JP2003173515A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2003173515A
JP2003173515A JP2002276820A JP2002276820A JP2003173515A JP 2003173515 A JP2003173515 A JP 2003173515A JP 2002276820 A JP2002276820 A JP 2002276820A JP 2002276820 A JP2002276820 A JP 2002276820A JP 2003173515 A JP2003173515 A JP 2003173515A
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JP2002276820A
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Hisao Kawai
久雄 河合
Sadaichirou Umezawa
禎一郎 梅澤
Hironao Tanaka
宏尚 田中
Masaki Kamimura
正樹 上村
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Hoya Corp
Hoya Magnetics Singapore Pte Ltd
Original Assignee
Hoya Corp
Hoya Magnetics Singapore Pte Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱揺らぎ特性が良好で、しかも、保磁力角形
比(S*)、パルス幅(PW)、出力(LF)、媒体ノ
イズ(S/N比)といった記録再生特性が良好な磁気記
録媒体を得る。 【解決手段】 基板(ガラス基板)1の表面に所定の表
面粗さを有する同心円状の凹凸を形成し、その上に、プ
リコート層2、シード層3、下地層4、第1の磁性層
5、スペーサ層6、第2の磁性層7、保護層8、潤滑層
9を順次積層した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録再生を
行うための磁気ディスク装置に好適な磁気記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】HDD(ハードディスクドライブ)の高
記録密度化を達成するためには、媒体ノイズの低減が不
可欠である。これまでの媒体ノイズの低減は、日々進歩
する磁気ヘッドの出力特性の改善を助けとし、磁気ディ
スクはMr・t(残留磁化膜厚積)を低減させ、膜構成
や膜材料を改善することにより、実現してきた。
【0003】このMr・tの低減は、R/W(リードラ
イト:読み書き)特性を改善させるためには極めて有効
な手段であるが、同時に熱揺らぎ特性の問題を引き起こ
しつつある。Mr・tの低減、即ち磁性層膜厚の低減
は、磁性層の結晶粒径(グレインサイズ)を微細化し、
媒体ノイズの改善に繋がるが、微細化された結晶粒は、
記録された磁化を保持するのに十分な保磁力(Hc)を
持たなくなり、その結果、記録信号が減衰する現象(熱
揺らぎ)が現れてきた。
【0004】この記録信号が減衰する現象(熱揺らぎ)
を防ぐために、さまざまな膜構成が提案されているが、
最近は、AFC(Anti−Ferro−Couple
d−Film:反強磁性結合膜)構造の技術が注目され
るようになってきた(特開2001−56923号公報
参照)。
【0005】この特開2001−56923には、基板
上に、非磁性分断層(Ru,Rh,Ir等)により上下
に分断された多層構造を有する磁気記録層が形成され、
非磁性分断層により、上下に分断された磁気記録層それ
ぞれの磁化方向は、互いに反平行となるように設定され
ている磁気記録媒体が提案され、熱揺らぎ特性を良好に
することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、AFC構造を
用いた膜は、熱揺らぎ特性は良好であったとしても、構
造上全体の磁性層膜厚が大きくなってしまう。このた
め、この磁性層膜厚の増大により、保磁力角形比(S
*)が小さくなる。また、磁性層膜厚の増大は、磁性層
のグレインサイズを増大させ、媒体ノイズ(S/N比)
