JP2003170239A - 鍛造部品のトリミング加工装置 - Google Patents

鍛造部品のトリミング加工装置

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JP2003170239A
JP2003170239A JP2001372189A JP2001372189A JP2003170239A JP 2003170239 A JP2003170239 A JP 2003170239A JP 2001372189 A JP2001372189 A JP 2001372189A JP 2001372189 A JP2001372189 A JP 2001372189A JP 2003170239 A JP2003170239 A JP 2003170239A
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trim
die
punch
plate
deburring plate
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JP2001372189A
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Inventor
Takehiro Tada
武弘 多田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリミング加工に伴いトリムダイ上に残され
たばりを、トリムパンチの上昇動作に機械的に連動させ
て自動排出する。 【解決手段】 トリムダイ1とトリムパンチ2のせん断
作用に支障をきたすことなく鍛造粗材WのばりBを支え
る傾動可能なばり除け板6をトリムダイ1上に設ける。
ばり除け板6にはカムブロック17を設ける一方、トリ
ムパンチ2側のストリッパプレート3にはカムブロック
17に係合可能なカムフォロアローラ10付きのドリブ
ンリンク11を設ける。トリムパンチ2の上昇時にドリ
ブンリンク11とカムブロック17との係合によってば
り除け板6を引き上げつつ傾動変位させて、ばりBを自
重にて滑らせてトリムダイ1の外部に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍛造部品のトリミ
ング加工装置に関し、特にばり出し鍛造のようにばり
(余肉部)の発生を積極的に容認する鍛造法にて鍛造成
形された鍛造粗材について、その鍛造粗材の外周部に付
帯しているばりを切断除去するためのトリミング加工装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図16に示すように、段付き軸状の鍛造
粗材Wに付帯しているばりBの除去を目的としたトリミ
ング加工では、そのばりBが付帯している鍛造粗材Wを
トリムダイ51上に位置決めした上で、ストリッパ52
付きのトリムパンチ53とトリムダイ51とのせん断作
用に基づいて製品部領域Pを下方に打ち抜いて、ばりB
をトリムダイ51上に残すようになっている(例えば、
「鍛造技術講座」,S56年2月23日,財団法人鍛造
技術研究所発行,P78「6.4.3抜き型(図6,
7)」の項参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のトリ
ミング加工装置では、トリムダイ51上に残されたばり
Bの処理を手作業もしくはオートグリッパ等の自動化さ
れたばり排除設備にて行うことを前提としているため、
手作業の場合には作業者の肉体的負担が大きいばかりで
なく、処理速度の向上に限界がある。また、自動化され
たばり排除設備にて行う場合には、ばり排除設備の動き
をプレス機械側と連動させるためにプレス動作信号の取
得やインターロック制御等の電気的制御を行う必要があ
り、単純作業の割りには複雑且つ大がかりな設備とな
り、コストアップが余儀なくされる。
【0004】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたものであり、実質的にプレス機械側の動きに機械的
に連動する簡単な設備構成にて所期の目的を達成するこ
とができるようにしたトリミング加工装置を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、下型として機能するトリムダイと、上型として機能
