JP2003175094A - マイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置 - Google Patents

マイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置

Info

Publication number
JP2003175094A
JP2003175094A JP2001376814A JP2001376814A JP2003175094A JP 2003175094 A JP2003175094 A JP 2003175094A JP 2001376814 A JP2001376814 A JP 2001376814A JP 2001376814 A JP2001376814 A JP 2001376814A JP 2003175094 A JP2003175094 A JP 2003175094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste
microwave
discharge
heating
sterilization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001376814A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Nishimura
達也 西村
Kenichi Sasaki
賢一 佐々木
Shusaku Hamada
周作 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2001376814A priority Critical patent/JP2003175094A/ja
Publication of JP2003175094A publication Critical patent/JP2003175094A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Accommodation For Nursing Or Treatment Tables (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 廃棄物の種類を問わずに、短時間に滅菌
処理可能なマイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置を提
供する。 【課題】 感染性廃棄物又は食品廃棄物をマイクロ波を
用いて滅菌処理する装置において、マイクロ波発振器1
9及び発振されたマイクロ波16により放電する放電電
極13を有する放電領域11と、19及び16により加
熱する発熱体24を有する加熱領域21と、前記11と
21とに、順次前記廃棄物4を搬送する搬送装置5、1
0、24を配備することとしたものであり、前記11と
21のマイクロ波は、連続又はパルスで照射することが
でき、前記放電電極13は、放電火花を発生させるため
の放電ギャップを有し、また該ギャップを短絡させる機
構を有することができ、前記21には、処理対象物に合
せて処理温度を制御する機構を有し、加熱により発生す
るガスを除去する手段を有することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の滅菌処理
装置に係り、特に、医療廃棄物で感染する恐れのある感
染性廃棄物や、雑菌の発生源となる食品廃棄物を、マイ
クロ波により処理する滅菌処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療廃棄物とは、医療機関における医療
行為に伴って発生する廃棄物であり、このうち、人が感
染したり感染するおそれのある病原体が含まれるもの
や、付着しているものを感染性廃棄物という。感染性廃
棄物は、特別管理廃棄物に位置づけられており、一搬の
廃棄物よりも厳しい管理、処理が義務づけられている。
また、食品残渣などの食品廃棄物は、腐敗による雑菌の
発生源や温床となる可能性が極めて高い。近年、食品リ
サイクル法が施行され、食品廃棄物の再利用が義務化さ
れたため、この再利用に際して滅菌や殺菌処理が重要と
なっている。感染性廃棄物の処理については、従来焼却
方式、乾熱滅菌方式、高圧蒸気方式などが一般的に使用
されている。また、これらの他に、消毒剤を用いる化学
処理方式もある。
【0003】焼却方式は、焼却炉の中で感染性廃棄物を
燃焼し、熱による病原性微生物の滅菌、熱分解による減
容と安定化をはかるものである。感染性廃棄物の年間排
出量は、全産業廃棄物の年間総排出量の1%にも満たな
い量であり、焼却方式は、金属やガラス以外の可燃物や
生体組織などを形態を残さずに処理できるため、従来感
染性廃棄物は、小規模な専用焼却炉による焼却処理が主
流であった。ところが最近になって、焼却に伴うダイオ
キシン類の生成が問題となり、ダイオキシン排出の規制