も悪化させる。また、出力(LF)やパルス幅(PW)
も悪化する傾向にある。このようなことから、これらの
記録再生特性は、将来の高記録密度化の要求を必ずしも
満足するものではない。本発明は、上述の背景のもとで
なされたものであり、熱揺らぎ特性が良好で、しかも、
保磁力角形比(S*)、パルス幅(PW)、出力(L
F)、媒体ノイズ(S/N比)といった記録再生特性が
良好な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの手段として、第1の手段は、基板上に少なくとも反
強磁性交換相互作用を制御する強磁性材料からなる第1
の磁性層と、強磁性材料からなる第2の磁性層と、前記
第1の磁性層と第2の磁性層との間に形成されて反強磁
性交換相互作用を誘導するスペーサ層と、を有する磁気
記録媒体であって、前記基板の磁性層を形成する側の主
表面上に、前記スペーサ層の面内膜厚分布を良好にする
ように、所定の表面粗さを有する同心円状の凹凸が形成
されていることを特徴とする磁気記録媒体である。第2
の手段は、前記同心円状の凹凸の表面粗さは、最大高さ
Rmax=1.5〜10nmであることを特徴とする第
1の手段にかかる磁気記録媒体である。第3の手段は、
前記同心円状の凹凸の半径方向のピッチが、0.005
〜0.05μmであることを特徴とする第1又は第2の
手段にかかる磁気記録媒体である。第4の手段は、前記
同心円状の凹凸の半径方向のピッチが、磁性層の結晶粒
径に対し略規則的に形成されていることを特徴とする第
1〜第3の手段にかかる磁気記録媒体である。第5の手
段は、前記基板はガラス基板であって、前記同心円状の
凹凸は該ガラス基板表面に直接形成されたものであるこ
とを特徴とする第1〜第4のいずれかの手段にかかる磁
気記録媒体である。
【0008】通常、基板は媒体のグライド特性を満足さ
せる為に、鏡面研磨が行われる。研磨はスループットを
高める為に大型の研磨装置を使用し、1度に大量の基板
が処理される。この方法で得られる基板表面は、微小な
凹凸(Rmax=2〜7nm)がランダムに形成された
ものとなる。
【0009】これに対して、本発明におけるガラス基板
上にテクスチャーを形成した基板表面は、トラック方向
に一様な平面が形成され、半径方向に山の凹凸が規則的
に形成される。反強磁性膜結合の膜構成においては、第
1の磁性層と第2の磁性層の磁気モーメントが互いに反
平行となる事で熱揺らぎ特性を改善できる。図6に示さ
れるように、この反強磁性結合膜を理想的なものとする
為には、第1の磁性層50と第2の磁性層70とが正確
に平行に成膜される事と、それらの間に挿入されるスペ
ーサ層60の膜厚が均一に成膜されることが望ましい。
【0010】反強磁性結合膜を、同心円テクスチャーを
形成したものとそうでないものとの2種類の基板上に成
膜した場合、同心円テクスチャーを形成した基板を用い
た媒体のR/W特性は、通常の研磨基板上に成膜したも
のと比較し、LF、S*の増大、PWの改善を示した。
この改善の度合いは、これまでの膜では見られなかった
程に大きく、反強磁性膜結合の膜構成と同心円テクスチ
ャーの組み合わせが相乗効果を持つ事で達成できたもの
と思われる。
【0011】この相乗効果のメカニズムは下記のように
推測される。通常研磨基板は、微小な凹凸がランダムに
有る為に、その上に成膜される膜もこれらの凹凸を引き
継いで形成される。図7に示されるように、グレイン7
1のサイズから見た場合、決してこの微小な凹凸は小さ
くなく、凹凸の各微小部分で上下磁性層が平行になり、
それぞれの部分で反強磁性相互作用が形成され、1つの
グレイン71は微小な反強磁性結合61の合計となって
振舞う。
【0012】ところが、同心円テクスチャーを形成した
基板は、図8及び図9に示されるように、トラック方向
にほぼグレインサイズに等しい平面が形成されるため、
グレインの大きさで反強磁性結合膜を形成する。この理
想的な反強磁性結合により上部磁性層の面内配向性は改
善され、LFの増大と、S*、PWの改善をもたらすも
のと考えられる。すなわち、これまでの膜構成が、面内
配向性の改善のみであったものが、反強磁性結合膜に於
いては、面内配向性に加え、反強磁性相互作用をも改善
する事で、LF、PWだけではなく、熱揺らぎ特性も大