する上下動可能なトリムパンチとを備え、鍛造粗材のう
ち製品部領域の外周に付帯しているばりを切断除去する
べく、トリムダイとトリムパンチとのせん断作用により
トリムダイ側にばりを残して鍛造粗材のみを打ち抜くト
リミング加工装置であることを前提としている。
【0006】そして、上記トリムダイ上には傾動変位可
能なばり除け板が設けられていて、このばり除け板は、
トリムダイ上に位置決めされることになる鍛造粗材につ
いてその外周に付帯しているばりをトリムダイとトリム
パンチとのせん断作用に支障をきたすことなく直接的に
支える一方で、トリミング加工後にはトリムパンチの上
昇動作に連動しながら傾動変位して、ばり除け板上に残
されたばりを型外に排出するべくそのばり除け板に沿っ
てばりを自重にて滑落させるようになっていることを特
徴としている。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明と同様に、下型として機能するトリムダイと、上
型として機能する上下動可能なトリムパンチとを備え、
鍛造粗材のうち製品部領域の外周に付帯しているばりを
切断除去するべく、トリムダイとトリムパンチとのせん
断作用によりトリムダイ側にばりを残して製品部領域の
みを打ち抜くトリミング加工装置であることを前提とし
ている。
【0008】そして、上記トリムダイ上には傾動変位可
能なばり除け板が設けられており、このばり除け板は、
トリムダイ上に位置決めされることになる鍛造粗材につ
いてその外周に付帯しているばりをトリムダイとトリム
パンチとのせん断作用に支障をきたすことなく直接的に
支える一方、トリミング加工後にはトリムパンチの上昇
動作に連動して傾動変位して、ばり除け板上に残された
ばりを型外に排出するべくそのばり除け板に沿ってばり
を自重にて滑落させるようになっている。
【0009】さらに上記トリムパンチ側には、このトリ
ムパンチとともに下降動作することによりトリミング加
工完了時までにばり除け板に係合する一方で、トリミン
グ加工完了後には上記ばり除け板に係合したままでトリ
ムパンチとともに上昇動作することによりばり除け板を
傾動変位させるリンク部材が設けられていることを特徴
としている。
【0010】したがって、請求項1,2に記載の発明で
は、トリムダイとトリムパンチとのせん断作用に基づく
トリミング加工が行われると、鍛造粗材のうち製品部領
域のみが抜き落とされて、ばりがばり除け板上に残され
る。そして、トリムパンチが再び上昇し始めると、その
トリムパンチの上昇動作に機械的に連動してばり除け板
が徐々に傾動変位し、そのばり除け板上に残されたばり
をリフトアップさせながら徐々に傾ける。この後、ばり
除け板が所定の傾斜角度になるとばりはそのばり除け板
上を自重にて滑り落ちて、最終的にはトリムダイの外部
に排出されることになる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の機械的連動機構のより具体的な構成として、上記トリ
ムパンチには先端にカムフォロアローラを有する揺動可
能なリンクが垂設されているとともに、ばり除け板には
上記カムフォロアローラと当接可能な傾斜カム面を有す
るカムブロックが設けられていて、上記トリムパンチの
下降動作に伴いリンク先端のカムフォロアローラがカム
ブロック側の傾斜カム面を乗り越えることでリンクがカ
ムブロックに係合するようになっている一方、上記ばり
除け板の傾斜角度の増大に伴いカムフォロアローラがカ
ムブロックから外れることでそのばり除け板とリンクと
の係合が解除されるようになっていることを特徴として
いる。
【0012】したがって、この請求項3に記載の発明で
は、トリムパンチの下降動作に伴いカムフォロアローラ
付きのリンクも下降して、トリミング加工が終了するま
でにはばり除け板側のカムブロックに機械的に係合する
ことになり、この機械的係合のためにトリムパンチが上
昇動作すればそれに追従してばり除け板が傾動変位する
ことになる。そして、トリムパンチの上昇操作に伴い傾
動変位したばり除け板の角度が所定の傾斜角度になる
と、トリムパンチ側のリンクとばり除け板側のカムブロ
ックとの機械的係合が自律的に解除される。これによ
り、トリムパンチがトリムダイに対して下降と上昇とを
