JP2003168544A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JP2003168544A
JP2003168544A JP2001365169A JP2001365169A JP2003168544A JP 2003168544 A JP2003168544 A JP 2003168544A JP 2001365169 A JP2001365169 A JP 2001365169A JP 2001365169 A JP2001365169 A JP 2001365169A JP 2003168544 A JP2003168544 A JP 2003168544A
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heat
heating element
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JP2001365169A
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Hiroshi Kinoshita
博 木下
Tomoharu Takeya
知治 武谷
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Sky Aluminium Co Ltd
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠赤外線放射板体、電気抵抗発熱層、電気絶
縁層、断熱層を積層固定した構造の面状発熱体にあって
は、面全体での温度や遠赤外線放射率の均一化が求めら
れていた。 【解決手段】 遠赤外線放射板体11、発熱積層体1
2、支持板13を積層してケーシング14内に収容した
構成であり、電気抵抗発熱体17を電気絶縁材18a、
18bで両側から挟み込んだ構成の発熱積層体12から
外側に電気抵抗発熱体17の端部を延出させ、この延出
部分である端子部17b、17cを、支持板13から裏
面側に突出状態に設けられている固定締結部16の締結
軸68aに電気導通可能に接続して、電気抵抗発熱体1
7への通電回路を形成してなる面状発熱体10を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
利用した面状発熱体に関し、乾燥機、暖房機、調理器な
どの機器に利用される面状発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、乾燥機、暖房機、調理器などの機
器に利用される面状発熱体として、遠赤外線の放射を利
用したものが注目を集めている。図10は、この種の面
状発熱体の従来例を示す断面図である。図10におい
て、面状発熱体1は、遠赤外線放射層を有する板体2
(以下「遠赤外線放射板体」)を表面側(図10上側)
に保持しており、この遠赤外線放射板体2の裏面側に、
電気抵抗発熱体を面状に配置してなる電気抵抗発熱層
3、電気絶縁層4、断熱層5等を積層固定して全体とし
てパネル状に構成し、さらに前記電気抵抗発熱層3の電
気抵抗発熱体と電源側の電線とを接続するための通電用
端子部6を当該面状発熱体1の裏面側に設けた構成であ
り、電気抵抗発熱体3の通電発熱によって遠赤外線放射
板体2を加熱して該遠赤外線放射板体2から遠赤外線を
放射させるようになっている。通電用端子部6は、ボル
ト、ナット、ワッシャ等から構成されて、電源側の電線
を締結固定するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような構造において、締結構造の通電用端子部6の構
成部材は断熱層5に埋設されるか、あるいは断熱層5に
隣接する電気絶縁層4にも到達させて埋設固定される
が、このため、積層物(遠赤外線放射板体2、電気抵抗
発熱層3、電気絶縁層4、断熱層5)の圧縮密度にムラ
が生じ、遠赤外線放射板体2表面の温度が不均一にな
り、遠赤外線放射率の均一性が損なわれている。また、
通電用端子部6における電線の締結作業時に加わる押圧
力(締結用のナットの押し回しによって生じる押圧力な
ど)等も、圧縮密度のムラの原因となる。圧縮密度のム
ラは、赤外線放射板2や電気抵抗発熱層3等の局所的な
劣化進行による面状発熱体の寿命短縮の原因にもなる。
さらに、前述のように通電用端子部6の構成部材が断熱
層5や電気絶縁層4に埋没している構成では、この通電
用端子部6の抵抗増加による過熱劣化等の目視点検が困
難であるなどの欠点があり、改善が望まれている。これ
