JP2003176733A - 車両のエンジンブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のエンジンブレーキ制御装置

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JP2003176733A
JP2003176733A JP2001377744A JP2001377744A JP2003176733A JP 2003176733 A JP2003176733 A JP 2003176733A JP 2001377744 A JP2001377744 A JP 2001377744A JP 2001377744 A JP2001377744 A JP 2001377744A JP 2003176733 A JP2003176733 A JP 2003176733A
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JP
Japan
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valve
deceleration torque
vehicle
engine brake
exhaust
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Application number
JP2001377744A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Enomoto
浩之 榎本
Hironari Nakagawa
裕也 中川
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】その都度の車両運転状況に応じた適切なエンジ
ンブレーキを作動させ、しかもその作動時において車両
の挙動を安定させること。 【解決手段】エンジン10には、吸気、排気の各行程で
開弁する吸気バルブ15及び排気バルブ16が設けら
れ、各バルブ15,16には開閉の状態を任意に調整可
能なバルブ駆動機構20,21が設けられている。EC
U30は、その都度の車両運転状態に応じて減速トルク
発生の要否を判定し、減速トルク要と判定される時、目
標とする減速状態に達するまでバルブ駆動機構20,2
1により吸気バルブ15及び排気バルブ16の少なくと
も何れかを開弁の度合を減じる方向に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエンジンブ
レーキ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンブレーキを利かせる
方法として、ブレーキオン時に電子制御トランスミッシ
ョンのシフトダウンを行わせるものがある。これは、ト
ランスミッションのシフトダウンを行わせることによ
り、エンジン回転数を高め、より大きなエンジン負荷を
得ようとするものであった。
【0003】またその他に、中大型トラック等において
は、補助ブレーキとして排気ブレーキや圧縮圧解放式ブ
レーキが採用されている。排気ブレーキは、排気管に排
気ブレーキバルブを設けておき、排気行程において排気
ブレーキバルブを閉じて排気抵抗によるブレーキ力を生
じさせるものである。また、圧縮圧解放式ブレーキは、
膨張行程で排気バルブを開いてシリンダ内の圧縮空気を
逃がし、それによりピストンの推進力を弱め、ブレーキ
力を生じさせるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トラン
スミッションのシフトダウンによりエンジンブレーキを
利かせる場合、例えば低摩擦路の走行時に過大な負荷が
駆動輪にかかり、車両の挙動が不安定になるという問題
が生じる。
【0005】また、排気ブレーキや圧縮圧解放式ブレー
キを採用する場合、ブレーキの利きが有効に強化される
ものの、既存のシステムでは、その都度の車両運転状況
に対して適度にエンジンブレーキが作動しているかどう
かが不明であり、エンジンブレーキの作動の過不足が生
じることが考えられる。
【0006】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、その都度の車両
運転状況に応じた適切なエンジンブレーキを作動させ、
しかもその作動時において車両の挙動を安定させること
ができる車両のエンジンブレーキ制御装置を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、バルブ駆動機構により、吸気バルブ及び排気バルブ
の少なくとも何れかについて開閉の状態が任意に調整さ
れる。つまり、バルブ開閉のタイミング、又はバルブリ
フト量が調整される。そして、条件判定手段により、そ
の都度の車両運転状態に応じて減速トルク発生の要否が
判定される。減速トルク要と判定される時、制御手段に
