JP2003177370A - 画像変換素子およびその製造方法 - Google Patents

画像変換素子およびその製造方法

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JP2003177370A JP2001379070A JP2001379070A JP2003177370A JP 2003177370 A JP2003177370 A JP 2003177370A JP 2001379070 A JP2001379070 A JP 2001379070A JP 2001379070 A JP2001379070 A JP 2001379070A JP 2003177370 A JP2003177370 A JP 2003177370A
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JP2001379070A
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Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
Kazunori Miyagawa
和典 宮川
Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積に形成することができ、かつ空間一様
性、解像度および感度に優れ、また、製造工程が簡易で
生産性が高い画像変換素子およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 画像変換素子10は、ガラス基板12
a、透明電極14a、光導電層16、遮光層18、誘電
体ミラー20、光変調層22、透明電極14bおよびガ
ラス基板12bが積層された構成を有する。光導電層1
6は、アバランシェ増倍作用を有する部材で形成され、
光変調層22は、電気光学結晶で形成される。光変調層
22は、電気光学結晶板をガラス基板12bの透明電極
14b側に接着した状態で電気光学結晶板の表面を研削
加工および研磨加工することにより形成される。光導電
層16と遮光層18とは、接着して一体化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像変換素子およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空間光変調器(空間光変調素子)は、2
次元信号を入力して、記憶、読み出し、消去ができるデ
バイスである。空間光変調器は、インコヒーレント光ー
コヒーレント光変換、不可視ー可視変換、またはそれら
の逆の変換が可能であり、撮像装置、ヘッドマウントデ
ィスプレイ、データの並列処理あるいは画像の直接演算
処理などに対する応用が考えられている。また、光の強
度増幅を行うようにすれば、ビデオプロジェクタ等の表
示装置に応用することができる。
【0003】このような空間光変調器(以下、画像変換
素子という。)には、光画像信号を入力する光アドレス
方式と時系列電気信号を入力する電気アドレス方式とが
ある。
【0004】このうち前者の光アドレス方式には、代表
的なものとして、光信号を変調する部材として液晶層を
設けた液晶画像変換素子がある。
【0005】液晶画像変換素子の典型例は、特開昭58
−215626号公報やAppl.Phys.lett.,Vol.22,No.3,
1February(1973)等に開示されている。
【0006】液晶画像変換素子について、特開昭58−
215626号公報に記載のある光強度−空間周波数変
換素子(以下、画像変換素子という。)を例にとり、図
1を参照して説明する。
【0007】画像変換素子1は、図1に示すように、ガ
ラス基板2a、透明電極3a、光導電層4、遮光層5、
誘電体ミラー6、配向層7a、光変調層8、配向層7
b、透明電極3bおよびガラス基板2bがこの順で積層
された構成を有する。光変調層8は、ネマティック液晶
からなり、スペーサ9a、9b内に収容されている。な
お、図1中参照符号vは交流電源を示し、参照符号WL
は書き込み光(書き込み光画像)を示し、参照符号RL
は読み出し光(読み出し光画像)を示す。
【0008】画像変換素子1は、透明電極3a、3b間
に電圧を印加した状態で、書き込み光WLをガラス基板
2aから入射させると、光導電層4において、書き込み
光WLの強度に応じて電子・ホール対を生成し、書き込
み光WLの空間的な (2次元的な) 強度分布に対応する