ら問題の改善策として、通電用端子部を面状発熱体の横
方向に張り出す構造も提案されたが、例えば乾燥機等の
ように、多数の面状発熱体を縦横に間断無く接続して遠
赤外線の放射面積を確保するようになっている機器で
は、通電用端子部6を横方向に張り出したのでは無駄な
空間が不可避的に生じるため、採用し難いのが実情であ
る。
【0004】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、(1)電気抵抗発熱層の発熱や、この発熱による
金属製放熱板からの放熱を均一にすることができ、この
面状発熱体による対象製品の均等な加熱や、面状発熱体
の寿命延長等を実現できる、(2)特に、金属製放熱板
の少なくとも表面側が遠赤外線放射体からなる構成で
は、金属製放射板表面側からの遠赤外線放射率を均一化
することができるといった効果が得られる面状発熱体を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記問題を
解決するため、以下の構成を採用した。請求項1記載の
発明は、電気抵抗発熱体をその両側に積層した電気絶縁
材で挟持した発熱積層体と、この発熱積層体の表面側に
積層状態に配置された金属製放熱板と、前記発熱積層体
の裏面側に積層状態に配置された支持板と、前記発熱積
層体及び前記金属製放熱板及び前記支持板の側面を包囲
するケーシングとを有する面状発熱体であって、前記支
持板に沿った方向に延在する締結軸を有し、給電線を締
結固定する固定締結部を前記支持板の外面側に設置し、
この固定締結部の前記締結軸に、前記電気抵抗発熱体の
端部を前記発熱積層体から外側に延出させ前記支持板の
外面側に引き出した部分である端子部を電気導通可能に
接続して、通電回路を形成したことを特徴とする。請求
項2記載の発明は、請求項1記載の面状発熱体におい
て、前記金属製放熱板の両面の内の少なくとも表面側
が、遠赤外線放射体からなることを特徴とする。請求項
3記載の発明は、請求項1又は2記載の面状発熱体にお
いて、前記固定締結部は、前記支持板の外面側に突出状
態に設けられた支持台を介して前記支持板に支持されて
いることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1〜図4は、本発明に係る面状発
熱体10の全体構成を示す図であって、図1は表面側か
ら見た斜視図、図2は裏面側から見た斜視図、図3は分
解斜視図、図4は横断面図である。図1〜図4におい
て、符号11は金属放熱板、12は発熱積層体、13は
支持板、14はケーシング、15は支持台、16は締結
部である。なお、以下、金属放熱板11、発熱積層体1
2、支持板13、ケーシング14について、面状発熱体
10の表面側(図1上側、図2下側、図4下側)に位置
する側を「表面側」、面状発熱体10の裏面側に位置す
る側を「裏面側」と称することとする。
【0007】面状発熱体10では、金属製枠状のケーシ
ング14の内側に、該面状発熱体10の表面側から順に
金属放熱板11、発熱積層体12、支持板13を積層状
態として収容している。また、前記固定締結部16は、
優れた強度を有する金属製の支持板13の裏面側(外面
側)に突出状態に設けられた支持台15を介して前記支
持板13に支持されている。支持板13裏面側に固定さ
れている一対の脚部13cは、面状発熱体10を目的位
置に固定するための固定部材である。
【0008】ケーシング14は、ここではステンレス板
材を折り曲げ成形等によって長方形枠状に成形したもの
である。金属放熱板11、発熱積層体12、支持板13
は、このケーシング14の表面側の周方向複数箇所を内
側空間14a(図3参照)側に折り込んだ形状の押さえ
片14bと、該ケーシング14の裏面側の周方向複数箇
所に突設された突起を内側空間14aに向けて折り込ん
だ形状の爪状の押さえ片14cとの間に若干の圧接力を
以て押さえ込まれており、がたつき等を生じない安定な
積層状態が得られている。金属放熱板11、発熱積層体
12、支持板13は、いずれも、ケーシング14の内側
空間14aの内面形状にほぼ適合する寸法の長方形板状
の外形を有しており、がたつき等を生じない安定な収納
状態が得られる。また、ケーシング14の表面側の各押
さえ片14bは金属放熱板11の外周部に当接し、ケー
シング14の裏面側の各押さえ片14cは支持板13の
外周部の全周にわたって裏面側に立ち上げられたリブ1
3aに当接するが、金属放熱板11はケーシング14の
表面側の各押さえ片14bに対して面接触して当接し
(図4等参照)、一方、ケーシング14の裏面側の各押
さえ片14cからの押圧力は、高い強度を有する支持板
