JP2003168678A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2003168678A
JP2003168678A JP2001368119A JP2001368119A JP2003168678A JP 2003168678 A JP2003168678 A JP 2003168678A JP 2001368119 A JP2001368119 A JP 2001368119A JP 2001368119 A JP2001368119 A JP 2001368119A JP 2003168678 A JP2003168678 A JP 2003168678A
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plasma
vacuum chamber
chamber
high frequency
processing apparatus
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JP2001368119A
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Koji Takeishi
浩司 武石
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Original Assignee
Shibaura Mechatronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波励起と高周波バイアス励起とを併
用可能な構成を有し、高周波バイアス励起のみを実施し
ても異常放電が生じることのないプラズマ処理装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 真空チャンバ(2)と、絶縁性の透過窓
(24)を介して前記真空チャンバ内に高周波電力
(M)を導入することによりプラズマを生成する第1の
プラズマ励起源と、前記真空チャンバ内に設けられ、プ
ラズマ処理される被処理物を保持する載置台(30)
と、前記載置台に高周波バイアスを印加することにより
プラズマを生成する第2のプラズマ励起源(80)と、
を備え、前記真空チャンバの内壁面上の少なくとも一部
に前記真空チャンバと同電位とされた導電性部材(20
A〜20E)が設けられたプラズマ処理装置を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
に関し、特に、マイクロ波などによる励起源と高周波バ
イアス励起源とを併有するプラズマ処理装置において、
高周波バイアス励起源のみを動作させた時に生ずる異常
放電を抑制することができるプラズマ処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラズマを利用したドライエッチング、
アッシング、薄膜堆積、プラズマドーピングあるいは表
面改質などのプラズマ処理は、半導体装置や液晶ディス
プレイ装置をはじめとした各種の製品の製造工程におい
て広く利用されている。
【0003】このようなプラズマ処理に際してプラズマ
を形成する方法として、マイクロ波などの高周波電力に
よる励起方法と、高周波バイアスによる励起方法とがあ
る。そして、これら2つの方法を同時にまたはそれぞれ
単独で実施可能なプラズマ処理装置が開発されている。
【0004】図7は、マイクロ波励起と高周波バイアス
励起がそれぞれ可能なプラズマ処理装置の要部構成を表
す概念図である。
【0005】このプラズマ処理装置は、大気よりも減圧
した雰囲気を維持可能な真空チャンバ2を有する。チャ
ンバ2には、排気口6とガス供給口22とが設けられ、
図示しない真空ポンプによりその内部を排気して所定の
圧力に維持しつつ、ガス供給口22からエッチングガス
を導入できる。この際に、排気整流板12は、被処理物
Wの表面付近におけるエッチングガスの圧力及び流速分
布を調節する役割を有する。
【0006】また、チャンバ2の中には、載置台30の
上に静電チャックなどの保持機構40が設けられ、被処
理物Wを保持可能とされている。なお、この載置台30
の内部には冷却用の熱媒体14が適宜供給される場合も
ある。そして、載置台30には、高周波電源80が接続
されている。高周波電源80から載置台30に高周波バ
イアスを印加することにより、ガス供給口22から導入
したガスのプラズマを生成することができる。
【0007】一方、チャンバ2の上部には、誘電体窓2
4を介してその外部にマイクロ波導波管28が設けられ
ている。マイクロ波導波管28の先端付近にはスロット
