JP2003174015A - プラズマエッチング装置、それを用いた半導体装置の製造方法およびそのモニター方法 - Google Patents

プラズマエッチング装置、それを用いた半導体装置の製造方法およびそのモニター方法

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JP2003174015A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のプラズマエッチング装置では、装置内
の高周波印加電極と接続された整合器と高周波電源との
間で電力測定され、反応室のインピーダンスが変化して
もその変化に追従するように整合器のインピーダンスを
制御装置が自動的に調整するため、プロセスの変動や装
置間差を検出できず、デバイスの製造歩留りが変動する
という問題があった。 【解決手段】 高周波電源を有するプラズマエッチング
装置において、高周波電源9の整合器20と装置内の高
周波印加電極3の間に電流および電圧およびその位相差
を検出する手段21を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電源を有す
るプラズマエッチング装置およびそれを用いた半導体装
置の製造方法、さらにプラズマエッチング装置のモニタ
ー方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの集積度の向上に
は目覚しいものがある。しかしながら、集積度の向上に
伴って半導体デバイスの製造におけるプロセスマージン
は狭くなっている。半導体デバイスは、非常に多くの製
造工程と製造装置によって作られる。そのため、製造装
置間の差および製造装置の機器差によって半導体デバイ
スの歩留りが変動することが大きな課題となっている。
【0003】図13は、従来のプラズマエッチング装置
を示す概略図である。図13において、反応室1の内部
に上部電極2および下部電極3を備え、下部電極3上に
半導体基板であるウェーハ4が載置されている。プロセ
スガスは流量計(図示せず)を介して反応室1の内部に
導入される。反応室1の内部のガス圧力を圧力ゲージ5
で測定し、排気ポンプ6と反応室1の間に取り付けられ
た圧力調整バルブ7により、反応室1が所定圧力になる
ように制御装置8で制御する。
【0004】その後に高周波電源9から上部電極2と下
部電極3の間に高周波電力を印加し、プラズマを生成す
る。高周波電力は整合器10によってマッチングをとっ
て上部電極2と下部電極3からなる高周波印加電極に供
給するが、ウェーハ4に到達するプラズマの反射波をで
きるだけ少なくする、言い換えれば最大の電力を供給で
きるように整合器10のインピーダンスを変化させる。
これら一連の作業は制御装置8によって行われる。
【0005】高周波電力は整合器10と高周波電源9の
間にパワーセンサー11を挿入して測定され、パワーメ
ータ12で確認できるが、整合器10と高周波電源9の
間で測定されるため、高周波電力の整合器10における
損失分は考慮されない。従って、下部電極3から入った
正味の電力量は測定できない。また、このような電力測
定は立ち上げ時のみの非定期的な測定であり、プロセス
変動、パーツ交換やメンテナンスにより生じる設備変動
に伴う高周波電力の変動を検出できるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラズマエッチ
ング装置では、反応室1のインピーダンスが変化しても
その変化に追従するように整合器10のインピーダンス
を制御装置8が供給高周波電力が最大になるように自動
的に調整するため、プロセスの変動や装置間差を検出で
きず、半導体デバイスの製造歩留りが変動するという問
題があった。
【0007】本発明は、この課題を解決し、反応室1の
インピーダンスが変化した場合にも半導体デバイスにか
かるインピーダンスを直接測定、解析し、調整すること
により半導体デバイスの製造歩留りが変動しないように
するプラズマエッチング装置およびそれを用いた半導体
装置の製造方法、さらにプラズマエッチング装置のモニ
ター方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマエッチ
