JP2003177098A - マイクロチップ用プラスチック基板 - Google Patents
マイクロチップ用プラスチック基板Info
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- JP2003177098A JP2003177098A JP2001379487A JP2001379487A JP2003177098A JP 2003177098 A JP2003177098 A JP 2003177098A JP 2001379487 A JP2001379487 A JP 2001379487A JP 2001379487 A JP2001379487 A JP 2001379487A JP 2003177098 A JP2003177098 A JP 2003177098A
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- plastic substrate
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- Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 測定装置など外部環境に起因するバックグラ
ウンドのムラを低減したマイクロチップ用基板を提供す
ることである。 【解決手段】 真空蒸着、スパッタリング、イオンプレ
ーティング等の手段を用いて、表面に金属等の薄膜を形
成した基板を得ることができる。表面に形成された薄膜
は光を散乱もしくは反射することで光透過率を低下さ
せ、測定装置等からのノイズ光を遮断することができ
る。
ウンドのムラを低減したマイクロチップ用基板を提供す
ることである。 【解決手段】 真空蒸着、スパッタリング、イオンプレ
ーティング等の手段を用いて、表面に金属等の薄膜を形
成した基板を得ることができる。表面に形成された薄膜
は光を散乱もしくは反射することで光透過率を低下さ
せ、測定装置等からのノイズ光を遮断することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸、タンパク
質、酵素、その他の生理物質などを固相基板表面に配置
・固定したデバイスであるマイクロチップ用基板に関す
る。
質、酵素、その他の生理物質などを固相基板表面に配置
・固定したデバイスであるマイクロチップ用基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロチップ上の物質を検出する手段
として蛍光物質を用いる場合、マイクロチップ基板のバ
ックグラウンド蛍光量が重要となる。ここでバックグラ
ウンドとは、検出目標である蛍光物質以外の部位から発
生する蛍光による信号をさす。具体的には、マイクロチ
ップ基板自体の発する蛍光、測定装置など外部環境に起
因する干渉光等が挙げられる。マイクロチップ基板自体
の発する蛍光に関しては、チップ基板の材料として無蛍
光性ないしは低蛍光性の物質を用いることで解決可能で
ある。しかしながら、基板に蛍光を発しないものを用い
ても測定装置など外部環境からの影響によるバックグラ
ウンドを解消することはできなかった。
として蛍光物質を用いる場合、マイクロチップ基板のバ
ックグラウンド蛍光量が重要となる。ここでバックグラ
ウンドとは、検出目標である蛍光物質以外の部位から発
生する蛍光による信号をさす。具体的には、マイクロチ
ップ基板自体の発する蛍光、測定装置など外部環境に起
因する干渉光等が挙げられる。マイクロチップ基板自体
の発する蛍光に関しては、チップ基板の材料として無蛍
光性ないしは低蛍光性の物質を用いることで解決可能で
ある。しかしながら、基板に蛍光を発しないものを用い
ても測定装置など外部環境からの影響によるバックグラ
ウンドを解消することはできなかった。
【0003】マイクロチップの一つに、基板上にDNA
(オリゴヌクレオチドを含む)を固定したDNAチップ
がある。DNAチップを用いた各種解析には、スキャナ
ーと呼ばれる測定機器を用いることが多い。現在主に利
用されているスキャナーでは、DNAチップの試料点着
面に対して直接励起光を照射し、蛍光物質から発せられ
た蛍光を受光器にて検出するという方式が用いられてい
る。この際、励起光の一部は基板を透過してスキャナー
の治具等に達し、その反射光の影響でチップのバックグ
ラウンドにムラの生じることがある。
(オリゴヌクレオチドを含む)を固定したDNAチップ
がある。DNAチップを用いた各種解析には、スキャナ
ーと呼ばれる測定機器を用いることが多い。現在主に利
用されているスキャナーでは、DNAチップの試料点着