26が開口されている。矢印で示した方向に導波された
マイクロ波Mは、スロット28を介し誘電体窓24を透
過してチャンバ2の中に導入され、このマイクロ波によ
ってガス供給口22から導入されたガスのプラズマを生
成することもできる。
【0008】以上説明したように、図7に表したプラズ
マ処理装置は、被処理物Wを固定した状態において、真
空チャンバ内に所定のプロセスガスを導入し、マイクロ
波励起あるいは高周波バイアス励起によってプラズマを
生成することより、プラズマ処理を実施することができ
る。
【0009】例えば、プロセスガスのプラズマにより活
性種を生成し、これを被処理物Wの表面に供給すること
によって、ドライエッチングやアッシングなどのプラズ
マ処理を施すことができる。このようなプラズマを形成
するためのプロセスガスとしては、例えば被処理物の表
面の薄膜のエッチングを行う場合には、酸素ガス
(O )、あるいはCF、NF等のフッ素系ガスや
Cl等のハロゲン系ガスを添加したガスなどを用いる
ことができる。
【0010】そして、図7に表したプラズマ処理装置の
場合、マイクロ波による励起と高周波バイアスによる励
起とを同時に実施することもできるし、それぞれ個別に
実施することもできる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7に例示
したプラズマ処理装置において、高周波電源80による
高周波バイアス励起のみを用いてプラズマ処理を行うこ
とが望ましい場合がある。
【0012】例えば、マイクロ波励起を用いると、高い
密度のプラズマが形成されるためにラジカルが多量に生
成されて、いわゆる「サイドエッチング」が生ずる場合
がある。従って、エッチングに際して高い異方性が必要
とされるような場合には、マイクロ波励起を停止し、高
周波バイアスのみによってプラズマを生成することが望
ましい。
【0013】また、半導体装置などの製造に際して、マ
イクロ波励起による密度の高いプラズマを用いると、エ
ッチングすべきでない低誘電率の層間絶縁層までエッチ
ングされてしまう場合もある。このような場合にも、マ
イクロ波励起を停止し、高周波バイアス励起のみにより
プラズマエッチングを行うことが望ましい。
【0014】ところが、本発明者の検討の結果、図7に
例示したプラズマ処理装置において、高周波電源80に
よる高周波バイアスのみによってプラズマを生成する
と、チャンバ2の内部で異常放電が生ずるという問題が
あることが判明した。
【0015】図8は、チャンバ内で異常放電が生ずる様
子を表す概念図である。
【0016】チャンバ2を接地電位とし、高周波電源8
0から載置台30に高周波バイアスを印加してプラズマ
Pを生成すると、このプラズマPを介して、高周波電源
80とチャンバ2との間でプラズマ電流が流れる。
【0017】しかし、チャンバ2のうち、載置台30の
対向部は、誘電体窓24により大きな面積が占められて
いる。そして、この誘電体窓24は、石英、アルミナ
(Al )あるいは窒化アルミニウム(AlN)な
どの絶縁性材料により形成されているので、プラズマ電
流が流れることができない。
【0018】従って、プラズマ電流は、チャンバ2の残
余の部分の内壁に集中する。しかし、チャンバ2は、通
常、アルミニウム(Al)により形成され、その内壁は
アルミナ(Al)により被覆されているため、プ
ラズマ電流がやはり流れにくい。
【0019】このため、プラズマ電流は、電界が集中し
やすい突出部に集中して突発的に流れ、その結果とし
て、異常放電を生ずることとなる。
【0020】本発明者の検討によれば、このような異常
放電は、例えば、圧力計が設けられているポートの入り
口や、排気整流板12の開口などにおいて頻発する傾向
が認められた。
【0021】このような異常放電が生ずると、チャンバ
2の内壁面のアルミナ被覆層及びその内側のアルミニウ
ムが周囲に飛散し、被処理物Wを汚染したり、パーティ
クルとしてその表面に残留するという問題が生ずる。
【0022】また、本発明者の検討によれば、このよう
な異常放電は、マイクロ波励起を併用した場合にはあま
り顕著ではなく、高周波バイアス励起のみを用いた場合
に頻発することが判明した。この理由は、マイクロ波励
起を用いた場合には高周波バイアス励起によるプラズマ
の100倍以上の高い密度のプラズマが生成されるた
め、高周波バイアスのプラズマ電流成分も吸収されるか
らであると推測される。
【0023】つまり、このような異常放電は、マイクロ
波励起と高周波バイアス励起を併用可能なプラズマ処理
装置において高周波バイアス励起のみを実行した場合に
特有の現象であることを知得するに至った。
【0024】本発明はかかる課題の認識に基づいてなさ
