JP2003164996A - 粉末充填方法および粉末充填装置 - Google Patents
粉末充填方法および粉末充填装置Info
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Abstract
填できる、粉末充填方法および粉末充填装置を提供す
る。 【解決手段】 粉末充填装置10は粉末mを保持する粉
末保持部30を含む。粉末保持部30は、相互の下端部
間に粉末落下口が形成されるようにそれぞれ傾斜して対
向配置される一対の傾斜部材34aおよび34bを含
む。ダイ104に形成されるキャビティ108への粉末
充填時には、傾斜部材34aおよび34bをそれぞれエ
アシリンダ40aおよび40bによって相互に反対方向
に往復運動させ、キャビティ108の長手方向に平行な
力を粉末保持部30内の粉末mに加えながら、キャビテ
ィ108に粉末mを充填する。
Description
び粉末充填装置に関し、より特定的にはダイに形成され
たキャビティに粉末を充填する粉末充填方法および粉末
充填装置に関する。
成形装置において、キャビティに粉末を充填するために
様々な技術が提案されている。小型の成形体を製造する
場合には、ダイに形成されるキャビティの開口がかなり
小さくなるため、粉末が一気に落下してキャビティ開口
部付近で積み上がりキャビティ内に入り難くなる。これ
は粉末特有のブリッジと呼ばれる現象によるものであ
る。このブリッジ現象を回避するために、粉末にバイン
ダを添加することで該粉末よりも粒子径が大きく形状も
丸くなるように造粒された造粒粉が用いられている。こ
のような造粒粉を用いることで、粉末同士の接触面積が
激減して、粉末の流動性が格段に向上する。
粒粉を用いても成形体のさらなる小型化に対応するには
限界がある。そこで、特開2000−197996にお
いて、フィーダーボックスの粉末収容部からキャビティ
へ粉末を導く斜面裏に超音波振動子を設け、フィーダー
ボックスを振動させながら粉末をキャビティに高速で供
給する技術が提案されている。
幅が小さいため粉末内で振動が急速に減衰し、フィーダ
ーボックス内の粉末に万遍なく振動が伝わらず粉末を充
填できない場合があった。特に、キャビティの開口が細
長い場合や弓形状の場合に良好に充填できなかった。そ
れゆえに、この発明の主たる目的は、キャビティの形状
に拘わらず良好に粉末を充填できる、粉末充填方法およ
び粉末充填装置を提供することである。
めに、請求項1に記載の粉末充填方法は、ダイに形成さ
れるキャビティに粉末を充填する粉末充填方法であっ
て、粉末落下口を有する粉末保持部に粉末を供給する第
1ステップ、および粉末保持部の少なくとも一部を用い
てキャビティの長手方向に平行な力を粉末保持部内の粉
末に加えながら粉末をキャビティに充填する第2ステッ
プを備える。請求項2に記載の粉末充填方法は、請求項
1に記載の粉末充填方法において、粉末保持部は、それ
ぞれ傾斜して対向配置されかつ相互の下端部間に粉末落
下口が形成される一対の傾斜部材を用いて形成され、第
2ステップでは、一対の傾斜部材の少なくともいずれか
一方をキャビティの長手方向に平行に往復運動させるこ
とを特徴とする。
2に記載の粉末充填方法において、第2ステップでは、
一対の傾斜部材のそれぞれを相互に反対方向に往復運動
させることを特徴とする。請求項4に記載の粉末充填方
法は、請求項2または3に記載の粉末充填方法におい
て、傾斜部材の往復運動時の移動ストロークが0.1m
m以上10mm以下であることを特徴とする。
1から4のいずれかに記載の粉末充填方法において、キ
ャビティの幅が1mm以上5mm以下であることを特徴
とする。請求項6に記載の粉末充填方法は、請求項1か
ら5のいずれかに記載の粉末充填方法において、粉末は
希土類合金粉末がバインダによって結合された造粒粉で
あることを特徴とする。請求項7に記載の粉末充填装置
は、ダイに形成されるキャビティに粉末を充填する粉末
充填装置であって、粉末落下口を有しかつ粉末を保持す
る粉末保持部、およびキャビティへの粉末充填時に粉末
保持部の少なくとも一部を用いてキャビティの長手方向
に平行な力を粉末保持部内の粉末に加える付加手段を備