きく改善したものと考えられる。
【0013】また、これらのグレインはTEM(透過型
電子顕微鏡)で観察する限り、ピッチの形状は横方向
(半径方向)の成長に影響を与えるようで、ピッチが細
かいほど半径方向のグレイン成長が抑えられ、全体にグ
レインが小さくなる傾向にある。この為、テクスチャー
のピッチを適度に調整する事により、グレインの平均粒
径と分散を小さくすることができ、その結果、S/N比
を向上させることができる。ただし、過度にピッチを小
さくした場合、グレインが小さくなりすぎてかえって、
熱揺らぎ特性を悪化させるので好ましくない。また、テ
クスチャーの高さが大きくなりすぎると、薄い保護膜で
は表面を完全にカバーできなくなり、耐コロージョン特
性の悪化を招く事になる。
【0014】なお、本発明においてピッチとは、凹凸の
山と山との間の間隔(水平距離)の事である。即ち、本
発明においては、基板表面は、トラック方向に一様な平
面が形成され、半径方向に山の凹凸が略規則的に形成さ
れているが、ピッチとは、前記半径方向の山と山との間
隔(水平距離)のことである。
【0015】本発明において、表面粗さ、ピッチはAF
M(原子間力顕微鏡)で測定するのが好ましい。AFM
で測定した結果を用いることにより、基板表面の微細形
状、特にグレインのサイズ相当の微細形状が計測できる
ので本発明にとって好適である。
【0016】また、テクスチャの効果は、ガラス表面の
不純物を取り除く作用もあると思われる。通常、成膜前
のガラス基板は、アルカリ洗剤を用いたスクラフ゛処理
により、表面の有機物が取り除かれるのであるが、局所
的には、これらの洗浄では充分に不純物が落とせない場
合がある。実際、基板の保管場所、保管期間、大気中の
湿度(或いは汚染物濃度)の違いにより、基板表面の汚
れ方は大きく異なってくる。この洗浄前の基板表面状態
の違いが、洗浄後の基板表面にも反映されることにな
る。
【0017】しかし、基板表面にテクスチャを付ける事
で、基板表面の不純物を機械的に研磨し取り除くことが
できる。AFM(原子間力顕微鏡)での観測から、適度
にテクスチャを加えた物は、ガラスの表面モホロジーを
残していない様子を知ることができる。この表面不純物
の除去は、粒成長の均一性をもたらし、S/N比を改善
することになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例にかかる磁
気記録媒体について説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1にかかる磁気記録
媒体の構成を示す図である。図1に示すとおり、実施例
の磁気記録媒体は、基板(ガラス基板)1上に、プリコ
ート層2、シード層3、下地層4、第1の磁性層5、ス
ペーサ層6、第2の磁性層7、保護層8、潤滑層9を順
次積層したものである。
【0019】ガラス基板1は化学強化されたアルミノシ
リケートガラスであって、基板表面には同心円状に最大
高さRmax=3.4nm、ピッチ0.02μm(原子
間力顕微鏡(AFM)にて測定)の溝が形成されてい
る。図2はガラス基板1の表面の原子間力顕微鏡による
画像を示す図である。
【0020】プリコート層2はCr合金のアモルファス
層(膜厚300オングストローム)からなる。シード層
3はAl合金薄膜(膜厚250オングストローム)から
なる。
【0021】下地層4は、CrW薄膜(膜厚100オン
グストローム)で、磁性層の結晶構造を良好にするため
に設けられている。このCrWの下地層4は、Cr:9
0at%、W:10at%の組成比で構成されている。
なお、CrW下地層4は、CrW下地層4の結晶粒の微
細化を促進させるため、0.75%のCO2とAr混合
ガス雰囲気中でスパッタ成膜したものである。
【0022】第1の磁性層5は、強磁性のhcp構造か
らなるCoCr薄膜(膜厚:25オングストローム)
(Cr<22at%)である。
【0023】該CoCr薄膜の組成は、Co:82at
%、Cr:18at%である。
【0024】スペーサ層6は、Ru膜(膜厚7オングス
トローム)である。
【0025】第2の磁性層7は、CoCrPtB合金薄
膜(膜厚:150オングストローム)で、Co、Cr、
Pt、Bの含有量はそれぞれ、Co:61at%、C
r:20at%、Pt:12at%、B:7at%であ
る。