値が強化されるにいたった。感染性廃棄物処理用の小型
焼却炉は、基準に適合しないものが多く、このため焼却
方式は減少傾向にある。さらに、感染性廃棄物を焼却処
理する場合には、炉の厳密な温度管理が必要であり、適
正処理を行うためには、通常の産業廃棄物に比べて処理
費用は非常に高価なものとなる。
【0004】このような状況の中で、近年感染性廃棄物
処理に関して、焼却方式以外の非焼却方式が注目され始
めている。非焼却方式としては、従来乾熱滅菌方式や高
圧蒸気方式が用いられている。これらの方式は、いずれ
も外部からの加熱によって滅菌を行うものである。乾熱
滅菌方式は、電気ヒータやガスバーナーなどにより発生
させた180℃程度の熱風で、感染性廃棄物を加熱して
滅菌を行う方式である。この方式は、熱による滅菌作用
を有効にするため、滅菌の前に細かく破砕するものや、
溶融固化するもの、溶融固化した後破砕するものなどい
くつかの種類がある。さらに、触媒を加えて、融点の低
い塩ビやゴムが発生するガス・煙を吸着し、処理する工
夫を施した装置もある。
【0005】高圧蒸気による方式は、オートクレーブ方
式とも呼ばれ、従来使用済みの注射器や手術用器具、材
料などの滅菌に用いられてきた。この方式は、密閉容器
中で高圧蒸気により、感染性廃棄物を加熱して滅菌を行
うものである。高圧蒸気方式は、高圧蒸気を細部にまで
浸透させるため、感染性廃棄物を滅菌処理前及び処理中
に破砕する機構を有するものが多い。さらに、最近で
は、容器の壁を二重(ジャケット)にして蒸気を二重壁
の内部の空間に導入し、感染性廃棄物を間接的に加熱・
滅菌する構造の装置がある。この装置の特徴は、感染性
廃棄物に高圧蒸気が直接触れないため、乾燥工程が省略
できることである。また、蒸気吹込み前と蒸気抜取り後
に、容器を真空に減圧する機構を有する装置もある。減
圧の目的は、高圧蒸気の浸入度を高めて加熱スピードを
上げることであり、さらに処理終了後にドライな状態に
するためである。一方、化学処理方式は、次亜塩素酸ナ
トリウム、二酸化塩素、過酢酸、第四アンモニウム塩な
どの消毒剤を用いて病原性微生物を不活化するもので、
感染性廃棄物を破砕して消毒剤に浸潤して非感染化する
方式が一般的である。
【0006】また、最近マイクロ波を感染性廃棄物処理
に応用した装置も開発されており、一部が市販されてい
る。前述の各加熱方式が、外部からの熱伝導による加熱
に対して、マイクロ波による加熱は、物質内部から加熱
する方式であり、加熱効率が良いことや、短時間で昇温
が可能といった利点がある。さらに、マイクロ波の高周
波電界が殺菌作用を持つことも報告されている。ただ
し、病原性微生物に関しての作用については、現時点で
は研究段階であり、実証はされていない。近年わが国に
おいては、微生物の不活化規制値が緩和されたため、こ
のような新しい処理技術も適用可能となっている。前述
のように、感染性医療廃棄物の処理に関して、従来主流
であった焼却方式は非焼却方式へと転換されつつある。
ところが、従来用いられている非焼却方式については、
必ずしも使用者側の要求を満たしていない。
【0007】乾熱滅菌方式、高圧蒸気方式は共に、処理
の形態は、バッチ方式がほとんどである。したがって、
大量処理をする場合には装置が大きくなり、昇温に要す
る時間もかかる。乾熱滅菌方式、高圧蒸気方式は共に、
被加熱物を間接的に加熱するもので、温度上昇は熱伝導
によるものである。すなわち、体積の大きなものなどの
加熱は効果的でない。加熱効率をあげるためには、滅菌
処理前及び処理中に細かく破砕する工程が必要である。
破砕装置は、廃棄物の減容化の点では有効な装置である
が、機械的に不具合を生じる確率が高い部分である。例
えば、滅菌工程の途中で装置が破損した場合には、修理
作業に伴う感染の危険性があるため、装置の復旧が困難
となる。
【0008】一方、近年廃棄物清掃法が改正されたこと
により、特別管理廃棄物についてマニフェスト制度が強
化され、医療機関は不適正処理に関して排出者責任を問
われることになった。医療廃棄物処理ガイドラインで
は、不適正処理防止及び院内感染防止のため、医療機関
に感染性廃棄物の分別を指導している。したがって、各
医療機関では、程度の差はあるものの分別を実施してい
る。乾熱滅菌方式、高圧蒸気方式は前述のようにバッチ
処理であり、滅菌処理前や処理中に破砕処理を行う形態
の装置が多いため、いったん分別された廃棄物が混合さ
れてしまう。そのため、排出側の医療機関としては、分
別に関わる労力が報われていないのが実状である。さら
に、資源リサイクルの観点から考えた場合に、細かく破
砕され混合された廃棄物をリサイクルすることは不可能
である。
【0009】個別的な欠点は、乾熱滅菌方式は加熱効率
が低いため、より高温での処理に移行しつつあるが、こ
れでは焼却方式に近づくことになる。また、高圧蒸気方
式では、生体組織や実験動物の死骸には適用が困難であ
ることや、処理後の廃棄物は湿気を多く含んだ状態なの
で、乾燥工程が必要となる。さらに、処理に際して大量
