JP2003172500A - 気体格納装置、気体供給装置、気体の搬送方法及び気体格納装置の取扱い方法 - Google Patents

気体格納装置、気体供給装置、気体の搬送方法及び気体格納装置の取扱い方法

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JP2003172500A
JP2003172500A JP2001369204A JP2001369204A JP2003172500A JP 2003172500 A JP2003172500 A JP 2003172500A JP 2001369204 A JP2001369204 A JP 2001369204A JP 2001369204 A JP2001369204 A JP 2001369204A JP 2003172500 A JP2003172500 A JP 2003172500A
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JP
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gas
compartment
storage device
gas storage
storage container
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Toshio Takano
俊夫 高野
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Kokan Drum Co Ltd
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  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超高圧状態で格納した拡散しやすい気体の漏
洩を迅速かつ確実に検出することができる気体格納装置
と、気体格納装置から気体を送る気体供給装置、及び気
体の輸送方法を提供すること。 【解決手段】 気体の格納容器31と、格納容器に設置
された気体取り出し口33とを備える気体格納装置30
において、前記気体取り出し口またはその近傍に設置さ
れ、前記気体取り出し口から漏洩する気体を収容する隔
室32と、この隔室の状態変化を検出する検出手段42
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、水素等の気体
を格納する容器を含む気体格納装置と、この気体格納装
置から気体を送る気体供給装置、並びに気体の輸送方法
及び気体格納装置の取扱い方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、燃料電池(図示せず)等
に使用する水素等の気体を供給する手段としては、図1
5に示すような供給システムが知られている。図15
は、例えば、車載の水素供給システムであって、圧力容
器等の複数の容器2,2,2には、高圧の水素が格納さ
れている。
【0003】配管3は、燃料電池側に水素を送る配管で
あり、各容器2,2,2内の水素が配管3内へ供給され
ることは、この配管3と容器2の間に配設された電磁弁
等の4,4,4により行われるようになっている。配管
3は、その延長方法に沿って、適宜、ジョイント5,5
により接続されており、配管3の先端部には、主止弁や
減圧弁等でなる配管制御手段6が設けられている。
【0004】このような水素供給システム1において
は、各容器2,2,2に格納された水素が配管3を介し
て矢印方向へ送られることにより、その延長側に配設さ
れる燃料電池内等に送り込まれるようになっている。こ
の場合、水素供給システム1の配管3の先端の配管制御
手段6は、配管3から、燃料電池等への水素の供給を配
管3の単位で制御するようになっている。また、電磁弁
4,4,4の開閉を制御することにより、個々の容器
2,2,2は、それぞれの残量等に対応して、配管3へ
の水素の供給が制御されるようになっている。
【0005】このような水素供給システム1において
は、各容器2の気体取り出し口には、気体の配管3に対
する気体放出を制御するための電磁弁4がそれぞれ取付
けられた箇所や、配管3の接続部であるジョイント5等
には、気体の外部への漏洩を防止するためにシール手段
を施す必要がある。このため、従来は、取り扱う気体
が、容器2内に20MPa程度で封入されたメタン等の
気体である場合には、このような接続箇所に、ラバー製
のOリングを接合箇所に配置してシールを行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、燃料電池車の燃料として使用される水素等を容器に
格納して、供給するシステムの場合には、以下のような
問題がある。
【0007】燃料電池車においては、ガソリン車と同等
の走行距離を確保する必要から、比較的多量の水素の格
納を必要とする。このため、容器にこいてはより高い圧
力により貯蔵することが求められる。例えば、一回の充
填により、500kmの走行距離を確保するためには、
車載という制限の下では、70MPa(メガパスカル)
程度の超高圧の貯蔵容器を使用する必要があると考えら
れている。また、例えば、燃料として水素を用いる場
合、メタンと比べると、その分子量がはるかに小さく、
この点においてもシールが困難となる。
【0008】ここで、シール手段として、上述のOリン
グの適用を考えると、Oリングは、せいぜい25MPa
程度までの圧力下でしか有効でないことから、さらに高
い圧力に耐えられるシール手段として、メタルシール等
の方法が検討される。しかし、メタルシールは、互いに
接続される部材どうしの金属表面の小さな凹凸をはめあ
わせる手法であり、本来、着脱しない接合部等に適用さ
れるものである。したがって、電磁弁等、可動を前提と
した箇所に適用することは困難である。
【0009】このように、水素等の分子量の小さな気体
であって、超高圧で格納された容器等の接合部において
は、完全なシール構造の実現はきわめて困難なことか
ら、例えば、図7のシステムにおいて、各電磁弁4,
4,4のいずれかの箇所、あるいはジョイント5,5の
いずれかの箇所の気体の漏洩を検出し、これらを部分的
に閉止する方法が考えられる。
【0010】この場合、天然ガスの漏洩等の知るための
簡便な方法として、従来は、天然ガスに予め、臭気剤を
添加し、ガスの漏洩を知る方法がある。添加された臭気
剤は、天然ガスとともに、燃焼器等に送られて、燃焼さ
れることで、大きな弊害はない。しかし、例えば、燃料
電池車で使用する水素は、燃料電池に送り込まれるもの
であり、燃焼は行われない。このため、芳香属等を利用
した臭気剤は、燃料電池内の触媒等に付着して損傷させ
るおそれがあり、このような弊害のない臭気剤を短期間
に見いだすことは困難である。
【0011】また、例えば、取り扱う気体が、水素であ
る場合に、現在、水素センサは既に開発されているが、
微量の水素が継続的に漏洩した場合には、水素は拡散性
が高く、許容量を超える漏洩の迅速な検出が困難である
と共に、自動車等の複雑な構造が設けられている空間内
においては、漏洩箇所の位置の特定も難しい。
【0012】このような気体の漏洩とその検出に関する
問題は、燃料電池への水素供給システムだけに限定され
るものではない。例えば、この水素供給システムを構成
する気体格納装置、気体取り出し口、電磁バルブ、配管
系その他の部材を、実際に水素供給システムとして使用
する部材として適しているかどうかを、事前に検査する
場合にも、検査後に燃料電池に接続される水素供給シス
テムに検査用気体を高圧で通流させたり、当該水素供給
システムの気体格納容器に水素の代わりに検査用の気体
を水素の充填圧力に匹敵する圧力で充填し、気体漏洩の
有無や程度を検出する必要がある。このような場合に
も、完全シール構造を実現することが極めて困難である
以上、僅かな漏洩を迅速に検出し、その漏洩箇所を特定
することが大きな課題となる。
【0013】本発明は、以上の点を解決するためになさ
れたもので、超高圧状態で格納した拡散しやすい気体の
漏洩を迅速かつ確実に検出することができる気体格納装
置と、気体格納装置から気体を送る気体供給装置、並び