繰り返すかぎりは、上記リンクとばり除け板側のカムブ
ロックとは同様に機械的係合動作とその解除動作とを繰
り返すことになる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3のより
具体的な構成として、上記リンクは水平方向での揺動自
由度とは別に上下方向での揺動自由度を有していること
を特徴としている。
【0014】したがって、この請求項4に記載の発明で
は、トリムパンチ側のリンクとばり除け板側のカムブロ
ックとの係合動作もしくはその解除動作において装置各
部に無理な力が加わるのを未然に防止できるようになる
ほか、偶発的な事態が発生し場合には相応の緩衝効果が
発揮されることになる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の
いずれかの記載を前提として、上記ばり除け板の傾動中
心寄りの位置にはこれを延長するようにしてサイドシュ
ートが連結されていて、このサイドシュートの傾斜角度
はばり除け板の傾斜角度とともに増大するようになって
いることを特徴としている。
【0016】したがって、この請求項5に記載の発明で
は、サイドシュートがある分だけばりの自重滑落距離を
大きく確保することができるようになり、より確実にば
りをトリムダイの外部に排出することができるようにな
る。
【0017】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、トリム
ダイ上に設けられたばり除け板がトリムパンチの上昇動
作に連動して傾動変位することで、そのばり除け板上に
残されたばりが自重滑落方式にてトリムダイの外部に排
出されるようにしたので、ばりの排出のために従来のよ
うに作業者が関与する必要もなければ面倒な電気的制御
を行う必要もなくなり、省力化とともに設備費の高騰を
抑制しながらばりの除去を自動的に且つ確実に行える効
果がある。
【0018】また、請求項2に記載の発明によれば、ト
リムパンチの上昇動作に連動するばり除け板の傾動動作
がトリムパンチ側のリンク部材とばり除け板との係合を
もって純機械的に行われることから、その作動信頼性が
高くなるとともに、モータや油圧等の別動力を一切必要
としない利点がある。
【0019】特に請求項3に記載の発明によれば、上記
リンク部材とばり除け板との係合とその解除を、リンク
先端のカムフォロアローラと傾斜カム面を有するカムブ
ロックとで行うようにしたもので、上記機械的連動の信
頼性が一段と高くなる利点がある。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、上記リン
クが水平方向での揺動自由度と上下方向の揺動自由度と
を有していることにより、リンクとカムブロックとの機
械的係合動作もしくはその解除動作において各部に無理
な力が加わるのを未然に防止できるほか、偶発的な事態
が発生した場合の緩衝効果も期待できるようになる。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、ばり除け
板を延長するようにサイドシュートが設けられているこ
とにより、サイドシュートがある分だけばりの自重滑落
距離を一段と大きく確保することができるようになり、
より確実にばりをトリムダイの外部に排出することがで
きる利点がある。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜4は本発明の好ましい実施
の形態としてトリミング加工装置全体の概略構成を示し
ており、特に図1は上型が上昇している状態で下型上に
鍛造粗材Wが位置決めされた状態を、図2は上型の下降
動作によるトリミング加工をもってばりBを残して製品
部領域Pのみを打ち抜いた状態を、また図3は上型の上
昇動作に伴いばりBが自動排出される状態をそれぞれ示
している。また、図4は図3の拡大図を示している。
【0023】図1,4に示すように、トリミング加工の
対象となる鍛造粗材Wは、図16に示したものと同様に
段付き軸状の製品部領域Pの上端周囲に円環状のばりB
が付帯しており、このばりBの切断除去を目的としてト
リミング加工装置に供されることになる。
【0024】トリミング加工装置は、大きく分けて下型
として機能する環状のトリムダイ1と、上型として機能