える。
7に記載の粉末充填装置において、付加手段は、粉末保
持部の一部を構成する一対の傾斜部材、および一対の傾
斜部材の少なくともいずれか一方をキャビティの長手方
向に平行に往復運動させる駆動手段を含み、一対の傾斜
部材は、相互の下端部間に粉末落下口が形成されるよう
にそれぞれ傾斜して対向配置されることを特徴とする。
請求項9に記載の粉末充填装置は、請求項8に記載の粉
末充填装置において、駆動手段は、一対の傾斜部材のそ
れぞれを相互に反対方向に往復運動させる手段を含むこ
とを特徴とする。
充填時に粉末保持部内の粉末に対してキャビティの長手
方向に平行な力を与える。したがって、落下しようとす
る粉末に対して重力による鉛直方向の力に加えて水平方
向の力を与えることができ、より粉末保持部内の粉末が
流動しやすい状況で粉末落下口からキャビティに充填で
きる。したがって、充填しづらい粉末であってもブリッ
ジを起こすことなく充填できる。請求項7に記載の粉末
成形装置についても同様である。
充填時に少なくともいずれか一方の傾斜部材を往復運動
させればよいので、より簡単な構成で粉末をキャビティ
に良好に充填できる。請求項8に記載の粉末充填装置に
ついても同様である。請求項3に記載の粉末充填方法で
は、粉末充填時に一対の傾斜部材のそれぞれを相互に反
対方向に往復運動させることによって、粉末に対して水
平方向の力をより効果的に与えることができ、粉末をさ
らにほぐしながらキャビティに充填できる。請求項9に
記載の粉末充填装置についても同様である。
(移動量)が0.1mm未満では、移動ストロークが小
さすぎるので、粉末に対して水平方向の力を十分に与え
ることができず粉末を流動しやすい状況でキャビティに
充填できない。一方、移動ストロークが10mmを超え
ると、単位時間当たりの往復回数(周波数)が低下して
給粉時間が長くなってしまう。請求項4に記載の粉末充
填方法では、傾斜部材の移動ストロークを0.1mm以
上10mm以下に設定することによって、粉末をほぐし
ながら良好に短時間でキャビティに充填できる。
に対してキャビティの長手方向に平行な力を与えなくて
も粉末をキャビティに比較的良好に充填できる。言い換
えれば、キャビティの幅が5mm以下になれば粉末の充
填が難しくなる。一方、キャビティの幅が1mm未満で
あれば、幅が狭すぎてそもそも粉末を良好に充填できな
い。したがって、請求項5に記載の粉末充填方法のよう
に、キャビティの幅が1mm以上5mm以下の場合にこ
の発明が有効となり、粉末に上述のような力を加えるこ
とによってキャビティに粉末を良好に充填できる。請求
項6に記載のように粉末に造粒粉を用いれば、粉末同士
の接触面積が激減して流動性が向上するので、粉末をキ
ャビティへより円滑に充填できる。
の実施の形態について説明する。図1に、この発明の一
実施形態の粉末充填装置10が適用されるプレス成形装
置100を示す。プレス成形装置100はダイセット1
02を含む。ダイセット102にはダイ104が嵌め込
まれる。ダイ104にはたとえば非磁性材が用いられ
る。ダイ104には断面短冊状のダイホール106が上
下方向に貫通するように設けられ、下パンチ(図示せ
ず)がダイホール106に下方から嵌入自在に配置され
る。下パンチの上端面とダイホール106の内周面とに
よって任意の容積のキャビティ108が形成される。ダ
イ104の上方にはダイホール106に嵌入可能な上パ
ンチ110が配置される。上パンチ110は矢印Aに示
すように上下方向に移動可能であり、上パンチ110を
キャビティ108内に没入することによって、キャビテ
ィ106内に充填された粉末m(後述)が圧縮され成形
体が得られる。この実施形態では、プレス成形によって
厚みの小さい角板状の成形体が得られる。なお、キャビ
ティ108の長さをL、幅をWとして表す。
で一対の磁場発生コイル112aおよび112bが設け
られ、磁場発生コイル112aおよび112bの中心に
それぞれパーメンジュール等のコア114aおよび11
4bが設けられる。磁場発生コイル112aおよび11
2bに通電することによって、キャビティ108内の粉
末mに矢印B方向のたとえば1.2Tの配向磁場が印加