ング装置は、高周波電源と、前記高周波電源に接続され
た整合器と、前記整合器と反応室内の高周波印加電極と
の間に前記高周波印加電極に印加される電流および電圧
およびその位相差を検出する検出手段を備えたことを特
徴とする。
【0009】整合器と反応室内の高周波印加電極との間
に検出手段を備えることにより、反応室1のインピーダ
ンスの変化に伴う高周波印加電極に印加される電流およ
び電圧およびその位相差を検出できる。
【0010】また、本発明のプラズマエッチング装置
は、さらに検出手段からの信号を解析する第1の制御手
段を備えたことを特徴とする。
【0011】第1の制御手段で検出手段からの信号を解
析することにより、高周波印加電極に印加されるインピ
ーダンスの調整が可能となる。
【0012】また、本発明のプラズマエッチング装置
は、反応室内のプラズマ発生を制御する第2の制御手段
と第1の制御手段とを接続し、前記プラズマ発生と同期
して経時的に電流および電圧およびその位相差を検出す
ることを特徴とする。
【0013】また、本発明のプラズマエッチング装置
は、フーリエ変換を用いてインピーダンスおよびその高
調波成分を計算することを特徴とする。
【0014】これらにより、高調波成分の影響を除き、
供給高周波電力が最大になるように自動的に調整するこ
とができる。
【0015】また、本発明のプラズマエッチング装置
は、検出手段で検出した電流および電圧から電子密度を
算出する演算手段を備えたことを特徴とする。
【0016】これにより、プラズマエッチング装置の電
子密度が管理可能になり、調整が可能となる。
【0017】本発明のプラズマエッチング装置を用いた
半導体装置の製造方法は、反応室内の下部電極上に被エ
ッチング対象の半導体基板を載置する工程と、前記反応
室の圧力を制御し、上部電極と前記下部電極からなる高
周波印加電極の間に高周波電源によりプラズマを発生さ
せる工程と、前記半導体基板を載置した前記下部電極に
印加される電流および電圧およびその位相差を前記下部
電極に接続した検出手段で検出する工程とを備えたこと
を特徴とする。
【0018】上記製造方法によれば、直接半導体基板を
載置した下部電極での供給高周波電力を見ているので、
プロセスの変動や装置間差を検出し、供給高周波電力を
最大に調整できる。これにより、半導体デバイスの製造
歩留りの変動を防止できる。
【0019】また、本発明のプラズマエッチング装置の
モニター方法は、反応室内のプラズマ発生と同期して、
高周波電源に接続された整合器と反応室内の高周波印加
電極との間に接続された検出手段により前記高周波印加
電極に印加される電流および電圧およびその位相差を経
時的に検出し、エッチング特性の変化を調べることを特
徴とする。
【0020】この構成により、プラズマ発生と同期し
て、直接高周波印加電極での高周波電力を経時的にモニ
ターできるため、反応室内のプラズマ状態および供給高
周波電力を調整できる。
【0021】
【発明の実施の形態】(第一の実施形態)図1は、本発
明の第一の実施の形態であるプラズマエッチング装置を
示す概略図である。図13に示すプラズマエッチング装
置の概略図と同一構成については、同じ番号で示し、詳
細の構成は省略する。本発明のプラズマエッチング装置
においては、反応室1内の上部電極2と下部電極3から
なる高周波印加電極における下部電極3と高周波電力の
整合器20との間に電流電圧位相差センサー21を取り
付けることで、整合器20でのロスを含むことなく、実
際にプラズマエッチング装置に投入した電流および電圧
およびその位相差を検出手段である電流電圧位相差セン
サー21により直接測定でき、電流電圧位相差メーター
22で確認できる。これにより、プラズマエッチング装
置に投入した電力量を検出できる。
【0022】さらに、この電流電圧位相差センサー21
は、主線路とカップリングした副線路を有しており(図
示せず)、この副線路に誘起した誘導電流を測定するこ
とで主線路に流れる電流を測定するものである。つま
り、主線路に流れる電流を直接測定せず、副線路に誘起
した誘導電流を測定する構成であるため、電流電圧位相
差センサー21での損失を考えなくてもよい。さらに、
測定した電流および電圧からその位相差を測定求めるこ
とができる。従って、下部電極3ひいては、下部電極3
の上に設置した被エッチング対象の半導体基板であるウ