13を介して発熱積層体12に作用し、金属放熱板11
と発熱積層体12とが面方向全体にわたってほぼ均等の
圧接力を以て押さえ込まれるようになっている。
【0009】この面状発熱体10では、表面側から順に
金属放熱板11、発熱積層体12、支持板13を面状発
熱体10の裏面側からケーシング14に収容していき
(このとき、裏面側の押さえ片14cは図3のように収
容作業と干渉しないようにしておく)を、支持板13の
収容後、裏面側の押さえ片14cを内側空間14aに向
けて折り曲げ成形して、支持板13をケーシング14内
に押さえ込めばよい。従来例の面状発熱体に比べて組み
立て作業性が格段に向上するため、製造能率の向上、そ
れによる低コスト化を実現できる。
【0010】金属放熱板11は、ここではAl合金から
なる板状基材11a(図5参照)の表裏両面にアルマイ
ト皮膜11bを形成したものであり、いわば表裏両面が
遠赤外線放射体からなる構成になっている。以下、金属
放熱板11を「遠赤外線放射板体」と称する場合があ
る。本実施の形態にて採用した遠赤外線放射板体11
は、具体的にはスカイアルミニウム株式会社製の商品名
「スーパーレイ」の一種であり、Mn2.5wt%、残
部がAl及び不可避的不純物を含有するAl合金板(板
厚0.8mm)に400℃、1hrの熱処理を行ってA
l6Mnの組成の金属間化合物が均一に分散している組
織を有するAl合金板を形成し、さらに、このAl合金
板に25%硫酸浴中で20μm厚のアルマイト皮膜を形
成したものである。この遠赤外線放射板体11はアルマ
イト皮膜に優れた耐熱性、耐クラック性を有するもので
あり、400℃において1hr加熱する試験を行った後
でもアルマイト皮膜のクラック発生が認められなかっ
た。なお、本発明に係る金属放熱板(少なくとも表面側
が遠赤外線放射体なる金属放熱板)としては、上述の構
成の遠赤外線放射板体に限定されず、公知の各種合金
材、セラミック材等を利用することが可能である。
【0011】図6は、支持台15及び固定締結部16付
近を示す図であって、(a)は正断面図、(b)は側断
面図である。図6(a)、(b)に示すように、発熱積
層体12は、電気抵抗発熱体17をその両側に積層した
電気絶縁材18a、18bで挟持した構成になってい
る。電気絶縁材18a、18bは、ここではマイカから
なる板状のもの(以下、電気絶縁材を電気絶縁板体と称
する場合がある)であるが、電気絶縁材としては電気絶
縁性と耐熱性とを有するものであれば良く、周知の各種
材料を採用可能である。
【0012】図7は、一方の電気絶縁材(裏面側の電気
絶縁材18b)を除去して電気抵抗発熱体17を露出さ
せた状態を示す平面図である。電気抵抗発熱体17は、
金属圧延シート材や金属箔材を、フォトエッチング法、
プレス加工法等によって、図7に示すように繰り返し蛇
行する1本の連続した電気回路形状に成形したものであ
る。この電気抵抗発熱体17の素材(金属圧延シート材
や金属箔材の素材)としては、例えば、Fe−Cr、F
e−Cr−Ni、Ni−Cr、Fe−Cr−Al等の合
金、ステンレス鋼(例えばSUS430)等が適してお
り、このような素材からなる板厚20〜150μmの圧
延シート又は箔材をフォトエッチング法、プレス加工法
等によって成形することによって電気抵抗発熱体17を
得ることができる。中でもステンレス鋼が機械的特性、
耐食性等の面で適しており、ステンレス鋼の場合、例え
ばラス網等も採用可能である。また、電気抵抗発熱体1
7の形状としては、図7に例示したものに限定されず各
種採用可能であり、例えば、ラス板状、網状、コイル状
等も採用可能である。
【0013】本実施の形態では、電気抵抗発熱体17と
して、ステンレス鋼からなる圧延シート又は箔材をフォ
トエッチング法、プレス加工法等によって図7に示す形
状に成形したものを採用し、これを一対の電気絶縁板体
18a、18b間に挟み込んで接着剤等で固定、一体化
して、板厚1〜2mm程度の薄板状の発熱積層体12を
形成している。電気抵抗発熱体17と一対の電気絶縁板
体18a、18bとの間の接着には、電気絶縁材18
a、18bを形成するマイカとの馴染み性及び接着強度
に鑑みて、例えば燐酸アルミニウムを主成分とする接着
剤や塗料が適する。燐酸アルミニウムを主成分とする接
着剤や塗料による接着固定の場合、塗布乾燥後、約60
0℃で焼き付け処理して固着させる。また、このよう
に、一対の電気絶縁板体18a、18b間に電気抵抗発
熱体17を挟み込んで固定する構成であれば、簡単な作
業で一体化することができる利点がある。さらに、金属
放熱板11、発熱積層体12、支持板13の圧接力等、
