JP2003165852A - 耐衝撃性に優れた繊維強化複合材料 - Google Patents

耐衝撃性に優れた繊維強化複合材料

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fiber
composite material
reinforced composite
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excellent impact
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JP2001364961A
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Inventor
Yukihiro Nomura
幸弘 野村
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非常に優れた耐衝撃性を有し、輸送機器の外板
パネルなど耐衝撃性が必要な部位の重量を軽減すること
が可能な繊維強化複合材料を提供すること。 【解決手段】ポリベンザゾール繊維布帛を補強材とする
JIS-K7085に準じた衝撃試験において繊維積層重量当り
のエネルギー吸収量が10Joule/(kg/m2)以上の耐衝撃性
に優れた繊維強化複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化複合材料に
関する。更に詳しくは軽量でかつ耐衝撃性に優れた繊維
強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維を強化材とした繊維強化複合材
料が軽量、高強度の素材として広く使用されるようにな
ってきた。基材の力学特性に優れる炭素繊維強化複合材
料は高い剛性や高い強度が期待できるため部材の肉厚を
薄くすることにより大きな軽量化が実現できている。航
空機を代表とする輸送機器の材料としては優れた適性を
示している。しかしながらこの優れた機械特性を持つ炭
素繊維強化複合材料は衝撃に対しては非常に容易に破壊
することが問題が指摘されている。したがって、衝撃に
耐える複合材料としてアラミド繊維を強化材とする複合
材料あるいは特公平5−10392号公報に記載の高強
度ポリエチレン繊維を強化材とする複合材料など高強度
有機繊維を補強材とする複合材料数多く提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭素繊維強化複合材料
の耐衝撃性を向上は強化繊維である炭素繊維自体が耐衝
撃性に劣るという特性からマトリックス樹脂の耐衝撃性
を向上させる方法が検討されている。例えば従来の繊維
強化複合材料では一般的にマトリックス樹脂にエポキシ
樹脂など熱硬化性樹脂が用いられているが、耐衝撃性に
優れるナイロンなど熱可塑性樹脂を用いるものや、ある
いは熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を分散させるといった
試みがなされている。しかし、熱可塑性樹脂をマトリッ
クス樹脂とする方法は成形が非常に困難であるという問
題点が指摘されている。さらに、これらマトリックス樹
脂での炭素繊維強化複合材料の耐衝撃性能の向上は、マ
トリックス樹脂の応力分担の寄与が小さいため大きな改
善効果を発揮することに至っていない。
【0004】一方、強化繊維の耐衝撃性を向上させる方
法として検討されている高強度有機繊維を強化繊維とし
て使用する方法は確かに繊維の衝撃特性の良さが活かさ
れてはいるが機械特性が炭素繊維に比べ大きく劣ってい
るため、複合材料として耐衝撃性能の大幅な向上は達成
できていない。したがって本発明はこれら繊維強化複合
材料の耐衝撃性を大幅に向上させることを提案するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は以下の構成
からなる。 1.ポリベンザゾール繊維布帛を補強材とするJIS-K708
5に準じた衝撃試験において繊維積層重量当りのエネル
ギー吸収量が10Joule/(kg/m2)以上であることを特徴と
する耐衝撃性に優れた繊維強化複合材料。 2.ポリベンザゾール繊維がポリベンズビスオキサゾー
ル繊維であることを特徴とする1に記載の耐衝撃性に優
れた繊維強化複合材料。 3.JIS-K7085に準じた衝撃試験において繊維積層重量
当りのエネルギー吸収量が15Joule/(kg/m2)以上である
ことを特徴とする1に記載の耐衝撃性に優れた繊維強化
複合材料。
【0006】本発明におけるポリベンザゾール繊維と
は、PBOホモポリマー、及び実質的に85%以上のP
BO成分を含みポリベンザゾール(PBZ)類とのラン
ダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマー
をいう。ここでポリベンザゾール(PBZ)ポリマー
は、例えばWolf等の「Liquid Crystalline Polymer Com
positions, Process and Products」米国特許第4703103
号(1987年10月27日)、「Liquid Crystalline
Polymer Compositions, Process and Products」米国
特許第4533692号(1985年8月6日)、「Liquid Cr
ystalline Poly(2,6-Benzothiazole) Compositions, Pr
ocess and Products」米国特許第4533724号(1985
年8月6日)、「Liquid Crystalline Polymer Composi
tions, Process and Products」米国特許第4533693号
(1985年8月6日)、Eversの「Thermooxidative-l
y Stable Articulated p-Benzobisoxazole and p-Benzo
bisoxazole Polymers」米国特許第4539567号(1982
年11月16日)、Tsaiらの「Method for making Hete
rocyclic Block Copolymer」米国特許第4578432号(1
986年3月25日)、等に記載されている。
【0007】本発明ではこれらポリベンザゾール繊維の
なかでポリベンズビスオキサゾール繊維を繊維強化複合
