JP2003172400A - 一軸振動減衰ユニット - Google Patents

一軸振動減衰ユニット

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JP2003172400A
JP2003172400A JP2001374110A JP2001374110A JP2003172400A JP 2003172400 A JP2003172400 A JP 2003172400A JP 2001374110 A JP2001374110 A JP 2001374110A JP 2001374110 A JP2001374110 A JP 2001374110A JP 2003172400 A JP2003172400 A JP 2003172400A
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哲人 仲戸川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持構造物と被支持構造物間の相対振動を減
衰する一軸振動減衰装置の設置性を改善して、それら支
持構造物と被支持構造物との間の狭い空間内での作業を
可及的に削減できるようにユニット化し、かつコンパク
ト化を図る。 【解決手段】 支持構造物6と被支持構造物10との間
に介在させて、相対振動を減衰する一軸振動減衰ユニッ
ト30を、被支持構造物10に貫通形成した装着口32
に着脱可能に装着するハッチ34と、ハッチ34に対向
して支持構造物6側に当接係止される係止板36と、係
止板36とハッチ34との中央部に設けられてそれらの
相対移動を一軸方に案内するセンターガイド38と、ハ
ッチ34を含む被支持構造物10側と係止板36とに両
端が繋がれて設けられた減衰手段52とで構成し、かつ
減衰手段52は被支持構造物10側あるいは該係止板3
6のいずれか一方に一端を固定されて設けられた片持ち
状の鋼棒ダンパー54と、鋼棒ダンパー54の他端と被
支持構造物10側あるいは係止板36のいずれか他方と
を連結する繋ぎ材56とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持構造物と被支
持構造物との間に介在されて、両者の相対振動を減衰さ
せる一軸振動減衰装置のユニット化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等の重要施設は地震等に対
して耐震設計を行っていたが、その重要施設を立地条件
にかかわらず構築できる立地拡大を目指したサイトフリ
ーと、設備の標準化によるコスト低減を目指した標準化
プラント構築とを可能とする免震構造の採用が望まれて
いる。
【0003】一般に、ビル等の建築物の免震は積層ゴム
等を用いた水平免震構造が採用されるが、これに上下免
震構造を併用することにより三次元免震を達成して地震
から建築物を効率良く保護することができ、これを上記
重要施設に適用することによって建築物およびそれに内
包される重要な機器設備の標準化が可能となる。そし
て、このような三次元免震装置として、図12の様な構
造が例えば特開平11−30278号公報等にて示唆さ
れている。
【0004】即ち、支持基盤2上に積層ゴム4a及び水
平方向ダンパー4b等からなる水平免震装置4を介して
下部構造物たる建物躯体6を支持し、さらにこの水平免
振された建物躯体6の床面6a上方に、適宜間隔を隔て
て上部構造物たる免振床10を配して、当該免振床10
と建物躯体6の床面6aとの間に、上下方向の免振を行
う一軸振動吸収装置12を適宜位置に多数を介在させる
という構造であり、上下免振用の一軸振動吸収装置12
としては、コイルバネや皿バネなどの弾性体を用いて免
振床10の上下方向の一軸振動を吸収する一軸変位吸収
機構14、並びにその上下の一軸方向の振動エネルギー
を吸収して減衰させる振動減衰機構16とを設置するの
が一般的である。
【0005】上記変位吸収機構14は、免振床10の下
面に固設される上側取付板18と、建物躯体6の床面6
aに固設される下側取付板20と、これら両取付板1
0,20に一体的に取り付けられて互いに摺動自在に嵌
合して伸縮するセンターガイド22、このセンターガイ
ド22の外周部に設けられるコイルバネや皿バネなどの
弾性体24とからなる。また、上記振動減衰機構16は
油圧ダンパーや摩擦ダンパー等からなり、免振床10と
建物躯体6の側壁部6bとを繋いで設けられたり、変位
吸収機構14に並設されて免振床10と建物躯体6の床
面6aとを繋いで設けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の上下免振に用いられる一軸振動減衰機構16で
は、免振床10の下面と建物躯体6の床面6aとの間
に、これらに固設して多数の一軸変位吸収機構14並び
に振動減衰機構16とを設置するには、免振床10と建
物躯体6との間の空間に人が入り込んで取付作業をする
ことになるめ、その作業スペースを確保する必要があっ
て、免振床10の高さを低く設定することに限界があっ
た。また、狭い空間での作業となるため、一軸変位吸収
機構14と振動減衰機構16とを多数設置するにはその
取付に多大な労力を費やすことになり、施工性の面で難
点があるだけでなく、定期的に行われるメンテナンス作
業性にも難点があった。
【0007】また、免振床10と建物躯体6の側壁部6
bとを繋いで一軸振動減衰機構16を設ける場合には、
免振床10には振動減衰機構16の振動減衰作用に伴う
反力が曲げ応力となって作用することになるから、当該
曲げ応力を考慮して、部材厚みを大きく設定しなければ
