いられるこ
とが多かったが、近年、より高密度記録を実現するため
のデータ検出方式としてPRML方式が採用されつつあ
り、このような状況においては、時間軸方向のばらつき
を示すジッタは評価値として適当ではない。また、PR
MLによるデータ検出結果のビットエラーレートを評価
値として用いることも行われているが、必要な測定サン
プルビット数が多い点や、ディスクのキズなどに起因す
るディフェクトの影響を受けやすい点などの短所が多
い。
【0003】このような背景において、SAM(Sequenc
ed Amplitude Margin)と呼ばれる再生信号品質の評価方
法が提案されている(T.Perkins, "A Window Margin Lik
e Procedure for Evaluating PRML Channel Performanc
e";IEEE Transactions on Magnetics, Vol.31, No2, 1
995, p1109-1114)。
【0004】図8〜図10を用いてSAMの概念を説明
する。ここでは(1,7)RLL(RunLength Limited)符号
で記録されたビット列の再生信号をPR(1,2,1)特性
に基づいてPRML検出する場合について説明する。
【0005】上記PR(1,2,1)特性に従う歪みおよび
ノイズのない理想的な1Tマークの再生信号波形は、図
8で示すようにチャネルクロック毎のサンプルレベル比
が1:2:1になる。また、2T以上のマークの再生信
号波形については、この1Tマークの再生信号波形の重
ね合わせによって求められ、例えば2Tマークなら1:
3:3:1に、3Tマークなら1:3:4:3:1に、
4Tマークなら1:3:4:4:3:1になる。こうし
て任意のビット列について理想的な再生信号波形が想定
され、理想的なサンプルレベルとしては、0、1、2、
3、4の5レベルをとることになる。ここで、便宜上、
最大振幅が±1になるようにサンプルレベルを正規化す
る。このとき、理想的なサンプルレベルは、−1、−
0.5、0、+0.5、+1の5レベルとなる。
【0006】上記信号評価装置では、PRML復号を具
体的に実現する手法としてビタビ復号を用いる。このビ
タビ復号において、図9に示すトレリス線図を考える。
図9においてS(00)、S(01)、S(10)、S(11)
は状態を表し、例えば状態S(00)は前ビットが0で現
在ビットが0であったことを示している。また、状態と
状態を結ぶ線は「ブランチ」と呼ばれ、状態遷移を表し
ている。例えば、S(00)→S(01)のブランチによっ
て「001」なるビット列を表すことができる。図9で
は各ブランチの識別子としてa〜fの各文字をあててお
り、その横に、各状態遷移において期待される理想波形
レベルを附している。例えば、aは「000」なるビッ
ト列を表すので−1、bは「100」なるビット列を表
すので−0.5が理想レベルである。ここで、S(01)
→S(10)およびS(10)→S(01)なるブランチが存
在しないのは、(1,7)RLL符号ではd=1のランレ
ングス制限により「010」,「101」なるビット列
があり得ないことを反映している。
【0007】上記トレリス線図において、任意の状態か
ら任意の状態を経て生成される全てのブランチの組み合
わせ(これを「パス」と呼ぶ)を考えることは、全てのあ
り得るビット列を考えることに相当する。よって、全て
のパスについて期待される理想波形と、実際に光記録媒
体から再生した再生波形を比べて、波形が最も近い、す
なわちユークリッド距離が最も小さい理想波形を持つパ
スを探索すれば、最も確からしい最尤パスを正解パスと
して決定することができる。
【0008】次に、トレリス線図を用いたビタビ復号の
手順を具体的に説明する。任意の時刻において、状態S
(00)とS(11)には2本のパスが合流し、S(01)と
S(10)には1本のパスが合流する。2本のパスが合流
する状態S(00)とS(11)について、各パスの理想波
形と再生信号波形とのユークリッド距離が小さい方を生
き残りパスとして残すことにすれば、任意の時刻におい
て、4つの各状態に至るパスが各1本ずつ、計4本のパ
スが残ることになる。パスの理想波形と再生信号波形と
のユークリッド距離の二乗は「パスメトリック」と呼ば
れ、ブランチの理想波形のサンプルレベルと再生波形の
サンプルレベルとの差の二乗として求められるブランチ
メトリックを、パスを構成する全ブランチについて累積
することによってパスメトリックを計算する。
【0009】ここで時刻tにおける再生信号波形のサン
プルレベルをX[t]とし、ブランチa、b、c、d、
e、fの時刻tにおけるブランチメトリックそれぞれ
を、 Ba[t]、Bb[t]、Bc[t]、Bd[t]、Be[t]、Bf[t] とし、時刻tにおける各状態S(00),S(01),S(1
0),S(11)への生き残りパスのパスメトリックそれぞ
れを、 M(00)[t]、M(01)[t]、M(10)[t]、M(11)[t] とすると、ブランチメトリックは次の〔式2〕に従って
計算され、パスメトリックは次の(式2)に従って計算さ
れる。M(00)[t]とM(11)[t]におけるパスメトリッ
クが小さい方を選ぶ処理は、生き残りパスの決定に対応
している。
【0010】ブランチメトリックを求める〔式1〕 Ba[t]=(X[t]+1)2 Bb[t]=Bc[t]=(X[t]+0.5)2 Bd[t]=Be[t]=(X[t]−0.5)2 Bf[t]=(X[t]−1)2 生き残りのパスメトリックを求める〔式2〕 M(00)[t]=Min{M(00)[t-1]+Ba[t],M(10)