するストリッパプレート3付きの上下動可能なトリムパ
ンチ2とをもって構成されていて、図2にも示すように
トリムダイ1側の切れ刃4とトリムパンチ2側の切れ刃
5とのせん断作用をもって、ばりBをトリムダイ1側に
残して製品部領域Pをトリムダイ1の下方に打ち抜くよ
うになっている。なお、トリムダイ1は図示外のボルス
タに、トリムパンチ2は同じく図示外のプレスラム(ス
ライド)に固定支持される。
【0025】トリムダイ1側には、トリムパンチ2との
上記せん断作用に支障をきたすことなく、且つ予めトリ
ムダイ1側に位置決めされることになる鍛造粗材Wのう
ちそのばりBを直接支持することになる可動式のばり除
け板6がトリムダイ1に密着するように設けられてい
る。このばり除け板6はヒンジ7によりトリムダイ1に
回転可能に連結されていて、そのヒンジピン8を回転中
心として図1,4に示す水平状態から上方に傾動変位可
能となっている。したがって、上記のようにトリミング
加工が完了した状態ではばりBがばり除け板6上に残さ
れることになる。
【0026】他方、トリムパンチ2側にはばり除け板6
を傾動変位させるためのリンク機構9が設けられてい
て、このリンク機構9は、トリムパンチ2に垂設される
とともに先端にカムフォロアローラ10を備えたドリブ
ンリンク11を中心として形成されている。そして、図
2に示すようにトリムパンチ2の下降動作に伴いドリブ
ンリンク11が同時下降して、トリミング加工完了まで
にばり除け板6の一部に機械的に係合する一方、図3に
示すようにトリムパンチ2が再び上昇し始めると上記機
械的係合のためにばり除け板6がばりBとともにヒンジ
ピン8を回転中心として傾動変位し、ばり除け板6が所
定角度になった時点でばりBはそのばり除け板6上を自
重にて滑落してトリムダイ1の外部に排出されることに
なる。
【0027】以下、上記ばり除け板6やリンク機構9等
の詳細を順を追って説明する。
【0028】図5は図1,4におけるトリムダイ1の平
面図を、図6は図5のばり除け板6単独での右側面図を
それぞれ示しており、矩形状のばり除け板6は固定側ヒ
ンジブロック12と可動側ヒンジブロック13とで構成
される一対のヒンジ7をもってトリムダイ1に回転可能
に連結されている。ばり除け板6にはトリムダイ1の切
れ刃4と干渉しないように円形の逃げ穴14が形成され
ているとともに、その逃げ穴14の開口縁部にはヒンジ
7側の一辺部が開放端部15aをもって完全に開放され
た断面階段状のばり受け面15が形成されている。した
がって、図1に示すようにトリムダイ1に対してばりB
付きの鍛造粗材Wを位置決めした状態では、そのばりB
のみがばり受け面15にて支持されながらばりBの根元
部がトリムダイ1の切れ刃4に接して、実質的に吊り下
げ状態で鍛造粗材Wが位置決めされるようになってい
る。
【0029】矩形状のばり除け板6のうちヒンジ7と反
対側の先端位置には外部に向かって開放された一対の溝
部16が形成されているとともに、その溝部16には各
溝部16につき図7に示すような一対のカムブロック1
7がその溝幅を局部的に狭めるように対向配置されてい
る。各カムブロック17には図7に示すようにそれぞれ
に傾斜カム面18が形成されていて、これらの傾斜カム
面18は後述するようにリンク機構9側のカムフォロア
ローラ10を案内しつつそのカムフォロアローラ10が
溝部16を通過するのを許容するようになっている。
【0030】また、トリムダイ1のうちばり除け板6が
密着する位置には一対のショックアブソーバ19が設け
られている(図1,4参照)。このショックアブソーバ
19は、図8に示すようにケース20内にクッションス
プリング(圧縮コイルスプリング)21にて弾性付勢さ
れたピストン22を抜け止めを施しながらスチールボー
ル23とともに収容するとともに、外部に開口するテー
パ穴24付きのプラグ25にて閉塞したもので、上記ス
チールボール23とテーパ穴24とで逆止弁(チェック
弁)を形成してある。なお、ケース20には、ケース2
0内部をそのケース20とトリムダイ1側のケース収容
穴26との隙間を通して外部に連通させるために小径の
空気孔27を形成してある。
【0031】したがって、上記逆止弁は、ピストン22
がケース20内に埋没しようとする際には、テーパ穴2
4がスチールボール23にて閉塞される故にケース20
