JP2003168562A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子Info
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Abstract
色発光の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供す
る。 【解決手段】発光層3中に下記特定のナフタセン誘導体
を有する、有機エレクトロルミネッセンス素子(ただ
し、式(1)中、X1、X2は、酸素原子、イオウ原
子、NH基等を表し、R1〜R18は、水素原子、ハロ
ゲン原子、フェニル基等を表す)。 【化1】
Description
命特性が改善された有機エレクトロルミネッセンス(E
L)素子に関する。
開発の進展に伴い、CRTに代わるフラットディスプレ
イに大きな期待が寄せられている。なかでも有機EL素
子は、高速応答性、視認性、輝度などの点に優れるため
盛んに研究が行われている。
によって発表された有機EL素子は、有機薄膜の2層積
層構造を有し、発光層にトリス(8−キノリノラト)ア
ルミニウム(以下「Alq」と略称する)を使用し、1
0V以下の低電圧駆動で、1000cd/m2と高輝度
が得られた。また、この素子は、発光効率1.5lm/
Wの緑色発光素子であった(Appl.Phys.Lett.,51,913(1
987))。
発光色を変化させる方法として、発光層に色素をドーピ
ングする方法が知られている。例えば、Alqを発光層
のホスト材料として使用し、蛍光量子収率の高いクマリ
ン誘導体や4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−p
−ジメチルアミノスチリル−4H−ピラン(以下「DC
M」と略称する)誘導体をドープ色素としてドープし
た、発光効率を向上させた素子や発光色を赤色に変化さ
せた素子が報告されている(J.Appl.Phys.,65,3610(198
9))。
ープした素子が特に優れており、Alqとキナクリドン
の組み合わせ(Polymer preprints,Japan 40,3600(199
1))、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリネー
ト)ベリリウムとキナクリドンの組み合わせ(Extended
Abstracts,No3,1073,41st Spring Meeting of the Jap
an Soc.of Appl. Phys(1994))などが知られている。
は、青〜黄色を発色させる色素が多い。赤色系の色を発
色させるドープ色素としては、上記のDCM誘導体、ニ
ールレッド(Science 267,1332(1995))、ペリレン誘導
体(Appl.Phys.Lett.,64,187(1993))、ユーロピウム錯
体(Chem.Lett.,1267(1991))などがあるものの、発光
効率、長期の安定性の面で必ずしも満足のいくものでは
ない。したがって、発光効率に優れるとともに寿命に優
れた赤色系蛍光材料を与えるドープ色素の開発が望まれ
ている。
効率に優れるとともに、発光が長期に渡って安定した有
機EL素子を提供することにある。また、マルチカラー
表示またはフルカラー表示に応用可能な、特に黄色〜赤
色の発光を有する有機EL素子を提供することにある。
セン誘導体を含む層を有する有機EL素子に関する下記
発明である。陽極と陰極との間に下記式(1)で表され
るナフタセン誘導体を含む層を有する有機エレクトロル
ミネッセンス素子。
に、酸素原子、イオウ原子、NH基またはCH2基を表
し、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子または1価有機基を表す。)。
を含む層は発光層であることが好ましく、この場合は発
光層は上記式(1)で表されるナフタセン誘導体と他の
有機蛍光物質を含む発光層であることが好ましい。ま
た、この発光層において、上記式(1)で表されるナフ
タセン誘導体と他の有機蛍光物質との合計に対し上記式
(1)で表されるナフタセン誘導体を0.01〜20m
ol%含むことが好ましい。
セン誘導体が使用されることにより、発光層の発光効率
に優れ、発光が長期に渡って安定した有機EL素子が得
られる。また、マルチカラー表示、フルカラー表示に応
用可能な黄〜赤色の有機EL素子が得られる。
有機EL用の高蛍光量子収率色素として古くから知られ
ている(Phys.Rev.Lett.,14,229,(1965))。しかしなが
ら、黄〜赤色発光の長波長発光を得ることや長期に渡っ
て安定した発光を得ることについては不十分であった。
本発明者は、黄〜赤色発光を得るためには、ナフタセン
誘導体の共役を広げること、また、長期に渡って安定し
た発光を得るためにはナフタセン骨格に隣接する2重結
合の回転を抑制することが重要であることを見出し、そ
の結果、式(1)で表されるナフタセン誘導体(以下、
ナフタセン誘導体(1)という)を用いることにより、
黄〜赤色発光の長波長発光が得られることおよび長期に
渡って安定した発光を得られることを見出した。