[t-1]+Bb[t]} M(01)[t]=M(00)[t-1]+Bc[t] M(10)[t]=M(11)[t-1]+Bd[t] M(11)[t]=Min{M(01)[t-1]+Be[t],M(11)
[t-1]+Bf[t]} ( Min{m,n}= m(if m≦n): n(if m>
n) )
【0011】こうして再生信号波形のサンプル値が入力
される毎に生き残りパスを決定する手順を繰り返してい
くと、パスメトリックが大きいパスが淘汰されていくた
め、次第にパスは1本に収束していく。これを正解パス
とすることにより、元のデータビット列が正しく再生さ
れることになる。
【0012】ここで、ビタビ復号が正しく行われる条件
を考えると、最終的に1本に収束していくパスが正解パ
スとなるためには、各時刻において生き残りパスを決定
する過程で、正解パスのパスメトリックが、間違いパス
であるもう一方のパスのパスメトリックよりも小さくな
ければならない。この条件は、次の〔式3〕のように表
される。
【0013】パスメトリック差を求める〔式3〕 正解ビット列が「・・・000」の場合、 ΔM=(M(01)[t-1]+Bb[t])− (M(00)[t-1]+B
a[t]) >0 正解ビット列が「・・・100」の場合、 ΔM=(M(00)[t-1]+Ba[t])− (M(01)[t-1]+B
b[t]) >0 正解ビット列が「・・・011」の場合、 ΔM=(M(11)[t-1]+Bf[t])− (M(01)[t-1]+B
e[t]) >0 正解ビット列が「・・・111」の場合、 ΔM=(M(01)[t-1]+Be[t])− (M(11)[t-1]+B
f[t]) >0 正解ビット列が「・・・001」または「・・・11
0」の場合、 ΔM >0 (生き残りパスの決定は必ず正しく行われるため、常に
ΔM>0が成り立つ)
【0014】上記〔式3〕において、ΔMは、生き残り
を賭けて対決する2本のパスのパスメトリック差であ
り、このパスメトリック差を「SAM値」と呼ぶ。エラ
ーが発生しないためには、 SAM値>0 である必要があり、またSAM値が大きい程エラーを起
こしにくいことを意味している。
【0015】さて、上記SAM値を用いてシステムの信
頼性を評価するためには、各時刻毎に計算されるSAM
値全体の分布状態をマクロ的に評価する必要がある。図
10(a)は、実際に光磁気ディスクに記録した(1,7)
RLL符号パターンの再生信号から求めたSAM値の度
数分布を示すグラフである。この結果から分かるよう
に、SAM値の度数分布は2つの山をもっている。これ
は、全再生信号に対してSAM値を求める場合、ビット
パターンによって正解パスと間違いパスとのユークリッ
ド距離が異なることに起因する。このため、図10(b)
に示すように、(1,7)RLL符号列から求めたノイズ
の全くない理想的な再生信号におけるSAM値の度数分
布は、 1.5、2.5、3.5、4.5、5、6、7、8、9 と離散的な複数の理想値をとる。このように理想値の度
数が異なるのは、各理想値となるビットパターンの種類
の数が異なるのに加え、(1,7)RLL符号列において
各ビットパターンの出現頻度が異なっているためであ
る。実際の再生信号には様々なノイズがのっているた
め、これらの理想値がばらつきを持ち、結果として図1
0(a)のように複数の分布が重なり合った分布形状とな
っている。SAM値の度数分布にはこのような特徴があ
り、正規分布とは大きく異なる分布であるため、単純に
この分布から標準偏差を求めてもビットエラーレートと
の相関性は小さい。
【0016】そこで、先に本出願人は、SAM値の度数
分布について異なる2種類のしきい値により相対度数を
求め、それらからビットエラーレートを計算して再生装
置の信頼性を検査する手法を提案している。なお、この
再生装置の信頼性を検査する手法は、この発明を理解し
やすくするために説明するものであって、公知技術では
なく、従来技術ではない。
【0017】以下、この再生装置の信頼性を検査する手
法を説明する。図10を用いて説明したように、SAM
値の度数分布は、複数のSAM理想値がノイズによりば
らつきを持つため、複数の分布が重なり合った分布形状
となっているが、ノイズがホワイトノイズに近ければ個
々の分布は正規分布に近似できるので、SAM理想値の
最小値である1.5より小さい部分については、1.5に
近い値を最頻値μとして持つ正規分布にほぼ近似できる
と考えられる。このとき、近似された正規分布のばらつ
きを表す標準偏差σとビットエラーレートBERは1対
1に対応し、この関係は、次の〔式4〕により表され
る。図11は、実際の光ディスク再生装置におけるSA
M値の度数分布の実測結果(実線)と、そのビットエラー
レートに対応する標準偏差σの正規分布(点線)を重ね合
わせたグラフである。
【数1】
【0018】上記〔式4〕の右辺の後半部分は、統計学
において正規分布の確率密度関数の積分として求められ
る分布関数として知られており、最頻値μと標準偏差σ
で決まる正規分布について、0以下の部分の相対度数を
表している。一方、原理的にSAM値<0となったとき
にエラービットが発生することから、ビットエラーレー
トBERは、SAM値の度数分布の総度数に対する0以
下の部分の割合に等しいと考えられる。したがって、上
記正規分布の0以下の相対度数に母数変換の係数Kを掛