内部の空気の排出は空気孔27のみに依存することにな
り、結果としてピストン22の埋没がきわめて緩慢とな
ってあたかも空気ばねによる緩衝効果を発揮することに
なる。逆に、ケース20からピストン22が突出しよう
とする際には、ケース20内部の負圧化に伴いテーパ穴
24が開くことから、ケース20からのピストン22の
突出復帰がきわめて速やかに行われることになる。つま
り、ショックアブソーバ19は、後述するように傾動状
態となったばり除け板6が自重にて初期状態(トリムダ
イ1に密着する状態)に復帰する際にその衝撃を緩和す
るべく緩衝効果を発揮することになる。ただし、上記ク
ッションスプリング21のばね定数はばり除け板6の自
重には打ち勝つことができないような大きさに設定され
ている。
【0032】上記固定側ヒンジブロック12とともにヒ
ンジ7を形成している可動側ヒンジブロック13には、
図1に示すようにばり除け板6を延長するかの如き形態
でサイドシュート28が回動可能に連結されている。こ
のサイドシュート28は所定の金属板を上向きで断面略
コ字状に曲折成形して浅皿状としたものであって、ばり
除け板6に固定されている可動側ヒンジブロック13の
うちヒンジ7自体のヒンジピン8よりもばり除け板6の
先端寄りの位置にピン29にて連結されている。これに
より、ばり除け板6が図1,4に示すようにトリムダイ
1に密着しているときにはサイドシュート28も水平状
態を維持している一方で、後述するようにばり除け板6
がヒンジピン8を回転中心として時計回り方向に傾動変
位したときには、図3に示すようにそれに連動してサイ
ドシュート28もまた傾動変位することになる。
【0033】一方、図1,4のほか図9,10に示すよ
うに、上型として機能するトリムパンチ2にはパンチ本
体30を取り囲むようにして外形状が変形矩形状をなす
ストリッパプレート3が設けられている。より詳しく
は、トリムパンチ2のフランジ部2aにはスタッドボル
ト31を介して四つのスリーブ32が吊り下げ支持され
ており、これら四つのスリーブ32に抜け止め支持され
るかたちでストリッパプレート3が上下動可能に配設さ
れている。そして、各スリーブ32の周りにはフランジ
部2aとストリッパプレート3との間に挟まれるかたち
でリターンスプリング(圧縮コイルスプリング)33が
介装されており、これによりストリッパプレート3は常
時下方に弾性付勢されている。なお、このストリッパプ
レート3は、周知のようにトリムパンチ2へのばりBの
食い付きを防止しつつ、ばりBを常にトリムダイ1側に
押し付ける役目をすることになる。
【0034】ストリッパプレート3にはトリムパンチ2
の中央部のパンチ本体30をはさんでその両側に先に述
べた一対のリンク機構9が設けられている。このリンク
機構9は、図4に示すように、ストリッパプレート3に
固定されたベースプレート34にヒンジピン35を介し
てほぼ水平なサポートリンク36を揺動可能に支持させ
るととともに、サポートリンク36には同じくヒンジピ
ン37を介してほぼ鉛直なドリブンリンク11を揺動可
能に支持させたもので、ドリブンリンク11の先端には
図11に示すようにその両側にカムフォロアローラ10
が装着されている。
【0035】サポートリンク36は、図12に示すよう
に平面視にてその中央部がくり抜かれた略枠状のものと
して形成されていて、図13に示すようにそのサポート
リンク36の下側からドリブンリンク11をスプリング
シートブロック38とともに嵌挿させた上でドリブンリ
ンク11の上端をヒンジピン37にてサポートピンク3
6に連結してある。また、スプリングシートブロック3
8は図14に示すようにテーパ状の二つのスプリング保
持孔39,40を形成したものであって、後述するよう
に各スプリング保持孔39,40にて支持されるリター
ンスプリング41,43の弾性力をもってサポートリン
ク36に位置決め保持される。
【0036】サポートリンク36は、図4に示すように
そのサポートリンク36に嵌合されたスプリングシート
ブロック38とベースプレート34との間に介装された
リターンスプリング(圧縮コイルスプリング)41によ
って上方に付勢されているとともに、同じくベースプレ
ート34に装着されたアジャストボルト42にて揺動上
限位置が規制されている。同様にして、ドリブンリンク
11は上記スプリングシートブロック38との間に介装
