JP2003168384A - 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法

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JP2003168384A
JP2003168384A JP2001368960A JP2001368960A JP2003168384A JP 2003168384 A JP2003168384 A JP 2003168384A JP 2001368960 A JP2001368960 A JP 2001368960A JP 2001368960 A JP2001368960 A JP 2001368960A JP 2003168384 A JP2003168384 A JP 2003168384A
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Mamoru Nakasuji
護 中筋
Takao Kato
隆男 加藤
Shinji Nomichi
伸治 野路
Toru Satake
徹 佐竹
Shoji Yoshikawa
省ニ 吉川
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Ebara Corp
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高スループットで電位コントラストの測定等
を高信頼性で行え、構造が簡単な電子線装置を提供する
こと。 【解決手段】 パターンが形成されたウェーハ等の試料
15を電子線で照射し、該試料の評価を行うための電子
線装置は、電子線源EG、対物レンズ14、E×B分離
器13及び二次電子線検出器17を収容した鏡筒1と、
試料15を保持し、鏡筒1に関して試料15を相対的に
移動させるステージ33と、ステージ33を収容し、真
空雰囲気に制御可能なワーキング・チャンバと、ステー
ジ33に試料15を供給するローダ30と、試料15に
電圧を印加し、且つ、対物レンズ14の下部電極20に
少なくとも2種類の電圧を印加することが可能な電圧印
加機構21と、試料15のダイの並びの方向と測定する
アライメント機構とを具備する。試料15の評価を行う
際、ステージ33の移動方向は前記ダイの並びの方向に
一致させるよう補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、最小線幅0.1
ミクロン以下のパターンを有するウェーハの欠陥検査、
線幅測定、合わせ精度測定等の評価を行うための電子線
装置、及び、該装置を用いて歩留まり良くデバイスを製
造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子線をウェーハ等の試料に照射
し、該試料から発生する二次電子線を検出して欠陥検
査、CD検査、欠陥Review SEM、合わせ精度
測定等を行う装置は公知である。特に、電荷を付与して
パターンを帯電させ、その結果として表面に現れる電位
を測定して試料の欠陥を評価する方法は、光を用いたの
では不可能であるため、電子線を使用して広く行われて
いる。
【0003】従来の電子線装置において試料上のパター
ンの電位コントランストを得る場合、二次電子線に対す
るエネルギー・フィルタを設けない装置の分解能は小さ
いが、こうしたエネルギー・フィルタを設けた装置は小
さい電位の分解能で測定可能であることがわかってい
る。このエネルギー・フィルタの機能を対物レンズに持
たせると、対物レンズの収差係数が大きくなるという問
題がある。また、試料の評価場所を正しく電子光学系の
下に合わせるため、描画装置と同様のレジストレーショ
ン用のサブシステムが必要になり、装置全体が大型且つ
複雑になるという問題もある。
【0004】加えて、従来の電子線装置においては、種
々の問題、例えば、一次電子線と二次電子線とを分離す
るためのE×B分離器について、どのような構造が簡単
であり、所望の精度が得られるのかが不明であった、シ
ョット雑音が大きく、所要の信号/雑音比を得るには大
きいビーム電流を必要とした、凸状のウェーハをフラッ
トに吸着することのできる静電チャックが存在しなかっ
た、一次光学系の視野の重複部分においては2倍の、場
合によっては4倍のドーズが与えられる場所ができ、ウ
ェーハの破壊が生じるおそれがあった、対物レンズとそ
の上側のレンズとの間に走査用偏向器を配置するための
