JP2003171568A - 樹脂複合材料 - Google Patents

樹脂複合材料

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JP2003171568A
JP2003171568A JP2001374832A JP2001374832A JP2003171568A JP 2003171568 A JP2003171568 A JP 2003171568A JP 2001374832 A JP2001374832 A JP 2001374832A JP 2001374832 A JP2001374832 A JP 2001374832A JP 2003171568 A JP2003171568 A JP 2003171568A
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Makoto Kato
誠 加藤
Hirotaka Okamoto
浩孝 岡本
Kenzo Fukumori
健三 福森
Arimitsu Usuki
有光 臼杵
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状化合物を含む樹脂複合材料であって、混
合時の樹脂の低分子量化が抑制されており、層状化合物
の添加量が少ない場合であっても優れた力学特性を発揮
する樹脂複合材料を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に分散
されている有機化されたアニオン交換性層状化合物と、
を含む樹脂複合材料であって、前記アニオン交換性層状
化合物は、該化合物を構成する単層が50オングストロ
ーム以上の層間距離を有するように前記熱可塑性樹脂中
に分散されていることを特徴とする樹脂複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂複合材料に関
し、より詳しくは、熱可塑性樹脂とアニオン交換性層状
化合物を含み、力学特性に優れた樹脂複合材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、カオリナイトやモンモリロナ
イト等のカチオン交換性層状粘土鉱物を、ポリアミド樹
脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂
等の樹脂に添加することにより、その力学特性(機械的
特性や弾性率等)を改良することが行われている。この
場合において、カチオン交換性層状粘土鉱物はそのまま
の状態では樹脂中に微細に分散させることが困難なた
め、樹脂への添加に先立って種々の化合物で処理して、
分散性を向上させる試みがなされている(特開昭62−
74954号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】モンモリロナイト等の
カチオン交換性層状粘土鉱物を樹脂に添加して、力学特
性を改良する上記の方法は、少量の添加で弾性率等を達
成できるが、更に少ない量で改善し、密度の低い(軽い
材料)が望まれていた。また、カチオン交換性層状粘土
鉱物の処理には有機アンモニウム化合物を用いる場合が
多く、かかる場合に、混合途中に有機アンモニウム化合
物と樹脂との反応が生じて、樹脂が低分子量化するとい
う問題があった。そして、樹脂の低分子量化は、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエステル樹脂(PET、PBT、
PEN、ポリ乳酸等)、PPO樹脂を用いた場合におい
て顕著であった。また、樹脂が低分子量化した場合、脆
化することが多く、これを防ぐためには低分子量化を見
越して、高い分子量の樹脂を使用する必要があった。し
かしながら、樹脂の高分子量化には時間がかかる、粘度
が高くなって生産できない等の問題があった。
【0004】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、層状化合物を含む樹脂複合材料
であって、層状化合物と樹脂とを混合する際の樹脂の低
分子量化が抑制されており、層状化合物の添加量が少な
い場合であっても優れた力学特性を発揮する樹脂複合材
料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、有機化されたア
ニオン交換性層状化合物と熱可塑性樹脂とを用いること
により、層状化合物と樹脂とを混合する際の樹脂の低分
子量化を抑制することが可能になるばかりでなく、層状
化合物の単層を充分な距離を保って分散させることが可
能になるため、層状化合物の添加量が少ない場合であっ
ても、優れた力学特性を発揮させ得ることを見出し、本
発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明の樹脂複合材料は、熱可
塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に分散されている有機化さ
れたアニオン交換性層状化合物と、を含む樹脂複合材料
であって、上記アニオン交換性層状化合物は、該化合物
を構成する単層が50オングストローム以上の層間距離
を有するように上記熱可塑性樹脂中に分散されているこ
とを特徴とするものである。
【0007】本発明の樹脂複合材料は、アニオン交換性
層状化合物を用いるものであるために、有機化に有機ア
ンモニウム化合物を用いる必要がなく、混合時の熱可塑
性樹脂の低分子量化が効果的に抑制される。そして、ア
ニオン交換性層状化合物を構成する単層が50オングス
トローム以上の層間距離を有するように分散されている
ために、熱可塑性樹脂の補強効果が高まり、優れた力学
特性が得られるようになる。
【0008】本発明においては、上記アニオン交換性層
状化合物が、ハイドロタルサイトであることが好まし
い。ハイドロタルサイトを構成する単層の厚さは、0.