されたリターンスプリング(圧縮コイルスプリング)4
3によって図4の時計回り方向に付勢されているととも
に、サポートリンク36に装着されたアジャストボルト
44にてその時計回り方向の揺動限界位置が規制されて
いる。したがって、ドリブンリンク11はそれ自体の水
平方向での揺動自由度に加えてサポートリンク36によ
る上下方向での揺動自由度を有してはいても、図4に示
すようにトリムパンチ2が上死点位置P1にあるかぎり
は上記ドリブンリンク11を主体とする各リンク機構9
は同図の状態を自己保持している。
【0037】したがって、以上のように構成されたトリ
ミング加工装置によれば、図1に示すようにトリムパン
チ2が上死点位置P1で待機している状態では、ばり除
け板6はその自重のためにトリムダイ1に密着してサイ
ドシュート28とともに水平状態を自己保持している。
この状態で、ばりBが付帯したままの鍛造素材Wがトリ
ムダイ1に投入されると、ばりBのみがばり除け板6側
のばり受け面15にて支えらるかたちとなって鍛造粗材
Wが位置決めされる。
【0038】次いで、図1の状態からトリムパンチ2が
下降すると、図2に示すようにストリッパプレート3が
トリムダイ1の上面に圧接するとともに、トリムパンチ
2のパンチ本体30が鍛造粗材Wの内筒部に入り込ん
で、外周部のばりBに対して中央部の製品部領域Pのみ
を押し下げることから、やがてトリムダイ1とトリムパ
ンチ2の切れ刃4,5同士のせん断作用をもって、ばり
Bをばり除け板6側に残したままで製品部領域Pがトリ
ミングされて下方に抜き落とされて回収される。
【0039】このトリミングに至る過程において、図1
5に示すようにリンク機構9における各ドリブンリンク
11の先端のカムフォロアローラ10が図7に示すカム
ブロック17の傾斜カム面18に圧接することから、図
15に示すようにカムフォロアローラ10はその傾斜カ
ム面18に沿って転動しながらばり除け板6側の溝部1
6に落ち込んだ上でカムブロックの17下側に回り込む
かたちとなる。すなわち、カムフォロアローラ10はド
リブンリンク11の傾動変位とともに図15の矢印a〜
dのような軌跡を描きながら転動して、最終的にはカム
ブロック17の下側に回り込んでこのカムブロック17
の下面に係合し、同時にドリブンリンク11は図15の
鉛直姿勢を自己保持することになる。
【0040】続いて、トリムパンチ2が下死点に達した
後に再び上昇し始めると、ドリブンリンク11の先端の
カムフォロアローラ10がカムブロック17に係合した
ままであるために、図3,4に示すようにそのトリムパ
ンチ2の上昇動作に伴いばり除け板6の自由端部側が引
き上げられて、ばり除け板6は徐々に傾動変位すること
になる。
【0041】ここで、例えばトリムパンチ2にばりBが
食い付いていて、ばりBがトリムパンチ2とともに上昇
しようとした場合には、なおもトリムダイ1に密着して
いるストリッパプレート3がその食い付きを解除するこ
とから、ばりBは確実にばり除け板6上に残されること
になる。
【0042】より詳しくは、上記カムフォロアローラ1
0とカムブロック17との係合のために、トリムパンチ
2の上昇動作に追従してばり除け板6はヒンジピン8を
回転中心として図4に示す軌跡を描きながら徐々に時計
回り方向に傾動変位し、同時にそのばり除け板6に連結
されているサイドシュート28もまた傾動変位すること
になる。そして、トリムパンチ2の上昇変位量の増大に
伴いばり除け板6の傾斜角度もまた増大することから、
図3,4に示すようにトリムパンチ2が上死点位置P1
に到達するまでには、ばり除け板6上のばりBは自重に
てそのばり除け板6から滑り落ち、さらにはその滑落慣
性をもってサイドシュート28上をも滑り落ちて、最終
的には先に抜き落とされた製品部領域Pとは別に図示し
ないシュートやコンベヤによって回収されることにな
る。
【0043】ここで、上記のようにばり除け板6がヒン
ジピン8を回転中心として徐々に傾動変位する過程にお
いては、カムブロック17の下面に係合しているカムフ
ォロアローラ10はばり除け板6に形成された溝部16
の開放端(図7参照)に向かって徐々に移動することに
なる。そして、図3,4に示すようにトリムパンチ2が
上死点位置P1に達する直前にカムフォロアローラ10
が初めて上記溝部16の開放端から抜け出て、これをも