【0026】保護層8は、磁性層が磁気ヘッドとの接触
によって劣化することを防止するためのものであり、膜
厚45オングストロームの水素化カーホ゛ン膜からな
る。また、潤滑層9は、パーフルオロポリエーテルの液
体潤滑剤からなり、この膜によって磁気ヘッドとの接触
を緩和している。尚、膜厚は8オングストロームであ
る。
【0027】次に、上述の構成からなる磁気記録媒体の
製造方法について説明する。まず、低温型イオン交換に
よって化学強化したガラス基板の主表面を精密研磨した
後、テープ式のテクスチャ装置によって、表面に同心円
状の溝を形成する(最大高さRmax=3.4nm、ピ
ッチ0.02μm)。
【0028】図3は実施例1で用いるテープ式のテクス
チャ装置の概略図である。図3に示されるように、本実
施例で使用するテープ式テクスチャ装置は、スピンドル
101に固定されたガラス基板1を回転させるととも
に、スラリー滴下口102より研磨剤(ダイヤモンド砥
粒、研磨剤の平均粒径=0.1μm)をテープ103に
供給し、ガラス基板1の両主表面を、ローラ104に巻
きつけられたテープ103によってはさむことで、ガラ
ス基板1の主表面に同心円状の溝を形成する。テープ1
03を巻きつけたローラ104は、一定の回転速度で回
転しており、常にテープ103の新しい面が基板に接触
するようにしている。
【0029】次に、このガラス基板の主表面上に静止対
向型スパッタリング装置によって、プリコート層2、シ
ード層3、下地層4、第1の磁性層5、スペーサ層6、
第2の磁性層7、保護層8を順次成膜した。尚、下地層
4は、Ar+CO2の混合ガス雰囲気下で、保護層8は
Ar+H2の混合ガス雰囲気下で、それ以外の層は、A
rの不活性ガス雰囲気下でスパッタリング成膜した。次
いで、保護層8上にパーフルオロポリエーテル潤滑剤を
ディップ処理することによって、潤滑層9を形成し、磁
気ディスクを得た。
【0030】こうして得られた磁気ディスクの保磁力H
cは3474 Oe、保磁力角形比S*は0.76、出
力LFは1.27mV、パルス幅PWは12.3nse
c、S/N比は29.9dB、熱揺らぎ特性は、信号出
力減衰:0.037(−dB/decade)であっ
た。このように、熱揺らぎ耐性は良好で、かつ保磁力角
形比S*、パルス幅PW、S/N比、出力の記録再生特
性の全てにおいて良好な結果となった。
【0031】これは、ガラス基板表面に形成された同心
円状の溝が、磁性層の面内配向性を改善すると共に、テ
クスチャーの凹凸が磁性粒のサイス゛分布を小さくする
事でこれらの特性が良好になったと考えられる。尚、こ
れらの特性は以下のようにして測定したものである。以
下の実施例、比較例も同じ測定方法によって測定した。
【0032】保磁力Hc、保磁力角形比S*は、振動試
料型磁気測定装置(VSM:Vibrating Sa
mple Magnetometer)で測定した。保
磁力Hcは、PWと熱揺らぎ特性の改善において、高い
ほど良い。また保磁力角形比S*は、面内配向性と磁性
粒間の磁気的分離を表す指標で、高いほど良い。
【0033】孤立波再生出力LFは、電磁変換特性測定
器(Guzik)により測定した。孤立波再生出力LF
は、その他の電磁変換特性が維持できるのであれば、記
録信号の再生出力が高くなるので、高いほうがよい。
【0034】孤立波パルス幅(PW50:孤立信号波形
の半値幅)の測定は次のようにして行った。MRヘッド
を搭載した電磁変換特性測定器(Guzik)で孤立再
生信号を抽出し、グランド(0)に対する出力信号のピ
ーク値の50%における孤立波形の幅をPW50とし
た。なお、このPW50は高記録密度のためには、小さ
ければ小さいほど良い。これは、パルス幅が狭いと同一
面積上により多くのパルス(信号)を書き込めることに
なるからである。一方、PW50が大きいと、隣り合う
パルス(信号)同士が干渉しあい、信号を読み出すとき
にエラーとなって現れる。この波形干渉がエラーレート
を悪くする。
【0035】S/N比の測定は、電磁変換特性測定器
(Guzik)を用いた。測定に用いた磁気ヘッドは、
浮上量が20nmのGMR(Giant Magnet
Resistace:巨大磁気抵抗)型再生素子をも
つヘッド(以下、GMRヘッドという)である。記録ト
ラック幅は、2.0μmであり、再生トラック幅は0.