れたものであり、その目的は、マイクロ波励起と高周波
バイアス励起とを併用可能な構成を有し、高周波バイア
ス励起のみを実施しても異常放電が生じることのないプ
ラズマ処理装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のプラズマ処理装置は、大気よりも減圧され
た雰囲気を維持可能な真空チャンバと、絶縁性の透過窓
を介して前記真空チャンバ内に高周波電力を導入するこ
とによりプラズマを生成する第1のプラズマ励起源と、
前記真空チャンバ内に設けられ、プラズマ処理される被
処理物を保持する載置台と、前記載置台に高周波バイア
スを印加することによりプラズマを生成する第2のプラ
ズマ励起源と、を備え、前記真空チャンバの内壁面上の
少なくとも一部に前記真空チャンバと同電位とされた導
電性部材が設けられたことを特徴とする。
【0026】上記構成によれば、高周波バイアス励起の
みによってプラズマを生成した場合でも、導電性部材を
介してチャンバの接地電位への電流経路を確保できるた
めに、チャンバ内における異常放電を抑制することがで
きる。
【0027】その結果として、異常放電によりチャンバ
の内壁がスパッタされることにより生じ得るパーティク
ルやチャンバ材料による被処理物の汚染を防ぐことがで
きる。
【0028】ここで、前記絶縁性の透過窓が、前記被処
理物と対向して設けられた場合に、このような異常放電
が生じやすく、本発明を適用して格別の効果が得られ
る。
【0029】また、このような場合に、前記導電性部材
を、前記絶縁性の透過窓と前記載置台との間に設けれ
ば、異常放電を効果的に抑制できる。
【0030】また、前記真空チャンバ内には、前記プラ
ズマ処理に際して処理ガスの流れが形成され、前記導電
性部材を、前記被処理物からみて前記処理ガスの流れの
下流側に設けることも、異常放電の抑制に対して効果的
である。
【0031】また、前記導電性部材は、シリコン(S
i)、炭化シリコン(SiC)、炭素(C)、タングス
テン(W)、アルミニウム(Al)及びその他のシリコ
ン化合物よよりなる群から選択されたいずれかからなる
ものを、被処理物の材質や物性に応じて用いることがで
きる。シリコン化合物としては、各種の金属シリサイド
などを挙げることができる。すなわち、被処理物に対す
る汚染の心配がない材料であれば、導電性部材の材料と
して用いることが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、具体例を参照しつつ詳細に説明する。
【0033】図1は、本発明の実施の形態にかかるプラ
ズマ処理装置の要部断面構造を表す模式図である。
【0034】まず、その全体構成について説明すると、
本発明のプラズマ処理装置は、マイクロ波励起と高周波
バイアス励起のいずれも可能な装置であり、大気よりも
減圧した雰囲気を維持可能なチャンバ2を有する。チャ
ンバ2は、プロセスガスを導入するためのガス供給口2
2を有し、排気口6を介して図示しない真空ポンプによ
り真空排気される。また、プロセスガスの流れを調節す
るために、所定のコンダクタンス開口を有する排気整流
板12が適宜設けられている。
【0035】また、チャンバ2の中には、載置台30の
上に静電チャックなどの保持機構40が設けられ、被処
理物Wを保持可能とされている。そして、載置台30に
は、高周波電源80が接続されている。高周波電源80
から載置台30に高周波バイアスを印加することによ
り、ガス供給口22から導入したガスのプラズマを生成
することができる。また、プラズマ処理に際して被処理
物Wの温度を所定の範囲に維持するために、フッ素系絶
縁流体などの熱媒体14が適宜循環される。
【0036】一方、チャンバ2の上部においては、導波
管28を介してマイクロ波Mが供給され、スロット26
を介して誘電体窓24からチャンバ2内に導入される。
誘電体窓24は、例えば、石英、アルミナ(Al
)、窒化アルミニウム(AlN)などの誘電体に
より形成され、チャンバ2の気密を維持しつつマイクロ
波Mを導入する役割を有する。このようにして導入され
たマイクロ波により、ガス供給口22から供給されたプ
ロセスガスのプラズマを生成することができる。
【0037】本発明によれば、以上説明した構造におい
て、チャンバ2の内壁などに導電性部材20A〜20F
が適宜設けられている。具体的には、例えば、誘電体窓
24と被処理物Wとの間の空間において、チャンバ2の
内壁に導電性部材20A〜20Cを設けることができ
る。また、排気整流板12の上に導電性部材20Dを設
けてもよい。さらに、排気整流板12の下側において、
チャンバ2の内壁に導電性部材20Eを設けてもよく、
