JP2003167277A - 画像表示用粒子および画像表示装置 - Google Patents

画像表示用粒子および画像表示装置

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薬師寺  学
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北野  創
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粒子を基板の間に封入した乾式表示装置におい
て、安定性に優れた画像を表示できる画像表示用粒子お
よび装置を提供する。 【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する基板間
に、2種以上の色および帯電特性の異なる粒子、または
1種の粒子を、封入し、前記基板間に電界を与えて、前
記粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置におい
て、粒子が樹脂でコーティングされている画像表示用粒
子および、該粒子を用いた画像表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クーロン力などを利用
した粒子の移動によって画像を繰り返し表示、消去でき
る画像表示用粒子および画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶(LCD)に代わる画像表示装置と
して、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サー
マル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた画像表
示装置(ディスプレイ)が提案されている。これらの画
像表示装置は、LCDに比べて、通常の印刷物に近い広
い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能
を有している等のメリットから、次世代の安価な表示装
置として考えられ、携帯端末用表示、電子ペーパー等へ
の展開が期待されている。
【0003】最近、分散粒子と着色溶液からなる分散液
をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置
する電気泳動方式が提案されている。しかしながら、電
気泳動方式では、低比重の溶液中に酸化チタンなどの高
比重の粒子を分散させているために、沈降しやすく、分
散状態の安定性維持が難しく、また、色をつけるために
溶液に染料等を添加しているために長期保存性に難があ
り、画像繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えてい
る。マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイク
ロカプセルレベルにし、見かけ上、このような欠点が現
れ難くしているだけで、本質的な問題は何ら解決されて
いない。
【0004】以上のような溶液中での挙動を利用した電
気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸
送層を基板の一部に組み入れた方式も提案されている。
しかし、このような乾式表示装置では、基板の一部に電
荷輸送層、更には電荷発生層を配置するために構造が複
雑になると共に、導電性粒子から電荷を一定に逃がすこ
とが難しく、安定性に欠ける。(例えば非特許文献1参
照)
【0005】
【非特許文献1】日本画像学会「Japan Hardcopy'99 」
論文集1999年7月21日、p 249〜252
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の如き状況から、クーロン力などにより粒子を移動させ
て画像表示を行なう画像表示装置において、安定性に優
れた画像を表示できる画像表示用粒子および画像表示装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、予め樹脂をコ
ーティングした粒子とすることにより、安価な、かつ、
安定性に優れる画像表示用粒子および画像表示装置が得
られることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明
は、以下の画像表示用粒子および画像表示装置を提供す
るものである。 1.少なくとも一方が透明な対向する基板間に、2種以
上の色および帯電特性の異なる粒子、または1種の粒子
を、封入し、前記基板間に電界を与えて、前記粒子を移
動させ画像を表示する静電画像表示装置において、粒子
が樹脂でコーティングされていることを特徴とする画像
表示用粒子。 2.樹脂のコーティング量が、粒子に対して0.01〜
30重量%である上記1の画像表示用粒子。 3.コーティングされた樹脂が、樹脂中に荷電制御剤が
添加されたものである上記1又は2の画像表示用粒子。 4.コーティングされた樹脂が、樹脂表面と1mmの間
隔をもって配置されたコロナ放電器に8KVの電圧を印