に気体又は気体格納装置の搬送方法及び気体格納装置の
取扱い方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の第
1の構成では、気体の格納容器と、格納容器に設置され
た気体取り出し口とを備える気体格納装置において、前
記気体取り出し口またはその近傍に設置され、前記気体
取り出し口から漏洩する気体を収容する隔室と、この隔
室の状態変化を検出する検出手段とを備える、気体格納
装置である。
【0015】前記第1の構成によれば、気体の格納容器
を備えている。この気体の格納容器は、取り扱う気体に
適合して形成された容器であり、例えばボンベの形態で
実現される。前記気体取り出し口は、ボンベ等に設けら
れた気体の放出部であるが、これに限らず、ボンベと接
続された配管の途中のジョイント等を含むものである。
前記隔室は、気体の取り出し口の近傍に配置されるが、
ここからの気体漏洩を捉えるように設けられる。気体
は、必ずしも隔室内に完全に密閉される必要はない。隔
室内では、気体漏洩に伴い、その状態が変化するので、
このような状態変化を検出する検出手段を設けておく。
状態変化としては、例えば、隔室内の気体の濃度や圧力
(分圧)の変化が挙げられるが、その状態の変化に伴い
隔室の形状が変化するような変化もこれに含まれる。種
々の状態変化に応じて、その状態変化の検出に適したセ
ンサを検出手段として選択する。
【0016】本発明の第2の構成は、前記検出手段が、
前記隔室内に蓄積される気体を検出する感知装置である
ことを特徴とする。前記第2の構成によれば、隔室を設
けた領域で、気体の漏洩があった場合に、隔室に仕切ら
れた空間内で、気体が蓄積される。前記感知装置は、前
記隔室の状態変化の一つとして、この気体の蓄積を検出
するものである。
【0017】本発明の第3の構成は、前記検出手段が、
隔室内の圧力または圧力変化を感知する感知装置である
ことを特徴とする。前記第3の構成によれば、隔室を設
けた領域で、気体の漏洩があった場合に、隔室に仕切ら
れた空間内で、圧力が高まる場合がある。前記感知装置
は、前記隔室の状態変化の一つとして、この圧力の変化
を検出するものである。
【0018】本発明の第4の構成は、前記検出手段が、
隔室の形状変化を検出する感知装置であることを特徴と
する。前記第4の構成によれば、隔室を設けた領域で、
気体の漏洩があった場合に、隔室を形成する部材が柔軟
な、もしくは可撓性のある部材で形成されていると、隔
室の形状が変化する場合がある。前記感知装置は、前記
隔室の状態変化の一つとして、この隔室の形状が変化を
検出するものである。
【0019】本発明の第5の構成は、前記気体取り出し
口に設置されたバルブ機構を備え、このバルブ機構の一
部または全部が前記隔室内に配置されていることを特徴
とする。前記第5の構成によれば、気体容器に気体取り
出し口を開閉するバルブ機構が設けられている場合に、
その配設箇所から気体が漏洩する場合がある。このた
め、バルブ機構の一部または全部を前記隔室で覆うよう
にしたものである。
【0020】本発明の第6の構成は、前記隔室が、外気
と部分的に連通されており、装置側から漏洩する気体の
濃度が予め定めた濃度を超えたことを前記検出手段が検
出する構成としたことを特徴とする。前記第6の構成に
よれば、気体容器に格納される気体が、きわめて分子量
が小さい場合及び/または格納状態が超高圧である場合
には、容器の取り出し口や配管接合部での気体の漏洩を
完全に防止することができない。当該気体の大気拡散性
が十分であれば、このような微量の気体の漏洩は許容で
きる場合がある。請求項6では、このように、気体の微
量の漏洩を許容する装置を予定した場合に、隔室は部分
的に外気と連通され、大気圧との関係で、所定量の漏洩
気体は排出されるようにされるようにされている。そし
て、隔室内は、例えば、検出手段に閾値を設定すること
等により、予め許容された量を超える気体の漏洩を検出
することができる。
【0021】本発明の第7の構成は、前記隔室内部の外
気交換量が、装置側からの気体漏洩による放出量が予め
定めた許容される放出量である場合には、この気体の隔
室内の濃度が危険状態とならない範囲に設定されている
ことを特徴とする。前記第7の構成によれば、気体の微
量の漏洩を許容する装置においては、その排出をはかる
ためには、少なくとも、漏洩気体の許容値分の放出量と
等しい外気が流通するようにされている必要がある。さ
らに、隔室内が前記連通部の作用により外気と交換され
つつ、漏洩気体が許容量を超えて放出された場合に、隔
室内の漏洩気体の濃度が放置しては危険な状態とならな
いように、前記連通部の外気交換量が設定されている。
【0022】本発明の第8の構成は、気体の格納容器
と、格納容器に設置された気体取り出し口とを備える複
数の気体格納装置を配管で接続して、各格納容器からの
気体を供給するようにした気体供給装置であって、前記
各気体格納装置が、前記気体取り出し口またはその近傍
に設置され、前記気体取り出し口から漏洩する気体を収
容する隔室と、この隔室の状態変化を検出する検出手段
とを備えており、各検出手段の検出結果に基づいて、対
応する前記気体格納装置の気体取り出し口に配置された
バルブを閉止する構成とした気体供給装置である。前記
第8の構成によれば、複数の気体格納装置を備えてい
る。各気体格納装置では、気体容器の前記気体取り出し
口に隔室が設けられている。この気体の取り出し口は、
気体の放出部である。前記隔室は、気体の漏洩を捉える
ように設けられる。隔室内では、気体漏洩に伴い、その
状態が変化するので、このような状態変化を検出する検
出手段を設けておく。状態変化としては、例えば、隔室
内の気体の濃度や圧力(分圧)の変化が挙げられるが、
その状態の変化に伴い隔室の形状が変化するような変化
もこれに含まれる。種々の状態変化に応じて、その状態
変化の検出に適したセンサを検出手段として選択する。
この検出手段は、各隔室に対応して、検出結果を出力
し、対応するバルブを閉止することで、気体の漏洩が生
じて、使用を中止する必要がある気体格納装置からの気
体供給を停止できる。
【0023】本発明の第9の構成は、前記配管がその延
長方向に沿って設けた配管の接続部と、この接続部に設
定された前記隔室を有しており、この接続部の隔室また
は前記気体取り出し口の隔室に設けた前記検出手段が、
各隔室内の平衡水素濃度を検出する構成とされ、かつ、
少なくとも、いずれかの検出手段が、爆発下限界以下の
段階的に設定された閾値濃度を超えた時に、警報もしく
は注意喚起を行う構成としたことを特徴とする。前記第
9の構成によれば、気体格納容器と配管との接続箇所で
ある気体取り出し口だけでなく、配管の接続部にも隔室
を有していて、隔室内に検出手段を備えている。これに
より、気体取り出し口だけでなく、気体漏洩の危険が高
い配管の接続部においても、気体漏洩を検出できる。さ
らに、各隔室に設けたいずれかの検出手段が、爆発下限
界以下の段階的に設定された閾値濃度を超えた時に、警
報もしくは注意喚起を行うことで、可燃性気体の爆発の
危険を避けることができる。また、爆発下限界以下の段
階的に設定された閾値濃度を超えた時にも、警報もしく
は注意喚起を行うことで、漏洩気体の濃度の危険な高ま
りを事前に知ることができる。
【0024】本発明の第10の構成は、気体の格納容器
と、格納容器に設置された気体取り出し口とを含む複数
の部材により構成される気体格納装置であって、前記複
数の部材の一部または全部を包み込む外装部材を備え、
前記複数の部材の一部または全部から漏洩する気体を前
記外装部材により、少なくとも一時的に収容可能な構成
とした、気体格納装置である。前記第10の構成によれ
ば、気体の漏洩が、気体取り出し口に限らず、気体容器
の全体のいずれかの箇所から生じるおそれがある場合、
もしくは、気体容器の全体の気体漏洩を検出する必要が
ある場合には、全体を包み込む、もしくは包囲する外装
部材を設ける。この外装部材と容器等との間には、少な
くとも一時的に漏洩気体が収容可能とされ、外部に漏れ
ることが防止または抑制されるので、漏洩した気体の検
出が容易となる。
【0025】本発明の第11の構成は、前記外装部材
は、前記複数の部材の一部または全部を覆い包むシート