され、粉末mが配向される。配向磁場は圧縮成形方向と
略直交する方向に印加される。また、ダイセット102
にはベースプレート116が隣接配置される。ベースプ
レート116上には粉末充填装置10が設けられる。
軸ロボットやエアーシリンダ等のアクチュエータによっ
てダイ104上と待機位置とを往復移動する。粉末充填
装置10は、ベースプレート116上の幅方向に設けら
れる一対の板状部材12aおよび12bを含む。一対の
板状部材12aおよび12bは、相互に間隔をおいて配
置され、板状部材12aおよび12b間にはスライド板
14が設けられる。スライド板14には、ダイホール1
06すなわちキャビティ108に対応する貫通孔16が
設けられる。
れガイドレール18aおよび18bが設けられる。ガイ
ドレール18b上には摺動可能なエアシリンダ20が配
置され、ガイドレール18a上にも摺動可能なエアシリ
ンダ22が配置され、スライド板14上には短冊状の板
状部材24が配置され、板状部材24の両端部がそれぞ
れエアシリンダ20および22上に固定される。板状部
材24にもキャビティ108や貫通孔16に対応する貫
通孔26(図2参照)が形成される。エアシリンダ20
の両端部にはエア供給管28が接続される。エア供給管
28からエアシリンダ20へ供給されるエアによって、
エアシリンダ20は矢印Cで示すベースプレート116
の幅方向に移動可能となる。また、エアシリンダ22も
同様な機構により動作する。これに伴って、板状部材2
4ひいては板状部材24上に配置される粉末保持部30
も同様に、ベースプレート116の幅方向に移動可能と
なる。
末充填装置10の移動方向に間隔をおいて対面する略逆
三角形状(または逆台形状)の一対の側壁32aおよび
32bと、粉末充填装置10の移動方向と平行に設けら
れる略T字状かつ板状の一対の傾斜部材34aおよび3
4bとを含む。傾斜部材34aは側壁32aおよび32
bの一方側縁部に接触するように、傾斜部材34bは側
壁32aおよび32bの他方側縁部に接触するように、
それぞれ傾斜してかつ相互に対向配置される。これによ
って、粉末保持部30は、横断面長方形かつ縦断面略逆
三角形(または逆台形)の粉末収容部30aを有し、粉
末収容部30aの横断面が上端部側から下端部側へ徐々
に狭くなり、かつ下端部には粉末落下口36(図2参
照)が形成される。粉末落下口36は、キャビティ10
8と同様、ベースプレート116の長手方向に延びて形
成される。なお、貫通孔16、26および粉末落下口3
6の幅方向の寸法は、キャビティ108の幅Wと略等し
く設定される。
ばステンレス鋼が用いられ、バフ仕上げなどで表面が平
滑にされる。表面粗度が大きすぎると給粉時に粉末mが
傾斜部材34aおよび34bの表面上に残り、給粉でき
ないおそれがあるからである。傾斜部材34aおよび3
4bの傾斜角度は、充填される粉末mが有する流動性に
応じて設定される。図示しない秤量装置によって、キャ
ビティ108に充填すべき1回のプレス成形に必要とさ
れる粉末mの量が量られたのち、その量の粉末mが粉末
保持部30に供給される。このように個別秤量すること
によって単重ばらつきが軽減される。粉末mにはたとえ
ば希土類合金粉末が用いられる。
にはそれぞれ、板状部材38aおよび38bが固定さ
れ、さらにエアシリンダ40aおよび40bが設けられ
る。エアシリンダ40aおよび40bのそれぞれの一方
端は側壁32aに取り付けられ、他方端にはエア供給管
42aおよび42bが取り付けられる。エア供給管42
aおよび42bからエアを供給することによって、エア
シリンダ40aおよび40bのスライダ44aおよび4
4bがキャビティ108の長手方向に往復運動し、それ
によって傾斜部材34aおよび34bが矢印Dで示す方
向すなわちキャビティ108の長手方向に往復運動(ス
ライド)する。
部内側にはそれぞれ、リニアベアリング46aおよび4
6bが固定される。リニアベアリング46aおよび46
bは、それぞれ図示しない棒状部材を介してエアシリン
ダ40aおよび40bに連結される。傾斜部材34aお
よび34bの移動ストロークは、0.1mm以上10m