の排水が発生するが、一搬的にこの排水は、BOD(B
iologicalOxygen Demand;生物
的酸素要求量)値が高いため、下水に放流するためには
排水処理装置が必要となる。化学処理方式は、病原性微
生物の種類により消毒剤の種類、濃度、処理時間が異な
るため、条件設定が複雑なことが欠点である。さらに、
人体に悪影響を及ぼすような消毒剤もあり、使用済みの
消毒剤を処理するため設備やコストに費用がかかり、廃
棄物処理としては矛盾している。一方、マイクロ波方式
は、マイクロ波の性質により金属、ガラス等は直接加熱
できない。さらに、物質により損失係数(ε×tan
δ、ε;比誘電率、tanδ;誘電体損失角)が異なる
ため、温度上昇に差が生じる。このため、処理可能な廃
棄物の種類が限定される。これを解決する手段として、
現在市販されているものは、熱風や高圧蒸気等を併用す
るような構造の装置となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術の問題点を解決するもので、感染性廃棄物等の処理
に、マイクロ波による放電プラズマと加熱を併用し、感
染性廃棄物等を連続あるいは半連続的に処理することに
より、装置の小型化を図ること、マイクロ波放電により
生じるプラズマとマイクロ波加熱により、短時間で金
属、ガラス、プラスチック類、繊維類、紙、生体組織等
の全ての感染性廃棄物等を処理可能とすること、分別の
形態を問わずに処理可能とすること、これらの滅菌処理
を他の物理的な手段を併用せずマイクロ波の照射のみで
行うこと、滅菌処理の前工程及び途中に細かく破砕する
工程を省略すること等ができる廃棄物の滅菌処理装置を
提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、感染性廃棄物又は食品廃棄物を、マイ
クロ波を用いて滅菌処理する装置において、マイクロ波
発振器及び発振されたマイクロ波により放電する放電電
極を有する放電領域と、マイクロ波発振器及び発振され
たマイクロ波により加熱する発熱体を有する加熱領域
と、前記放電領域と加熱領域とに、順次前記廃棄物を搬
送する搬送装置とを配備したことを特徴とする滅菌処理
装置としたものである。前記滅菌処理装置において、放
電領域と加熱領域のマイクロ波は、連続又はパルスで照
射することができ、前記放電電極は、リング形状、コイ
ル形状又は矩形形状で放電火花を発生させるための放電
ギャップを有すると共に、該ギャップを短絡させるため
の機構を有することができ、前記加熱領域には、温度セ
ンサーを設け、処理対象物に合せて処理温度を制御する
機構を有し、又は、加熱により発生するガスを除去する
手段を有するができ、また、前記加熱領域の後に、廃棄
物を減容化する手段を設けてもよい。さらに、本発明で
処理する感染性廃棄物又は食品廃棄物は、分別されてお
り、分別された廃棄物を個別に滅菌処理することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、感染性医療廃棄物等の滅菌処理にマイクロ波
を用いるものであり、マイクロ波によって生じるプラズ
マ中での化学反応とマイクロ波加熱を用いた滅菌装置で
ある。すなわち、滅菌手段が2つの異なる過程を有する
こと、具体的には、第一にマイクロ波放電によって生じ
たプラズマ中のイオン、ラジカル、放射光等の化学反応
によって滅菌する手段、第二に発熱体からの輻射によっ
て感染性廃棄物等を加熱滅菌する手段を採用する。これ
ら二つの滅菌手段は、いずれもマイクロ波照射によって
実現でき、廃棄物の種類によりそれぞれの手段を組合わ
せること、あるいはどちらか一方を選択して用いること
が可能である。以下は、装置構成における各手段の詳細
説明である。
【0013】まず、本発明では、開閉機構を備えた投入
口と感染性廃棄物を前記2つの処理手段まで搬送するた
めの手段を有する。開閉機構は、機械的な仕組みを用い
たもので、自動的に開閉するものである。開閉機構につ
いては電気、圧縮空気などで駆動する構造を採用するこ
とができる。搬送の手段は、代表的にはベルトコンベア
ー様式の構造である。感染性廃棄物等は、搬送の手段に
より第一の手段が実施される場所に搬送される途中にお
いて、オゾンガスを添加する手段により、オゾンガスを
吹き付けられると共に、簡易的な破砕装置により破砕さ
れる。ここでの破砕は、感染性廃棄物等が収容されてい
るビニール袋等を裁断して内容物を露出させる程度のも
のである。また、オゾンを添加する手段は、万一滅菌処
理部分の装置に不具合が生じた場合に、系統内を滅菌し
て装置の復旧作業を容易にするための手段を兼ねたもの
で、通常は使用しなくてもよい。
【0014】次に、第一の手段が実施される領域を、放
電領域と呼称する。当該領域には、プラズマ生成のため
の放電電極が設置される。この電極が、マイクロ波のエ
ネルギーを吸収し、放電により大気圧状態でプラズマを
発生する。電極は、火花放電を生じさせるためのギャッ
