JP2003176360A - シランカップリング剤、その製造方法、ガラスと樹脂との接着方法、及び、樹脂接合型光学素子 - Google Patents

シランカップリング剤、その製造方法、ガラスと樹脂との接着方法、及び、樹脂接合型光学素子

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JP2003176360A
JP2003176360A JP2001376257A JP2001376257A JP2003176360A JP 2003176360 A JP2003176360 A JP 2003176360A JP 2001376257 A JP2001376257 A JP 2001376257A JP 2001376257 A JP2001376257 A JP 2001376257A JP 2003176360 A JP2003176360 A JP 2003176360A
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group
resin
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silane coupling
glass
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JP2001376257A
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Akiko Miyagawa
晶子 宮川
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SiO2含有量の低いガラスと樹脂との間の高
い接着性。 【解決手段】第1の構造単位(1)と第2の構造単位
(2)とからなり、一分子中の第1及び第2の構造単位
数はそれぞれ1〜4であるチオール、又は、式(3)若
しくは(4)により表されるアルコールを含む。Xは官
能基、Y1,Y2は加水分解性基、水酸基又はC1 5の炭
化水素基、Z1〜Z5は水酸基又は加水分解性基、R1
13は炭化水素基、Y3〜Y5は2価の有機基、Y6はH
又はフェニル基、a,d,f,h及びjは1〜3の整
数、b及びgは1又は2、iは0又は1。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シランカップリン
グ剤及びその製造方法と、ガラス及び樹脂の接着方法
と、樹脂接合型光学素子とに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、様々な分野で光学素子が用いられ
ており、その用途によっては、従来の単一な光学材料か
らなる光学素子では困難な光学特性を実現する必要があ
る場合がある。そこで、無機ガラスからなる母材の表面
に樹脂層を形成した樹脂接合型レンズや密着複層型回折
光学素子などが多用されるようになってきている。
【0003】しかし、光学素子に用いられる無機ガラス
の表面は、一般に非常に滑らかであり、物理的な接着の
ための十分なアンカー効果を得ることができない。ま
た、無機ガラスと樹脂とはほとんど反応しないため、化
学結合による接着も困難である。そこで、無機ガラスと
樹脂との接着性を高めるため、シランカップリング剤に
より接着対象を表面処理しておくことが一般に行われて
いる。
【0004】この従来用いられているシランカップリン
グ剤は、シラノール基(又は加水分解により脱保護され
てシラノール基になる加水分解性基)と、樹脂に結合す
る結合性官能基とを有する分子構造を有する。このシラ
ンカップリング剤を無機ガラス表面に塗布すると、シラ
ンカップリング剤のシラノールの水酸基が、無機ガラス
表面のシラノール基に結合する。この状態で表面処理後
の無機ガラス表面に樹脂層を成膜すると、無機ガラスに
シロキサン結合したシランカップリング剤の結合性官能
基が樹脂分子と結合することにより、無機ガラスと樹脂
との強固な結合が実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、SiO2成分
の少ないガラスでは、シランカップリング剤と結合しう
るシラノール基が表面に余り露出していないため、シラ
ンカップリング剤で表面処理しても、十分な接着性を得
ることはできなかった。特にSiO2の含有量が50重
量%以下のガラスでは、実用に耐える強度な接着を実現
することは非常に困難であった。
【0006】そこで本発明は、SiO2の含有量が低い
ガラスと樹脂との間であっても高い接着性を実現するこ
とのできるシランカップリング剤及びその製造方法、ガ
ラスと樹脂との接着方法、並びに、樹脂接合型光学素子
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、下記一般式(1)により表される第1
の構造単位と下記一般式(2)により表される第2の構
造単位とからなり、一分子中の上記第1の構造単位の繰