スペースを確保するのが困難であった、等の問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の種
々の問題を解決するために提案されたものであり、その
目的は、高スループットで電位コントラストの測定等を
高信頼性で行うことができ、構造が簡単な電子線装置、
及び該装置を用いて歩留まり良くデバイスを製造するた
めのデバイス製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、パターンが形成されたウェーハ
等の試料を電子線で照射し、該試料の評価を行うための
電子線装置であって、電子線源、対物レンズ、電磁偏向
器及び二次電子線検出器を収容した電子光学鏡筒と、前
記試料を保持し、前記電子光学鏡筒に関して前記試料を
相対的に移動させるためのステージと、前記ステージを
収容し、真空雰囲気に制御可能なワーキング・チャンバ
と、前記ワーキング・チャンバ内の前記ステージに、前
記試料を供給するためのローダと、前記ワーキング・チ
ャンバ内に配置された前記試料に電圧を印加する電圧印
加機構と、前記試料のダイの並びの方向を測定するため
のアライメント機構と、を具備し、前記ステージを一つ
の軸方向に連続的に移動させながら前記試料の評価を行
う際に、前記ステージの移動方向を前記ダイの並びの方
向に一致させるよう補正することを特徴とする電子線装
置、を提供する。
【0007】請求項2の発明は、請求項1記載の電子線
装置において、前記対物レンズを少なくとも3段の電極
を有する静電レンズとし、前記3段の電極のうち中央の
電極の厚みを、光軸方向において2mm以下としたこと
を特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1記載の電子線
装置において、前記電磁偏向器内部に8極の静電偏向器
を有し、該電磁偏向器はトロイダル・タイプ又はサドル
・タイプであることを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項1記載の電子線
装置において、前記電子銃を空間電荷制限条件で動作さ
せることを特徴とする。請求項5の発明は、請求項1記
載の電子線装置において、前記試料を前記ステージに固
定するための静電チャックを更に設けてなり、前記静電
チャックは、少なくとも、中央部及び周辺部の一部から
なる第1の電極と該周辺部の残りの領域からなる第2の
電極とを備えており、前記第1の電極に電圧を印加した
後に前記第2の電極に電圧を印加することを特徴とす
る。
【0010】請求項6の発明は、請求項1記載の電子線
装置において、前記ウェーハが、互いに重なり合わない
よう分割された複数の小領域を含んでおり、該小領域の
みの評価を行うことを特徴とする。
【0011】請求項7の発明は、請求項1記載の電子線
装置において、前記対物レンズを少なくとも3個の電極
を備える静電レンズとし、これら少なくとも3つの電極
のうち、前記試料から数えて3個目以上前記電子銃に近
い電極に与える電圧を変化させることにより、前記対物
レンズの焦点距離を高速で変化させることを特徴とす
る。
【0012】請求項8の発明は、請求項1記載の電子線
装置において、前記パターンの画素寸法をpとし、前記
パターンを照射する電子線のビーム寸法をdとしたと
き、前記p及びdが0.9<d/p<1.2を満たすこ
とを特徴とする。
【0013】請求項9の発明は、請求項1記載の電子線
装置において、前記E×B分離器の静電偏向器に走査電
圧を重畳させ、もって前記試料の走査を行うことを特徴
とする。
【0014】請求項10の発明は、請求項1〜9のいず
れか一つに記載の電子線装置を用いて、プロセス途中の
或いはプロセス終了後のウェーハの評価を行うことを特
徴とするデバイス製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る電子線装
置の一つの実施の形態を概略的に示す図である。同図に
おいて、電子光学鏡筒1の内部には、カソード2、ウェ
ーネルト3及びアノード4からなる電子銃EGが設けら
れ、電子銃EGから放出された一次電子線はクロスオー
バー5を第1の開口板6と第1のコンデンサ・レンズ7
との間に作る条件で、正方形の成形開口を有する第1の
開口板6を照射する。これにより一次電子線は第1のコ
ンデンサ・レンズ7で縮小され、クロスオーバー像8を
第2の開口板9の正方形の開口に形成する。更に、一次
電子線は第2のコンデンサ・レンズ10によって縮小さ