5μmである。S/N比は、記録密度(520kfc
i)で、磁気記録媒体上にキャリア信号記録した後に、
DC周波数領域から、記録密度の1.2倍周波数領域ま
での媒体ノイズを、スペクトロアナライザを用いて観測
し、算出した。S/N比は、一般に、0.5dB向上す
ると、2Gbit/inch2の記録密度向上に寄与で
きる。S/N比は、ノイズによる信号の読み取りエラー
を防ぐために、高いほどエラーレートが改善され、かつ
高密度記録を達成できる。
【0036】オーバーライト特性(OW)も同様に電磁
変換特性測定器(Guzik)により測定した。オーバ
ーライト特性は、HDDを組みたてた際、ヘッドの書き
こみ能力不足による歩留まり悪化を改善する意味におい
て、高いほどよい。
【0037】熱揺らぎ特性は、次のようにして行った。
サーマルオフトラック(ヘッドサスペンションの熱膨張
によって磁気記録媒体上のトラックに対し、磁気ヘッド
がずれることにより、信号減衰が発生する現象)の影響
を受けず磁気記録媒体の熱揺らぎによる信号減衰量のみ
を正確に評価するため、ライトトラック幅がリードトラ
ック幅に対して2倍以上のリ一ドライト素子を有するこ
とを特徴としているMRヘッドを用意し、得られた磁気
記録媒体たる磁気ディスクと共にシステム内のヘッド/
ディスク機構部にセットする。次にそのヘッド/ディス
ク機構部を高温環境下にさらすために温度制御可能な環
境槽に投入する。環境槽内が設定した温度に安定した
ら、リードライト回路部よりライト信号をMRヘッドの
ライト素子に送り、磁気ディスクに信号を書き込む。そ
して、信号を書き込んだ直後から、磁気ディスクに書き
込まれた信号をMRヘッドのリード素子から読み出し、
リードライト回路部にて増幅した後、信号評価部にて測
定する。信号評価部では一定時間間隔でリード信号の振
幅値を記録していく。信号評価部では、例えば、スペク
トラムアナライザを用いて測定を行う。
【0038】本測定の条件は、環境槽の温度が60℃、
磁気ディスクへ書き込んだ信号の記録密度は、100K
Flux/inchである。また、本測定に用いたヘッ
ドは、ライトトラック幅が2.0μm、リードトラック
幅が0.5μm、ライトギャップ長が0.20μm、リ
ードギャップ長が0.11μm、リ一ドライト素子部分
の浮上量が20nmのMRヘッドである。
【0039】(比較例1)次に、上記実施例1のガラス
基板の製造方法において、テープ式のテクスチャ装置を
用いた同心円状の溝を形成しなかった以外は実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製し、比較例1とした。図
4は比較例1のガラス基板表面のAFM画像を示す図で
ある。図4に示されるように、ガラス基板に形成されて
いる突起は、ランダムに形成されていることがわかる。
【0040】こうして得られた磁気ディスクの保磁力H
cは3331 Oe、保磁力角形比S*は0.66、出
力LFは1.02mV、パルス幅PWは12.9nse
c、S/N比は28.8dB、熱揺らぎ特性は、信号出
力減衰で、0.086(−dB/decade)であっ
た。
【0041】このように、実施例1のようなガラス基板
の表面状態を同心円状の溝を形成することにより、熱揺
らぎ特性が良好で、かつ保磁力角形比S*、出力LF、
S/N比が特に改善されていることがわかる。
【0042】(実施例2〜3、参考例1〜2)次に、上
記実施例1における同心円状の溝の最大高さRmaxを
Rmax=1.5nm(実施例2)、5nm(実施例
3)、10nm(実施例4)、1.4nm(参考例
1)、11nm(参考例2)とした以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。尚、溝の最大高さ
Rmaxは、テープ式テクスチャー装置のテクスチャ条
件(研磨砥粒の粒径、加工圧力、等)を調整して行っ
た。図5は実施例等にかかる磁気記録媒体の特性を表に
して示した図である。
【0043】図5の表に示されるように、同心円状の溝
の最大高さが、1.5nm未満の場合、ガラスの表面モ
ホロジーが残ってしまい、トラック方向のテクスチャー
面が充分に平坦でなくなる為、記録再生特性において、
PW、S/N比が悪化する傾向にある。また、溝の最大
高さが10nmを超えた場合、谷部分に成長したグレイ