材であり、前記複数の部材の一部または全部から前記気
体が漏洩した場合に、外観上の変化を呈する構成とした
ことを特徴とする。前記第11の構成によれば、外装部
材として気体容器又はこれを構成する複数の部材の一部
又は全部を覆い包むシート材を外装部材として採用す
る。この構成は、気体容器又はこれを構成する複数の部
材の一部又は全部から気体の漏洩が生じる恐れのある場
合やその一部又は全部における気体の漏洩を検出する必
要がある場合に有益である。この構成によれば、シート
材と容器等との間の隙間はわずかになり、そこに漏洩気
体が入ると、シート材がより敏感に反応し、膨張、破裂
その他の外観上の変化を起こす。シート材が膨張すると
シート材の色彩や色調が変化する場合には、その色彩や
色調の変化を外観上の変化として位置付けることも可能
である。それ故、気体の漏洩を外装部材の外観上の変化
に変換し、適当な検出手段により、場合によっては目視
によっても検出しやすくすることができる。又、漏洩気
体によりシート材が膨張した部分には、当然のことなが
ら、漏洩気体が集中的に蓄積することになる。それ故、
シート材と容器等との間の隙間に検出手段を差し込むに
あたり、そのような膨張が起こり易い位置を予測して、
検出手段の検出ヘッドをその位置に配置しておけば、漏
洩気体の検出も更に容易になる。尚、シート材と容器等
の間の隙間に検出手段を差し込む場合、検出ヘッドが存
在する位置におけるシート材と容器等との密着度は低下
し、隙間がより大きくなる。シート材と容器等が密着し
ている場所から漏洩した気体は、より空間的に広い場所
に向かって又はシート材と容器等との密着性が低い場所
に向かって移動してゆくので、検出ヘッドが存在する位
置に漏洩ガスが集まり易い。このため、検出手段の検出
ヘッドの設置位置が実際の漏洩位置から多少はずれてい
ても、漏洩気体の検出が可能になる。
【0026】本発明の第12の構成は、本発明の何れか
の気体格納装置が備える格納容器に気体を充填し、当該
気体格納装置を搬送することを特徴とする。本発明の第
13の構成は、気体の充填が可能な格納容器と、格納容
器に設置された気体取り出し口とを含む複数の部材によ
り構成される気体格納装置の取扱い方法であって、前記
気体取り出し口またはその近傍に、前記気体取り出し口
から漏洩する気体を少なくとも一時的に収容可能な隔室
とその隔室の状態変化を検出する検出手段を設置し、検
査用の気体を格納容器に充填し、検出手段を使って気体
の漏洩を検査し、検査合格となった場合、格納容器に充
填した検査用の気体を1気圧以上の圧力のままで当該格
納容器に残し、前記隔室を設置したままの状態で気体格
納装置を梱包する、気体格納装置の取扱い方法である。
本発明の第14の構成は、気体の充填が可能な格納容器
と、格納容器に設置された気体取り出し口とを含む複数
の部材により構成される気体格納装置の取扱い方法であ
って、前記複数の部材の一部又は全部から漏洩する気体
を少なくとも一時的に収容可能なようにその複数の部材
の一部又は全部を包み込む外装部材及びその外装部材内
の状態変化を検出する検出手段を設置し、検査用の気体
を格納容器に充填し、検出手段を使って気体の漏洩を検
査し、検査合格となった場合、格納容器に充填した検査
用の気体を1気圧以上の圧力のままで当該格納容器に残
し、前記隔室を設置したままの状態で気体格納装置を梱
包する、気体格納装置の取扱い方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下
に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0028】図1は、本実施形態による気体供給装置
(気体供給システム)の概略構成を示す系統図である。
図1において、気体供給装置30は、複数の気体格納装
置30、130,230が配管41により接続されて形
成されている。各気体格納装置30、130,230
は、それぞれ気体格納容器31,31,31を有してい
る。
【0029】各気体格納容器31,31,31の気体取
り出し口33,33,33には、気体格納容器31内に
収容された気体が放出されることを許容するための電磁
弁34,134,234がそれぞれ配置されている。ま
た、各気体格納容器31,31,31の気体取り出し口
33,33,33には、配管41から気体格納容器31
内へ気体が戻ることを阻止するための逆止弁35,3
5,35が配置されている。
【0030】気体格納装置30、130,230の気体
取り出し口33,33,33は、配管41により直列に
接続されており、気体格納装置30、130,230の
各気体格納容器31,31,31に収容されている気体
は、この配管41内を矢印方向へ送られるようになって
いる。配管41の途中に接続箇所には、ジョイント部3
6,136が設けられることにより、連通されている。
ジョイント部36,136の各下流には、それぞれ逆止
弁35,35が設けられており、配管41の気体が矢印
方向と逆方向へ送られることを阻止するようになってい
る。尚、配管があまり長くない等の理由により途中に接
続箇所を設ける必要がない場合には、これらのジョイン
ト部は省略できる。配管41の終端付近には、主止弁あ
るいは減圧弁としての例えば電磁弁39が設定されてお
り、配管41の開閉もしくは減圧を行うとともに、図示
しない、例えば燃料電池側等の供給先と接続されてい
る。
【0031】さらに、この気体供給装置10では、気体
取り出し口33,33,33には、それぞれ隔室32,
132,232がそれぞれ設けられている。また、ジョ
イント部36,136,電磁弁39にも隔室37,13
7,38がそれぞれ設けられている。尚、この図では描
かれていないが、電磁弁39を隔室38内に配置するよ
うに、電磁弁34,134,234の少なくとも一つを
内部に配置するようにしても構わない。そして、これら
隔室32,37,132,137,232,38内に
は、それぞれ検出手段もしくは感知装置42,43,4
4,45,46,47が配置されており、これらの検出
手段は、全て、制御手段51と接続されている。また、
制御手段51は、各気体取り出し口33,33,33の
電磁弁34,134,234と接続されている。尚、配
管41にジョイント部を設けない場合には、これに対応
した隔室及び検出手段は省略できるし、全ての接続箇所
に隔室及び検出手段を設けなくてもよい。尚、図1で
は、例えば取り出し口33とジョイント部36を、それ
ぞれ別々の隔室32、37内に設置しているが、共通の
隔室(図示せず)内に設置しても構わない。気体格納装
置30又は気体供給装置10を構成するニ以上の部材が
近接して配置している場合には、これらの部材を共通の
隔室内に設置するのが合理的である。
【0032】制御手段51は、気体供給装置10に専用
に設けられるコンピュータもしくは制御回路でもよい
し、気体供給装置10が車載される場合の自動車の運行
その他を制御するコンピュータにより兼用されるように
してもよい。また、制御手段51には、警報手段52が
接続されていてもよい。警報手段52は、ブザ等の鳴動
手段や警告ランプ、音声案内等で構成され、車載の気体
供給装置の場合には、自動車の運行パネル等に文字やラ
ンプ等の警報を出すようにしてもよい。
【0033】図2は、気体供給装置10を構成するため
の利用できる気体格納装置30の構成を示す概略図であ
る。図において、気体供給装置10を構成するためのひ
とつの単位としての気体供給装置は、上述した気体格納
容器31と気体取り出し口33と、この気体の取り出し
口33が接続される配管41を有しており、好ましく
は、配管41に設けられるジョイント36、配管41の
終端に設けられる主止弁あるいは減圧弁としての電磁弁
39を有している。この構成では、図1の場合と同様
に、気体の取り出し口33、ジョイント部36、電磁弁
39の箇所に、個別に隔室32,37,38を備えてい
る。
【0034】これらの隔室32,37,38は、各隔室
を形成するための所定の空間を仕切る材料として、気密
性があり、丈夫で、好ましくは、所定の形状を保持する
材質として、例えば、シリコンゴム(透明)や、ポリテ
トラフロロエチレン(白色)、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等が選択され、それぞれの配置箇所に対応した形