5nm程度であり、単層の厚さが1nm程度であるモン
モリロナイト等のカチオン交換性層状粘土鉱物に比べ
て、少ない添加量で分散度を高めることができ、より優
れた力学特性が得られるようになる。
【0009】本発明においては、上記アニオン交換性層
状化合物が、炭素数8〜18の有機酸及び/又は炭素数
8〜18の有機酸塩により有機化されたアニオン交換性
層状化合物であることが好ましい。かかる炭素数の有機
酸等でアニオン交換性層状化合物を有機化することによ
り、熱可塑性樹脂中で単層の層間距離を50オングスト
ローム以上にすることが容易になる。
【0010】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明の樹脂複合
材料は、熱可塑性樹脂と有機化されたアニオン交換性層
状化合物とを含んでおり、このアニオン交換性層状化合
物を構成する単層が50オングストローム以上の層間距
離を有するように熱可塑性樹脂中に分散されているもの
である。以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0011】先ず、熱可塑性樹脂について説明する。本
発明において用いられる熱可塑性樹脂の種類は特に制限
されず、加熱により流動可能で、有機化されたアニオン
交換性層状化合物が分散可能なものであればよい。ま
た、熱可塑性樹脂は、単独で用いても、化学構造、分子
構造(直鎖、分岐、架橋等)、極性(極性、無極性)、
結晶性、弾性率(樹脂状、ゴム状等)、分子量等が異な
るものを、組み合わせて用いてもよい。
【0012】本発明において用いることのできる熱可塑
性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンプロピレンコポリマー等のオレフィン系樹
脂;エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアクリル
酸コポリマー、エチレンアクリル酸エチルコポリマー等
のエチレン系共重合樹脂;ナイロン66、ナイロン6、
ナイロン12等のポリアミド;ABS樹脂;AS樹脂;
ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチ
レン等の塩素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート樹脂等のポリ
エステル;ポリウレタン系樹脂;アクリル系樹脂;スチ
レン系ブロック共重合体;これらの共重合体及びこれら
の混合物等が挙げられる。
【0013】有機化されたアニオン交換性層状化合物の
分散性の観点からは、熱可塑性樹脂としては、ポリアミ
ド、ABS樹脂、AS樹脂、塩素系樹脂、ポリエステ
ル、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等の、極性を
有した熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0014】そして、これらのなかも、ナイロン66、
ナイロン6、ナイロン12等のポリアミドや、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンサク
シネート樹脂等のポリエステルが特に好ましい。熱可塑
性樹脂として、ポリアミド及びポリエステルからなる群
より選ばれる少なくとも1つの熱可塑性樹脂を用いた場
合は、有機化されたアニオン交換性層状化合物を分散さ
せることにより、本発明の効果が特に顕著に現われるよ
うになるからである。すなわち、熱可塑性樹脂としてポ
リアミドを使用した場合は、力学特性が大きく向上する
とともにガスバリア性も改良され、熱可塑性樹脂として
ポリエステルを用いた場合は、層状化合物との混合時の
分解反応が特に効果的に抑制されるようになる。
【0015】次に、アニオン交換性層状化合物について
説明する。本発明において用いられるアニオン交換性層
状化合物とは、複数の単層が積層した構造を有する化合
物であってアニオンによりイオン交換が可能な物質をい
う。
【0016】アニオン交換性層状化合物は、熱可塑性樹
脂に添加する際には、以下に詳述する有機化がなされて
いるために、熱可塑性樹脂との混合により単層間に熱可
塑性樹脂のインターカレーションが生じ、単層間の層間
距離が拡大する。したがって、アニオン交換性層状化合
物の単層が熱可塑性樹脂中で広い層間距離を保ちつつ分
散されることとなり、熱可塑性樹脂とアニオン交換性層
状化合物との接触面積が非常に大きくなる。その結果、
樹脂複合材料の引張強度や弾性率などの力学強度が上昇
する。また、アニオン交換性層状化合物の単層は気体や
液体の透過性が非常に低いために、単層が充分な層間距
離で分散した樹脂複合材料においては、気体や液体の透
過経路が長くなり、これらに対するバリア性が向上す
る。
【0017】本発明において用いるアニオン交換性層状
化合物の種類は特に制限されないが、得られる樹脂複合
材料の力学強度の観点からは、ハイドロタルサイトが好
ましい。ハイドロタルサイトは、Mg6Al2(OH)16
CO3・4H2Oの組成式を有した層状化合物であり、例
えば、天然鉱物や合成物として得ることができる。
【0018】ハイドロタルサイトを構成する単層は0.