面に対して直接励起光を照射し、蛍光物質から発せられ
た蛍光を受光器にて検出するという方式が用いられてい
る。この際、励起光の一部は基板を透過してスキャナー
の治具等に達し、その反射光の影響でチップのバックグ
ラウンドにムラの生じることがある。
【0004】バックグラウンドにムラが生じた場合、D
NAチップから得られるデータの再現性・信頼性に支障
をきたすおそれがある。従来用いられているDNAチッ
プ用基板としては、ガラスを材料としているものが多い
が、ガラスのように透明性の高い基板では励起光が透過
しやすいために特にムラの影響が大きくなってしまう。
このため、低蛍光性であり、かつ、バックグラウンドの
ムラを低減可能な基板が求められていた。
NAチップから得られるデータの再現性・信頼性に支障
をきたすおそれがある。従来用いられているDNAチッ
プ用基板としては、ガラスを材料としているものが多い
が、ガラスのように透明性の高い基板では励起光が透過
しやすいために特にムラの影響が大きくなってしまう。
このため、低蛍光性であり、かつ、バックグラウンドの
ムラを低減可能な基板が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、測定
装置など外部環境に起因するバックグラウンドのムラを
低減したマイクロチップ用基板を提供することである。
装置など外部環境に起因するバックグラウンドのムラを
低減したマイクロチップ用基板を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)光透過
率を低下させたことを特徴とするマイクロチップ用プラ
スチック基板、(2)光透過率を低下させる手段が、基
板表面への光反射性、光吸収性、または光散乱性物質の
固定である(1)記載のマイクロチップ用プラスチック
基板、(3)光透過率を低下させる手段が、基板表面へ
の金属、金属化合物、又は炭素の薄膜の形成である
(1)記載のマイクロチップ用プラスチック基板、
(4)薄膜を形成する手段が真空蒸着法、スパッタリン
グ法、又はイオンプレーティング法である(3)記載の
マイクロチップ用プラスチック基板、(5)光透過率が
波長350〜800nmの光で50%以下である(1)
〜(4)記載のいずれかのマイクロチップ用プラスチッ
ク基板、(6)プラスチックが環状ポリオレフィンであ
る(1)〜(5)記載のいずれかのマイクロチップ用プ
ラスチック基板である。
率を低下させたことを特徴とするマイクロチップ用プラ
スチック基板、(2)光透過率を低下させる手段が、基
板表面への光反射性、光吸収性、または光散乱性物質の
固定である(1)記載のマイクロチップ用プラスチック
基板、(3)光透過率を低下させる手段が、基板表面へ
の金属、金属化合物、又は炭素の薄膜の形成である
(1)記載のマイクロチップ用プラスチック基板、
(4)薄膜を形成する手段が真空蒸着法、スパッタリン
グ法、又はイオンプレーティング法である(3)記載の
マイクロチップ用プラスチック基板、(5)光透過率が
波長350〜800nmの光で50%以下である(1)
〜(4)記載のいずれかのマイクロチップ用プラスチッ
ク基板、(6)プラスチックが環状ポリオレフィンであ
る(1)〜(5)記載のいずれかのマイクロチップ用プ
ラスチック基板である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明についてさらに詳しく説明
する。測定装置等の外部環境からの影響によるノイズの
低減には、基板の光透過率を下げることが有効である。
すなわち、光透過率を下げることにより、基板を透過し
て測定装置治具等に達する励起光の量を減らし、かつ、
測定装置治具等からの反射光が検出装置に達する量を低
減することが可能である。
する。測定装置等の外部環境からの影響によるノイズの
低減には、基板の光透過率を下げることが有効である。
すなわち、光透過率を下げることにより、基板を透過し
て測定装置治具等に達する励起光の量を減らし、かつ、
測定装置治具等からの反射光が検出装置に達する量を低
減することが可能である。
【0008】基板の光透過率を下げる手段としては、例
えば以下のような手段が考えられる。基板表面に光吸
収性あるいは光散乱性の物質を固定する。具体的には、
表面への金属、炭素その他の物質からなる薄膜の形成、
微粒子の固定化、着色等が挙げられる。基板表面を光
が散乱しやすい形状に加工する。具体例として、表面を
すりガラス状の粗面に加工することが挙げられる。基
板内部に光吸収性あるいは光散乱性の物質を分散させ
る。例えば、カーボンブラック、アニリンブラック等に
代表される顔料・染料の練り込み、適度な粒径をもつ微