ならず、構造物全体としての重量増大を来すだけでな
く、免振床10や建物躯体6の部材設計の自由度に制限
があった。
【0008】本発明はかかる従来の課題に鑑みて成され
たもので、その目的は、支持構造物と被支持構造物との
間でそれらの相対振動を減衰する一軸振動減衰装置の設
置性を改善して、それら支持構造物と被支持構造物との
間の狭い空間内での作業を可及的に削減できるようにユ
ニット化することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明では、支持構造物と被支持構
造物との間に介在されて、それらの相対振動を減衰する
一軸振動減衰ユニットにおいて、該被支持構造物の床等
に貫通形成された装着口に着脱可能に装着されるハッチ
と、該ハッチに対向して設けられ、該支持構造物側に当
接係止される係止板と、該係止板と該ハッチとの中央部
に設けられて相互に摺動し、該係止板と該ハッチとの一
軸方向への移動を案内するセンターガイドと、該ハッチ
を含む該被支持構造物側と該係止板とに両端が繋がれて
設けられた減衰手段とを備え、該減衰手段が、該被支持
構造物側あるいは該係止板のいずれか一方に一端を固定
されて設けられた片持ち状の鋼棒ダンパーと、該鋼棒ダ
ンパーの他端と該被支持構造物側あるいは該係止板のい
ずれか他方とを繋ぐ繋ぎ材とからなる、ことを特徴とす
る。
【0010】請求項2にかかる発明では、請求項1の一
軸振動減衰ユニットにおいて、前記係止板と前記ハッチ
との間に介在されて、前記センターガイドの外周部にバ
ネ部材が設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項3にかかる発明では、請求項1また
は2のいずれかの一軸振動減衰ユニットにおいて、前記
鋼棒ダンパーが前記係止板に設けられて、前記センター
ガイドに沿って湾曲形成されていることを特徴とする。
【0012】請求項4にかかる発明では、請求項3の一
軸振動減衰ユニットにおいて、前記鋼棒ダンパーの他端
の内側に、該他端に当接して該他端の内側への変位を規
制する押さえ板を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項5にかかる発明では、請求項1また
は2の一軸振動減衰ユニットにおいて、前記鋼棒ダンパ
ーが前記ハッチを含む被支持構造物の表面部に設けら
れ、前記繋ぎ材はその一端が前記係止板に連結されとと
もに、その他端が前記ハッチに形成された貫通孔を通じ
て該被支持構造物の表面側に露出されて該鋼棒ダンパー
の他端に連結されていることを特徴とする。
【0014】請求項6にかかる発明では、請求項5の一
軸振動減衰ユニットにおいて、前記鋼棒ダンパーが前記
ハッチに固定されていることを特徴とする。
【0015】請求項7にかかる発明では、請求項5の一
軸振動減衰ユニットにおいて、前記鋼棒ダンパーが前記
ハッチ側方部の被支持構造物に固定されていることを特
徴とする。
【0016】請求項8にかかる発明では、請求項5〜7
の一軸振動減衰ユニットにおいて、前記センターガイド
が相互に摺動嵌合する摺動軸と摺動筒とからなり、前記
ハッチと該摺動軸との中心部に貫通孔が形成されて、該
貫通孔と該摺動筒との内部に前記繋ぎ材が配されている
ことを特徴とする。
【0017】請求項9にかかる発明では、請求項1〜8
の一軸振動減衰ユニットにおいて、前記鋼棒ダンパーが
固定端側ほど太く形成されていることを特徴とする。
【0018】請求項10にかかる発明では、請求項1〜
9の一軸振動減衰ユニットにおいて、前記支持構造物が
水平免振装置によって水平免振された建物躯体であり、
前記被支持構造物が免振床であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る一軸振動減
衰ユニットの実施形態について添付図面を参照して詳細
に説明する。
【0020】《第1実施形態》図1は本発明の一軸振動
減衰ユニットを三次元免振構造の免振床に適用した例を
模式的に示す第1実施形態の概略構成図である。この一
軸振動減衰ユニット30は振動変位吸収機能と振動減衰
機能とを併せて発揮する一軸振動減衰機構をユニット化
したものである。
【0021】図示するように、支持基盤2上には積層ゴ
ム4aと水平方向ダンパー4bとからなる水平免振装置
4を介して水平方向に免振された建物躯体6が設けられ
る。そして、この建物躯体6の床面6a上方には、当該
建物躯体6を支持構造物として所定の間隔を隔てて被支
持構造物たる免振床10が配置されており、当該建物躯
体6の床面6aと免振床10との間に、上下振動の吸収
・減衰機能を発揮して上下免振する本発明に係る一軸振
動減衰ユニット30が設けられている。
【0022】この振動変位吸収機能と振動減衰機能とを
有する一軸振動減衰ユニット30は、免振床10に貫通
形成された装着口32に着脱可能に装着されるハッチ3
4と、このハッチ34に対向して設けられて、建物躯体
6の床面6aに立設された腰壁6cの上面に当接係止さ
れる係止板36と、この係止板36とハッチ34との中
央部に設けられて相互に摺動係合し、上記係止板36と
ハッチ34との上下への近接離間方向の相対変位を許容
して、一軸方向に相対移動を案内するセンターガイド3
8と、係止板36とハッチ34との間に介在されてセン
ターガイド38の外周部に設けられたバネ部材40と、
係止板36とハッチ34とに両端が係止されて設けられ
た減衰手段52とを備えた構成となっており、ハッチ3
4は装着口32に取り付けられて、免振床10の一部を
なす。
【0023】免振床10を貫通して開口形成される装着
