JP2003171405A - 樹脂微粒子の製造装置、および、この製造装置を用いた樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

樹脂微粒子の製造装置、および、この製造装置を用いた樹脂微粒子の製造方法

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JP2003171405A
JP2003171405A JP2001370337A JP2001370337A JP2003171405A JP 2003171405 A JP2003171405 A JP 2003171405A JP 2001370337 A JP2001370337 A JP 2001370337A JP 2001370337 A JP2001370337 A JP 2001370337A JP 2003171405 A JP2003171405 A JP 2003171405A
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liquid
dispersion medium
resin fine
discharge pipe
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Application number
JP2001370337A
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English (en)
Inventor
Shigeo Mahara
茂雄 真原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平均粒子径が小さく、かつ、粒子径分布が狭
く、均一な粒子径を有する樹脂微粒子を製造することが
できる樹脂微粒子の製造装置、および、この製造装置を
用いた樹脂微粒子の効率的かつ簡便な製造方法を提供す
る。 【解決手段】 分散媒体液Aで満たされた媒体液槽1
と、原料液Bを分散媒体液A中に噴出する振動ノズル2
と、分散媒体液A中で生成した樹脂微粒子Cと分散媒体
液Aとからなる樹脂微粒子分散液を媒体液槽1外へ排出
する排出管3とを備えた樹脂微粒子Cの製造装置であっ
て、振動ノズル2の先端部の直径よりも大きい開口部を
有する排出管3内に収納されている振動ノズル2の先端
部が分散媒体液A中に位置し、かつ、媒体液槽1内へ分
散媒体液Aを供給する供給口4が、媒体液槽1内の分散
媒体液Aの液面より下方に設けられているとともに、振
動ノズル2の先端部を収納した排出管3の開口部の下方
もしくは上方に設けられている樹脂微粒子Cの製造装
置、および、上記製造装置を用いた樹脂微粒子Cの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂微粒子の製造
装置およびこの製造装置を用いた樹脂微粒子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂微粒子を製造する方法として
は、例えば、懸濁重合法や乳化重合法等が汎用されてい
る。しかし、これらの重合法で得られた樹脂微粒子は一
般的に粒子径のばらつきが大きくなりがちであり、樹脂
微粒子の粒子径を揃えるために分級作業を行う必要があ
るという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、平均粒子径が小さく、かつ、粒子径分布
が狭く、均一な粒子径を有する樹脂微粒子を製造するこ
とができる樹脂微粒子の製造装置、および、この製造装
置を用いることによる、平均粒子径が小さく、かつ、粒
子径分布が狭く、均一な粒子径を有する樹脂微粒子の効
率的かつ簡便な製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を解決するために検討を重ねた結果、樹脂微粒子を分散
させることができる分散媒体液中で振動ノズルを振動さ
せながら原料液を噴出させることにより、均一な粒子径
を有する樹脂微粒子を得ることができることを見出し
た。また、さらに検討を重ねた結果、生成する樹脂微粒
子の平均粒子径は振動ノズルから噴出する原料液の流速
(流量)と振動ノズルの振動数とに大きく影響され、平
均粒子径をより小さくするためには、原料液の流速をよ
り遅くするか、振動ノズルの振動数をより大きくする必
要があることを見出した。
【0005】ところが、振動ノズルに付与される振動数
には機械的に自ずから限界があり、限界を超える大きさ
の振動数を付与することは不可能であるから、平均粒子
径をより小さくするためには原料液の流速をより遅くす
る必要がある。しかし、原料液の流速を遅くすればする