よるバルブ駆動機能の駆動に伴い、目標とする減速状態
に達するまで吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも何
れかが開弁の度合を減じる方向に制御される。ここで、
各バルブを開弁の度合を減じる方向に制御する際、請求
項2に記載したように、吸気バルブ、排気バルブについ
て、吸気行程又は排気行程での各バルブの開期間を短く
するか或いはバルブリフト量を減少させると良く、これ
によりエンジンに負荷をかけて減速トルクを生じさせ
る。
【0008】本発明によれば、減速トルクの発生に伴い
エンジンブレーキが利くようになる。この場合、目標と
する減速状態に向けてエンジンブレーキ制御が実施され
るため、過不足なくエンジンブレーキを利かせることが
できる。また、トランスミッションのシフトダウンによ
るエンジンブレーキとは異なり、エンジン回転数を急変
させることがないので、ショックが少なく安定したエン
ジンブレーキを実現することができる。その結果、その
都度の車両運転状況に応じた適切なエンジンブレーキを
作動させ、しかもその作動時において車両の挙動を安定
させることができる。
【0009】また、請求項3に記載の発明では、その都
度の車両運転状態に応じて減速トルクの目標値を算出す
る手段を備え、前記減速トルク制御手段は、前記算出し
た目標値に応じてバルブ駆動機構の駆動を制御する。こ
の場合、減速トルクの目標値に対して、エンジンブレー
キ制御が精度良く実施できる。
【0010】請求項4に記載の発明では、目標とする減
速状態に達するまで吸気バルブ、排気バルブの状態を徐
変させるので、エンジンブレーキの作動によるショック
感がより一層低減されるようになる。
【0011】請求項5に記載の発明では、前記減速トル
ク制御手段によるバルブ制御時において、それと共にエ
ンジンの燃料噴射を停止するので、エンジンブレーキの
利きをより一層強化することができる。
【0012】請求項6に記載の発明では、低摩擦路(低
μ路)の走行時に減速トルクを要する旨判定し、前記減
速トルク制御手段によるバルブ駆動機構の制御を実施す
る。この場合、雪道等の低摩擦路であっても安定した車
両走行が実現できる。
【0013】請求項7に記載の発明では、アクセルオフ
且つブレーキオンの状態下で車両が加速している時に減
速トルクを要する旨判定し、前記減速トルク制御手段に
よるバルブ駆動機構の制御を実施する。例えば、車両が
急な下り坂を走行している場合、アクセルオフ且つブレ
ーキオンの状態であっても車両が加速することが想定さ
れるが、かかる場合において、エンジンブレーキを適切
に作動させることができる。
【0014】請求項8に記載の発明では、先行車との車
間距離を一定に保つよう車両の走行速度を制御するクル
ーズ制御手段を備え、クルーズ制御時において、先行車
との車間距離が縮まる時に減速トルクを要する旨判定
し、前記減速トルク制御手段によるバルブ駆動機構の制
御を実施する。この場合、車輪に制動力を生じさせるた
めのブレーキシステムを追加することなく車間距離の制
御を実施することができ、安価で且つ効果的なクルーズ
制御が実現できる。
【0015】上記請求項8の発明では請求項9に記載し
たように、車間距離が縮まる時にその縮まりの速度に応
じて減速トルクの目標値を算出すると良い。この場合、
先行車との車間距離がより一層適正に制御できる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明
する。本実施の形態の制御システムでは、車両に搭載さ
れた4サイクルガソリンエンジンを制御対象としてい
る。特に同エンジンは、吸気バルブ及び排気バルブの開
閉のタイミング及びリフト量を任意に調整可能なバルブ
駆動機構を装備しており、このバルブ駆動機構の操作に
よりエンジンブレーキを適宜発生させることとしてい
る。以下、その詳細を説明する。
【0017】図1は、本制御システムの概要を示す構成
図である。図1において、エンジン10の吸気管11に
は、スロットルバルブ12及びインジェクタ13が配設
されている。スロットルバルブ12はスロットルアクチ
ュエータ14により開度調節される。また、エンジン1
0の吸気ポートには吸気バルブ15が配設され、排気ポ
ートには排気バルブ16が配設されている。図中、符号
17は点火プラグ、符号18はピストン、符号19は燃
焼室である。
【0018】吸気バルブ15には、バルブ開閉のタイミ
ング及びバルブリフト量を制御するための電磁式のバル
ブ駆動機構20が設けられ、排気バルブ16にも同様
に、バルブ駆動機構21が設けられている。具体的に
は、バルブ駆動機構20は、閉弁時にONされる電磁コ
イル20aと、開弁時にONされる電磁コイル20b
と、電磁コイル20a側又は電磁コイル20b側に吸引
される可動子20cと、可動子20cを中間位置に保持
するためのスプリング20d,20eとを備える。
【0019】上記構成において、エンジン停止時には、
