JP2003176363A - 疎水性重合体粒子、その製造方法、および逆相高速液体クロマトグラフィー用カラム - Google Patents

疎水性重合体粒子、その製造方法、および逆相高速液体クロマトグラフィー用カラム

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JP2003176363A
JP2003176363A JP2002282101A JP2002282101A JP2003176363A JP 2003176363 A JP2003176363 A JP 2003176363A JP 2002282101 A JP2002282101 A JP 2002282101A JP 2002282101 A JP2002282101 A JP 2002282101A JP 2003176363 A JP2003176363 A JP 2003176363A
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啓資 間野
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邦明 新保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は新規な製造方法により、極めて高
い酸・アルカリ耐性を有し、重合体粒子自身の膨潤収縮
を低く抑え各種溶媒間でカラム内の溶離液を種々交換し
てもカラム効率を損なわず、しかもシャープな多環芳香
族化合物のクロマトグラムを与える逆相液体クロマトグ
ラフィー用充填剤の提供を目的とするものである。 【解決手段】 水酸基を有する架橋重合体粒子(A)
に、架橋性エポキシ化合物(B)を反応させた後、エポ
キシ結合を加水分解させて得られた水酸基を有する化合
物に、総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)を反応
させて得られる疎水性重合体粒子、その製造方法、逆相
液体クロマトグラフィー用カラム、そのカラムを用いた
分析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は逆相液体クロマトグ
ラフィー用充填剤に最適な、酸・アルカリ耐性に優れた
疎水性重合体粒子、その製造方法、その重合体粒子を充
填した逆相液体液体クロマトグラフィー用カラム、およ
びそのカラムを用いた分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフィーの分離様式の一
つとして、充填剤と分離対象物質との疎水性の相違によ
る保持の強弱に基づき分離する逆相液体クロマトグラフ
ィーが広く知られている。
【0003】従来、逆相液体クロマトグラフィー用の充
填剤としては、シリカゲルのシラノール基にオクタデシ
ル基を持つシランカップリングを用いてオクタデシル基
を導入したもの(以下、「ODS」という。)が広く用
いられてきた。それは機械的な強度に優れた微粒子を比
較的簡単に製造できるためである。
【0004】しかし、シリカゲルはアルカリ耐性が低
く、使用可能な溶離液はpH2〜8の範囲に制限され
る。また、シラノール基すべてにカップリング剤を化学
結合させることは事実上不可能であるため、未反応のシ
ラノール基にアミン等の塩基性化合物が吸着されやすい
という深刻な問題もある。
【0005】アルカリ条件下での取り扱いを向上させる
ために、近年、ポリマー系の逆相液体クロマトグラフィ
ー用充填剤が種々開発され、その一部は逆相液体クロマ
トグラフィー用カラムとして市販されている。以下に例
を挙げる。
【0006】(1)非特許文献1には、スチレン−ジビ
ニルベンゼン共重合体粒子が記載されている。市販例と
しては昭和電工株式会社製Shodex(登録商標)RSpak RP
18-413がある。
【0007】
【非特許文献1】アナリティカル ケミストリー(Anal
ytical Chemistry), 1973年,第45巻,1383頁
【0008】(2)メタクリレート系架橋重合体粒子
(市販例:昭和電工株式会社製Shodex(登録商標)RSpa
k DE-413) (3)ポリビニルアルコール系架橋重合体粒子に長鎖ア
シル基を化学結合させたもの(市販例:昭和電工株式会
社製Shodex(登録商標),Asahipak ODP-40 4D(登録商
標))
【0009】(4)特許文献1には、長鎖アルキル基を
持つメタクリル酸エステル系の共重合体粒子が記載され
ている。
【0010】
【特許文献1】特開2000-9707公報
【0011】(5)特許文献2には、グリシジルメタク
リレートと多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステ
ルの共重合体粒子に長鎖アルキル基を化学結合させたも
のが記載されている。
【0012】
【特許文献2】特開昭61-272654号公報
【0013】(6)特許文献3には、水酸基含有メタク
リレート系架橋重合体粒子に長鎖アシル基を化学結合さ
せたものが記載されている。
【0014】
【特許文献3】特開平4-58154号公報
【0015】これらポリマー系重合体粒子を充填した逆
相液体クロマトグラフィー用カラムは、ODSカラムよ
りも使用可能なpHの範囲は広いものの問題点も少なく
ない。(1)〜(5)の重合体粒子を充填したカラムで
はいずれも多環芳香族化合物のクロマトグラムがブロー
ドになるため、多環芳香族部位をもつ天然物や医薬の分
離分析には好ましくない。また(1)の重合体粒子を充
填したカラムは、重合体粒子自身の各種溶媒間での膨潤
・収縮が激しいため、カラム内の溶離液を種々変化させ
て分離分析を行うことが困難である。
【0016】(2)〜(6)の重合体粒子を充填したカ
ラムでは、酸・アルカリに弱いエステル結合を構造中に
含むため、pH2以下またはpH11以上で長期間使用
すると著しくカラム効率が低下し、しかもアミン等の塩
基性物質のピーク形状が悪くなり、継続的な測定を行え
なくなるという問題がある。
【0017】この問題を回避するには、官能基導入の
際、水酸基を有する重合体粒子に対してエポキシ化合物
を反応させることにより、酸・アルカリに強いエーテル
結合を生成させるのが有効と思われる。そのような方法
としては、(A)水酸化ナトリウム等の塩基を含む水あ
るいはジメチルホルムアミド等の極性有機溶媒中で行う
方法、(B)三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等の
ルイス酸存在下、ジオキサン等のエーテル系溶媒中で行
う方法(例えば、上記(5)の特開昭61-272654号公
報)などが知られている。しかしこれらの方法は反応時
間が長く、また過剰量のエポキシ化合物を用いるために
濾過等の後処理が非常に煩雑であるという問題がある。
さらに上記(5)の場合のように、基材ゲルがポリエス
テル系の場合は長時間、酸やアルカリにさらされるため
に、(A)や(B)の反応を行うと基材粒子自身のエス
テル結合が加水分解により切断され、カルボキシル基が
現れてくる。カルボキシル基が存在する重合体粒子はア
ミン等の塩基性物質を吸着するため、逆相液体クロマト
グラフィー用の充填剤として用いるには不適当である。
以上の問題点をすべて解決した充填剤およびその製造方
法は知られていないため、その確立が急務となってい
た。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は新規な製造方
法により、極めて高い酸・アルカリ耐性を有し、重合体
粒子自身の膨潤収縮を低く抑え各種溶媒間でカラム内の
溶離液を種々交換してもカラム効率を損なわず、しかも
シャープな多環芳香族化合物のクロマトグラムを与える
逆相液体クロマトグラフィー用充填剤の提供を目的とす
るものである。
【0019】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意
検討した結果、(1)水酸基を有する架橋重合体粒子
(A)に架橋性エポキシ化合物(B)を反応させて基材
にコーティングを施した後にオキシラン環を加水分解
し、さらに総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)を
反応させた重合体粒子を充填した逆相液体クロマトグラ
フィー用カラムを用いれば、極めて高い酸・アルカリ耐
性と溶媒交換耐性、および多環芳香族化合物のシャープ