けた値はビットエラーレートに一致する。具体的には、
SAM値の度数分布の総度数をN、この全測定ビット系
列においてSAM理想値が最小、すなわち1.5となる
パターン(このパターンのSAM値のみで生成した分布
が約1.5を最頻値とする正規分布に近似される)の個数
をnとしたとき、係数Kは、 K=n/N により求められる。
【0019】まず、SAM値の度数分布について、所定
のしきい値SL1,SL2より小さい部分の相対度数R
1’,R2’を実測する。そうすると、次の〔式5〕と
〔式6〕の関係が成り立つため、この連立方程式を解け
ば、標準偏差σと最頻値μを計算により求めることがで
きる。
【数2】
【数3】
【0020】次に、求まった標準偏差σと最頻値μを
〔式4〕に代入すれば、ビットエラーレートBERを計
算することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記信号評
価装置では、2つの異なるしきい値により求めたSAM
値の度数分布の相対度数からエラーレートを計算すると
き、〔式5〕と〔式6〕で表される非常に複雑な方程式
を解いたうえに、さらに〔式4〕を計算しなければなら
ず、これをマイクロコンピュータ(以下、マイコンとい
う)などを用いてソフトウェアにより計算するには極め
て長い時間がかかってしまうという問題がある。
【0022】そこで、この発明の目的は、簡単な回路構
成でかつ短時間で信頼性の高い再生信号の品質評価がで
きる信号評価装置および信号評価方法を提供することに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の信号評価装置は、記録媒体を再生する再
生手段と、上記再生手段により上記記録媒体から再生さ
れた再生信号のPRML復号過程においてトレリス線図
の正解状態に入力される2本のパスのパスメトリック差
を求めるパスメトリック差検出手段と、上記パスメトリ
ック差の度数分布を第1のしきい値で区切った片側部分
の相対度数である第1相対度数を求める第1相対度数検
出手段と、上記パスメトリック差の度数分布を第2のし
きい値で区切った片側部分の相対度数である第2相対度
数を求める第2相対度数検出手段と、予め作成されたル
ックアップテーブルを参照することによって、上記第1
相対度数検出手段により求められた第1相対度数と上記
第2相対度数検出手段により求められた第2相対度数に
基づいて再生信号の品質を評価する信号評価手段とを備
えたことを特徴としている。
【0024】上記構成の信号評価装置によれば、上記記
録媒体からの再生信号のPRML復号過程においてトレ
リス線図の正解状態に入力される2本のパスのパスメト
リック差の度数分布について、第1,第2のしきい値よ
り例えば小さい部分の第1,第2相対度数に基づいて、
上記パスメトリック差の度数分布の標準偏差と最頻値を
求めることが可能である。このようにして求めたパスメ
トリック差の度数分布の標準偏差と最頻値を用いて、再
生信号の品質を表す信号品質評価値(ビットエラーレー
ト)が第1,第2相対度数の組み合わせ毎に得られ、その
信号品質評価値を第1,第2相対度数の組み合わせ毎に
登録したルックアップテーブルを予め作成する。そし
て、実際に再生信号の品質を評価するとき、上記パスメ
トリック差検出手段により求められたパスメトリック差
の度数分布を第1のしきい値で区切った片側部分の相対
度数である第1相対度数を上記第1相対度数検出手段に
より求めると共に、上記パスメトリック差の度数分布を
第2のしきい値で区切った片側部分の相対度数である第
2相対度数を第2相対度数検出手段により求める。そう
して、上記第1相対度数検出手段により求められた第1
相対度数と上記第2相対度数検出手段により求められた
第2相対度数に基づいて、上記信号評価手段によって上
記ルックアップテーブルを参照することにより再生信号
の品質を評価する。したがって、パスメトリック差の度
数分布の2つの相対度数に対応する再生信号品質を予め
計算してルックアップテーブルとして作成することによ
って、装置のマイコンによって複雑な統計演算を実行す
る必要がなくなり、極めて短時間で簡単に信号品質を評
価することができる。
【0025】また、一実施形態の信号評価装置は、上記
ルックアップテーブルは、上記第1相対度数を行見出し
または列の見出しとし、上記第2相対度数を列見出しま
たは行見出しとして、上記行見出しと上記列見出しに対
応する信号品質評価値が登録された行列型テーブルであ
ることを特徴としている。
【0026】上記実施形態の信号評価装置によれば、例
えば上記第1相対度数を行見出しとし、上記第2相対度
数を列見出しとした場合、上記第1相対度数検出手段に
より求められた第1相対度数に最も近い値の行見出し
と、上記第2相対度数検出手段により求められた第2相
対度数に最も近い列見出しを探して、それらに対応する
信号品質評価値を上記ルックアップテーブルから読み出
すことによって、複雑な計算を行うことなく信号品質評
価値を求めることができる。
【0027】また、一実施形態の信号評価装置は、上記
ルックアップテーブルが、上記第1相対度数毎に有効な
範囲の上記第2相対度数が登録された配列型テーブル
と、上記第1相対度数毎に有効な範囲の上記第2相対度
数に対応する信号品質評価値が登録された配列型テーブ
ルとの集合であることを特徴としている。
【0028】上記実施形態の信号評価装置によれば、メ
モリ容量を大幅に節約することができると共に、同じ容