れ、静電偏向器11と電磁偏向器12とからなるE×B
分離器13を通過した後、対物レンズ14によって収束
されて、第1の開口板6に形成された正方形の開口の縮
小像がウェーハ15上に形成される。
【0016】一次電子線の照射によってウェーハ15か
ら放出された二次電子線は、対物レンズ14によって加
速、収束された後、E×B分離器13よって図の右側へ
偏向されて軌道16を取り、二次電子線検出器17で検
出される。なお、対物レンズ14は上部電極18、中央
電極19及び下部電極20を有しており、これらの電極
に制御電源21から所要の電圧が印加される。
【0017】E×B分離器13は、例えば、8極の静電
偏向器とサドルタイプの電磁偏向器とを組み合わせたも
ので構成することができるので、構造が簡単であるう
え、一次電子線に対して余分な収差を発生させないとい
う利点がある。ここで、E×B分離器の代わりに、電磁
偏向器のみを用いても、走査視野によっては二次電子線
の検出が可能である。
【0018】一次電子線によりウェーハ15を走査する
ために、一次電子線は静電偏向器11と他の静電偏向器
22とによって軌道23を通るよう制御される。このよ
うに、2段目の静電偏向器としてE×B分離器13の静
電偏向器11を用いるので、対物レンズ14の上部のス
ペースを有効に利用することができる。そのうえ、2段
目の静電偏向器は対物レンズ14に近い方が有利である
ことをも考慮すると、E×B分離器13の静電偏向器1
1に2段目の静電偏向器としての機能をも持たせること
により、2段目の静電偏向器を最良の位置に配置するこ
とができる。
【0019】ウェーハ15には、制御電源21から−4
kVの電圧が印加される。この場合、制御電源21から
の電圧の立ち下がり速度は例えば100V/10秒程度
にしないとデバイスが破壊される恐れがあり、徐々にウ
ェーハ15に電圧が印加される。
【0020】ウェーハ15を静電的に吸着保持するた
め、図2に示すように、3個の電極24〜26からなる
電極板を有する静電チャック27が設けられる。このと
き、ウェーハ15と対物レンズ14との間の放電を回避
するため、3個の電極24〜26のうち、電極板の中央
の部分に相当する中央電極24と電極板の周辺の一部の
部分に相当する第1の電極25には0Vの電圧が与えら
れ、ウェーハ15に印加される電圧が−4kVに達した
後に、電極板の周辺の残りの部分に相当する第2の電極
26に0Vの電圧が与えられる。図2に示す構造の静電
チャックを使用することにより、上に凸のウェーハであ
っても、その全面を平坦に吸着保持することができる。
【0021】ウェーハ15を上記の静電チャックに載置
するため、まずウェーハ15はロボット28からエンバ
イロンメント・チャンバ29に供給され、そこでウェー
ハ15の回転やウェーハ15の正しいxy座標位置への
配置を含むプリアライメントが行われる。次いで、ロー
ディング・チャンバ30を大気圧にした後、ゲート・バ
ルブ31を開けてウェーハ15をローディング・チャン
バ30に入れる。そこで、ローディング・アームをロー
ディング・チャンバ30から引き抜いてからゲート・バ
ルブ31を閉じ、ローディング・チャンバ30を排気す
る。ローディング・チャンバ30の真空度が1×10-6
Torr以下になったときにゲート・バルブ32を開
け、静電チャックが一部に設けられたローディング・ア
ームでウェーハ15を静電チャックの電極24〜26に
載置する。
【0022】なお、図1において、参照数字33はウェ
ーハ15を載置するためのステージを、34はバルブ
を、35はバルブ34を介して鏡筒1内を排気するため
のイオン・ポンプを示している。ウェーハ15を載置す
るステージ33を、強磁性体である鉄からなるワーキン
グ・チャンバ(図示せず)内に収容することにより、ウ
ェーハ15を磁気シールドすることが好ましい。
【0023】図1に示す電子銃EGは、ヒーター電圧を
充分大きくし又はウェーネルト電圧を充分深くすること
により、空間電荷制限条件で動作させる。その結果、ピ
クセル当たりの二次電子線の検出数が50あれば、欠陥
検査等の評価を十分信頼性良く実施し得る。さらに、二
次電子線の電子がピクセル当たり検出される数が100
であれば、Review SEMとしての機能を持たせ
ることが可能である。このReview SEMの場
合、ステージ33を停止させて観察を行う。
【0024】次に、対物レンズ14について説明する
と、合焦条件を満たすよう対物レンズ14を制御するた
め、対物レンズ14の中央電極19に印加する電圧は予