なクロマトグラムを達成できること、(2)架橋性エポ
キシ化合物(B)および総炭素数6〜40のエポキシ化
合物(C)の反応を低極性溶媒中ルイス酸触媒下で行う
と極めて速やかに進行することを新たに見出し上記課題
を解決するに至った。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は次の
事項に関する。 1.水酸基を有する架橋重合体粒子(A)に、架橋性エ
ポキシ化合物(B)を反応させた後、オキシラン環を加
水分解させ、次いで得られた水酸基を有する化合物に、
総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)を反応させて
得られる疎水性重合体粒子。 2.水酸基を有する架橋重合体粒子(A)が、多価アル
コールのポリ(メタ)アクリレートのうち分子内に少な
くとも1個の水酸基を有するもの(I)、グリシジル
(メタ)アクリレート(II)、及び多価アルコールのポ
リ(メタ)アクリレートのうち分子内に水酸基をもたな
いもの(III)から(I)または(II)を必ず含む組み
合わせで選ばれる2種以上のモノマーによる共重合体、
または(I)から選ばれるモノマーの単独重合体のいず
れかである前項1に記載の疎水性重合体粒子。 3.分子内に少なくとも1個の水酸基を有する多価アル
コールのポリ(メタ)アクリレート(I)がグリセリン
ジメタクリレートであり、グリシジル(メタ)アクリレ
ート(II)がグリシジルメタクリレートであり、分子内
に水酸基をもたない多価アルコールのポリ(メタ)アク
リレート(III)がアルキレングリコールジメタクリレ
ートである前項2に記載の疎水性重合体粒子。 4.前記アルキレングリコールジメタクリレートがエチ
レングリコールジメタクリレートである前項3に記載の
疎水性重合体粒子。 5.前記架橋性エポキシ化合物(B)が、エピハロヒド
リンまたはオキシラン環を2個以上含むエポキシ化合物
群から選択される化合物である前項1に記載の疎水性重
合体粒子。 6.前記オキシラン環を2個以上含むエポキシ化合物群
が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジル
エーテル、またはトリグリシジルイソシアヌレートであ
る前項5に記載の疎水性重合体粒子。 7.前記総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)が下
記一般式(1)〜(4) 一般式(1) (式中nは4〜38の整数を示す) 一般式(2) (式中nは3〜37の整数を示す) 一般式(3) (式中nは0〜32の整数を示す) 一般式(4) (式中nは0〜31の整数を示す)からなる群より選択
される化合物である前項1に記載の疎水性重合体粒子。
【0021】8.前記総炭素数6〜40のエポキシ化合
物(C)がステアリルグリシジルエーテルである前項7
に記載の疎水性重合体粒子。 9.平均粒子径が1〜2000μmである前項1乃至8のい
ずれかに記載の疎水性重合体粒子。 10.水酸基を有する架橋重合体粒子(A)に架橋性エ
ポキシ化合物(B)を反応させた後、オキシラン環を加
水分解させ、次いで総炭素数6〜40のエポキシ化合物
(C)を反応させることを特徴とする疎水性重合体粒子
の製造方法。
【0022】11.前記水酸基を有する架橋重合体粒子
(A)が、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
のうち分子内に少なくとも1個の水酸基を有するもの
(I)、グリシジル(メタ)アクリレート(II)、及び
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートのうち分子
内に水酸基をもたないもの(III)から、(I)または
(II)を必ず含む組み合わせで選ばれる2種以上のモノ
マーによる共重合体、または(I)から選ばれるモノマ
ーの単独重合体のいずれかである前項10に記載の疎水
性重合体粒子の製造方法。
【0023】12.前記架橋性エポキシ化合物(B)
が、エピハロヒドリンまたはオキシラン環を2個以上含
むエポキシ化合物群から選択される化合物である前項1
0に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。 13.分子内に少なくとも1個の水酸基を有する多価ア
ルコールのポリ(メタ)アクリレート(I)がグリセリ
ンジメタクリレートであり、グリシジル(メタ)アクリ
レート(II)がグリシジルメタクリレートであり、分子
内に水酸基をもたない多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレート(III)がアルキレングリコールジメタクリ
レートである前項11に記載の疎水性重合体粒子の製造
方法。
【0024】14.前記アルキレングリコールジメタク
リレートがエチレングリコールジメタクリレートである
前項13に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。 15.前記オキシラン環を2個以上含むエポキシ化合物
群が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリ
コールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジ
ルエーテル、またはトリグリシジルイソシアヌレートで
ある前項12に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。
【0025】16.前記総炭素数6〜40のエポキシ化
合物(C)が、前項7に記載の一般式(1)ないし
(4)から選択される化合物である前項10に記載の疎
水性重合体粒子の製造方法。 17.前記総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)
が、ステアリルグリシジルエーテルである前項16に記
載の疎水性重合体粒子の製造方法。 18.前記水酸基を有する架橋重合体粒子(A)とオキ
シラン環を2個以上含むエポキシ化合物群との反応を、
ルイス酸存在下、低極性溶媒中で行うことを特徴とする
前項10に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。
【0026】19.前記総炭素数6〜40のエポキシ化
合物(C)を反応させる際、ルイス酸存在下、低極性溶
媒中で行う前項10に記載の疎水性重合体粒子の製造方
法。 20.低極性溶媒が総炭素数5〜10の炭化水素である
前項18または19に記載の疎水性重合体粒子の製造方
法。 21.ルイス酸の濃度が架橋重合体粒子に対して1〜7
0質量%であることを特徴とする前項18または19に
記載の疎水性重合体粒子の製造方法。
【0027】22.疎水性重合体粒子の平均粒子径が1
〜2000μmである前項10ないし21のいずれかに記載
の疎水性重合体粒子の製造方法。 23.前項1ないし9のいずれかに記載の疎水性重合体
粒子を充填した逆相液体クロマトグラフィー用カラム。 24.前項23に記載の逆相液体クロマトグラフィー用
カラムを用いることを特徴とする多環芳香族化合物を含
む試料の分析方法。
【0028】本発明は逆相液体クロマトグラフィー用充
填剤に最適な、酸・アルカリ耐性に優れた疎水性重合体
粒子、その製造方法、その重合体粒子を充填した逆相液
体クロマトグラフィー用カラムおよびそのカラムを用い
た分析方法に関する。
【0029】本発明に用いる、(I)多価アルコールの
ポリ(メタ)アクリレートのうち少なくとも分子内に一
つの水酸基を有するものとしては、例えば、グリセリン
ジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリストール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロ
パンジメタクリレートなどが挙げられるが、入手のしや
すさ、経済性を考えるとグリセリンジアクリレートまた
はグリセリンジメタクリレートが好ましい。上記化合物
は単独でも2種以上を組み合わせて使用してもかまわな
い。
【0030】(II)グリシジル(メタ)アクリレートと
しては、生成する架橋重合体粒子の化学的強度の観点か
らグリシジルメタクリレートがより望ましい。 (III)多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートの
うち分子内に水酸基を持たないものとしては、例えばエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレートのような(ポリ)アルキレングリ
コールの(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレートなどが挙げられるが、入手のしやす
さ、経済性を考えるとエチレングリコールジメタクリレ
ートが好ましい。上記化合物は単独でも2種以上を組み
合わせて使用してもかまわない。
【0031】本発明において水酸基を有する架橋重合体
粒子(A)に架橋性エポキシ化合物を反応させる場合、
分子内に少なくとも1個の水酸基を有する、多価アルコ
ールのポリ(メタ)アクリレート(I)の単独重合体粒
子または前記(I)の多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレートと前記(III)の分子内に水酸基を持たない
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートとの共重合
体粒子をそのまま後述の架橋性エポキシ化合物と反応さ
せても良いし、前記(I)の多価アルコールのポリ(メ
タ)アクリレートと前記(II)のグリシジル(メタ)ア
クリレート、前記(II)のグリシジル(メタ)アクリレ
ートと前記(III)の分子内に水酸基を持たない多価ア
ルコールのポリ(メタ)アクリレート、または前記
(I)のポリ(メタ)アクリレートと前記(II)のグリ
シジル(メタ)アクリレートと前記(III)の分子内に
水酸基を持たない多価アルコールのポリ(メタ)アクリ
レートモノマーを共重合した後、それらのオキシラン環
を加水分解し、次いで後述の架橋性エポキシ化合物と反
応させてもよい。
【0032】(I)の多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレートと(III)の分子内に水酸基を持たない多価
アルコールのポリ(メタ)アクリレートの共重合体の製
造において、(I)は10質量%以上の範囲で使用する
ことが好ましく、さらに20質量%以上の範囲で使用す
ることが好ましい。(I)の比率が10質量%よりも低
いと総炭素数6〜40の架橋性エポキシ化合物(C)を
反応させた後に得られる重合体粒子は逆相液体クロマト
グラフィー用充填剤としての分離性能が悪く、とりわけ
多環芳香族化合物のピークがブロードになってしまう。
【0033】(I)の多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレートと(II)のグリシジル(メタ)アクリレート
との共重合体の製造において、(I)は30質量%以上
の範囲で使用されることが好ましく、さらに50質量%
以上の範囲で使用することが好ましい。(I)の比率が
30質量%よりも低いと機械的強度が低くなる。
【0034】(II)のグリシジル(メタ)アクリレート
と(III)の分子内に水酸基を持たない多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレートとの共重合体の製造におい
て、(III)は30〜90質量%の範囲で使用すること
が好ましく、さらに50〜80質量%の範囲で使用する
ことが好ましい。(III)の比率が30質量%よりも低
いと機械的強度が低くなり、90質量%よりも高くなる
と、総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)を反応さ
せた後に得られる重合体粒子は逆相液体クロマトグラフ
ィー用充填剤としての分離性能が悪く、多環芳香族化合
物のピークがブロードになってしまう。
【0035】(I)の多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレートと(II)のグリシジル(メタ)アクリレート
と(III)の分子内に水酸基を持たない多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレートとの共重合体の製造におい
て、(I)と(III)の合計は30質量%以上の範囲、
さらに好ましくは50質量%以上の範囲で使用するのが
よい。(I)と(III)の合計が30質量%よりも低い
と機械的強度が低くなる。また同時に(I)と(II)の
合計は10質量%以上の範囲、さらに好ましくは20質
量%以上の範囲で使用されるのがよい。(I)と(II)
の合計が10質量%より低いと、総炭素数6〜40のエ
ポキシ化合物(C)を反応させた後に得られる重合体粒
子は逆相液体クロマトグラフィー用充填剤としての分離
性能が悪く、多環芳香族化合物のピークがブロードにな
ってしまう。
【0036】本発明において(I)多価アルコールのポ
リ(メタ)アクリレートのうち分子内に少なくとも1個
の水酸基を有するもの、(II)グリシジル(メタ)アク
リレート、(III)多価アルコールのポリ(メタ)アク
リレートのうち分子内に水酸基を持たないものは、水と
相溶しない有機溶媒の存在下に水性懸濁重合させ、架橋
性重合体粒子とすることができる(以下(I)、(II)
および(III)を「単量体」ということがある。)。
【0037】本発明において用いる、水と相溶しない有
機溶媒は特に限定されないが、単量体と親和性の高い有
機溶媒を用いるほど架橋重合体粒子の細孔径が小さくな
り、粒子の物理的強度も向上することを考慮すると、イ
ソアミルアルコール、1−ヘキサノール、1−オクタノ
ール、2−エチルヘキサノール、1−デカノール、1−
ドデカノールのような炭素数5〜12のアルコール類を
主成分として用いるのが好ましい。これらの有機溶媒は
単独で、または2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0038】これら有機溶媒は、(I)、(II)及び
(III)の単量体総量に対して10〜300質量%の範
囲で使用できるが、架橋重合体粒子の比表面積、物理的
強度を考慮すると25〜100質量%の範囲が好適であ
る。
【0039】本発明において使用する好適な重合開始剤
としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ジクロロベ
ンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ラウロイルのような
有機過酸化物、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニ
トリル)のようなアゾ系化合物があり、これらの1種ま
たは2種以上が使用できるが、取り扱いのしやすさから
考えるとアゾ系重合開始剤の使用がより好ましい。
【0040】重合開始剤は、単量体総量に対して0.1〜
4質量%の範囲で使用されるが、1〜2質量%の間での
使用が好適である。重合開始剤の量が0.1質量%よりも
少ないと、重合が完結するまでに多大な時間を必要と
し、反対に4質量%以上用いた場合は、重合速度が速い
ため安全上好ましくない。
【0041】また、本発明においては、分散剤として難
溶性リン酸塩、水溶性高分子化合物などを水相に添加す
ることができる。難溶性リン酸塩としては、例えば第三
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどが挙げられ
る。水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルア
ルコール、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセ
ルロース、カルボキシアルキルセルロースなどが挙げら
れる。
【0042】分散剤としては、難溶性リン酸塩と水溶性
高分子化合物のどちらを用いてもかまわないが、中性条
件で洗浄除去が可能という利点から水溶性高分子化合物
を用いるのがより好ましい。水溶性高分子化合物は水に
対して0.01〜3質量%の範囲で用いるのが好まし
い。
【0043】その他、単量体や水と相溶しない有機溶媒
の水への溶解性を低下させる目的のため、水溶性無機塩
を水相に添加することができる。水溶性無機塩は、例え
ば塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウムな
どが挙げられる。これら水溶性無機塩は単独で、または
2種以上組み合わせて使用することができる。用いる塩