口32は円形をなし、その上部側は大径に拡大形成され
て段部32aが設けられている。ハッチ34は当該装着
口32の大きさに対応形成され、上記段部32aに対応
するフランジ部34aが上部側に拡径形成されていて、
当該フランジ部34aが上記装着口32の段部32aに
ボルトにより固定される構造となっている。
【0024】上記ハッチ34の下面中央にはセンターガ
イド38を構成する摺動軸38aが下方に突出して一体
的に設けられている。一方、上記係止板36は円盤状を
なし、その上面中央部にはセンターガイド38を構成す
る摺動筒38bが上方に突出して一体的に設けられてい
て、この摺動筒38b内に上記摺動軸38aが水平方向
に係合して上下の軸方向に沿って摺動自在に嵌合され
て、ハッチ34と係止板36との相対移動が上下の一軸
方向に規制されている。
【0025】上記センターガイド38の外周部に配され
てハッチ34と係止板36との間に介在されるバネ部材
40には、コイルスプリングや皿バネなどを使用し得
る。コイルスプリングを用いる場合は、その両端部をそ
れぞれハッチ34と係止板36とに固定しておくこと
で、センターガイド38の摺動係合状態を保持する保持
手段42として機能させ得る。コイルスプリングは小径
のものをセンターガイド38の外側に複数等間隔に設け
ても良いし、大径のものをセンターガイド38と同軸に
設けても良い。皿バネを使用する場合には、センターガ
イド38の摺動軸38aと摺動筒38bとの嵌合状態が
外れるのを防止するストッパーなどの保持手段を別途に
設ける。摺動軸38aと摺動筒38bとは組み立てられ
た皿バネが外れるのを防止する。その摺動ストローク
は、皿バネが完全に伸びた状態から完全に縮んだ状態ま
で摺動状態が保持される構造とする。
【0026】また、上記係止板36と、この係止板36
が当接される支持構造物側の係止板当接部、つまり建物
躯体6の床面6aに立設された腰壁6cの上面とには、
センターガイド38の摺動方向に直交して作用する剪断
力を受ける凹凸嵌合部48を形成して、相互に嵌合させ
るようにするのが望ましい。本図示例では摺動筒38b
の下部側が凹側嵌合部48aとして利用され、腰壁6c
の上面には凸側嵌合部48bが当該腰壁6cと一体形成
されている。
【0027】ところで、図2〜図6は上記一軸振動減衰
ユニット30及びその減衰手段52の構成を具体的にし
て示したものであって、図2は床面側から見た一軸減衰
ユニット30の平面図、図3は図2中のIII−III線矢視
断面図、図4は図3中のIV−IV線矢視断面図、図5は減
衰手段52をなす鋼棒ダンパーの平面図、図6はその鋼
棒ダンパーの斜視図である。即ち、これら図2〜図6に
示すように、減衰手段52はハッチ34を含む被支持構
造物側の免振床10あるいは係止板36のいずれか一方
に設けられる鋼棒ダンパー54、及び、この鋼棒ダンパ
ー54と免振床10あるいは係止板36とのいずれか他
方とを繋ぐ繋ぎ材56とから主になり、当該実施形態で
は、鋼棒ダンパー54は係止板36の上面に一端が溶接
接合されて一体的に設けられている。
【0028】上記鋼棒ダンパー54は係止板36に溶接
される一端の固定部54aはブロック状を呈していて、
このブロック状の固定部54a上端には、片持ち状の棒
状部54bが側方に向けて延出形成され、かつ、この棒
状部54bはセンターガイド38の摺動筒38bに沿っ
て円弧状に湾曲形成されている。また、上記鋼棒ダンパ
ー54の棒状部54bは固定端側ほど太く形成されてい
て、先端にいく程その断面積は滑らかに縮小されてい
て、繋ぎ材56の一端との連結部となる延出端は丸軸状
になっている。
【0029】そして、この鋼棒ダンパー54の他端とな
る棒状部54bの延出端に連結される、繋ぎ材56の下
端にはその丸軸状の棒状部54bに嵌合する連結金具5
8が一体的に設けられていて、この連結金具58は丸軸
状となった棒状部54bに回転可能に嵌合されている。
一方、当該繋ぎ材56の他端はハッチ34のフランジ部
34a下方の外周面に凹設形成された取付面34bに固
定金具60を介して固定係止されるようになっている。
また、免振床10の装着口32には、ハッチ34に形成
される減衰手段52の取付面34bが対向されて臨ませ
られる取付作業用の凹部62が、当該ハッチ34のフラ
ンジ部34a外周縁よりも径方向の外方まで拡大されて
形成されており、この作業用凹部62は着脱自在な蓋体
64で塞がれるようになっている。
【0030】また、連結金具58の内側には、係止板3
6上面に一体的に溶接固定されて、鋼棒ダンパー54が
垂直方向にスムーズに変形できるように押さえ板66が
設けられており、連結金具58はそのセンターガイド側
の内側面がこの押さえ板66にコロ部材等を介して当接
されていて、鋼棒ダンパー54の棒状部54bが上下に
変形した際に、センターガイド38側に向けて面内方向
に変位することが規制されている。ここで、押さえ板6
6は連結金具58の当接する外側面がセンターガイドの
軸芯を中心とした円弧面に形成されている。
【0031】さらに、上記ハッチ34とセンターガイド
38の摺動軸38aとの中心部には、同軸に貫通孔6
8,70が形成され、これら貫通孔68,70と摺動筒
38bとの内部には、前記ハッチ34と前記係止板36
とを繋いで前記バネ部材40を圧縮状態にして仮固定す
る拘束手段72が設けられており、この拘束手段72は
センターガイド38の摺動軸38aと摺動筒38bとの
係合状態を保持する係合保持手段としても機能する。
【0032】この図示例では、当該拘束手段72はボル
ト72aとナット72bとでなり、ボルト72aは下端
部が係止板36と一体となった摺動筒38bの底壁38
