JP2003176763A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

Info

Publication number
JP2003176763A
JP2003176763A JP2001377113A JP2001377113A JP2003176763A JP 2003176763 A JP2003176763 A JP 2003176763A JP 2001377113 A JP2001377113 A JP 2001377113A JP 2001377113 A JP2001377113 A JP 2001377113A JP 2003176763 A JP2003176763 A JP 2003176763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
fuel
chamber
passage
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001377113A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Matsumoto
修一 松本
Yasuhiro Horiuchi
康弘 堀内
Masatoshi Kuroyanagi
正利 黒柳
Fumiaki Arikawa
文明 有川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001377113A priority Critical patent/JP2003176763A/ja
Publication of JP2003176763A publication Critical patent/JP2003176763A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧燃料流路に圧力脈動が生じても、所定の
タイミングで燃料を噴射するとともに、所定のタイミン
グで燃料噴射を遮断する燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】 ノズルニードル22は、制御室202の
圧力が増減することにより弁座26から離座または弁座
26に着座する。柱状ピストン50の外径と、ボール6
0が低圧側弁座64に着座しているときのシート径と、
ボール60が高圧側弁座62に着材しているときのシー
ト径とはほぼ等しいので、柱状ピストン50とボール6
0とが圧力室216および制御室流路218の燃料から
向き合う方向に受ける力はほぼ等しい。脈動減衰室21
0は圧力室216および制御室流路218と連通してい
る。高圧燃料流路200から脈動減衰室210に圧力脈
動が伝わると、圧力脈動が減衰する。柱状ピストン50
およびボール60が圧力室216および制御室流路21
8から互いに向き合う方向に受ける圧力脈動は小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、噴孔を閉塞する方
向に弁部材に燃料圧力を加える制御室と高圧側または低
圧側との連通を切り替えることにより、噴孔からの燃料
噴射を制御する燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ディーゼルエンジンなどのエン
ジンに燃料を供給するシステムとしてコモンレール式の
燃料噴射システムが知られている。コモンレール式の燃
料噴射システムに用いられる燃料噴射装置では、ノズル
ニードルを噴孔閉塞方向へ付勢する燃料が蓄えられる制
御室と高圧側または低圧側との連通を切り替えることに
よりノズルニードルを駆動している。これにより、噴孔
の開閉を制御し、噴孔からの燃料の噴射を断続してい
る。
【0003】従来、制御室と高圧側または低圧側との連
通の切り替えは、特開2001−140727号公報に
開示されているように、ピエゾ素子などの圧電素子を有
する駆動手段を用いてピストンを移動させることによっ
て実施されている。制御室と高圧側または低圧側との連
通を切り替えるピストンには互いに向き合う方向に高圧
の燃料圧力が加わっており、小さな駆動力でピストンを
移動できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高圧の
燃料圧力を受けるピストンの一方の端面は高圧燃料流路
から直接高圧の燃料圧力を受け、高圧の燃料圧力を受け
るピストンの他方の端面は摺動クリアランスを介して高
圧燃料流路から高圧の燃料圧力を受けている。
【0005】例えば燃料噴射開始時および燃料噴射終了
時における噴孔開閉作動により、高圧燃料流路に圧力脈
動が発生しやすい。摺動クリアランスを介して燃料圧力
を受けているピストンの他方の端面は摺動クリアランス
により圧力脈動が減衰されるので、圧力変動が小さくな
る。これに対し、高圧燃料流路から直接高圧の燃料圧力