粒子の分散、繊維状物質の混練等がある。基板内部に
光散乱性あるいは光吸収性の層を導入する。
えば以下のような手段が考えられる。基板表面に光吸
収性あるいは光散乱性の物質を固定する。具体的には、
表面への金属、炭素その他の物質からなる薄膜の形成、
微粒子の固定化、着色等が挙げられる。基板表面を光
が散乱しやすい形状に加工する。具体例として、表面を
すりガラス状の粗面に加工することが挙げられる。基
板内部に光吸収性あるいは光散乱性の物質を分散させ
る。例えば、カーボンブラック、アニリンブラック等に
代表される顔料・染料の練り込み、適度な粒径をもつ微
粒子の分散、繊維状物質の混練等がある。基板内部に
光散乱性あるいは光吸収性の層を導入する。
【0009】上記の方法のうち、処理の均一性、連続操
作の容易性の観点から、表面への薄膜形成による方法が
好ましい。また、基板の材料としては、ガラス、金属、
合成樹脂などを用いることができるが、加工性に優れ、
破損しにくく、安価で、かつ表面処理が容易であるとい
う利点を併せ持つ、合成樹脂を用いることが好ましい。
作の容易性の観点から、表面への薄膜形成による方法が
好ましい。また、基板の材料としては、ガラス、金属、
合成樹脂などを用いることができるが、加工性に優れ、
破損しにくく、安価で、かつ表面処理が容易であるとい
う利点を併せ持つ、合成樹脂を用いることが好ましい。
【0010】(薄膜形成)薄膜を形成する物質として、
金属、金属化合物、又は炭素を用いることが好ましく、
ケイ素、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、モ
リブデン、白金、およびこれら金属を含む各種化合物、
あるいは炭素を用いることがより好ましく、ケイ素、ケ
イ素酸化物、アルミニウム、炭素を用いることが特に好
ましい。基板表面に薄膜を形成する手段として、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング等の真空製
膜法、メッキ、溶射法などを利用することが好ましく、
真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングによ
る方法がより好ましい。
金属、金属化合物、又は炭素を用いることが好ましく、
ケイ素、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、モ
リブデン、白金、およびこれら金属を含む各種化合物、
あるいは炭素を用いることがより好ましく、ケイ素、ケ
イ素酸化物、アルミニウム、炭素を用いることが特に好
ましい。基板表面に薄膜を形成する手段として、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング等の真空製
膜法、メッキ、溶射法などを利用することが好ましく、
真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングによ
る方法がより好ましい。
【0011】真空蒸着は、着膜物質を真空高温中で加熱
気化させ、その蒸気を基板表面に堆積させて薄膜を形成
する技術である。スパッタリングは、減圧化でプラズマ
を発生させ、プラズマの陽イオンをターゲット(薄膜材
料)に衝突させることでターゲットの中の原子をたたき
出し、対向するプラスチック表面に薄膜を形成する技術
である。イオンプレーティングとは、減圧下で着膜物質
を蒸発させ、蒸発原子をグロ−放電のプラズマ中でイオ
ン化し、電界で加速させ大きなエネルギーで基板に衝突
させて皮膜を形成する技術であり、凹凸の多い試料や不
規則な形状の試料にも比較的均一な製膜が可能という特
徴を有する。これらの方法では、処理条件を変えること
で薄膜の厚さを高度に制御可能であり、薄膜の厚さを変
化させることで光透過率を変化させることができる。
気化させ、その蒸気を基板表面に堆積させて薄膜を形成
する技術である。スパッタリングは、減圧化でプラズマ
を発生させ、プラズマの陽イオンをターゲット(薄膜材
料)に衝突させることでターゲットの中の原子をたたき
出し、対向するプラスチック表面に薄膜を形成する技術
である。イオンプレーティングとは、減圧下で着膜物質
を蒸発させ、蒸発原子をグロ−放電のプラズマ中でイオ
ン化し、電界で加速させ大きなエネルギーで基板に衝突
させて皮膜を形成する技術であり、凹凸の多い試料や不
規則な形状の試料にも比較的均一な製膜が可能という特
徴を有する。これらの方法では、処理条件を変えること
で薄膜の厚さを高度に制御可能であり、薄膜の厚さを変
化させることで光透過率を変化させることができる。
【0012】薄膜形成の副次的な効果として、表面性質