類の濃度は特に限定されないが、例えば、塩化ナトリウ
ムであれば使用する水に対して0.5〜15質量%の範囲
で用いるのが好ましい。
【0044】(I)多価アルコールのポリ(メタ)アク
リレートのうち分子内に少なくとも1個の水酸基を有す
るもの、(II)グリシジル(メタ)アクリレート、(II
I)多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートのうち
分子内に水酸基を持たないもの、および重合開始剤は予
め混合しておき、水溶性無機塩を含む水溶液に添加して
分散させる。この場合、目的とする粒子径に応じてホモ
ミキサー等の分散機を使用することができる。
【0045】使用する水の量は単量体と有機溶媒の全量
の1〜50質量倍が好ましいが、分散液の安定性や後の
ろ過工程に要する時間を考えると2〜10質量倍用いる
のが好適である。
【0046】単量体に(II)を用いた場合には、得られ
た架橋重合体粒子のグリシジル基の酸加水分解を行う。
酸触媒としては硫酸、過塩素酸、塩酸、トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸等が例示できるが、取り扱い
のしやすさから塩酸が好適である。
【0047】用いる酸の濃度は0.01〜5Nが好ましく、
0.05〜2Nがより好ましい。0.01Nよりも希薄だと反応
が速やかに進まず、5Nよりも濃いとエステル結合の加
水分解が起こる傾向にある。また、この反応を行う際の
溶媒としては少なくとも10質量%以上の水が含まれて
いれば有機溶媒を併用しても良い。用いられる有機溶媒
としては、酸と水の両方に相溶し、また酸とグリシジル
基に対して不活性なものであれば特に制限はなく、アセ
トン、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等が例として挙げられる。
【0048】用いられる酸溶液の量は架橋重合体粒子が
溶媒に浸されるのに十分な量があれば良く、例えばゲル
質量と同量以上あればよい。反応条件は一概に規定でき
ないが、25〜100℃で3〜10時間行うことが好ま
しい。
【0049】このようにして得られた架橋重合体粒子に
対して、架橋性エポキシ化合物(B)で表面架橋を行
う。この操作は重合体粒子の十分な機械的な強度と極め
て高い酸・アルカリ耐性を付与させるために必要であ
る。
【0050】架橋性エポキシ化合物(B)としては、エ
ピハロヒドリンまたはオキシラン環を2個以上含むエポ
キシ化合物群から選択される化合物が挙げられる。エピ
ハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロ
モヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられる。オキ
シラン環を2個以上含むエポキシ化合物としては、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテ
ル、またはトリグリシジルイソシアヌレート等が挙げら
れる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種以
上を併用してもよい。達成される強度、経済性の両面か
ら考えると、エピクロロヒドリンまたはエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルを用いるのが好ましい。
【0051】架橋性エポキシ化合物(B)としてエピハ
ロヒドリンを用いて表面架橋反応を行うときは、ハロゲ
ン原子を脱離させながら進行させるため、アルカリ水溶
液の存在下で反応させる。アルカリとしてはアルカリ金
属の水酸化物、炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、
および炭酸塩が通常使用される。本反応は、ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シド等の極性有機溶媒と水との混合溶媒中で行っても良
い。
【0052】用いられるエピハロヒドリンの量は架橋重
合体粒子に対して5〜200質量%の間が好ましく、さ
らに好ましくは50〜150質量%の範囲である。5質
量%よりも少ないと表面架橋反応の速度が低くなるた
め、多大な時間がかかり、反対に200質量%よりも多
いと反応後の後処理が極めて煩雑なものとなる。
【0053】用いられるアルカリ水溶液の濃度は5〜4
0質量%が好ましく、製造のしやすさを考えると10〜
30質量%がより好ましい。アルカリ水溶液の量は架橋
重合体粒子が溶媒に浸漬するのに十分な量があれば良
く、例えばゲル質量の2倍量以上あればよい。ジメチル
ホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド等の極性有機溶媒類を加えて反応を行う際にはゲ
ル質量の2倍量以上のアルカリ水溶液を加えた系に、極
性溶媒類を追添して行う。加える量は特に制限されない
が、アルカリ水溶液の0.1〜2倍量加えればよい。反応
時間と温度は25〜100℃で3〜16時間行うことが
好ましい。さらに好ましくは、30〜60℃、5〜12
時間である。
【0054】架橋性エポキシ化合物(B)としてオキシ
ラン環を2個以上含むエポキシ化合物を用いる場合は、
アルカリ性条件下、酸性条件下のどちらでも表面架橋反
応を行うことができる。アルカリ性条件下で表面架橋反
応を行う際の反応条件は、エピハロヒドリンを架橋性エ
ポキシ化合物(B)として用いた場合と全く同じでよ
い。
【0055】一方、酸性条件下で表面架橋を行う方法と
しては、触媒としてルイス酸の存在下で反応させる方法
が挙げられる、ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ
素のエーテル錯体、四塩化スズ、四塩化チタン等が挙げ
られるが、特に制限はない。これらは2種以上を同時に
用いてもかまわない。取り扱いのしやすさを考えると三
フッ化ホウ素のエーテル錯体が最も好ましい。
【0056】表面架橋を行う際に用いられる溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロ
ピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、イソブチルベ
ンゼン、アミルベンゼン、イソアミルベンゼン、ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロペンタン、デカ
リン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、n−ノナ
ン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−
トリデカン、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、n
−オクタデカン等の炭素数5〜18の炭化水素系の溶媒
や、アニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル−
t−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、1,4−
ジオキサン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
トリエチレングリコールジメチル等のエーテル系溶媒の
他、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロ
ベンゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、
o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジ
クロロベンゼン、ジブロモエタン、ジブロモブタン、ジ
ブロモプロパン、ジブロモベンゼン等のハロゲン化炭化
水素などが挙げられる。経済性、取り扱いのしやすさ等
を考慮すると炭化水素系の溶媒またはエーテル系の溶媒
を用いるのが好ましく、反応速度の観点からベンゼン、
トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ
ン、メシチレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタ
ン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン等の総炭素