め決められた一定値とし、上部電極18でダイナミック
・フォーカスが行われる。これは以下の手順で実現され
る。まず、ダイのコーナー部のダイシング・ライン等
の、x軸及びy軸に平行なパターンが接近して存在する
ウェーハ位置で上部電極18に3つの異なる電圧を与え
る。これらの電圧値のそれぞれにおいて、x方向及びy
方向に平行なパターン・エッジをそれぞれy方向及びx
方向に走査し、その時の二次電子線の信号強度の立ち上
がりの傾斜をy方向の走査及びx方向の走査に対して測
定する。例えば、y方向の走査に対する立ち上がりの傾
斜がa1mV/μm、a2mV/μm及びa3mV/μm
であり、x方向走査に対する立ち上がりの傾斜がb1
V/μm、b2mV/μm及びb3mV/μmであったと
する。これらの立ち上がりの傾斜から、上部電極18に
印加した電圧に対する二次関数近似を用いて、立ち上が
りの傾斜の最大値aimV/μm、bimV/μmを求め
る。次いで、これらの最大値を与える上部電極18の電
圧をそれぞれ求め、それらの中間の値に上部電極18の
電圧をセットする。
【0025】なお、立ち上がりの傾斜の最大値を与える
上部電極18の電圧が予め指定された値よりも大きいと
きには、EB分離器13の静電偏向器11に非点補正を
行う電圧を重畳させることが好ましい。
【0026】図3は、対物レンズ14の中央電極19の
光軸付近の厚みを変えたときの軸上色収差の変化を示す
グラフであり、試料面でのビームの開口半角は30ミリ
ラジアンである。また、上部電極18と中央電極19と
の間の電圧差及び中央電極19と下部電極20との間の
電圧差は、ともに20kV以下になるように調整した。
この状態で、線41は、二次電子線のフィルタ作用が生
じる電圧を下部電極20に与えたときの軸上色収差を示
しており、線42は、軸上色収差係数が最小になる電圧
を下部電極20に与えた状態での軸上色収差を示してい
る。
【0027】なお、軸上色収差は、エネルギ幅によるビ
ームのボケ量を表す。そこで、軸上色収差を△Cc、軸
上色収差係数をCcとし、αを試料面のビームの開口半
角を表すとすると、
【0028】
【数1】△Cc=Cc(△V/V)α が成り立つ。したがって、△Ccは、単位開口半角当た
り、単位(エネルギ幅/ビーム・エネルギ)当たりに発
生する収差である。
【0029】図3のグラフから、(1)中央電極19の
厚みが2mm以下の場合には、下部電極20に二次電子
線のフィルタ作用が生じる電圧を印加した条件でのみ、
一次電子線の合焦条件が満たされること、(2)中央電
極19の厚みが1.5mm以下の場合には、下部電極2
0に二次電子線のフィルタ作用が生じる電圧を印加した
条件で、軸上色収差係数を大幅に低減することができる
こと、(3)中央電極19の厚みが1.0mm以下の場
合には、軸上色収差が100nm以下となり、最も好ま
しいこと、がわかる。
【0030】図4は、ウェーハ15のダイの並びの方向
を測定するアライメント機構を説明するための図であ
る。同図において、参照数字51はダイシング・ライ
ン、51’は一つのダイシング・ライン51のy方向の
辺のうちの一つ、52はダイシング・ライン51の上に
設けられたテスト・ビア、53はステージ33が第1の
位置にあるときの電子光学系の視野、54はステージ3
3を第1の位置からy方向に単位長さだけ移動させて第
2の位置に置いたときの電子光学系の視野、55はチッ
プ領域をそれぞれ示している。
【0031】そこで、ダイの並び方向とステージ33の
y方向への移動方向とのズレを補正するため、まず、電
子光学系の視野53内でy方向に延びる一つのダイシン
グ・ライン51の一つの辺51’のx方向の位置と、電
子光学系の視野54内での前記の辺51’のx方向の位
置とをそれぞれ測定し、次いで、それらの位置間の差を
y方向の単位長さで割り算する。これにより、ダイの並
び方向とステージ33のy方向への移動方向とのズレ角
が算出される。したがって、ステージ33をy方向へ連
続的に移動させるとき、前記ズレ角を補正するようにス
テージ33をx方向に移動させればよい。
【0032】図4においては、y軸に平行な隣り合うダ
イシング・ライン及びx軸に平行な隣り合うダイシング
・ラインで囲まれたチップ領域55を被評価対象とす
る。こうすることにより、チップ領域55に2重にビー
ム照射が行われることがないので、照射量を所定値以下
に保つならば、デバイス酸化膜等を破損させる恐れがな
い。
【0033】図5は、一次電子線のビーム寸法をd、ピ
クセル寸法をpとしたときのd/pを横軸に取ったとき