状の感知室を形成するようになっている。当該材質は、
気体格納装置内の気体を透過する性質を有すると否とに
拘らず、検出手段による当該気体の検出や、当該気体の
漏洩により外観上の変化を生じるに足る程度に、少なく
とも一時的に当該気体を収容可能であることが必要であ
り、リサイクル可能なものであることが望ましい。
【0035】ここで、気体格納容器31は、例えば、燃
料電池の燃料としての水素を供給する用途を考慮して、
適切な構造が選択される。例えば、気体格納容器31
は、水素タンクとして、超高圧の水素を繰り返して充填
することができる強度を備えていることが好ましく、ま
た、可搬性を考慮して比較的軽い材質のものが適切であ
る。すなわち、スチール製の容器は、強度に優れている
が、重量が大きいので、好ましくない。特に、車載用の
気体格納容器の場合には、自動車に要求される走行距離
との関係で、ひとつの気体格納容器にできるだけ多くの
水素を充填する必要から、30MPaから、70MPa
程度の高圧の水素を保持する必要がある。このため、気
体格納容器としては、強度に優れた軽量複合材料容器と
して、次のような構造のものが使用できる。例えば、ラ
イナーとして、アルミ合金またはオーステナイト系ステ
ンレスを使用する。ライナーの全面(鏡部、胴部)の構
造としては、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維をヘリ
カル巻きと、フープ巻きの二重の層構造とした炭素繊維
強化プラスチック(C−FRP)で強化したもの等が適
している。
【0036】気体の取り出し口33に形成される隔室3
2は、例えば、気体格納容器31のネック部を含み、電
磁弁34と気体格納容器31の組み合わせ部等、きわめ
て僅かな接合部を包囲するように形成される(図1参
照)。同様にして、ジョイント部36を包むように隔室
37を設けることができるが、これらのジョイント部3
6と気体格納容器31と気体の取り出し口33を全て包
み込むように隔室を設けてもよい。つまり、水素等の気
体の取り扱い上、充填や搬送に際に、気体供給装置10
から個別に取り外して扱う範囲の部品を単位として、全
体の隔室22を設けるようにしてもよい。尚、隔室32
を設置した場合、配管41や気体の取り出し口33の構
成部分と接触するときは、その接触部分において気体の
気密性が完全である必要はない。隔室32は、検出手段
23による当該気体の検出や、当該気体の漏洩により外
観上の変化を生じるに足る程度に、少なくとも一時的に
当該気体を収容可能であることが必要なのであって、そ
の必要条件が充足される限り、当該気体が隔室32から
漏洩しても構わない。
【0037】隔室32に設けられる検出手段42(感知
装置)は、漏洩した水素等の存在を検出したり、隔室3
2内の雰囲気における水素等の濃度を検出したり、水素
等の漏洩により、隔室32内の雰囲気に生じた圧力変化
等を検出したり、隔室32が変形する材料で形成される
場合に、水素等の漏洩により、隔室32内の雰囲気に生
じた圧力変化に基づく隔室32自体の形状変化を検出す
るのに、それぞれ適合したひとつのセンサもしくはこれ
らの各用途のセンサの組み合わせで形成される。
【0038】具体的には、半導体を利用したガスセン
サ、水素センサ、圧力センサ、歪みゲージ等が好適に使
用できる。ここで、半導体を利用したガスセンサ、接触
燃焼式のガスセンサ、熱線型半導体式のガスセンサは、
いずれも半導体や、白金コイルを加熱する必要があり、
所定の防爆構造を施して利用することになる。また、プ
ロトン導電体を電極で挟み、測定ガスが接触する側に拡
散律速部を備える水素センサ等が開発されており、この
水素センサは水素濃度に対して、リニアな電圧出力を得
ることができる。常温(摂氏100度程度まで)で作動
すること、高湿度雰囲気中で測定が可能なこと等から適
している。さらに、これら以外にも、検出対象となる気
体試料を導いて、ガスクロマトグラフィーにより複数の
存在ガス種を同時に検出するセンサ等も好適に利用する
ことができる。
【0039】また、隔室32や隔室37とは別に、ある
いはこれらに加えて、気体格納容器31の本体を覆うよ
うに、別の隔室もしくは外装部材21を備えている。外
装部材21は、ある程度可撓性のある密封材料としての
シール材であり、合成樹脂製のシート材が適している。
具体的には、例えば、シリコンゴム(透明)や、ポリテ
トラフロロエチレン(白色)、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のシート材料が使用できる。このような外装部
材21の気体格納容器31その他の部材への取付け方法
としては、例えば、袋状にしたシート材の内側に気体格
納容器31を入れて、減圧し、シート材を気体格納容器
31の本体表面に加熱密着させ、密封させる方法、適当
な形状と大きさにしたシート材の一方の面に接着剤を塗
布し、気体格納容器31の所望の場所に貼付けたり、ジ
ョイント部36を包み囲む方法、シート材料でできたキ
ャップを気体の取り出し口33その他の部材の外形に倣
うように被せる方法がある。尚、このキャップを構成す
るシート材は部材の一部又は全部の外郭表面に密着しや
すいように弾性を呈することが望ましい。このようにす
ることで、気体格納容器31その他の部材に微細な割れ
や亀裂、接合不良等が生じた場合、漏洩した水素等の気
体を、外装部材21とそれにより外装される部材表面と
の間に少なくとも一時的に収容することができる。これ
により、水素等が漏洩する箇所の外装部材21が僅かに
膨らんで、膨らむことにより塑性変形し、或いは破裂し
て、周囲の外装部材21と外観上区別できる状態とな
り、漏洩を視認できるようになるので、このような箇所
を有する部材を交換等する目安とすることができる。
【0040】これに加えて、好ましくは、図2に示され
ているように、外装部材21の好ましくは内側には、図
2のように検出手段23を設けることができる。検出手
段23は、外装部材21の形状変化を検出することがで
きるあらゆる手段が採用できるが、好ましくは、歪みセ
ンサもしくは歪みゲージ(図示せず)を利用することが
できる。歪みゲージは、合成樹脂や紙等の絶縁材料でな
るベース部の上に、金属抵抗箔を接着する等して形成さ
れ、金属抵抗箔は、櫛歯状の線材で形成されて両端がゲ
ージリードとして利用される。このベース部を外装部材
21自体に接着等で固着する。
【0041】これにより、外装部材21の僅かな形状変
化は、ゲージリードを介して、電気抵抗の変化として出
力される。このように、気体格納容器31の外装部材2
1を設ける構成、及びこれに検出手段23を設けた構成
は、単体で利用してもよく、あるいは、図1の気体供給
装置10に付加する構成とし、検出手段23を制御手段
51に接続してもよい。また、これに限らず、気体格納
容器31に設ける外装部材21は、気体31に密着させ
ないようにしてもよく、また、この場合においては、外
装部材21の内部に設ける検出手段23を、外装部材2
1の形状変化を検出するものではなく、後述するよう
な、漏洩した水素を検出するセンサ等を使用してもよ
い。
【0042】図3は、隔室32(隔室37,38等も同
じ)の好ましい構成例を示している。隔室32は、その
内部を密閉する構造のものでもよいが、特に水素等を扱
う場合においては、隔室32が、外気と部分的に連通さ
れており、装置側から漏洩する気体の濃度が予め定めた
濃度を超えたことを検出手段により検出する構成とする
ことが好ましい。
【0043】図9は、合成樹脂製のシート材21によ
り、気体取り出し口33及びその近傍を覆い包むよう設
置した例を示す。シート材21と気体取り出し口33と
の間には、検出手段23が差し込まれている。シート材
21に覆い包まれた気体取り出し口33及びその近傍か
ら気体が漏洩すると、シート材21と気体取り出し口3
3との間に少なくとも一時的に収容され、当該気体の拡
散が抑制される。この結果、検出手段23により気体の
漏洩を検知することができる。図9に示す状態を構成す
るためには、シート材21と気体取り出し口33とを接
着剤で取りつけ、密着させるのが簡便であるが、検出手