しての耐熱性が高く、薄膜安定性や輝度半減寿命を向上
させる効果もあわせ持つ。また、連続駆動やパルス駆動
においても長期に渡って高輝度で安定した特性を得るこ
とができる。
に、酸素原子、イオウ原子、NH基またはCH2基を表
す。特に、X1、X2の少なくとも一方が酸素原子または
イオウ原子であることが好ましい。さらに、X1とX2が
同一の原子であってかつそれらが酸素原子またはイオウ
原子であることが最も好ましく、次いでX1とX2の一方
が酸素原子またはイオウ原子であり他方がそれとは異な
る原子または基である組合せが好ましい。
子、ハロゲン原子または1価有機基を表す。ハロゲン原
子としてはフッ素原子と塩素原子が好ましい。1価有機
基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜
12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、
炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数6〜18の
アリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数6
〜18のアリールオキシ基、炭素数6〜18のアリール
アミノ基、炭素数1〜18のアシル基または炭素数4〜
18の芳香族性複素環基が好ましい。これら1価有機基
の炭素原子に結合した水素原子の一部はハロゲン原子な
どの有機基以外の1価の置換基で置換されていてもよ
く、これら1価有機基の炭素−炭素結合間にはエーテル
性酸素原子などの2価の原子が挿入されていてもよい。
上記アルキル基、アルケニル基およびアルコキシ基の炭
素数は6以下が好ましく、特に4以下が好ましい。アル
キルアミノ基としてはモノアルキルアミノ基とジアルキ
ルアミノ基があり、それらのアルキル基の炭素数はそれ
ぞれ1〜4が好ましい。
リールオキシ基およびアリールアミノ基におけるアリー
ル基、としては置換基を有していてもよいフェニル基が
好ましく、置換基を有する場合はその数は1〜5、置換
基としては炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子が
好ましい。アラルキル基におけるアルキル部分の炭素数
は4以下が好ましく、アリールアミノ基はモノアリール
アミノ基、ジアリールアミノ基のいずれであってもよ
い。アシル基としては炭素数8以下のアシル基が好まし
い。芳香族性複素環基としてはピリジル基、チオフェニ
ル基、フリル基などがあり、その環には上記のような置
換基が結合していてもよい。
極、およびそれらに挟まれた発光層から構成される。ま
た後述するように陽極と陰極の間には正孔輸送層、電子
輸送層、界面層、その他の中間層を有していてもよい。
本発明におけるナフタセン誘導体(1)を含む層は通常
発光層であるが、これに限られず陽極と陰極の間に存在
する他の層に含まれていてもよい。ナフタセン誘導体
(1)を含む発光層はナフタセン誘導体(1)以外に他
の有機蛍光物質を含んでいてもよい。ナフタセン誘導体
(1)を発光層以外の層に含ませる場合、発光層以外の
層は有機物質を含む層であることが好ましく、例えば、
正孔輸送層や界面層などがある。
誘導体(1)と他の有機蛍光物質とを含む発光層を陽極
と陰極の間に存在させた有機EL素子が好ましい。この
場合、発光層におけるナフタセン誘導体(1)と他の有
機蛍光物質の合計に対するナフタセン誘導体(1)の濃
度は、0.01〜20mol%であることが好ましい。
0.01mol%以上とすることにより他の有機蛍光物
質からのエネルギー移動効率が高くすることができ、2
0mol%以下とすることにより濃度消光による発光輝
度の低下を抑制することができる。ナフタセン誘導体
(1)を発光層以外の層に含ませる場合、その層におけ
る有機物質との合計に対するナフタセン誘導体(1)濃
度は0.01〜20mol%であることが好ましい。
質としては、蛍光量子収率が高く、陰極からの電子注入
効率が高くかつ電子移動度が高い化合物が好ましく、公
知の有機蛍光物質を使用できる。本発明においては特に
下記式(2)で表される8−オキシキノリン系錯体が他
の有機蛍光物質として好ましい。
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水
酸基、シアノ基または1価有機基を、Mは金属原子を、
nは1〜3の整数を、Lは炭素数1〜12のアルコキシ
基または炭素数6〜18のアリールオキシ基を、pは0
〜2の整数を表す。ハロゲン原子としてはフッ素原子と
塩素原子が好ましい。
に記載した1価有機基が好ましく、特に、炭素数1〜1
2のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素
数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキル
アミノ基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜1
8のアラルキル基、炭素数6〜18のアリールオキシ
基、炭素数6〜18のアリールアミノ基、炭素数1〜1
