JP2003164976A - 摩擦攪拌接合用回転ツールおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並びに摩擦攪拌接合装置 - Google Patents
摩擦攪拌接合用回転ツールおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並びに摩擦攪拌接合装置Info
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【課題】被接合材の突き合わせ部分全長にわたって、余
盛による仮付け部分を含めて、摩擦攪拌接合による一様
な接合力が得る。 【解決手段】摩擦攪拌接合用回転ツール１１は、余盛を
切除する２つの切り刃１１Ａ，１１Ｂを有する。２つの
被接合材に対して、それらの突き合わせ部分に沿って回
転ツール１１を回転させながら移動させることで、切り
刃１１Ａ，１１Ｂにて余盛を除去しながら同時に摩擦攪
拌接合する。回転ツール１１は、ツール本体１２の先端
側に、先端にピン１５を有するショルダ部１４を設けて
なる。前記ショルダ部１４からツール本体１２の先端部
にかけて、２つの切り刃１１Ａ，１１Ｂを対称に形成す
る。
盛による仮付け部分を含めて、摩擦攪拌接合による一様
な接合力が得る。 【解決手段】摩擦攪拌接合用回転ツール１１は、余盛を
切除する２つの切り刃１１Ａ，１１Ｂを有する。２つの
被接合材に対して、それらの突き合わせ部分に沿って回
転ツール１１を回転させながら移動させることで、切り
刃１１Ａ，１１Ｂにて余盛を除去しながら同時に摩擦攪
拌接合する。回転ツール１１は、ツール本体１２の先端
側に、先端にピン１５を有するショルダ部１４を設けて
なる。前記ショルダ部１４からツール本体１２の先端部
にかけて、２つの切り刃１１Ａ，１１Ｂを対称に形成す
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、突き合わせ部分
が余盛にて仮付けされた２つの被接合材を、摩擦攪拌接
合用回転ツールを前記突き合わせ部分に沿って回転させ
ながら移動させることで摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合
用回転ツールおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並び
に摩擦攪拌接合装置に関する。
が余盛にて仮付けされた２つの被接合材を、摩擦攪拌接
合用回転ツールを前記突き合わせ部分に沿って回転させ
ながら移動させることで摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合
用回転ツールおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並び
に摩擦攪拌接合装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、２つの被接合材を突き合わせ
て接合する場合に、その接合時に生じる熱歪みが小さ
く、接合後に良好な形状精度が維持される固相接合法と
して、摩擦攪拌接合法が知られている（例えば特開２０
００−３４３２５０号公報、特開２００１−４７２５８
号公報参照）。
て接合する場合に、その接合時に生じる熱歪みが小さ
く、接合後に良好な形状精度が維持される固相接合法と
して、摩擦攪拌接合法が知られている（例えば特開２０
００−３４３２５０号公報、特開２００１−４７２５８
号公報参照）。
【０００３】この摩擦攪拌接合法に用いられる摩擦攪拌
接合用回転ツールは、円柱形状のツール本体の先端側
に、摩擦攪拌接合のためのピンを先端に有するショルダ
部が連設されてなる。そして、摩擦攪拌接合する場合に