段23が漏洩する気体を検出する足る程度に漏洩気体を
収容できるのならば、接着剤を用いずに両者を近接させ
る程度に配置するだけでよい。シート材21と気体取り
出し口33との間に漏洩した気体が蓄積して行くと、蓄
積した箇所が膨張し、外観上の変化を起こす。特に、例
えば、シート材21と気体取り出し口33との密着度が
高い場合には、漏洩した気体がシート材21と気体取り
出し口33との間から飛散し難いので、この種の変形を
起こしやすい。この場合、シート材21に歪みゲージの
ような検出手段を設けておけば、この外観上の変化を検
出することができる。又、シート材21の材質によって
は、半透明のシート材が膨張による塑性変形により変形
箇所が白色に変わる場合もあり、視覚的にその外観上の
変化を知得することもできる。尚、この図9の例に限ら
ないが、検出手段23の中でも歪みゲージのような外観
上の変化を検出する手段は、外装部材(シート材を採用
する場合を含む。)その他の隔室の内側に設置してもよ
いし、外側に設置しても構わない。
【0044】図10は、気体格納容器31を覆い包むよ
うにシート材21を設置した例を示す。シート材21
は、気体格納容器31を覆い包むとともに、気体取り出
し口33近傍まで達し、そこを包囲するように設置して
ある。シート材21と気体格納容器31との間には、検
出手段23が挿し込まれている。シート材21に覆い包
まれた気体格納容器31から気体が漏洩すると、シート
材21と気体格納容器31との間に少なくとも一時的に
収容され、当該気体の拡散が抑制される。この結果、検
出手段23により気体の漏洩を検知することができる。
この図10では、検出手段23が、格納容器31の胴回
りに1箇所だけ設置されているが、複数個設置しても構
わない。又、検出手段23は、気体濃度の検出センサ、
気体の圧力(変化)の検出センサ、歪ゲージ等の複数種
類を設けても構わない。
【0045】図11は、合成樹脂製のシート材21によ
り、気体取り出し口33及び気体格納容器31並びにそ
れらの近傍(気体取り出し口33及び気体格納容器31
の境界領域や気体取り出し口33と接続する配管41の
一部)を覆い包むよう設置した例を示す。この図では、
気体格納装置を構成する気体取り出し口33及び気体格
納容器31(並びにこれらの近傍部分)といった複数個
の部材がシート材21により覆い包まれている。検出手
段23は、気体取り出し口33とシート材21との間に
挿し込まれる形で設置されているが、気体格納容器31
とシート材21との間に挿し込まれる形で設置しても良
く、又、複数個若しくは複数種類を設置しても構わな
い。
【0046】図12は、合成樹脂製のシート材21によ
り、電磁弁39及びその近傍の配管41の一部を覆い包
むようした例を示す。この図では、気体格納装置を構成
する電磁弁39と配管41といった複数個の部材がシー
ト材21により覆い包まれている。検出手段23は、電
磁弁39とシート材21との間に挿し込まれる形で設置
されているが、電磁弁39とシート材21との間に挿し
込まれる形で設置しても良く、又、複数個若しくは複数
種類を設置しても構わない。
【0047】図13は、シート材21により、電磁弁3
4(134、234)及びその近傍の配管41の一部を
覆い包むようにした例を示す。この図では、気体格納装
置を構成する電磁弁34と配管41といった複数個の部
材がシート材21により覆い包まれている。検出手段2
3は、電磁弁34(134、234)とシート材21と
の間に挿し込まれた形で設置されているが、電磁弁34
(134、234)とシート材21との間に差し込まれ
る形で設置しても良く、又、複数個若しくは複数種類を
設置しても構わない。この図では、電磁弁34(13
4、234)とシート材21との間に挿し込まれた検出
手段23の検出ヘッド部分が、電磁弁34(134、2
34)側から配管41に達する程に長い。このような場
合には、漏洩した気体がシート材21の内側に停滞しや
すいように、当該検出ヘッドもシート材21で包み込む
ようにするのが好ましい。
【0048】この実施形態で取り扱う水素は、きわめて
分子量が小さい。また、気体格納容器31には、超高圧
水素を収容している。このため、上述した気体の取り出
し口33や配管接合部であるジョイント36等(図1参
照)での気体の漏洩を完全に防止することは困難であ
る。しかしながら、水素の大気拡散性は大きいので、漏
れ出た水素は滞留しにくく、危険な濃度にならない場合
には、配管等の結合構造としては、このような微量の水
素の漏洩は許容できる場合がある。
【0049】このように、水素の微量の漏洩を許容する
ことを前提として、水素の漏洩量が大きくなったり、装
置の構造等の上で、部分的に滞留して危険な濃度となる
ことを防止するために、図3においては、隔室32を大
気と部分的に連通させた構造として、微量な水素を外部
に放出して拡散させるようにしている。これにより、漏
洩した水素等が一時的に隔室32内に捉えられて、拡散
するまえに、検出手段42による感知可能な濃度を保持
することで、水素等の存在を検知できる。一方、隔室3
2の完全に密閉すると、隔室32内に貯留された漏洩水
素等の濃度が高くなりすぎて、許容される漏洩水素量を
超えてしまい、検出の目的が失われる。このため、隔室
32内の部分的に外気と連通可能として、隔室32内
が、漏洩した水素量が許容範囲であれば、平衡水素濃度
が危険を報知しない範囲で、検出手段の閾値を設定する
ようにする。これにより、隔室32内に漏洩した水素量
が対策を必要とする量を超えた場合だけ、その状態を知
ることができる。
【0050】具体的には、隔室32には、部分的に外気
と連通させる手段として、外気進入路24と、排気路2
5とが備えられている。図3は、隔室32の向きが図1
と比較すると90度回転した状態で示されている。図示
されているように、隔室32に設けられる排気路25
は、隔室32が設定される箇所において、隔室32の上
部、好ましくは上端に開口され、上方に向かう空気通路
とされている。外気進入路24は、好ましくは、隔室3
2に対して、少なくとも上部を除く領域に開口してお
り、より好ましくは、隔室32の下端に開口している。
【0051】すなわち、気体格納装置30で取り扱う気
体が水素等の拡散性を有するか拡散性の高い気体である
場合には、隔室32内で上方へ向かいやすいので、水素
等の隔室32内での極端な貯留を避けるためには、排気
路25は、隔室32の上部に設け、かつ上方に延長する
ことが好ましい。
【0052】つまり、検出手段42を設ける位置によっ
ては、隔室32内に導入される外気が、隔室32内で生
じる対流等により、装置側から漏洩する水素等の通路に
検出手段42の位置取りが適合しない場合があることを
考慮する必要がある。このため、検出手段42は、隔室
32内に設けてもよいが、好ましくは、図示するように
拡散,上昇した水素等が集まる排気路25内に設けるほ
うが、水素等の気体の検出が容易となる。
【0053】排気路25の有効断面積は、少なくとも外
気導入路24の有効断面積と同じか、これより大きく設
定される。その上で、外気導入路24の有効断面積は、
隔室32内に漏洩する水素等の気体の許容量との関係で
設定される。すなわち、隔室32の容積と、漏洩する水
素量と、外気交換量との関係から、隔室32内の平衡水
素濃度及び平衡水素濃度に達する経過時間がきまる。
【0054】このため、特に、隔室32の設計におい
て、これらの関係を実験値から予め求めておき、特に、
平衡水素濃度が、危険な範囲を超えない設定を、各隔室
32の容積等の条件下で、それぞれ求めることにより、
上記した外気導入路24の有効断面積を設定することが
できる。
【0055】この点につき、さらに具体的に説明する。
図4は、外気交換量である空気投入量と平衡水素濃度の
関係を示すグラフであり、隔室32の容積を100c
c、漏洩水素量を10cc/時間とした場合に、グラフ
上で、aは空気投入量を1とした時に漏洩水素量を1と
して同量とした場合、bは空気投入量1に対して、漏洩
水素量を3(3倍)とした場合、cは空気投入量1に対
して、漏洩水素量を10(10倍)とした場合の隔室3
2内の水素濃度をプロットしたコンピュータによるシミ
ュレーション結果である。図5は、同様に、外気交換量
である空気投入量と平衡水素濃度の関係を示すグラフで