発熱積層体12に外部から作用する力が、一対の電気絶
縁板体18a、18bを介して平均化されて電気抵抗発
熱体17に作用するようになるため、例えば、電気抵抗
発熱体17に応力集中による局所的な電気抵抗の増大が
生じて、発熱積層体12による遠赤外線放射板体11の
加熱温度が不均一になるといった不都合を極力防止でき
る。
【0014】ところで、電気抵抗発熱体17は、一対の
電気絶縁材18a、18b間に挟み込まれる部分(発熱
回路部17a)が幅(長手方向に直交する方向)1〜3
mm程度で連続する1本の蛇行線状になっているが、こ
の電気抵抗発熱体17の両端は、発熱回路部17aを構
成する線状部分に比べて数倍の幅寸法を以て、発熱積層
体12の一側部から外側に延出されており、それぞれ、
前記固定締結部16に締結固定することで固定締結部1
6のボルト68等の導電性の構成部材に電気導通可能に
接続されて通電回路を構成する端子部17b、17cを
形成している。この端子部17b、17cは、数mm〜
十数mm程度の離間距離を以て、発熱積層体12から互
いに並行に延出されており、図6(b)に示すように、
発熱積層体12の面方向に対してほぼ垂直に立ち上げる
ようにして該発熱積層体12の裏面側に引き出され、さ
らに、支持板13に開口された窓13b(図6(b)、
図2等参照)を介して、支持板13の裏面側に引き出さ
れ、それぞれ先端部が固定締結部16のボルト68の締
め付けによって締結固定されている。引き出された端子
部17b、17cは、周囲をマイカ等の電気絶縁材20
によって覆っている。
【0015】前記支持台15はL形に成形した金属板材
の角部を介して一方の片を支持板13裏面にろう付け、
溶接等によって固定し、他方の片(以下、裏押さえ板1
5a)を支持板13の裏面側16に立ち上げ状態とした
ものである。図8(a)は固定締結部16を示す分解斜
視図、図8(b)は裏押さえ板15aを介して対向配置
される一対の碍子65、66の関係を説明する図であ
る。図6(b)、図8において、符号61〜68は固定
締結部16の構成部材であり、符号61は碍子キャッ
プ、62は締め付けナット、63は固定ナット、64は
ワッシャ、65は凹型碍子、66は凸型碍子、67はワ
ッシャ、68はボルトである。構成部材62、63、6
7、68は導電性の材料で形成されている。前記ボルト
68の軸部は、本発明に係る固定締結部16の締結軸6
8aを構成する。
【0016】裏押さえ板15aの前記穴15bに貫通さ
せた締結軸68aには、裏押さえ板15aの端子側(図
6(b)右側)に配置されている凸型碍子66及びワッ
シャ67a、67bと、裏押さえ板15aを介して前記
端子側に対向する電源側に配置されている凹型碍子65
及びワッシャ64が挿通されている。これら構成部材6
4〜67は、電源側にて締結軸68aに螺着した固定ナ
ット64と、端子側に位置するボルト68の頭部68b
との間に挟み込まれるようにして固定される。発熱積層
体12から延出されている端子部17b、17cは、端
子側にて、凸型碍子66とワッシャ67a、67bとの
間に挟み込まれ、ボルト68と固定ナット64との間の
締結力によって固定される。なお、図8(a)等では、
端子部17b、17cは、該端子部17a、17bに形
成されている穴17dにボルト68の締結軸68aを貫
通させて、固定締結部16にて締結固定されるようにな
っているため、導電性の締結軸68aやワッシャ67
a、67bに対して位置決め状態で締結固定される結
果、電気導通可能な接触状態が確実に確保されるといっ
た利点がある。
【0017】電源側にて締結軸68aに螺着されている
締め付けナット62は、回転操作によって固定ナット6
3との間に電源側の給電線19を挟み込んで締結固定す
るものである。給電線19は、図9(a)のように該給
電線19先端に口出しした芯線19aを締結軸68aに
巻き付けたり、図9(b)のように給電線19先端に予
め取り付けておいたリング状の端子19bの穴や或いは
U字状端子の先端凹所内に締結軸68aを収容するよう
にして、締結軸68aに対する電気導通が確実に確保さ
れるようにした上で固定する。電源側にて締結軸68a
に螺着されている碍子キャップ61は、締め付けナット
62を収納して、締め付けナット62による締結状態の
緩み防止等の機能を果たす。
【0018】発熱積層体12の端子17a、17bと電
源側の給電線19とが締結軸68aに電気導通可能に接
続されると、締結軸68aを介して端子17a、17b
と給電線19とが電気導通可能に接続されるから、給電
線19から供給される電力による発熱積層体12の発