電荷画像が形成される。そして、この電荷画像に対応し
た電界が光変調層8に印加され、光変調層8のネマティ
ック液晶は透明電極3a、3bと垂直な方向に整列す
る。
【0009】この状態で、直線偏光状態の読み出し光R
Lをガラス基板2bから画像変換素子1に入射させる
と、配向層7aまで透過した読み出し光RLの大部分は
誘電体ミラー6によって反射される。このとき、光変調
層(液晶層)8の電気光学効果で光変調層8に加わる電
界強度に応じて複屈折の状態が変化することにより、上
記電荷画像に対応して光の位相が変化した楕円偏光の反
射光が生成され、ガラス基板2b側に書き込み画像に対
応した読み出し画像が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の液晶画像変換素子は、スペーサを用いて作ったセル
にネマティック液晶を注入して光変調層を形成し、さら
に光変調層の両側に配向層を設ける必要があり、このた
め、製造工程が複雑で、生産性が高くない。また、光変
調層はネマティック液晶を例えば5μm程度の厳密に均
一な厚みにする必要があるため、大面積で、かつ空間一
様性(2次元一様性)に優れた高解像度の画像変換素子
を得ることが困難である。また、書き込み光の1光子当
たり発生する電子―ホール対は1ケ以下であるため、素
子感度が低く、非常に大きな強度の書き込み光を必要と
する。
【0011】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、大面積に形成することができ、かつ空間一様
性、解像度および感度に優れ、また、製造工程が簡易で
生産性が高い画像変換素子およびその製造方法を提供す
ることを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像変換素
子は、2枚の透明電極間に、少なくとも光導電層、誘電
体ミラーおよび光変調層を備えた画像変換素子であっ
て、該光導電層がアバランシェ増倍作用を有する部材か
らなり、該光変調層が電気光学結晶からなることを特徴
とする。
【0013】これにより、光導電層がアバランシェ増倍
作用を有する部材からなるため高感度であり、また、光
変調層を電気光学結晶により均一で薄い厚みに容易に形
成することができるため、空間一様性に優れ高解像度で
あるとともに大面積に形成することができ、また、製造
工程が簡易で生産性が高い画像変換素子を得ることがで
きる。
【0014】この場合、前記アバランシェ増倍作用を有
する部材が、a−Se膜、Asドープa−Se膜、
AsおよびLiFドープa−Se膜とAsドープa−
Se膜の積層膜またはシリコン単結晶であり、また、
前記電気光学結晶が、LiNbO、LiTa
、BaTiOまたは(Ba0.25Sr
0.7 )Nbであると、好適である。
【0015】また、この場合、前記2枚の透明電極間に
0.9×10V/cm以上の電界を印加して駆動する
と、好適にアバランシェ増倍作用を得ることができる。
【0016】また、本発明に係る画像変換素子の製造方
法は、上記の画像変換素子の製造方法であって、ガラス
基板上に2枚の透明電極のうちの1枚の透明電極を設
け、該1枚の透明電極上に電気光学結晶を接着して積層
する工程と、該電気光学結晶の表面を研削加工および研
磨加工する工程とを有することを特徴とする。
【0017】これにより、ガラス基板上に接着した電気
光学結晶を均一で薄い厚みに容易に形成することで、画
像変換素子を簡易な製造工程で高い生産性で製造するこ
とができ、また、高い空間一様性に優れるとともに高解
像度の画像変換素子を得ることができる。さらに、ガラ
ス基板上に電気光学結晶が接着されているため、製造工
程における電気光学結晶の取り扱いが容易である。
【0018】また、本発明に係る画像変換素子の製造方
法は、上記の画像変換素子の製造方法であって、1枚の
ガラス基板上に2枚の透明電極のうちの1枚の透明電極
を設け、該1枚の透明電極上にアバランシェ増倍作用を
有する部材を設ける工程と、他の1枚のガラス基板上
に、2枚の透明電極のうちの1枚の透明電極、電気光学
結晶および誘電体ミラーを少なくとも設ける工程と、該
1枚のガラス基板の該アバランシェ増倍作用を有する部
材が設けられた側と、該他の1枚のガラス基板の該2枚
の透明電極のうちの1枚の透明電極、電気光学結晶およ
び誘電体ミラーとが少なくとも設けられた側とを接着す
る工程とを有することを特徴とする。
【0019】これにより、製造工程において熱を受けて