ほど、分散媒体液の粘性の影響を受けやすくなって、振
動ノズルの先端部周辺で生成した樹脂微粒子が合着しや
すくなり、所望の小さな平均粒子径を有する樹脂微粒子
を得ることが困難になるという問題が発生した。
【0006】そこで、本発明者はさらに検討を進めた結
果、振動ノズルの先端部周辺に原料液の噴出方向に沿っ
た層流状態の分散媒体液の流れを形成させることによ
り、平均粒子径が小さい樹脂微粒子であっても、粒子径
分布が狭く、均一な粒子径を有する樹脂微粒子を製造す
ることができることを見出し、本発明の製造装置および
製造方法を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の樹脂微粒子の製造装置(以
下、単に「製造装置」と略記する)は、分散媒体液で満
たされた媒体液槽と、原料液を分散媒体液中に噴出する
振動ノズルと、分散媒体液中で生成した樹脂微粒子と分
散媒体液とからなる樹脂微粒子分散液を媒体液槽外へ排
出する排出管とを備えた樹脂微粒子の製造装置であっ
て、振動ノズルの先端部の直径よりも大きい開口部を有
する排出管内に収納されている振動ノズルの先端部が分
散媒体液中に位置し、かつ、媒体液槽内へ分散媒体液を
供給する供給口が、媒体液槽内の分散媒体液の液面より
下方に設けられているとともに、振動ノズルの先端部を
収納した排出管の開口部の下方もしくは上方に設けられ
ていることを特徴とする。
【0008】また、本発明の樹脂微粒子の製造方法(以
下、単に「製造方法」と略記する)は、上記本発明の樹
脂微粒子の製造装置を用いる樹脂微粒子の製造方法であ
って、媒体液槽内の分散媒体液の液面より下方の位置で
あり、かつ、振動ノズルの先端部を収納した排出管の開
口部の下方もしくは上方の位置から媒体液槽内へ分散媒
体液を静かに供給しながら、排出管から分散媒体液を排
出し、分散媒体液の液面を常に振動ノズルの先端部より
上方に維持させ、排出管内に層流状態の分散媒体液の流
れを形成させておくとともに、振動ノズルを振動させな
がら排出管内に原料液を噴出させることを特徴とする。
【0009】本発明で用いられる分散媒体液とは、生成
した樹脂微粒子を溶解しない液体のことを言い、樹脂微
粒子を構成する原料液の主成分として用いられる重合性
単量体の種類に応じて適宜選定されれば良く、特に限定
されるものではないが、層流状態の流れを形成しやすい
ことから、粘度が低いものの方が好ましい。
【0010】例えば、重合性単量体がビニル芳香族化合
物や(メタ)アクリル酸エステルである場合、分散媒体
液としては、特に限定されるものではないが、例えば、
水、エチレングリコール等が挙げられ、好適に用いられ
る。これらの分散媒体液は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。なお、本発明で言
う「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」または「メ
タクリル」を意味する。
【0011】上記分散媒体液には、本発明の課題達成を
阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、ポリビニルア
ルコール、セルロース、澱粉等の水溶性もしくはアルコ
ール溶性高分子が分散安定剤として添加されていても良
い。上記分散安定剤は、単独で用いられても良いし、2
種類以上が併用されても良い。
【0012】本発明で用いられる原料液とは、樹脂微粒
子を構成する重合性単量体を主成分としてなり、この主
成分に対して、必要に応じて例えばベンゾイルパーオキ
サイドなどの重合開始剤が添加されてなる重合性単量体
組成物を言う。
【0013】上記重合性単量体としては、所望の樹脂微
粒子を得られるものであれば如何なる重合性単量体であ
っても良く、特に限定されるものではないが、例えば、
ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレ
ン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼン、ジビニ
ルジフェニルエーテル、ジビニルジフェニルスルホンな
どのビニル芳香族化合物や、テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレートなどの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げら
れ、好適に用いられる。これらの重合性単量体は、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。また、例えばベンゾイルパーオキサイドなどの重合