8のアシル基が好ましい。
までの1価有機基としては、前記式(1)における好ま
しい範囲のアルキル基〜アシル基と同じ範囲の基が好ま
しい。Lとしてのアルコキシ基およびアリールオキシ基
もまたこの好ましい範囲のアルコキシ基およびアリール
オキシ基が好ましい。
リウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、タリウム、イットリウム、スカンジウム、ランタ
ン、鉛、ジルコニウム、マンガン、ルテチウムなどがあ
る。これらの中でも、高い蛍光量子収率を有するベリリ
ウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、スカンジウ
ムが好ましい。
錯体以外にも発光層の有機蛍光物質としては、テトラフ
ェニルブタジエン、スチリル系色素、オキサジアゾール
系色素などが使用することができる。その他、ポリフェ
ニレンビニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などの高
分子化合物も使用できる。ただし、有機蛍光物質が高分
子化合物の場合、前記ナフタセン誘導体(1)との合計
に対するナフタセン誘導体(1)の好ましいモル濃度
は、高分子化合物のモノマー単位ごとを1モルとして計
算するものとする。
機蛍光物質(ナフタセン誘導体(1)や他の有機蛍光物
質)以外に他の化合物をさらに含有していてもよい。他
の化合物としては色素が好ましく、特にナフタセン誘導
体(1)以外のドープ色素が好ましい。
としては、公知の蛍光性有機色素を使用することができ
る。例えば、スチルベン系色素、オキサゾール系色素、
シアニン系色素、キサンテン系色素、オキサジン系色
素、クマリン系色素、アクリジン系色素などのレーザー
用色素やアントラセン誘導体、上記以外のナフタセン誘
導体、ペンタセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導
体などの芳香族炭化水素系物質、DCM誘導体、ユーロ
ピウム錯体、フェニルピリジンイリジウム錯体など幅広
く使用することができる。このようなドープ色素を使用
する場合、発光層におけるその濃度は、0.01〜20
mol%が好ましい。
に従って説明する。図1は本発明の有機EL素子の基本
的な構成の側面図であり、図2はその応用例の側面図で
ある。図1の有機EL素子は、基板1、陽極2、発光層
3、陰極4から構成されている。図2の有機EL素子
は、陽極2と発光層3との間に正孔輸送層5と界面層6
とを有し、さらに陰極4と発光層3の間に電子輸送層7
と界面層8とを有する構成となっている。
ガラス、プラスチックフィルム等の透明な基板が通常使
用される。プラスチックフィルムの場合には、ポリカー
ボネート、ポリメタアクリレート、ポリサルホンなどの
材料が使用される。
れる。この透明電極としては、通常、インジウム錫酸化
物(ITO)薄膜、錫酸化物の膜を使用することができ
る。また、仕事関数の大きい銀、金等の金属、ヨウ化銅
などの無機導電性物質、ポリ(3−メチルチオフェ
ン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子に
より構成されてもよい。
法、スパッタリング法等により行われることが一般的で
あるが、導電性高分子の場合には適当なバインダーとの
溶液を基板上に塗布したり、電解重合により直接基板上
に薄膜を作製することができる。陽極の膜厚は、必要と
する透明性に依存するが、可視光の透過率が60%以
上、特に80%以上、となる膜厚が好ましく、この場合
の膜厚は5〜1000nmが好ましく、特に10〜50
0nmが好ましい。
上に設けられる。発光層3は前記のような有機材料から
なる層である。発光層にナフタセン誘導体(1)を用い
ることにより、高い輝度での発光が可能であり、特に、
黄色〜赤色の長波長領域の発光色の有機EL素子を得る
ことができる。また、連続駆動やパルス駆動においても
長期に渡って安定した特性を得ることができる。このよ
うな発光層3の膜厚は、通常10〜200nmであり、
好ましくは20〜80nmである。
着法、ディップ法、スピンコート法、LB法等の種々の
方法が適用できる。ピンホール等の欠陥の無いサブミク
ロンオーダーの均一な薄膜を作製するためには、特に、
真空蒸着法、スピンコート法が好ましい。真空蒸着法で
は、ある一定割合で混合した材料を単一のボートやるつ
ぼから昇華させる方法、複数のボートから複数の材料を
別々に昇華させる方法などが適用できる。スピンコート
法では、溶媒中に複数の材料を一定割合で溶解して製膜
することが好ましい。
側に設けられる。陰極には公知の有機EL用の陰極も含
め種々のものが使用できる。例えば、マグネシウム−ア
ルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム
−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アル
ミニウム等がある。陰極4の作製方法としては、真空蒸
着法、ディップ法、スピンコート法、LB法、CVD法
等の種々の公知の手法が適用できる。ピンホール等の欠