電磁コイル20a,20bが共に非通電となり、可動子
20c並びに吸気バルブ15が中間位置に保持される。
また、電磁コイル20aが通電されると、吸気バルブ1
5が閉弁側に駆動され、電磁コイル20bが通電される
と、吸気バルブ15が開弁側に駆動される。
【0020】排気側のバルブ駆動機構21も同様の構成
を有し、電磁コイル21a,21b、可動子21c、ス
プリング21d,21eを備える。そして、電磁コイル
21a,21bの通電に伴い排気バルブ16が開側又は
閉側に駆動される。なお、バルブ駆動機構20,21は
各気筒毎に設けられている。
【0021】ECU30は、CPU、ROM、RAM等
を備える周知のマイクロコンピュータを中心に構成され
ており、このECU30にはエンジン回転数、吸気管内
圧力、アクセル開度、車速等の各種センサの検出信号
や、ブレーキスイッチ、運転モードスイッチ等の各種ス
イッチの検出信号が随時入力される。ECU30は、各
種センサやスイッチ等からの入力信号に基づいてインジ
ェクタ13、スロットルアクチュエータ14、バルブ駆
動機構20,21等の駆動を制御する。因みに、運転モ
ードスイッチは運転者により切り替えられ、通常走行時
の通常モード、雪道走行時(低μ路走行時)のスノーモ
ード等の何れかが選択される。
【0022】次に、エンジンブレーキ制御の詳細を説明
する。図2は、スノーモード中におけるエンジンブレー
キ制御の流れを示すフローチャートであり、同処理は所
定周期でECU30により実施される。
【0023】図2において、先ずステップ101では、
今現在スノーモード中であるか否かを判別する。また、
ステップ102では、アクセルOFFの状態であるか否
かを判別し、続くステップ103では、ブレーキONの
状態であるか否かを判別する。そして、ステップ101
〜103が全てYESであることを条件に、ステップ1
04でエンジンブレーキモードに突入する(モードON
とする)。
【0024】エンジンブレーキモードに入ると、ステッ
プ105が毎回YESとなり、ステップ106〜110
で噴射カット制御並びに吸排気時期の遅角制御によるエ
ンジンブレーキ制御を実施する。詳しくは、ステップ1
06では、インジェクタ13の燃料噴射を停止して燃料
カットを実施する。続くステップ107では、車速に応
じて要求減速トルクを算出する。要求減速トルクは減速
トルクの目標値であり、例えば図3の関係を用い、車速
が大きいほど要求減速トルクを小さい値に設定する。こ
れは、車速大の場合に減速トルクが過剰に大きいと、車
輪ロックを招くおそれがあるためである。但し、車速と
要求減速トルクとの関係は図3に限定されず、逆に、車
速が大きいほど要求減速トルクを大きい値にすることも
可能である。
【0025】その後、ステップ108では、要求減速ト
ルクに応じて吸気バルブ15及び排気バルブ16の目標
開弁時期を算出する。例えば図4の関係を用い、要求減
速トルクが大きいほど目標開弁時期を遅角側に設定す
る。このとき、目標開弁時期は、進角・遅角していない
初期位置を基準に遅角側に設定される。続くステップ1
09では、吸気バルブ15及び排気バルブ16の開弁時
期が目標開弁時期に近づくようバルブ駆動機構20,2
1を駆動させる。但し、開弁時期の1回の変更幅(制御
量)を制限しておき、過度な変化によるショックを生じ
させないようにする。これにより、吸気バルブ15及び
排気バルブ16の開弁時期が徐変されることとなる。
【0026】ステップ101,102の何れかがNOに
なるとステップ110に進み、エンジンブレーキモード
を解除(OFF)する。それ以降、吸気バルブ15及び
排気バルブ16の開弁時期が元に戻されるが、この際、
やはり開弁時期を徐変させつつ復帰させるのが望まし
い。
【0027】なお本実施の形態では、ステップ101〜
103が特許請求の範囲に記載した「条件判定手段」に
相当し、ステップ107〜109が同「減速トルク制御
手段」に相当する。
【0028】図5は、吸気バルブ15及び排気バルブ1
6の開弁時期が制御される様子を示すタイムチャートで
ある。ここで、(a)は初期状態を示し、(b)は各バ
ルブの開弁時期を遅角側にシフトさせた状態を示す。な
お、図5では時計回り方向に時間が進行する。
【0029】すなわち、図5(a)の場合、排気バルブ
16は、膨張行程末期のBDC前に開弁し、その後排気
行程中において開弁状態で保持される。そして、TDC
後に閉弁する。また、吸気バルブ15は、TDC前に開
弁し、その後吸気行程中において開弁状態で保持され
る。そして、BDC後に閉弁する。
【0030】これに対し、図5(b)の場合、排気バル
ブ16の開弁時期が遅角側にシフトされると共に、吸気
バルブ15の開弁時期が遅角側にシフトされている。こ
の場合、排気行程初期において排気バルブ16が閉じる
ためにエンジンに負荷がかかり、減速トルクが発生す
る。更に、吸気行程初期においても吸気バルブ15が閉
じるためにエンジンに負荷がかかり、減速トルクが発生