m以下に設定することが好ましい。この場合、粉末mを
ほぐしながら良好に短時間でキャビティ108に充填で
きる。なお、粉末保持部30が粉末mを問題なく保持で
きるように、傾斜部材34aおよび34bは、往復運動
するときも、傾斜部材34aが側壁32aおよび32b
の一方側縁部に接触しかつ傾斜部材34bが側壁32a
および32bの他方側縁部に接触した状態を維持し続け
る。
給パイプから大気圧より高い圧力で窒素ガスなどの不活
性ガスが供給され、粉末保持部30内は不活性ガス雰囲
気に保たれる。粉末保持部30内を気密にするために粉
末保持部30上には上蓋48が設けられる。上蓋48
は、開口を有する枠体50と枠体50の開口を開閉する
シャッタ52とを含む。シャッタ52の一端部には、固
定部材54を介して、シャッタ52を移動するためのエ
アシリンダ56が固定される。エアシリンダ56のシリ
ンダシャフト58は、板状部材24上に取り付けられた
L字状の金具60を貫通して固定部材54に取り付けら
れる。シリンダシャフト58が矢印Eで示すようにベー
スプレート116の長手方向に移動することによって、
シャッタ52が移動し、枠体50の開口が開閉される。
性ガス雰囲気に保つために通常は枠体50の開口を閉じ
るように配置され、粉末補給時のみエアシリンダ56方
向(図1に示す位置)に移動され、粉末保持部30の上
面が開口される。
ついて図1、図2および図3を参照して説明する。粉末
保持部30には窒素ガスなどの不活性ガスが導入されて
いる。この状態で、粉末保持部30上のシャッタ52が
開蓋して、1回のプレス成形で必要とされる所定量の粉
末mが粉末保持部30に供給される。粉末mの供給後、
シャッタ52を閉じて粉末保持部30の内部を不活性ガ
ス雰囲気に保つ。
動させて、粉末mが搭載された粉末保持部30をダイ1
04上に移動させる。このときは未だ、図2(a)に示
すように、粉末保持部30の粉末落下口36および板状
部材24の貫通孔26は、スライド板14の貫通孔16
およびダイ104のダイホール106すなわちキャビテ
ィ108上にはなく、キャビティ108への給粉はなさ
れていない。粉末保持部30がダイ104上に到着した
ら、エアシリンダ20を駆動させて、板状部材24およ
び粉末保持部30をベースプレート116の幅方向すな
わち矢印C1方向へスライドさせ、図2(b)に示すよ
うに、粉末落下口36および貫通孔26を、貫通孔16
およびキャビティ108上に位置決めし、粉末落下口3
6をキャビティ108に連通させる。
を駆動させて、傾斜部材34aおよび34bを矢印D方
向に往復運動させながら、粉末mを落下させキャビティ
108へ給粉する。このとき、図3(a)および(b)
に示すように、傾斜部材34aと34bとは相互に反対
方向に往復運動する。
了すると、図2(c)に示すように、板状部材24およ
び粉末保持部30を矢印C2方向にスライドさせて元の
位置に戻し、さらに、粉末充填装置10を待機位置まで
後退させる。そして、上パンチ110を降下させた状態
で磁場発生コイル112aおよび112bによって配向
磁場を発生させつつ、キャビティ108内の粉末mをプ
レス成形する。この間に退去した粉末保持部30に対し
て秤量された粉末mが補給される。上述の操作を繰り返
して粉末mのプレス作業が連続して行われる。
粉末保持部30内の粉末mに対してキャビティ108の
長手方向に平行な力を与える。したがって、落下しよう
とする粉末mに対して重力による鉛直方向の力に加えて
水平方向の力を与えることができ、粉末保持部30内の
粉末mの流動性を向上させて粉末落下口36から粉末m
を落下させキャビティ108に充填できる。また、傾斜
部材34aおよび34bのそれぞれを相互に反対方向に
往復運動させることによって、粉末mに対して水平方向
の運動エネルギーをより効果的に与えて、粉末間の摩擦
を静摩擦から動摩擦に変えて、粉末m中で発生している
ブリッジを壊しながら個々の粉末をキャビティ108に
充填できる。
ティ108の幅Wが1mm以上5mm以下のとき効果的
である。幅Wがこのように狭い場合、従来では粉末充填
装置において、秤量装置から粉末を受ける側よりキャビ