5nm程度の厚さを有しており、従来技術において用い
られてきたモンモリロナイト等のカチオン交換性層状粘
土鉱物の単層(約1nm)の半分程度であるために、同
一重量を熱可塑性樹脂に添加した場合の単層の分散度が
非常に高くなる。したがって、本発明の樹脂複合材料の
力学強度やバリア性が向上する。
【0019】本発明の樹脂複合材料中に存在するアニオ
ン交換性層状化合物は、上述したアニオン交換性層状化
合物が有機化されたものである。なお、本発明において
有機化とは、有機物をアニオン交換性層状化合物の表面
及び/又は層間に物理的、化学的方法により吸着及び/
又は結合させることをいう。
【0020】アニオン交換性層状化合物の有機化は、ア
ニオン性物質によるイオン交換により生じせしめること
が好ましい。この場合において、有機化に用いる材料
(有機化剤)は、有機基を有したアニオンであることが
好ましく、かかる材料としては有機酸及び有機酸塩(ナ
トリウム塩等)が好適である。そして、有機化効率の観
点からは、有機化剤は炭素数8〜18の有機酸及び/又
は炭素数8〜18の有機酸塩(好ましくは、炭素数12
〜18の有機酸及び/又は炭素数12〜18の有機酸
塩、例えば、ステアリン酸及び/又はステアリン酸ナト
リウム)が好ましい。イオン交換は、例えば、有機酸と
してカルボン酸及び/又はカルボン酸塩を用いて有機化
を行う場合においては、R−COO-(Rは有機基)な
るアニオンが、アニオン交換性層状化合物のアニオンと
イオン交換することにより生じる。そして、イオン交換
時には、カルボン酸及び/又はカルボン酸塩のアニオン
部分がアニオン交換性層状化合物の単層に吸着又は結合
するため、R(有機基)部分が単層間に存在するように
なり、単層間への熱可塑性樹脂の侵入が容易化して、熱
可塑性樹脂のインターカレーションが生じるようにな
る。
【0021】一般にアニオン交換した層状化合物では、
35から50オングストロームまでの層間距離を有して
いるため、熱可塑性樹脂のインターカレーションが生じ
ると層間が更に広がる。したがって、本発明の樹脂複合
材料におけるアニオン交換性層状化合物の単層間の層間
距離は50オングストローム以上となる。層間距離が5
0オングストローム以上であることにより、熱可塑性樹
脂の1分子層以上がインターカレーションするため、得
られる樹脂複合材料は強固な材料となる。なお、層間距
離は80オングストローム以上が好ましい。これによ
り、熱可塑性樹脂が更にインターカレーションして、得
られる樹脂複合材料は更に強固な材料となる。本発明に
おいて層間距離は、X線回折により測定することが可能
であり、層間距離が増大したことはX線回折パターンに
おいて、より小さい回折角度領域にピークが生じること
により確認可能である。
【0022】本発明の樹脂複合材料は、アニオン交換性
層状化合物の有機化を行った後に、有機化されたアニオ
ン交換性層状化合物と熱可塑性樹脂とを混合することに
より製造することが好ましい。
【0023】アニオン交換性層状化合物の有機化は、例
えば、以下のような方法により行うことができる。すな
わち、アニオン交換性層状化合物が塊状の場合は、まず
これをボールミル等により粉砕して粉体化し、ミキサー
等を用いてこの粉体を溶媒中に分散させ層状粘土鉱物の
分散物を得る。そして、これとは別に、有機化剤(炭素
数8〜18の有機酸及び/又は炭素数8〜18の有機酸
塩が好ましい)の溶液を調製して、これを上記分散物に
加え混合する。これにより、アニオン交換性層状化合物
中のアニオンが有機化剤より生じるアニオンによりイオ
ン交換される。次に、この混合物から溶媒を除去するこ
とにより有機化されたアニオン交換性層状化合物を得る
ことができる。なお、アニオン交換性層状化合物や有機
化剤の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール及
びこれらの混合物が挙げられる。
【0024】以上のようにして有機化されたアニオン交
換性層状化合物を得た後に、かかる化合物と熱可塑性樹
脂とを混合して樹脂複合材料を得る。混合方法は特に制
限されず、例えば、熱可塑性樹脂と有機化されたアニオ
ン交換性層状化合物とを、水や有機溶剤等の溶媒に分散
若しくは溶解させた後、溶媒を除去すればよい。
【0025】また、熱可塑性樹脂と有機化されたアニオ
ン交換性層状化合物とを、当該高熱可塑性樹脂の融点若
しくは軟化点以上に加熱して混合することも可能であ
る。加熱時には、せん断力を加え有機化されたアニオン
交換性層状化合物を均一に分散させることが好ましく、
加熱しつつせん断力を加える手段としては押出機を用い
ることが好ましい。この際、有機溶媒、オイル等を添加
することができ、アニオン交換性層状化合物の分散後あ
るいは分散過程において、熱可塑性樹脂の架橋及び/又
は加硫を行ってもよい。
【0026】なお、アニオン交換性層状化合物の有機化
は、当該アニオン交換性層状化合物の全イオン交換容量
の80%以上を、上述した炭素数8〜18の有機酸等を
用いてイオン交換することにより実施することが好まし