の改変が挙げられる。すなわち、薄膜形成により表面が
第二物質で覆われるため、未処理の表面には適用不可能
であった処理を施すことが可能となる。例えば、シラン
カップリング剤処理、チタネートカップリング剤処理等
は未処理のプラスチック表面には一般的に適用できない
が、金属薄膜を形成した場合、容易に処理が可能とな
る。
の改変が挙げられる。すなわち、薄膜形成により表面が
第二物質で覆われるため、未処理の表面には適用不可能
であった処理を施すことが可能となる。例えば、シラン
カップリング剤処理、チタネートカップリング剤処理等
は未処理のプラスチック表面には一般的に適用できない
が、金属薄膜を形成した場合、容易に処理が可能とな
る。
【0013】(合成樹脂)基板の材質となる合成樹脂と
しては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができ
るが、熱可塑性樹脂が製造効率の観点から好ましい。低
蛍光性の熱可塑性樹脂として、たとえばポリエチレン、
ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン、環状ポリオ
レフィン、含フッ素樹脂等を用いることが好ましく、耐
熱性、耐薬品性、低蛍光性、成形性に特に優れる環状ポ
リオレフィンを用いることがより好ましい。ここで環状
ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合
体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重
合体を水素添加した飽和重合体をさす。
しては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができ
るが、熱可塑性樹脂が製造効率の観点から好ましい。低
蛍光性の熱可塑性樹脂として、たとえばポリエチレン、
ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン、環状ポリオ
レフィン、含フッ素樹脂等を用いることが好ましく、耐
熱性、耐薬品性、低蛍光性、成形性に特に優れる環状ポ
リオレフィンを用いることがより好ましい。ここで環状
ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合
体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重
合体を水素添加した飽和重合体をさす。
【0014】前者の例としては、たとえばノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンに代
表されるノルボルネン系モノマー、及び、これらのアル
キル置換体を開環重合して得られる重合体を水素添加し
て製造される飽和重合体である。
ン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンに代
表されるノルボルネン系モノマー、及び、これらのアル
キル置換体を開環重合して得られる重合体を水素添加し
て製造される飽和重合体である。
【0015】後者の共重合体はエチレンやプロピレン、
イソプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等のα−オレフィンと環状オレフ
ィン系モノマーのランダム共重合体を水素添加すること
により製造される飽和重合体である。共重合体では、エ
チレンとの共重合体が最も好ましい。これらの樹脂は単
独で用いてもよく、2種類またはそれ以上の共重合体あ
るいは混合物であってもよい。また、樹脂成分以外に繊
維状、球状その他の形状を有する無機物あるいは有機物
充填材、または各種添加剤成分を含んでもよい。
イソプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等のα−オレフィンと環状オレフ
ィン系モノマーのランダム共重合体を水素添加すること
により製造される飽和重合体である。共重合体では、エ
チレンとの共重合体が最も好ましい。これらの樹脂は単
独で用いてもよく、2種類またはそれ以上の共重合体あ
るいは混合物であってもよい。また、樹脂成分以外に繊
維状、球状その他の形状を有する無機物あるいは有機物
充填材、または各種添加剤成分を含んでもよい。
【0016】(光透過率)基板の透明性については、試
料点着面の法線方向における波長350〜800nmの
光の透過率が、好ましくは50%以下、より好ましくは
25%以下であり、さらに好ましくは5〜10%であ
る。DNAチップを用いた各種解析において、現在主流
の検出法は蛍光色素Cy3およびCy5を利用した二色