数6〜10の炭化水素系溶媒を用いるのが更に好まし
い。
【0057】架橋性エポキシ化合物(B)の使用量は、
架橋重合体粒子に対して0.1〜100質量%の間が好ま
しく、さらに好ましくは0.5〜50質量%の範囲であ
る。0.1質量%よりも少ないと表面架橋の効果が現れ
ず、酸・アルカリ耐性が弱くなり、反対に100質量%
よりも多いと反応後の後処理が極めて煩雑なものとな
る。
【0058】溶媒の使用量は架橋重合体粒子が溶媒に浸
されるのに十分な量があれば良く、例えば架橋重合体粒
子質量に対して2倍量以上あればよいが、取り扱いのし
やすさを考えると3〜10倍量が好ましくさらに好まし
くは4〜7倍量の範囲である。
【0059】触媒として用いるルイス酸の濃度は、架橋
性エポキシ化合物(B)に対して0.1〜100質量%の
範囲にあればよいが、反応速度と経済性の観点から1〜
70質量%の範囲が好ましい。反応時間と温度は10〜
100℃で1〜16時間行うことが好ましい。さらに好
ましくは、20〜60℃、2〜10時間である。
【0060】次に、得られた表面架橋重合体粒子のエポ
キシ基の酸加水分解を行う。酸触媒としては硫酸、過塩
素酸、塩酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸
等が例示できるが、取り扱いのしやすさから塩酸が好適
である。
【0061】用いる酸の濃度は0.01〜5Nが好ましく、
0.05〜2Nがより好ましい。0.01Nよりも薄いと反応が
速やかに進まず、5Nよりも濃いとエステル結合の加水
分解が起こる傾向にある。また、この際の溶媒として
は、少なくとも10質量%以上の水が含まれていれば有
機溶媒と併用してもよい。
【0062】用いる有機溶媒としては、酸と水の両方に
相溶し、また酸とオキシラン環に対して不活性なもので
あれば特に制限はなく、アセトン、メチルエチルケト
ン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等が例と
して挙げられる。このようにして得られた表面架橋重合
体粒子に対して、総炭素数6〜40のエポキシ化合物
(C)を反応させ疎水性重合体粒子を得る。
【0063】総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)
としては、一般式(1)ないし(4)で示される化合物
が例示できるが、入手のしやすさから一般式(1)また
は(2)のうち総炭素数6〜22のエポキシ化合物が好
ましく、さらに好ましくは総炭素数8〜18の化合物が
好ましい。
【0064】一般式(1) (式中nは4〜38の整数を示す) 一般式(2) (式中nは3〜37の整数を示す) 一般式(3) (式中nは0〜32の整数を示す) 一般式(4) (式中nは0〜31の整数を示す)
【0065】これらエポキシ化合物と表面架橋重合体粒
子との反応は、アルカリ性条件下でも酸性条件下でも行
えるが、反応速度、反応の再現性の観点から酸性条件下
で行うことが望ましい。代表例は、触媒としてルイス酸
の存在下で反応させる方法であり、ルイス酸としては例
えば三フッ化ホウ素のエーテル錯体、四塩化スズ、四塩
化チタン等が挙げられる。用いるルイス酸は特に制限は
なく、2種以上を同時に用いてもかまわないが、取り扱
いのしやすさから三フッ化ホウ素のエーテル錯体が好ま
しい。
【0066】総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)
と表面架橋重合体粒子との反応の際に用いられる溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシ
レン、p−キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プ
ロピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、イソブチル
ベンゼン、アミルベンゼン、イソアミルベンゼン、ペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロペンタン、デ
カリン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、n−ノナ
ン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−
トリデカン、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、n
−オクタデカン等の炭素数5〜18の炭化水素系の溶媒
や、アニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル−
t−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、1,4−
ジオキサン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
トリエチレングリコールジメチル等のエーテル系溶媒の
他、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロ
ベンゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、
o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジ
クロロベンゼン、ジブロモエタン、ジブロモブタン、ジ
ブロモプロパン、ジブロモベンゼン等のハロゲン化炭化
水素などが挙げられる。経済性、取り扱いのしやすさ等
を考慮すると炭化水素系の溶媒またはエーテル系の溶媒
を用いるのが好ましく、反応速度の観点からベンゼン、
トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ
ン、メシチレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタ
ン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン等の総炭素
数6〜10の炭化水素系溶媒を用いるのが更に好まし
い。エポキシ化合物(C)は1種類を単独で用いてもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
【0067】エポキシ化合物の使用量は、架橋性エポキ
シ化合物(B)に対して10〜2000質量%の間が好まし
く、さらに好ましくは100〜1000質量%の範囲であ
る。10質量%よりも少ないと反応の再現性が乏しくな
り、2000質量%よりも多いと後の洗浄工程が煩雑にな
る。
【0068】用いられる溶媒の量は架橋重合体粒子が溶
媒に浸漬するのに十分な量があれば良く、例えば、架橋
重合体粒子質量の2倍量以上あればよいが、取り扱いや
すさを考えると3〜10倍量が好ましくさらに好ましく
は4〜7倍量の範囲である。
【0069】触媒として用いるルイス酸の濃度は、架橋
性エポキシ化合物(B)に対して0.1〜100質量%の
範囲にあればよいが、反応速度と経済性の観点から1〜
70質量%の範囲が好ましい。反応時間と温度は10〜
100℃で1〜16時間行うことが好ましい。さらに好
ましくは、20〜60℃、2〜10時間である。
【0070】以上のようにして得られた粒径1〜2000μ
m、好ましくは3〜25μmの球状粒子は、必要に応じ
て分級し逆相液体クロマトグラフィー用充填剤として使
用できる。溶離液には水/アセトニトリル、水/メタノ
ール、アセトニトリル/(酸あるいはアルカリ水溶
液)、メタノール/(酸あるいはアルカリ水溶液)等が
用いられる。
【0071】本発明の充填剤を充填したカラムは溶媒間
での膨潤・収縮が十分に抑えられ、また使用可能なpH
範囲が1〜13であり、酸・アルカリ耐性に優れてい
る。さらに、ナフタレンの理論段数に対するピレンの理
論段数の比が0.7以上となり、多環芳香族化合物のピ
ークをシャープにすることができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。
【0073】実施例1: <工程1:基材架橋重合体粒子合成>グリセリンジメタ
クリレート2000gと1−ヘキサノール1000gの混合液
に、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)30g