プを有する構造、具体的にはリング状、コイル状などの
開ループ形状などが採用される。電極の材質は、典型的
には高融点金属(W、Ta、Mo)が望ましい。感染性
廃棄物中の病原性微生物などは、プラズマに曝されるこ
とにより、プラズマ中のイオン、ラジカル、放射光等の
化学作用を受けて不活化する。さらに、感染性廃棄物が
大量の水分を含む場合には、この水分子がマイクロ波の
エネルギーを吸収して発熱する。この結果、感染性廃棄
物は、内部より加熱され滅菌が行われる。放電領域に
は、マイクロ波を透過させる材質から構成される搬送設
備が配置される。これは、典型的にはベルトコンベアー
様式の構造をなすものである。
【0015】さらに、第二の手段が実施される領域を、
加熱領域と呼称する。ここには、マイクロ波のエネルギ
ーを吸収して発熱する材質からなる部品を配置する。当
該部品は、搬送装置も兼ねるように構成され、典型的に
は、ローラーコンベアー様式の構造をなすものである。
当該部品は、感染性廃棄物を搬送しながらマイクロ波を
吸収し発熱して、間接的に感染性廃棄物を加熱滅菌す
る。加熱領域においては、発熱体に照射するマイクロ波
の出力を制御して、所定の処理温度に維持する。マイク
ロ波の出力制御は、温度センサーにて行い、加熱領域で
は処理温度を上げることで、炭化処理も可能である。さ
らに、当該領域の温度分布を均一にするため、外部より
空気を送り込む導入口と送風手段を設ける。あわせて、
蒸発した水分及び供給した空気の排出口を設け、ここに
蒸発した水分を凝縮させ排出する手段と脱臭のための手
段を設ける。放電領域と加熱領域には、マイクロ波をそ
れぞれ連続的又はパルス的に照射する手段を備える。
【0016】放電領域と加熱領域にて滅菌された感染性
廃棄物は、滅菌系外に排出すると同時に、破砕機等によ
り減容処理する手段を設ける。マイクロ波の漏洩を防止
するために、各処理の段階にシャッター機構等の手段を
設ける。開閉機構と各シャッター機構は、それぞれ連動
し、隣接するものが同時に開かないように制御される。
滅菌処理後においても分別された状態が好ましい場合に
は、分別された状態で半連続的に処理可能な手段を設け
る。本発明に係るプラズマ発生の例を以下に示す。放電
電極は、図4(B)のコイル状のものを使用し、マグネ
トロンの周波数は2.45GHz、出力600Wにて放
電実験を実施した。コイル寸法と放電の形態を図9に示
す。電極を含んだ周囲に、球状のプラズマが発生するこ
とを確認した。
【0017】次に図1〜図8を用いて、本発明の構成を
具体的に説明する。図1は、本発明の装置を用いて滅菌
処理する際の概念図である。図2は、本発明の処理装置
の一例を示す断面構成図である。図2において、1は、
感染性廃棄物の投入口であり、2は密閉蓋、3は、マイ
クロ波を反射する材質(典型的には金属材料)からなる
マイクロ波漏洩防止シャッター、4は感染性廃棄物、5
は、感染性廃棄物を放電領域に導入するための搬送装置
である。6はオゾンガスで、7はオゾンガスの導入口を
示し、8は簡易的な破砕の手段である。9は、放電及び
加熱領域を構成する容器でマイクロ波を反射する材質
(典型的には金属材料)からなる。10は、一例として
図3に示すような構造の放電領域の搬送装置であり、3
2はベルト、33はローラーであり、それぞれマイクロ
波を透過させる材質から構成される。
【0018】11は放電領域を示し、12はマイクロ波
を透過させる材質(耐熱ガラス、陶磁器など)から構成
される円筒であり、プラズマが容器9の内壁に直接接触
することを防止する。13は、一例を図4に示す放電電
極で、図4中、(A)はリング形状、(B)はコイル形
状、(C)は矩形形状のもので、火花放電を発生させる
ため、それぞれ放電ギャップ34(ギャップ間距離は、
典型的に数mm程度)を有する。14は、電極を固定す
るための支持部品で、マイクロ波を透過させる材質(陶
磁器など)からなる。15は、マイクロ波を透過させる
材質(耐熱ガラス、陶器など)から構成される円盤もし
くは、板状の部品であり、蒸気やガスを遮蔽する。16
は、マイクロ波を模擬的に示したものであり、17はア
プリケ一夕で、マイクロ波を反射させ11の放電領域内
に均一に照射させるものである。18はマイクロ波導波
管であり、19はマイクロ波発振器で、電波法で割り当
てられた工業用途の周波数のマイクロ波を発振する。2
0は、温度センサーである。
【0019】21は、加熱領域を示す。22は、21の
加熱領域に空気を送り込むための送風機であり、23は
空気の導入口である。24は、一例として図5に示すよ
うな加熱領域の搬送装置で、35は、ローラーでマイク
ロ波を吸収して発熱する材質(アルミナ、窒化珪素、炭
化珪素など)からなる部品、36は駆動伝達のベルトで
マイクロ波を透過させる材質から構成される。23の空
気導入口から供給された空気は、35のローラーの隙間
を通り抜けて加熱領域内の温度を均一化する。25は、
水分及び空気を排出するため、多孔板状あるいはメッシ