ェーハ4に流入する電流および印加電圧を測定できる
し、プラズマインピーダンスを測定することができる。
【0023】(第二の実施形態)図2は、本発明の第二
の実施の形態であるプラズマエッチング装置を示す概略
図である。第一の実施の形態であるプラズマエッチング
装置に対して、制御装置23が電流電圧位相差センサー
21および電流電圧位相差メーター22に接続付加され
ている。この制御装置23を付加することで、電流電圧
位相差センサー21により測定された電力量の測定デー
ターをフーリエ変換することにより電流、電圧およびイ
ンピーダンス値の高調波成分を定量的に抽出できる。ま
た、実際の電流電圧位相差センサー21からの信号から
は数値データーだけでなく、時間に対する信号波形も観
察できるようにしている。なお、この部分に制御装置2
3を取り付けることによる反応室1のインピーダンスの
変動にはほとんど影響を与えない。
【0024】電流、電圧およびインピーダンス値の高調
波成分はプロセス変動に敏感であると考えられる。これ
は、電流、電圧およびインピーダンス値の高調波成分が
ウェーハ4上に形成されたシースの状態を反映するから
であり、このシースによってウェーハ4に入射するイオ
ンのエネルギーが変化するからである。従って、制御装
置23で抽出された電流、電圧およびインピーダンス値
の高調波成分によって、プロセス変動を感知することが
でき、結果的にインピーダンスの変動に対する調整が可
能となる。また、反応室1のプラズマ状態も調整が可能
となる。
【0025】等価回路で考えた場合、プラズマは抵抗
で、上部電極2および下部電極3におけるシースは容量
で表すことができる。さらに、これらの容量と並列にダ
イオードを付加したものが考えられる。しかし、抵抗と
容量の線形素子だけでは、高調波成分などの非線形効果
が現れない。つまり、非線形効果はシースの状態を反映
しているということになる。
【0026】(第三の実施形態)図3は、本発明の第三
の実施の形態であるプラズマエッチング装置を示す概略
図である。第二の実施の形態であるプラズマエッチング
装置に対して、電流・電圧・位相差を測定する電流電圧
位相差センサー21および電流電圧位相差メーター22
を制御する制御装置23と、プラズマエッチング装置の
反応室1の圧力および高周波印加電極に高周波電力を印
加する高周波電源9および整合器20を制御する制御装
置8とを信号線で接続することによりプラズマエッチン
グ装置の稼動および非稼動のオン信号およびオフ信号を
取り込むことができる。それにより、プラズマエッチン
グ装置本体と同期を取って、電流電圧位相差センサー2
1によりプラズマエッチング装置に投入した電流および
電圧およびその位相差を自動的に測定が可能となる。
【0027】電流電圧位相差センサー21による測定結
果に応じて、制御装置8で解析することによりプロセス
変動を感知して、制御装置23にフィードバックし、高
周波電源9による印加電力の調整および反応室1内の圧
力調整により、反応室1内のプラズマ状態を制御でき
る。
【0028】(第四の実施形態)図4は、本発明の第四
の実施の形態であるプラズマエッチング装置を示す概略
図である。第三の実施の形態であるプラズマエッチング
装置に対して、電流・電圧・位相差を測定する電流電圧
位相差センサー21および電流電圧位相差メーター22
の制御装置23にさらに演算装置24を接続付加する。
これにより、使用者が設定したプログラムなどで演算す
ることができる。
【0029】ここでは、プラズマインピーダンス値から
電子密度を導出する場合について説明する。バルクプラ
ズマ中の電流密度Jは以下の式で表される。
【0030】 J=[nee2/{mee+iω)}+iωε0]E …………(1) =[{nee2e-iω)}/{mee 22)}+iωε0]E …………(2) ここで、neは電子密度、meは電子の静止質量、νe
電子と中性粒子との衝突周波数、ωは角周波数、ε0
真空の誘電率、Eは電界強度、iは虚数単位である。こ
こで、νe≫ωなので、 J =[(nee2/meνe 2 )(νe-iω)+iωε0]E …………(3) となる。さらに電極面積をA、電極間距離をLとする
と、電流値I=JA、電圧V=ELであるので、バルク
インピーダンスZは、Z=V/Iとなり、以下のように
なる。