dに一体的に固着されている。上記底壁38dは、係止
板36と建物躯体6の腰壁6c上面とに設けられる凹凸
嵌合部48の、当該係止板36側に形成される凹側嵌合
部48aと摺動筒38bとを仕切るものである。また、
凹凸嵌合部48として腰壁6cの上面に設けられる凸側
嵌合部48bは、鋼板48cに嵌合軸48dが一体的に
立設されて形成され、当該鋼板48cはアンカー49に
より腰壁6cの上面に一体化されている。
【0033】ハッチ34の貫通孔68は上部側が拡径形
成されて段部68aが設けられており、ボルト72aに
螺合されたナット72bは当該段部68aに当接係止さ
れ、当該ナット72bを締め込むことで、ハッチ34と
係止板36との間にバネ部材40に所定の支持荷重を予
め与えて、当該一軸振動ユニット30の全長を所定の長
さに縮めた状態に仮固定して保持し得るようになってい
る。
【0034】さらに、上記拘束手段72には一軸振動減
衰ユニット30の設置時にこれをロープ等で吊り下げて
装着口32に挿通するための掛け金具74が貫通孔68
内の上部に位置して取り付けられており、貫通孔68の
上端はハッチ34に開閉自在に取り付けられた蓋体76
で閉止されるようになっている。なお、図2と図3中に
おいて35aはハッチ固定用ボルトの挿通孔であり、3
5bはハッチ固定用ボルトである。
【0035】以上の構成に係る一軸振動減衰ユニット3
0にあっては、地震等による振動が基盤に加わると、そ
の水平振動は水平面新装置によって免振されて建物躯体
6に伝わる。そして、建物躯体6の上下振動は一軸振動
減衰手段30によって吸収減衰されて免振床10に伝わ
り、よって免振床10は3次元方向に免振されることに
なる。
【0036】ここで、上記一軸振動減衰ユニット30
は、建物躯体6の上下振動によって建物躯体6の床面6
aと免振床10とが相対振動すると、センターガイド3
8の摺動軸38aと摺動筒38ことが摺動して、その相
対変位を一軸方向に規制すると共に、その上下変位をバ
ネ部材40が吸収する。そして、建物躯体6の床面6a
と免振床10との上下方向の相対振動の変位は繋ぎ材5
6によって鋼棒ダンパー54の棒状部54bの延出端に
伝えられ、当該鋼棒ダンパー54の塑性変形によってそ
の振動エネルギーが消費されて減衰される。
【0037】ここで、鋼棒ダンパー54の棒状部54b
は円弧状に湾曲形成されているので、当該棒状部54b
はその上下への変形に伴ってセンターガイド側の面内方
向にも変形して変位しようとするが、棒状部54bの先
端に回転可能に嵌合した繋ぎ材56下端の連結金具58
が内側に立設された押さえ板66に当接しているので、
当該面内方向への変形は規制される。また、係止板36
に設ける鋼棒ダンパー54を、係止板36の外周縁に沿
わせて円弧状に湾曲形成することで、係止板36の外径
寸法に内に収めて一軸振動減衰ユニット30を可及的に
コンパクトに構成できる。
【0038】また、棒状部54bはその固定端側ほど太
く形成されていて、先端にいく程その断面積は滑らかに
縮小されているので、その全長に亘って応力は可及的に
均等化され、かつ応力集中も起こり難く、もってその全
長に亘って塑性変形し易く、振動エネルギーを効率よく
消費して減衰させることができる。
【0039】また、一軸振動減衰ユニット30はハッチ
34と係止板36とはセンターガイド38によって上下
の一軸方向に移動自在に連結され、この係止板36とハ
ッチ34との間にバネ部材40と減衰手段52とが介在
させられてユニット化されており、かつセンターガイド
38の摺動係合状態は拘束手段72で保持し得るので、
当該一軸振動減衰ユニット30を建物躯体6と免振床1
0との間に設置するにあたっては、免振床10に貫通形
成した装着口32を通じて係止板36側から挿入してハ
ッチ34を装着口32に固定することで容易に装着する
ことができる。
【0040】つまり、建物躯体6と免振床10との間に
当該一軸振動減衰ユニット30を設置するにあたって
は、当該一軸振動減衰ユニット30を、クレーンなどで
吊り下げ状態となした免振床10に対して、その貫通形
成されている装着口32に係止板36側から床下に向け
て挿通挿入して、ハッチ34を免振床10にボルト35
bなどで固定するだけの簡易な作業で装着することがで
きる。なお、この装着の際には、免振床10を上記のよ
うに吊り下げ状態にするのに変えて、ジャッキなどで予
め腰壁6c上面から一軸振動減衰ユニット30の全長分
以上浮かしておき、所定の位置にすべての一軸振動減衰
ユニット30を設置してから、ジャッキを操作して免振
床10を降下させるようにしても良い。この場合、各一
軸振動減衰ユニット30の係止板36が建物躯体6の腰
壁6c上面に当接して、免振床10の荷重が各一軸振動
減衰ユニット30に負担されれば、ジャッキを取り除け
るようになる。
【0041】したがって、一軸振動減衰ユニット30を
装着するにあたって、建物躯体6と免振床10との間の
狭い空間内での設置作業工程を可及的に削減することが
できるようになって、設置性の向上が格段に図れる。ま
た、メンテナンス時においても、ハッチ34のボルト3
5bを外して一軸振動減衰ユニット30を免振床10上
に引き上げてメンテナンス作業をすることができるの
で、狭い床下空間で作業をする必要がなくなり、当該メ
ンテナンス性にも非常に優れたものとなる。このため、
建物躯体6と免振床10との狭い空間内での設置作業を
可及的に削減することができるようになり、設置性の向
上が格段に図れ、メンテナンス性も向上する。
【0042】また、拘束手段72によりバネ部材40を
圧縮状態にしてハッチ34と係止板36とを仮固定する