は、前記回転ツールのピンを、２つの被接合材の突き合
わせ部分に所定深さまでさし込み、前記ピンを高速回転
させながら前記突き合わせ部分に沿って移動させる。こ
れにより、被接合材の突き合わせ部分は、前記ピンおよ
びショルダ部の摺接による摩擦熱で温度が上昇し、前記
ピンの高速回転で摩擦攪拌された金属が被接合材の間
（突き合わせ部分）で塑性流動する。そして、前記ピン
が通過すると、その通過後の突き合わせ部分は熱源が失
われるため、急激に冷却され、被接合材が接合される。
塑性流動した金属は、回転ツールのショルダ部で被接合
材の上方への流出を規制されながら、進行方向の後方に
送られ、ピンの通過後を埋めるようになっている。
接合用回転ツールは、円柱形状のツール本体の先端側
に、摩擦攪拌接合のためのピンを先端に有するショルダ
部が連設されてなる。そして、摩擦攪拌接合する場合に
は、前記回転ツールのピンを、２つの被接合材の突き合
わせ部分に所定深さまでさし込み、前記ピンを高速回転
させながら前記突き合わせ部分に沿って移動させる。こ
れにより、被接合材の突き合わせ部分は、前記ピンおよ
びショルダ部の摺接による摩擦熱で温度が上昇し、前記
ピンの高速回転で摩擦攪拌された金属が被接合材の間
（突き合わせ部分）で塑性流動する。そして、前記ピン
が通過すると、その通過後の突き合わせ部分は熱源が失
われるため、急激に冷却され、被接合材が接合される。
塑性流動した金属は、回転ツールのショルダ部で被接合
材の上方への流出を規制されながら、進行方向の後方に
送られ、ピンの通過後を埋めるようになっている。
【０００４】ところで、前記２つの被接合材が摩擦攪拌
接合中に位置がずれないように、前記摩擦攪拌接合に先
立って、２つの被接合材の被接合部分を突き合わせ、そ
の突き合わせ部分を一定間隔毎に余盛仮付け溶接し、余
盛により仮付けした状態で摩擦攪拌接合するのが一般的
である。
接合中に位置がずれないように、前記摩擦攪拌接合に先
立って、２つの被接合材の被接合部分を突き合わせ、そ
の突き合わせ部分を一定間隔毎に余盛仮付け溶接し、余
盛により仮付けした状態で摩擦攪拌接合するのが一般的
である。
【０００５】また、例えば特開２０００−３４３２５０
号公報に記載されるように、Ｉ型開先を形成し、一定間
隔でもって溶接により仮付けした状態で、その仮付け部
分を除いて摩擦攪拌接合することも知られている。
号公報に記載されるように、Ｉ型開先を形成し、一定間
隔でもって溶接により仮付けした状態で、その仮付け部
分を除いて摩擦攪拌接合することも知られている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
余盛仮付け溶接による場合には、仮付け部分を含めて突
き合わせ部分の全長にわたって摩擦攪拌接合するが、摩
擦攪拌接合用回転ツールのピンが、仮付け部分では所定
深さまで挿入されないため、十分な塑性流動が引き起こ
されず、その仮付け部分においては十分な接合力が得ら
れない。
余盛仮付け溶接による場合には、仮付け部分を含めて突
き合わせ部分の全長にわたって摩擦攪拌接合するが、摩
擦攪拌接合用回転ツールのピンが、仮付け部分では所定
深さまで挿入されないため、十分な塑性流動が引き起こ
されず、その仮付け部分においては十分な接合力が得ら
れない。
【０００７】一方、後者のＩ型開先を形成する場合に
は、仮付け部分では摩擦攪拌接合を行わないので、前者
に比べてさらに接合力が弱くなる。それに加えて、摩擦
攪拌接合時に回転ツールを仮付け部分の手前で上昇させ
た後、その部分を通過後に回転ツールを加工させる必要
があるので、回転ツールの操作が複雑になり、作業時間
がかかり、作業効率が悪い。
は、仮付け部分では摩擦攪拌接合を行わないので、前者
に比べてさらに接合力が弱くなる。それに加えて、摩擦