ュ状構造のマイクロ波を反射する材質(典型的には金属
材料)からなる部品である。26は排気口である。27
は蒸発した水分の凝縮器、28は凝縮水の排出口、29
は脱臭装置である。30は減容化のための破砕装置であ
り、31は破砕後の廃棄物の貯蔵容器である。
【0020】図6は、本発明の処理装置の他の例を示す
断面構成図である。図6において、37は、上下方向に
駆動する機構であり、38は湿度センサーである。39
は、一例として図7に示すような構成の放電電極のギャ
ップを短絡させるための機構である。その他の符号は、
図2の処理装置と同様である。38の湿度センサーで感
染性廃棄物等の水分量を測定し、大量の水分を含む場合
(例えば含水率30%以上)には37の駆動機構によ
り、39のギャップ短絡機構を上昇させ放電ギャップを
短絡させる。この結果、火花放電が起こらなくなるた
め、プラズマが発生しなくなる。そして、マイクロ波の
エネルギーは、感染性廃棄物等に含まれる水分に集中的
に吸収され、感染性廃棄物を内部加熱により滅菌する。
内部加熱によって感染性廃棄物等の含有水分が蒸発し、
水分量が減少した場合には、37の駆動機構を下降させ
再び放電ギャップを形成してプラズマを発生させ、プラ
ズマによる滅菌処理を行うことも可能である。
【0021】図8は本発明の処理装置の別の例を示す断
面構成図である。本装置では、分別回収された感染性廃
棄物を、そのままの状態で滅菌処理することが目的であ
る。図8において、41は、感染性廃棄物等を収容する
容器でマイクロ波を透過させる耐熱性の材質(耐熱プラ
スチック、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂
等)からなるものであり、42は取出し口である。その
他の符号は図2の処理装置と同様である。感染性廃棄物
等は分別された種類毎に41の容器に収容され、投入口
より装置に投入され滅菌処理後、42の取出し口より排
出される。このように投入口及び取出し口などの手段を
設け、滅菌処理が行われている間、投入口及び取出し口
の開閉機構は、インターロックにより閉じられる手段を
設ける。これら一連の処理に関わる運転が、プログラム
された手順によって自動的に行われる手段を備えること
ができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による廃棄
物処理装置、特に感染性廃棄物処理装置は、マイクロ波
を効果的に用いることにより、従来の処理装置に比べて
以下の点で有利となる。すなわち、マイクロ波放電によ
り発生するプラズマで廃棄物を処理するため、プラズマ
中のイオン、ラジカル、放射光などによる化学作用で短
時間に病原性微生物を不活化できる。この滅菌機構は、
マイクロ波による内部発熱ではないため、従来のマイク
ロ波照射のみでは、処理が困難であった金属、ガラス、
プラスチック類などの滅菌処理が可能となる。、すなわ
ち、これらの廃棄物は、表面に付着した病原性微生物に
より感染されたものであるため、プラズマによって表面
を浄化することで十分に滅菌できる。また、水分を大量
に含む廃棄物については、プラズマを発生させずに、水
分がマイクロ波を吸収して発熱することによる内部加熱
で、滅菌処理することも可能である。
【0023】さらに、マイクロ波を吸収して発熱する発
熱体による外部からの加熱で滅菌処理が行えるため、滅
菌と同時に乾燥ができる。発熱体の加熱に関しても、マ
イクロ波を使用するため、短時間で昇温が可能となる。
そして、生体組織や実験動物の死骸等に対しては、マイ
クロ波の出力をあげて炭化処理も可能である。上記作用
の異なる滅菌処理を感染性廃棄物等の種類にあわせて適
用することにより、処理の前段階に細かく裁断する破砕
作業を必要とせず、完全な滅菌処理が実現できると共
に、分別された感染性廃棄物等を処理することも可能で
ある。万一、滅菌処理部分に不具合が生じた場合には、
オゾンガスの添加による滅菌が可能なため、装置の復旧
作業について安全性が確保でき、作業も容易である。放
電領域におけるプラズマの発生や加熱領域での温度制御
については、マイクロ波出力を制御することで容易に行
える。前述のように、本発明の滅菌プロセスでは、マイ
クロ波のみを用いるため、連続処理あるいは半連続処理
が可能で、この結果装置が小型化できる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置を用いて滅菌処理する際の概念
図。
【図2】本発明の処理装置の一例を示す断面構成図。
【図3】本発明に用いる搬送装置の一例を示す斜視図。
【図4】本発明に用いる放電電極の各種形状を示す斜視
図。
【図5】本発明の加熱領域に用いる搬送装置の一例を示
す斜視図。
【図6】本発明の処理装置の他の例を示す断面構成図。
【図7】本発明に用いる放電電極のギャップ短絡機構の
一例を示す斜視図。
【図8】本発明の処理装置の別の例を示す断面構成図。
【図9】(a)放電電極を用いた放電実験の模式図、
(b)放電電極の形状を示す斜視図。