を受けているピストンの一方の端面は圧力変動を大きく
受ける。ピストンの一方の端面が受ける燃料圧力が大き
く変動すると、ピストンが所定タイミング以外で移動
し、制御室の圧力を制御できない。したがって、所定タ
イミング以外で燃料が噴射したり、燃料噴射が遮断され
る問題が生じる。
【0006】本発明の目的は、高圧燃料流路に圧力脈動
が生じても、所定のタイミングで燃料を噴射するととも
に、所定のタイミングで燃料噴射を遮断する燃料噴射装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1または
4記載の燃料噴射装置によると、高圧燃料流路から脈動
減衰室を通り制御室流路および圧力室に高圧燃料を供給
し、制御室と制御室流路との連通、あるいは制御室と低
圧燃料流路との連通を切り替える制御ピストンは制御室
流路と圧力室とから反対方向に燃料圧力を受ける。高圧
燃料流路で発生した圧力脈動が高圧燃料流路から脈動減
衰室に伝わると、脈動減衰室で減衰する。圧力脈動によ
り制御ピストンが所定のタイミング以外で変位すること
を防止するので、所定のタイミング以外で燃料が噴射す
ること、ならびに燃料噴射が遮断されることを防止す
る。
【0008】本発明の請求項2記載の燃料噴射装置によ
ると、制御ピストンが制御室流路および圧力室からそれ
ぞれ反対方向に燃料圧力を受ける受圧面積はほぼ等し
い。制御ピストンを変位させるために要する駆動力が小
さいので、圧力室を介して駆動ピストンが制御ピストン
を駆動するために必要な駆動力が小さい。したがって、
電気駆動手段を小型化できる。
【0009】本発明の請求項3記載の燃料噴射装置によ
ると、制御室と低圧燃料流路とが連通し、制御室の燃料
圧力が低下することにより弁部材がフルリフトしている
状態から、制御ピストンが変位し、制御室流路から制御
室に高圧燃料が流入するとき、制御室流路とは別に、直
接流路から高圧燃料が制御室に流入する。弁部材が噴孔
を閉塞するいわゆる閉弁速度が速いので、燃料噴射が速
やかに遮断される。
【0010】本発明の請求項4記載の燃料噴射装置によ
ると、絞りを通り制御室流路から制御室に高圧燃料が流
入するとともに、絞りを通り制御室から低圧燃料流路に
高圧燃料が流出するので、制御室の急激な圧力変動を防
止できる。弁部材の急激な開弁作動および閉弁作動を抑
制できるので、微少量の燃料噴射制御が容易になる。
【0011】本発明の請求項5記載の燃料噴射装置によ
ると、第1絞りを通り制御室に高圧燃料が流入し、第2
絞りを通り制御室から低圧燃料流路に高圧燃料が流出す
る。各絞りの流路面積を調整することにより、制御室の
圧力上昇率および圧力下降率を独立して調整できる。し
たがって、弁部材が噴孔を開放する開弁速度、ならびに
弁部材が噴孔を閉塞する閉弁速度を独立して調整でき
る。
【0012】さらに、制御室と制御室流路との連通を制
御ピストンが遮断する位置よりも上流側に第1絞りがあ
るので、制御ピストンに加わる圧力脈動が第1絞りでさ
らに減衰する。本発明の請求項6または10記載の燃料
噴射装置によると、制御ピストンおよび駆動ピストンを
往復移動可能に支持するシリンダの外周に脈動減衰室が
設置されているので、脈動減衰室の容積を容易に確保で
きる。
【0013】本発明の請求項7または11記載の燃料噴
射装置によると、シリンダとシリンダとは別部材の減衰
室部材との間に脈動減衰室が形成されるので、シリンダ
と減衰室部材とを組み付けることにより脈動減衰室を確
保できる。したがって、製造工数が低減する。
【0014】本発明の請求項8記載の燃料噴射装置によ
ると、圧力室から受ける燃料圧力と反対方向に制御ピス
トンに燃料圧力を加えるピストン流路と、制御室に高圧
燃料を供給する制御室流路とを別系統にしている。ピス
トン流路を通り制御室に高圧燃料を供給しないので、高
圧燃料流路とピストン流路との間に絞りを設け、高圧燃
料流路からピストン流路に供給する燃料量を極力減少で
きる。駆動ピストンを圧力室方向に駆動したときに圧力
室から流出する高圧燃料は摺動部リーク等微少であるか
ら、高圧燃料流路と圧力室との間にも絞りを設けること
ができる。高圧燃料流路で発生した圧力脈動は、絞りを
通過することにより減衰する。圧力室およびピストン流
路から制御ピストンに加わる燃料圧力に圧力脈動が生じ
ることを低減できるので、圧力脈動により制御ピストン
が所定のタイミング以外で変位することを防止する。し
たがって、所定のタイミング以外で燃料が噴射するこ
と、ならびに燃料噴射が遮断されることを防止する。
【0015】本発明の請求項9記載の燃料噴射装置によ
ると、請求項8記載の構成に加え、高圧燃料流路で発生
した圧力脈動が脈動減衰室で減衰するので、制御ピスト
ンが受ける圧力脈動がさらに低減する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による燃料噴射装置