攪拌接合時に回転ツールを仮付け部分の手前で上昇させ
た後、その部分を通過後に回転ツールを加工させる必要
があるので、回転ツールの操作が複雑になり、作業時間
がかかり、作業効率が悪い。
【０００８】そこで、発明者は、被接合材の突き合わせ
部分に沿って回転ツールを回転させながら移動させて摩
擦攪拌接合する際に、仮付けの余盛を切除しながら移動
させれば、被接合材の突き合わせ部分全長にわたって回
転ツールのピンを所定深さまで挿入でき、前記突き合わ
せ部分全長にわたって一様な接合力が得られるというこ
とに着想し、本発明をなすに至ったものである。なお、
前記特開２００１−４７２５８号公報に記載の回転ツー
ルは、摩擦攪拌接合時に発生するバリに下向きの力を加
えながら被接合材を摩擦攪拌接合するものであり、移動
中に余盛を除去できないものである。
部分に沿って回転ツールを回転させながら移動させて摩
擦攪拌接合する際に、仮付けの余盛を切除しながら移動
させれば、被接合材の突き合わせ部分全長にわたって回
転ツールのピンを所定深さまで挿入でき、前記突き合わ
せ部分全長にわたって一様な接合力が得られるというこ
とに着想し、本発明をなすに至ったものである。なお、
前記特開２００１−４７２５８号公報に記載の回転ツー
ルは、摩擦攪拌接合時に発生するバリに下向きの力を加
えながら被接合材を摩擦攪拌接合するものであり、移動
中に余盛を除去できないものである。
【０００９】この発明は、仮付け部分を含めて、被接合
部分（突き合わせ部分）全長にわたって、摩擦攪拌接合
による一様な接合力が得られる摩擦攪拌接合用回転ツー
ルおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並びに摩擦攪拌
接合装置を提供することを目的とするものである。
部分（突き合わせ部分）全長にわたって、摩擦攪拌接合
による一様な接合力が得られる摩擦攪拌接合用回転ツー
ルおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並びに摩擦攪拌
接合装置を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、突き
合わせ部分が余盛仮付け溶接された２つの被接合材に対
して、前記突き合わせ部分に沿って摩擦攪拌接合用回転
ツールを回転させながら移動させ、前記２つの被接合材
を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合装置の前記摩擦攪拌接
合用回転ツールであって、前記突き合わせ部分に沿って
回転させながら移動させて摩擦攪拌接合する際に、前記
余盛を切除する切り刃を備えるものである。ここで、前
記余盛仮付け溶接としては、ＴＩＧ溶接やＭＩＧ溶接な
どの溶融溶接が含まれる。
合わせ部分が余盛仮付け溶接された２つの被接合材に対
して、前記突き合わせ部分に沿って摩擦攪拌接合用回転
ツールを回転させながら移動させ、前記２つの被接合材
を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合装置の前記摩擦攪拌接
合用回転ツールであって、前記突き合わせ部分に沿って
回転させながら移動させて摩擦攪拌接合する際に、前記
余盛を切除する切り刃を備えるものである。ここで、前
記余盛仮付け溶接としては、ＴＩＧ溶接やＭＩＧ溶接な
どの溶融溶接が含まれる。
【００１１】このように構成すれば、摩擦攪拌接合用回
転ツールが、余盛を切除する切り刃を備えているので、
被接合材の突き合わせ部分の接合開始位置において前記
回転ツールのピンを所定深さまで挿入し、前記回転ツー
ルを前記２つの被接合材の突き合わせ部分に沿って回転
させながら移動させることで、仮付け部分では、前記切
り刃により余盛を除去しながら、前記２つの被接合材が
