JP2003171917A - 防水用具および該防水用具を用いる防水方法 - Google Patents

防水用具および該防水用具を用いる防水方法

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JP2003171917A JP2001369969A JP2001369969A JP2003171917A JP 2003171917 A JP2003171917 A JP 2003171917A JP 2001369969 A JP2001369969 A JP 2001369969A JP 2001369969 A JP2001369969 A JP 2001369969A JP 2003171917 A JP2003171917 A JP 2003171917A
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JP2001369969A
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Kazutoshi Iwasaki
和資 岩崎
Hiroshi Noiri
洋 野入
Tomohiro Tsuji
智宏 辻
Minoru Onoda
ミノル 小野田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給水するのみで容易に設置でき、大量の水に
対しても防水機能を発揮する防水用具を提供する。ま
た、構造が簡単で、製造しやすく量産にも適し、折畳ん
で収納保管できる防水用具を提供する。 【解決手段】 本発明の防水用具は、折畳みが可能な筒
状の防水袋体から形成され、給排水口を有し、筒状の防
水袋体の両端が閉口していることを特徴とする。この防
水袋体の長手方向の長さは、満水時の長手方向中央部の
直径の3倍以上であることが好ましい。また、防水袋体
は、織布を補強層とするゴム材料からなるものが好まし
く、筒状の防水袋体の両端は押さえ金具により閉口して
いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水害時の緊急用防
水壁として使用する防水用具およびこれを用いる防水方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、津波、高潮や河川の氾濫などの水
害時における防水対策として、土嚢、岩石やコンクリー
トブロックなどを積層して防止壁が作られている。しか
し、土嚢の作成には、多くの時間と労力を要し、また岩
石やコンクリートブロックは重く、作業性が悪いため、
水害現場に迅速かつ大量に供給し、十分な防水壁を作る
ことは一般に困難であり、被害を拡大する要因になって
いる。
【0003】特開昭55−39521号公報、特開昭5
6−85012号公報および特開昭61−254710
号公報には、膨張可能な袋体を河床などに杭や錘で固定
し、袋体に水を供給することにより膨張させて水を堰き
とめる手段が提案されている。しかし、水害時に増水し
ている川や海に入り、固定する作業は困難であり、危険
を伴う。また、河床などの地盤が軟弱な場合は固定自体
が困難となる。
【0004】特開平10−8433号公報には、一対の
袋体が帯状部材により接続され、一方の袋体に水圧が作
用して転動しようとすると、帯状部材を介して、他方の
袋体が逆方向に転動するため、水流のショックを和らげ
る手段が提案されている。しかし、かかる袋体は河床な
どに弾性シートを敷き、その上に置いているのみである
ため、大量の水が長時間にわたり作用する洪水などでは
使用することができず、防水手段としては限られた用途
にしか使用できない。
【0005】特開平8−193314号公報には、可撓
性を有する袋体の内部に隔壁が設けられ、土砂を充填す
る防水用具が提案されている。しかし、防水用具に土砂
を充填すると重くなり、作業性が低下する傾向にある。
また、防水用具内に入った土砂や岩石は容易に排出でき
ないため、水害後の後始末にも難点がある。
【0006】特開2000−144672号公報には、
水害時における土嚢などの代換品として、災害現場で水
道水または泥水などを注水し、硬質体ブロックを形成す
ることのできる折畳み式防水用具が提案されている。こ
の防水用具は、積上げても滑りにくいように防水用具全
体がスポンジゴムで覆われている。しかし洪水や高潮な
どの実際の現場では、この程度のすべり止めでは役に立
たず、すぐにブロック体は水流の勢いに流されてしま
う。また、スポンジゴムは外傷に弱く、耐久性が低いた