【符号の説明】 1:投入口、2:密閉蓋、3:シャッター、4:廃棄
物、5:搬送装置、6:オゾンガス、7:オゾンガス導
入口、8:簡易破砕手段、9:容器、10:搬送装置、
11:放電領域、12:円筒、13:放電電極、14:
支持部品、15:円盤又は板状の部品、16:マイクロ
波、17:アプリケータ、18:マイクロ波導波管、1
9:マイクロ波発振器、20:温度センサー、21:加
熱領域、22:送風機、23:空気導入口、24:搬送
装置、25:マイクロ波漏洩防止部品、26:排気口、
27:凝縮器、28:凝縮水排出口、29:脱臭装置、
30:破砕装置、31:貯蔵容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 19/12 B01J 19/12 A B09B 3/00 A61L 2/20 J ZAB B09B 3/00 303M // A61L 2/20 ZAB 303Z Z (72)発明者 濱田 周作 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 Fターム(参考) 4C058 AA27 BB04 BB06 BB09 CC01 CC02 CC03 CC04 DD02 DD04 EE23 KK04 KK06 KK32 KK50 4C341 LL12 LL13 LL22 4D004 AA04 AA48 AC04 CA04 CA22 CA46 CA48 CB13 CB33 CB45 CB46 CC11 4G075 AA22 AA37 CA02 CA15 CA26 CA47 DA01 DA12 DA13 EA02 EB01 EC21 ED04 ED11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感染性廃棄物又は食品廃棄物を、マイク
    ロ波を用いて滅菌処理する装置において、マイクロ波発
    振器及び発振されたマイクロ波により放電する放電電極
    を有する放電領域と、マイクロ波発振器及び発振された
    マイクロ波により加熱する発熱体を有する加熱領域と、
    前記放電領域と加熱領域とに、順次前記廃棄物を搬送す
    る搬送装置とを配備したことを特徴とする滅菌処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記放電領域と加熱領域のマイクロ波
    は、連続又はパルスで照射することを特徴とする請求項
    1記載の滅菌処理装置。
  3. 【請求項3】 前記放電電極は、リング形状、コイル形
    状又は矩形形状で、放電火花を発生させるための放電ギ
    ャップを有すると共に、該ギャップを短絡させるための
    機構を有することを特徴とする請求項1又は2記載の滅
    菌処理装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱領域には、温度センサーを設
    け、処理対象物に合せて処理温度を制御する機構を有
    し、又は、加熱により発生するガスを除去する手段を有
    することを特徴とする請求項1、2又は3記載の滅菌処
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱領域の後に、廃棄物を減容化す
    る手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の滅菌処理装置。
  6. 【請求項6】 前記感染性廃棄物又は食品廃棄物は、分
    別されており、分別された廃棄物を個別に滅菌処理する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の滅
    菌処理装置。
JP2001376814A 2001-12-11 2001-12-11 マイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置 Pending JP2003175094A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001376814A JP2003175094A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 マイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001376814A JP2003175094A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 マイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003175094A true JP2003175094A (ja) 2003-06-24

Family