開始剤も、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
【0014】本発明の製造装置を構成する振動ノズル
は、上記重合性単量体を主成分とする原料液を前記分散
媒体液中に噴出する機能を有する。
【0015】上記振動ノズルの噴出口の形状は、原料液
を所望の流速(流量)で遅滞なく噴出できるものであれ
ば如何なる形状であっても良く、特に限定されるもので
はないが、なかでも、円形の断面を有し、出口(先端
部)に向かって縮径されているものが好ましい。
【0016】上記噴出口の数は、1個であっても良い
し、2個以上の複数個であっても良く、特に限定される
ものではないが、複数個並設すると、各噴出口からの原
料液の噴出量にばらつきを生じることがあるので、1個
の方が好ましい。
【0017】上記振動ノズルにより分散媒体液中に噴出
された原料液は加振されることが好ましい。上記原料液
を加振する方法としては、特に限定されるものではない
が、例えば、振動ノズルを支持する部材に振動子を接続
して振動ノズルを機械的に振動させることにより原料液
を加振する方法や、規則的な振動数を有する電気信号を
発生する発振器に接続されたピストンにより生ずる往復
運動を原料液もしくは分散媒体液と接触させて伝えるこ
とにより原料液を加振する方法等が挙げられ、いずれの
方法が採られても良い。なお、上記振動子の原動力とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、圧電素
子の振動、電磁振動素子の振動、ファンクションジェネ
レータ等が挙げられ、いずれの原動力が用いられても良
い。
【0018】本発明の製造装置を構成する排出管は、分
散媒体液中で生成した樹脂微粒子と分散媒体液とからな
る樹脂微粒子分散液を媒体液槽外へ排出する機能を有す
る。
【0019】上記排出管は、平滑な内面を有する配管で
あり、振動ノズルの先端部を収納するために、振動ノズ
ルの先端部の直径よりも大きい開口部を有する。
【0020】本発明の製造装置においては、上記排出管
の開口部に振動ノズルの少なくとも先端部が収納されて
いる。上記振動ノズルの先端部は排出管内の奥の方に収
納されていることが好ましい。従って、振動ノズルの先
端部のみならず、振動ノズル自体が排出管内に収納され
ていても良い。
【0021】排出管内に収納されている振動ノズルが振
動することにより、排出管が共振することがあるので、
振動ノズルを振動させる際には排出管の固有振動数と重
ならない振動数とすることが好ましい。従って、排出管
としては、振動ノズルに付与される振動数領域に存在し
ない固有振動数を有する排出管を用いることが好まし
い。
【0022】本発明の製造装置においては、上記排出管
内に収納されている振動ノズルの先端部が媒体液槽に満
たされた分散媒体液中に位置するように、換言すれば、
分散媒体液の液面より下方に位置するようになされてい
る。
【0023】振動ノズルの先端部が分散媒体液の液面付
近に位置していると、振動ノズルの振動により分散媒体
液の液面が乱されることがあるので、振動ノズルの先端
部は分散媒体液の液面から離れている方が好ましい。従
って、媒体液槽中の分散媒体液の液面は振動ノズルの振
動により液面が乱されない高さに常に維持することが好
ましい。
【0024】本発明の製造装置は、原料液を貯留する原
料液貯留槽と分散媒体液を貯留する分散媒体液貯留槽と
を備え、原料液貯留槽と振動ノズルとの間および分散媒
体液貯留槽と媒体液槽に設けられた供給口との間に流量
調節装置が設けられていることが好ましい。
【0025】上記流量調節装置としては、脈動の少ない
ものが好ましく、特に限定されるものではないが、例え
ば、ギヤポンプ、プランジャーポンプ、流量調整弁、流
量計等が挙げられるが、回転数の調整により流量の制御
を容易に行えることから、ギヤポンプが好適に用いられ
る。プランジャーポンプを用いる場合には、整流装置を
併用することが好ましい。また、振動ノズルの先端部
(噴出口)に配管によって接続された原料液貯留槽に圧
縮空気を送入して原料液を貯留槽から押出し、流量調整
弁を用いて原料液の定量を送出するようにしても良い。
【0026】また、本発明の製造装置は、排出管から排
出された樹脂微粒子分散液を貯留する樹脂微粒子分散液
貯留槽と樹脂微粒子分散液貯留槽に貯留された分散媒体
液を分散媒体液貯留槽に回収する回収管とを備え、排出
管および回収管の開口部が樹脂微粒子分散液貯留槽内の
樹脂微粒子分散液の液面より下方に設けられおり、か
つ、回収管の一部は振動ノズルの先端部よりも高い位置
に設けられていることが好ましい。
【0027】次に、本発明の製造方法は、上述した本発
明の製造装置を用いる製造方法であって、媒体液槽内の