を溶解させ、油相を調製した。一方、ポリビニルアルコ
ール(クラレ株式会社製クラレポバールPVA−22
4)120gを水3リットルに溶解させ、そこへ水7リ
ットル、次いで塩化ナトリウム240gの水(2L)溶
液を加えて混合し、水相を調製した。20Lのステンレ
ス製容器内で上記油相と上記水相を混合し、高速分散機
(ホモジナイザー)にかけ、回転数と分散時間を調節す
ることにより、油滴の最大粒子径が4μmになるように
調整した。
【0074】次いで、150rpmで撹拌しながら、6
0℃で7時間反応を行った。生成した架橋重合体粒子を
遠心分離(2000rpm、10分間)して上澄みを捨て、
沈澱を70℃の温水12リットルに分散(超音波洗浄器
使用)後、70℃で3時間撹拌した。これを吸引ろ過
し、漏斗上のケーキを70℃の温水60リットル、次い
でアセトン18リットルで洗浄した後、ステンレス製バ
ットに広げて風乾し、さらに60℃で24時間減圧乾燥
した。これを風力分級装置で分級し、平均粒子径4μm
の架橋重合体粒子(以下、「基材ゲル」という。)62
0gを得た。
【0075】<工程2:徹底洗浄>工程1で得られた基
材ゲル50gに純水500mLを加え、60℃で5時間
加熱撹拌した後、粒子をろ取し、70℃の温水2000m
L、メタノール300mLで順次洗浄した。これをステ
ンレス製バットに広げて風乾後、さらに70℃で24時
間減圧乾燥し、徹底洗浄済み基材ゲル48gを得た。
【0076】<工程3:表面架橋>工程2で得られた徹
底洗浄済み基材ゲル20gをトルエン100mLに分散
させ、撹拌しながら、エチレングリコールジグリシジル
エーテル2gを加え室温で30分間撹拌させた。その後
三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体500mgをト
ルエン5mLに溶解させた溶液を滴下し、次いで40℃
で3時間反応を行った。
【0077】不溶物をろ取して、トルエン100mL、
テトラヒドロフラン100mLで順次洗浄後、重合体粒
子をろ取し、300mLビーカーに移した。そこへテト
ラヒドロフラン100mLを加えて超音波洗浄器にて超
音波を10min照射し再度ろ取した。テトラヒドロフ
ラン100mL、アセトン100mLで順次洗浄後、風
乾し、60℃で2時間減圧乾燥を行った(収量21.2
g)。
【0078】<工程4:エポキシ開環反応>工程3で得
られた表面架橋重合体粒子15gを0.05N塩酸水溶液6
0mLに分散させ50℃で1時間撹拌した。得られた粒
子をろ取して、純水500mL洗浄後風乾し、60℃で
2時間減圧乾燥を行った(収量15.5g)。以下これを
「未修飾ゲル」という。
【0079】<工程5:C18化反応>工程4で得られ
た未修飾ゲル15gをトルエン100mLに分散させ、
そこへステアリルグリシジルエーテル105gを加え4
0℃で0.5時間撹拌させた。その後、三フッ化ホウ素の
ジエチルエーテル錯体1gをトルエン5mLに溶解させ
た溶液を加え、40℃で5時間反応させた。トルエン1
00mLを反応容器に加えた後にろ取し、テトラヒドロ
フラン200mLで洗浄後、300mLビーカーに移し
た。そこへテトラヒドロフラン100mLを加えて超音
波洗浄器にて超音波を10min照射し再度ろ取した。
【0080】テトラヒドロフラン100mLで洗浄後、
再度300mLビーカーに移し、変性アルコール/1%
リン酸水素二カリウム水溶液=50/50(v/v)に
分散後、超音波洗浄器にて10分間超音波を照射し、再
度ろ取した。純水500mL、アセトン200mLで洗
浄後、風乾し、60℃で2時間減圧乾燥を行い、C18
化架橋重合体粒子(以下、「修飾ゲル」という)を得た
(収量17.5g)。
【0081】<C18基導入率>未修飾ゲルと修飾ゲル
の各々の元素分析値から計算したC18基の導入率は、
20質量%であった。
【0082】<修飾ゲルの充填>工程5で得られた修飾
ゲルを、内径4.6mm×長さ150mmのステンレス製
カラムにスラリー法で充填し、逆相液体クロマトグラフ
ィー用カラムを作成した(以下「カラムA」とい
う。)。
【0083】<性能測定1:ナフタレンとピレンの理論
段数比>カラムAについて以下に示す逆相液体クロマト
グラフィーの測定条件で、ナフタレンとピレンのピーク
について理論段数の測定を行った。 ・逆相液体クロマトグラフィー測定条件 溶離液:CH3CN/水=65/35(v/v) 流速:1.00mL/min カラム温度:40℃ 検出器:UV 254nm 注入量:5μl
【0084】その結果、各ピークの理論段数は次のよう
な値となった。括弧内は、ナフタレンの値を1としたと
きの比率である。ナフタレン:7300(1.00)、ピレン:
6200(0.85)であった。
【0085】<性能測定2:酸耐性試験>カラムAにつ
いて以下に示す条件で酸耐性試験を行った。 ・溶離液:MeOH/1%トリフルオロ酢酸水溶液(p
H1.2)=10/90(v/v) ・流速:1.00mL/min ・カラム温度:60℃ ・検出器:UV 254nm ・試料:p−ヒドロキシ安息香酸(0.5mg/mL) ・注入量:10μl ・試験時間:70時間
【0086】その結果、p−ヒドロキシ安息香酸の保持
時間は以下のような値となった。括弧内は開始直後のp
−ヒドロキシ安息香酸の保持時間を1としたときの比率
である。試験開始直後:12.6min(1.00)、試験開始
70時間後:12.3min(0.98)であった。
【0087】<性能測定3:アルカリ耐性試験>カラム
Aについて以下に示す条件でアルカリ耐性試験を行い、
試験前後で性能測定1と同条件で測定しピレンの保持時
間を比較した。 ・溶離液:CH3CN/0.1N−NaOH(pH13)=
20/80(v/v) ・流速:0.50mL/min ・カラム温度:25℃ ・試験時間:18時間
【0088】その結果、ピレンの理論段数は次のような
値となった。括弧内は、試験前の値を1としたときの比
率である。アルカリ耐性試験前:11.6min(1.00)、
アルカリ耐性試験18時間経過後:11.6min(1.00)
であった。
【0089】<性能測定4:溶媒交換試験>カラムAに
ついて以下に示す条件で溶媒交換試験を行い、試験前後
で性能測定1と同条件で測定しナフタレンとピレンの理
論段数を比較した。純水とメタノールを0.5mL/mi
nで60分ごとに切り換えて、各々5サイクル繰り返し
た。その結果、各ピークの理論段数は次のような値とな
った。括弧内は、溶媒交換試験を行う前の値と試験前後
の段数の比である。ナフタレン:7300(7300、1.00)、
ピレン:6200(6200、1.00)であった。
【0090】比較例1: <工程1:基材架橋重合体粒子合成>実施例1と同様の
操作を行ない、架橋重合体粒子(以下、「基材ゲル」と
いう。)を得た。 <工程2:徹底洗浄>実施例1と同様の操作を行ない、
徹底洗浄済み基材ゲルを得た。
【0091】<工程3:表面架橋>工程2で得られた徹
底洗浄済み基材ゲル20gとエチレングリコールジグリ
シジルエーテル20gを混合し、室温で30分間撹拌さ
せた。その後1N―NaOH50gを加え、30℃で3
時間撹拌した。ろ取後、純水1000ml、アセトン100
mlで順次洗浄後、60℃で2時間減圧乾燥を行った
(回収量20.7g)。
【0092】<工程4:エポキシ開環反応>及び<工程
5:C18化反応>実施例1と同様の操作を行ない、C
18化架橋重合体粒子(以下、「修飾ゲル」という)を
得た(収量18.1g)。 <C18基導入率>未修飾ゲルと修飾ゲルの各々の元素
分析値から計算したC18基の導入率は、19質量%で
あった。
【0093】<修飾ゲルの充填>実施例1と同様の操作
で充填を行った(以下、「カラムB」という。)。<性
能測定1:ナフタレンとピレンの段数比>カラムBにつ
いて実施例1と同様の条件で試験を行った。その結果、
各ピークの理論段数は次のような値となった。括弧内
は、ナフタレンの値を1としたときの比率である。ナフ
タレン:6900(1.00)、ピレン:5800(0.84)であっ
た。
【0094】<性能測定2:酸耐性試験>カラムBにつ
いて実施例1と同様の条件で試験を行った。その結果、
p−ヒドロキシ安息香酸の保持時間は以下のような値と
なった。括弧内は開始直後のp−ヒドロキシ安息香酸の
保持時間を1としたときの比率である。試験開始直後:
11.4min(1.00)、試験開始70時間後:10.8min
(0.95)であった。
【0095】<性能測定3:アルカリ耐性試験>カラム