り返し数及び上記第2の構造単位の繰り返し数はそれぞ
れ1〜4であるチオールを含むシランカップリング剤が
提供される。
【0008】
【化1】
【0009】ここで、Xは1価の官能基であり、Y1
びY2はそれぞれ加水分解性基、水酸基又は炭素数1〜
5の炭化水素基であり、R1及びR2はそれぞれアルキレ
ン基である。Xは、メタクリル基、アクリル基、ビニル
基、エポキシ基、アミノ基、ハロアルキル基及びイソシ
アネート基のうちの少なくともいずれかであることが望
ましい。また、加水分解性基はアルコキシル基であるこ
とが望ましい。両末端は、それぞれ、炭素数1〜5の炭
化水素基、加水分解性基又は水酸基などにすることがで
きる。
【0010】さらに本発明では、下記一般式(3)又は
(4)により表されるアルコールを含むシランカップリ
ング剤が提供される。
【0011】
【化2】
【0012】ここで、Z1〜Z5はそれぞれ水酸基又は加
水分解性基であり、R3、R6、R7、R11及びR13はそ
れぞれ炭化水素基であり、R4、R5、R8〜R10及びR
12はそれぞれアルキレン基であり、Y3〜Y5はそれぞれ
下記構造式(5)又は(6)により表される2価の有機
基であり、Y6は水素原子又はフェニル基であり、a,
d,f,h及びjはそれぞれ1〜3の整数であり、b及
びgはそれぞれ1又は2であり、iは0又は1である。
【0013】
【化3】
【0014】また、本発明では、下記一般式(7)によ
り表される第1のシラン化合物を加水分解して得られる
シラノール化合物と、下記一般式(8)により表される
第2のシラン化合物を加水分解して得られるシラノール
化合物とを脱水縮合させる工程を備えるシランカップリ
ング剤の製造方法が提供される。
【0015】
【化4】
【0016】ここで、Xは1価の官能基であり、Y1
びY2はそれぞれ加水分解性基、水酸基又は炭素数1〜
5の炭化水素基であり、R1及びR2はそれぞれアルキレ
ン基であり、Z6〜Z9はそれぞれ加水分解性基である。
【0017】なお、加水分解はシラン化合物又はシラノ
ール化合物の混合の前後いずれに行っても構わない。す
なわち、第1及び第2のシラン化合物をあらかじめ加水
分解してシラノール化合物とし、このシラノール化合物
を混合して脱水縮合させてもよく、第1及び第2のシラ
ン化合物をあらかじめ混合した後、この混合物を加水分
解することにより、同一系内で第1及び第2のシラン化
合物をそれぞれシラノール化合物とし、脱水縮合させて
もよい。
【0018】さらに本発明では、上述した本発明のシラ
ンカップリング剤をガラス表面に結合させた後、該シラ
ンカップリング剤の結合したガラス表面に樹脂層を形成
することにより、ガラスと樹脂とを接着する、ガラスと
樹脂との接着方法が提供される。
【0019】また、本発明では、ガラスからなる第1の
部材と、樹脂からなる第2の部材とを備え、ガラスと樹
脂とが、本発明のシランカップリング剤を介して接着さ
れている樹脂接合型光学素子が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の第1のシランカップリン
グ剤は、下記一般式(1)により表される第1の構造単
位と、下記一般式(2)により表される第2の構造単位
とからなり、一分子中の上記第1の構造単位の繰り返し
数及び上記第2の構造単位の繰り返し数はそれぞれ1〜
4であるチオールを含む。
【0021】
【化1】
【0022】ここで、Xは1価の官能基であり、接着対
象の樹脂に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、エポキシ
基、アミノ基、ハロアルキル基若しくはイソシアネート
基、又はこれらの少なくともいずれかを含む有機基とす
ることができる。Y1及びY2はそれぞれ、加水分解性
基、水酸基又は炭素数1〜5の炭化水素基である。ここ
で加水分解性基とは、加水分解により水酸基となる基で
あり、例えば、メトキシル基、エトキシル基といったア
ルコキシル基(好ましくは炭素数1〜5)が挙げられ
る。R1及びR2はそれぞれアルキレン基(好ましくは炭
素数1〜5であり、直鎖であることが望ましい)であ
る。
【0023】なお、第1の構造単位と第2の構造単位と
は、交互に並んでいてもよく、ランダムに混ざってもよ
く、一方又は両方の構造単位がブロック状に連続してい
てもよい。また、両末端は、それぞれ、炭素数1〜5の
炭化水素基、加水分解性基又は水酸基などにすることが
できる。
【0024】この第1のシランカップリング剤では、官
能基Xにより樹脂との接着を確保しつつ、第2の構成単
位に含まれるメルカプト基の硫黄原子がガラスを構成す
る金属原子等と結合することによって、ガラス表面との
強固な接着が得られる。さらに、本発明の第1のシラン
カップリング剤は、水酸基(加水分解性基の加水分解に
より生成するものを含む)により、ガラス表面のシラノ
ール基と結合することもでき、また、この水酸基によっ
てチオール分子どうしが結合することで、さらに接着性
を向上させることができる。このため、この第1のシラ