熱、遠赤外線放射板体11からの遠赤外線の放射が可能
となる。
【0019】ところで、裏押さえ板15aの前記穴15
bは、2カ所に横並びに設けられている。この固定締結
部16は、各穴15bに挿通したボルト68(詳細には
締結軸68a)を中心に構成され、1つの裏押さえ板1
5aに対して2つの固定締結部16が横並びに設けられ
る。
【0020】図8(a)、(b)に示すように、この固
定締結部16は、凸型碍子66の軸方向端面から突出さ
れているリング状の位置決め突部66aを穴15bに挿
入して、凸型碍子66を裏押さえ板15aに位置決めし
た上で、ボルト68と固定ナット63との間の締結力に
よって、一対の碍子65、66間に裏押さえ板15aを
挟み込むことで、裏押さえ板15aに対する目的位置に
位置決めして支持される。しかも、一対の碍子65、6
6の軸方向端面が裏押さえ板15aに当接させること
で、裏押さえ板15aの穴15bを介して碍子65、6
6のボルト挿通穴65b、66b(但し、螺着穴ではな
く、締結軸68aの押し込み挿入が可能な穴)に連通さ
れている締結軸68aが、裏押さえ板15aに対して目
的の支持向き、つまり、支持板13に沿ってほぼ平行に
延在する姿勢で安定支持される。なお、裏押さえ板15
aの板厚が薄く、位置決め突部66aが裏押さえ板15
aを貫通して電源側に突出した場合、裏押さえ板15a
からの位置決め突部66aの突出部分が、他側(電源
側)の凹型碍子65の裏押さえ板15aに当接される軸
方向端面に形成された凹部65aに収容されるため、各
碍子65、66が裏押さえ板15aに対して軸方向端面
で面接触して、がたつくこと無く安定に位置決めされる
ようになる。
【0021】この面状発熱体10によれば、発熱積層体
12の電気抵抗発熱体17から発熱積層体12外に延出
されている端子部17b、17cが接続されて通電回路
を構成する締結軸68aを含む固定締結部16全体が、
支持板13の外側の支持台15上に配置されている構成
であることから、例えば支持板13から内側に一部又は
全部が収納される構成に比べて、遠赤外線放射板体11
や発熱積層体12の圧縮密度が局所的に高くなる等の問
題を生じる心配が無く、発熱積層体12の均一な発熱、
遠赤外線放射板体11からの遠赤外線の均一な放射を実
現できる。通電後、遠赤外線放射面を赤外線温度計によ
り測定した結果、表面温度のばらつき(温度ムラ)が従
来とは格段に少なくなっており、均温性が確認できた。
【0022】また、この面状発熱体10によれば、電源
側給電線19の固定締結部16に対して接続する作業
は、支持板13に沿ってほぼ平行に延在する姿勢で支持
されている締結軸68aに螺着されている締め付けナッ
ト62の回転操作による締結であるから、図10に例示
した従来例のように、例えば締結用のナットの押し回し
によって、発熱積層体12を押圧してしまうといった不
都合が生じない。電源側給電線19の接続固定、取り外
し等の作業によって、面状発熱体10表面側への押し込
み力が締結軸68aに作用しても、この押し込み力は支
持板13によって広範囲に分散されるため、応力集中に
よる発熱積層体12の局所的な過熱(温度上昇)等の悪
影響を防止できる。なお、図6(a)、(b)に例示し
たように、電気抵抗発熱体17から発熱積層体12外に
延出されて、面状発熱体裏面から締結軸68aまで引き
上げるようにして接続されている端子部17b、17c
は、電気絶縁材20によって覆われた部分を含めて全体
にある程度の変形が許容されているものであり、固定締
結部16に与えられた外力が端子部17b、17cを介
して発熱積層体12等へ伝達されてしまうおそれは無
い。
【0023】この面状発熱体10では、いずれも薄い板
状の遠赤外線放射板体11、発熱積層体12、支持板1
3を積層状態にして、ケーシング14内に収容する構成
なので、全体に薄く形成できる。さらに、全体を小型で
き、ケーシング14内の容積も減少できるため、通電
後、所望の温度までの昇温時間が短縮するなどの利点が
ある。通電時昇温時間の短縮は、例えば面状発熱体を適
用した乾燥機等では、設備稼働率の向上等に大きく寄与
する。温度制御の迅速化を実現できるため、より細かい
温度制御が可能になるといった利点もある。さらに、発
熱積層体の裏面側、すなわち、発熱積層体と支持板の間
には、必要に応じて適宜断熱板材を装入して支持板側へ
の熱伝達抑制を図ることもできる。この場合、発熱積層
体12からの発熱がより無駄無く遠赤外線放射板体11
の加熱に効果的に作用し、昇温時間の短縮、発熱積層体
12の発熱のための電力消費量に対する遠赤外線放射板