さらに、載置台30の周囲にも導電性部材20Fを設け
てもよい。
【0038】これらの導電性部材は、チャンバーの内壁
面に被覆されたアルミナよりも高い導電率を有し、チャ
ンバ2の本体の電位に同じに接地することが望ましい。
このような導電性部材を設けることにより、高周波バイ
アス励起のみによってプラズマを形成しても異常放電を
抑制することができる。
【0039】すなわち、マイクロ波励起を停止した状態
で高周波電源80による高周波バイアス励起のみよって
プラズマを形成した場合、チャンバ2を介して接地電位
に流れるプラズマ電流の経路が必要である。つまり、高
周波電源80とチャンバ2との間では、プラズマPを介
して電流が流れる。しかし、載置台30に対向したチャ
ンバ2の主要部は絶縁性の誘電体窓24に占められてお
り、それ以外のチャンバ内壁面も高抵抗のアルミナによ
り覆われているため、電流が流れにくい。これに対し
て、本発明によれば、チャンバ2の内壁に導線性部材2
0A〜20Fを設けることにより、これらを介した電流
の経路を確保してプラズマ電流を均一に流し、電界集中
による局所的な異常放電を防ぐことができる。
【0040】導電性部材20A〜20Fの材料として
は、被処理物Wに対する汚染やパーティクル(塵埃)の
原因となりにくいものが望ましい。従って、その材料
は、チャンバ2で行われるプラズマ処理の内容やその被
処理物Wの物性などに応じて適宜決定することができ
る。
【0041】一般的には、これら導電性部材20A〜2
0Fの材料としては、シリコン(Si)や炭化シリコン
(SiC)あるいは非晶質ガラス状のカーボン(C)な
どを挙げることができる。また例えば、被処理物Wの材
料によっては、窒化チタン(TiNx)やタングステン
(W)あるいは、金属シリサイドなどを導電性部材20
A〜20Fの材料として用いることも可能である。金属
シリサイドとしては、例えば、チタン・シリサイド(T
iSix)、タングステン・シリサイド(WSix)、
タンタル・シリサイド(TaSix)、モリブデン・シ
リサイド(MoSix)などを挙げることができる。ま
たさらに、例えばアルミニウム(Al)をエッチングす
るチャンバの場合には、導電性部材20A〜20Fの材
料としてアルミニウム(Al)を用いることができる。
つまり、エッチングする材料が特定されている場合に
は、その材料を導電性部材20A〜20Fの材料として
用いても、被処理物Wやチャンバを汚染する心配はな
い。
【0042】これら導電性部材20A〜20Fは、チャ
ンバ2の内壁面に直接コーティングしてもよいし、導電
性接着剤、溶接、半田あるいはロウ付けなどの手段によ
りチャンバ2の内壁に固定しても良い。あるいは、留め
具、ねじ、スプリング、ピンなどを用いて導電性部材2
0A〜20Fをチャンバ2の内壁に脱着可能に取り付け
てもよい。
【0043】但し、いずれの場合にも、導電性部材20
A〜20Fは、チャンバ2の本体あるいは別途設けられ
た接地電位の端子との電気的な接触が確保されるように
留意する必要がある。
【0044】また、導電性部材20A〜20Fのそれぞ
れは、一体として設ける必要はない。例えば、図1にお
いて、導電性部材20Aは、一体の円筒状の部材として
設けてもよいが、複数の導電性の部材片を組み合わせて
円筒状に形成してもよい。さらにまた、チャンバ2の内
壁面を完全に覆う形状である必要はなく、その一部のみ
を覆うように部分的に設けてもよい。この場合、電界集
中が生じやすい突出部から離れた部分を特に導電性部材
により覆うようにすると、放電電流を分散させることが
でき効果的である。
【0045】さらにまた、導電性部材20A〜20F
は、一種類の材料のみにより形成する必要はない。例え
ば、被処理物Wの周辺のプラズマの密度が高い部分にお
いては、特に汚染やパーティクルの発生に考慮した材料
により導電性部材を形成し、被処理物Wから離れて、プ
ラズマの密度も低い部分においては、金属性あるいは窒
化チタン(TiNx)や金属シリサイド、あるいはタン
グステン(W)やアルミニウム(Al)などのように導
電度がさらに高い材料により導電性部材を形成するよう
にしてもよい。
【0046】具体的には、例えば、図1の構成におい
て、排気整流板12の下流側すなわち排気口6に近い側
においては、プラズマの密度も低く、被処理物Wに与え
る影響も少ないので、チャンバ内壁に設ける導電性部材
20Eや載置台の周囲に設ける導電性部材20Fの材料
として、窒化チタンなどを用いることができる。
【0047】図2は、本発明の実施の形態にかかるプラ
ズマ処理装置の他の具体例を表す模式図である。同図に
ついては、図1に関して前述したものと同様の要素には