ってそれまでのカムフォロアローラ10とカムブロック
17との係合が解除される。
【0044】カムフォロアローラ10とカムブロック1
7との係合が解除されると、ばり除け板6はその自重を
もって下降して図1の初期状態に復帰する。この時、ト
リムダイ1側に設けられたショックアブソーバ19のピ
ストン22が突出した状態(図8の状態)にあることか
ら、ばり除け板6とショックアブソーバ19のピストン
22との衝当をもってそのばり除け板6の下降時の衝撃
が緩和もしくは吸収される。そして、ショックアブソー
バ19のピストン22にばり除け板6が当接したままで
安定化すると、そのショックアブソーバ19のケース2
0内に封じ込められた空気が図8に示す空気孔27から
きわめて低速にて排出されることから、ばり除け板は6
ゆっくりと下降しながら、なお且つ衝撃を伴うことなく
トリムダイ1に静かに密着することで図1の初期状態に
復帰する。
【0045】なお、図4に示すようにトリムパンチ2の
上昇動作に伴いばり除け板6が傾動変位する過程では、
そのばり除け板6の一部がストリッパプレート3と干渉
し(干渉域を符号Qで示す)、それによってカムフォロ
アローラ10とともにドリブンリンク11を相対的に下
方にわずかに移動させる必要があるが、このドリブンリ
ンク11の上下方向での自由度はヒンジピン35を回転
中心としたサポートリンク36の揺動動作によって与え
られる。
【0046】このように本実施の形態によれば、トリミ
ング加工によってトリムダイ1上に残されたばりBは、
トリムパンチ2の上昇動作に純機械的に連動するばり除
け板6によって、人手に頼ることなく自動的に且つ確実
にトリムダイ1の外部に排出されて回収されることにな
る。
【0047】ここで、図4に示すようにカムブロック1
7をその長さMが異なるものと交換するとともに、その
カムブロック17によって揺動駆動されるドリブンリン
ク11の位置を微調整することにより、トリムパンチ2
の上昇変位に応じたばり除け板6の傾動変位量を変更す
ることが可能である。例えば、上記カムブロック17の
長さMをヒンジピン8側に向けて拡大させれば、トリム
パンチ2の上昇変位量に応じたばり除け板6の傾動変位
量も大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトリミング加工装置の好ましい実
施の形態を示す図で、鍛造粗材セット時の構成説明図。
【図2】同じく図1の状態からトリムパンチが下降して
トリミング加工が完了した状態を示す構成説明図。
【図3】同じく図2の状態からトリムパンチが上昇復帰
した状態を示す構成説明図。
【図4】図3の要部拡大説明図。
【図5】図1におけるトリムダイの平面説明図。
【図6】図1におけるばり除け板単独での右側面説明
図。
【図7】図5におけるばり除け板とカムブロックとの関
係を示す要部拡大斜視図。
【図8】図4におけるショックアブソーバの拡大断面
図。
【図9】図4におけるトリムパンチの下面図。
【図10】(A)は図9のC−C線に沿う断面図、
(B)は図9のD−D線に沿う断面図、(C)は図9の
E−E線に沿う断面図。
【図11】図4に示すドリブンリンク単独での側面説明
図。
【図12】図4に示すサポートリンク単独での平面説明
図。
【図13】図4に示すサポートリンクとドリブンリンク
およびスプリングシートブロックの相互関係を示す説明
図。
【図14】(A)は図14に示すスプリングシートブロ
ックの側面図、(B)は同図(A)の平面図、(C)は
同図(A)の左側面図。
【図15】図2の要部拡大図。
【図16】従来のトリミング加工装置の一例を示す工程
説明図。
【符号の説明】
1…トリムダイ(下型) 2…トリムパンチ(上型) 3…ストリッパプレート 6…ばり除け板 8…ヒンジピン 9…リンク機構 10…カムフォロアローラ 11…ドリブンリンク 17…カムブロック 18…傾斜カム面 28…サイドシュート 36…サポートリンク B…ばり P…製品部領域 W…鍛造粗材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下型として機能するトリムダイと、上型
    として機能する上下動可能なトリムパンチとを備え、鍛
    造粗材のうち製品部領域の外周に付帯しているばりを切
    断除去するべく、トリムダイとトリムパンチとのせん断