め、防水用具として実際に使用することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、給水するの
みで容易に設置でき、大量の水に対しても防水機能を発
揮する防水用具を提供することを目的とする。また、本
発明は、製造しやすく量産にも適し、折畳んで収納保管
できる防水用具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の防水用具は、折
畳みが可能な筒状の防水袋体から形成され、給排水口を
有し、筒状の防水袋体の両端が閉口していることを特徴
とする。
【0009】防水袋体の長手方向の長さは、満水時の長
手方向中央部の直径の3倍以上であることが好ましい。
【0010】防水袋体は、織布を補強層とするゴム材料
からなるものが好ましく、筒状の防水袋体の両端は押さ
え金具により閉口していることが好ましい。
【0011】筒状の防水袋体の両端にある押さえ金具は
互いに平行に配置され、押さえ金具を介して複数の防水
用具を連結できるものが好ましい。
【0012】本発明の防水方法は、折畳みが可能な筒状
の防水袋体から形成される防水用具であって、給排水口
を有し、筒状の防水袋体の両端が閉口している防水用具
に給水して、これを用いることを特徴とする。
【0013】防水に際しては、防水用具とともに防水用
具の支持具を用いることが好ましい。
【0014】支持具は、防水袋体の長手方向の端縁部に
付設され、支持具から最も近い防水袋体の端部までの距
離Sは、D/10≦S≦Dであることが好ましい。
【0015】防水袋体の両方の端縁部に付設された支持
具間の距離HがD×2以上であるときは、支持具間にひ
とつ以上の支持具を増設することが好ましい。
【0016】支持具は、既設の鞘体に嵌挿して使用され
る棒状体または板状体が好ましい。支持具は、防水用具
に周設する可撓性の線状体または帯状体であることが好
ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の防水用具は、折畳みが可
能な筒状の防水袋体から形成され、給排水口を有すると
ともに、筒状の防水袋体の両端は閉口している。
【0018】本発明の防水用具は、筒状の防水袋体から
形成される。筒状の袋体から形成することにより、構造
が簡単で、製造しやすく、耐圧性能を向上させやすい。
防水袋体は筒状であり、給水後は水の自重により横断面
は多少横長の楕円形となる。
【0019】筒状の防水袋体の両端は閉口している。貯
水し、円筒状の防水用具を形成するためである。筒状の
防水袋体の両端が押さえ金具により閉口しているもの
が、製造しやすく、量産に適し、製造コストを低減でき
る点で好ましい。円筒形の防水袋体の両端を押さえ金具
により閉口して形成された防水用具の例を図1に示す。
この防水用具は、防水袋体11と、給排水口12と、押
さえ金具13とからなる。
【0020】筒状の防水袋体は、図1に示すとおり、長
手方向の長さをLとし、満水時の長手方向中央部の直径
をDとするとき、L≧D×3であるものが好ましく、L
≧D×5がより好ましい。L≧D×3の細長い形状とす
ることにより、後述する支持具を併用して、広い範囲お
よび複雑な地形の防水対策に役立てることができる。
【0021】筒状の防水袋体の両端を押さえ金具により
閉口すると、図1に示すように筒状の防水袋体11の両
端は押さえ金具13により広げられて固定されることに
なる。すなわち、筒状の防水袋体の端縁部の直径をD’
とすると(図示していない)、D’×3.14÷2=
D’×1.57となる。このため、押さえ金具で閉口し
た後も水平を保つ必要があるときは、防水袋体の長手方
向中央部の直径をDとすると、D’=D÷1.57=D
×0.64となるように端縁部を絞り込んでおけばよ
い。
【0022】防水袋体は、2連、3連と複数の筒体を連
結した構造を有するものも、水量は多くないが、防水堤
の高さが必要であるような場合には好ましい。このよう
な防水袋体からなる防水用具は、形態を安定にするため
に、後述する支持具を防水用具の前後に設け、支持具に
防水用具を挟んで使用する態様が好ましい。図2には、
2連の防水袋体からなる防水用具の例を示す。
【0023】防水袋体としては、中空部を有するゴムベ
ルトも好ましく使用することができる。このゴムベルト
は、防水性を有する弾性シートであり、防水袋体として
直ちに使用できる点で好ましい。このゴムベルトの中空
部に給水し、防水用具としたときの状態を、図2に示
す。
【0024】防水袋体の材質は、家庭の床下浸水の防止