あり、隔室32の容積を変更して5ccとし、漏洩水素
量を10cc/時間とした場合に、グラフ上で、dは空
気投入量を1とした時に漏洩水素量を1として同量とし
た場合、eは空気投入量1に対して、漏洩水素量を3
(3倍)とした場合、fは空気投入量1に対して、漏洩
水素量を10(10倍)とした場合の隔室32内の水素
濃度をプロットしたコンピュータによるシミュレーショ
ン結果である。
【0056】図4と図5に示されている結果から、漏洩
水素量を一定とすると、隔室32の容積の相違は、平衡
水素濃度に到達するのに要する時間の違いとなるだけ
で、平衡水素濃度は同じである。このため、漏洩水素量
を一定とすると、平衡水素濃度は、空気投入量,つまり
外気交換量により制御できることが判明する。図6は、
漏洩水素量を10cc/時間とした場合と、20cc/
時間とした場合のそれぞれについて、投入空気量(外気
交換量)を変化させた時の隔室32内の平衡水素濃度に
ついてまとめた表である。
【0057】図6の表において、平衡水素濃度は、水素
の場合、体積率で4ないし76(Volパーセント)で
爆発限界となる。したがって、このような平衡水素濃度
とならないように隔室32内の水素濃度を制御する必要
がある。ここで、可燃性ガスと、空気の混合ガスに点火
した時、可燃性ガス濃度がある値以上になると、炎が連
鎖的に伝播し、ガス爆発を起こす。この時の濃度を爆発
下限界(LEL(Lower Explosion L
imit)といい、「VOLパーセント」で示す。図6
の右端欄は、LEL表示で表した値である。例えば、水
素の爆発下限界は、上述したように、4Volパーセン
トであるから、この濃度を100パーセントLELとし
て表す。そうすると、例えば、2Volパーセントであ
れば、50パーセントLELという表示となる。
【0058】図6の表において、漏洩水素濃度は、現
在、検討が進められている世界基準もしくは規格から、
20cc/時間以下とされているので、漏洩水素濃度
が、20cc/時間である場合の平衡水素濃度が100
パーセントLELになる時の投入空気量(外気交換量)
は、480cc/時間である。
【0059】このことを前提として、水素の場合の検出
管理の手法の一例を説明すると、投入空気量(外気交換
量)を、例えば、大気圧下で、480cc/時間となる
ように、図3の隔室32の外気進入路の有効断面積を設
定する。その上で、例えば、図7に示すような閾値を決
めて、検出管理を行う。すなわち、図7は、投入空気量
(外気交換量)を、480cc/時間にした状態で、漏
洩水素量が4ccから22ccまで変化した場合の隔室
32内の平衡水素濃度をLELで示したものである。
【0060】気体供給装置10の各隔室においては、経
時劣化等により、漏洩水素量が次第に増加し、例えば、
隔室32内の平衡水素濃度は、図7のように変化する。
この場合、例えば、検出手段が検知する平衡水素濃度が
LELで、25パーセントとなる場合をW1、75パー
セントまで高まるとW2といった閾値を設定する。そし
て、0パーセントからW1の25パーセントを安全な範
囲としてグリーンゾーンとし、25パーセントからW2
の75パーセントまでを注意範囲とし、75パーセント
を超えるとレッドゾーンとして、当該隔室の属する水素
供給部の停止を行うようにする。
【0061】次に、このような閾値を利用して、図1の
気体供給装置10を動作させた動作例を図8を参照しな
がら説明する。先ず、図1の気体供給装置10におい
て、隔室32,37,132,137,232,38に
備えられた各検出手段42,43,44,45,46,
47が、検出する値が、いずれもグリーンゾーンに属す
る場合には、警告は行わないか、図1の警報手段52の
付加機能により、グリーン表示もしくは安全状態である
旨の表示や音声出力を行う。そして、隔室32,37,
132,137,232,38に備えられた各検出手段
42,43,44,45,46,47が、検出する値
が、ひとつでも、あるいはそのうちの複数がイエローゾ
ーンに属する場合には、警報手段52により、所定の色
彩表示、例えば、黄色の発光表示や、注意状態である旨
の表示や音声出力を行う。さらに、隔室32,37,1
32,137,232,38に備えられた各検出手段4
2,43,44,45,46,47が、検出する値が、
ひとつでも、あるいはそのうちの複数がレッドゾーンに
属する場合には、図8のような安全動作に入る。
【0062】図において、ケースAの場合は、図1の隔
室32の検出手段42だけが、閾値W2を超えた出力信
号を制御手段51に送った場合である。制御手段51
は、電磁弁34を閉じて、気体格納装置30の気体格納
容器31から送られる水素等の気体が配管41に流入す
るのを阻止する。これにより隔室32の領域で、水素等
の気体漏洩が危険な状態となることを防止し、必要によ
り警報手段52に指示を出して、ユーザにその状態を報
知する。
【0063】図8において、ケースBの場合は、図1の
隔室37の検出手段43が、閾値W2を超えた出力信号
を制御手段51に送った場合である。制御手段51は、
電磁弁34だけを閉じて、気体格納装置30の気体格納
容器31から送られる水素等の気体が配管41に流入す
るのを阻止する。これにより隔室37の領域で、水素等
の気体漏洩が危険な状態となることを防止し、必要によ
り警報手段52に指示を出して、ユーザにその状態を報
知する。
【0064】図8において、ケースCの場合は、図1の
隔室132の検出手段44が、閾値W2を超えた出力信
号を制御手段51に送った場合である。制御手段51
は、隔室132より上流の電磁弁34と電磁弁134を
閉じて、気体格納装置30の気体格納容器31及び気体
格納装置130の気体格納容器31から送られる水素等
の気体が配管41に流入するのを阻止する。これにより
隔室132の領域で、水素等の気体漏洩が危険な状態と
なることを防止し、必要により警報手段52に指示を出
して、ユーザにその状態を報知する。
【0065】図8において、ケースDの場合は、図1の
隔室137の検出手段45が、閾値W2を超えた出力信
号を制御手段51に送った場合である。制御手段51
は、隔室137より上流の電磁弁34と電磁弁134を
閉じて、気体格納装置30の気体格納容器31及び気体
格納装置130の気体格納容器31から送られる水素等
の気体が配管41に流入するのを阻止する。これにより
隔室137の領域で、水素等の気体漏洩が危険な状態と
なることを防止し、必要により警報手段52に指示を出
して、ユーザにその状態を報知する。
【0066】図8において、ケースEの場合は、図1の
隔室232の検出手段46が、閾値W2を超えた出力信
号を制御手段51に送った場合である。制御手段51
は、隔室232より上流の電磁弁34、電磁弁134、
電磁弁234と、配管41の終端にある主止弁39を閉
じて、気体格納装置30の気体格納容器31及び気体格
納装置130、気体格納装置230の気体格納容器31
の気体格納容器31から送られる水素等の気体が配管4
1に流入すると共に、配管41の気体搬送も停止するこ
れにより隔室232の領域で、水素等の気体漏洩が危険
な状態となることを防止し、必要により警報手段52に
指示を出して、ユーザにその状態を報知する。
【0067】図8において、ケースFの場合は、図1の
隔室38の検出手段47が、閾値をW2超えた出力信号
を制御手段51に送った場合である。制御手段51は、
隔室232より上流の電磁弁34、電磁弁134、電磁
弁234と、配管41の終端にある主止弁39を閉じ
て、気体格納装置30の気体格納容器31及び気体格納
装置130、気体格納装置230の気体格納容器31の
気体格納容器31から送られる水素等の気体が配管41
に流入すると共に、配管41の気体搬送も停止するこれ
により隔室232の領域で、水素等の気体漏洩が危険な
状態となることを防止し、必要により警報手段52に指
示を出して、ユーザにその状態を報知する。
【0068】このように、各隔室に設けたいずれかの検
出手段が、爆発下限界以下の段階的に設定された閾値濃
度を超えた時に、警報もしくは注意喚起を行うことで、
可燃性気体の爆発の危険を避けることができる。また、
爆発下限界以下の段階的に設定された閾値濃度を超えた