の種々のパラメータの変化を表すグラフを示している。
グラフ61はMTFの値を示す曲線であり、ビーム寸法
dが大のとき(いわゆる、ぼけたビームで観察すると
き)コントラストがどのように小さくなるかを示してい
る。グラフ62は一次電子線のビーム電流を表す曲線で
あり、軸上色収差が支配的になっている場合にはビーム
電流はビーム径の4乗に比例する。即ち、グラフ62は
傾斜が4:1の右上がりの直線である。グラフ63はM
TFの値の2乗を示す曲線である。なお、MTFはMo
dulation Transfer Functio
nの略であり、ボケたビームで臭気構造を走査したとき
の信号コントラストの劣化の程度を表す。
【0034】ショット雑音が支配的な場合には、二次電
子検出器17から出力される信号のS/N比は、iをビ
ーム電流とするとき、
【0035】
【数2】 S/N=MTF(N/2)1/2∝MTF(i)1/2 で表される。したがって、S/N比を最大にするには、
(MTF)2iを最大にすればよい。(MTF)2iは、
グラフ62で示す値とグラフ63で示す値との積であ
り、グラフ64によって表される、上に凸の曲線にな
る。このグラフ64から、(1)d/p≒1.1のと
き、S/N比は最大になる、(2)1.0<d/p<
1.15のとき、S/N比は最大値とほぼ同じ値にな
る、(3)0.9<d/p<1.2のとき、S/N比は
充分大きい値である、ことがわかる。
【0036】次に、図6及び図7を用いて、本発明の半
導体デバイス製造方法について説明する。本発明の半導
体デバイス製造方法は、上記した評価装置を用いて、プ
ロセス途中あるいは完成後のウェーハの評価を行うもの
である。以下に、一般的な半導体デバイス製造方法につ
いて、図6及び図7のフローチャートを参照して説明す
る。
【0037】図6に示すように、半導体デバイス製造方
法は、概略的に分けると、ウェーハを製造するウェーハ
製造工程S1、ウェーハに必要な加工処理を行うウェー
ハ・プロセッシング工程S2、露光に必要なマスクを製
造するマスク製造工程S3、ウェーハ上に形成されたチ
ップを1個づつに切り出し、動作可能にするチップ組立
工程S4、及び、完成したチップを検査するチップ検査
工程S5によって構成されている。これら工程はそれぞ
れ、幾つかのサブ工程を含んでいる。
【0038】上記した工程の中で、半導体デバイスの製
造に決定的な影響を及ぼす工程は、ウェーハ・プロセッ
シング工程である。これは、この工程において、設計さ
れた回路パターンをウェーハ上に形成し、かつ、メモリ
やMPUとして動作するチップを多数形成するからであ
る。
【0039】このように半導体デバイスの製造に影響を
及ぼすウェーハ・プロセッシング工程のサブ工程におい
て実行されたウェーハの加工状態を評価することが重要
であり、該サブ工程について、以下に説明する。
【0040】まず、絶縁層となる誘電体薄膜を形成する
とともに、配線部及び電極部を形成する金属薄膜を形成
する。薄膜形成は、CVDやスパッタリング等により実
行される。次いで、形成された誘電体薄膜及び金属薄
膜、並びにウェーハ基板を酸化し、かつ、マスク製造工
程S3によって作成されたマスク又はレチクルを用い
て、リソグラフィ工程において、レジスト・パターンを
形成する。そして、ドライ・エッチング技術等により、
レジスト・パターンに従って基板を加工し、イオン及び
不純物を注入する。その後、レジスト層を剥離し、ウェ
ーハを検査する。
【0041】このようなウェーハ・プロセッシング工程
は、必要な層数だけ繰り返し行われ、チップ組立工程S
4においてチップ毎に分離される前のウェーハが形成さ
れる。
【0042】図7は、図6のウェーハ・プロセッシング
工程のサブ工程であるリソグラフィ工程を示すフローチ
ャートである。図7に示すように、リソグラフィ工程
は、レジスト塗布工程S21、露光工程S22、現像工
程S23及びアニール工程S24を含む。
【0043】レジスト塗布工程S21において、CVD
やスパッタリングを用いて回路パターンが形成されたウ
ェーハ上にレジストを塗布し、露光工程S22におい
て、塗布されたレジストを露光する。そして、現像工程
S23において、露光されたレジストを現像してレジス
ト・パターンを得、アニール工程S24において、現像
されたレジスト・パターンをアニールして安定化させ
る。これら工程S21〜S24は、必要な層数だけ繰り
返し実行される。
【0044】本発明の半導体デバイス製造方法において
は、図1に関連して説明した電子線装置を、完成したチ