    作用によりトリムダイ側にばりを残して製品部領域のみ
    を打ち抜くトリミング加工装置であって、 上記トリムダイ上には傾動変位可能なばり除け板が設け
    られていて、 このばり除け板は、トリムダイ上に位置決めされること
    になる鍛造粗材についてその外周に付帯しているばりを
    トリムダイとトリムパンチとのせん断作用に支障をきた
    すことなく直接的に支える一方で、トリミング加工後に
    はトリムパンチの上昇動作に連動しながら傾動変位し
    て、ばり除け板上に残されたばりを型外に排出するべく
    そのばり除け板に沿ってばりを自重にて滑落させるよう
    になっていることを特徴とする鍛造部品のトリミング加
    工装置。
  2. 【請求項2】 下型として機能するトリムダイと、上型
    として機能する上下動可能なトリムパンチとを備え、鍛
    造粗材のうち製品部領域の外周に付帯しているばりを切
    断除去するべく、トリムダイとトリムパンチとのせん断
    作用によりトリムダイ側にばりを残して製品部領域のみ
    を打ち抜くトリミング加工装置であって、 上記トリムダイ上には傾動変位可能なばり除け板が設け
    られており、 このばり除け板は、トリムダイ上に位置決めされること
    になる鍛造粗材についてその外周に付帯しているばりを
    トリムダイとトリムパンチとのせん断作用に支障をきた
    すことなく直接的に支える一方、トリミング加工後には
    トリムパンチの上昇動作に連動して傾動変位して、ばり
    除け板上に残されたばりを型外に排出するべくそのばり
    除け板に沿ってばりを自重にて滑落させるようになって
    いて、 さらに上記トリムパンチ側には、このトリムパンチとと
    もに下降動作することによりトリミング加工完了時まで
    にばり除け板に係合する一方で、トリミング加工完了後
    には上記ばり除け板に係合したままでトリムパンチとと
    もに上昇動作することによりばり除け板を傾動変位させ
    るリンク部材が設けられていることを特徴とする鍛造部
    品のトリミング加工装置。
  3. 【請求項3】 上記トリムパンチには先端にカムフォロ
    アローラを有する揺動可能なリンクが垂設されていると
    ともに、ばり除け板には上記カムフォロアローラと当接
    可能な傾斜カム面を有するカムブロックが設けられてい
    て、 上記トリムパンチの下降動作に伴いリンク先端のカムフ
    ォロアローラがカムブロック側の傾斜カム面を乗り越え
    ることでリンクがカムブロックに係合するようになって
    いる一方、上記ばり除け板の傾斜角度の増大に伴いカム
    フォロアローラがカムブロックから外れることでそのば
    り除け板とリンクとの係合が解除されるようになってい
    ることを特徴とする請求項2に記載の鍛造部品のトリミ
    ング加工装置。
  4. 【請求項4】 上記リンクは水平方向での揺動自由度と
    は別に上下方向での揺動自由度を有していることを特徴
    とする請求項3に記載の鍛造部品のトリミング加工装
    置。
  5. 【請求項5】 上記ばり除け板の傾動中心寄りの位置に
    はこれを延長するようにしてサイドシュートが連結され
    ていて、このサイドシュートの傾斜角度はばり除け板の
    傾斜角度とともに増大するようになっていることを特徴
    とする請求項2〜4のいずれかに記載の鍛造部品のトリ
    ミング加工装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2862646A1 (en) * 2013-10-15 2015-04-22 Rolls-Royce plc Clipping tool
WO2016190609A1 (ko) * 2015-05-22 2016-12-01 대창단조 주식회사 트랙링크 트리밍용 2중 핸드로봇 및 이를 이용한 자동화공정
CN113828683A (zh) * 2021-08-26 2021-12-24 浙江华远汽车科技股份有限公司 一种带孔部件的成型装置和成型方法

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