量のメモリを用いる場合には、第1相対度数,第2相対
度数の刻み幅をより小さくすることができるので、丸め
誤差のさらに小さな信号品質評価値を得ることができ
る。
【0029】また、一実施形態の信号評価装置は、上記
ルックアップテーブルの上記第1相対度数または上記第
2相対度数の少なくとも一方を指数関数的に変化させる
ことを特徴としている。
【0030】上記実施形態の信号評価装置によれば、上
記ルックアップテーブルの第1相対度数または第2相対
度数の少なくとも一方の刻み幅を指数関数的に変化させ
ることによって、上記ルックアップテーブルに登録され
る信号品質評価値の変化率をほぼ均等にすることができ
るため、信号品質評価値の丸め誤差を小さくすることが
できる。
【0031】また、一実施形態の信号評価装置は、上記
ルックアップテーブルは、所定の母数に対するエラー個
数を信号品質評価値としており、上記エラー個数の範囲
が1バイト整数の範囲に収まるように所定の母数が決め
られていることを特徴としている。
【0032】上記実施形態の信号評価装置によれば、1
バイト整数の範囲に収まるような所定の母数に対するエ
ラー個数を信号品質評価値として上記ルックアップテー
ブルを作成することによって、メモリ容量を小さく抑え
ることができる。
【0033】また、一実施形態の信号評価装置は、上記
ルックアップテーブルは、上記信号品質評価値の想定範
囲と上記パスメトリック差の度数分布の最頻値の想定範
囲とから求められた上記第1相対度数および上記第2相
対度数の変動範囲に対応して作成されていることを特徴
としている。
【0034】上記実施形態の信号評価装置によれば、上
記信号品質評価値の想定範囲とパスメトリック差の度数
分布の最頻値の想定範囲とから2つの第1,第2相対度
数の変動範囲を限定してルックアップテーブルを作成す
ることによって、実装するメモリ容量を必要最小限とす
ることができる。
【0035】また、一実施形態の信号評価装置は、上記
ルックアップテーブルは、上記信号品質評価値の変化率
がほぼ均等となるように上記第1相対度数または上記第
2相対度数の少なくとも一方の見出しが設定されている
ことを特徴としている。
【0036】上記実施形態の信号評価装置によれば、上
記第1相対度数または第2相対度数の少なくとも一方の
見出しを上記信号品質評価値の変化率がほぼ均等となる
ように設定することによって、信号品質評価値の丸め誤
差を小さくすることができる。
【0037】また、この発明の信号評価方法は、情報を
記録した媒体から再生される再生信号に基づいて、その
信号をPRML復号過程においてトレリす線図の正解状
態に入力する2本のパスのパスメトリック差を求めるス
テップと、上記パスメトリック差が第1のしきい値より
も小さいときまたは大きいときに第1の累積値をカウン
トするステップと、上記パスメトリック差を第2のしき
い値よりも小さいときまたは大きいときに第2の累積値
をカウントするステップと、上記第1,第2の累積値に
基づいて、上記第1,第2の累積値に関連付けて信号品
質評価値を登録することにより予め作成されたルックア
ップテーブルを参照して上記再生信号の信号品質評価値
を読み出すステップとを有することを特徴とする信号評
価方法。特徴としている。
【0038】上記信号評価方法によれば、情報を記録し
た媒体から再生される再生信号に基づいて、その信号を
PRML復号過程においてトレリス線図の正解状態に入
力する2本のパスのパスメトリック差を求め、そのパス
メトリック差が第1のしきい値よりも小さいときに第1
の累積値(パスメトリック差の度数分布を第1のしきい
値で区切った片側部分の相対度数に相当)をカウントす
ると共に、そのパスメトリック差を第2のしきい値より
も小さいときに第2の累積値(パスメトリック差の度数
分布を第2のしきい値で区切った片側部分の相対度数に
相当)をカウントして、それぞれカウントされた第1,第
2の累積値に基づいて、第1,第2の累積値に関連付け
られて予め作成されたルックアップテーブルを参照して
上記再生信号の評価値を読み出す。そうすることによっ
て、複雑な統計演算を実行する必要がなくなり、極めて
短時間で簡単に信号品質を評価することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、この発明の信号評価装置お
よび信号評価方法を図示の実施の形態により詳細に説明
する。
【0040】(第1実施形態)図1はこの発明の第1実施
形態の信号評価装置および信号評価方法を用いた光磁気
ディスク再生装置の構成図である。
【0041】この光磁気ディスク再生装置は、図1に示
すように、記録媒体としての光磁気ディスク1と、再生
手段としての光学ピックアップ2と、パスメトリック差
検出手段としてのSAM値計算回路3と、しきい値レジ
スタ4,7と、コンパレータ5,8と、カウンタ6,9
と、ルックアップテーブル10と、コントローラ11と
を備えている。上記しきい値レジスタ4とコンパレータ
5とカウンタ6で第1相対度数検出手段を構成すると共
に、しきい値レジスタ7とコンパレータ8とカウンタ9
で第2相対度数検出手段を構成している。また、上記ル
ックアップテーブル10とコントローラ11で信号評価
手段を構成している。
【0042】次に、上記構成の光磁気ディスク再生装置
における再生動作について説明する。
【0043】まず、光学ピックアップ2から光磁気ディ
スク1上に光ビームが照射されると、その反射光が光学
ピックアップ2に入力され、電気信号に変換されて再生