(以下、「燃料噴射装置」をインジェクタという)を図
1に示す。図1はインジェクタ10を模式的に描いたも
のである。本実施例によるインジェクタ10は、コモン
レール式の燃料噴射システムに用いられる。
【0017】インジェクタ10は、ハウジング12、ノ
ズル部20および噴射制御部30を有している。ハウジ
ング12はノズル部20および噴射制御部30を収容し
ている。ハウジング12は実際にはシリンダ14を含む
複数の部材で構成されており、高圧燃料流路200、高
圧燃料流路200と連通している脈動減衰室210およ
び低圧燃料流路300がハウジング12に形成されてい
る。図示しないコモンレールから一定圧の高圧燃料が高
圧燃料流路200に供給される。脈動減衰室210は、
シリンダ14の外周に、シリンダ14の外周壁とハウジ
ング12の一部を構成する減衰室部材の内周壁との間に
円筒状に形成されている。脈動減衰室210は高圧燃料
流路200と連通している。低圧燃料流路300は、イ
ンジェクタ10内の高圧燃料をインジェクタ10の外部
に排出する。
【0018】ノズル部20は、弁部材としてのノズルニ
ードル22、噴孔24、弁座26、弁座26に向けノズ
ルニードル22を付勢するコイルスプリング28、制御
室202、直接流路204、および燃料溜まり208を
有している。
【0019】制御室202にはコイルスプリング28が
収容されており、制御室202に蓄えられている高圧燃
料から受ける力、およびコイルスプリング28の付勢力
によりノズルニードル22は噴孔閉塞方向すなわち弁座
26に着座する閉弁方向に付勢されている。直接流路2
04は絞り206を有しており、高圧燃料流路200か
ら絞り206を通り制御室202に高圧燃料が直接供給
されている。
【0020】ノズルニードル22が弁座26に着座する
と、噴孔24からの燃料噴射が遮断される。これに対
し、制御室202の燃料圧力が低下し、ノズルニードル
22が弁座26から離座すると、図示しないコモンレー
ルから高圧燃料流路200を通り燃料溜まり208に供
給される高圧燃料が噴射される。
【0021】噴射制御部30は、電気駆動手段としての
圧電素子32、駆動ピストン40、駆動ピストン40と
圧力室216を挟んで設置されている柱状ピストン5
0、ボール60、圧力室216、および制御室流路21
8を有している。駆動ピストン40と圧電素子32との
間に、Oリング34を外周壁に嵌合したスペーサ36が
挟持されている。Oリング34は圧電素子32側に燃料
が漏れることを防止する。コイルスプリング44は圧電
素子32にプリセット荷重を加えるために設置されてお
り、圧電素子32に向け駆動ピストン40を付勢してい
る。
【0022】駆動ピストン40の一部および柱状ピスト
ン50はシリンダ14に往復移動自在に支持されてい
る。柱状ピストン50およびボール60は制御ピストン
を構成している。柱状ピストン50の一方の端部は圧力
室216に面している。柱状ピストン50の他方の端部
であるロッド54はボール60と当接している。
【0023】駆動ピストン40および柱状ピストン50
の外周壁に環状にラビリンス42、52がそれぞれ形成
されている。脈動減衰室210からラビリンス42、5
2に高圧燃料が供給されているので、ラビリンス42、
52を挟んで高圧側の圧力室216から低圧側に燃料が
漏れることを防止している。
【0024】駆動ピストン40が圧力室216から燃料
圧力を受ける受圧面積は、柱状ピストン50が圧力室2
16から燃料圧力を受ける受圧面積よりも大きい。つま
り、駆動ピストン40のピストン径は柱状ピストン50
のピストン径よりも大きく、駆動ピストン40の移動量
に対し柱状ピストン50の移動量が大きくなる。圧電素
子32の延び量が小さくても、柱状ピストン50および
ボール60は必要な移動量を得ることができる。
【0025】ボール60の柱状ピストン50と反対側の
面は圧力室216の高圧燃料から受ける方向と反対方向
に制御室流路218から高圧の燃料圧力を受けている。
柱状ピストン50は圧力室216から、ボール60は制
御室流路218からそれぞれ向き合う方向に高圧の燃料
圧力を受けているので、柱状ピストン50およびボール
60は一体になって変位する。また、柱状ピストン50
の外径と、ボール60が低圧側弁座64に着座している
ときのシート径と、ボール60が高圧側弁座62に着材
しているときのシート径とはほぼ等しいので、柱状ピス
トン50とボール60とが圧力室216および制御室流
路218の燃料から向き合う方向に受ける力はほぼ等し
い。但し実際には、安全のため、柱状ピストン50およ
びボール60全体として、ボール60が低圧側弁座64
から離座する方向に受ける力よりも、ボール60が低圧
側弁座64に着座する方向に受ける力を少し大きめに設
定している。柱状ピストン50およびボール60は小さ
い駆動力で変位するので、駆動ピストン40を駆動して