時にも、警報もしくは注意喚起を行うことで、漏洩気体
の濃度の危険な高まりを事前に知ることができる。すな
わち、例えば、気体供給装置10を、燃料電池車の燃料
供給系に採用した場合等において、水素等の気体燃料が
漏洩した場合に、車両の走行中に、燃料の供給をいきな
り停止することは、危険な場合がある。このため、上述
のように、漏洩水素の特定の隔室内における平衡水素濃
度が爆発下限界以下の段階的に設定された所定の閾値濃
度を超えた時に、警報もしくは注意喚起を行うことで、
運転者を含む使用者に、事前の対策を行う必要を報知す
ることができる。
【0069】次に、上述の実施形態における気体格納容
器31を利用した気体の搬送方法について説明する。気
体の搬送方法に係る第1の例は、図2の気体格納容器3
1に、上述した構成の外装部材21が装着された状態に
おいて、水素等の気体の充填した後で、トラック等の車
両に積み込み、これを搬送し、引き続き搬送先で荷降ろ
しして、燃料電池システムに組み込んだり、燃料電池車
に組み込む、というものである。
【0070】気体の搬送方法に係る第2の例は、検査用
気体を搬送する方法である(図14参照)。即ち、先
ず、気体格納装置30(但し、この場合の気体格納装置
30は、気体格納容器31及び気体取り出し口33を必
須の構成部材とするが、ジョイント部36や電磁弁39
は任意の構成部材とする。)を組み立てる。次いで、こ
の組み立てた気体格納装置30に対して品質検査を行う
に当たり、必要箇所に隔室又は外装部材(シート材を含
む。)を取り付けるとともに検出手段23、42等を必
要箇所に設置し、検査用気体を気体格納装置30内を通
流させたり、気体格納容器31に充填するなどして、検
出手段23,42等又は目視により、気体漏洩の有無と
程度を検査する。次いで、合格となった気体格納装置3
0の気体格納容器31内に検査用気体の残存させ、且
つ、先に検査用に取り付けた隔室又は外装部材(シート
材を含む。)を取り外すことなく梱包し、これを搬送
し、搬送先で燃料電池システムに組み込んだり、燃料電
池車に組み込む、というものである。この第2の例で
は、気体格納容器31に充填されるべき気体が最終的に
水素である場合は、検査用気体はヘリウムガスが好適で
ある。この第2の例は、検査用気体を搬送する方法の例
であるといえる。尚、外装部材に対して、予め検出手段
を設置してから、外装部材を必要箇所に設置してもよ
い。
【0071】このような搬送過程においては、気体格納
容器31の本体に、微細な割れや亀裂等が生じた場合
に、漏れた水素等の気体を気体格納容器31の表面と、
外装部材21の間に一時的に収容される。このため、外
装部材21の水素等が収容された箇所は僅かに膨らん
で、外観から視認できるので、このような気体格納容器
31を使用しないで、搬送元に戻したりする判断を行う
ことができる。したがって、簡単な構成ながら、安全輸
送や取り扱いの安全確保の上で大きな効果を得ることが
できる。
【0072】尚、気体の搬送方法に係る第2の例におい
ては、搬送の安全を確保するために、気体格納容器31
に残された検査用気体の圧力は大気圧以上であることが
望まれ、むしろ大気圧よりも大きいことが好適である。
このような圧力に設定すれば、搬送途中で気体の漏洩を
検知し易いし、搬送過程で気体格納容器31に変形応力
が印加されても、内圧により形状が維持されるため、変
形抵抗が増し、凹み疵がつき難くなる。又、この第2の
例によれば、本来ならば、搬送先において設置すべき気
体供給装置10に隔室又は外装部材(シート材を含
む。)の一部又は全部の取り付けを、気体格納装置30
の搬送前に行ってしまうことになるので、搬送先での作
業、特に組立作業の負荷が大幅に軽減される。これに加
えて、気体格納装置30の品質検査を搬送前に済ませて
おくことになるので、搬送先での作業、特に検査作業が
大幅に効率化できる。
【0073】燃料電池を備える設備、例えば、自動車そ
の他の装置の燃料系を組み立てた場合、品質検査、特に
気密性の検査が必要になる。この検査においても、目的
とする気体又は検査用気体を加圧通流するか、気体格納
容器に高圧充填することにより、漏洩気体の有無や程度
を検出する必要上、漏洩気体を如何に効率的に検出する
かが課題となる。尚、目的とする気体が水素の場合、検
査用気体はヘリウムガスが好適である。そこで、上述の
実施形態に記載した全ての構成もしくはその一部の構成
を組み込んで当該燃料電池を備える設備を組み立て、そ
の設備に対して検査を行えば、漏洩気体を迅速且つ確実
に検出することができる。
【0074】又、燃料電池を備えた装置に燃料供給系等
を組み立てる前にも、配管、ジョイント部、バルブ、気
体格納容器等の気体格納装置又は気体供給装置を構成す
る個々の部材に対して、品質検査が必要とされる。これ
らの各構成部品の一部もしくは全部を接続した後、気密
性の検査が必要とされる場合もある。このような検査で
も、漏洩気体を如何に効率的に検出するかがも問題とな
る。そこで、上述の実施形態における図1ないし図3の
いずれの構成を採用し、これらに、例えば、ヘリウムガ
ス等の検査用気体を加圧流通させるか、気体格納容器に
加圧充填して気密性の検査を行えば、個々の構成部品単
位で、あるいは気体格納装置又は気体供給装置全体とし
て、一括して、迅速、確実且つ簡単に検査を行うことが
できる。
【0075】燃料電池を備えた装置に燃料供給系等を組
み立てる前に、気体格納装置の品質検査を済ませておく
という上記の取扱い方法は、上述の気体の搬送方法に係
る第2の例と基本的に同一の技術的思想に立つものであ
る(図14参照)。即ち、先ず、気体格納装置30(但
し、この場合の気体格納装置30は、気体格納容器31
及び気体取り出し口33を必須の構成部材とするが、ジ
ョイント部36や電磁弁39は任意の構成部材とす
る。)を組み立てて、次いで、この組み立てた気体格納
装置30に対して品質検査を行うに当たり、必要箇所に
隔室又は外装部材(シート材を含む。)を取り付けると
ともに検出手段23、42等を必要箇所に設置する。こ
れにより、上述の実施形態における図1ないし図3のい
ずれかの構成を作り上げる。
【0076】次に、検査用気体を気体格納装置30内を
通流させたり、気体格納容器31に充填するなどして、
検出手段23,42等又は目視により、気体漏洩の有無
と程度を検査する。合格となった気体格納装置30の気
体格納容器31内に検査用気体の残存させ、且つ、先に
検査用に取り付けた隔室又は外装部材(シート材を含
む。)を取り外すことなく梱包する。梱包した気体格納
装置30(又は気体供給装置10)は、倉庫に保管して
おいてもよいし、これを目的地まで搬送してもよい。搬
送先では、気体格納装置30(又は気体供給装置10)
が燃料電池システム、例えば燃料電池車に組み込まれ
る。
【0077】このような気体格納装置の取扱いにおい
て、気体格納容器31に充填されるべき気体が最終的に
水素である場合は、検査用気体はヘリウムガスが好適で
ある。又、搬送の安全を確保するために、気体格納容器
31に残された検査用気体の圧力は大気圧以上であるこ
とが望まれ、むしろ大気圧よりも大きいことが好適であ
る。このような圧力に設定すれば、搬送途中で気体の漏
洩を検知し易いし、搬送過程で気体格納容器31に変形
応力が印加されても、内圧により形状が維持されるた
め、変形抵抗が増し、凹み疵がつき難くなる。又、この
気体格納装置の取扱い方法によれば、本来ならば、搬送
先において設置すべき気体供給装置10に隔室又は外装
部材(シート材を含む。)の一部又は全部の取り付け
を、気体格納装置30の搬送前に行ってしまうことにな
るので、搬送先での作業、特に組立作業の負荷が大幅に
軽減される。これに加えて、気体格納装置30の品質検
査を搬送前に済ませておくことになるので、搬送先での
作業、特に検査作業が大幅に効率化できる。尚、外装部
材に対して、予め検出手段を設置してから、外装部材を
必要箇所に設置してもよい。本発明は上述の実施形成の
構成に限定されない。特に、上述の実施形態の各構成
は、必要に応じてその一部を省略したり、他の構成と組
み合わせたりすることができる。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、超
高圧状態で格納した拡散しやすい気体の漏洩を迅速かつ