【0031】 Z=L/[A{(nee2/meνe 2)(νe-iω)+iωε0}]…………(4) =(L/A){Bνe /C+iωB/C-iωε0/C}…………(5) ここで、B= nee2/meνe 2、C=(Bνe)220-B)2とおいた。
【0032】上記の式(5)の第一項目の実数部はバル
ク抵抗値を示し、第二項目の虚数部は電子の慣性による
インダクタンスを示し、第三項目はバルク容量を示す。
したがって、バルク抵抗値Rbは、式(6)のようにな
る。
【0033】Rb=LBνe/AC …………(6) さらに、式(6)は1≫ω20-B)2/(Bνe)2なので、バ
ルク抵抗値Rbは式(7)で表され、電子密度neに反比
例することがわかる。
【0034】Rb≒L meνe/A nee2 …………(7) 従って、式(7)からバルク抵抗値Rbを測定すること
で、電子密度neが得られる。以上の計算を演算装置2
4で実行することで、プラズマエッチング装置の電子密
度変化を管理することが可能である。これは、電流電圧
位相差センサー21で測定した電流・電圧・位相差から
バルク抵抗値を算出し、それからプログラミングされた
演算装置24により電子密度neを経時的に演算し、結
果として電子密度neの変化をプラズマエッチング装置
のプラズマ状態の変化として認識できるようになる。こ
れにより、演算装置24は制御装置23を介して製造装
置の制御装置8に接続しており、経時的なモニタリング
が可能となり、かつプラズマ状態の変化に対し、フィー
ドバックされた情報を基に制御装置8で最適なプラズマ
状態になるように制御が行われる。
【0035】従来は、電子密度neは反応室で生成され
たプラズマにラングミューアープローブなどを挿入する
ことによって測定していたが、この場合、プローブ表面
に堆積膜が付着することによって正確に測定できないこ
とや、プローブによるタングステンなどの金属汚染や、
取り付けるためには真空を破らないといけないなどの問
題点が多く、実際の量産現場で使用することが困難であ
った。本発明の実施の形態でのモニター方法によれば、
これらの課題は全て解決できる。
【0036】次に実際の事例、特に反応室の表面に堆積
膜が形成されてプラズマが変化する事例について説明す
る。従来、半導体デバイスはシリコンを主原料として、
酸素、燐、砒素、ボロン、窒素、アルミニュウムといっ
た元素で製造されていたが、集積度および消費電力の低
減など種々の技術課題を克服する過程において新規技術
を開発し、これらの技術の中には、従来の元素以外の元
素を用いるものがある。例えば、配線材料としてアルミ
ニュウム以外に銅を用いる技術がある。
【0037】図5は、第四の実施の形態であるプラズマ
エッチング装置を示す図4を用いて、具体的に反応室1
の壁面に堆積物が付着した事例について説明するための
プラズマエッチング装置の状態を示す概略図である。下
部電極3の上に設置したウェーハ4をプラズマエッチン
グすると反応生成物ができ、蒸気圧の低いものが反応室
1の壁面に付着物25として堆積する。
【0038】反応生成物のうち、アルミニュウムや銅な
どの金属上のシリコン窒化膜やシリコン酸化膜をエッチ
ングするとオーバーエッチング時に金属の一部がイオン
衝撃によってエッチングスパッタされる。パターンのア
スペクト比によるが、アスペクト比が小さいと金属が反
応室1に飛散する。この飛散した金属が反応室1の壁面
に堆積するとプラズマに影響を与え、ウェーハ4の上の
エッチング特性を変化させる。
【0039】ここでは、銅配線上のシリコン窒化膜につ
いて説明する。
【0040】図6は、図5において被エッチング対象と
なる半導体基板であり、銅配線上のシリコン窒化膜を除
去する工程でのウェーハ4の断面構造を示すものであ
る。図6において、半導体基板であるシリコン基板30
の表面にシリコン窒化膜31が形成され、シリコン窒化
膜31の上に銅配線32が形成され、その上にまたシリ
コン窒化膜33が厚さ200nmで形成されている。シ
リコン窒化膜33をエッチングするためにシリコン窒化
膜33の上にレジスト膜34が厚さ1200nmで選択
的に形成されている。
【0041】図6で示した銅付きのウェーハ4をエッチ
ングしてエッチング特性の変化を調べた結果について説
明する。図7は、ウェーハ4上に形成された銅配線32
にシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜およびそれらの
膜上のレジスト膜等の各種絶縁膜のエッチング特性を示
す特性図である。横軸は銅付きウェーハのエッチング時
間、縦軸は各絶縁膜のエッチング速度を表している。
【0042】銅を300秒程度エッチングすると反応室
壁面には、ウェーハ上の表面濃度が1010/cm2から
1011/cm2となるような銅を含む堆積物が付着する
ことがわかっている。このレベルの銅によって、シリコ
ン窒化膜のエッチング速度(SiN rate)は、銅
のエッチング時間が100秒程度過ぎると、エッチング
開始時の1000nm/minと比べると400nm/
minと半分以下に低下する。一方、シリコン酸化膜の
エッチング速度(SiO2 rate)は、逆に約2倍
になる。それらに対し、シリコン窒化膜上のレジスト膜
のエッチング速度(PR1 rate)およびシリコン
酸化膜上のレジスト膜のエッチング速度(PR2 ra
te)は銅のエッチング時間にかかわらずほとんど変化
がない。
【0043】これは銅の触媒効果によって、CF2ラジ
カルが分解し、CFラジカルとフッ素ラジカルになるた
めである。CFラジカルが支配的になるとシリコン窒化
膜表面では酸素がないためにフルオロカーボン層が形成
されやすくなる。しかし、酸素がないためにフルオロカ
ーボン層が分解しない。これによってエッチング速度が
遅くなる。一方、シリコン酸化膜では膜に酸素が含まれ
るため、表面に形成されたフルオロカーボン層は分解さ
れ、SiO2およびCO2といった揮発生成物に転化する
ことが可能となる。これにより、フルオロカーボン層が
円滑に生成・分解できるため、エッチング速度が速くな
る。つまり、シリコン窒化膜の場合は反応律速状態であ
って、よけいにフルオロカーボン層が形成することでエ
ッチング速度が遅くなり、シリコン酸化膜は供給律速状
態であって、よけいにフルオロカーボン層が形成するこ
とでエッチング速度は速くなると考えられる。
【0044】銅の触媒効果について、フッ素、アルゴン
および酸素の発光強度の変化により説明する。図8は、
ウェーハ4の上における銅上のシリコン窒化膜33のエ
ッチング時間に対する各元素の発光強度の変化を示す特
性図である。図8(a)はフッ素の発光強度の変化を示
し、図8(b)はアルゴンの発光強度の変化を示し、図
8(c)は酸素の発光強度の変化を示す。図8(a)は
銅のエッチング時間が長くなる、すなわち反応室壁面に
銅が付着するとフッ素の濃度は大きくなることを示して
いる。
【0045】これは、銅の触媒効果によるCF2ラジカ
ルの分解の結果としてフッ素が生成されることを示すも
のである。また、図8(b)はアルゴンの発光強度も銅
の放出と共に大きくなることを示している。これは銅に
よって電子が捕獲され、電子密度を維持するためにアル
ゴンの解離が進んだためである。図8(c)に示した酸
素の発光強度増加もアルゴンの場合と同様である。
【0046】このような反応室壁面に銅が付着する現象
において、エッチング特性が前述のように変化するが、
同時に電流電圧位相差測定を実施した結果について以下
に述べる。
【0047】図9はウェーハ上における銅上のシリコン
窒化膜のエッチング時間に対してウェーハに流入する電
流値の特性図である。図9(a)は電流値の基本波を示
し、図9(b)は1次高調波、図9(c)は2次高調
波、図9(d)は3次高調波、図9(e)は4次高調波
を示す。電流値は基本波および1次高調波から3次高調
波までは全て銅の放出と共に大きくなっている。これは
プラズマ密度の上昇を反映していると考えられる。4次
高調波はほとんど変化が無く、反応室状態の検出感度が
小さい。
【0048】図10はウェーハ上における銅上のシリコ
ン窒化膜のエッチング時間に対してウェーハに印加され
る電圧値の特性図である。図10(a)は電圧の基本波
を示し、図10(b)は1次高調波、図10(c)は2
次高調波、図10(d)は3次高調波、図10(e)は
4次高調波を示す。電圧の基本波は銅が反応室内に飛散
すると小さくなる。これはプラズマ密度の上昇を反映し
ている。
【0049】図11はウェーハ上における銅上のシリコ
ン窒化膜のエッチング時間に対してウェーハでのインピ
ーダンス値の特性図である。図11(a)はインピーダ