ティへ粉末を充填する側の方が開口が極めて狭くなるた
め、キャビティの開口付近に粉末の積層によるブリッジ
が発生して給粉が困難であった。しかし、粉末充填装置
10によれば、粉末mをほぐすことができるので、幅W
がこのように狭いときでもブリッジを発生することなく
粉末mを高速に充填でき、また、キャビティ108内の
充填密度ばらつきを低減できる。したがって、キャビテ
ィの横断面形状が図1に示す実施形態のように細長い場
合や図4に示すように弓形状の場合にも良好に充填でき
る。粉末mの流動性が悪い場合には特に効果的である。
粉末mを、プレス成形装置100によってプレスするこ
とによって密度の均一性が高い成形体を得ることがで
き、密度の不均一から生じるひびや割れさらに変形の発
生を防止できる。また、プレス成形装置100のように
成形体を「1個取り」することによって、歩留まりを向
上でき、コストを下げることができる。また、配向磁場
が圧縮方向と直交する方向に印加されるため、配向性に
すぐれた成形体すなわち磁気特性にすぐれた磁石を得る
ことができる。なお、粉末充填時に、傾斜部材34aお
よび34bのうち少なくともいずれか一方のみを往復運
動させるようにしてもよい。この場合、より簡単な構成
で粉末mをキャビティ108に良好に充填できる。
4,770,723号および米国特許第4,792,3
68号の明細書に記載されているR−Fe−B系合金粉
末にバインダとして成形用潤滑剤を添加して作製された
造粒粉を用いれば、粉末m同士の接触面積が激減してさ
らに流動性が向上するので、粉末mをキャビティ108
へさらに円滑に充填できる。
マルパラフィン、イソパラフィンおよび解重合オリゴマ
のなかから選択される少なくとも1種の造粒剤を用い
る。勿論これらの複数を混合して用いてもよい。解重合
オリゴマとしては、イソブチレンとノルマルブチレンの
共重合体、イソブチレンの単一重合体、メタクリル酸ア
ルキル(たとえば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャリーブ
チル)の単一重合体または共重合体、アルキレングリコ
ール(たとえば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール)の単一重合体または共重合体が好ましい。解重
合オリゴマは、分子中に比較的多くの分岐構造を有し、
それ故に、比較的粘度が高く、適度な結合力を有すると
考えられる。
上させるために、テルペン系樹脂(たとえば、ロジン、
テルペンフェノールレジン、リモネンの二量体)または
脂肪族系樹脂(たとえば、ブチレンやペンテンなどの重
合体)を添加してもよい。これらの添加量は、0.05
質量%〜1.0質量%の範囲が好ましい。これらの造粒
剤は、潤滑性を有するとともに、適度な結合力を有し、
且つ、脱バインダ性に優れている。上記造粒剤の平均分
子量は、120〜500の範囲内にあることが好まし
い。平均分子量が120を下回るものは結合力が弱く、
安定な造粒粉を得ることがむずかしい。また、平均分子
量が500を超えるものは、焼結体中に残存する炭素量
が多くなり、磁気特性を低下させるので好ましくない。
平均分子量が140〜450の範囲内にあるものがさら
に好ましい。
については沸点で好ましい材料を特定することもでき、
沸点が80℃〜250℃の範囲内にあるものが好まし
い。沸点が80℃を下回るものは結合力が弱く、安定な
造粒粉を得ることがむずかしく、沸点が250℃を超え
るものは、焼結体中に残存する炭素量が多くなり磁気特
性を低下させるので好ましくない。ノルマルパラフィン
およびイソパラフィンとしては、平均分子量が140〜
450の範囲内にあるものまたは沸点が100℃〜23
0℃の範囲内にあるものがさらに好ましく、比較的少量
の添加で、充分な効果を得ることができる。勿論、ノル
マルパラフィン、イソパラフィンおよび解重合オリゴマ
の2種以上を混合して用いる場合は、それぞれが上記の
条件を満足することが好ましい。
粉末の質量に対して0.1質量%〜50質量%の範囲内
にあることが好ましい。造粒剤の添加量が0.1質量%
よりも少ないと粉末(1次粒子)を造粒することができ