陥の無いサブミクロンオーダーの均一な薄膜を作製する
ためには、特に、真空蒸着法、スピンコート法が好まし
い。
と発光層3との間に必要に応じて設けることができる。
この正孔輸送層5に用いる正孔輸送材料としては、陽極
2からの正孔注入障壁が低く、さらに正孔移動度が高い
材料が使用できる。
正孔輸送材料が使用できる。例えば、N,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下「TP
D」と略称する)や1,1’−ビス(4−ジ−p−トリ
ルアミノフェニル)シクロヘキサン等の芳香族ジアミン
系化合物、特開平2−311591号公報で示されてい
るヒドラゾン化合物が使用することができる。また、ポ
リ−N−ビニルカルバゾールやポリシランのような高分
子材料も好ましく使用することができる(Appl.Phys.Le
tt.,59,2760(1991))。
質だけではなく無機物質である金属カルコゲン化物、金
属ハロゲン化物、金属炭化物、ニッケル酸化物、鉛酸化
物、銅の沃化物、鉛の硫化物等のp型化合物半導体やp
型水素化非晶質シリコン、p型水素化非晶質炭化シリコ
ン等も使用することができる。また、有機物質である前
記正孔輸送材料とこのような無機物質とを混合して正孔
輸送層5を形成することも好ましい。
させるために、正孔のトラップとなりにくいバインダー
樹脂を正孔輸送材料と混合して使用することもできる。
このようなバインダー樹脂としては、ポリエーテルサル
ホン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられ
る。バインダー樹脂の含有量は正孔輸送層の全材料に対
し10〜50質量%が好ましく、この範囲の量であれば
正孔移動度が低下するおそれが少ない。
した場合においても正孔輸送層5の膜厚は、通常10〜
200nmが好ましく、特に、20〜80nmが好まし
い。
5との間に、リーク電流の防止、正孔注入障壁の低減、
密着性向上等を目的として設けてもよい。このような陽
極側界面層6の材料としては、特開平4−308688
号公報にみられるようなトリフェニルアミンの誘導体で
ある4,4’,4”−トリス{N−(3−メチルフェニ
ル)−N−フェニルアミノ}トリフェニルアミン(以下
「MTDATA」と略称する)や4,4’,4”−トリ
ス{N,N−ジフェニルアミノ}トリフェニルアミン
(以下「TDATA」と略称する)や銅フタロシアニン
等が好ましく使用できる。この界面層6を設けるときの
膜厚は、5〜100nmで好ましく使用できる。
に必要に応じて設けることができる。この電子輸送層7
の電子輸送性物質としては、電子親和力が大きく電子の
移動度が大きい物質が必要である。このような条件を満
たす物質は、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−2
89675号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平
2−216791号公報)、ビススチリルベンゼン誘導
体(特開平1−245087号公報)、p−フェニレン
化合物(特開平3−33183号公報)、フェナントロ
リン誘導体(特開平5−331459号公報)、トリア
ゾール誘導体(特開平7−90260号公報)などが挙
げられる。
4との間に、必要に応じて設けることもできる。この界
面層を設けることにより、駆動電圧の低減や発光効率の
向上、長寿命化を達成することができる。この界面層は
陰極からの電子注入を容易にする効果や陰極との密着性
をあげる効果がある。
は、フッ化リチウム(Appl.Phys.Lett.,70,152(1997))
に代表されるアルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金
属のフッ化物、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化アルミニウム、酸化リチウムなど アルカリ金
属やアルカリ土類金属の酸化物がある。また、アルカリ
金属やアルカリ土類金属のβ−ジケトン錯体などの有機
物も好ましい。このような界面層材料がそれ自体絶縁体
である場合には、使用する膜厚は、通常5nm以下の薄
膜であり、好ましくは2nm以下とすることにより陰極
からの電子のトンネル注入が可能となると考えられる。
層7、界面層8の作製方法としては、真空蒸着法、ディ
ップ法、スピンコート法、LB法、CVD法等の種々の
公知の手法が適用できる。ピンホール等の欠陥の無いサ
ブミクロンオーダーの均一な薄膜を作製するためには、
特に、真空蒸着法、スピンコート法が好ましい。
EL素子として機能する範囲であれば、その層自体が複
数の層で形成されていたり、それらの間にさらに他の層
を挟んだりしてもよい。
における保存安定性、駆動安定性を確保するために、陰
極4表面や基板1表面などを高分子膜をコーティングし
たりガラス封止により大気中の酸素や水分から遮断して
もよい。
て使用して、液晶表示素子のバックライトや壁面照明素
子として使用したり、パターニングして画素を形成し、
ディスプレイとして使用したりすることができる。