同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】図2に例示した装置は、いわゆる「誘導結
合型プラズマ(Induction CouplingPlasma:ICP)装
置」と称される形式のものであり、誘電体窓24には導
体からなるICP用アンテナ27が接続されている。ア
ンテナ27の一端は接地され、他端は、整合器29を介
して高周波電源84に接続されている。
【0049】高周波電源84からアンテナ27に供給さ
れた2MHzから100MHz程度の周波数の高周波電
力は、誘電体窓24を介してチャンバ2内に導入され、
ガス供給口22を介して導入されたプロセスガスのプラ
ズマを生成する。そして、これとは別個に、載置台30
に高周波電源80が接続され、高周波バイアス励起によ
るプラズマの生成が可能とされている。
【0050】本具体例の装置においても、チャンバ2の
内壁に導電性部材20A〜20Fを適宜設けることによ
り、高周波電源80を用いて高周波バイアス励起により
プラズマを生成した時の異常放電を抑制することができ
る。
【0051】次に、本発明に関連して、図1及び図2に
例示したプラズマ処理装置に設けられる静電チャック4
0の構造について、図3を参照しつつ詳しく説明する。
すなわち、本発明においては、被処理物Wの載置台に高
周波バイアスを印加してプラズマを生成させることがで
きる装置を用いるが、このような装置において、被処理
物Wを固定するために静電チャック方式を採用する場
合、工夫の余地がある。
【0052】図3に例示した静電チャックは、載置台3
0の上に設けられ、「双極型」の構造を有する。そし
て、アルミニウム(Al)などからなる支持台42の上
に、セラミックや有機材料などからなる絶縁性部材46
が、固定手段44により固定されている。固定手段44
としては、例えば、接着剤、インジウム(In)半田、
あるいはロウ付けなどを用いることができる。
【0053】絶縁性部材46の内部には、一対の電極4
8A、48Bが埋設されている。これらの電極48A、
48Bは、給電部52を介して直流の高電圧電源60に
接続されている。また、給電部52は、絶縁体24によ
って載置台30や支持台42から絶縁されている。さら
に、高電圧電源60と電極48A、48Bとの間には、
高周波カットフィルタ65などが適宜設けられる。
【0054】半導体ウェーハやガラス基板などの被処理
物Wは、絶縁性部材46の上に載置され、高電圧電源6
0から電極48A、48Bに電圧を印加することにより
固定される。
【0055】図4は、絶縁性部材46を上方から眺めた
平面透視図である。すなわち、中央には絶縁体24によ
り絶縁された給電部52が設けられている。そしてこの
給電部52に接続された一対の電極48A、48Bが対
向して設けられ、これを絶縁性部材46が取り囲んでい
る。また、このような絶縁性部材46には、被処理物W
を持ち上げて、搬送や載置を容易にするためのリフトピ
ンが貫通する穴47が適宜設けられている。
【0056】なお、電極48A、48Bの平面形状は、
図4に例示したものには限定されず、極性が異なる複数
の電極が互い違い状、交互状などに配置された各種の形
状を採用することができる。
【0057】さて、以上説明した構成において、高電圧
電源60は、高電圧発生部60Aと、スイッチ60B、
60Cとを有する。高電圧発生部60Aは、接地電位か
ら隔絶されている。つまり、「フローティング」の状態
で電圧を印加することができるようにされている。
【0058】一方、スイッチ60B、60Cは、電極4
8A、48Bを、高電圧発生部60Aと接地電位との間
でそれぞれ切り替え可能としている。つまり、スイッチ
60Bは、電極48Aの接続端T1を、接地電位S1と
高電圧発生部60Aの一方の極(正極または負極)S2
との間で切り替える。また、スイッチ60Cは、電極4
8Bの接続端T2を、高電圧発生部60Aの他方の極
(負極または正極)S3と接地電位S4との間で切り替
える。
【0059】その動作について説明すると、まず、プラ
ズマ処理に先立って、被処理物Wを真空チャンバ2の中
に導入し、静電チャック40の上に載置する。具体的に
は、例えば図示しない搬送手段により被処理物Wを静電
チャック40の上に搬送して載置する。この際には、電
極48A、48Bはそれぞれ接地電位S1、S4に接続
されている。
【0060】次に、スイッチ60B、60Cを切り替え
て、電極48A、48Bをそれぞれ高電圧発生部60A
の両端と接続する。この状態において、電極48A、4
8Bにそれぞれ逆極性の高電圧が印加され、被処理物W
は絶縁性部材46の表面に吸着固定される。
【0061】この後、高周波電源80により高周波バイ
アスを印加してプラズマを生成してエッチングやアッシ