加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた際に、
0.3秒後における表面電位が300V以下となる樹脂
である上記1〜3のいずれかの画像表示用粒子。 5.樹脂コーティング粒子の下記式で表される樹脂成分
の溶剤不溶率が50%以上である上記1〜4のいずれか
の画像表示用粒子。 溶剤不溶率(%)=(B/A)×100 (但し、Aは樹脂コーティング粒子の樹脂成分の溶剤浸
漬前重量、Bは良溶媒中に樹脂コーティング粒子を25
℃で24時間浸漬後の樹脂成分の重量を示す) 6.粒子が、体積固有抵抗1×1010Ω・cm以上の絶縁
性粒子である上記1〜5のいずれかの画像表示用粒子。 7.上記1〜6のいずれかの画像表示用粒子を用いたこ
とを特徴とする画像表示装置
【0008】
【発明の実施の形態】先ず本発明の画像表示装置は、少
なくとも一方が透明な対向する基板間に、2種以上の色
および帯電特性の異なる粒子、または1種の粒子を、封
入し、前記基板間に電界を与えて、粒子を移動させ画像
を表示する装置である。ここで粒子にかかる力は、粒子
同士のクーロン力により引き付けあう力、極板との電気
影像力、分子間力、さらに液架橋力、重力などが考えら
れる。本発明の画像表示装置では、対向する基板間に粒
子を封入した表示装置に何らかの手段で基板表面に電荷
が付与される。正に帯電した基板部位に向かっては負に
帯電した粒子がクーロン力などにより引き寄せられ、ま
た、負に帯電した基板部位に向かっては正に帯電した粒
子がクーロン力などにより引き寄せられ、それら粒子が
対向する基板間を往復移動することにより、画像表示が
なされる。従って画像表示装置は、粒子が、均一に、か
つ、繰り返し安定性に移動するように、すなわち、均一
な、かつ、耐久変化の少ないクーロン力などを受けるよ
うに粒子を設計する必要がある。
【0009】しかしながら、従来の画像表示装置は、粒
子移動に重要な粒子帯電性と、表示に重要な粒子色特性
とを両立させるのは困難であり、事実、同色で帯電性を
故意に変量させた粒子は無いに等しい。帯電制御剤を粒
子表面に固着させるという手段も考えられるが、粒子が
往復移動する際に粒子表面がこすられるために、耐久変
化の少ない帯電性を粒子に付与することは難しい。本発
明の画像表示装置では、粒子表面を所望の帯電性が得ら
れる樹脂をコーティングすることにより、同色で帯電性
をコーティング樹脂種により精度良く定量的に制御で
き、また、粒子が往復移動し表面がこすられて摩耗して
も相当の樹脂厚みにしておけば常に同種の樹脂が粒子表
面に存在するために耐久変化の少ない帯電性を付与する
ことができる。
【0010】また、本発明の画像表示装置では、樹脂の
電荷減衰特性を規定することにより、駆動に容易で、か
つ、長期保存性に優れるように粒子を設計できる。具体
的には、画像を表示する粒子が移動する際には、粒子表
面に電荷を確実に保持させることにより、低電圧でも効
率的な粒子移動が可能となる。また、画像を表示しない
場合やメモリーする際には、粒子表面からの電荷漏洩を
積極的に行わせることにより、正帯電粒子と負帯電粒子
の凝集を低減させ、長期保存性が向上する。従って本発
明の画像表示装置は、これまでの乾式画像表示装置にお
いて、高帯電性粒子を用いると粒子移動が速やかにでき
るものの長期保存時に凝集することと、低帯電性粒子を
用いると粒子同士の凝集は起こらないものの粒子移動が
起き難く画像表示に乏しいという、二律背反する課題を
解決するものである。
【0011】図1は本発明の画像表示装置の構造の一例
を示す説明図である。図1において対向する基板1、基
板2が所定の間隔で設置されており、2種の色および帯
電特性の異なる粒子3が封入されている場合を示す。基
板1、基板2の少なくとも一方は装置外側から粒子の色
が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くか
つ耐熱性の良い材料が好適である。画像表示装置として
の可撓性の有無は用途により適宜選択され、例えば、電
子ペーパー等の用途には可撓性のある材料、携帯電話、
PDA、ノートパソコン類の携帯機器表示等の用途には
可撓性のない材料が用いられる。
【0012】基板材料を例示すると、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、
ポリカーボネートなどのポリマーシートや、ガラス、石
英などの無機シートが挙げられる。基板厚みは、2〜5
000μm、好ましくは5〜1000μmが好適であ
り、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにく
くなり、厚すぎると、表示機能としての鮮明さ、コント
ラストの低下が発生し、特に、電子ペーパー用途の場合
には可撓性に欠ける。
【0013】本発明の画像表示装置では、電極を基板上
に設ける場合と、その他の部位、例えば両端や隔壁や基
板の外側に基板とは離して設ける場合とがある。電極を
基板上に設けず、基板とは離して設ける場合は、基板外
部表面に静電潜像を与え、その静電潜像に応じて発生す
る電界にて、所定の特性に帯電した色のついた粒子を基