ンカップリング剤を用いて表面処理すれば、5重量%以
下のSiO2しか含まない無機ガラスであっても、高い
接着性で樹脂と接合することができる。
【0025】このようなチオールは、例えば、下記一般
式(7)により表される第1のシラン化合物を加水分解
して得られるシラノール化合物と、下記一般式(8)に
より表される第2のシラン化合物を加水分解して得られ
るシラノール化合物とを脱水縮合させ、必要に応じてシ
ラノール基を保護基により保護して加水分解性基とする
ことによって製造することができる。なお、Z6〜Z9
それぞれ加水分解性基である。Z6及びZ7、Z8及びZ9
は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0026】
【化4】
【0027】第1のシラン化合物としては、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシランといったエポ
キシ化合物や、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシランといったアミノ化合物、γ
−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ
−(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシランとい
ったメタクリル化合物などが本発明に好適である。
【0028】第2のシラン化合物としては、メルカプト
メチルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプト化
合物が本発明に好適である。
【0029】本発明の第2のシランカップリング剤は、
下記一般式(3)又は(4)により表されるアルコール
を含む。
【0030】
【化2】
【0031】ここで、Z1〜Z5はそれぞれ水酸基又は加
水分解性基である。ここで加水分解性基とは、加水分解
により水酸基となる基であり、例えば、メトキシル基、
エトキシル基といったアルコキシル基(好ましくは炭素
数1〜5)が挙げられる。R 3、R6、R7、R11及びR
13はそれぞれ炭化水素基であり、炭素数は1〜4である
ことが望ましい。R4、R5、R8〜R10及びR12はそれ
ぞれアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5であり、直
鎖であることが望ましい)である。Y3〜Y5はそれぞれ
下記構造式(5)又は(6)により表される2価の有機
基であり、2本の結合手のうちのいずれが隣接する原子
団の窒素原子に結合していても構わない。Y6は水素原
子又はフェニル基であり、a,d,f,h及びjはそれ
ぞれ1〜3の整数であり、b及びgはそれぞれ1又は2
であり、iは0又は1である。
【0032】
【化3】
【0033】このようなアルコールは、例えば、下記反
応式(9)に示すように、エポキシ基を有するアルコキ
シシラン化合物(式(9)の例ではγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン)とアミノ基を有するアルコ
キシシラン化合物(式(9)の例ではγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン)とを結合させることにより合成
することができる。シラノール基は、必要に応じて保護
基により保護して加水分解性基とすることができる。た
だし、この場合も、シランカップリング処理に先立っ
て、加水分解により脱保護し、水酸基にしておくことが
望ましい。
【0034】
【化5】
【0035】ここで、エポキシ基を有するアルコキシシ
ラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシランなどを用いることができる。
【0036】また、アミノ基を有するアルコキシシラン
化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシランなどを用いることができ
る。
【0037】本発明の接着方法が接着対象とするガラス
は、特に限定されるものではないが、 必要に応じて、
ゾルゲルガラス、無機ガラスなどを適宜用いることがで
きる。なお、光学素子には、通常、屈折率nd=1.4
〜2.0、アッベ数νd=20〜100程度の透明材料
が用いられる。無機ガラスを用いる場合、その組成成分
としては、例えばSiO2、B23、P25、Na2O、
2O、CaO、BaO、MgO、ZnO、PbO、M
nO、Al23、Fe23La23などが挙げられる。
【0038】本発明の接着方法が接着対象とする樹脂
は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、チオウレタン、ポリメタクリレート、ポリ
アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル、不飽和ポリエステル、セルロイド、セルロース