Bについて実施例1と同様の条件で試験を行った。その
結果、ピレンの保持時間は次のような値となった。括弧
内は、試験前の値を1としたときの比率である。アルカ
リ耐性試験前:11.0min(1.00)、アルカリ耐性試験
18時間経過後:9.9min(0.90)であった。
【0096】<性能測定4:溶媒交換試験>カラムBに
ついて実施例1と同様の条件で試験を行った。その結
果、各ピークの理論段数は次のような値となった。括弧
内は、溶媒交換試験を行う前の値と試験前後の比であ
る。ナフタレン:6500(6900、0.94)、ピレン:5000
(5800、0.86)であった。
【0097】比較例2: <工程1:基材架橋重合体粒子合成>実施例1と同様の
操作を行ない、架橋重合体粒子(以下、「基材ゲル」と
いう。)を得た。 <工程2:徹底洗浄>実施例1と同様の操作を行ない、
徹底洗浄済み基材ゲルを得た。
【0098】<工程3:C18化反応>工程2で得られ
た徹底洗浄済み基材ゲル20gをトルエン110mLに
分散させ、ピリジン3.9gを加えて3分間超音波をかけ
た。撹拌下、そこへステアリン酸クロリド6.0gを15
分間で滴下し、次いで60℃で5時間反応を行った。不
溶物をろ取して、テトラヒドロフラン(250mL)、
変性アルコール(250mL)、変性アルコール/水=
1/1(250mL)、テトラヒドロフラン(250m
L)、メタノール(250mL)で順次洗浄し、メタノ
ール湿潤修飾ゲル35.57gを得た。
【0099】<工程4:キャッピング処理>工程3で得
られたメタノール湿潤修飾ゲル35.57gを2,2−ジメ
トキシプロパン100mLに分散させ、濃塩酸2.0mL
を加えて3分間超音波をかけた後、50℃で2時間撹拌
した。不溶物をろ取して、メタノール(250mL)、
メタノール/水=1/1(250mL)、メタノール
(250mL)で順次洗浄した。これを風乾後、さらに
60℃で24時間減圧乾燥し、キャッピング処理済み修
飾ゲルを得た(21.03g)。
【0100】<オクタデカノイル基導入率>基材ゲルと
修飾ゲルの各々の元素分析値から、基材ゲルの全水酸基
に対するC18基導入率を算出すると、14質量%であ
った。 <修飾ゲルの充填>実施例1と同様の操作で充填を行っ
た(以下「カラムC」という。)。
【0101】<性能測定1:ナフタレンとピレンの理論
段数比>カラムCについて実施例1と同様の条件で試験
を行った。その結果、各ピークの理論段数は次のような
値となった。括弧内は、ナフタレンの値を1としたとき
の比率である。ナフタレン:15100(1.00)、ピレン:1
2100(0.80)であった。
【0102】<性能測定2:酸耐性試験>カラムCにつ
いて実施例1と同様の条件で試験を行った。その結果、
p−ヒドロキシ安息香酸の保持時間は以下のような値と
なった。括弧内は開始直後のp−ヒドロキシ安息香酸の
保持時間を1としたときの比率である。試験開始直後:
11.9min(1.00)、試験開始70時間後:7.1min
(0.60)であった。
【0103】<性能測定3:アルカリ耐性試験>カラム
Cについて実施例1と同様の条件で試験を行った。その
結果、ピレンの保持時間は次のような値となった。括弧
内は、試験前の値を1としたときの比率である。アルカ
リ耐性試験前:11.0min(1.00)、アルカリ耐性試験
18時間経過後:6.4min(0.58)であった。
【0104】<性能測定4:溶媒交換試験>カラムCに
ついて実施例1と同様の条件で試験を行った。その結
果、各ピークの理論段数は次のような値となった。括弧
内は、溶媒交換試験を行う前の値と試験前後の段数比で
ある。ナフタレン:11500(15100、0.76)、ピレン:62
00(12100、0.51)であった。
【0105】比較例3:工程3を省いた他は実施例1と
同様の方法で合成を行い、表面架橋処理を施していない
修飾ゲル17.1gを得た。ただし、工程4では工程2で得
られた徹底洗浄済み基材ゲル15gを原料として用い
た。 <C18基導入率>表面架橋を施していない基材ゲルと
修飾ゲルの各々の元素分析値から計算したC18の導入
率は、17質量%であった。
【0106】<修飾ゲルの充填>実施例1と同様の操作
で充填を行った(以下、カラムDという。)。 <性能測定1:ナフタレンとピレンの理論段数比>カラ
ムDについて実施例1と同様の条件で試験を行った。そ
の結果、各ピークの理論段数は次のような値となった。
括弧内は、ナフタレンの値を1としたときの比率であ
る。ナフタレン:6900(1.00)、ピレン:5500(0.80)
であった。
【0107】<性能測定2:酸耐性試験>カラムDにつ
いて実施例1と同様の条件で試験を行った。その結果、
p−ヒドロキシ安息香酸の保持時間は以下のような値と
なった。括弧内は開始直後のp−ヒドロキシ安息香酸の
保持時間を1としたときの比率である。試験開始直後:
10.6min(1.00)、試験開始70時間後:8.5min
(0.80)であった。
【0108】<性能測定3:アルカリ耐性試験>カラム
Dについて実施例1と同様の条件で試験を行った。その
結果、ピレンの保持時間は次のような値となった。括弧
内は、試験前の値を1としたときの比率である。アルカ
リ耐性試験前:9.5min(1.00)、アルカリ耐性試験
18時間経過後:6.9min(0.69)であった。
【0109】<性能測定4:溶媒交換試験>カラムDに
ついて実施例1と同様の条件で試験を行った。その結
果、各ピークの理論段数は次のような値となった。括弧
内は、溶媒交換試験を行う前の値と試験前後の比であ
る。ナフタレン:11500(15100、0.76)、ピレン:5100
(6900、0.74)であった。実施例1,2および比較例1
〜3で行った各種評価結果を下表にまとめた。
【0110】
【表1】
【0111】実施例1より得られたカラムAは、ナフタ
レンとピレンの段数比が高く、酸・アルカリ耐性試験後
の保持の低下も見られなかった。さらにポリマー系充填
剤特有の膨潤収縮が抑えられているため、純水とメタノ
ールとの間で溶媒交換を行っても、理論段数の低下が見
られなかった。表面架橋反応をアルカリ条件下で行った
修飾ゲルを充填したカラムCは、カラムAに比較して酸
・アルカリ耐性が低く、溶媒交換耐性も完全でないこと
がわかった。
【0112】
【発明の効果】本発明の逆相液体クロマトグラフィー用
充填剤の製造方法によれば、高性能の逆相液体クロマト
グラフィー用充填剤を製造することができ、本発明の逆
相液体クロマトグラフィー用充填剤を充填してなる逆相
液体クロマトグラフィー用カラムは、極端な低pH領域
でも、高pH領域でも使用可能となった。
【0113】本発明の逆相液体クロマトグラフィー分析
方法を用いることにより、特に医・農薬、食品添加物及
びそれらの中間体、天然または合成ポリマー及びそれら
の添加物及び環境汚染物質の分離・分析などを高精度に
行うことができ、幅広い分野に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D017 AA04 BA05 CA13 CB01 DA03 DB02 4F070 AA46 AB02 AB10 AC35 AC83 DB06 DC15 4G066 AC17A AC22A AE04B BA09 BA20 CA56 DA10 EA01 4J036 AB01 AB02 AK01 AK06 CA28 CD03 FB03 JA15 KA06

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を有する架橋重合体粒子(A)
    に、架橋性エポキシ化合物(B)を反応させた後、オキ
    シラン環を加水分解し、次いで得られた水酸基を有する
    化合物に、総炭素数6〜40のエポキシ化合物(C)を
    反応させて得られる疎水性重合体粒子。
  2. 【請求項2】 水酸基を有する架橋重合体粒子(A)
    が、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートのうち
    分子内に少なくとも1個の水酸基を有するもの(I)、
    グリシジル(メタ)アクリレート(II)、及び多価アル
    コールのポリ(メタ)アクリレートのうち分子内に水酸
    基をもたないもの(III)から、(I)または(II)を
    必ず含む組み合わせで選ばれる2種以上のモノマーによ
    る共重合体、または(I)から選ばれるモノマーの単独