ンス値の基本波を示し、図11(b)は1次高調波を示
し、図11(c)は2次高調波、図11(d)は3次高
調波、図11(e)は4次高調波を示す。インピーダン
ス値も銅が反応室内に飛散すると小さくなる傾向に有
り、プラズマ密度の上昇を反映している。
【0050】インピーダンス値をスミスチャート上に表
すと基本波のインピーダンスの動きは抵抗値の低下と容
量成分が追加されているということがわかる。
【0051】図9、図10、図11からもわかるように
本発明に示したモニタリング方法により随時電流、電圧
を測定し、またはインピーダンスを測定することによ
り、プラズマ状態におけるエッチング状況をモニタリン
グでき、従ってプラズマ状態の最適制御が可能となる。
【0052】また、図12にシリコンのダミーウェーハ
において、ダミー放電を実施することによるエッチング
時間に対し、反応室表面に付着した銅の濃度が減少して
いく過程においてのエッチング速度変動を示している。
【0053】上記の説明では、銅に対する開口面積が大
きい場合について述べたが、ダマシンエッチングの場合
のように開口面積が少ない場合でも、銅が反応室に放出
する場合は同様のことが言えることはいうまでもない。
【0054】また、モニタリング結果を基に制御装置で
自動的にプラズマエッチング装置のプラズマ状態を制御
するものとして説明したが、手動でもよいことはもちろ
んである。
【0055】
【発明の効果】本発明のプラズマエッチング装置におい
ては、半導体基板にエッチング処理を実施する反応室内
の高周波印加電極と高周波電源に接続された整合器の間
に電流および電圧およびその位相差を検出する検出手段
を挿入するので、整合器での損失分を含まず、高周波印
加電極に印加される電流および電圧およびその位相差を
直接測定することで反応室の変化に基づく半導体基板上
でのプロセス変動を検出することができる。また、反応
室内のプラズマ発生を制御する制御手段と連動させるこ
とにより、高周波印加電極での電流および電圧およびそ
の位相差をプラズマ発生と同期して検出することが可能
となり、またその検出結果を基にプラズマ状態の最適化
に向け制御が可能となる。
【0056】これらのプラズマエッチング装置を用いた
半導体装置の製造方法によれば、直接半導体基板を載置
した下部電極での供給高周波電力を見ているので、プロ
セスの変動や装置間差を検出し、供給高周波電力を最大
に調整できる。これにより、半導体デバイスの製造歩留
りの変動を防止できる。
【0057】また、本発明のプラズマエッチング装置の
モニター方法によれば、プラズマ発生と同期して、直接
高周波印加電極での高周波電力を経時的にモニターでき
るため、反応室内のプラズマ状態および供給高周波電力
を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態であるプラズマエッチング装
置を示す概略図
【図2】第二の実施の形態であるプラズマエッチング装
置を示す概略図
【図3】第三の実施の形態であるプラズマエッチング装
置を示す概略図
【図4】第四の実施の形態であるプラズマエッチング装
置を示す概略図
【図5】反応室の壁面に堆積物が付着した場合のプラズ
マエッチング装置の模式図
【図6】銅配線上のシリコン窒化膜を除去する工程での
ウェーハの断面構造を示す図
【図7】銅の増加に伴う各種絶縁膜のエッチング特性を
示す特性図
【図8】シリコン窒化膜のエッチング時間に対する各元
素の発光強度の特性図
【図9】シリコン窒化膜のエッチング時間に対するウェ
ーハに流入する電流値の特性図
【図10】シリコン窒化膜のエッチング時間に対してウ
ェーハに印加される電圧値の特性図
【図11】シリコン窒化膜のエッチング時間に対してウ
ェーハでのインピーダンス値の特性図
【図12】銅の減少に伴うエッチング速度の特性図
【図13】従来のプラズマエッチング装置を示す概略図
【符号の説明】
1 反応室 2 上部電極 3 下部電極 4 ウェーハ 5 圧力ゲージ 6 排気ポンプ 7 圧力調整バルブ 8 制御装置 9 高周波電源 20 整合器 21 電流電圧位相差センサー 22 電流電圧位相差メーター 23 制御装置 24 演算装置 30 シリコン基板 31 シリコン窒化膜 32 銅配線 33 シリコン窒化膜 34 レジスト膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波電源と、前記高周波電源に接続され