誘導体、ポリイミド、フタル樹脂、ポリカーボネートな
どを適宜用いることができる。
【0039】本発明は、ガラスと樹脂との接合体を含む
ものであれば、どのような樹脂接合型光学素子にも用い
ることができ、例えば、レンズ、プリズム、回折格子、
非球面鏡などに好適である。
【0040】本発明の光学素子は、小型化及び/又は軽
量化が特に要求され、高い光学特性が要求されるスチル
カメラ、ビデオカメラ、それらの交換レンズ、眼鏡レン
ズ、望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡、光ディスク/光磁気ディ
スク読取用ピックアップレンズ等の光学物品に、特に適
している。
【0041】
【実施例】<実施例1>エタノール48gに、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業
(株)製KBM503)1gと、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM8
03)1gとを加え、さらにpH4の酢酸酸性水溶液5
0gを加えて30分間撹拌し、シランカップリング剤を
調製した。得られたシランカップリング剤には、下記チ
オールAが含まれていると考えられる(ただし、m及び
nは1以上の整数であり、メタクリロキシ基を含む構成
単位とメルカプト基を含む構成単位との結合順はランダ
ムである)。
【0042】
【化6】
【0043】続いて、得られたシランカップリング剤
を、主成分がB23(20重量%)及びLa23(50
重量%)であり、SiO2含有量が5重量%のガラスか
らなる、直径30mm、厚さ3mmの丸板ガラス基板の
片面に、スピンコーターを用いて塗布し、直ちにオーブ
ンにより110℃で5分間加熱した。
【0044】次に、このシランカップリング剤により表
面処理した面に、未硬化状態の紫外線硬化型樹脂組成物
を膜厚約200μmで成膜し、10mW/cm2で5分
間紫外線を照射して硬化させて、ガラスと樹脂との接合
体を得た。得られた接合体を塩化メチレン中に30分間
浸漬させたが、ガラスから樹脂が剥離することはなかっ
た。
【0045】なお、感光性樹脂組成物としては、重量平
均分子量800の下記構造式(10)のジメタアクリレ
ート80重量部と、下記構造式(11)のウレタン変性
ヘキサメタクリレート19.5重量部と、アセトフェノ
ン系光開始剤0.5重量部とを混合して調製したものを
用いた。ただし、式(11)においてRは構造式(1
3)により表される1価の有機基である。
【0046】
【化7】
【0047】<比較例1>γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン1gの代わりにγ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン(KBM503)をさらに
1g加えた他は実施例1と同様にして、ガラスと樹脂と
の接合体を得た。
【0048】得られた接合体を、実施例1と同様に塩化
メチレン中に30分間浸漬させたところ、ガラスから樹
脂が剥離していた。
【0049】<実施例2>γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM40
3)6gと、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(信越化学工業(株)製KBE903)2.8gとを混
合し、60℃以上に加熱しながら8時間撹拌した。得ら
れた反応物を1g取り、これにエタノール48gを加
え、さらにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン(信越化学工業(株)製KBM503)1gを加え
た後、加水分解させてシランカップリング剤を調製し
た。
【0050】得られたシランカップリング剤には、下記
アルコールBが含まれていると考えられる(ただし、p
は1以上の整数である)。
【0051】
【化8】
【0052】得られたシランカップリング剤を用い、実
施例1と同様にしてガラスと樹脂との接合体を得た。得
られた接合体を塩化メチレン中に30分間浸漬させた
が、ガラスから樹脂が剥離することはなかった。
【0053】<比較例2>エタノール48gにγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM50
3)を2g加え、さらにpH4の酢酸酸性水溶液を50
g加えて30分間撹拌し、シランカップリング剤を調製
した。このシランカップリング剤を用い、実施例2と同
様にしてガラスと樹脂との接合体を作製し、実施例2と
同様に塩化メチレン中に30分間浸漬させたところ、ガ
ラスから樹脂が剥離していた。
【0054】<実施例3>図1に示すように、鏡筒に取
り付けるための係止部13を外周部に有する凹レンズ形
状のガラス母材10(外径(直径)40mm、中心厚1
mm、最大厚10mm、樹脂層形成面14の曲率18m