柱状ピストン50およびボール60を移動させる圧電素
子32を小型化できる。
【0026】連通路212を通り高圧燃料流路200か
ら脈動減衰室210に高圧燃料が供給されている。脈動
減衰室210は圧力室216および制御室流路218と
連通している。高圧燃料流路200から連通路212、
脈動減衰室210、圧力室流路としての圧力室絞り21
4を通り圧力室216に高圧燃料が供給されている。
【0027】絞り222は、制御室202と制御室流路
218との連通をボール60が遮断する位置である高圧
側弁座62と制御室202との間の流路220に設けら
れている。ボール60が高圧側弁座62に着座すると、
制御室202と制御室流路218との連通が遮断され、
制御室202と低圧燃料流路300とが連通する。ボー
ル60が制御室202と低圧燃料流路300との連通を
遮断する位置である低圧側弁座64に着座すると、制御
室202と低圧燃料流路300との連通が遮断され、制
御室202と制御室流路218とが連通する。
【0028】次に、図1に示すインジェクタ10の作動
について説明する。 (1) 圧電素子32に電力が供給されていない図1に示す
状態において、ボール60は低圧側弁座64に着座して
いる。この状態において、制御室流路218と制御室2
02とは連通し、制御室202と低圧燃料流路300と
の連通は遮断されている。直接流路204および制御室
流路218の両流路を通り高圧燃料流路200から供給
される高圧燃料により制御室202の圧力は高圧であ
る。制御室202の燃料圧力から受ける力およびコイル
スプリング28の付勢力からノズルニードル22が弁座
26に向けて受ける力は、燃料溜まり208の高圧燃料
によりノズルニードル22が弁座26から離座する方向
に受ける力よりも大きい。したがって、ノズルニードル
22は弁座26に着座し、噴孔24からの燃料噴射は遮
断されている。
【0029】(2) 圧電素子32に電力が供給されると、
圧電素子32は駆動ピストン40に向けて延びる。駆動
ピストン40は圧電素子32の延び量と等しい距離、図
1の下方、つまり柱状ピストン50側に移動する。前述
したように、駆動ピストン40の移動量よりも柱状ピス
トン50およびボール60の移動量は大きい。
【0030】ボール60が図1の下方に移動して低圧側
弁座64から離座し、高圧側弁座62に着座すると、制
御室流路218と制御室202との連通が遮断され、制
御室202と低圧燃料流路300とが連通する。制御室
202から絞り222を通り低圧燃料流路300に高圧
燃料が流出するので、制御室202の燃料圧力が低下す
る。
【0031】制御室202の燃料圧力から受ける力およ
びコイルスプリング28の付勢力からノズルニードル2
2が弁座26に向けて受ける力よりも、燃料溜まり20
8の高圧燃料によりノズルニードル22が弁座26から
離座する方向に受ける力が大きくなると、ノズルニード
ル22は弁座26から離座し、噴孔24から燃料が噴射
される。
【0032】絞り222を通り制御室202の高圧燃料
が低圧燃料流路300に流出するので、制御室202か
ら低圧燃料流路300に流出する燃料量が抑えられ、ノ
ズルニードル22が急激にリフトすることを防止する。
したがって、微少量の燃料を噴射するときの制御が容易
になる。
【0033】(3) 次に、圧電素子32への電力供給を遮
断すると圧電素子32は電力供給前の長さに戻り、駆動
ピストン40、柱状ピストン50およびボール60は図
1の上方に移動し、ボール60は低圧側弁座64に着座
する。制御室202と低圧燃料流路300との連通が遮
断され、制御室流路218および直接流路204から制
御室202に高圧燃料が供給されるので、制御室202
の燃料圧力は上昇する。ノズルニードル22は弁座26
に着座し、噴孔24からの燃料噴射を遮断する。
【0034】ノズルニードル22が弁座26から離座す
るとき、ならびにノズルニードル22が弁座26に着座
するときの噴孔開閉作動により、高圧燃料流路200に
圧力脈動が生じやすい。高圧燃料流路200と脈動減衰
室210とを連通する連通路212は、高圧燃料流路2
00よりも流路面積が小さいので、絞り効果がある。さ
らに、脈動減衰室210は連通路212よりも流路面積
および容積が大きい。したがって、高圧燃料流路200
で生じた圧力脈動が連通路212を通り脈動減衰室21
0に伝わると、圧力脈動が減衰する。脈動減衰室210
と圧力室216との間は、非常に小さい流路面積を有す
る圧力室絞り214により連通しているので、圧力室2
16内の圧力変動は僅かである。制御室流路218に供
給される高圧燃料は脈動減衰室210を通るので、制御
室流路218に伝わる圧力脈動は減衰されている。
【0035】したがって、柱状ピストン50およびボー
ル60が圧力室216および制御室流路218から互い
に向き合う方向に受ける圧力脈動は小さい。高圧燃料流
路200に圧力脈動が発生しても、柱状ピストン50お