ップを検査するチップ検査工程S5において用いること
により、微細なパターンを有する半導体デバイスであっ
ても、歪み、ぼけ等が低減された画像を得ることができ
るので、ウェーハの欠陥を確実に検出することができ
る。なお、電子線装置が近傍に配置される加工装置は、
評価を必要とする加工を行うものであれば、どのような
加工装置であってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上、この発明に係る電子線装置及び該
装置を用いたデバイス製造方法の一つの実施の形態につ
いて説明したところから理解されるとおり、この発明
は、(1)対物レンズの電極の寸法を、二次電子線に対
するフィルタ効果を持つ値にすることができるので、軸
上色収差係数を小さくすることができる、(2)レジス
トレーションを極めて短時間に行うことができ、しか
も、レジストレーションをウェーハの評価中にも実施で
きるので、スループットに影響を与えることがない、
(3)簡単な構造で、二次電子線を一次光学系から分離
するE×B分離器を得ることができるので、一次電子線
の収差を容易に計算することができる、(4)ショット
雑音をTFE電子銃の13%まで低減することができ
る、(5)上に凸のウェーハでも全面を平坦にチャック
することができる、(6)デバイス、特にゲート酸化膜
を破壊する恐れがない、(7)対物レンズの電極をアー
スに近い電圧にした状態で、ダイナミック・フォーカス
を実施することができる、(8)二次電子検出器からの
出力のS/N比を最大値又はそれに近い値にすることが
できる、(9)E×B分離器と走査用の偏向器とを最適
位置に配置することができる、等の格別の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電子線装置の一つの実施の形態
を概略的に示す図である。
【図2】図1の電子線装置において使用される静電チャ
ックの一例を示す平面図である。
【図3】図1の電子線装置に設けられた対物レンズの中
央電極の厚みと軸上色収差との関係を示すグラフであ
る。
【図4】図1の電子線装置におけるレジストレーション
の方法と被評価領域とを説明するための図である。
【図5】図1の電子線装置におけるビーム径/ピクセル
寸法に対するビーム電流、MTF及びS/N比の関係を
示す対数曲線を示す図である。
【図6】本発明に係る電子線装置を適用して半導体デバ
イスを製造する方法のフローチャートである。
【図7】図6に示したウェーハ・プロセッシング工程の
サブ工程であるリソグラフィ工程を示したフローチャー
トである。
【符号の説明】
1:鏡筒、 2:カソード、 3:ウェーネルト、
4:アノード、 EG:電子銃、5:クロスオーバー、
6:第1の開口板、 7:第1のコンデンサ・レン
ズ、 8:クロスオーバー像、 9:第2の開口板、
10:第2のコンデンサ・レンズ、 11:静電偏向
器、 12:電磁偏向器、 13:E×B分離器又は電
磁偏向器、 14:対物レンズ、 15:ウェーハ、
16:二次電子軌道、 17:二次電子検出器、 1
8:上部電極、 19:中央電極、 20:下部電極、
21:制御電源: 22:静電偏向器、 23:偏向
軌道、 24、25、26:電極、 27:静電チャッ
ク、 28:ロボット、 29:エンバイロンメント・
チャンバ、 30:ローディング・チャンバ、 31、
32:ゲート・バルブ、 33:ステージ、 34:バ
ルブ、 35:イオン・ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 37/28 H01L 21/66 J H01L 21/66 G01R 31/28 L (72)発明者 野路 伸治 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 佐竹 徹 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 吉川 省ニ 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 2G011 AA01 AC06 AC14 AC21 AC31 AC33 AE03 AF01 2G132 AA01 AA03 AA08 AD15 AE03 AE27 AF13 AL03 AL06 AL09 AL11 4M106 AA01 BA02 CA39 CA41 DB12 DJ02 DJ07 5C001 AA01 AA03 AA06 AA08 CC04 5C033 CC01 FF01 FF02 UU01 UU02 UU03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターンが形成されたウェーハ等の試料