それらの突き合わせ部分において摩擦攪拌接合される。
よって、仮付け部分を含めて、被接合部分（突き合わせ
部分）全長にわたって、一様な塑性流動が引き起こさ
れ、摩擦攪拌接合による一様な接合力が得られる。
転ツールが、余盛を切除する切り刃を備えているので、
被接合材の突き合わせ部分の接合開始位置において前記
回転ツールのピンを所定深さまで挿入し、前記回転ツー
ルを前記２つの被接合材の突き合わせ部分に沿って回転
させながら移動させることで、仮付け部分では、前記切
り刃により余盛を除去しながら、前記２つの被接合材が
それらの突き合わせ部分において摩擦攪拌接合される。
よって、仮付け部分を含めて、被接合部分（突き合わせ
部分）全長にわたって、一様な塑性流動が引き起こさ
れ、摩擦攪拌接合による一様な接合力が得られる。
【００１２】そして、摩擦攪拌接合用回転ツールそのも
のが、余盛を切除する切り刃を備えるので、通常の摩擦
攪拌接合の場合と同様に前記回転ツールを回転させなが
ら、２つの被接合材の突き合わせ部分に沿って移動させ
るだけで、切り刃による余盛の除去と回転ツールによる
被接合材の摩擦攪拌接合とが同時に並行して行われるよ
うになる。摩擦攪拌接合する際には、余盛により仮付け
強度が維持されている状態が確保されている。
のが、余盛を切除する切り刃を備えるので、通常の摩擦
攪拌接合の場合と同様に前記回転ツールを回転させなが
ら、２つの被接合材の突き合わせ部分に沿って移動させ
るだけで、切り刃による余盛の除去と回転ツールによる
被接合材の摩擦攪拌接合とが同時に並行して行われるよ
うになる。摩擦攪拌接合する際には、余盛により仮付け
強度が維持されている状態が確保されている。
【００１３】よって、回転ツールを回転させながら突き
合わせ部分に沿って移動させるだけで、突き合わせ部分
全長にわたって一様な接合力となるように、摩擦攪拌接
合することができる。すなわち、余盛が良好な摩擦攪拌
接合を邪魔することがない。
合わせ部分に沿って移動させるだけで、突き合わせ部分
全長にわたって一様な接合力となるように、摩擦攪拌接
合することができる。すなわち、余盛が良好な摩擦攪拌
接合を邪魔することがない。
【００１４】また、回転ツールを回転させながら突き合
わせ部分に沿って移動させるだけであり、仮付けのため
の余盛に対し摩擦攪拌接合の前後においてなんら処理を
しなくてもよいので、摩擦攪拌接合作業に要する時間が
大幅に短縮され、作業効率も著しく向上する。
わせ部分に沿って移動させるだけであり、仮付けのため
の余盛に対し摩擦攪拌接合の前後においてなんら処理を
しなくてもよいので、摩擦攪拌接合作業に要する時間が
大幅に短縮され、作業効率も著しく向上する。
【００１５】請求項２に記載のように、円柱形状のツー
ル本体の先端側に、先端にピンを有するショルダ部が形
成され、前記ショルダ部から前記ツール本体の先端部に
かけて、前記切り刃が形成されていることが望ましい。
ル本体の先端側に、先端にピンを有するショルダ部が形
成され、前記ショルダ部から前記ツール本体の先端部に
かけて、前記切り刃が形成されていることが望ましい。
【００１６】このようにすれば、ショルダ部からツール
本体の先端部にかけて、切り刃が形成されるので、従来
の回転ツールの基本形状を変更することなく、余盛を除
去する切り刃を設けることができる。とくに、切り刃を
ショルダ部からツール本体の先端部にかけて設けるよう
にしているので、回転ツールを回転させながら移動させ
る際に、切り刃によって除去された余盛が、切り刃の刃
面に沿って、摩擦攪拌接合を行っている部分から離れた
部位にまで排出され、摩擦攪拌接合している部分に巻き
込まれ、その接合に悪影響を及ぼすおそれもない。
本体の先端部にかけて、切り刃が形成されるので、従来