などを目的とする防水用具であれば、遮水性があればよ
いため、塩化ビニルシート、ポリプロピレンシート、ま
たはこれらをラミネートしたゴムシートなどでも十分で
あり、厚さ0.5mm〜1.0mm程度の遮水シートを
使用することができる。しかし、高潮対策などを目的と
する防水用具では、強度と耐久性が求められる点で、織
布を補強層とし、ゴムを含浸、密着させたゴム材料が好
ましい。織布は2プライまたはそれ以上の枚数を重ねて
使用するのが強度と耐久性を高める点でより好ましい。
【0025】織布は、用途に応じて材質を選択すること
ができるが、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、
テトロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロンな
どが強度、経済性などの点で好ましく、強度と価格の点
でナイロンが好ましい。
【0026】ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプ
レンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン
−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム
(NBR)、水素化ニトリルゴム、ポリウレタンゴム、
シリコンゴムなどがあり、耐久性の点でEPDM、水素
化ニトリルゴムが好ましいが、経済性を加味しNR、I
R、IIRおよびそのブレンド組成物も好ましい。
【0027】防水袋体の製造方法は、たとえばナイロン
繊維などからなる織布を未加硫ゴムシートの表裏両面に
載せた後、所定の圧力および熱を加えて行なう。加熱、
加圧時には未加硫ゴムシートと接触している面の織布に
未加硫ゴムの一部が含浸し固結する。ゴムシートの表裏
の織布にさらにエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル
樹脂層を設けることもできる。防水壁側の面は、流木な
どが衝突し、大きな衝撃がかかる場合が多く、ゴムを厚
塗りしたシートや織布で補強したシートとすることが好
ましい。
【0028】防水袋体には、構造を補強する点で、ステ
ンレス製のワイヤや合成樹脂または繊維強化プラスチッ
ク(FRP)などの剛性のある枠組を設けるのが好まし
く、軽量かつ強度の高い点でFRPがより好ましい。
【0029】本発明の防水用具は折畳みが可能であり、
収納し保管するときや水害現場へ運搬するときは中身の
水を排出し、折り畳まれた状態にすることができる。本
発明の防水用具は折畳むことができるため、軽量で場所
を取らず大量に保管し運搬することが可能となる。
【0030】本発明の防水用具は、給排水口を有する。
給排水口は、少なくとも一つ必要であるが、給水や排水
の効率を高め、緊急時の水害に迅速に対応できる点で、
複数個の給排水口を有するものが好ましい。
【0031】給排水口を複数個設けるときは、給排水口
の一部は防水用具の上方に、また給排水口の一部は防水
用具の下方に設けることが好ましい。給排水口の一部を
上方に設けておくと、給水時に圧力逃がし口となり、給
水をスムーズにすることができ、給水の終了前にはオー
バーフロー水を流し出して、防水袋体を水圧から保護す
ることができる。また、給排水口の一部を下方に設けて
おくと、排水時に防水袋体の水を余すことなく流し出す
ことができる。
【0032】給排水口は、防水袋体に設けることもで
き、押さえ金具に設けることもできるが、給排水口を設
ける際の加工が容易な点で、給排水口は押さえ金具に設
けることが好ましい。
【0033】給排水口の材質は、プラスチックないしス
テンレススチールなどであり、長期保管時の錆や運搬組
立時の破壊防止に有効である点で、ステンレススチール
が好ましい。また、給排水口の大きさは、防水袋体の容
量や給排水口の数を考慮して定めることができる。
【0034】筒状の防水袋体の両端は、押さえ金具によ
り閉口していることが好ましい。押さえ金具で閉口する
ことにより、防水袋体の圧力強度を高めることができ、
また押さえ金具を介して、防水用具を地面の支持台に固
定することにより、防水用具の流出を防止でき、支持台
により防水用具両端からの水漏れを抑えることができ
る。さらに、押さえ金具を介して、複数の防水用具を連
結できるものが、広範囲の水害に対処することができる
点で好ましい。複数の防水用具を押さえ金具により連結
して使用する場合を考慮して、防水袋体の両端の押さえ
金具は互いに平行に配置していることが好ましく、同様