する。
【0031】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。減速トルクを要する時、要求減
速トルク(目標とする減速状態)に向けて吸気バルブ1
5及び排気バルブ16の状態が制御されエンジンブレー
キ制御が実施されるため、過不足なくエンジンブレーキ
を利かせることができる。また、トランスミッションの
シフトダウンによるエンジンブレーキとは異なり、エン
ジン回転数を急変させることがないので、ショックが少
なく安定したエンジンブレーキを実現することができ
る。その結果、その都度の車両運転状況に応じた適切な
エンジンブレーキを作動させ、しかもその作動時におい
て車両の挙動を安定させることができる。
【0032】特に本実施の形態では、低摩擦路(低μ
路)の走行時において、エンジンブレーキ制御が好適に
実施されるため、雪道等の低摩擦路であっても安定した
車両走行が実現できる。
【0033】要求減速トルク(目標とする減速状態)に
達するまで吸気バルブ15及び排気バルブ16の状態を
徐変させるので、エンジンブレーキの作動によるショッ
ク感がより一層低減されるようになる。
【0034】エンジンブレーキ制御時において、バルブ
駆動機構20,21の作動と共にエンジンの燃料噴射を
停止するので、エンジンブレーキの利きをより一層強化
することができる。
【0035】(第2の実施の形態)次に、本発明におけ
る第2の実施の形態について、上述した第1の実施の形
態との相違点を中心に説明する。上記実施の形態では、
車両の運転モードがスノーモードであることを条件に吸
排気バルブの開弁時期調整によるエンジンブレーキ制御
を実施したが、それ以外の運転状態でもエンジンブレー
キ制御を要する場合がある。例えば、急な下り坂を走行
する場合、アクセルOFF且つブレーキONの状態であ
るにも関わらず、車両が加速することが考えられる。か
かる場合においてエンジンブレーキ制御を実施する。
【0036】図6は、本実施の形態におけるエンジンブ
レーキ制御の流れを示すフローチャートであり、同処理
は所定周期でECU30により実施される。図6におい
て、先ずステップ201では、アクセルOFFの状態で
あるか否かを判別し、続くステップ202では、ブレー
キONの状態であるか否かを判別する。更に、ステップ
203では、車両の加速度が所定の判定値K1以上であ
るか否かを判別する。なお車両の加速度は、車速を微分
して算出したり、加速度センサの検出値より算出したり
すれば良い。そして、ステップ201〜203が全てY
ESであることを条件に、ステップ204でエンジンブ
レーキモードに突入する(モードONとする)。
【0037】エンジンブレーキモードに入ると、ステッ
プ205が毎回YESとなり、ステップ206〜208
で噴射カット制御並びに吸排気時期の遅角制御によるエ
ンジンブレーキ制御を実施する。詳しくは、ステップ2
06では、車両の加速度が所定の判定値K2以上である
か否かを判別する。ここで、前述のステップ203の処
理でも加速度判定を行ったが、各々の判定値はK1>K
2である(K2≒0)。そして、加速度≧K2であるこ
とを条件に、ステップ207では、インジェクタ13の
燃料噴射を停止して燃料カットを実施する。
【0038】続くステップ208では、吸気バルブ15
及び排気バルブ16の開弁時期が遅角側にシフトするよ
うバルブ駆動機構20,21を駆動させる。但し、開弁
時期の1回の変更幅(制御量)を制限しておき、過度な
変化によるショックを生じさせないようにする。これに
より、吸気バルブ15及び排気バルブ16の開弁時期が
徐変されることとなる。
【0039】ステップ201がNOになるとステップ2
09に進み、エンジンブレーキモードを解除(OFF)
する。それ以降、吸気バルブ15及び排気バルブ16の
開弁時期が元に戻されるが、この際、やはり開弁時期を
徐変させつつ復帰させるのが望ましい。
【0040】なお本実施の形態では、ステップ201〜
203が特許請求の範囲に記載した「条件判定手段」に
相当し、ステップ206,208が同「減速トルク制御
手段」に相当する。
【0041】以上第2の実施の形態によれば、車両が急
な下り坂を走行している場合等において、エンジンブレ
ーキを適切に作動させることができる。この場合、車両
の加速度をモニタすることにより目標の減速状態に達し
たかどうかが判断でき、その結果、過不足なくエンジン
ブレーキを利かせることができる。
【0042】(第3の実施の形態)本実施の形態では、
先行車との車間距離を一定保つよう車両の走行速度を制
御するクルーズ制御と、吸排気バルブの駆動によるエン
ジンブレーキ制御とを連携させることを提案する。特に
本実施の形態では、先行車をレーダで捕捉するレーダク
ルーズ制御を実施する。レーダクルーズ制御を実現する
上での構成として、車両のフロントバンパにレーザレー
ダセンサを設置し、該センサにより先行車との車間距離