アバランシェ増倍作用を損なう変質を生じることなくア
バランシェ増倍作用を有する部材を形成することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る画像変換素子および
その製造方法の好適な実施の形態(以下、本実施の形態
例という。)について、図を参照して、以下に説明す
る。
【0021】まず、本実施の形態例に係る画像変換素子
について、図2を参照して説明する。
【0022】本実施の形態例に係る画像変換素子10
は、図2に示すように、ガラス基板12a、透明電極1
4a、光導電層16、遮光層18、誘電体ミラー20、
光変調層22、透明電極14bおよびガラス基板12b
が積層された構成を有する。なお、図1中参照符号Vは
交流または直流の電源を、参照符号WLは書き込み光
(書き込み光画像)を、参照符号RLは読み出し光(読
み出し光画像)を、それぞれ示す。また、参照符号24
a、24bは接着剤の層を、参照符号26a、26bは
反射防止膜を、それぞれ示す。
【0023】画像変換素子10において、ガラス基板1
2a、12b、透明電極14a、14b、遮光層18お
よび誘電体ミラー20は、従来と同様のものを用いるこ
とができる。
【0024】光導電層16は、アバランシェ増倍作用を
有する部材で形成される。アバランシェ増倍作用を有す
る部材としては、a−Se膜、Asドープa−Se膜、
AsおよびLiFドープa−Se膜とAsドープa−S
e膜の積層膜、シリコン単結晶等を挙げることができ
る。このうち、Asドープa−Se膜は、光照射のない
暗状態での電気抵抗が非常に大きいため、高解像度を得
る観点から好適である。
【0025】光変調層22は、印加電圧(電界)に比例
して屈折率が変化するポッケルス効果を有する電気光学
結晶で形成される。このような電気光学結晶としては、
LiNbO、LiTaO、BaTiOまたは(B
0.25Sr0.74)Nb等を好適に用いる
ことができ、これらの電気光学結晶の(50°±10
°)カット結晶や(−70°±10°)カット結晶は低
電圧駆動が可能であるとともに変調度を大きくすること
ができる。また、KHPO(略称KDP)、KD
PO(略称DKDP)、NHPO(略称AD
P)、Bi12SiO20、Bi12GeO20、Ga
As、CdTe、InAs等を用いてもよい。
【0026】接着剤の層24a、24bは、それぞれの
層の両側の各部材を接着するために用いるものであり、
材料として光学樹脂を用いる。光学樹脂としては、エポ
キシ、紫外線硬化性モノマー材料等を挙げることができ
る。
【0027】反射防止膜26a、26bは、書き込み光
WLおよび読み出し光RLのガラス基板12a、12b
面上で発生する反射光を防止して、入射効率を上げると
ともに読み出し光RLの出力の消光比を上げるためのも
のであり、材料としてMgF 、ZrO、Al
の薄厚の単層膜または積層膜を用いて形成することがで
きる。
【0028】上記のように構成した画像変換素子10の
作用について説明する。
【0029】透明電極12a、12b間に高い電圧(大
きい電界)を印加した状態で、書き込み光WLをガラス
基板12aから入射させると、光導電層16において、
アバランシェ増倍作用により、書き込み光WLの強度に
応じた電子・ホール対を越える数の電子・ホール対を生
成し、書き込み光WLの空間的な (2次元的な) 強度分
布に対応する電荷画像が形成される。
【0030】そして、この電荷画像に対応した電界が光
変調層22に印加され、光変調層22を構成する電気光
学結晶の電気光学効果により、光変調層22は電界の大
きさに比例した屈折率の変化を生じる。
【0031】この状態で、直線偏光状態の読み出し光R
Lを反射することなくガラス基板12bから画像変換素
子10に入射させると、光変調層22まで透過した読み
出し光RLは誘電体ミラー20によって反射される。こ
のとき、誘電体ミラー20を透過する一部の読み出し光
RLは遮光層18によって遮光されるため、読み出し光
RLが略完全に反射される。また、遮光層18によって
遮光されて、読み出し光RLが光導電層16に到達する
ことがないため、光導電層16における電荷画像の乱れ
が防止され、この結果、読み出し画像のコントラストの
低下が防止される。
【0032】光変調層22は、上記したように加わる電
界強度に応じて屈折率が変化しているため、光導電層1
6の電荷画像に対応して光の位相が変化した楕円偏光の
反射光が生成され、ガラス基板12b側に書き込み画像
に対応した読み出し画像が得られる。