い。アニオン交換性層状化合物の有機化は、全イオン交
換容量の90%以上をイオン交換することにより実施す
ることがより好ましく、100%が更に好ましい。
【0027】そして、樹脂複合材料における有機化され
たアニオン交換性層状化合物の含有比率は、樹脂複合材
料の重量基準で、無機分として0.1〜20重量%が好
ましい。アニオン交換性層状化合物の含有比率は、無機
分として0.1〜15重量%がより好ましく、0.5〜
10重量%が更に好ましい。
【0028】なお、特性を大きく損なわない限りにおい
て、本発明の樹脂複合材料には、熱可塑性樹脂及び有機
化されたアニオン交換性層状化合物の他、顔料、熱安定
剤、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、強
化剤等を更に添加することが可能である。
【0029】以上説明したように、本発明の樹脂複合材
料は、引張強度や弾性率が高く、ガスバリア性等のバリ
ア性にも優れるため、高い力学特性の要求される自動車
内装及び外装部品として、あるいは、炭酸ガス等のガス
に対するバリア性が必要な用途に好適に用いることがで
きる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0031】(実施例1)ハイドロタルサイト(協和化
学工業社製、キョーワード500)100gを80℃の
水5000mLに分散させた。次いで、ステアリン酸ナ
トリウム28gを80℃の水2500mLに溶解し、こ
の溶液を先のハイドロタルサイト分散液中に加えたとこ
ろ沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し80℃の水で2回
洗浄した後に、凍結乾燥することにより有機化されたハ
イドロタルサイトを得た。なお、以上によりハイドロタ
ルサイトの全イオン交換容量の95%がイオン交換され
た。
【0032】このようにして得られた有機化されたハイ
ドロタルサイトと、ナイロン6(宇部興産社製、102
2B)とを、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX−30
αII、L/D=45.5、スクリュ径30mm)のホ
ッパーから投入し、240℃で溶融混練した。そして、
溶融混練物をストランド状に押出し、水冷した後、カッ
ターで切断してペレットにした。なお、溶融混練物の全
重量を基準とした、有機化されたハイドロタルサイトの
含有量は、無機分として1重量%であった。
【0033】得られたペレットを乾燥し、射出成形機を
用いてJIS K−7113の1号ダンベル型試験片を作
製し、JIS K−7113に準拠して、引張速度5mm
/分で室温における引張試験を行い、得られた強度の最
高値を引張強度とした。また、破断伸び及び引張弾性率
も求めた。
【0034】上記ペレットについて、Tダイを用いてフ
ィルム成形し(溶融温度:250℃)、厚さ30μmの
フィルムを得、得られたフィルムの室温における炭酸ガ
スの透過性を測定した。測定は、ヤナコ分析工業社製、
ガス/液体透過率測定装置を用いた。更に、上記ペレッ
ト中のハイドロタルサイトの分散状態を観察するため、
X線回折測定を行い、ハイドロタルサイトの単層の層間
距離を測定した。また、定法によってナイロン6の重量
平均分子量を求めた。
【0035】(比較例1)ハイドロタルサイトを用いな
かった他は、実施例1と同様にしてペレット、ダンベル
試験片及びフィルムを作製し、実施例1と同様の測定を
行った。
【0036】(比較例2)ハイドロタルサイトに代えて
モンモリロナイト(クニミネ工業社製、クニピアF)を
用い、ステアリン酸ナトリウムに代えて有機化剤として
オクタデシルアンモニウムクロリドを用いた他は実施例
1と同様にして、有機化されたモンモリロナイトを得
た。この有機化されたモンモリロナイトと実施例1で用
いたナイロン6とを、実施例1と同様にして混練した。
なお、溶融混練物の全重量を基準とした、有機化された
モンモリロナイトの含有量は、無機分として2重量%で
あった。そして、実施例1と同様にしてペレット、ダン
ベル試験片及びフィルムを作製し、実施例1と同様の測
定を行った。実施例1及び比較例1〜2で得られた結果
を以下の表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例2)実施例1と同様にして、有機
化されたハイドロタルサイトを得た。そして、かかる有
機化されたハイドロタルサイトとポリエチレンテレフタ
レート(三井化学社製、J005)とを実施例1と同様
にして溶融混練した。なお、溶融混練物の全重量を基準
とした、有機化されたハイドロタルサイトの含有量は、
無機分として2重量%であり、溶融混練の温度は280
℃であった。そして、実施例1と同様にしてペレット、
ダンベル試験片及びフィルムを作製し、引張弾性率、破
断伸び、炭酸ガス透過性、層間距離を測定し、更に、A
STM−D258に準拠してアイゾット衝撃強さ(ノッ
チなし)を測定した。