の回転ツールの基本形状を変更することなく、余盛を除
去する切り刃を設けることができる。とくに、切り刃を
ショルダ部からツール本体の先端部にかけて設けるよう
にしているので、回転ツールを回転させながら移動させ
る際に、切り刃によって除去された余盛が、切り刃の刃
面に沿って、摩擦攪拌接合を行っている部分から離れた
部位にまで排出され、摩擦攪拌接合している部分に巻き
込まれ、その接合に悪影響を及ぼすおそれもない。
【００１７】請求項３に記載のように、前記切り刃は、
複数個が対称に設けられている構成とすることが望まし
い。
複数個が対称に設けられている構成とすることが望まし
い。
【００１８】このようにすれば、複数個の切り刃が対称
に設けられるので、摩擦攪拌接合用回転ツールを回転さ
せながら移動させる際に、余盛の切除が複数の切り刃に
よってバランスよく行われ、単一の切り刃によって余盛
を切除する場合に比べて、余盛の切除と摩擦攪拌接合と
を同時に行うことによる回転ツールの負担が軽減され
る。
に設けられるので、摩擦攪拌接合用回転ツールを回転さ
せながら移動させる際に、余盛の切除が複数の切り刃に
よってバランスよく行われ、単一の切り刃によって余盛
を切除する場合に比べて、余盛の切除と摩擦攪拌接合と
を同時に行うことによる回転ツールの負担が軽減され
る。
【００１９】請求項４の発明は、突き合わせ部分が余盛
仮付け溶接された２つの被接合材に対して、前記突き合
わせ部分に沿って摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させ
ながら移動させ、前記２つの被接合材を摩擦攪拌接合す
る摩擦攪拌接合方法において、前記摩擦攪拌接合用回転
ツールを回転させながら移動させる際に、前記余盛を除
去しながら同時に摩擦攪拌接合するものである。
仮付け溶接された２つの被接合材に対して、前記突き合
わせ部分に沿って摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させ
ながら移動させ、前記２つの被接合材を摩擦攪拌接合す
る摩擦攪拌接合方法において、前記摩擦攪拌接合用回転
ツールを回転させながら移動させる際に、前記余盛を除
去しながら同時に摩擦攪拌接合するものである。
【００２０】このようにすれば、回転ツールを回転させ
ながら移動させる際に、余盛を除去しながら同時に摩擦
攪拌接合するので、余盛により仮付け強度が維持されて
いる状態でもって摩擦攪拌接合される。よって、２つの
被接合材の相対位置がずれることなく、接合される。
ながら移動させる際に、余盛を除去しながら同時に摩擦
攪拌接合するので、余盛により仮付け強度が維持されて
いる状態でもって摩擦攪拌接合される。よって、２つの
被接合材の相対位置がずれることなく、接合される。
【００２１】そして、その場合、前記余盛を除去しなが
ら同時に摩擦攪拌接合するためには、請求項５に記載の
ように、前記摩擦攪拌接合用回転ツールを、請求項１〜
３のいずれかに記載のものとすることで、回転ツールを
回転させながら移動させる際に、余盛を除去しながら同
時に摩擦攪拌接合を行うことを簡単に実現することがで
きる。
ら同時に摩擦攪拌接合するためには、請求項５に記載の
ように、前記摩擦攪拌接合用回転ツールを、請求項１〜
３のいずれかに記載のものとすることで、回転ツールを
回転させながら移動させる際に、余盛を除去しながら同
時に摩擦攪拌接合を行うことを簡単に実現することがで
きる。
【００２２】請求項６の発明は、突き合わせ部分が余盛
仮付け溶接された２つの被接合材に対して、前記突き合
わせ部分に沿って摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させ
ながら移動させ、前記２つの被接合材を摩擦攪拌接合す