ングなど、所定のプラズマ処理を施す。この際に、導電
性部材20A〜20Fが設けられていることにより、チ
ャンバ内での異常放電を抑制することができる。
【0062】所定のプラズマ処理が終了したら、プラズ
マを停止し、スイッチ60B、60Cを切り替えて、電
極48A、48Bをそれぞれ接地電位S1、S4に接続
する。この状態において、被処理物Wを吸引する電荷は
消滅し、静電チャックによる吸着作用は解消する。
【0063】しかる後に、図示しない搬送手段などによ
って被処理物Wを載置台から取り出す。
【0064】以上説明したように、プラズマ処理中は、
静電チャックの電極48A、48Bに、接地電位から隔
絶された高電圧を印加する。このように、電極48A、
48Bにフローティング状態で高電圧を印加することに
より、絶縁性部材46の抵抗が小さい場合でも、エッチ
ング速度の低下を防ぐことができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例を参照しつつ本発明の実施の形
態についてさらに具体的に説明する。
【0066】図5は、本発明者が試作したプラズマ処理
装置の要部断面構造を表す模式図である。同図について
は、図1乃至図4に関して前述したものと同様の要素に
は同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0067】すなわち、本実施例においては、チャンバ
2の周囲内壁のうちで、載置台30と対向した円環状の
平面部に導電性部材20Bを設けた。具体的には、導電
性部材20Bとして、円環断片状に整形した16枚のシ
リコン板をチャンバ2と電気的に接続されるように貼り
付けた。
【0068】このように導電性部材20Bを設けたプラ
ズマ処理装置に、被処理物Wとして8インチ径のシリコ
ンウェーハを載置した。そして、5%のCFのガスを
含有した酸素ガスによりチャンバ2の全圧を10Pa
(パスカル)として、高周波電源80から1kWの高周
波バイアスを印加してプラズマを励起させた。
【0069】導電性部材20Bを貼り付けずに同様の条
件でプラズマを励起させた場合、チャンバ2内において
異常放電の発生が観察されたが、本実施例により導電性
部材20Bを貼り付けた場合には、異常放電の発生は観
察されなかった。
【0070】上記の条件において1時間にわたりプラズ
マを励起させた後、被処理物Wとして載置したシリコン
ウェーハをチャンバ2から取り出し、その表面のパーテ
ィクル数とアルミニウム(Al)の付着量を測定した。
【0071】図6は、本実施例及び比較例において、被
処理物Wの表面で検出されたパーティクル数及びアルミ
ニウム付着量をそれぞれ表すグラフ図である。ここで、
比較例は、導電性部材20Bを貼り付けなかった装置に
おいて得られたデータを表す。
【0072】図6から分かるように、比較例において
は、8インチ径のシリコンウェーハの表面に付着した
0.2μm以上の大きさのパーティクルの総数は220
個、アルミニウムの付着量は、1.2×1012原子/
cmであった。これらのパーティクルやアルミニウム
不純物は、異常放電によってチャンバ2の内壁がスパッ
タされて飛来したものと考えられる。
【0073】これに対して、本実施例の場合、8インチ
径のシリコンウェーハの表面におけるパーティクルの総
数は10個、アルミニウム付着量は8×1010原子/
cm であった。つまり、本実施例においては、導電性
部材20Bを設けたことにより、異常放電が効果的に抑
制され、その結果として、チャンバ2の内壁のスパッタ
リングによるパーティクルやアルミニウム不純物による
汚染を抑制できた。
【0074】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具
体例に限定されるものではない。
【0075】例えば、本発明において、プラズマを励起
するためのマイクロ波励起源と高周波バイアス源との配
置関係や、それぞれの具体的な構造については、当業者
が適宜変更して本発明の作用効果が得られる限り、本発
明の範囲に包含される。
【0076】さらに具体的には、例えばマイクロ波を透
過するためのマイクロ波導波管やICP用アンテナは、
必ずしも真空チャンバ2の上方に設けられる必要はな
く、真空チャンバ2の側面や下方に設けた構成も本発明
の範囲に包含される。
【0077】また、真空チャンバ2、載置台30、マイ
クロ波導波管28、アンテナ27、誘電体窓24、ガス
供給口22などの各要素の配置関係や形状、あるいは大
きさの関係などについても、当業者が適宜変更して本発
明の作用効果が得られる構成は、本発明の範囲に包含さ
れる。
【0078】さらにまた、上述した具体例においては、