ことにより、所定の支持荷重を予めバネ部材40に与え
て一軸振動減衰ユニット30全長を所定長に縮めた状態
で設置することができるので、建物躯体6と免振床10
との間に当該一軸振動減衰ユニット30を設置するにあ
たっては、免振床10に貫通形成した装着口32を通じ
て係止板36側から挿入してハッチ34を固定すること
で免振床10に容易に装着することができるだけでな
く、クレーンやジャッキ等を用いて免振床10を腰壁6
c上面に予め浮かしておく寸法を、上記所定の支持加重
を与えて縮めてある状態の一軸振動減衰ユニット30の
全長に一致させておくことで、設置後に生じる免振床1
0の変位量の調整を簡易に行うことができ、全く上下に
変位が生じないようにすることもできる。
【0043】加えて、免振床10の装着口32には、ハ
ッチ32に形成される減衰手段52の取付面34bが対
向されて臨ませられる取付作業用の凹部62が形成され
ているので、拘束手段72によって一軸振動減衰ユニッ
ト30で負担すべき支持荷重に十分見合った予圧を付与
し得ないような場合において有用なものとなる。つま
り、減衰手段52の繋ぎ材56上端56aは固定金具6
0に対してフリーな状態にしておいて、ユニット30を
装着口32に挿入してハッチ34を固定用ボルト35b
で面振床10に固定装着し、この状態でジャッキ等で上
方に浮かしてある面振床10を徐々に下降させて一軸振
動減衰ユニット30の係止板36を腰壁6cの上面に当
接させて支持荷重を負担させていき、所定の支持荷重が
加わって一軸振動減衰ユニット30で免振床10を支持
した状態になってから、作業用凹部62を通じて減衰手
段52の繋ぎ材56上端56aを固定金具60に緊結等
して固定する作業が行える。
【0044】更に、バネ部材40と減衰手段52とを単
一のユニットに一体化させて組み込み、振動変位吸収機
能と振動減衰機能とを併せ持たせた一軸振動減衰ユニッ
ト30となしているので、振動変位吸収機能のみの専用
ユニットと振動減衰機能のみの専用ユニットとに分けて
配置する場合に比して、そのユニットの総設置数及び設
置スペースを大幅に削減することができ、設置作業の可
及的な省力化が図れる。
【0045】さらに、単一のユニット内に振動変位吸収
機能と振動減衰機能とを併せ持たせているので、免振床
10に振動減衰手段52による振動減衰作用に伴う反力
が曲げ応力となって作用することを防止することができ
るようになるばかりか、免振床10を支持する際の重量
分布に対応させて適切な位置に配設することが容易にな
る。よって、免振床10や建物躯体6に作用する応力の
低下が図れ、部材厚みを低減して構造物全体としての重
量増大を可及的に抑制することができるようになり、免
振床10や建物躯体6の部材設計の自由度を大きくする
ことができる。
【0046】また、係止板36と当該係止板36を当接
させる建物躯体6側の腰壁6cの上面とに、互いに嵌合
する凹凸嵌合部48を設けて、それら係止板36と腰壁
6c上面とに作用する水平方向の剪断力、つまり免震床
10の上下振動に直交する方向の剪断力を凹凸嵌合部4
8で受けるようにしているので、免振床10の外周縁部
に水平方向の相対変位を規制するローラ等は設けずと
も、あるいは係止板36をボルトなどの接合部材で建物
躯体6の腰壁6c上面に繋ぐことなく、上下の免振方向
に直交する水平方向の変位を拘束できるようになる。し
かも、一軸振動減衰ユニット30を装着口32から挿通
装着して凹凸嵌合部48を嵌め合わせるだけの簡易な作
業で容易に設置できる。なお、凹凸嵌合部48はその取
り合い関係を上下逆にして、係止板の下面に凸側嵌合部
を一体的に突出形成し、腰壁6c上面に凹側嵌合部を凹
設形成するようにしても良い。
【0047】《第2実施形態》図7と図8は第2実施形
態を示し、図7は側断面図、図8は平面図である。この
第2実施形態の一軸振動減衰ユニット80にあっては、
前述の第1実施形態の一軸振動減衰ユニット30に対し
て、以下の点が相違する。なお、第1実施形態と同一の
部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0048】即ち、鋼棒ダンパー54はハッチ34を含
む被支持構造物(つまり、ハッチ34あるいはその側方
部の免振床)の表面部に設けられ、繋ぎ材56はその一
端が係止板36にピン固定で連結されとともに、その他
端がハッチ34に形成された貫通孔82を通じて被支持
構造物の表面側に露出されて鋼棒ダンパー54の他端に
連結されている。この図示例では鋼棒ダンパー54はハ
ッチ34の中央部寄りの上面に一端が一体的に固定され
て設けられている。その固定部54aはやはりブロック
状をなし、この固定部54aの上端部から上記繋ぎ材5
6の側方に延びて棒状部54bが一体的に形成されてい
る。また、ハッチ34に形成される繋ぎ材用の貫通孔8
2は、鋼棒ダンパー54の棒状部54bの変形に追従し
て繋ぎ材56が動けるように当該棒状部54bの長手方
向に沿って長い矩形状等に形成され、かつ、繋ぎ材56
の上端は棒状部54bの延出端に対して球面継ぎ手84
を介して連結されている。
【0049】そして、当該構成の第2実施形態の一軸振
動減衰ユニット80では、建物躯体6の床面6と免振床
10とに上下方向の相対振動が生じると、繋ぎ材56上
端のハッチ34上面からの突出量が変化して上下に変位
し、その変位が鋼棒ダンパー54に伝えられて当該鋼棒
ダンパー54の棒状部54bの塑性変形等により減衰作
用が発揮されることになる。この際、鋼棒ダンパー54
の棒状部54bに上下方向の変形が生じると、その変形
に伴って繋ぎ材56は上端の球面継ぎ手84の接合部が