m)を用意した。この母材10のガラスの組成は実施例
1と同様である。
【0055】このガラス母材10の凹面14に、実施例
1と同様にして調製したシランカップリング剤を用い、
実施例1と同様にして表面処理を施した後、実施例1と
同様の感光性樹脂組成物を滴下し、ガラス母材10の上
下を反転させて非球面金型の凸面に押し付けて樹脂組成
物を所望の形状に押し広げた後、母材10側から高圧水
銀灯(照度10mW/cm2)で5分間紫外線を照射し
て硬化させて樹脂層11とし、カメラの撮像系用樹脂接
合型レンズ12を作製した。
【0056】得られた樹脂接合型レンズ12を離型した
後、塩化メチレン中に30分間浸漬させたが、ガラス母
材10から樹脂層11が剥離することはなかった。ま
た、得られた樹脂接合型レンズ12は良好な光学特性を
有しており、このレンズを用いてカメラを作製したとこ
ろ、耐候性の高い優れた製品を得ることができた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、SiO2の含有量が低
いガラスを用いる場合であっても、ガラスと樹脂との間
の高い接着性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例3で作製した樹脂接合型レンズの断面
図である。
【符号の説明】
10…ガラス母材、11…樹脂層、12…樹脂接合型レ
ンズ、13…係止部、14…樹脂層形成面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/00 G02B 7/00 F Fターム(参考) 2H043 AE02 4J035 BA02 CA01 CA05 CA11 CA15 CA19 CA21 GA01 LB02 4J040 EK051 EK061 EK071 EK101 GA05 GA11 GA13 GA20 GA24 GA31 MA05 MA10 MB03 MB14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)により表される第1の構
    造単位と、下記一般式(2)により表される第2の構造
    単位とからなり、 一分子中の上記第1の構造単位の繰り返し数及び上記第
    2の構造単位の繰り返し数はそれぞれ1〜4であるチオ
    ールを含むことを特徴とするシランカップリング剤。 【化1】 (ここで、Xは1価の官能基であり、Y1及びY2はそれ
    ぞれ加水分解性基、水酸基又は炭素数1〜5の炭化水素
    基であり、R1及びR2はそれぞれアルキレン基である)
  2. 【請求項2】上記Xは、メタクリル基、アクリル基、ビ
    ニル基、エポキシ基、アミノ基、ハロアルキル基及びイ
    ソシアネート基のうちの少なくともいずれかの有機基で
    あり、 上記加水分解性基はアルコキシル基であることを特徴と
    する請求項1記載のシランカップリング剤。
  3. 【請求項3】下記一般式(3)又は(4)により表され
    るアルコールを含むことを特徴とするシランカップリン
    グ剤。 【化2】 (ここで、Z1〜Z5はそれぞれ水酸基又は加水分解性基
    であり、R3、R6、R 7、R11及びR13はそれぞれ炭化
    水素基であり、R4、R5、R8〜R10及びR12はそれぞ
    れアルキレン基であり、Y3〜Y5はそれぞれ下記構造式
    (5)又は(6)により表される2価の有機基であり、
    6は水素原子又はフェニル基であり、a,d,f,h
    及びjはそれぞれ1〜3の整数であり、b及びgはそれ
    ぞれ1又は2であり、iは0又は1である) 【化3】
  4. 【請求項4】下記一般式(7)により表される第1のシ
    ラン化合物を加水分解して得られるシラノール化合物
    と、下記一般式(8)により表される第2のシラン化合
    物を加水分解して得られるシラノール化合物とを脱水縮
    合させる工程を備えることを特徴とするシランカップリ
    ング剤の製造方法。 【化4】 (ここで、Xは1価の官能基であり、Y1及びY2はそれ
    ぞれ加水分解性基、水酸基又は炭素数1〜5の炭化水素
    基であり、R1及びR2はそれぞれアルキレン基であり、
    6〜Z9はそれぞれ加水分解性基である)
  5. 【請求項5】ガラス表面に請求項1〜3のいずれかに記
    載されたシランカップリング剤を結合させた後、該シラ
    ンカップリング剤の結合したガラス表面に樹脂層を形成
    することにより、上記ガラスと上記樹脂とを接着するこ
    とを特徴とする、ガラスと樹脂との接着方法。
  6. 【請求項6】ガラスからなる第1の部材と、樹脂からな
    る第2の部材とを備え、 上記ガラスと上記樹脂とは、請求項1〜3のいずれかに
    記載されたシランカップリング剤を介して接着されてい
    ることを特徴とする樹脂接合型光学素子。
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