確実に検出することができる気体格納装置と、気体格納
装置から気体を送る気体供給装置、及び気体の輸送方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による気体供給装置の概略構
成を示す系統図。
【図2】図1の気体供給装置に使用する気体格納装置の
概略構成を示す説明図。
【図3】図1の気体供給装置に使用する隔室の概略構成
を示す説明図。
【図4】外気交換量である空気投入量と平衡水素濃度の
関係を示すグラフ。
【図5】外気交換量である空気投入量と平衡水素濃度の
関係を示すグラフ。
【図6】漏洩水素量を10cc/時間とした場合と、2
0cc/時間とした場合のそれぞれについて、投入空気
量(外気交換量)を変化させた時の隔室内の平衡水素濃
度についてまとめた表。
【図7】投入空気量(外気交換量)を、480cc/時
間にした状態で、漏洩水素量が4ccから22ccまで
変化した場合の隔室内の平衡水素濃度をLELで示した
グラフ。
【図8】図1の気体供給装置の検出制御例を示す表。
【図9】合成樹脂製のシート材により、気体取り出し口
及びその近傍を覆い包むよう設置した例を示す図であ
る。
【図10】気体格納容器を覆い包むようにシート材を設
置した例を示す図である。
【図11】合成樹脂製のシート材により、気体取り出し
口及び気体格納容器並びにそれらの近傍を覆い包むよう
設置した例を示す図である。
【図12】合成樹脂製のシート材により、電磁弁及びそ
の近傍の配管の一部を覆い包むようした例を示す図であ
る。
【図13】シート材により、電磁弁及びその近傍の配管
の一部を覆い包むようにした例を示す図である。
【図14】検査用気体を搬送する方法の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図15】従来の気体供給装置の概略構成を示す系統
図。
【符号の説明】 10・・・気体供給装置、30・・・気体格納装置、3
1・・・気体格納容器、32,37,132,137,
232,38・・・隔室、33・・・気体取り出し口、
36,136・・・ジョイント部、42,44,46,
47・・・検出手段。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体の格納容器と、格納容器に設置され
    た気体取り出し口とを備える気体格納装置において、 前記気体取り出し口またはその近傍に設置され、前記気
    体取り出し口から漏洩する気体を収容する隔室と、 この隔室の状態変化を検出する検出手段とを備えること
    を特徴とする、気体格納装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段が、前記隔室内に蓄積され
    る気体を検出する感知装置であることを特徴とする、請
    求項1に記載の気体格納装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段が、隔室内の圧力または圧
    力変化を感知する感知装置であることを特徴とする、請
    求項1に記載の気体格納装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段が、隔室の形状変化を検出
    する感知装置であることを特徴とする、請求項1に記載
    の気体格納装置。
  5. 【請求項5】 前記気体取り出し口に設置されたバルブ
    機構を備え、このバルブ機構の一部または全部が前記隔
    室内に配置されていることを特徴とする、請求項1ない
    し4のいずれかに記載の気体格納装置。
  6. 【請求項6】 前記隔室が、外気と部分的に連通されて
    おり、装置側から漏洩する気体の濃度が予め定めた濃度
    を超えたことを、前記検出手段が検出する構成としたこ
    とを特徴とする、請求項1、2、3、5のいずれかに記
    載の気体格納装置。
  7. 【請求項7】 前記隔室内部の外気交換量が、装置側か
    らの気体漏洩による放出量が予め定めた許容される放出
    量である場合には、この気体の隔室内の濃度が危険状態
    とならない範囲に設定されていることを特徴とする、請
    求項6に記載の気体格納装置。
  8. 【請求項8】 気体の格納容器と、格納容器に設置され
    た気体取り出し口とを備える複数の気体格納装置を配管
    で接続して、各格納容器からの気体を供給するようにし
    た気体供給装置であって、 前記各気体格納装置が、 前記気体取り出し口またはその近傍に設置され、前記気
    体取り出し口から漏洩する気体を収容する隔室と、 この隔室の状態変化を検出する検出手段とを備えてお
    り、 各検出手段の検出結果に基づいて、対応する前記気体格
    納装置の気体取り出し口に配置されたバルブを閉止する
    構成としたことを特徴とする、気体供給装置。
  9. 【請求項9】 前記配管がその延長方向に沿って設けた
    配管の接続部と、この接続部に設定された前記隔室を有
    しており、この接続部の隔室または前記気体取り出し口
    の隔室に設けた前記検出手段が、各隔室内の平衡水素濃
    度を検出する構成とされ、 かつ、少なくとも、いずれかの検出手段が、爆発下限界
    以下の段階的に設定された閾値濃度を超えた時に、警報
    もしくは注意喚起を行う構成としたことを特徴とする、
    請求項8に記載の気体供給装置。
  10. 【請求項10】 気体の格納容器と、格納容器に設置さ
    れた気体取り出し口とを含む複数の部材により構成され
    る気体格納装置であって、 前記複数の部材の一部または全部を包み込む外装部材を
    備え、前記複数の部材の一部または全部から漏洩する気
    体を前記外装部材により、少なくとも一時的に収容可能
    な構成としたことを特徴とする、気体格納装置。
  11. 【請求項11】 前記外装部材は、前記複数の部材の一
    部または全部を覆い包むシート材であり、前記複数の部
    材の一部または全部から前記気体が漏洩した場合に、外
    観上の変化を呈する構成としたことを特徴とする、請求
    項10に記載の気体格納装置。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    10、11の何れかに記載の気体格納装置が備える格納
    容器に気体を充填し、当該気体格納装置を搬送すること
    を特徴とする、気体の搬送方法。
  13. 【請求項13】 気体の充填が可能な格納容器と、格納
    容器に設置された気体取り出し口とを含む複数の部材に
    より構成される気体格納装置の取扱い方法であって、 前記気体取り出し口またはその近傍に、前記気体取り出
    し口から漏洩する気体を少なくとも一時的に収容可能な
    隔室とその隔室の状態変化を検出する検出手段を設置
    し、検査用気体を格納容器に充填し、検出手段を使って
    気体の漏洩を検査し、検査合格となった場合、格納容器
    に充填した検査用気体を1気圧以上の圧力のままで当該
    格納容器に残し、前記隔室を設置したままの状態で気体
    格納装置を梱包することを特徴とする、気体格納装置の
    取扱い方法。
  14. 【請求項14】 気体の充填が可能な格納容器と、格納
    容器に設置された気体取り出し口とを含む複数の部材に
    より構成される気体格納装置の取扱い方法であって、 前記複数の部材の一部又は全部から漏洩する気体を少な
    くとも一時的に収容可能なようにその複数の部材の一部
    又は全部を包み込む外装部材及びその外装部材内の状態
    変化を検出する検出手段を設置し、検査用気体を格納容
    器に充填し、検出手段を使って気体の漏洩を検査し、検
    査合格となった場合、格納容器に充填した検査用気体を
    1気圧以上の圧力のままで当該格納容器に残し、前記外
    装部材を設置したままの状態で気体格納装置を梱包する
    ことを特徴とする、気体格納装置の取扱い方法。
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