体11からの遠赤外線の放射効率を向上できる等の利点
がある。
【0024】また、締結軸68aを含む固定締結部16
全体が露出しているので、この固定締結部16の抵抗増
加による過熱劣化等の目視点検が容易であるなどの利点
もある。さらに、締結軸68aを含む固定締結部16の
設置位置は、面状発熱体の裏面側であるから、多数の面
状発熱体を縦横に配列して使用する場合などは、遠赤外
線の放射面積を確保することが容易である。
【0025】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
ず、例えば、固定締結部の具体的構成等は、適宜変更が
可能である。また、前記実施の形態では、金属製枠状の
ケーシング14の内側に、金属放射板11(遠赤外線放
射板体)を収容し、両者は別体になっている構成を例示
したが、本発明はこれに限定されず、両者が一体となっ
て構成され、例えば両者が遠赤外線放射板体をプレス成
形してなる一部品(一枚の遠赤外線放射板体の成形によ
って、ケーシングと遠赤外線放射板体とを成形)になっ
ている等の構成とすることも可能である。この点、アル
ミニウム合金板にアルマイト皮膜を形成した構成の遠赤
外線放射板体であれば、曲げ成形等の加工性に優れてい
るから、この遠赤外線放射板体の成形によってケーシン
グを形成することには有利である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の面状発熱
体によれば、発熱積層体の電気抵抗発熱体から発熱積層
体外に延出されている端子部が接続されて通電回路を構
成する締結軸を含む固定締結部全体が、支持板の外側の
支持台上に配置されている構成であることから、例えば
支持板から内側に一部又は全部が収納される構成に比べ
て、発熱積層体の均一な発熱、遠赤外線放射板体からの
遠赤外線の均一な放射を実現できる。このため、例えば
乾燥機等の用途では、製品の乾燥速度の均一化、乾燥ム
ラの解消といった効果が得られる。また、締結軸を含む
固定締結部全体が露出しているので、この固定締結部の
抵抗増加による過熱劣化等の目視点検が容易であるなど
の利点もある。さらに、固定締結部の構成部品を内部に
組み込む構成では無いので、内部構成を非常に簡単にで
き、低コスト化、小型化を実現できる。また、組み立て
作業性も向上するといった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態の面状発熱体を表面
側から見た斜視図である。
【図2】 図1の面状発熱体を裏面側から見た斜視図で
ある。
【図3】 図1の面状発熱体を示す分解斜視図である。
【図4】 図1の面状発熱体を示す横断面図である。
【図5】 本発明に係る遠赤外線放射板体を示す断面図
である。
【図6】 支持台及び固定締結部付近を示す図であっ
て、(a)は正断面図、(b)は側断面図である。
【図7】 発熱積層体の一方の電気絶縁材(裏面側の電
気絶縁材)を除去して電気抵抗発熱体を露出させた状態
を示す平面図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態の面状発熱体の固定
締結部を示す図であって、(a)は分解斜視図、(b)
は裏押さえ板を挟み込む一対の碍子の関係を示す図であ
る。
【図9】 (a)、(b)は締結軸に対する電源側給電
線の接続形態の例を示す図である。
【図10】 従来例の面状発熱体を示す断面図である。
【符号の説明】
10…面状発熱体、11…金属放熱板,遠赤外線放射体
(遠赤外線放射板体)、12…発熱積層体、13…支持
板、14…ケーシング、15…支持台、15a…裏押さ
え板、16…固定締結部、17…電気抵抗発熱体、17
b,17c…端子部、18a,18b…電気絶縁材(電
気絶縁板体)、19…給電線、68…ボルト、68a…
締結軸。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月4日(2002.4.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような構造において、締結構造の通電用端子部6の構
成部材は断熱層5に埋設されるか、あるいは断熱層5に
隣接する電気絶縁層4にも到達させて埋設固定される
が、このため、積層物(遠赤外線放射板体2、電気抵抗
発熱層3、電気絶縁層4、断熱層5)の圧縮密度にムラ
が生じ、遠赤外線放射板体2表面の温度が不均一にな
り、遠赤外線放射を受ける被加熱物の温度の均一性が損
なわれている。また、通電用端子部6における電線の締
結作業時に加わる押圧力(締結用のナットの押し回しに