蛍光標識法であり、両者の励起波長/蛍光波長はそれぞ
れ、550nm/570nm、649nm/670nm
である。また、他の主な蛍光物質の励起波長、蛍光波長
は概ね400〜700nmの内にあり、可視光領域でも
ある350〜800nmの光の透過率を下げることによ
りノイズ光の低減が大いに期待できる。
料点着面の法線方向における波長350〜800nmの
光の透過率が、好ましくは50%以下、より好ましくは
25%以下であり、さらに好ましくは5〜10%であ
る。DNAチップを用いた各種解析において、現在主流
の検出法は蛍光色素Cy3およびCy5を利用した二色
蛍光標識法であり、両者の励起波長/蛍光波長はそれぞ
れ、550nm/570nm、649nm/670nm
である。また、他の主な蛍光物質の励起波長、蛍光波長
は概ね400〜700nmの内にあり、可視光領域でも
ある350〜800nmの光の透過率を下げることによ
りノイズ光の低減が大いに期待できる。
【0017】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
る。 (実施例)エチレンとジシクロペンタジエンのランダム
共重合体(13C−NMRで測定したエチレン含有量71
mol%、MFR:25g/10分、熱変形温度:13
5℃):1000gに対し、ヒンダードフェノール(チ
バガイギー製イルガノックス1076):5gを添加し
て、ドライブレンド後に、270℃にて2軸混練機にて
溶融混練した後、ペレタイズ化した。このペレットを用
いて射出成形した。鏡面磨きを施した金型を用い、成形
温度275〜285℃、射出圧1600Kgf/c
m2、金型温度90℃、冷却時間15秒の条件で射出成
形を行った。
る。 (実施例)エチレンとジシクロペンタジエンのランダム
共重合体(13C−NMRで測定したエチレン含有量71
mol%、MFR:25g/10分、熱変形温度:13
5℃):1000gに対し、ヒンダードフェノール(チ
バガイギー製イルガノックス1076):5gを添加し
て、ドライブレンド後に、270℃にて2軸混練機にて
溶融混練した後、ペレタイズ化した。このペレットを用
いて射出成形した。鏡面磨きを施した金型を用い、成形
温度275〜285℃、射出圧1600Kgf/c
m2、金型温度90℃、冷却時間15秒の条件で射出成
形を行った。
【0018】成形品の形状は厚さ1mmの板状であっ
た。成形品の表面粗さは、Ra値が0.002〜0.0
03μmであった。成形品の表面にイオンスパッタ装置
(日立製作所、E−1030)を用いて膜厚約20Åの
白金薄膜を形成させた。表面粗さはスパッタ後も変化せ
ず、Ra値は0.002〜0.003μmであった。
た。成形品の表面粗さは、Ra値が0.002〜0.0
03μmであった。成形品の表面にイオンスパッタ装置
(日立製作所、E−1030)を用いて膜厚約20Åの
白金薄膜を形成させた。表面粗さはスパッタ後も変化せ
ず、Ra値は0.002〜0.003μmであった。
【0019】紫外可視分光光度計(島津製作所製、波長
分解能10nm)により測定した基板の透過率は、35
0〜800nmの波長領域において5〜10%であっ
た。成形品のバックグラウンドの分布をDNAチップ用
スキャナー(ScanArray 4000、Packard BioChip Techno
logies製)を用いて評価したした結果を表1のヒストグ
ラムに示す。比較例と比べてヒストグラムはシャープに
なった。これはバックグラウンドにムラが少ないことを
示す。
分解能10nm)により測定した基板の透過率は、35
0〜800nmの波長領域において5〜10%であっ
た。成形品のバックグラウンドの分布をDNAチップ用
スキャナー(ScanArray 4000、Packard BioChip Techno
logies製)を用いて評価したした結果を表1のヒストグ
ラムに示す。比較例と比べてヒストグラムはシャープに
なった。これはバックグラウンドにムラが少ないことを
示す。
【0020】(比較例)鏡面磨きを施した金型を用い、
実施例に準ずる条件で成形を行った。成形品の透過率
は、350〜800nmの波長領域において90〜95
%であった。実施例に準ずる条件にてバックグラウンド
の分布を評価した結果を表2のヒストグラムに示す。実
施例の白金スパッタ処理済み基板と比較してバックグラ
ウンドのヒストグラムはブロードになったが、これはバ
ックグラウンドにムラが比較的多いことを示す。
実施例に準ずる条件で成形を行った。成形品の透過率
は、350〜800nmの波長領域において90〜95
%であった。実施例に準ずる条件にてバックグラウンド
の分布を評価した結果を表2のヒストグラムに示す。実