【0033】以上説明した本実施の形態例に係る画像変
換素子10は、光導電層がアバランシェ増倍作用を有す
る部材からなるため高感度であり、また、光変調層が電
気光学結晶からなるため空間一様性に優れ高解像度であ
るとともに大面積に形成することができる。また、画像
変換素子10は、従来例のようにスペーサを用いて作っ
たセルにネマティック液晶を注入して光変調層を形成
し、このとき光変調層の両側に配向層を設けるものでは
なく、光変調層を電気光学結晶で形成するものであるた
め、製造工程が簡易で生産性が高い。
【0034】ここで、本実施の形態例に係る画像変換素
子10の製造方法について、図3および図4を参照して
説明する。
【0035】電気光学結晶材料から電気光学結晶板(電
気光学結晶素材)22aを例えば3mm程度の厚みに切
り出す(図3(a))。一方、片面に透明電極14b
を、および他の片面に反射防止膜26bをそれぞれコー
トした例えば数mm程度の厚みのガラス基板12bを用
意する。そして、接着剤の層24bを介して、電気光学
結晶板22aをガラス基板12bの透明電極14b側に
接着する(図3(b))。
【0036】ついで、電気光学結晶板22aの表面を研
削加工した後さらに研磨加工して、100μm以下、例
えば10μm程度の厚みT1の光変調層(電気光学結
晶)22を形成する(図3(c))。
【0037】ついで、光変調層22の表面に誘電体ミラ
ー20および遮光層18を順次形成する(図3
(d))。
【0038】一方、上記のガラス基板12bとは別のガ
ラス基板12aの片面に透明電極14aを、および他の
片面に反射防止膜26aをそれぞれコートしたものを用
意する(図4(e))。
【0039】ついで、透明電極12aの表面に光導電層
16を形成する(図4(f))。光導電層16の厚みT
2は、例えば2〜30μm程度であるが、上限は特にな
い。
【0040】そして、ガラス基板12bの遮光層18の
側とガラス基板12aの光導電層16の側とを接着剤の
層24aを介して接着して、画像変換素子10が完成す
る(図4(g))。
【0041】以上説明した本実施の形態例に係る画像変
換素子10の製造方法によれば、ガラス基板上に接着し
た光変調層(電気光学結晶)を均一で薄い厚みに容易に
形成することで、画像変換素子を簡易な製造工程で高い
生産性で製造することができ、また、高い空間一様性に
優れるとともに高解像度の画像変換素子を得ることがで
きる。さらに、ガラス基板上に電気光学結晶が接着され
ているため、製造工程における電気光学結晶の取り扱い
が容易である。
【0042】また、光導電層(アバランシェ増倍作用を
有する部材)を、別部材である、この場合遮光層と接着
して一体化するため、常温で取り扱うことによりアバラ
ンシェ増倍作用を損なう変質を生じることなく光導電層
を形成することができる。
【0043】つぎに、本実施の形態例に係る画像変換素
子の第1の変形例について、図5を参照して説明する。
【0044】図5に示す第1の変形例に係る画像変換素
子28は、基本的な構成は本実施の形態例に係る画像変
換素子10と同様である。このため、画像変換素子28
において、画像変換素子10と同一の構成要素について
は画像変換素子10と同一の参照符号を付し、重複する
説明を省略する。
【0045】画像変換素子28は、画像変換素子10の
ガラス基板12a、接着剤の層24aおよび反射防止膜
26aを有しない点が画像変換素子10と相違する。
【0046】画像変換素子28は、画像変換素子10と
同様の作用効果を奏する。
【0047】上記画像変換素子28を製造するには、図
6および図7に示すように、画像変換素子10と同様の
手順でガラス基板12b上に順次遮光層18までを形成
する(図6(a)〜図6(c)、図7(d))。但し、
画像変換素子10の場合と異なり、光変調層22上に導
電体ミラー20、遮光層18および光導電層16を順次
積層形成し(図7(e))、さらに光導電層16上に透
明電極14aを積層形成する(図7(f))。このと
き、画像変換素子10のガラス基板12a、接着剤の層
24aおよび反射防止膜26aを有しない分だけ、画像
変換素子10よりも製造方法が簡易である。なお、光導
電層16上に透明電極14aを形成しているが、この場
合、例えばスパッタ法等により低温条件で透明電極14
aを形成することで、光導電層16の変質が防止でき
る。
【0048】なお、読み出し光RLの強度が弱くて誘電
体ミラー20を透過して光導電層16に到達する読み出