よって生じる押圧力など)等も、圧縮密度のムラの原因
となる。圧縮密度のムラは、赤外線放射板2や電気抵抗
発熱層3等の局所的な劣化進行による面状発熱体の寿命
短縮の原因にもなる。さらに、前述のように通電用端子
部6の構成部材が断熱層5や電気絶縁層4に埋没してい
る構成では、この通電用端子部6の抵抗増加による過熱
劣化等の目視点検が困難であるなどの欠点があり、改善
が望まれている。これら問題の改善策として、通電用端
子部を面状発熱体の横方向に張り出す構造も提案された
が、例えば乾燥機等のように、多数の面状発熱体を縦横
に間断無く接続して遠赤外線の放射面積を確保するよう
になっている機器では、通電用端子部6を横方向に張り
出したのでは無駄な空間が不可避的に生じるため、採用
し難いのが実情である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】金属放熱板11は、ここではAl合金から
なる板状基材11a(図5参照)の表裏両面にアルマイ
ト皮膜11bを形成したものであり、いわば表裏両面が
遠赤外線放射体からなる構成になっている。以下、金属
放熱板11を「遠赤外線放射板体」と称する場合があ
る。本実施の形態にて採用した遠赤外線放射板体11
は、具体的にはスカイアルミニウム株式会社製の商品名
「スーパーレイ」の一種であり、Mn2.5wt%、残
部がAl及び不可避的不純物を含有するAl合金板(板
厚0.8mm)に400℃、1hrの熱処理を行って
6 Mnの組成の金属間化合物が均一に分散している組
織を有するAl合金板を形成し、さらに、このAl合金
板に25%硫酸浴中で20μm厚のアルマイト皮膜を形
成したものである。この遠赤外線放射板体11はアルマ
イト皮膜に優れた耐熱性、耐クラック性を有するもので
あり、400℃において1hr加熱する試験を行った後
でもアルマイト皮膜のクラック発生が認められなかっ
た。なお、本発明に係る金属放熱板(少なくとも表面側
が遠赤外線放射体なる金属放熱板)としては、上述の構
成の遠赤外線放射板体に限定されず、公知の各種合金
材、セラミック材等を利用することが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA15 AA22 AA32 AA33 BB07 BB14 BC03 BC16 CA02 CA18 CA28 CA32 FA19 FA25 FA35 FA39 JA01 3K092 PP03 QA05 QB02 QB31 QB45 QB72 QC02 QC21 QC25 QC42 QC43 QC59 QC64 QC65 RF03 RF08 RF26 SS16 SS24 SS29 SS40 VV03 VV22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気抵抗発熱体をその両側に積層した電
    気絶縁材で挟持した発熱積層体と、この発熱積層体の表
    面側に積層状態に配置された金属製放熱板と、前記発熱
    積層体の裏面側に積層状態に配置された支持板と、前記
    発熱積層体及び前記金属製放熱板及び前記支持板の側面
    を包囲するケーシングとを有する面状発熱体であって、 前記支持板に沿った方向に延在する締結軸を有し、給電
    線を締結固定する固定締結部を前記支持板の外面側に設
    置し、 この固定締結部の前記締結軸に、前記電気抵抗発熱体の
    端部を前記発熱積層体から外側に延出させ前記支持板の
    外面側に引き出した部分である端子部を電気導通可能に
    接続して、通電回路を形成したことを特徴とする面状発
    熱体。
  2. 【請求項2】 前記金属製放熱板の両面の内の少なくと
    も表面側が、遠赤外線放射体からなることを特徴とする
    請求項1記載の面状発熱体。
  3. 【請求項3】 前記固定締結部は、前記支持板の外面側
    に突出状態に設けられた支持台を介して前記支持板に支
    持されていることを特徴とする請求項1又は2記載の面
    状発熱体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011018457A (ja) * 2009-07-07 2011-01-27 Shizuoka Seiki Co Ltd 発熱構造体の給電線固定構造
CN113260098A (zh) * 2021-05-10 2021-08-13 广东温道百镒健康科技有限公司 远红外发热板结构及其制作工艺

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