    た整合器と、前記整合器と反応室内の高周波印加電極と
    の間に前記高周波印加電極に印加される電流および電圧
    およびその位相差を検出する検出手段を備えたことを特
    徴とするプラズマエッチング装置。
  2. 【請求項2】検出手段は、主線路と、前記主線路とカッ
    プリングした副線路とを有し、前記副線路に誘起した誘
    導電流を測定することで前記主線路に流れる電流を測定
    することを特徴とする請求項1記載のプラズマエッチン
    グ装置。
  3. 【請求項3】検出手段からの信号を解析する第1の制御
    手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ
    エッチング装置。
  4. 【請求項4】反応室内のプラズマ発生を制御する第2の
    制御手段と第1の制御手段とを接続し、前記プラズマ発
    生と同期して経時的に電流および電圧およびその位相差
    を検出することを特徴とする請求項3記載のプラズマエ
    ッチング装置。
  5. 【請求項5】第1の制御手段では、フーリエ変換を用い
    て電流および電圧および位相差の高調波成分を計算する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプラ
    ズマエッチング装置。
  6. 【請求項6】第1の制御手段では、フーリエ変換を用い
    てインピーダンスおよびその高調波成分を計算すること
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載のプラズマ
    エッチング装置。
  7. 【請求項7】検出手段で検出した電流および電圧から電
    子密度を算出する演算手段を備えたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプラズマエッチ
    ング装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の
    プラズマエッチング装置を用いて、反応室内の下部電極
    上に被エッチング対象の半導体基板を載置する工程と、
    前記反応室の圧力を制御し、上部電極と前記下部電極か
    らなる高周波印加電極の間に高周波電源によりプラズマ
    を発生させる工程と、前記半導体基板を載置した前記下
    部電極に印加される電流および電圧およびその位相差を
    前記下部電極に接続した検出手段で検出する工程とを備
    えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】反応室内のプラズマ発生と同期して、高周
    波電源に接続された整合器と反応室内の高周波印加電極
    との間に接続された検出手段により前記高周波印加電極
    に印加される電流および電圧およびその位相差を経時的
    に検出し、エッチング特性の変化を調べることを特徴と
    するプラズマエッチング装置のモニター方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010062579A (ja) * 2002-09-26 2010-03-18 Lam Res Corp プラズマ処理システムをツールマッチングしかつトラブルシュートする方法
US20110198315A1 (en) * 2006-09-04 2011-08-18 Tokyo Electron Limited Plasma processing method
KR101312695B1 (ko) * 2009-08-21 2013-09-27 맷슨 테크놀로지, 인크. 유도 플라즈마 소스
CN109390228A (zh) * 2017-08-04 2019-02-26 应用材料公司 改进的锗蚀刻系统和方法
CN111293024A (zh) * 2018-12-06 2020-06-16 东京毅力科创株式会社 控制方法和等离子体处理装置

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