ず、50質量%を超えると結合力が強すぎ、造粒粉を磁
界の印加で崩壊させることがむずかしく、且つ、焼結体
中の残存炭素量が多くなり、磁気特性を低下させるの
で、好ましくない。造粒剤の添加量は、0.1質量%〜
10質量%がさらに好ましく、0.2質量%〜10質量
%がさらに好ましい。
て実行される。たとえば、攪拌混合造粒法、振動造粒法
や転動造粒法などを用いて実行することができるが、流
動層造粒法を用いることが好ましい。流動層造粒法を用
いると、球形に近い形状の造粒粉を得ることができると
ともに、適度な固さの造粒粉を得ることができる。造粒
粉が球形に近い形状を有していると、流動性および成形
性に優れる。また、造粒粉の固さは、造粒剤の影響も受
けるが、上述したように固すぎても柔らか過ぎても不都
合を生じる。流動層造粒法で造粒するための造粒装置と
して、不二パウダル株式会社製のスイング・プロセッサ
を好適に用いることができる。
ィ108の幅Wがより狭くなっても良好に充填できる。
バインダとしては上記油剤の他、PVA等も使用でき
る。造粒粉の平均粒径は10μm以上1000μm以下
であり、成形用潤滑剤の結合力が弱いため、このような
造粒粉は柔らかく壊れやすい大きな塊である。そこで、
スライド板14を用いることによって、粉末充填装置1
0内の造粒粉はキャビティ108に充填するまで外気に
さらされないので、造粒粉表面のバインダが揮発せず、
造粒粉としての特性を保つことができる。
法(たとえば米国特許第5,383,978号参照)等
の急冷法(冷却速度102℃/秒〜104℃/秒)によっ
て製造された原料粉末をジェットミル等で粉砕し、得ら
れた角張った形状の粉末を、粉末mとして用いる場合に
も効果的である。粉末mが角張った形状であれば、流動
性は悪いが、傾斜部材34aおよび34bの往復運動に
よって、粉末間の摩擦を低減させながらキャビティ10
8に粉末mを良好に充填できる。その結果、流動性の悪
い急冷法によって製造された粉末であってもブリッジを
起こすことなく充填できる。また、キャビティ108の
幅Wが狭いときでも、急冷法によって製造された平均粒
径1.5μm〜6μm(FSSS粒径)の粉末mを良好
に充填できる。
填装置10を用いて粉末充填した場合と、超音波振動子
による振動方式である従来技術を用いて粉末充填した場
合とを比較した。粉末充填装置10において、傾斜部材
34aおよび34bの往復運動時の移動ストロークは5
mm、周波数は5Hz、往復時間は2秒とした。粉末m
には、R−Fe−B系合金粉末にラウリル酸エチルを添
加して造粒した造粒粉が用いられ、平均粒径は80μm
であった。プレス成形して得られた成形体の寸法は、5
0mm(長さ)×5mm(幅)×50mm(高さ)であ
った。実験の結果、ダイホールすなわちキャビティの幅
が5mm以下の場合、粉末充填装置10を用いれば粉末
を充填できたが、従来技術では粉末を充填できなかっ
た。
て、キャビティ108の長手方向に平行な力を与えると
き、粉末落下口36近傍の粉末mに対してのみ力を加え
るようにしてもよい。そのための手段は任意であるが、
たとえば傾斜部材34aおよび34bのうちそれぞれの
下部のみを往復運動させる。このようにしても、粉末m
は、往復運動する傾斜部材34aおよび34bの下部間
を必ず通過するので、ほぐされた状態で粉末落下口36
を通過し、キャビティ108に供給される。
に対して付与される力の方向は、ダイホール106すな
わちキャビティ108の長手方向である。したがって、
矢印B方向の寸法の方が長くなるようにキャビティ10
8が形成されている(たとえば図1に示すキャビティ1
08が矢印B方向に細長く形成されている)場合には、
粉末保持部内の粉末にも矢印B方向の力を付与すること
になり、それに応じて粉末充填装置の構成も適宜変更さ
れる。なお、この明細書における「キャビティの長手方
向」とは、図1に示すような短冊状の開口を有するキャ
ビティ108の場合には長さLの方向をいい、図4に示
すような弓形状の開口を有するキャビティ108aの場
合には長さL1の方向をいう。
をほぐしながら粉末落下口から落下させキャビティに充
填できる。したがって、キャビティの形状に拘わらずブ