鋼棒ダンパー54に対して回動すると共に、下端部のピ
ン接合部が係止板36に対して回動して、鋼棒ダンパー
54の棒状部54bの変形に追従することになる。
【0050】ここで、この一軸振動減衰ユニット80に
あっては、係止板36に下端をピン結合させた減衰手段
52の繋ぎ材56の上端を、ハッチ34に形成した貫通
孔82を通じてハッチ34上面の表面側に導き出し、当
該ハッチ34の上面に固定して設けてある鋼棒ダンパー
54に球面継ぎ手84を介して連結させているので、係
止板36の外周側部分には鋼棒ダンパー54を取り付け
るための設置スペース等を確保する必要が無い。よっ
て、ハッチ34より下の部分を可及的にコンパクトに構
成できる。
【0051】また、ハッチ34の上面に減衰手段52の
鋼棒ダンパー54を設置するので、減衰手段52の繋ぎ
材56の上端を鋼棒ダンパー54に固定するための取付
作業用の凹部は不要であり、免振床10を切り欠く等し
て当該凹部を形成する必要がない。また、ハッチ34の
表面に鋼棒ダンパー54があるので、メンテナンスや鋼
棒ダンパー54の交換容易に行え、作業性に優れる。
【0052】また、ハッチ34の表面上に鋼棒ダンパー
54が突出することになるが、邪魔になる場合には、周
囲の免振床10の上面よりもハッチ34の上面位置を下
げて免振床10の表面部から突出しないようにすること
も可能である。さらに、鋼棒ダンパー54をハッチ34
側方の免震床10側に固定することも可能で、このよう
にすれば、ハッチ34装着後に鋼棒ダンパー54を固定
することになるが、鋼棒ダンパー54の大きさをハッチ
34の大きさの影響を受けずに大型化させることがで
き、当該鋼棒ダンパー54による減衰力の増大化が図れ
る。また、逆にハッチ34はその大きさを鋼棒ダンパー
54の減衰性能を考慮せずに小型化させることができ、
鋼棒ダンパー54を除く他の部分の可及的なコンパクト
化が図れるようになる。
【0053】《第3実施形態》図9〜図11は第3実施
形態を示し、図9は側断面図、図10は平面図、図11
は繋ぎ材56と鋼棒ダンパー54との連結部の動きを説
明する斜視図である。この第3実施形態の一軸振動減衰
ユニット100では、前述の第1,第2実施形態の一軸
振動減衰ユニット30,80に対して、以下の点が相違
する。なお、第1,第2実施形態と同一の部材には同一
の符号を付してその説明は省略する。
【0054】即ち、センターガイド38の摺動軸38a
とハッチ34との中心に、それぞれ同軸な貫通孔68,
70を形成して、この貫通孔68,70の内部には、丸
軸状のロッド材でなる減衰手段52の繋ぎ材56が配さ
れていて、この繋ぎ材56の下端は係止板36と一体と
なった摺動筒38bの底壁38dに一体的に固着されて
いる。この繋ぎ材56の上端はハッチ34の上方に露出
し、この露出した上端部に鋼棒ダンパー54が連結され
るようになっている。
【0055】一方、鋼棒ダンパー54はハッチ34の上
面に一端が一体的に固定されて設けられ、その固定部5
4aはブロック状になっている。この固定部54aの上
端には片持ち状の棒状部54bが上記繋ぎ材56の側方
に向けて一体的に延出形成されている。繋ぎ材56の上
端には、鋼棒ダンパー54を連結するためのスリーブ状
の連結金具58Aが回転自在に嵌合されていて、その上
下には繋ぎ材56に固着されて、上記連結金具58Aの
軸方向への移動を規制するストッパー102が一対で設
けられている。また、連結金具58Aの外周には、当該
連結金具58Aにピン接合または剛接合されて連結板1
04が径方向外方に突出して一体的に設けられており、
この連結板104に鋼棒ダンパー54の棒状部54b先
端が係合されている。即ち、鋼棒ダンパ54は、棒状部
54bが連結金具58Aの接線方向に延びて配設されて
おり、連結金具58Aに対して放射状に等間隔で3セッ
トが設けられている。ここで、鋼棒ダンパー54はその
減衰力を大きく取るようにするために、当該鋼棒ダンパ
ー54の棒状部54bはハッチ34の円形状のフランジ
部34aよりも外側にまで延びて長く形成されており、
これに対応してハッチ34にはフランジ部34a外周か
ら放射状に3つの固定端取付部106が延出形成されて
いて、当該固定端取付部106に鋼棒ダンパー54の固
定部54aが一体的に固定されている。なお、鋼棒ダン
パー54の固定部54aは必ずしもハッチ34の上面に
固定しなければならないものではなく、免振床10の上
面に取付固定しても良い。この場合、当然のことである
がハッチ34には固定端取付部を延出形成する必要はな
い。
【0056】そして、当該構成の第3実施形態の一軸振
動減衰ユニットでは、建物躯体6の床面6aと免振床1
0とに上下方向の相対振動が生じると、繋ぎ材56上端
のハッチ34上面からの突出量が変化して上下に変位す
るが、連結金具58Aは上下のストッパー102,10
2により上下変位は拘束されるので、鋼棒ダンパー54
の棒状部54bは上下方向の変形が生じる。その変形に
伴って、鋼棒ダンパ54に係合した連結板104が連結
金具58Aに対してそのピン接合部で回動すると共に、
連結金具58Aは繋ぎ材56に対して回動自在のため、
鋼棒ダンパー54の棒状部54bの変形に追従すること
になる。
【0057】ここで、この一軸振動減衰ユニット100
にあっては、センターガイド38の摺動軸38aの中心
部に貫通孔68,70を形成して、減衰手段52の繋ぎ
材56を配設し、鋼棒ダンパー54はハッチ34の上面
に固定して設けているので、係止板36の外周側部分に
は何も設ける必要が無く、よってハッチ34より下の部
分を可及的にコンパクトに構成できる。ハッチ34の表
面側にはフランジ部34aから径方向外方に固定端取付