し光RLが殆ど皆無の場合や、読み出し光RLに対する
光導電層16の光感度が小さくて読み出し光RLが誘電
体ミラー20を透過して光導電層16に到達しても光導
電層16への影響が少ない場合には、画像変換素子28
において、遮光層18を省略してもよい。このとき、遮
光層18を省略した分だけ、画像変換素子の製造方法が
より簡易になる。
【0049】つぎに、本実施の形態例に係る画像変換素
子の第2および第3の変形例について、図8および図9
を参照して説明する。
【0050】図8に示す第2の変形例に係る画像変換素
子30は、図2に示す画像変換素子10において、光導
電層16の両側にさらに電荷阻止層32a、32bを設
けたものである。また、図9に示す第3の変形例に係る
画像変換素子34は、図5に示す画像変換素子28にお
いて、光導電層16の両側にさらに電荷阻止層32a、
32bを設けたものである。
【0051】透明電極14aの側に設けられる電荷阻止
層32aは、例えばCeO膜、Ta膜、SiO
膜、ZrO膜、CeO膜とGeO膜の積層膜等
で形成される。一方、誘電体ミラー20側に設けられる
電荷阻止層32bは、例えば、Sb膜、Ta
膜、SiO膜、ZrO膜等で形成される。電荷阻
止層32a、32bは、例えばスパッタ法により形成す
る。
【0052】第2の変形例に係る画像変換素子30およ
びおよび第3の変形例に係る画像変換素子34は、残像
のない良好な動画特性を得ることができる。
【0053】
【実施例】実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。
なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるも
のではない。 (第1実施例)前記画像変換素子10の構成の画像変換
素子を以下の手順で作製した。
【0054】ガラス基板として30mm×30mm×3
mmの透明光学ガラス(低アルカリガラス:例えばオハ
ラE−7基板)を用い、片面にITO透明電極を、他の
片面に反射防止膜を、それぞれスパッタ法により形成し
た。
【0055】ついで、ITO透明電極上に55°カット
のLiNbO結晶からなる電気光学結晶板を光学用エ
ポキシ接着剤を用いて接着した。55°カットとは、図
10に示すように、電気光学結晶板34の表面上の法線
(+Z´)とc軸(結晶軸+Z(c))との挟角θが5
5°になるように電気光学結晶板34がカットされたも
のであることをいう。
【0056】この55°カットの電気光学結晶板34を
平面研削機で研削加工し、さらに砂かけ研磨機で研磨加
工して、2mm〜10μmまでの所定の厚みの電気光学
結晶(光変調層)を形成した。
【0057】さらに、イオンビームアシスト法により、
電気光学結晶上に誘電体ミラーとしてHfO膜および
SiO膜からなる層数17程度の多層膜を形成した。
【0058】一方、先のガラス基板と同様のガラス基板
を準備し、片面にITO透明電極を、他の片面に反射防
止膜を、それぞれスパッタ法により形成した。そして、
ガラス基板のITO透明電極側に光導電層として2〜3
0μmまでの所定の厚みのa−Se膜を真空蒸着法によ
り形成した。
【0059】ついで、光導電層と誘電体ミラーとを光学
用エポキシ接着剤によって接着して、電気光学結晶およ
び光導電層の厚みが異なる画像変換素子を得た。
【0060】電気光学結晶の厚みが50μmと一定で、
光導電層の厚みが2〜30μmの範囲内で異なる画像変
換素子を60Hzの交流電界で駆動したときの光感度特
性を図11に示す。
【0061】光導電層の厚みが2μmの画像変換素子に
ついて、印加電界を1.2×10(V/cm)から
1.2×10(V/cm)まで増加した。この場合、
印加電界が1.2×10(V/cm)と低いときは光
感度が1倍(図11中(a))でありアバランシェ増倍
効果が得られないが、印加電界が0.9×10(V/
cm)、さらに1.2×10(V/cm)と高くなる
につれ、アバランシェ増倍効果により書き込み光で生成
された電子―ホール対が高電界で加速されて衝突するこ
とにより新たな電子―ホール対を生成し、さらに二次
的、三次的に衝突が繰り返されて電荷が10倍まで増加
し、光感度が10倍(図11中(b))まで増倍するこ
とがわかった。
【0062】また、印加電界が1.2×10(V/c
m)と低い場合、光導電層の厚みを2μmから30μm
まで増しても光感度は略1倍のまま変わらないことが確
認された。一方、印加電界を高くしていくと、印加電界
が1.2×10(V/cm)の場合、光導電層の厚み