に押さえ金具は平板構造のものが扱い易い。防水用具の
連結後は、連結部の隙間を塞ぐためシートで覆うことが
好ましく、また、このシートと防水袋体の対応部分に
は、シートがずれることがないようにするため、面ファ
スナなどの固定具を設けておくことが好ましい。
【0035】押さえ金具の材質は、一般構造用圧延鋼材
ないしステンレススチールであり、長期保管時の錆によ
り連結に支障が起こりにくい点で、ステンレススチール
が好ましい。押さえ金具の大きさは、自由に設定するこ
とができる。
【0036】防水用具には連結具を設けることが好まし
い。連結具は隣り合う防水用具同士を連結し、また防水
用具を地面に固定する機能を果たす。
【0037】本発明の防水方法は、折畳みが可能な筒状
の防水袋体から形成される防水用具であって、給排水口
を有し、筒状の防水袋体の両端が閉口している防水用具
に給水して、これを用いることを特徴とする。
【0038】防水用具への給水は、給水により防水用具
はかなりの重量となるから、取扱いが容易なように、防
水用具の連結や固定後に給水することが好ましい。一
方、風が強く、給水前の防水用具が風に流されて連結や
固定が困難な場合には、連結や固定前に防水用具にある
程度給水し、風によって流されないようにしてから連結
し固定することが好ましい。
【0039】防水用具は、小規模な水害では必ずしも固
定し、補強して使用する必要はないが、防水用具両端か
らの水漏れや水流による防水用具の流出を防止し、さら
には高潮や洪水などにおける大きな波力に十分に対抗で
きるようにする点で、防水用具を地面に固定し、補強し
て使用することが好ましい。防水用具を地面へ固定し補
強する方法としては、防水用具両端からの水漏れや水流
による防水用具の流出を防止することができる点で、防
水用具両端を押さえ金具により地面の支持台に接合する
方法が好ましい。また、広い範囲および複雑な地形に設
置されても防水用具をしっかり固定し、大きな波力にも
十分に対抗することができるようにする点で、防水用具
とともに支持具を使用するのも好ましい実施態様であ
る。また、防水用具両端を押さえ金具により地面の支持
台に接合し、さらに支持具を用いて固定するとより好ま
しい相乗効果が得られる。
【0040】支持具は、防水用具の端縁部における水漏
れを防止し補強する点で、防水袋体の長手方向端縁部に
付設されることが好ましい。具体的には、図1に示すよ
うに、防水袋体11の長手方向端縁部に付設された支持
具14aまたは支持具14bから、それぞれ最も近い防
水袋体11の端部までの距離をSとすると、D/10≦
S≦Dが好ましい。S<D/10では、端縁部の支持具
が末端に接近し過ぎて防水用具を補強する効果が不十分
になりやすい。一方、S>Dでは、端縁部の支持具が防
水用具の末端から離れ過ぎて、末端を補強する効果が低
下する傾向にある。
【0041】支持具は、防水用具が広い範囲や複雑な地
形に設置されても、防水袋体の長手方向中央部を十分に
固定し補強できる点で、図1に示すとおり、防水袋体1
1の両方の端縁部に付設された支持具14aと支持具1
4bとの距離HがD×2以上であるときは、防水袋体1
1の両方の端縁部に付設された支持具14aと支持具1
4bとの間にひとつ以上の支持具14cを増設すること
が好ましい。
【0042】支持具としては、高潮や洪水などにおける
強い波力に対して防水用具を固定し補強する機能が大き
い点で、棒状体または板状体が好ましい。棒状体や板状
体を支持具として用いるときは、防水用具から見て、津
波などの進入側と反対の側に支持具を並設する態様が、
洪水や津波の波力に対抗できる点で好ましい。津波など
の進入側に支持具を並設する態様は、防水用具の流出を
防止できる点で好ましいが、防水袋体への強度的な負荷
は大きくなる傾向にある。支持具は、防水用具の設置が
予定されている場所に予め並設しておくと、防水用具の
設置が容易になる点で、好ましい。また、予め鞘体のみ
を地中に埋設しておき、防水用具の設置に際して、鞘体
に支持具を嵌挿して使用する方法も、支持具が平常時に
障害とならない点で好ましい。棒状体や板状体の材質
は、一般構造用圧延鋼材ないしステンレススチールが好
ましく、長期保管時の錆による支障が起こりにくい点
で、ステンレススチールがより好ましい。棒状体や板状
体の大きさは、予想される水害に応じて自由に設計する
ことができる。棒状体としては、円柱、角柱など各種の
ものを用いることができ、パイプのように中空のものも
用いることができる。図4に、本発明の防水用具41を
使用する例を示す。図4(a)は平面図であり、図4