部106が突出することになるが、一軸振動減衰ユニッ
ト100は免振床10の表面側から装着口32に挿通挿
入して取り付けるから、その取り付けには支障は生じな
い。鋼棒ダンパー54をハッチ34側方の免震床10側
に固定するようにすれば、ハッチ34装着後に鋼棒ダン
パー54を固定することにはなるが、ハッチ34には固
定端取り付け部106を設ける必要が無くなって一層の
コンパクト化が図れるようになる。
【0058】なお、以上に説明した各実施形態では、い
ずれも免振床10に適用して上下方向の振動を吸収させ
るべく鉛直に配置する場合を示したが、本発明に係る一
軸振動減衰ユニット30,80,100はいずれも水平
方向に配置するようにしても良く、その配置方向は問わ
ない。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る一軸振
動減衰ユニットにあっては、次のような優れた効果を発
揮する。
【0060】(1)一軸振動減衰ユニットは、ハッチと
係止板とがセンターガイドによって一軸方向に移動自在
に連結され、この係止板とハッチとの間にバネ部材と減
衰手段とが介在させられてユニット化されており、かつ
センターガイドの摺動係合状態は繋ぎ材で保持し得るの
で、当該一軸振動減衰ユニットを支持構造物と被支持構
造物との間に設置するにあたっては、被支持構造物に貫
通形成した装着口を通じて係止板側から挿入してハッチ
を装着口に固定することで容易に装着することができ
る。
【0061】即ち、例えば建物躯体と免振床との間に当
該一軸振動減衰ユニットを設置するにあたっては、当該
一軸振動減衰ユニットを、クレーンなどで吊り下げ状態
となした免振床に貫通形成されている装着口に、係止板
側から床下に向けて挿通挿入して、ハッチを免振床にボ
ルトなどで固定するだけの簡易な作業で装着することが
でき、建物躯体と免振床との間の狭い空間内での設置作
業工程を可及的に削減することができるようになって、
設置性の向上が格段に図れる。また、メンテナンス時に
おいても、ハッチの装着口への固定を外して一軸振動減
衰ユニットを免振床上に引き上げてメンテナンス作業を
することができるので、狭い床下空間で作業をする必要
がなくなり、当該メンテナンス性にも非常に優れたもの
となる。このため、建物躯体と免振床との狭い空間内で
の設置作業を可及的に削減することができるようにな
り、設置性の向上が格段に図れ、メンテナンス性も向上
する。
【0062】(2)バネ部材と減衰手段とを単一のユニ
ットに一体化させて組み込み、振動変位吸収機能と振動
減衰機能とを併せ持たせた一軸振動減衰ユニットした場
合には、振動変位吸収機能のみの専用ユニットと振動減
衰機能のみの専用ユニットとに分けて配置する場合に比
して、そのユニットの総設置数及び設置スペースを大幅
に削減することができ、設置作業の可及的な省力化が図
れる。
【0063】さらに、単一のユニット内に振動変位吸収
機能と振動減衰機能とを併せ持たせているので、免振床
に振動減衰手段による振動減衰作用に伴う反力が曲げ応
力となって作用することを防止することができるように
なるばかりか、免振床10を支持する際の重量分布に対
応させて適切な位置に配設することが容易になる。よっ
て、免振床や建物躯体に作用する応力の低下が図れ、部
材厚みを低減して構造物全体としての重量増大を可及的
に抑制することができるようになり、免振床や建物躯体
の部材設計の自由度を大きくすることができる。
【0064】(3)係止板に設ける鋼棒ダンパーを係止
板の外周縁に沿わせて円弧状に湾曲形成することで、コ
ンパクトに構成できる。
【0065】(4)鋼棒ダンパーを円弧状に湾曲形成す
ると、その上下への変形に伴ってセンターガイド側の面
内方向にも変形して変位しようとするが、鋼棒ダンパー
の先端側に押さえ板を設けて当接させることで、当該面
内方向への変形を規制することができる。
【0066】(5)鋼棒ダンパーは、その固定端側程太
く形成して、先端にいく程断面積を滑らかに縮小させて
形成することで、その全長に亘って応力を可及的に均等
化させることができ、かつ応力集中も起こり難くなる。
よって、その全長に亘って塑性変形を起こし安くなし得
て、振動エネルギーを効率よく消費して減衰させること
ができるようになる。
【0067】(6)減衰手段の繋ぎ材下端を係止板に結
合させ、上端をハッチに形成した貫通孔を通じてハッチ
上面の表面側に導き出して、当該ハッチの上面に固定し
て設けた鋼棒ダンパーに連結させるようにすれば、係止
板の外周側部分には繋ぎ材の結合スペースだけを確保す
れば良いので、一軸振動減衰ユニットの被支持構造物の
装着口から裏面側に挿入される部分を可及的なコンパク
トに構成できる。また、ハッチの表面に減衰手段の鋼棒
ダンパーがあるので、鋼棒ダンパーと繋ぎ材との固定作
業や、メンテナンス作業、鋼棒ダンパーの交換作業が容
易に行え、作業性に優れたものとなる。
【0068】さらに、鋼棒ダンパーをハッチ側方の被支
持構造物側に固定することも可能で、このようにすれ
ば、ハッチ装着後に鋼棒ダンパーを固定することになる
が、鋼棒ダンパーの大きさをハッチの大きさの影響を受
けずに大型化させることができ、当該鋼棒ダンパーによ
る減衰力の増大化が図れる。また、逆にハッチはその大
きさを鋼棒ダンパーの減衰性能を考慮せずに小型化させ
ることができ、鋼棒ダンパを除く他の部分の可及的なコ
ンパクト化が図れるようになる。
【0069】(7)センターガイドの摺動軸の中心部に
貫通孔を形成して、減衰手段の繋ぎ材を配設し、鋼棒ダ
ンパーはハッチの表面に固定して設けるようにすれば、