    重合体のいずれかである請求項1に記載の疎水性重合体
    粒子。
  3. 【請求項3】 分子内に少なくとも1個の水酸基を有す
    る多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート(I)が
    グリセリンジメタクリレートであり、グリシジル(メ
    タ)アクリレート(II)がグリシジルメタクリレートで
    あり、分子内に水酸基をもたない多価アルコールのポリ
    (メタ)アクリレート(III)がアルキレングリコール
    ジメタクリレートである請求項2に記載の疎水性重合体
    粒子。
  4. 【請求項4】 前記アルキレングリコールジメタクリレ
    ートがエチレングリコールジメタクリレートである請求
    項3に記載の疎水性重合体粒子。
  5. 【請求項5】 前記架橋性エポキシ化合物(B)が、エ
    ピハロヒドリンまたはオキシラン環を2個以上含むエポ
    キシ化合物群から選択される化合物である請求項1に記
    載の疎水性重合体粒子。
  6. 【請求項6】 前記オキシラン環を2個以上含むエポキ
    シ化合物群が、エチレングリコールジグリシジルエーテ
    ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチ
    レングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロール
    プロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
    ントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリ
    グリシジルエーテル、またはトリグリシジルイソシアヌ
    レートである請求項5に記載の疎水性重合体粒子。
  7. 【請求項7】 前記総炭素数6〜40のエポキシ化合物
    (C)が下記一般式(1)〜(4) 一般式(1) (式中nは4〜38の整数を示す) 一般式(2) (式中nは3〜37の整数を示す) 一般式(3) (式中nは0〜32の整数を示す) 一般式(4) (式中nは0〜31の整数を示す)からなる群より選択
    される化合物である請求項1に記載の疎水性重合体粒
    子。
  8. 【請求項8】 前記総炭素数6〜40のエポキシ化合物
    (C)がステアリルグリシジルエーテルである請求項7
    に記載の疎水性重合体粒子。
  9. 【請求項9】 平均粒子径が1〜2000μmである請求項
    1乃至8のいずれかに記載の疎水性重合体粒子。
  10. 【請求項10】 水酸基を有する架橋重合体粒子(A)
    に架橋性エポキシ化合物(B)を反応させた後、オキシ
    ラン環を加水分解させ、次いで総炭素数6〜40のエポ
    キシ化合物(C)を反応させることを特徴とする疎水性
    重合体粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記水酸基を有する架橋重合体粒子
    (A)が、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
    のうち分子内に少なくとも1個の水酸基を有するもの
    (I)、グリシジル(メタ)アクリレート(II)、及び
    多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートのうち分子
    内に水酸基をもたないもの(III)から、(I)または
    (II)を必ず含む組み合わせで選ばれる2種以上のモノ
    マーによる共重合体、または(I)から選ばれるモノマ
    ーの単独重合体のいずれかである請求項10に記載の疎
    水性重合体粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記架橋性エポキシ化合物(B)が、
    エピハロヒドリンまたはオキシラン環を2個以上含むエ
    ポキシ化合物群から選択される化合物である請求項10
    に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。
  13. 【請求項13】 分子内に少なくとも1個の水酸基を有
    する多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート(I)
    がグリセリンジメタクリレートであり、グリシジル(メ
    タ)アクリレート(II)がグリシジルメタクリレートで
    あり、分子内に水酸基をもたない多価アルコールのポリ
    (メタ)アクリレート(III)がアルキレングリコール
    ジメタクリレートである請求項11に記載の疎水性重合
    体粒子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記アルキレングリコールジメタクリ
    レートがエチレングリコールジメタクリレートである請
    求項13に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記オキシラン環を2個以上含むエポ
    キシ化合物群が、エチレングリコールジグリシジルエー
    テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブ
    チレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロー
    ルプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
    パントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールト
    リグリシジルエーテル、またはトリグリシジルイソシア
    ヌレートである請求項12に記載の疎水性重合体粒子の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記総炭素数6〜40のエポキシ化合
    物(C)が、請求項7に記載の一般式(1)ないし
    (4)から選択される化合物である請求項10に記載の
    疎水性重合体粒子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記総炭素数6〜40のエポキシ化合
    物(C)が、ステアリルグリシジルエーテルである請求
    項16に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記水酸基を有する架橋重合体粒子
    (A)とオキシラン環を2個以上含むエポキシ化合物群
    との反応を、ルイス酸存在下、低極性溶媒中で行うこと
    を特徴とする請求項10に記載の疎水性重合体粒子の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 前記総炭素数6〜40のエポキシ化合
    物(C)を反応させる際、ルイス酸存在下、低極性溶媒
    中で行う請求項10に記載の疎水性重合体粒子の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 低極性溶媒が総炭素数5〜10の炭化
    水素である請求項18または19に記載の疎水性重合体
    粒子の製造方法。
  21. 【請求項21】 ルイス酸の濃度が架橋重合体粒子に対
    して1〜70質量%であることを特徴とする請求項18
    または19に記載の疎水性重合体粒子の製造方法。
  22. 【請求項22】 疎水性重合体粒子の平均粒子径が1〜
    2000μmである請求項10ないし21のいずれかに記載
    の疎水性重合体粒子の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    疎水性重合体粒子を充填した逆相液体クロマトグラフィ
    ー用カラム。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の逆相液体クロマト
    グラフィー用カラムを用いることを特徴とする多環芳香
    族化合物を含む試料の分析方法。
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