ID=19184931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001376814A Pending JP2003175094A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 マイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003175094A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005002639A1 (en) * 2003-06-30 2005-01-13 Luciano Salda Machine and method for treating products with microwaves
JP2007061768A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Mobile System Network:Kk 使い捨て医療器具減容処理装置
JP2008302198A (ja) * 2007-05-07 2008-12-18 Ngk Insulators Ltd 滅菌装置
JP2010149080A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd アスベストの無害化処理方法
JP2011200832A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Nishimatsu Constr Co Ltd アスベスト含有建材の加熱処理システム
WO2017065177A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 サントリーホールディングス株式会社 殺菌システム
EP3686916A1 (en) * 2019-01-25 2020-07-29 Ining s.r.o. Gasification device and plasma shutter with slowing system of the gasification device
US20220184674A1 (en) * 2020-07-16 2022-06-16 Jun Young JOUNG Waste mask treatment device using sterilization part
KR20230082086A (ko) * 2021-12-01 2023-06-08 주식회사 엠투 마이크로웨이브 멸균장치의 투입모듈

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005002639A1 (en) * 2003-06-30 2005-01-13 Luciano Salda Machine and method for treating products with microwaves
JP2007061768A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Mobile System Network:Kk 使い捨て医療器具減容処理装置
JP2008302198A (ja) * 2007-05-07 2008-12-18 Ngk Insulators Ltd 滅菌装置
JP2010149080A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd アスベストの無害化処理方法
JP2011200832A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Nishimatsu Constr Co Ltd アスベスト含有建材の加熱処理システム
WO2017065177A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 サントリーホールディングス株式会社 殺菌システム
JPWO2017065177A1 (ja) * 2015-10-13 2018-07-26 サントリーホールディングス株式会社 殺菌システム
WO2020151774A1 (en) * 2019-01-25 2020-07-30 Ining S.R.O. Gasification device and plasma shutter with a microwave plazma slowing system of the gasification device
EP3686916A1 (en) * 2019-01-25 2020-07-29 Ining s.r.o. Gasification device and plasma shutter with slowing system of the gasification device
CN113348531A (zh) * 2019-01-25 2021-09-03 伊宁有限公司 气化装置和气化装置的具有微波等离子体减速系统的等离子体开关