材料用の強化繊維として用いられると機械特性、特に弾
性率が炭素繊維と同等以上であることから、耐衝撃性だ
けではなく機械特性が優れた繊維強化複合材料を得るこ
とができるため好ましい。
【0008】本発明の繊維強化複合材料におけるマトリ
ックス樹脂は熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のどのタイプ
を用いても良いが、成形加工性に優れた熱硬化性樹脂を
用いることが好ましい。本発明で言う耐衝撃性とは耐破
壊性を指し、所謂CAIなどの被衝撃後の機械特性を維
持向上を目的としない。したがって本発明の効果の検証
はJIS−K7085に準じることが重要である。ま
た、本発明では複合材料の軽量化も重要な要素となって
おり、発明の効果の比較は強化繊維の実重量当りの衝撃
破壊エネルギーの量で行うことが真の効果を検証するた
めに重要である。即ち、本発明における繊維強化複合材
料は、JIS-K7085に準じた衝撃試験において繊維積層重
量当りのエネルギー吸収量が10Joule/(kg/m2)以上であ
ることを特徴とする。好ましくは繊維積層重量当りのエ
ネルギー吸収量が15Joule/(kg/m2)以上である。
【0009】本発明で言う繊維積層重量とは成形板に含
有される強化繊維の単位面積当たりの重量を意味する。
したがって繊維体積含有率を同じにして成形板の厚みを
厚くした場合、当然衝撃吸収エネルギーが増大するが同
時に繊維積層重量も増大するため、繊維積層重量で規格
化されたエネルギー吸収量は大きく変動しない。
【0010】衝撃最大荷重は、衝撃試験での貫通子に加
わる荷重の最大値を示す値であり、高い値が好ましい
が、本発明で目的とする耐衝撃性はこの衝撃最大荷重が
計測された後の挙動が重要となってくる。すなわち衝撃
最大荷重が高くそれ以後急激に荷重が低下する脆性材料
の場合、エネルギー吸収量は大きくならない。逆に衝撃
最大荷重値がさほど大きくない場合でもねばり強く荷重
が低下しない場合、エネルギー吸収量は大きくなる。
【0011】衝撃貫通エネルギーは、上記衝撃試験で得
られる変位と荷重の挙動が示す面積の大小を示してい
る。繰り返しとなるが衝撃最大荷重が高くそれ以後急激
に荷重が低下する脆性材料の場合は得られる曲線で囲ま
れる面積は小さいが衝撃最大荷重値がさほど大きくない
場合でもねばり強く荷重が低下しないものの面積は大き
くなる。
【0012】上記新規な耐衝撃性に優れた繊維強化複合
材料を得るには、当然慎重かつ新規な製造方法が推奨さ
れる。即ち、樹脂中のボイドが多く存在すると強度など
成形材料としての特性が低下するためできる限り気泡が
成形板内に残らない成形方法を選択する必要がある。し
たがって本発明ではプリプレグを基材とした真空バック
成形法、オートクレーブ成形法や織物を基材としたRT
M、RIMなどの方法を用いることが望ましい。
【0013】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説
明する。 (実施例1)表1のに示す東洋紡績株式会社製PBO
繊維ザイロンRHMからなる織布に樹脂を含浸しプリプ
レグを作成した(ザイロンRは東洋紡績株式会社の登録
商標)。こうして得られたプリプレグを10枚積層して
オートクレーブ成形を行い繊維強化複合材料成形板を得
た。成形板の平均厚みは2.18mmであった。
【0014】(比較例1)表1のに示す東レ株式会社
製炭素炭素繊維トレカRT300からなる織布に樹脂を
含浸しプリプレグを作成した(トレカRは東レ株式会社
の登録商標)。こうして得られたプリプレグを10枚積
層してオートクレーブ成形を行い繊維強化複合材料成形
板を得た。成形板の厚みは2.25mmであった。
【0015】(比較例2)表1のに示す日本ダイニー
マ株式会社製ポリエチレン繊維ダイニーマRSK60か
らなる織布に樹脂を含浸しプリプレグを作成した(ダイ
ニーマRは東洋紡績株式会社の登録商標)。こうして得
られたプリプレグを8枚積層してオートクレーブ成形を
行い繊維強化複合材料成形板を得た。成形板の厚みは
2.30mmであった。
【0016】(比較例3)表1のに示す東レ・デュポ
ン株式会社製アラミド繊維ケブラーR49からなる織布
に樹脂を含浸しプリプレグを作成した(ケブラーRは東
レ・デュポン株式会社の登録商標)。こうして得られた
プリプレグを10枚積層してオートクレーブ成形を行い
繊維強化複合材料成形板を得た。成形板の厚みは2.3
2mmであった。
【0017】
【表1】
【0018】以上の手順で得られた4種の繊維強化複合
材料成形板について、下記の条件により衝撃貫通試験を
実施した。 規格:JIS−K7085 落錘重量:5.51kg 先端形状:φ10mm半球状 落下高さ:90cm 衝突速度:4.2m/秒 試料寸法:100mm×100mm 試料固定方法:φ80mm周辺固定 表2に試験の結果を示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明によるとポリベンザゾール繊維を
強化材とする繊維強化複合材料は非常に優れた耐衝撃性
を保有し、輸送機器の外板パネルなど耐衝撃性が必要な
部位の重量を軽減することが可能となり燃料など資源の
節約に大いに役立つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:08 C08L 101:00 C08L 101:00 B29C 67/14 X

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリベンザゾール繊維布帛を補強材とする
    JIS-K7085に準じた衝撃試験において繊維積層重量当り
    のエネルギー吸収量が10Joule/(kg/m2)以上であること
    を特徴とする耐衝撃性に優れた繊維強化複合材料。
  2. 【請求項2】ポリベンザゾール繊維がポリベンズビスオ
    キサゾール繊維であることを特徴とする請求項1に記載
    の耐衝撃性に優れた繊維強化複合材料。
  3. 【請求項3】JIS-K7085に準じた衝撃試験において繊維
    積層重量当りのエネルギー吸収量が15Joule/(kg/m2)以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の耐衝撃性に
    優れた繊維強化複合材料。
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