が2μmのとき10倍であった光感度(図11中
(b))が光導電層の厚みが30μmまで厚くなること
により1000倍の光感度(図11中(c))まで増倍
することがわかった。
【0063】光導電層の厚みが30μmと一定で、電気
光学結晶の厚みが10μm〜2000μm(2mm)の
範囲内で異なる画像変換素子を1.2×10(V/c
m)の交流電界で駆動したときの解像度特性を図12に
示す。
【0064】電気光学結晶の厚みが2000μmの画像
変換素子は、解像度が8(lp/mm)と低かったが、
電気光学結晶の厚みを10μmまで薄くしていくと、画
像変換素子の解像度が200(lp/mm)まで向上し
た。 (第2実施例)前記画像変換素子28の構成の画像変換
素子を作製した。
【0065】光導電層は、真空蒸着法により、2〜30
μmの厚みのa−Se膜を誘電体ミラー上に直接形成し
た。ついで、スパッタ法により、光導電層(a−Se
膜)上にITO透明電極を形成した。このとき、60℃
以下の低温でスパッタリングすることにより、光導電層
(a−Se膜)の結晶化を防止した。
【0066】得られた画像変換素子は、上記第1実施例
の画像変換素子と同様の光感度特性および解像度特性が
得られた。 (第3実施例)前記画像変換素子34の構成の画像変換
素子を作製した。
【0067】画像変換素子は、スパッタ法により、電荷
阻止層としてのSiO膜を光導電層の両側に形成し
た。
【0068】得られた画像変換素子について、画像表示
特性を調べたところ、電荷阻止層のない画像変換素子2
8に比べ、残像のない良好な動画特性が得られた。な
お、電荷阻止層として、SiO膜に代えてSb
膜、Ta膜、SiO膜、ZrO膜を用いた画
像変換素子についても検討した結果、いずれも残像のな
い良好な動画特性が得られた。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る画像変換素子によれば、2
枚の透明電極間に、少なくとも光導電層、誘電体ミラー
および光変調層を備えた画像変換素子であって、光導電
層がアバランシェ増倍作用を有する部材からなり、光変
調層が電気光学結晶からなるため、高感度で、また、空
間一様性に優れ高解像度であるとともに大面積に形成す
ることができ、また、製造工程が簡易で生産性が高い画
像変換素子を得ることができる。
【0070】また、本発明に係る画像変換素子によれ
ば、2枚の透明電極間に0.9×10 V/cm以上の
電界を印加して駆動するため、好適にアバランシェ増倍
作用を得ることができる。
【0071】また、本発明に係る画像変換素子の製造方
法によれば、上記の画像変換素子の製造方法であって、
ガラス基板上に2枚の透明電極のうちの1枚の透明電極
を設け、1枚の透明電極上に電気光学結晶を接着して積
層する工程と、電気光学結晶の表面を研削加工および研
磨加工する工程とを有するため、画像変換素子を簡易な
製造工程で高い生産性で製造することができ、また、高
い空間一様性に優れるとともに高解像度の画像変換素子
を得ることができる。さらに、製造工程における電気光
学結晶の取り扱いが容易である。
【0072】また、本発明に係る画像変換素子の製造方
法によれば、上記の画像変換素子の製造方法であって、
1枚のガラス基板上に2枚の透明電極のうちの1枚の透
明電極を設け、1枚の透明電極上にアバランシェ増倍作
用を有する部材を設ける工程と、他の1枚のガラス基板
上に、2枚の透明電極のうちの1枚の透明電極、電気光
学結晶および誘電体ミラーを少なくとも設ける工程と、
1枚のガラス基板の該アバランシェ増倍作用を有する部
材が設けられた側と、他の1枚のガラス基板の2枚の透
明電極のうちの1枚の透明電極、電気光学結晶および誘
電体ミラーとが少なくとも設けられた側とを接着する工
程とを有するため、製造工程において熱を受けてアバラ
ンシェ増倍作用を損なう変質を生じることなくアバラン
シェ増倍作用を有する部材を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の画像変換素子の概略構成を示す図であ
る。
【図2】本実施の形態例に係る画像変換素子の概略構成
を示す図である。
【図3】本実施の形態例に係る画像変換素子の製造方法
を説明するためのものであり、電気光学結晶板を準備す
る工程(a)から1枚のガラス基板上に遮光層を形成す
る工程(d)までを示す図である。
【図4】本実施の形態例に係る画像変換素子の製造方法
を説明するためのものであり、他の1枚のガラス基板を