信号が出力される。この再生信号は、SAM値計算回路
3に入力され、SAM値計算回路3ではパスメトリック
差の計算が行われる。すなわち、上記〔式2〕,(式2)
および〔式3〕を用いて、パスメトリック差を求める。
【0044】上記SAM値計算回路3から出力されたパ
スメトリック差すなわちSAM値ΔMは、しきい値レジ
スタ4に記憶された所定しきい値SL1とコンパレータ
5により比較される。上記コンパレータ5は、ΔM<S
L1とき、すなわちSAM値がしきい値SL1より小さ
いときにパルスを1つ出力する。このパルスはカウンタ
6に入力されるので、カウンタ6の出力R1はしきい値
SL1より小さいSAM値の個数(第1相対度数)を表し
ている。SAM値を計算する総ビット数を固定とすれ
ば、このSAM値の個数R1は、SAM値の度数分布の
相対度数(全度数に占める割合)R1’と同等であると言
える。
【0045】一方、SAM値ΔMは、しきい値レジスタ
7に記憶された所定しきい値SL2(ただし、SL2<
SL1とする)ともコンパレータ8により比較されるの
で、同様にカウンタ9はSAM値の度数分布のしきい値
SL2より小さい部分の相対度数R2’と同等なSAM
値の個数R2(第2相対度数)を出力している。こうして
求められたSAM値の個数R1とR2に基づき、コント
ローラ11によりルックアップテーブル10を参照する
ことによって、再生信号の品質を評価することができ
る。
【0046】また、図2は半導体メモリによって構成さ
れるルックアップテーブル10の内容を例示する模式図
である。以下、図2を用いて、コントローラ11がルッ
クアップテーブル10を参照して再生信号の品質を評価
する手順についてさらに詳細に説明する。
【0047】上記ルックアップテーブル10(図1に示
す)は、図2に示すように、14行14列の行列型のテ
ーブルであり、行見出しがSAM値の個数R1、列見出
しがSAM値の個数R2となっている。ただし、総ビッ
ト数は50000ビットであり、見出しの数値として
は、 R1=50000×R1’ R2=50000×R2’ ということになる。また、しきい値SL1,SL2は、 SL1=0.6 SL2=0.4 である。各(R1,R2)の組み合わせに対する登録値と
しては、SAM値の個数R1とR2から〔式4〕〜〔式
6〕を用いて予め計算しておいたビットエラーレートB
ERを記憶しておく。なお、図2では、ビットエラーレ
ートBERの表示形式「E−n」(n=1,2,3,…)
は、「×10-n」のことである(図3,図4,図6も同
様)。
【0048】上記コントローラ11は、SAM値の個数
R1とR2が入力されると、SAM値の個数R1に最も
近い値の行見出しと、SAM値の個数R2に最も近い列
見出しを探して、それらに対応する登録されたビットエ
ラーレートBERを読み出すことによって、複雑な計算
を行うことなくビットエラーレートBERを求めること
ができる。例えば、SAM値の個数R1として500、
SAM値の個数R2として200が入力された場合、
(504,206)に対応する登録値である1.7×10
-4(図2では「1.7E−4」)がビットエラーレートB
ERとして簡単に求められる。
【0049】次に、具体的にルックアップテーブル10
を作成する方法について説明する。まず、信号評価値の
想定範囲とSAM値の度数分布の最頻値μの想定範囲を
決める。例えば、再生用のレーザパワーの最適値を求め
る所謂テストリードに適用する場合、その基準ビットエ
ラーレートBERとして5×10-4を想定するならば、
信号評価値としては1×10-4〜1×10-3程度の範囲
が正確に計算できればよいと考えられる。また、再生信
号のノイズがホワイトノイズであれば最頻値は1.5と
なるので、有色ノイズによる変動を±0.2と想定すれ
ば、最頻値μは1.3〜1.7の範囲となる。原理的に、
ビットエラーレートBERが大きくなるほどSAM値の
個数R1,R2は大きくなり、最頻値μが大きくなるほ
どSAM値の個数R1,R2は小さくなるので、SAM
値の個数R1,R2の最小値は、上記〔式5〕と〔式
6〕に、 BER=1×10-4、μ=1.7 を代入すれば計算でき、SAM値の個数R1は233、
SAM値の個数R2は75となる。同様に、SAM値の
個数R1,R2の最大値は、上記〔式5〕と〔式6〕
に、 BER=1×10-3、μ=1.3 代入して計算でき、SAM値の個数R1が1241、R
2が501となる。これらから、ルックアップテーブル
10は、 R1:233〜1241 R2:75〜501 の範囲について作成すればよいことになる。テーブルサ
イズが14×14であれば、これらをそれぞれ14ステ
ップに等分割した値について上記〔式4〕〜〔式6〕か
らビットエラーレートBERを予め計算して、その値を
登録値としてメモリに記憶すればよい。
【0050】このように信号評価値と最頻値の想定範囲
を決めた後、それに対応する相対度数の変化範囲に限定
してルックアップテーブルを作成することによって、必
要最小限のメモリ容量で実装することができる。
【0051】なお、ここでテーブルサイズを14×14
としたのは説明の便宜のためであるが、テーブルサイズ
を大きくすればするほど、SAM値の個数R1とR2の
刻み幅を小さくできるので、より正確にビットエラーレ
ートBERを求めることができる。実際には、システム
設計上許容できるメモリ容量に応じて、もっと大きなテ
ーブルを用意すればよい。
【0052】また、ルックアップテーブルの一部に登録