ンの一部と、ヘッドとの距離が大きくなり、ヘッドの書
き込み能力の不足や、ノイズ成分の増加などにより、記
録再生特性において、PW、S/N比が悪化する傾向に
ある。従って、基板表面に形成する同心円状の溝の最大
高さは、1.5nm〜10nmが好ましいことがわか
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、基板上
に少なくとも反強磁性交換相互作用を制御する強磁性材
料からなる第1の磁性層と、強磁性材料からなる第2の
磁性層と、前記第1の磁性層と第2の磁性層との間に形
成されて反強磁性交換相互作用を誘導するスペーサ層
と、を有する磁気記録媒体であって、前記基板の磁性層
を形成する側の主表面上に、前記スペーサ層の面内膜厚
分布を良好にするように、所定の表面粗さを有する同心
円状の凹凸が形成されていることを特徴とするもので、
これにより、熱揺らぎ特性が良好で、しかも、保磁力角
形比(S*)、パルス幅(PW)、出力(LF)、媒体
ノイズ(S/N比)といった記録再生特性が良好な磁気
記録媒体を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にかかる磁気記録媒体の構成を示す
図である。
【図2】 ガラス基板1の表面の原子間力顕微鏡による
画像を示す図である。
【図3】 実施例1で用いるテープ式のテクスチャ装置
の概略図である。
【図4】 比較例1のガラス基板表面のAFM画像を示
す図である。
【図5】 実施例等の特性を表にして示す図である。
【図6】 AFC構造の磁気記録媒体の作用の説明図で
ある。
【図7】 AFC構造の磁気記録媒体の作用の説明図で
ある。
【図8】 AFC構造の磁気記録媒体の作用の説明図で
ある。
【図9】 AFC構造の磁気記録媒体の作用の説明図で
ある。
【符号の説明】
1…非磁性基板、11、31…テクスチャー、2…プリ
コート層、3…シード層、4…下地層、5…第1の磁性
層、6…スペーサ層、7…第2の磁性層、8…保護層、
9…潤滑層。
フロントページの続き (72)発明者 河合 久雄 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 梅澤 禎一郎 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 田中 宏尚 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 上村 正樹 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB02 BB07 BB08 CA01 CA05 CB04 CB07 DA03 EA03 FA00 FA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも反強磁性交換相互作
    用を制御する強磁性材料からなる第1の磁性層と、強磁
    性材料からなる第2の磁性層と、前記第1の磁性層と第
    2の磁性層との間に形成されて反強磁性交換相互作用を
    誘導するスペーサ層と、を有する磁気記録媒体であっ
    て、 前記基板の磁性層を形成する側の主表面上に、前記スペ
    ーサ層の面内膜厚分布を良好にするように、所定の表面
    粗さを有する同心円状の凹凸が形成されていることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記同心円状の凹凸の表面粗さは、最大
    高さRmax=1.5〜10nmであることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記同心円状の凹凸の半径方向のピッチ
    が、磁性層の結晶粒径に対し略規則的に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記基板はガラス基板であって、前記同
    心円状の凹凸は該ガラス基板表面に直接形成されたもの
    であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記
    載の磁気記録媒体。
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