る摩擦攪拌接合装置において、前記摩擦攪拌接合用回転
ツールが、請求項１〜３のいずれかに記載のものであ
り、前記回転ツールを回転させながら移動させる際に、
前記余盛を除去しながら同時に接合することを可能とし
たものであり、請求項１〜３のいずれかに記載のものと
同様な効果を奏することができる。
仮付け溶接された２つの被接合材に対して、前記突き合
わせ部分に沿って摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させ
ながら移動させ、前記２つの被接合材を摩擦攪拌接合す
る摩擦攪拌接合装置において、前記摩擦攪拌接合用回転
ツールが、請求項１〜３のいずれかに記載のものであ
り、前記回転ツールを回転させながら移動させる際に、
前記余盛を除去しながら同時に接合することを可能とし
たものであり、請求項１〜３のいずれかに記載のものと
同様な効果を奏することができる。
【００２３】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に沿って説明する。
面に沿って説明する。
【００２４】図１は本発明に係る摩擦攪拌接合装置の全
体構成を示す斜視図、図２は本発明に係る摩擦攪拌接合
装置に用いる摩擦攪拌接合用回転ツールを示す要部正面
図、図３は同底面図である。
体構成を示す斜視図、図２は本発明に係る摩擦攪拌接合
装置に用いる摩擦攪拌接合用回転ツールを示す要部正面
図、図３は同底面図である。
【００２５】本発明に係る摩擦攪拌接合装置１は、図１
に示すように、接合予定の被接合材Ｗ１，Ｗ２を載置す
る平坦なベッド２の長手方向に沿って門形フレーム３が
走行可能に配設されている。この門形フレーム３は水平
フレーム部３ａを上部に有し、その水平フレーム部３ａ
に、可動部材４が、それに設けられたスライダ４ａを介
して左右方向（Ｙ方向）に移動可能に設けられている。
可動部材４には、接合ヘッド５が上下方向（Ｚ方向）に
昇降可能に設けられている。
に示すように、接合予定の被接合材Ｗ１，Ｗ２を載置す
る平坦なベッド２の長手方向に沿って門形フレーム３が
走行可能に配設されている。この門形フレーム３は水平
フレーム部３ａを上部に有し、その水平フレーム部３ａ
に、可動部材４が、それに設けられたスライダ４ａを介
して左右方向（Ｙ方向）に移動可能に設けられている。
可動部材４には、接合ヘッド５が上下方向（Ｚ方向）に
昇降可能に設けられている。
【００２６】前記接合ヘッド５は、上部にモータ（図示
せず）を内蔵し、下端部には、前記モータによって回転
駆動される摩擦攪拌接合用回転ツール１１が回転可能に
支承されている。
せず）を内蔵し、下端部には、前記モータによって回転
駆動される摩擦攪拌接合用回転ツール１１が回転可能に
支承されている。
【００２７】前記回転ツール１１は、図２および図３に
示すように、円柱状の胴部１２Ａの先端（下端）側に先
端に向かって先細のテーパー部１２Ｂが連設されてツー
ル本体１２とされている。そのツール本体１２（テーパ
ー部１２Ｂ）の先端に円柱状のショルダ部１４が連設さ
れ、そのショルダ部１４の先端面の中心部より下方に、
摩擦攪拌接合のためのピン１５が突出している。前記シ
ョルダ部１４およびピン１５は、ツール本体１２に対し
同軸状に連設されている。また、前記ツール本体１２
（胴部１２Ａ）の基端部が、接合ヘッド５のチャック部
（図示せず）に着脱可能にクランプされている。
示すように、円柱状の胴部１２Ａの先端（下端）側に先
端に向かって先細のテーパー部１２Ｂが連設されてツー
ル本体１２とされている。そのツール本体１２（テーパ
ー部１２Ｂ）の先端に円柱状のショルダ部１４が連設さ
れ、そのショルダ部１４の先端面の中心部より下方に、
摩擦攪拌接合のためのピン１５が突出している。前記シ
ョルダ部１４およびピン１５は、ツール本体１２に対し