が空白になっている部分があるが、これはR1≦R2と
いう、あり得ない組み合わせの場合に相当している。
【0053】以上のように、上記光磁気ディスク再生装
置においては、従来のように〔式4〕〜〔式6〕を用い
て複雑な計算を行う構成を必要としないため、簡単かつ
短時間で再生信号品質を評価することが可能となる。
【0054】なお、上記第1実施形態では、ルックアッ
プテーブル10の行見出しと列見出しの刻み幅をSAM
値の個数R1とR2の想定範囲を等分割したが、この場
合に次のような課題がある。図3は、図2のルックアッ
プテーブル10のうち、必要なビットエラーレートBE
Rの評価範囲である1×10-4〜1×10-3の部分だけ
を抜き出したものである。この図3から分かるように、
SAM値の個数R1,R2が大きい部分では、隣り合う
ビットエラーレートBERの変化率は小さいが、SAM
値の個数R1,R2が小さい部分では、隣り合うビット
エラーレートBERの変化率が大き過ぎるために、丸め
誤差が極めて大きくなってしまう危険性がある。
【0055】このような課題を解決するために、SAM
値の個数R1,R2が小さいほど刻み幅が小さくなるよ
うに、かつ、SAM値の個数R1,R2が大きいほど刻
み幅が大きくなるように、SAM値の個数R1とR2の
刻み幅を指数関数的に変化させればよい。例えば、図4
はi(i=1〜14)に対してSAM値の個数R1,R2
の想定範囲をそれぞれ次の〔式7〕と〔式8〕に従って
14個に分割して作成したルックアップテーブルの内容
を示す模式図であり、ビットエラーレートBERの変化
幅がほぼ均等になっていることが分かる。これにより、
ビットエラーレートBERの丸め誤差を小さくすること
ができる。 R1[i] = 203×exp(i/7.7) ……… 〔式7〕 R2[i] = 64×exp(i/6.8) ……… 〔式8〕
【0056】なお、上記第1実施形態では、ルックアッ
プテーブル10の登録値をビットエラーレートBERそ
のものとしたが、ルックアップテーブル10の実装形態
が半導体メモリであることを考えると、テーブルサイズ
およびデータ操作性の観点から、登録値は1バイトで表
現できる整数とすることが望ましい。したがって、想定
ビットエラーレートBER範囲に所定の母数をかけた数
値の範囲が0〜255に収まるように所定の母数を決め
ればよい。例えば、上記光磁気ディスク再生装置では、
想定ビットエラーレートBER範囲が1×10-4〜1×
10-3なので、所定の母数を250000とすれば登録
値の範囲は25〜250となり、1バイトに収めること
ができる。図5はこの場合のルックアップテーブル10
の内容の模式図を示している。
【0057】(第2実施形態)次に、この発明の第2実施
形態の信号評価装置および信号評価方法を用いた光磁気
ディスク再生装置について、図4,図6および図7を用
いて説明する。なお、この第2実施形態の光磁気ディス
ク再生装置は、ルックアップテーブル10の内容以外は
第1実施形態の図1に示す光磁気ディスク再生装置と同
一の構成をしており、説明を省略し、図1を援用する。
【0058】図4は既に説明したように、SAM値の個
数R1,R2を指数関数的に変化させて作成したルック
アップテーブル10(図1に示す)の内容を示すが、有効
な想定ビットエラーレートBER範囲は平行四辺形状で
あるため、14×14=196のテーブルサイズに対し
て、実際に有効なデータ量はもっと少ない。これは、ル
ックアップテーブル10を、SAM値の個数R1とR2
を見出しとする行列型のテーブルで実現しているためで
ある。
【0059】そこで、図6に示すように、ルックアップ
テーブル10を2つの配列型テーブルの集合によって構
成する。図6(a)は、各SAM値の個数R1に対して、
有効なビットエラーレートBER範囲に対応するSAM
値の個数R2を登録値とする配列型テーブルの集合であ
る。例えば、R1=300に対して有効なビットエラー
レートBER範囲である1×10-4〜1×10-3に対応
するSAM値の個数R2の範囲は、図4から99、11
5、134、155の4つであるので、これを順に並べ
た配列をR1=300に対する配列として作成する。こ
のようにして、想定する14種類のSAM値の個数R1
に対して同様に配列を作成してできたものがテーブルA
である。
【0060】また、図6(b)は、各SAM値の個数R1
に対して、テーブルAの配列に登録されたSAM値の個
数R2とから求められるビットエラーレートBERを登
録値とする配列型テーブルの集合である。例えば、R1
=300に対して、テーブルAのR1=300の配列に
登録された99、115、134、155のそれぞれか
ら求められるビットエラーレートBERは、 1.4×10-4、 2.4×10-4、 4.1×10-4
6.9×10-4 の4つであるので、これを順に並べた配列をR1=30
0に対する配列として作成する。このようにして、想定
する14種類のSAM値の個数R1に対して同様に配列
を作成してできたものがテーブルBである。
【0061】こうして作成されたルックアップテーブル
10を参照して、SAM値の個数R1とR2からビット
エラーレートBERを求める手順を、図6,図7に示す
フローチャートを用いて説明する。
【0062】まず、ステップS1にて、SAM値の相対
度数からしきい値SL1以下の相対度数(相対度数に総
ビット数をかけた値)R1としきい値SL2以下の相対
度数(相対度数に総ビット数をかけた値)R2を求める。