を逐次計測する。また、ECU30は、「クルーズ制御
手段」を実現するものであり、先行車との車間距離を一
定に保つべくスロットルアクチュエータ14によるスロ
ットル開度やインジェクタ13による燃料噴射量を制御
する。
【0043】図7は、レーダクルーズ制御時におけるエ
ンジンブレーキ制御の流れを示すフローチャートであ
り、同処理は所定周期でECU30により実施される。
図7において、先ずステップ301では、今現在レーダ
クルーズ制御中であるか否かを判別する。そして、YE
Sであることを条件に、ステップ302では、電子スロ
ットル制御により先行車との車間距離や車速を制御す
る。
【0044】その後、ステップ303では、スロットル
バルブ12が全閉状態であり、且つ燃料カット時(F/
C時)であるか否かを判別する。また、ステップ304
では、先行車との車間距離が縮まり、その縮まり速度が
所定値K3以上であるか否かを判別する。
【0045】ステップ303,304が共にYESの場
合、ステップ305〜307で吸排気時期の遅角制御に
よるエンジンブレーキ制御を実施する。詳しくは、ステ
ップ305では、縮まり速度に応じて要求減速トルクを
算出する。このとき、例えば図8の関係を用い、縮まり
速度が大きいほど要求減速トルクを大きい値とする。
【0046】その後、ステップ306では、要求減速ト
ルクに応じて吸気バルブ15及び排気バルブ16の目標
開弁時期を算出する。このとき、前記図2の処理と同様
に、例えば図4の関係を用い、要求減速トルクが大きい
ほど目標開弁時期を遅角側に設定する。
【0047】続くステップ307では、吸気バルブ15
及び排気バルブ16の開弁時期が目標開弁時期に近づく
ようバルブ駆動機構20,21を駆動させる。但し、開
弁時期の1回の変更幅(制御量)を制限しておき、過度
な変化によるショックを生じさせないようにする。これ
により、吸気バルブ15及び排気バルブ16の開弁時期
が徐変されることとなる。
【0048】なお本実施の形態では、ステップ301,
303,304が特許請求の範囲に記載した「条件判定
手段」に相当し、ステップ305〜307が同「減速ト
ルク制御手段」に相当する。
【0049】以上第3の実施の形態によれば、上述した
エンジンブレーキ制御を併用しつつ電子スロットル制御
等によるクルーズ制御を実施することにより、車輪に制
動力を生じさせるためのブレーキシステムを追加するこ
となく車間距離の制御を実施することができ、安価で且
つ効果的なクルーズ制御が実現できる。
【0050】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具
体化できる。上記実施の形態では、吸気バルブ15及び
排気バルブ16の開弁時期を遅角側に制御することによ
り減速トルク(負トルク)を発生させ、エンジンブレー
キを利かせるようにしたが、この構成を変更する。例え
ば、吸気バルブ15及び排気バルブ16の閉弁時期を進
角側に制御することにより減速トルク(負トルク)を発
生させても良い。要は、吸気バルブ15及び排気バルブ
16について、吸気行程又は排気行程での各バルブの開
期間を短くする構成であれば良い。
【0051】また、吸気バルブ15及び排気バルブ16
のリフト量を小さくすることにより減速トルク(負トル
ク)を発生させても良い。その概要を図9に示す。図9
では、実線が通常のリフト量、一点鎖線がエンジンブレ
ーキ制御時のリフト量を示す。
【0052】上記実施の形態では、吸気バルブ15及び
排気バルブ16の両方について開閉の状態(開期間、バ
ルブリフト量)を制御したが、何れか一方のバルブのみ
制御する構成としても良い。この場合、制御対象となる
バルブにのみバルブ駆動機構を設ける構成であっても良
い。
【0053】バルブ駆動機構20,21が各気筒毎に設
けられる場合において、エンジンブレーキ制御に際し、
全気筒のうち特定気筒についてだけ吸気バルブ15及び
排気バルブ16の開閉の状態(開期間、バルブリフト
量)を制御する構成であっても良い。この場合、何気筒
分を制御するかによって、減速トルクの程度(エンジン
ブレーキの利き)が調整できる。
【0054】上記実施の形態では、エンジンブレーキ制
御に際し、吸気バルブ15及び排気バルブ16の状態を
徐変させる旨説明したが、これを変更しても良い。例え
ば、必要となる制御量だけ1度に吸気バルブ15及び排
気バルブ16の状態を制御しても良い。但しこの場合、
最大制御量のガード値を設定しておくと良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における制御システムの概要
を示す構成図。
【図2】エンジンブレーキ制御の流れを示すフローチャ
ート。
【図3】要求減速トルクを算出するための図。
【図4】目標開弁時期を算出するための図。
【図5】吸排気バルブの開弁時期が制御される様子を示
すタイムチャート。
【図6】第2の実施の形態においてエンジンブレーキ制
御の流れを示すフローチャート。