JP2022510725A (ja) * 2019-01-25 2022-01-27 イニング エス.アール.オー. ガス化デバイス、および当該ガス化デバイスのマイクロ波プラズマ減速システムを有するプラズマシャッタ
JP7025815B2 (ja) 2019-01-25 2022-02-25 イニング エス.アール.オー. ガス化デバイス、および当該ガス化デバイスのマイクロ波プラズマ減速システムを有するプラズマシャッタ
EA039756B1 (ru) * 2019-01-25 2022-03-10 Ининг С.Р.О. Устройство газификации и плазменный затвор с системой замедления микроволновой плазмы устройства для газификации
CN113348531B (zh) * 2019-01-25 2022-07-08 伊宁有限公司 气化装置和气化装置的具有微波等离子体减速系统的等离子体开关
US11393660B2 (en) 2019-01-25 2022-07-19 Ining S.Ro. Gasification device and plasma shutter with a microwave plazma slowing system of the gasification device
US20220184674A1 (en) * 2020-07-16 2022-06-16 Jun Young JOUNG Waste mask treatment device using sterilization part
KR20230082086A (ko) * 2021-12-01 2023-06-08 주식회사 엠투 마이크로웨이브 멸균장치의 투입모듈
KR102637228B1 (ko) * 2021-12-01 2024-02-16 주식회사 엠투 마이크로웨이브 멸균장치의 투입모듈

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0287549B1 (de) Vorrichtung zum Erhitzen von Gegenständen und Organismen
JP3350554B2 (ja) 廃棄物処理装置及び方法
US5543111A (en) Method and apparatus for rendering medical materials safe
US5641423A (en) Radio frequency heating apparatus for rendering medical materials
JP3677659B2 (ja) 医療材料の殺菌方法及び殺菌装置
US5476634A (en) Method and apparatus for rendering medical materials safe
US5523052A (en) Method and apparatus for rendering medical materials safe
KR101926259B1 (ko) 마이크로파 및 열풍을 이용한 의료폐기물처리방법
JP2004337622A (ja) 廃棄物の殺菌または消毒方法及び装置
US20220184674A1 (en) Waste mask treatment device using sterilization part
JP2003175094A (ja) マイクロ波による廃棄物の滅菌処理装置
JPH03173566A (ja) 医療廃棄物の処理方法並びに装置
ES2221847T3 (es) Sistema y procedimiento de esterilizacion por plasma a baja temperatura.
WO1995014496A1 (en) An apparatus and method of waste treatment
JP6989993B1 (ja) 廃棄物分解装置の破砕滅菌装置
JP2010166855A (ja) 穀類の長期保存可能化処理方法及び長期保存可能化処理された穀類並びに穀類の長期保存可能化処理装置
WO2021155727A1 (zh) 一种衣物消毒装置
CN113440632A (zh) 一种医疗垃圾消杀净化处理方法及其控制系统
KR20220055095A (ko) 살균유닛을 이용한 마스크 폐기 처리장치
JP3011786U (ja) 廃棄物処理装置
Laroussi Plasma-based sterilization
CN215206646U (zh) 一种医疗垃圾消杀净化处理装置
JP2001187118A (ja) 医療用処理方法及び装置
RO129984B1 (ro) Metodă şi aparat pentru sterilizarea deşeurilor medicale
JPH05176981A (ja) 医療用具や医療廃棄物の処理方法