例えば、R1=500、R2=200であったとする。 次に、ステップS2に進み、求められたSAM値の個数
R1に最も近い見出しをテーブルAから探して、対応す
る配列である7行目の配列(見出しは504)を選び出
す。 続いて、ステップS3に進み、選んだ配列の登録値から
SAM値の個数R2に最も近い値、すなわち208(配
列内位置3番目)を探し出す。 さらに、ステップS4に進み、SAM値の個数R1に最
も近い見出しを今度はテーブルBから探して、対応する
配列である7行目の配列(見出しは504)を選び出す。 最後に、ステップS5に進み、その配列について、ステ
ップS3で求めたSAM値の個数R2に最も近い値の配
列内位置である3番目の登録値を読み出すことによっ
て、対応するビットエラーレートBER=5.0×10
-4を(図6(b)では「5.0E−4」)得ることができる。
【0063】このルックアップテーブル10のサイズ
は、テーブルAが14×5=70であり、テーブルBも
14×5=70であるので、合わせて140のメモリ容
量となり、SAM値の個数R1とR2を見出しとする行
列型テーブルとした場合のメモリ容量196よりも大幅
に小さくできることが分かる。また、同じ容量のメモリ
を用いる場合には、SAM値の個数R1,R2の刻み幅
をより小さくすることができるので、丸め誤差のさらに
小さなビットエラーレートBERの計算が実現できる。
【0064】なお、上記第1,第2実施形態では、信号
評価装置および信号評価方法を用いた光磁気ディスク再
生装置について説明したが、これに限られるものではな
く、PRML方式の信号再生を行う装置において等しく
その効果を発揮すべきものである。すなわち、相変化方
式の光ディスク装置、磁気記録装置、通信データ受信装
置など、全てこの発明が適用可能である。
【0065】また、上記第1,第2実施形態では、パス
メトリック差であるSAM値の度数分布について、第
1,第2のしきい値SL1,SL2より小さい部分の相対
度数R1’,R2’を実測して、〔式5〕,〔式6〕の連
立方程式を解いて、標準偏差σと最頻値μを計算により
求めたが、パスメトリック差の度数分布を第1のしきい
値よりも大きな相対度数と、上記パスメトリック差の度
数分布を第2のしきい値よりも大きな相対度数に基づい
て、標準偏差σと最頻値μを求めてもよい。また、パス
メトリック差の度数分布を第1のしきい値,第2のしき
い値の一方よりも小さい相対度数および他方よりも大き
い相対度数に基づいて、標準偏差σと最頻値μを求めて
もよい。
【0066】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の信
号評価装置および信号評価方法によれば、測定されたパ
スメトリック差(SAM値)の度数分布の2つの相対度数
に対応する信号品質評価値を予め計算してルックアップ
テーブルとして作成することによって、装置のマイコン
によって複雑な統計演算を実行する必要がなくなり、極
めて短時間で簡単に信号品質を評価することができる。
【0067】また、信号品質評価値の想定範囲とパスメ
トリック差(SAM値)の度数分布の最頻値の想定範囲と
から2つの相対度数の変動範囲を限定してルックアップ
テーブルを作成することによって、実装するメモリ容量
を必要最小限とすることができる。
【0068】さらに、ルックアップテーブルを作成する
相対度数の刻み幅を指数関数的に変化させることによっ
て、テーブルに登録される信号品質評価値(ビットエラ
ーレートBER)の変化率をほぼ均等にすることができ
るため、信号品質評価値の丸め誤差を小さくすることが
できる。
【0069】さらに、1バイト整数の範囲に収まるよう
な所定の母数に対するエラー個数を信号品質評価値とし
てルックアップテーブルを作成することによって、メモ
リ容量を小さく抑えることができる。
【0070】さらに、第1相対度数毎に有効な範囲の第
2相対度数が登録された配列型テーブルと、第1相対度
数毎に有効な範囲の第2相対度数に対応する信号品質評
価値が登録された配列型テーブルとの集合であるルック
アップテーブルを構成することによって、メモリ容量を
大幅に節約することができると共に、同じ容量のメモリ
を用いる場合には、第1相対度数,第2相対度数の刻み
幅をより小さくすることができるので、丸め誤差のさら
に小さな信号品質評価値の計算が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態の信号評価装
置および信号評価方法を用いた光磁気ディスク再生装置
の構成図である。
【図2】 図2は上記再生装置のルックアップテーブル
の内容を示す模式図である。
【図3】 図3は有効データのみを登録するルックアッ
プテーブルの内容を示す模式図である。
【図4】 図4は見出しを指数関数的に変化させたルッ
クアップテーブルの内容を示す模式図である。
【図5】 図5は登録値を1ビットの整数としたルック
アップテーブルの内容を示す模式図である。
【図6】 図6はこの発明の第2実施形態の信号評価装
置および信号評価方法を用いた光磁気ディスク再生装置
のルックアップテーブルの内容を示す模式図である。
【図7】 図7は上記光磁気ディスク再生装置の動作を
示すフローチャートである。
【図8】 図8はPR(1,2,1)特性に従う再生信号波
形の模式図である。
【図9】 図9はビタビ復号におけるトレリス線図を示
す模式図である。
【図10】 図10は実測波形と理想波形でのSAM値
の度数分布を示すグラフである。