よびボール60は変位しないので、所定のタイミングで
燃料噴射が開始し、所定のタイミングで燃料噴射が終了
する。
【0036】(第2実施例)本発明の第2実施例による
インジェクタを図2に示す。第1実施例のインジェクタ
10と実質的に同一なインジェクタ70の構成部分に同
一符号を付し、説明を省略する。図2に示すインジェク
タ70では、ボール60による切り替え作動と独立し、
高圧燃料流路200から制御室202に直接高圧燃料を
供給する第1実施例の直接流路204を設けていない。
圧電素子32に電力を供給し、ボール60が高圧側弁座
62に着座すると、制御室202に燃料が供給されない
ので、制御室202から低圧燃料流路300に速やかに
高圧燃料が流出する。ノズルニードル22が速やかに弁
座26から離座するので、いわゆる開弁応答性が向上す
る。さらに、流路の構造が簡単になるので、製造工数が
低減する。
【0037】(第3実施例)本発明の第3実施例による
インジェクタを図3に示す。第1実施例のインジェクタ
10と実質的に同一なインジェクタ80の構成部分に同
一符号を付し、説明を省略する。制御室流路218は高
圧側弁座62よりも上流側に第1絞り230を有し、高
圧側弁座62と制御室202との間の流路220に絞り
は存在しない。低圧燃料流路300は低圧側弁座64よ
りも下流側に第2絞り232を有している。
【0038】制御室202に流入する燃料量と、制御室
202から流出する燃料量とをそれぞれ独立した第1絞
り230および第2絞り232で調整できるので、燃料
噴射開始時の開弁速度と、燃料噴射終了時の閉弁速度と
を独立に設定できる。また、圧力脈動が第1絞り230
により減衰するので、制御室流路218からボール60
が受ける圧力脈動はさらに小さくなる。
【0039】以上説明した第1、第2および第3実施例
では、高圧燃料流路200と脈動減衰室210とを連通
する連通路212の流路径を高圧燃料流路200よりも
小さくし、連通路212に絞り効果をもたせた。これに
対し、連通路212を高圧燃料流路200と同一径に
し、制御室流路218に伝わる圧力脈動の減衰を脈動減
衰室210だけで行ってもよい。
【0040】(第4実施例)本発明の第4実施例による
燃料噴射装置を図4に示す。第1実施例のインジェクタ
10と実質的に同一なインジェクタ90の構成部分に同
一符号を付し、説明を省略する。ボールピストン100
は、ボール部102とピストン部104とを有してお
り、柱状ピストン50と制御ピストンを構成している。
ボール部102は柱状ピストン50のロッド54と当接
している。コイルスプリング120は柱状ピストン50
に向けボールピストン100を付勢している。
【0041】絞り242を有する直接流路240を通り
高圧燃料流路200から制御室202に高圧燃料が直接
供給されている。制御室流路250は高圧燃料流路20
0と連通している。ボール部102を収容している空間
106と制御室202との連通路252は絞り254を
有している。ピストン流路260は、脈動減衰室210
と連通しており、柱状ピストン50に向けてボールピス
トン100に燃料圧力を加えている。ピストン流路26
0は、ボールピストン100のピストン部104によ
り、制御室流路250との連通を遮断されている。圧電
素子32、駆動ピストン40、柱状ピストン50、ボー
ルピストン100、圧力室216、制御室流路250お
よびピストン流路260は、インジェクタ90の噴射制
御部を構成している。
【0042】圧電素子32に電力が供給されていない図
4に示す状態において、ボール部102は低圧側弁座1
12に着座しており、制御室流路250と制御室202
とは絞り254を介し連通している。制御室流路250
および制御室202と低圧燃料流路300との連通が遮
断され、直接流路240および制御室流路250から高
圧燃料が制御室202に供給されているので、制御室2
02の燃料圧力は高圧である。
【0043】圧電素子32に電力が供給されると、柱状
ピストン50とともにボールピストン100は図4の下
方に移動する。ボール部102は低圧側弁座112から
離座し高圧側弁座110に着座する。制御室流路250
と制御室202との連通は遮断され、制御室202と低
圧燃料流路300とは絞り254を介し連通する。した
がって、制御室202の燃料圧力が低下する。ノズルニ
ードル22が弁座26から離座することにより、噴孔2
4から燃料が噴射される。
【0044】絞り254を通り制御室202の高圧燃料
が低圧燃料流路300に流出するので、制御室202か
ら低圧燃料流路300に流出する燃料量が抑えられ、ノ
ズルニードル22が急激にリフトすることを防止する。
したがって、微少量の燃料を噴射するときの制御が容易
になる。
【0045】柱状ピストン50の外径であるピストン径
と、ボール部102が高圧側弁座110に着座したとき
のシート径と、ボール部102が低圧側弁座112に着