分散媒体液の液面より下方の位置であり、かつ、振動ノ
ズルの先端部を収納した排出管の開口部の下方もしくは
上方の位置から媒体液槽内へ分散媒体液を静かに供給し
ながら、排出管から分散媒体液を排出し、分散媒体液の
液面を常に振動ノズルの先端部より上方に維持させ、排
出管内に層流状態の分散媒体液の流れを形成させておく
とともに、振動ノズルを振動させながら排出管内に原料
液を噴出させることにより、樹脂微粒子の製造を行う。
【0028】このように、分散媒体液の液面を常に振動
ノズルの先端部より上方に維持させ、排出管内に収納さ
れた振動ノズルの先端部周辺に原料液の噴出方向に沿っ
た層流状態の分散媒体液の流れを形成させた状態で、振
動ノズルを振動させながら排出管内に原料液を噴出させ
る方法を採ることにより、平均粒子径が小さく、かつ、
粒子径分布が狭く、均一な粒子径を有する樹脂微粒子を
効率的かつ簡便に製造することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の製造装置の一例を
示す概念図である。
【0030】図1に例示した製造装置は、原料液Bを貯
留する原料液貯留槽5と分散媒体液Aで満たされた透明
なガラス製の媒体液槽1とにポンプ(流量調節装置)7
を経由して接続された内径0.15mmの噴出口(ノズ
ル)を有する振動ノズル2が設けられており、振動ノズ
ル2の先端に設けられた噴出口は上記媒体液槽1内に満
たされた分散媒体液A中に開口している。
【0031】振動ノズル2の噴出口から分散媒体液A中
に噴出された原料液Bは、振動ノズル2を支持する部材
に接続された振動子10によって加振されることにより、
液滴を生成する。
【0032】この際、液滴の径が大きすぎる場合には、
ポンプ7のコントローラ(図示しない)を操作して原料
液Bの噴出量を減少させるか、増幅器11に接続されたフ
ァンクションジェネレータ12を操作して原料液Bを加振
する振動数を増加させることにより、液滴の径を縮小さ
せる。また、液滴の径が小さすぎる場合には、上記と逆
の操作を行って、原料液Bの噴出量を増加させるか、原
料液Bを加振する振動数を減少させることにより、液滴
の径を拡大させる。このような操作で液滴の径の調整を
行うことにより、液滴の径を均一化させることができ
る。
【0033】また、図1に例示した製造装置は、分散媒
体液Aで満たされた媒体液槽1と、原料液Bを分散媒体
液A中に噴出する振動ノズル2と、分散媒体液A中で生
成した樹脂微粒子Cと分散媒体液Aとからなる樹脂微粒
子分散液を媒体液槽1外へ排出する排出管3とを備えて
おり、振動ノズル2の先端部の直径よりも大きい開口部
を有する排出管3内に収納されている振動ノズル2の先
端部が分散媒体液A中に位置している。また、媒体液槽
1の下方には分散媒体液貯留槽6から分散媒体液Aを供
給するための供給口4が設けられている。上記供給口4
は、媒体液槽1内の分散媒体液Aの液面より下方に設け
られているとともに、振動ノズル2の先端部を収納した
排出管3の開口部の下方に設けられている。
【0034】また、原料液Bを貯留する原料液貯留槽5
と分散媒体液Aを貯留する分散媒体液貯留槽6とを備
え、原料液貯留槽5と振動ノズル2との間および分散媒
体液貯留槽6と媒体液槽1に設けられた供給口4との間
の流速(流量)を調節するためのポンプ7が設けられて
いる。
【0035】また、排出管3から排出された樹脂微粒子
分散液を貯留する樹脂微粒子分散液貯留槽8と樹脂微粒
子分散液貯留槽8に貯留された分散媒体液Aを分散媒体
液貯留槽6に回収する回収管9とを備え、排出管3およ
び回収管9の開口部が樹脂微粒子分散液貯留槽8内の樹
脂微粒子分散液の液面より下方に設けられている。さら
に、回収管9の一部は振動ノズル2の先端部よりも高い
位置に設けられており、樹脂微粒子分散液貯留槽8内の
樹脂微粒子分散液の液面より下方に設けられている開口
部から振動ノズル2の先端部よりも高い位置にかけて、
回収管9の内部には大気圧により押し上げられた分散媒
体液Aが貯留されている。上記回収管9は、振動ノズル
2の先端部よりも高い位置から下方に向けられ、分散媒
体液貯留槽6内に他方の開口部が開口している。
【0036】図1に例示した本発明の製造装置を用いて
本発明の製造方法により樹脂微粒子を製造する場合、先
ず、媒体液槽1内の分散媒体液Aの液面より下方に位置
し、かつ、振動ノズル2の先端部を収納している排出管
3の開口部の下方に位置する供給口4から媒体液槽1内
へ分散媒体液Aを静かに供給しながら、排出管3から分
散媒体液Aを排出し、分散媒体液Aの液面を常に振動ノ
ズル2の先端部より上方に維持させ、排出管3内に層流
状態の分散媒体液Aの流れを形成させておき、次いで、