係止板の外周側部分には何も設ける必要が無く、よっ
て、一軸振動減衰ユニットの被支持構造物の装着口から
裏面側に挿入される部分のより一層のコンパクト化が図
れるようになる。
【0070】(8)水平免振された支持構造物の床面
と、この床面の上方配置する免振床との間に当該一軸振
動減衰ユニットを設けることによって、三次元免振床を
簡易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一軸振動減衰ユニットを三次元免振構
造の免振床に適用した例を模式的に示す第1実施形態の
概略構成図である。
【図2】一軸振動減衰ユニット及びその減衰手段の構成
を具体的にした床面側から見た平面図である。
【図3】図2中のIII−III線矢視断面図である。
【図4】図3中のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】減衰手段をなす鋼棒ダンパーの平面図である。
【図6】鋼棒ダンパーの斜視図である。
【図7】第2実施形態を示す側断面図である。
【図8】第2実施形態を示す平面図である。
【図9】第3実施形態を示す側断面図である。
【図10】第3実施形態を示す平面図である。
【図11】第3実施形態の繋ぎ材と鋼棒ダンパーとの連
結部の動きを説明する斜視図である。
【図12】従来の免振床に用いられていた一軸振動吸収
機構を示す図である。
【符号の説明】
2 基盤 4 水平免振装置 6 建物躯体(支持構造物) 10 免振床(被支持構造物) 30,80,100 一軸振動減衰ユニット 32 装着口 34 ハッチ 36 係止板 38 センターガイド 38a 摺動軸 38b 摺動筒 40 バネ部材 40A 皿バネ積層体 52 減衰手段 54 鋼棒ダンパー 54a 固定部 54b 棒状部 56 繋ぎ材 58,58A 連結金具 60 固定金具 66 押さえ板 68,82 ハッチの貫通孔 70 摺動軸の貫通孔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持構造物と被支持構造物との間に介在
    されて、それらの相対振動を減衰する一軸振動減衰ユニ
    ットであって、 該被支持構造物の床等に貫通形成された装着口に着脱可
    能に装着されるハッチと、 該ハッチに対向して設けられ、該支持構造物側に当接係
    止される係止板と、 該係止板と該ハッチとの中央部に設けられて相互に摺動
    し、該係止板と該ハッチとの一軸方向への移動を案内す
    るセンターガイドと、 該ハッチを含む該被支持構造物側と該係止板とに両端が
    繋がれて設けられた減衰手段とを備え、 該減衰手段が、 該被支持構造物側あるいは該係止板のいずれか一方に一
    端を固定されて設けられた片持ち状の鋼棒ダンパーと、 該鋼棒ダンパーの他端と該被支持構造物側あるいは該係
    止板のいずれか他方とを繋ぐ繋ぎ材とからなる、ことを
    特徴とする一軸振動減衰ユニット。
  2. 【請求項2】 前記係止板と前記ハッチとの間に介在さ
    れて、前記センターガイドの外周部にバネ部材が設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の一軸振動減衰
    ユニット。
  3. 【請求項3】 前記鋼棒ダンパーが前記係止板に設けら
    れて、前記センターガイドに沿って湾曲形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の
    一軸振動減衰ユニット。
  4. 【請求項4】 前記鋼棒ダンパーの他端の内側に、該他
    端に当接して該他端の内側への変位を規制する押さえ板
    を設けたことを特徴とする請求項3記載の一軸振動減衰
    ユニット。
  5. 【請求項5】 前記鋼棒ダンパーが前記ハッチを含む被
    支持構造物の表面部に設けられ、前記繋ぎ材はその一端
    が前記係止板に連結されとともに、その他端が前記ハッ
    チに形成された貫通孔を通じて該被支持構造物の表面側
    に露出されて該鋼棒ダンパーの他端に連結されているこ
    とを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の一
    軸振動減衰ユニット。
  6. 【請求項6】 前記鋼棒ダンパーが前記ハッチに固定さ
    れていることを特徴とする請求項5に記載の一軸振動減
    衰ユニット。
  7. 【請求項7】 前記鋼棒ダンパーが前記ハッチ側方部の
    被支持構造物に固定されていることを特徴とする請求項
    5に記載の一軸振動減衰ユニット。
  8. 【請求項8】 前記センターガイドが相互に摺動嵌合す
    る摺動軸と摺動筒とからなり、前記ハッチと該摺動軸と
    の中心部に貫通孔が形成されて、該貫通孔と該摺動筒と
    の内部に前記繋ぎ材が配されていることを特徴とする請
    求項5〜7のいずれかに記載の一軸振動減衰ユニット。
  9. 【請求項9】 前記鋼棒ダンパーが固定端側ほど太く形
    成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載の一軸振動減衰ユニット。
  10. 【請求項10】 前記支持構造物が水平免振装置によっ
    て水平免振された建物躯体であり、前記被支持構造物が
    免振床であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の一軸振動減衰ユニット。
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