座したときのシート径と、ピストン部104の外径とは
ほぼ等しい。ボール部102とピストン部104との境
界に高圧燃料流路200から制御室流路250を通り絞
りを介さず高圧燃料が供給され、高圧燃料流路200の
圧力脈動がボールピストン100に加わっても、ボール
部102およびピストン部104にそれぞれ反対方向に
ほぼ等しい大きさの圧力脈動が加わる。したがって、制
御室流路250を通り高圧燃料流路200からボールピ
ストン100に加わる圧力脈動がキャンセルされる。但
し実際には、安全のため、柱状ピストン50およびボー
ルピストン100全体として、ボール部102が低圧側
弁座112から離座する方向に受ける力よりも、ボール
部102が低圧側弁座112に着座する方向に受ける力
を少し大きめに設定している。
【0046】さらに、ピストン流路260はピストン部
104にシールされており、制御室202に高圧燃料を
供給していないので、圧力室216と連通している圧力
室絞り214と同様に、連通路212の流路面積を極力
小さくできる。したがって、ピストン流路260を介し
高圧燃料流路200からピストン部104に伝わる圧力
脈動が減衰する。第4実施例において、脈動減衰室21
0を設けず、高圧燃料流路200から絞りを通して圧力
室216およびピストン流路260に高圧燃料を供給す
る構成も可能である。また、直接流路240を削除して
もよい。
【0047】以上説明した本発明の上記複数の実施例に
よると、シリンダ14の外周に脈動減衰室210を形成
しているので、脈動減衰室210を円筒状にし、脈動減
衰室210の容積を容易に確保できる。さらに、シリン
ダ14と別部材の減衰室部材とシリンダ14との間に脈
動減衰室210が形成されている。シリンダ14と減衰
室部材とを組み付けることにより脈動減衰室210を形
成できるので、製造工数が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による燃料噴射装置を示す
模式的断面図である。
【図2】本発明の第2実施例による燃料噴射装置を示す
模式的断面図である。
【図3】本発明の第3実施例による燃料噴射装置を示す
模式的断面図である。
【図4】本発明の第4実施例による燃料噴射装置を示す
模式的断面図である。
【符号の説明】
10、70、80、90 インジェクタ(燃料噴射装
置) 12 ハウジング 14 シリンダ 20 ノズル部 22 ノズルニードル(弁部材) 24 噴孔 26 弁座 30 噴射制御部 32 圧電素子(電気駆動手段) 40 駆動ピストン 50 柱状ピストン(制御ピストン) 60 ボール(制御ピストン) 62 高圧側弁座 64 低圧側弁座 100 ボールピストン(制御ピストン) 200 高圧燃料流路 202 制御室 204、230 直接流路 210 脈動減衰室 212 連通路(絞り) 214 圧力室絞り(圧力室流路) 216 圧力室 218、250 制御室流路 220 流路 222 絞り 230 第1絞り 232 第2絞り 260 ピストン流路 300 低圧燃料流路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 51/00 F02M 51/00 E (72)発明者 堀内 康弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 黒柳 正利 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 有川 文明 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 BA10 CB12 CC08U CC14 CC68U CC69 CC70 CE16 CE27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧燃料流路および低圧燃料流路を有す
    るハウジングと、 前記高圧燃料流路から供給される高圧燃料を噴射可能な
    噴孔、往復移動することにより前記噴孔を開閉する弁部
    材、および前記噴孔を閉塞する方向に前記弁部材に燃料
    圧力を加える制御室を有するノズル部と、 前記高圧燃料流路から前記制御室に高圧燃料を供給可能
    な制御室流路、前記制御室と前記制御室流路との連通、
    あるいは前記制御室と前記低圧燃料流路との連通を切り
    替える制御ピストン、前記制御室流路から受ける燃料圧
    力と反対方向に前記制御ピストンに燃料圧力を加える圧
    力室、前記圧力室に前記高圧燃料流路から高圧燃料を供
    給する圧力室流路、前記圧力室を挟み前記制御ピストン
    と反対側に設置されている駆動ピストン、および前記制
    御ピストン側に前記駆動ピストンを変位させる駆動力を
    発生する電気駆動手段を有する噴射制御部と、を備える