【図7】第3の実施の形態においてエンジンブレーキ制
御の流れを示すフローチャート。
【図8】要求減速トルクを算出するための図。
【図9】吸排気バルブのリフト量が制御される様子を示
すタイムチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、13…インジェクタ、15…吸気バル
ブ、16…排気バルブ、20,21…バルブ駆動機構、
30…ECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/02 311 F02D 29/02 311A Fターム(参考) 3G092 AA01 AA05 AA11 AB02 BB03 BB10 DA01 DA02 DA07 DA12 DC03 DE01S DG09 EA02 EA04 EA22 FA03 FA05 FA34 GA13 GB08 HA05Z HA06Z HA13X HB01X HE01Z HE06X HF10Z HF21X HF23Z HF26X HG01Z HG06Z 3G093 AA04 BA01 BA07 BA14 BA23 CB01 CB07 DA01 DA03 DA06 DB05 DB15 DB16 DB18 EA02 EA05 EA15 EC01 FB02 FB03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの回転に応じて吸気、排気の各行
    程で開弁する吸気バルブ及び排気バルブと、 吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも何れかについて
    開閉の状態を任意に調整可能なバルブ駆動機構と、 その都度の車両運転状態に応じて減速トルク発生の要否
    を判定する条件判定手段と、 減速トルク要と判定される時、目標とする減速状態に達
    するまで前記バルブ駆動機構により吸気バルブ及び排気
    バルブの少なくとも何れかを開弁の度合を減じる方向に
    制御する減速トルク制御手段と、を備えた車両のエンジ
    ンブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】前記減速トルク制御手段は、吸気バルブ、
    排気バルブについて、吸気行程又は排気行程での各バル
    ブの開期間を短くするか或いはバルブリフト量を減少さ
    せて減速トルクを生じさせる請求項1記載の車両のエン
    ジンブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】その都度の車両運転状態に応じて減速トル
    クの目標値を算出する手段を備え、前記減速トルク制御
    手段は、前記算出した目標値に応じてバルブ駆動機構の
    駆動を制御する請求項1又は2記載の車両のエンジンブ
    レーキ制御装置。
  4. 【請求項4】前記減速トルク制御手段は、目標とする減
    速状態に達するまで吸気バルブ、排気バルブの状態を徐
    変させる請求項1乃至3の何れかに記載の車両のエンジ
    ンブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】前記減速トルク制御手段によるバルブ制御
    時において、それと共にエンジンの燃料噴射を停止する
    請求項1乃至4の何れかに記載の車両のエンジンブレー
    キ制御装置。
  6. 【請求項6】低摩擦路の走行時に減速トルクを要する旨
    判定し、前記減速トルク制御手段によるバルブ駆動機構
    の制御を実施する請求項1乃至5の何れかに記載の車両
    のエンジンブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】アクセルオフ且つブレーキオンの状態下で
    車両が加速している時に減速トルクを要する旨判定し、
    前記減速トルク制御手段によるバルブ駆動機構の制御を
    実施する請求項1乃至6の何れかに記載の車両のエンジ
    ンブレーキ制御装置。
  8. 【請求項8】先行車との車間距離を一定に保つよう車両
    の走行速度を制御するクルーズ制御手段を備え、クルー
    ズ制御時において、先行車との車間距離が縮まる時に減
    速トルクを要する旨判定し、前記減速トルク制御手段に
    よるバルブ駆動機構の制御を実施する請求項1乃至7の
    何れかに記載の車両のエンジンブレーキ制御装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の車両のエンジンブレーキ制
    御装置において、前記減速トルク制御手段は、車間距離
    が縮まる時にその縮まりの速度に応じて減速トルクの目
    標値を算出する車両のエンジンブレーキ制御装置。
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