板に引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像
に対応して配列した粒子を透明な基板を通して表示装置
外側から視認する。なお、この静電潜像の形成は、電子
写真感光体を用い通常の電子写真システムで行われる静
電潜像を本発明の画像表示装置の基板上に転写形成する
方法や、イオンフローにより静電潜像を基板上に直接形
成する等の方法がある。基板上に電極を設ける場合は、
電極部位への外部電圧入力により、基板上の各電極位置
に生じた電界により、所定の特性に帯電した色の粒子が
引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対
応して配列した粒子を透明な基板を通して表示装置外側
から視認する。この際の電極は、透明かつパターン形成
可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化イ
ンジウム、アルミニウムなどの金属類、ポリアニリン、
ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が
挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示でき
る。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支
障なければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜4
00nmが好適である。この場合の外部電圧入力は、直
流あるいは交流を重畳しても良い。
【0014】本発明の画像表示装置では、粒子の基板平
行方向の余分な粒子移動を阻止するため、基板上にエッ
チングなどにより規則正しい凹凸をつけても良く、図2
に示すように、基板断面方向から見れば三角状、四角
状、半円状などが、基板平面方向から見れば四角状、三
角状、丸状、ライン状などが例示される。その面積サイ
ズ、高さはいずれでも良いが、できるだけ表示側から見
える凸部分に相当する部分(枠部の面積)は小さくした
方が良く、枠部の面積を小さくすることにより画像表示
の鮮明さが増すことになる。従って、凸部形成により、
耐久繰り返し性や、メモリー保持性が向上する。また、
本発明の画像表示装置では、図3に示すような隔壁4
や、図4に示すようなスペーサー5 を用いて基板間の空
間を細分して、粒子の基板平行方向の余分な粒子移動を
阻止し、耐久繰り返し性、メモリー保持性を向上させる
と共に、基板間の間隔を均一にし、かつ補強し、表示装
置自体の強度を上げることもできる。
【0015】本発明の画像表示装置の特徴は、基板間に
封入された粒子が図5に示すように樹脂6でコーティン
グされていることである。コーティングされる粒子は、
所望とする色を有する粒子を選択し、コーティングでき
れるものであればいずれでも良く、次のものが例示され
るが、特に、球形で比重の小さい粒子が好適である。無
機系粒子としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸
化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリ
カ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウム
イエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チ
タンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルト
グリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブ
ラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェラ
イトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられ
る。有機ポリマー粒子としては、ウレタン系、ナイロン
系、フッ素系、シリコーン系、メラミン系、フェノール
系、スチレン系、スチレンアクリル系、ウレタンアクリ
ル系などが挙げられる。また、スチレンアクリル系(J
SR製等)、熱膨張タイプ(松本油脂製等)などの中空
粒子も挙げられる。これらの粒子は顔料や染料により着
色されたものであっても良い。
【0016】粒子をコーティングする樹脂としては、帯
電性を付与できコーティングできる樹脂であればいずれ
でも良いが、特に、先に述べたように、電荷減衰の速い
樹脂を選択することが好ましい。コーティングに用いら
れる樹脂を例示すると、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコ
ーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹
脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、2種
以上混合することもできる。特に正帯電性付与樹脂とし
てはナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレンアクリル樹
脂、負帯電性付与樹脂としてはフッ素樹脂、シリコーン
樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂が好適である。
【0017】電荷減衰の速い樹脂として、具体的には、
次の測定に合致する樹脂を選択することが好ましい。す
なわち、コーティングする樹脂を厚み5〜100μm範
囲のフィルム状にして、そのフィルム表面と1mmの間
隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を
印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させ、その
表面電位の変化を測定し、判定する。この場合、0.3
秒後における表面電位が300V以下、好ましくは20
0V以下になる樹脂を、コーティングする樹脂として選
択するのが好ましい。なお、上記の表面電位は、例えば
図6に示す米国QEA社(Quality Engineering Associ
ates Inc.)のCRT2000により測定される。この装
置では、コーティング樹脂を表面に配置したロール形状
帯電部材7のシャフト8の両端部をチャック9にて保持
し、小型のコロトロン放電器10と表面電位計11とを
所定間隔離して併設した計測ユニットをコーティングさ
れた粒子の表面と1mmの間隔を持って対向配置し、上
記帯電部材を静止した状態のまま、上記計測ユニットを
該帯電部材9の一端から他端まで一定速度で移動させる
ことにより、表面電荷を与えつつその表面電位を測定す
る方法が好適に採用される。なお、測定環境は温度25
±3℃、湿度55±5RH%とする。
【0018】粒子に樹脂をコーティングする方法として
は、例えば、ディスパコート、コートマイザー、ヘンシ
ェルミキサーなどが挙げられる。ディスパコートは、上
部に粉体供給部と横方向から多段に液体を供給できる多
段分散器を使用したもので、この多段分散器の操作条件
を制御して粒子表面に液体成分を付着させたり、粒子表
面を液で濡らす操作を非常に短い時間で実施することが
できる。コートマイザーは、ジェット噴流中にコーティ
ングする粒子を供給して分散層を作り、次にこれと並行
する位置にコーティングする粒子を含む液滴の微粒子で
作られた霧状の流れとコーティングされた粒子とを衝突
させて導電性粒子の表面を樹脂コーティングする方法で
ある。樹脂のコーティング量は、粒子に対して0.01
〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%が好適
である。
【0019】コーティングした粒子に関して、下記式で
表される樹脂成分の溶剤不溶率を50%以上、特に70
%以上とすることが好ましい。 溶剤不溶率(%)=(B/A)×100 (但し、Aは樹脂コーティング粒子の樹脂成分の溶剤浸
漬前重量、Bは良溶媒中に樹脂コーティング粒子を25
℃で24時間浸漬後の樹脂成分の重量を示す) 溶剤不溶率が50%未満では、長期保存時に粒子表面に
ブリードが発生し、粒子間の付着力に影響を及ぼし粒子
の移動の妨げとなり、画像表示耐久性に支障をきたす場
合がある。
【0020】溶剤不溶率の測定に際して用いられる良溶
媒としては、フッ素樹脂ではメチルエチルケトン等、ポ
リアミド樹脂ではメタノール等、アクリルウレタン樹脂
ではメチルエチルケトン、トルエン等、メラミン樹脂で
はアセトン、イソプロパノール等、シリコーン樹脂では
トルエン等が好ましい。上記関係式を満たすようにコー
ティング樹脂を設計することにより、粒子間同士、特に
長期保存時、耐久時の粒子凝集を防ぐことが可能とな
る。
【0021】また、本発明の画像表示装置用粒子では、
帯電性や色特性を補助するために、必要に応じて、コー
ティングする樹脂中に帯電制御剤、着色剤、滑剤を添加
しても良い。帯電制御剤の例としては、正電荷付与の場
合には、4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン染
料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体
などが挙げられ、負電荷付与の場合には、含金属アゾ染
料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体な
どが挙げられる。着色剤としては、塩基性、酸性などの
染料が挙げられ、ニグロシン、メチレンブルー、キノリ
ンイエロー、ローズベンガルなどが例示される。なお、
粒子はその帯電電荷を保持する必要があるので、体積固
有抵抗が、1×1010Ω・cm以上の絶縁性粒子が好まし
く、特に1×1012Ω・cm以上の絶縁性粒子が好まし
い。
【0022】本発明の画像表示装置における基板1と基
板2の間隔は、基板間で粒子が移動でき、画像表示のコ
ントラストを維持できれば良いが、通常10〜5000
μm、好ましくは10〜500μmに調整される。粒子
の体積占有率は、基板1と基板2の間の空間体積に対し
て、10〜80%、好ましくは10〜60%を占める体
積になるようにするのが良い。