    燃料噴射装置であって、 前記ハウジングは前記高圧燃料流路と連通している脈動
    減衰室を有し、 前記高圧燃料流路から前記脈動減衰室を通り前記制御室
    流路および前記圧力室流路に高圧燃料を供給することを
    特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記制御ピストンが前記制御室流路およ
    び前記圧力室からそれぞれ反対方向に燃料圧力を受ける
    受圧面積はほぼ等しいことを特徴とする請求項1記載の
    燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記制御室流路とは別に、前記高圧燃料
    流路から前記制御室に高圧燃料を直接供給する直接流路
    を前記ハウジングは有していることを特徴とする請求項
    1または2記載の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記制御室と前記制御室流路との連通、
    あるいは前記制御室と前記低圧燃料流路との連通を前記
    制御ピストンにより切り替える位置と前記制御室との間
    の流路に絞りを有し、前記絞りを通り前記制御室流路か
    ら前記制御室に高圧燃料が流入するとともに、前記絞り
    を通り前記制御室から前記低圧燃料流路に高圧燃料が流
    出することを特徴とする請求項1、2または3記載の燃
    料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記制御室と前記制御室流路との連通を
    前記制御ピストンが遮断する位置よりも上流側に前記制
    御室流路は第1絞りを有し、前記制御室と前記低圧燃料
    流路との連通を前記制御ピストンが遮断する位置よりも
    下流側に前記低圧燃料流路は第2絞りを有していること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の燃料噴射装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ハウジングは前記制御ピストンおよ
    び前記駆動ピストンを往復移動可能に支持するシリンダ
    を有し、前記シリンダの外周に前記脈動減衰室が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一
    項記載の燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記シリンダと別部材であり、前記シリ
    ンダの外周壁との間に前記脈動減衰室を形成している減
    衰室部材を前記ハウジングは有していることを特徴とす
    る請求項6記載の燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】 高圧燃料流路および低圧燃料流路を有す
    るハウジングと、 前記高圧燃料流路から供給される高圧燃料を噴射可能な
    噴孔、往復移動することにより前記噴孔を開閉する弁部
    材、および前記噴孔を閉塞する方向に前記弁部材に燃料
    圧力を加える制御室を有するノズル部と、 前記高圧燃料流路から前記制御室に高圧燃料を供給する
    制御室流路、前記制御室と前記制御室流路との連通、あ
    るいは前記制御室と前記低圧燃料流路との連通を切り替
    える制御ピストン、駆動ピストン、前記制御ピストンと
    前記駆動ピストンとの間に形成され前記高圧燃料流路か
    ら高圧燃料を供給される圧力室、および前記制御ピスト
    ン側に前記駆動ピストンを変位させる駆動力を発生する
    電気駆動手段を有する噴射制御部と、を備える燃料噴射
    装置であって、 前記噴射制御部は、前記高圧燃料流路から高圧燃料を供
    給され前記圧力室から受ける燃料圧力と反対方向に前記
    制御ピストンに燃料圧力を加えるピストン流路を有し、
    前記高圧燃料流路と前記ピストン流路、ならびに前記高
    圧燃料流路と前記圧力室との間に絞りを有していること
    を特徴とする燃料噴射装置。
  9. 【請求項9】 前記ハウジングは前記高圧燃料流路と連
    通している脈動減衰室を有し、前記高圧燃料流路から前
    記脈動減衰室を通り前記ピストン流路および前記圧力室
    流路に高圧燃料を供給することを特徴とする請求項8記
    載の燃料噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記ハウジングは、前記制御ピストン
    および前記駆動ピストンを往復移動可能に支持するシリ
    ンダを有し、前記シリンダの外周に前記脈動減衰室が形
    成されていることを特徴とする請求項9記載の燃料噴射
    装置。
  11. 【請求項11】 前記シリンダと別部材であり、前記シ