【図11】 図11はSAM値の度数分布の実測結果と
そのビットエラーレートに対応する正規分布を重ね合わ
せたグラフである。
【符号の説明】
1…光磁気ディスク、 2…光学ピックアップ、 3…SAM値計算回路、 4,7…しきい値レジスタ、 5,8…コンパレータ、 6,9…カウンタ、 10…ルックアップテーブル、 11…コントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03M 13/45 H03M 13/45 (72)発明者 潮田 将徳 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 前田 茂己 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5D044 BC02 CC04 GL32 5J065 AA01 AB01 AC03 AF01 AF03 AG05 AH04 AH06 AH13 AH15 AH23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体を再生する再生手段と、 上記再生手段により上記記録媒体から再生された再生信
    号のPRML復号過程においてトレリス線図の正解状態
    に入力される2本のパスのパスメトリック差を求めるパ
    スメトリック差検出手段と、 上記パスメトリック差の度数分布を第1のしきい値で区
    切った片側部分の相対度数である第1相対度数を求める
    第1相対度数検出手段と、 上記パスメトリック差の度数分布を第2のしきい値で区
    切った片側部分の相対度数である第2相対度数を求める
    第2相対度数検出手段と、 予め作成されたルックアップテーブルを参照することに
    よって、上記第1相対度数検出手段により求められた第
    1相対度数と上記第2相対度数検出手段により求められ
    た第2相対度数に基づいて再生信号の品質を評価する信
    号評価手段とを備えたことを特徴とする信号評価装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の信号評価装置におい
    て、 上記ルックアップテーブルは、上記第1相対度数を行見
    出しまたは列の見出しとし、上記第2相対度数を列見出
    しまたは行見出しとして、上記行見出しと上記列見出し
    に対応する信号品質評価値が登録された行列型テーブル
    であることを特徴とする信号評価装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の信号評価装置におい
    て、 上記ルックアップテーブルは、上記第1相対度数毎に有
    効な範囲の上記第2相対度数が登録された配列型テーブ
    ルと、上記第1相対度数毎に有効な範囲の上記第2相対
    度数に対応する信号品質評価値が登録された配列型テー
    ブルとの集合であることを特徴とする信号評価装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の信号評価装置
    において、 上記ルックアップテーブルの上記第1相対度数または上
    記第2相対度数の少なくとも一方を指数関数的に変化さ
    せることを特徴とする信号評価装置。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載の信号評価装置
    において、 上記ルックアップテーブルは、所定の母数に対するエラ
    ー個数を信号品質評価値としており、上記エラー個数の
    範囲が1バイト整数の範囲に収まるように所定の母数が
    決められていることを特徴とする信号評価装置。
  6. 【請求項6】 請求項2または3に記載の信号評価装置
    において、 上記ルックアップテーブルは、上記信号品質評価値の想
    定範囲と上記パスメトリック差の度数分布の最頻値の想
    定範囲とから求められた上記第1相対度数および上記第
    2相対度数の変動範囲に対応して作成されていることを
    特徴とする信号評価装置。
  7. 【請求項7】 請求項2または3に記載の信号評価装置
    において、 上記ルックアップテーブルは、上記信号品質評価値の変
    化率がほぼ均等となるように上記第1相対度数または上
    記第2相対度数の少なくとも一方の見出しが設定されて
    いることを特徴とする信号評価装置。
  8. 【請求項8】 情報を記録した媒体から再生される再生
    信号に基づいて、その信号をPRML復号過程において
    トレリす線図の正解状態に入力する2本のパスのパスメ
    トリック差を求めるステップと、 上記パスメトリック差が第1のしきい値よりも小さいと
    きまたは大きいときに第1の累積値をカウントするステ
    ップと、 上記パスメトリック差を第2のしきい値よりも小さいと
    きまたは大きいときに第2の累積値をカウントするステ
    ップと、 上記第1,第2の累積値に基づいて、上記第1,第2の累
    積値に関連付けて信号品質評価値を登録することにより
    予め作成されたルックアップテーブルを参照して上記再
    生信号の信号品質評価値を読み出すステップとを有する
    ことを特徴とする信号評価方法。
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