振動ノズル2を振動させながら排出管3内に原料液Bを
噴出させる。
【0037】上記製造方法において、分散媒体液Aの循
環速度は、特に限定されるものではないが、原料液Bの
噴出速度の1/5〜1/10の速度であることが好まし
い。分散媒体液Aの循環速度を上記範囲に維持すること
により、排出管3内の分散媒体液Aに安定した層流を容
易に形成させることができる。
【0038】本発明の製造方法によれば、粒子径分布が
狭く、均一な粒子径を有する樹脂微粒子を平均粒子径が
小さいものから大きいものまで幅広く製造することが可
能であり、原料液の流速(流量)と振動ノズルの振動数
とを適宜調節することにより、少なくとも10μmから
30mmの任意の平均粒子径を有する樹脂微粒子を効率
的かつ簡便に製造することができる。
【0039】本発明の製造装置は、平均粒子径が小さい
樹脂微粒子の製造に適しており、なかでも、平均粒子径
が10〜250μmで粒子径分布が狭く、均一な粒子径
を有する樹脂微粒子の製造に特に適している。
【0040】例えば、平均粒子径が200μmの樹脂微
粒子を得るためには、振動ノズルに800〜900Hz
の振動を与えながら、原料液を0.25cc/分の流量
で振動ノズルから噴出させ、排出管を流れる分散媒体液
の流量を0.025〜0.050cc/分とすれば良
い。
【0041】本発明の製造方法において、樹脂微粒子分
散液貯留槽に貯留された樹脂微粒子分散液は、加熱する
ことにより重合性単量体の重合が進み、高分子重合体と
なる。上記高分子重合体となった樹脂微粒子は、濾過に
よって分散媒体液を除去し、例えば90℃程度の熱水で
数回洗浄を行い、次いで、例えばアセトンのような樹脂
微粒子を溶解しない親水性溶媒を用いて再度濾過を行っ
た後、例えば真空乾燥機などの乾燥機を用いて乾燥する
ことにより、樹脂微粒子の製品となされる。
【0042】本発明をさらに詳しく説明するため図1に
例示した製造装置を用いて行った実施例を以下に挙げる
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
【0043】(実施例1)ジビニルベンゼン50重量部
およびトリメチロールプロパントリメタクリレート50
重量部からなる重合性単量体100重量部に対して、重
合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2重量部を添
加し、均一に混合して、原料液Bを調製した後、原料液
貯留槽5に注入した。
【0044】次いで、透明なガラス製の媒体液槽1内に
満たされたポリビニルアルコール2重量%を含有する水
からなる分散媒体液A中に、上記原料液Bを、振動ノズ
ル2の内径0.15mmの噴出口(ノズル)から流量
0.48cc/分で噴出させながら、振動ノズル2を振
動数865Hzで振動させて、噴出された原料液Bを加
振することにより、原料液Bの液滴を生成させた。な
お、分散媒体液Aは流量0.05cc/分で排出管3内
を流すことにより、排出管3内に層流状態の分散媒体液
Aの流れを形成させ、ポンプ7によって循環させた。
【0045】上記操作中、撮影装置13によって撮影さ
れ、CRTディスプレイ14に拡大表示された画像によ
り、生成した原料液Bの液滴の粒子径の状態を目視で観
察し、その結果に基づいて、手動操作により液滴の粒子
径を均一化させる調整を行った。
【0046】所定量の原料液Bを噴出させた後、攪拌機
および冷却管を備えた樹脂微粒子分散液貯留槽8を加熱
攪拌して、原料液B中の重合性単量体を重合させること
により、樹脂微粒子Cを製造した。
【0047】(実施例2)ジビニルベンゼン50重量部
およびテトラメチロールメタンテトラアクリレート50
重量部からなる重合性単量体を用いたこと以外は実施例
1の場合と同様にして、樹脂微粒子Cを製造した。
【0048】(比較例1)分散媒体液Aを循環させず、
層流状態の流れを形成させなかったこと以外は実施例1
の場合と同様にして、樹脂微粒子Cを製造した。
【0049】実施例1、実施例2および比較例1で得ら
れた樹脂微粒子の性能(数平均粒子径、粒子径分
布)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すと
おりであった。
【0050】数平均粒子径:樹脂微粒子100個につ
いて、マイクロスコープにより観察し、付属の解析ソフ
トを使って、円周上の任意の3点から決定される円の半
径を測定し、得られた半径から数平均粒子径(μm)を
求めた。 粒子径分布:上記で測定された粒子径の内、数平均
粒子径±5μmの範囲に入る樹脂微粒子の個数をカウン
トし、粒子径分布(個数%)とした。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、本発明による実