    を電子線で照射し、該試料の評価を行うための電子線装
    置において、 電子線源、対物レンズ、電磁偏向器及び二次電子線検出
    器を収容した電子光学鏡筒と、 前記試料を保持し、前記電子光学鏡筒に関して前記試料
    を相対的に移動させるためのステージと、 前記ステージを収容し、真空雰囲気に制御可能なワーキ
    ング・チャンバと、 前記ワーキング・チャンバ内の前記ステージに、前記試
    料を供給するためのローダと、 前記ワーキング・チャンバ内に配置された前記試料に電
    圧を印加する電圧印加機構と、 前記試料のダイの並びの方向を測定するためのアライメ
    ント機構と、を具備し、前記ステージを一つの軸方向に
    連続的に移動させながら前記試料の評価を行う際に、前
    記ステージの移動方向を前記ダイの並びの方向に一致さ
    せるよう補正することを特徴とする電子線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子線装置において、 前記対物レンズが、少なくとも3段の電極を有する静電
    レンズであり、 前記3段の電極のうち中央の電極の厚みが、光軸方向に
    おいて2mm以下であることを特徴とする電子線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子線装置において、前
    記電磁偏向器が内部に8極の静電偏向器を有し、該電磁
    偏向器はトロイダル・タイプ又はサドル・タイプである
    ことを特徴とする電子線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電子線装置において、前
    記電子銃を空間電荷制限条件で動作させることを特徴と
    する電子線装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電子線装置において、 前記試料を前記ステージに固定するための静電チャック
    を更に備え、 前記静電チャックが、少なくとも、中央部及び周辺部の
    一部からなる第1の電極と該周辺部の残りの領域からな
    る第2の電極とを備え、 前記第1の電極に電圧を印加した後に前記第2の電極に
    電圧を印加することを特徴とする電子線装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子線装置において、前
    記ウェーハが、互いに重なり合わないよう分割された複
    数の小領域を含み、該小領域のみの評価を行うことを特
    徴とする電子線装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電子線装置において、 前記対物レンズが、少なくとも3個の電極を備える静電
    レンズであり、 前記少なくとも3つの電極のうち、前記試料から数えて
    3個目以上前記電子銃に近い電極に与える電圧を変化さ
    せることにより、前記対物レンズの焦点距離を高速で変
    化させることを特徴とする電子線装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電子線装置において、前
    記パターンの画素寸法をpとし、前記パターンを照射す
    る電子線のビーム寸法をdとしたとき、前記p及びdが
    0.9<d/p<1.2を満たすことを特徴とする電子
    線装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の電子線装置であって、前
    記E×B分離器の静電偏向器に走査電圧を重畳させ、も
    って前記試料の走査を行うことを特徴とする電子線装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一つに記載の
    電子線装置を用いて、プロセス途中の或いはプロセス終
    了後のウェーハの評価を行うことを特徴とするデバイス
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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