真空チャンバの要部構成のみ説明したが、本発明は、こ
のような真空チャンバを有する全てのプラズマ処理装置
について適用可能であり、例えば、エッチング装置、ア
ッシング装置、薄膜堆積装置、表面処理装置、プラズマ
ドーピング装置などとして実現したプラズマ処理装置の
いずれもが本発明の範囲に包含される。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
マイクロ波励起源と高周波バイアス励起源とを併せ持つ
真空処理装置において、チャンバの内壁に導電性部材を
設けることにより、高周波バイアス励起源のみを動作さ
せた場合に生じうる異常放電を効果的に抑制し、プラズ
マを安定して励起させると同時に被処理物の汚染を防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置
の要部断面構造を表す模式図である。
【図2】発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の
他の具体例を表す模式図である。
【図3】図1及び図2に例示したプラズマ処理装置に設
けられる静電チャック40の具体的な構造を例示する模
式図である。
【図4】絶縁性部材46を上方から眺めた平面透視図で
ある。
【図5】本発明者が試作したプラズマ処理装置の要部断
面構造を表す模式図である。
【図6】本発明の実施例及び比較例において、被処理物
Wの表面で検出されたパーティクル数及びアルミニウム
付着量をそれぞれ表すグラフ図である。
【図7】マイクロ波励起と高周波バイアス励起がそれぞ
れ可能なプラズマ処理装置の要部構成を表す概念図であ
る。
【図8】チャンバ内で異常放電が生ずる様子を表す概念
図である。
【符号の説明】
2 真空チャンバ 12 排気整流板 14 冷却媒体 20A〜20F 導電性部材 22 ガス供給口 24 誘電体窓 26 スロット 27 アンテナ 28 マイクロ波導波管 29 整合器 30、130 載置台 40、140 静電チャック 42、142 支持台 44、144 固定手段 46、146 絶縁性部材 48A、48B、148A、148B 電極 50、150 絶縁体 52、152 給電部 60、160 高電圧電源 60A 高電圧発生部 60B、60C スイッチ 65 高周波カットフィルタ 80、84 高周波電源 M マイクロ波 W 被処理物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気よりも減圧された雰囲気を維持可能な
    真空チャンバと、 絶縁性の透過窓を介して前記真空チャンバ内に高周波電
    力を導入することによりプラズマを生成する第1のプラ
    ズマ励起源と、 前記真空チャンバ内に設けられ、プラズマ処理される被
    処理物を保持する載置台と、 前記載置台に高周波バイアスを印加することによりプラ
    ズマを生成する第2のプラズマ励起源と、 を備え、 前記真空チャンバの内壁面上の少なくとも一部に前記真
    空チャンバと同電位とされた導電性部材が設けられたこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】前記絶縁性の透過窓は、前記被処理物と対
    向して設けられたことを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマ処理装置。
  3. 【請求項3】前記導電性部材は、前記絶縁性の透過窓と
    前記載置台との間に設けられたことを特徴とする請求項
    2記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】前記真空チャンバ内には、前記プラズマ処
    理に際して処理ガスの流れが形成され、 前記導電性部材は、前記被処理物からみて前記処理ガス
    の流れの下流側に設けられたことを特徴とする請求項1
    または2に記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】前記導電性部材は、シリコン(Si)、炭
    化シリコン(SiC)、炭素(C)、窒化チタン(Ti
    Nx)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)及
    びその他のシリコン化合物よりなる群から選択されたい
    ずれかからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1つに記載のプラズマ処理装置。
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