施例1および実施例2の樹脂微粒子は、いずれも平均粒
子径が小さく、かつ、粒子径分布が狭く、均一な粒子径
を有していた。これに対し、分散媒体液に層流状態の流
れを形成させなかった比較例1の樹脂微粒子は、平均粒
子径は小さかったものの、粒子径分布が広く、不均一な
粒子径であった。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製造装置
は、平均粒子径が小さく、かつ、粒子径分布が狭く、均
一な粒子径を有する樹脂微粒子の製造用として好適に用
いられる。また、上記本発明の製造装置を用いる本発明
の製造方法によれば、平均粒子径が小さく、かつ、粒子
径分布が狭く、均一な粒子径を有する樹脂微粒子を効率
的かつ簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の一例を示す概念図である。
【符号の説明】 1 媒体液槽 2 振動ノズル 3 排出管 4 供給口 5 原料液貯留槽 6 分散媒体液貯留槽 7 ポンプ(流量調節装置) 8 樹脂微粒子分散液貯留槽 9 回収管 10 振動子 11 増幅器 12 ファンクションジェネレータ 13 撮影装置 14 CRTディスプレイ A 分散媒体液 B 原料液 C 樹脂微粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散媒体液で満たされた媒体液槽と、原
    料液を分散媒体液中に噴出する振動ノズルと、分散媒体
    液中で生成した樹脂微粒子と分散媒体液とからなる樹脂
    微粒子分散液を媒体液槽外へ排出する排出管とを備えた
    樹脂微粒子の製造装置であって、振動ノズルの先端部の
    直径よりも大きい開口部を有する排出管内に収納されて
    いる振動ノズルの先端部が分散媒体液中に位置し、か
    つ、媒体液槽内へ分散媒体液を供給する供給口が、媒体
    液槽内の分散媒体液の液面より下方に設けられていると
    ともに、振動ノズルの先端部を収納した排出管の開口部
    の下方もしくは上方に設けられていることを特徴とする
    樹脂微粒子の製造装置。
  2. 【請求項2】 原料液を貯留する原料液貯留槽と分散媒
    体液を貯留する分散媒体液貯留槽とを備え、原料液貯留
    槽と振動ノズルとの間および分散媒体液貯留槽と媒体液
    槽に設けられた供給口との間に流量調節装置が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂微粒子の
    製造装置。
  3. 【請求項3】 排出管から排出された樹脂微粒子分散液
    を貯留する樹脂微粒子分散液貯留槽と樹脂微粒子分散液
    貯留槽に貯留された分散媒体液を分散媒体液貯留槽に回
    収する回収管とを備え、排出管および回収管の開口部が
    樹脂微粒子分散液貯留槽内の樹脂微粒子分散液の液面よ
    り下方に設けられおり、かつ、回収管の一部は振動ノズ
    ルの先端部よりも高い位置に設けられていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の樹脂微粒子の製
    造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    樹脂微粒子の製造装置を用いる樹脂微粒子の製造方法で
    あって、媒体液槽内の分散媒体液の液面より下方の位置
    であり、かつ、振動ノズルの先端部を収納した排出管の
    開口部の下方もしくは上方の位置から媒体液槽内へ分散
    媒体液を静かに供給しながら、排出管から分散媒体液を
    排出し、分散媒体液の液面を常に振動ノズルの先端部よ
    り上方に維持させ、排出管内に層流状態の分散媒体液の
    流れを形成させておくとともに、振動ノズルを振動させ
    ながら排出管内に原料液を噴出させることを特徴とする
    樹脂微粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006102574A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Nuclear Fuel Ind Ltd 滴下装置
JP2010511064A (ja) * 2006-10-09 2010-04-08 ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド 高分子材料製のバラバラの固体粒子を製造する方法

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