比較例により説明するが、本発明は必ずしもこれらに限
定されるものではない。本実施例および比較例で使用し
たナフタセン誘導体を以下に示す。なお、下記化合物の
内式(3)、(4)、(6)、(7)、(8)、(9)
および(10)の化合物はナフタセン誘導体(1)であ
る。
2(シート抵抗7Ω/□)を形成した。この陽極2上
に、真空蒸着法により下記のTPD(式11)を膜厚6
0nmに蒸着して正孔輸送層5を形成した。次いで、8
−オキシキノリンのアルミニウム錯体である下記のAl
q(式12)と上記のナフタセン誘導体(式3)を異な
るボートを用いて膜厚60nmに共蒸着して発光層3を
形成した。
濃度は1.0mol%であった。最後に、MgとAgを
共蒸着して膜厚200nmのMgAg(質量比10:
1)陰極合金を形成して有機EL素子を作製した。共蒸
着時の真空度は8.0×10-6torrであった。
セン誘導体(式4)を用いたこと以外は例1と同様にし
て、有機EL素子を作製した。この素子の発光層中のナ
フタセン誘導体濃度は1.0mol%であった。
(式13)を用いたこと以外は例1と同様にして、有機
EL素子を作製した。この素子の発光層中のDCMの濃
度は1.0mol%であった。
タセン誘導体(式5)を用いたこと以外は例1と同様に
して、有機EL素子を作製した。この素子の発光層中の
ナフタセン誘導体の濃度は1.0mol%であった。
タセン誘導体(式6)を用いたこと以外は例1と同様に
して、有機EL素子を作製した。この素子の発光層中の
ナフタセン誘導体の濃度は1.0mol%であった。
バゾール1質量部およびTPD1質量部をジクロロメタ
ン500質量部に溶解させた溶液を用いて、回転数50
00rpmでこの基板上に膜厚60nmでスピンコート
し正孔輸送層とした。次いでAlqと上記のナフタセン
誘導体(式7)を異なるボート用いて膜厚60nmに共
蒸着して発光層3を形成した。
5mol%であった。最後に、AlLi合金(Li含有
量0.07質量%)を膜厚200nmに蒸着して陰極を
形成して有機EL素子を作製した。
であること以外は例6と同様にして、有機EL素子を作
製した。
タロシアニンを膜厚15nmに蒸着して界面層6を形成
した。ついで下記のNPD(式14)を膜厚45nmに
蒸着して正孔輸送層5を形成した。
とを異なるボート用いて膜厚60nmに共蒸着して発光
層3を形成した。このときのナフタセン誘導体の濃度は
1.5mol%であった。次に、フッ化リチウムを0.
5nm蒸着して界面層8を形成した。最後に、Alを膜
厚200nmに蒸着して陰極4を形成して有機EL素子
を作製した。
セン誘導体(式9)を用いたこと以外は例8と同様にし
て、有機EL素子を作製した。この素子の発光層内のナ
フタセン誘導体(式9)の濃度は2.0mol%であっ
た。
セン誘導体(式10)を用いたこと以外は例8と同様に
して、有機EL素子を作製した。この素子の発光層内の
ナフタセン誘導体(式10)の濃度は1.5mol%で
あった。
子の発光色、10mA/cm2時の発光効率(lm/
W)、駆動安定性(窒素中、5mA/cm2の一定電流
で駆動したときに初期輝度が元の半分に低下するのに要
した時間(単位:時間))に関する測定結果を表1に示
す。
(1)を含む発光層を使用することにより、黄色〜赤色
発光で高い発光効率と寿命に優れる有機EL素子を得る
ことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】陽極と陰極との間に下記式(1)で表され
るナフタセン誘導体を含む層を有する有機エレクトロル
ミネッセンス素子。 【化1】 (式(1)中、X1、X2は、それぞれ独立に、酸素原
子、イオウ原子、NH基またはCH2基を表し、R1〜R
18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子また
は1価有機基を表す。) - 【請求項2】X1、X2が、それぞれ独立に、酸素原子ま
たはイオウ原子である、請求項1に記載の有機エレクト
ロルミネッセンス素子。 - 【請求項3】層が前記式(1)で表されるナフタセン誘
導体と他の有機蛍光物質を含む発光層であって、ナフタ
セン誘導体と他の有機蛍光物質との合計に対し前記式
(1)で表されるナフタセン誘導体を0.01〜20m
ol%含む請求項1または2に記載の有機エレクトロル
ミネッセンス素子。
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---|---|---|---|
JP2001366075A JP3841202B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
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WO2020039708A1 (ja) | 2018-08-23 | 2020-02-27 | 国立大学法人九州大学 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
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