施例の白金スパッタ処理済み基板と比較してバックグラ
ウンドのヒストグラムはブロードになったが、これはバ
ックグラウンドにムラが比較的多いことを示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明により、両面または片面に金属等
の薄膜を形成させ、測定時にバックグラウンドのムラの
少ないDNAチップ用基板を作製することができる。バッ
クグラウンドの低減は、遺伝子解析等に有効に利用する
ことのできる高い検出限界、良好な再現性を有するDNA
チップの作製を可能とする。
の薄膜を形成させ、測定時にバックグラウンドのムラの
少ないDNAチップ用基板を作製することができる。バッ
クグラウンドの低減は、遺伝子解析等に有効に利用する
ことのできる高い検出限界、良好な再現性を有するDNA
チップの作製を可能とする。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G01N 31/22 121 G01N 33/53 D
33/53 M
27/26 325A
Fターム(参考) 2G042 AA01 BD19 CA10 CB03 FB05
HA02
2G054 AA06 CA22 GA01 GA03 GB10
GE01
4B029 AA07 AA21 AA23 BB15 BB16
BB20 CC03 CC08 FA15
Claims (6)
- 【請求項1】 光透過率を低下させたことを特徴とする
マイクロチップ用プラスチック基板。 - 【請求項2】 光透過率を低下させる手段が、基板表面
への光反射性、光吸収性、または光散乱性物質の固定で
ある請求項1記載のマイクロチップ用プラスチック基
板。 - 【請求項3】 光透過率を低下させる手段が、基板表面
への金属、金属化合物、又は炭素の薄膜の形成である請
求項1記載のマイクロチップ用プラスチック基板。 - 【請求項4】 薄膜を形成する手段が真空蒸着法、スパ
ッタリング法、又はイオンプレーティング法である請求
項3記載のマイクロチップ用プラスチック基板。 - 【請求項5】 光透過率が波長350〜800nmの光
で50%以下である請求項1〜4記載のいずれかのマイ
クロチップ用プラスチック基板。 - 【請求項6】 プラスチックが環状ポリオレフィンであ
る請求項1〜5記載のいずれかのマイクロチップ用プラ
スチック基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001379487A JP2003177098A (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | マイクロチップ用プラスチック基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001379487A JP2003177098A (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | マイクロチップ用プラスチック基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003177098A true JP2003177098A (ja) | 2003-06-27 |
Family
ID=19186839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001379487A Pending JP2003177098A (ja) | 2001-12-13 | 2001-12-13 | マイクロチップ用プラスチック基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003177098A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006349559A (ja) * | 2005-06-17 | 2006-12-28 | Toppan Printing Co Ltd | 反応容器及びこれを用いた物質の検出方法 |
JP2013535541A (ja) * | 2010-07-30 | 2013-09-12 | ソニー株式会社 | ガラス様表面を有する高分子化合物基板、および前記高分子化合物基板で作られたチップ |
-
2001
- 2001-12-13 JP JP2001379487A patent/JP2003177098A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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