準備する工程(e)から2枚のガラス基板を一体化して
画像変換素子を完成する工程(g)までを示す図であ
る。
【図5】第1の変形例に係る画像変換素子の概略構成を
示す図である。
【図6】第1の変形例に係る画像変換素子の製造方法を
説明するためのものであり、電気光学結晶板を準備する
工程(a)から1枚のガラス基板上に光変調層を形成す
る工程(c)までを示す図である。
【図7】第1の変形例に係る画像変換素子の製造方法を
説明するためのものであり、光変調層の上に誘電体ミラ
ーおよび遮光層を形成する工程(d)から画像変換素子
を完成する工程(f)までを示す図である。
【図8】第2の変形例に係る画像変換素子の概略構成を
示す図である。
【図9】第3の変形例に係る画像変換素子の概略構成を
示す図である。
【図10】55°カット電気光学結晶板を説明するため
のものであり、結晶軸3軸上の電気光学結晶板を示す図
である。
【図11】第1実施例の画像変換素子の光感度特性を示
すグラフ図である。
【図12】第1実施例の画像変換素子の解像度特性を示
すグラフ図である。
【符号の説明】
10、28、30、34 画像変換素子 12a、12b ガラス基板 14a、14b 透明電極 16 光導電層 18 遮光層 20 誘電体ミラー 22 光変調層 22a 電気光学結晶板 24a、24b 接着剤の層 26a、26b 反射防止膜 32a、32b 電荷阻止層 WL 書き込み光 RL 読み出し光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 國治 東京都世田谷区新町2−14−2 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA12 BA03 CA02 DA03 EA14 5C058 AA06 AB01 BA25 5F088 AA11 AB05 BB10 CB20 DA05 DA20 EA06 FA04 GA02 HA03 HA09 HA10 HA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の透明電極間に、少なくとも光導電
    層、誘電体ミラーおよび光変調層を備えた画像変換素子
    であって、 該光導電層がアバランシェ増倍作用を有する部材からな
    り、 該光変調層が電気光学結晶からなることを特徴とする画
    像変換素子。
  2. 【請求項2】 前記アバランシェ増倍作用を有する部材
    が、a−Se膜、Asドープa−Se膜、AsおよびL
    iFドープa−Se膜とAsドープa−Se膜の積層膜
    またはシリコン単結晶であることを特徴とする請求項1
    記載の画像変換素子。
  3. 【請求項3】 前記電気光学結晶が、LiNbO、L
    iTaO、BaTiOまたは(Ba0.25Sr
    0.74)Nbであることを特徴とする請求項1
    記載の画像変換素子。
  4. 【請求項4】 前記2枚の透明電極間に0.9×10
    V/cm以上の電界を印加して駆動することを特徴とす
    る請求項1記載の画像変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の画像変換素子の製造方法
    であって、 ガラス基板上に2枚の透明電極のうちの1枚の透明電極
    を設け、該1枚の透明電極上に電気光学結晶を接着して
    積層する工程と、 該電気光学結晶の表面を研削加工および研磨加工する工
    程とを有することを特徴とする画像変換素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の画像変換素子の製造方法
    であって、 1枚のガラス基板上に2枚の透明電極のうちの1枚の透
    明電極を設け、該1枚の透明電極上にアバランシェ増倍
    作用を有する部材を設ける工程と、 他の1枚のガラス基板上に2枚の透明電極のうちの1枚
    の透明電極、電気光学結晶および誘電体ミラーを少なく
    とも設ける工程と、 該1枚のガラス基板の該アバランシェ増倍作用を有する
    部材が設けられた側と、該他の1枚のガラス基板の該2
    枚の透明電極のうちの1枚の透明電極、電気光学結晶お
    よび誘電体ミラーとが少なくとも設けられた側とを接着
    する工程とを有することを特徴とする画像変換素子の製
    造方法。
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