リッジを起こすことなく良好に粉末を充填できる。
Claims (9)
- 【請求項1】 ダイに形成されるキャビティに粉末を充
填する粉末充填方法であって、 粉末落下口を有する粉末保持部に前記粉末を供給する第
1ステップ、および前記粉末保持部の少なくとも一部を
用いて前記キャビティの長手方向に平行な力を前記粉末
保持部内の前記粉末に加えながら前記粉末を前記キャビ
ティに充填する第2ステップを備える、粉末充填方法。 - 【請求項2】 前記粉末保持部は、それぞれ傾斜して対
向配置されかつ相互の下端部間に前記粉末落下口が形成
される一対の傾斜部材を用いて形成され、前記第2ステ
ップでは、前記一対の傾斜部材の少なくともいずれか一
方を前記キャビティの長手方向に平行に往復運動させ
る、請求項1に記載の粉末充填方法。 - 【請求項3】 前記第2ステップでは、前記一対の傾斜
部材のそれぞれを相互に反対方向に往復運動させる、請
求項2に記載の粉末充填方法。 - 【請求項4】 前記傾斜部材の往復運動時の移動ストロ
ークが0.1mm以上10mm以下である、請求項2ま
たは3に記載の粉末充填方法。 - 【請求項5】 前記キャビティの幅が1mm以上5mm
以下である、請求項1から4のいずれかに記載の粉末充
填方法。 - 【請求項6】 前記粉末は希土類合金粉末がバインダに
よって結合された造粒粉である、請求項1から5のいず
れかに記載の粉末充填方法。 - 【請求項7】 ダイに形成されるキャビティに粉末を充
填する粉末充填装置であって、 粉末落下口を有しかつ前記粉末を保持する粉末保持部、
および前記キャビティへの粉末充填時に前記粉末保持部
の少なくとも一部を用いて前記キャビティの長手方向に
平行な力を前記粉末保持部内の前記粉末に加える付加手
段を備える、粉末充填装置。 - 【請求項8】 前記付加手段は、 前記粉末保持部の一部を構成する一対の傾斜部材、およ
び前記一対の傾斜部材の少なくともいずれか一方を前記
キャビティの長手方向に平行に往復運動させる駆動手段
を含み、 前記一対の傾斜部材は、相互の下端部間に前記粉末落下
口が形成されるようにそれぞれ傾斜して対向配置され
る、請求項7に記載の粉末充填装置。 - 【請求項9】 前記駆動手段は、前記一対の傾斜部材の
それぞれを相互に反対方向に往復運動させる手段を含
む、請求項8に記載の粉末充填装置。
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---|---|---|---|
JP2001368467A JP2003164996A (ja) | 2001-12-03 | 2001-12-03 | 粉末充填方法および粉末充填装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001368467A Pending JP2003164996A (ja) | 2001-12-03 | 2001-12-03 | 粉末充填方法および粉末充填装置 |
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Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007075837A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Tdk Corp | 粉末供給装置及び粉末供給方法 |
-
2001
- 2001-12-03 JP JP2001368467A patent/JP2003164996A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007075837A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Tdk Corp | 粉末供給装置及び粉末供給方法 |
JP4618504B2 (ja) * | 2005-09-12 | 2011-01-26 | Tdk株式会社 | 粉末供給装置及び粉末供給方法 |
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