【0023】本発明の画像表示装置は、ノートパソコ
ン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の表示部、電
子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスタ
ー、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替
のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の表示部、ポ
イントカード等の表示部などに用いられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
具体的に説明するが、本発明は下記により限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例で得られた実施
例、比較例の粒子及び表示装置について、下記の基準に
従い、評価を行った。
【0025】(1)コーティング樹脂の帯電電位 コーティングする樹脂のみを別にキャスティングして、
電荷減衰測定用のサンプルを作製した。次にQEA製C
RT2000装置を用い、1mmの間隔をもって配置さ
れたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放
電を発生させて表面を帯電させ、0.3秒後における表
面電位を測定した。なお、測定環境は温度25℃、湿度
55RH%とした。
【0026】(2)コーティング樹脂量 樹脂をコーティングした粒子について、TGA装置を用
いて、昇温速度20℃/minで800℃まで昇温し、その
重量変化より、コーティングされた樹脂量を算出した。
【0027】(3)溶剤不溶率 樹脂コーティングした粒子について、メチルエチルケト
ン溶剤中に25℃で24時間浸漬し、100℃で5時間
乾燥した後の重量を測定した。前述したTGAから浸漬
前の樹脂量、及び浸漬前後の重量変化より、次の式に従
って、溶剤不溶率を測定した。 溶剤不溶率(%)=(B/A)×100 (但し、Aは樹脂コーティング粒子の樹脂成分の溶剤浸
漬前重量、Bはメチルエチルケトン溶剤中に樹脂コーテ
ィング粒子を25℃で24時間浸漬後の樹脂成分の重量
を示す)
【0028】(4)表示機能の評価 作製した画像表示装置に、250Vを印加し、極性を反
転させることにより、黒色〜黄色の表示を繰り返した。
表示機能の評価は、コントラスト比について、初期、1
0000回繰り返し後、および5日放置後を反射画像濃
度計を用いて測定した。コントラスト比は黒色表示時反
射濃度/黄色表示時反射濃度とした。なお、初期のコン
トラスト比に対する10000回繰り返し後および5日
放置後のコントラスト比をコントラスト保持率とした。
【0029】実施例1 粒子Aは、被コーティング粒子として電子写真用黒色重
合トナー(粒径8μmの球形)を、予めコーティングす
る樹脂としてアクリルウレタン樹脂EAU65B(亜細亜工業
(株)製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX
(亜細亜工業(株)製)を選択し、作成した。なお、EA
U65BとエクセルハードナーHXの比率は、固形分重量比で
6対4になるように調整して用いた。コーティング方法
は、スパイラフロー装置(フロイント(株)製)を用い
て、被コーティング粒子を流動させた状態で、メチルエ
チルケトン(MEK)溶剤中に前述のアクリルウレタン
樹脂、架橋剤を溶解させた溶液を霧状で吹き込み、被コ
ーティング粒子表面に前述の樹脂をコーティングすると
共に、加温し、予め樹脂をコーティングした粒子Aを作
製した。粒子Bは、被コーティング粒子として電子写真
用黄色重合トナー(粒径7μmの球形)を、予めコーテ
ィングする樹脂としてフッ素系樹脂カイナー2751
(エルフアトケム(株)製)を選択し、作製した。コー
ティング方法は、粒子Aと同様に、スパイラフロー装置
(フロイント(株)製)を用いて、被コーティング粒子
を流動させた状態で、MEK溶剤中に前述のフッ素系樹
脂カイナー2751を溶解させた溶液を霧状で吹き込
み、被コーティング粒子表面に前述の樹脂をコーティン
グすると共に、加温し、予め樹脂をコーティングした粒
子Bを作製した。表示装置は以下のように作製した。す
なわち、約500Å厚みの酸化インジウム電極を設けた
一対のガラス基板を、間隔400μmになるようにスペ
ーサーで調整したガラス基板間に、前述粒子A、Bを入
れ、ガラス基板周辺をエポキシ系接着剤にて接着すると
共に、粒子を封入し、表示装置を作製した。粒子Aと粒
子Bの混合率は同重量づつとし、それら粒子のガラス基
板間への充填率は60容量%となるように調整した。粒
子特性及び表示機能の評価結果を第1表に示す。
【0030】実施例2 実施例1において、粒子Aのコーティングする樹脂をナ
イロン樹脂トレジンEF300(帝国化学産業(株)製)
とした以外は、同様にして、表示装置を作製した。粒子
特性及び表示機能の評価結果を第1表に示す。
【0031】実施例3 実施例1において、粒子Aコーティングする樹脂に加え
て荷電制御剤ボントロンP51(オリエント化学(株)製)