(b)はそのA−A断面図である。この例では、防波堤
46に設置された防水用具41を固定し補強する一手段
として、棒状体である支持具44aが使用され、支持具
44aは鞘体47に嵌挿して使用されている。
【0043】支持具としては、防水用具の浮き上がりや
流出を防止する効果が大きい点で、可撓性を有する線状
体または帯状体が好ましい。線状体として、たとえばチ
ェーンやワイヤーなどを使用することができる。図5に
線状体としてチェーンを支持具54として使用する例を
示す。支持具54は、防水用具51が防波堤56から浮
き上がり、流出するのを防止する機能を高める点で、防
水用具51の一部に周接し、防水用具51の前面および
後面において留具59により固定する態様が好ましい。
また、あらかじめ留具59のみを埋設しておき、防水用
具51の設置に際して、支持具54などを周接し、留具
59に固定する方法が、支持具が平常時に障害とならな
い点で好ましい。線状体や帯状体の材質は、一般構造用
圧延鋼材ないしステンレススチールであり、長期保管時
の錆による支障が起こりにくい点で、ステンレススチー
ルがより好ましい。線状体や帯状体の大きさは、予想さ
れる水害に応じて自由に設計することができる。支持具
として棒状体または板状体を用い、さらに線状体または
帯状体を併用すると、高潮や洪水などにおける強い波力
に対して防水用具を固定し補強する効果が高まる点で、
好ましい。図4の例では、棒状体である支持具44aと
線状体である支持具44bとが併用されている。
【0044】
【実施例】実施例1 幅1mの筒状のナイロン製織布(引張強さ60kg/c
m、厚さ0.8mm)を未加硫ゴムシート(厚さ0.4
mm)の表裏両面に載せた後、カレンダーロールで加圧
して、厚さ1.5mmのカレンダーシートにした。未加
硫ゴムシートは、天然ゴム(90部)、NBR(10
部)、ステアリン酸(1部)、亜鉛華(5部)、カーボ
ンブラック(40部)、プロセスオイル(15部)、硫
黄(1.0部)、加硫促進剤(大内新興化学工業製ノク
セラーTS)(0.7部)、加硫促進剤(大内新興化学
工業製ノクセラーNS)(1.0部)の組成物を用い
た。カレンダーシートは、150℃、15分間加熱する
ことにより加硫した。同様に製造した筒状シートと端部
をオーバーラップさせ、前述の未加硫ゴムシートにより
オーバーラップジョイントを行ない、長手方向の長さが
10mの筒状体を製造した。
【0045】直径5cmの鉄製の給排水管を2本取り付
けた鉄製の押さえ金具により、前述の長さ10mの筒状
体の両端を挟むように固定し、本発明の防水用具を製造
した。この防水用具を使用してつぎのような屋内試験を
行なった。
【0046】図3は屋内試験で作成したプールの平面図
である。壁、床がともにコンクリート製の建屋内に、本
発明の防水用具31を設置するための置き台32を作っ
た。置き台は32は、実験終了後に取り除きやすいよう
にゴムシートの上にコンクリートで作った。置き台32
には、本発明の防水用具31の両端にある押さえ金具3
3を介して、防水用具31を固定するための支持台(図
示していない)を設け、さらに防水用具31の両端部か
ら水漏れが起こらないように置き台32の形状を調製し
た。また置き台32には、支持具34を2m毎に4本設
けた。支持具34はいずれも材質JIS−STK、直径
27cm、長さ160cmの円柱であり、埋めこみ深さ
は80cmとした。置き台32ができるのを待ってか
ら、防水用具31を固定し、ポンプ2台で給水した。作
業は、防水用具の固定および給水を2人で担当し、防水
用具31の固定から給水を終了するまでに合計30分を
要した。したがって、要した仕事量は、 2人×30分=60人・分 であった。
【0047】注水作業に時間がかかったが、性能の良い
ポンプやポンプの台数を増やすなどにより作業時間を短
縮できるものと考察された。
【0048】比較例1 図3における、T1=Y1=8m、Y2=T2=1mの範囲
に、置き台32の高さ(1m)となるように土嚢35を
予め積んでおいた。置き台32ができてから、T1=Y1
=8m、Y2=T2=1mの範囲に、さらに高さ=1mと
なるように土嚢35を積上げた。作業は、5人で担当
し、置き台32ができてからの積上げに要した時間は1
30分であった。したがって、土嚢35の積上げに要し
た仕事量は、 5人×130分=650人・分 であった。これは、本発明の防水用具31の固定および
給水作業の仕事量60人・分の11倍に相当することが
わかった。
【0049】なお、土嚢35は1個あたり20kgあ
り、疲労のため途中から作業の能率が極端に低下した。