【0039】(比較例3)ハイドロタルサイトを用いな
かった他は、実施例2と同様にしてペレット、ダンベル
試験片及びフィルムを作製し、実施例2と同様の測定を
行った。
【0040】(比較例4)比較例2と同様にして、有機
化されたモンモリロナイトを得た。有機化されたハイド
ロタルサイトに代えて、かかる有機化されたモンモリロ
ナイトを用いた他は、実施例2と同様にしてペレット、
ダンベル試験片及びフィルムを作製し、実施例2と同様
の測定を行った。なお、溶融混練物の全重量を基準とし
た、有機化されたモンモリロナイトの含有量は、無機分
として4重量%であった。実施例2及び比較例3〜4で
得られた結果を以下の表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例3)実施例1と同様にして、有機
化されたハイドロタルサイトを得た。そして、かかる有
機化されたハイドロタルサイトと、ポリ乳酸(島津製作
所社製、ラクティー9020)とを、二軸押出機(日本
製鋼所製、TEX−30αII、L/D=45.5、ス
クリュ径30mm)のホッパーから投入し、200℃で
溶融混練した。そして、溶融混練物をストランド状に押
出し、水冷した後、カッターで切断してペレットにし
た。なお、溶融混練物の全重量を基準とした、有機化さ
れたハイドロタルサイトの含有量は、無機分として1.
5重量%であった。そして、実施例1と同様にして、ダ
ンベル試験片及びフィルムを作製し、引張強度、引張弾
性率、破断伸び、層間距離を測定し、更に、ASTM−
D258に準拠してアイゾット衝撃強さ(ノッチあり)
を測定した。
【0043】(比較例5)ハイドロタルサイトを用いな
かった他は、実施例3と同様にしてペレット及びダンベ
ル試験片を作製し、実施例3と同様の測定を行った。
【0044】(比較例6)比較例2と同様にして、有機
化されたモンモリロナイトを得た。有機化されたハイド
ロタルサイトに代えて、かかる有機化されたモンモリロ
ナイトを用いた他は、実施例3と同様にしてペレット、
ダンベル試験片及びフィルムを作製し、実施例3と同様
の測定を行った。なお、溶融混練物の全重量を基準とし
た、有機化されたモンモリロナイトの含有量は、無機分
として3重量%であった。実施例3及び比較例5〜6で
得られた結果を以下の表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
層状化合物を含む樹脂複合材料であって、層状化合物と
樹脂とを混合する際の樹脂の低分子量化が抑制されてお
り、層状化合物の添加量が少ない場合であっても優れた
力学特性を発揮する樹脂複合材料を提供することが可能
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福森 健三 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 臼杵 有光 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4J002 BB031 BB061 BB071 BB081 BB121 BB151 BB241 BC021 BC061 BD031 BG041 BG051 BN151 BP011 CF031 CF061 CF181 CK021 CL011 CL031 DE286 FB236 GN00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に分散
    されている有機化されたアニオン交換性層状化合物と、
    を含む樹脂複合材料であって、 前記アニオン交換性層状化合物は、該化合物を構成する
    単層が50オングストローム以上の層間距離を有するよ
    うに前記熱可塑性樹脂中に分散されていることを特徴と
    する樹脂複合材料。
  2. 【請求項2】 前記アニオン交換性層状化合物が、ハイ
    ドロタルサイトであることを特徴とする請求項1記載の
    樹脂複合材料。
  3. 【請求項3】 前記アニオン交換性層状化合物が、炭素
    数8〜18の有機酸及び/又は炭素数8〜18の有機酸
    塩により有機化されたアニオン交換性層状化合物である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂複合材料。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド及びポ
    リエステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの熱
    可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の樹脂複合材料。
JP2001374832A 2001-12-07 2001-12-07 樹脂複合材料 Pending JP2003171568A (ja)

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