2phrを加えた以外は、同様にして、表示装置を作製
した。粒子特性及び表示機能の評価結果を第1表に示
す。荷電制御剤を添加したことによりコントラストが若
干向上した。
【0032】実施例4 実施例1における粒子Aの作成において、コーティング
の噴霧条件を調整し、樹脂コーティング量を増量した以
外は、同様にして、表示装置を作製した。粒子特性及び
表示機能の評価結果を第1表に示す。樹脂コーティング
量を多くしたので、耐久性(保持率)が若干低下した。
【0033】実施例5 実施例1において、粒子Aへのコーティング樹脂をエポ
キシ樹脂AER6071(旭化成製)と硬化剤スミキュアーM
(住友化学(株)製)とし、その比率を7対2にしにし
た以外は、実施例1と同様にして、表示装置を作製し
た。粒子特性及び表示機能の評価結果を第1表に示す。
帯電電位が大きくなり、耐久性(保持率)が低下した。
【0034】実施例6 実施例1において、粒子Aにコーティングする樹脂をア
クリルウレタン樹脂EAU65B(亜細亜工業(株)製)のみ
とした以外は、同様にして、表示装置を作製した。粒子
特性及び表示機能の評価結果を第1表に示す。架橋剤を
用いないので保存時の劣化が大きくなった。
【0035】比較例1 実施例1において、粒子Aおよび粒子B共に樹脂をコー
ティングせずに、そのまま用いた以外は、同様にして、
表示装置を作製した。粒子特性及び表示機能の評価結果
を第1表に示す。コントラスト比が低く、耐久性(保持
率)も低い。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明により樹脂でコーティングされている粒子を用いる
ことにより、画像表示装置の高機能化を図ることがで
き、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示装置の構造の一例を示す説明
図である。
【図2】本発明の画像表示装置における基板の形状の一
例を示す図である。
【図3】本発明の画像表示装置における基板の形状の一
例を示す図である。
【図4】本発明の画像表示装置における基板の形状の一
例を示す図である。
【図5】樹脂でコーティングされている粒子の構造を示
す図である。
【図6】表面電位の測定に用いられるCRT2000の
説明図である。
【符号の説明】
1、2:基板 3:粒子 4:隔壁 5:スペーサー 6:樹脂 7:ロール形状帯電部材 8:シャフト 9:チャック 10:コロトロン放電器 11:表面電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 和也 東京都小平市小川東町3−5−5 (72)発明者 薬師寺 学 東京都小平市小川東町3−2−6−408 (72)発明者 北野 創 東京都小平市小川東町3−5−5 (72)発明者 川越 隆博 埼玉県所沢市青葉台1302−57

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な対向する基板間
    に、2種以上の色および帯電特性の異なる粒子、または
    1種の粒子を、封入し、前記基板間に電界を与えて、前
    記粒子を移動させ画像を表示する静電画像表示装置にお
    いて、粒子が樹脂でコーティングされていることを特徴
    とする画像表示用粒子。
  2. 【請求項2】 樹脂のコーティング量が、粒子に対して
    0.01〜30重量%である請求項1に記載の画像表示
    用粒子。
  3. 【請求項3】 コーティングされた樹脂が、樹脂中に荷
    電制御剤が添加されたものである請求項1又は請求項2
    に記載の画像表示用粒子。
  4. 【請求項4】 コーティングされた樹脂が、樹脂表面と
    1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に8KV
    の電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電さ
    せた際に、0.3秒後における表面電位が300V以下
    となる樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の画像
    表示用粒子。
  5. 【請求項5】 樹脂コーティング粒子の下記式で表され
    る樹脂成分の溶剤不溶率が50%以上である請求項1〜
    4のいずれかに記載の画像表示用粒子。 溶剤不溶率(%)=(B/A)×100 (但し、Aは樹脂コーティング粒子の樹脂成分の溶剤浸
    漬前重量、Bは良溶媒中に樹脂コーティング粒子を25
    ℃で24時間浸漬後の樹脂成分の重量を示す)
  6. 【請求項6】 粒子が、体積固有抵抗1×1010Ω・cm
    以上の絶縁性粒子である請求項1〜5のいずれかに記載
    の画像表示用粒子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の画像表
    示用粒子を用いたことを特徴とする画像表示装置。
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