    リンダの外周壁との間に前記脈動減衰室を形成している
    減衰室部材を前記ハウジングは有していることを特徴と
    する請求項10記載の燃料噴射装置。
JP2001377113A 2001-12-11 2001-12-11 燃料噴射装置 Withdrawn JP2003176763A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377113A JP2003176763A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 燃料噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377113A JP2003176763A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 燃料噴射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003176763A true JP2003176763A (ja) 2003-06-27

Family

ID=19185159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001377113A Withdrawn JP2003176763A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 燃料噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003176763A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013510268A (ja) * 2009-11-10 2013-03-21 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 燃料噴射弁を製造する方法、及び、燃料噴射弁

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013510268A (ja) * 2009-11-10 2013-03-21 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 燃料噴射弁を製造する方法、及び、燃料噴射弁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3865222B2 (ja) 燃料噴射装置
US5979803A (en) Fuel injector with pressure balanced needle valve
EP0774067B1 (en) Solenoid actuated miniservo spool valve
US5884848A (en) Fuel injector with piezoelectric and hydraulically actuated needle valve
JP4793315B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2004519598A (ja) 内燃機関の燃料噴射弁
JP2008309015A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4333757B2 (ja) 燃料噴射弁
JP4154243B2 (ja) 内燃機関のための燃料噴射弁
JP2004516407A (ja) 内燃機関の噴射弁を制御するための電磁弁
JP2005510658A (ja) 燃料を高圧噴射するためのインゼクタ
JP6256440B2 (ja) インジェクタ
JP2003176763A (ja) 燃料噴射装置
JPH0666219A (ja) ディーゼル機関用燃料噴射装置
JPH08284782A (ja) 燃料噴射ポンプ制御
WO2018221077A1 (ja) 電磁弁、電磁吸入弁機構、及び高圧燃料ポンプ
JP2008280985A (ja) 燃料噴射装置
JP2010156298A (ja) 燃料供給装置及びそれに用いる高圧ポンプ
JP4078779B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3797133B2 (ja) エンジンの燃料噴射装置
JP5708092B2 (ja) インジェクタ
JP3686452B2 (ja) 電磁調整可能バルブを備えた燃料噴射器
JP3693463B2 (ja) 可変吐出量高圧ポンプ
JP4367385B2 (ja) 内燃機関用燃料噴射装置
WO2016208130A1 (ja) インジェクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301