また土砂を予め詰めておいた土嚢を600個用意した上
で、前述の積上げ作業を行なったが、土砂を詰めて土嚢
を作る時間まで入れると、本発明の防水用具31の設置
に比べて作業時間ははるかに長くかかったことになる。
【0050】できあがったプールに深さが1.8mにな
るまで給水した。給水用のホースを土嚢35の壁面に向
けると、水の流れが集中する部分より土嚢35が崩れ始
め、周りの土嚢もつぎつぎと崩れていった。一方ホース
の向きを防水用具31の壁面に向けても変化はなく、決
壊しにくいことがわかった。
【0051】観察を終えた後、プールから排水し、防水
用具31および土嚢35を収納した。土嚢35の収納に
は積上げ作業と同一の時間と労力を要したが、本発明の
防水用具31については排水口の蓋を開けることにより
自然に排水され、排水終了後、防水用具は折畳むことが
でき、運搬が容易であり、また収納にも場所を取らない
ことがわかった。
【0052】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0053】
【発明の効果】給水するのみで容易に設置でき、大量の
水に対しても防水機能を発揮する防水用具を提供するこ
とができる。この防水用具は、構造が簡単で、製造しや
すく量産にも適し、折畳んで収納保管できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防水用具を示す概略図である。
【図2】 本発明の防水用具を示す概略図である。。
【図3】 屋内試験の平面図である。
【図4】 本発明の防水用具を使用する例を示す概略図
である。
【図5】 本発明の防水用具を使用する例を示す概略図
である。
【符号の説明】
11 防水袋体、12 給排水口、13 押さえ金具、
14,34 支持具、31 防水用具、35 土嚢、4
7 鞘体、59 留具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 智宏 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 (72)発明者 小野田 ミノル 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2D018 AA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折畳みが可能な筒状の防水袋体から形成
    される防水用具であって、給排水口を有し、前記筒状の
    防水袋体の両端が閉口していることを特徴とする防水用
    具。
  2. 【請求項2】 前記防水袋体の長手方向の長さをLと
    し、満水時の長手方向中央部の直径をDとするとき、L
    ≧D×3である請求項1記載の防水用具。
  3. 【請求項3】 前記防水袋体は、織布を補強層とするゴ
    ム材料からなり、前記筒状の防水袋体の両端が押さえ金
    具により閉口していることを特徴とする請求項1記載の
    防水用具。
  4. 【請求項4】 前記筒状の防水袋体の両端に設けられる
    押さえ金具は互いに平行に配置され、該押さえ金具を介
    して複数の防水用具を連結することができる請求項3記
    載の防水用具。
  5. 【請求項5】 折畳みが可能な筒状の防水袋体から形成
    される防水用具であって、給排水口を有し、前記筒状の
    防水袋体の両端が閉口している防水用具に給水し、該防
    水用具を用いる防水方法。
  6. 【請求項6】 前記防水用具および該防水用具の支持具
    を用いる請求項5記載の防水方法。
  7. 【請求項7】 前記支持具は、防水袋体の長手方向の端
    縁部に付設され、前記支持具から最も近い防水袋体の端
    部までの距離Sは、D/10≦S≦Dである請求項6記
    載の防水方法。
  8. 【請求項8】 防水袋体の両方の端縁部に付設された前
    記支持具間の距離HがD×2以上であるときは、前記支
    持具間にひとつ以上の支持具を増設することを特徴とす
    る請求項7記載の防水方法。
  9. 【請求項9】 前記支持具は、既設の鞘体に嵌挿して使
    用される棒状体または板状体である請求項6記載の防水
    方法。
  10. 【請求項10】 前記支持具は、前記防水用具に周設す
    る可撓性の線状体または帯状体である請求項6記載の防
    水方法。
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