同軸状に連設されている。また、前記ツール本体１２
（胴部１２Ａ）の基端部が、接合ヘッド５のチャック部
（図示せず）に着脱可能にクランプされている。
【００２８】また、前記ショルダ部１４からツール本体
１２の先端部にかけて、具体的にはショルダ部１４の上
端からツール本体１２（テーパー部１２Ｂ）の下部ま
で、余盛Ｓを除去する切り刃１１Ａ，１１Ｂが形成さ
れ、前記余盛Ｓを除去しながら同時に接合することを可
能としている。そして、切り刃１１Ａ，１１Ｂの先端が
ショルダ部１４の先端面（下端面）と一致している。よ
って、摩擦攪拌接合するために前記用回転ツール１１の
ピン１５を、突き合わせ部分に所定深さまで挿入して、
回転ツール１１を回転させながら移動させる際に、切り
刃１１Ａ，１１Ｂによって被接合材Ｗ１，Ｗ２の表面を
傷つけるおそれがない。
１２の先端部にかけて、具体的にはショルダ部１４の上
端からツール本体１２（テーパー部１２Ｂ）の下部ま
で、余盛Ｓを除去する切り刃１１Ａ，１１Ｂが形成さ
れ、前記余盛Ｓを除去しながら同時に接合することを可
能としている。そして、切り刃１１Ａ，１１Ｂの先端が
ショルダ部１４の先端面（下端面）と一致している。よ
って、摩擦攪拌接合するために前記用回転ツール１１の
ピン１５を、突き合わせ部分に所定深さまで挿入して、
回転ツール１１を回転させながら移動させる際に、切り
刃１１Ａ，１１Ｂによって被接合材Ｗ１，Ｗ２の表面を
傷つけるおそれがない。
【００２９】また、前記切り刃１１Ａ，１１Ｂは、図３
に示すように、それぞれ先端側がほぼ９０度をなすよう
な２つの刃面１１Ａａ，１１Ａｂ，１１Ｂａ，１１Ｂｂ
を組み合わせて形成されている。そして、刃面１１Ａ
ｂ，１１Ｂｂは、先端から離れる従って深さが徐々に浅
くなる湾曲面とされている。２つの切り刃１１Ａ，１１
Ｂは、対称な位置関係になるように設けられている。
に示すように、それぞれ先端側がほぼ９０度をなすよう
な２つの刃面１１Ａａ，１１Ａｂ，１１Ｂａ，１１Ｂｂ
を組み合わせて形成されている。そして、刃面１１Ａ
ｂ，１１Ｂｂは、先端から離れる従って深さが徐々に浅
くなる湾曲面とされている。２つの切り刃１１Ａ，１１
Ｂは、対称な位置関係になるように設けられている。
【００３０】なお、前記回転ツール１１は、被接合材Ｗ
１，Ｗ２（例えばアルミ合金）よりも硬質で剛性の高い
材料で形成されている。
１，Ｗ２（例えばアルミ合金）よりも硬質で剛性の高い
材料で形成されている。
【００３１】上記被接合材Ｗ１，Ｗ２は、ベッド２上に
長手方向に沿って載置されるが、被接合材Ｗ１，Ｗ２の
長辺を突き合わせた状態で、治具（図示せず）にて固定
されている。なお、被接合材Ｗ１，Ｗ２は、突き合わせ
部分が一定間隔でもって余盛Ｓ（図４参照）にて余盛仮
付け溶接されている。この余盛仮付け溶接は、被接合材
Ｗ１，Ｗ２の材質に近い材料からなる溶接材を用いて行
われる。また、被接合材Ｗ１，Ｗ２の両端は、２枚のタ
ブ板ｊ，ｊ（捨て板）が溶接により固着され、そのタブ
板ｊ，ｊの突き合わせ部分も溶接により固着されてい
る。
長手方向に沿って載置されるが、被接合材Ｗ１，Ｗ２の
長辺を突き合わせた状態で、治具（図示せず）にて固定
されている。なお、被接合材Ｗ１，Ｗ２は、突き合わせ
部分が一定間隔でもって余盛Ｓ（図４参照）にて余盛仮
付け溶接されている。この余盛仮付け溶接は、被接合材
Ｗ１，Ｗ２の材質に近い材料からなる溶接材を用いて行
われる。また、被接合材Ｗ１，Ｗ２の両端は、２枚のタ
ブ板ｊ，ｊ（捨て板）が溶接により固着され、そのタブ
板ｊ，ｊの突き合わせ部分も溶接により固着されてい
る。
【００３２】前記ベッド２の左右両側にはレール６が互
いに平行に配設され、門形フレーム３が前記レール６に
沿って前後方向（Ｘ方向）に走行可能である。門形フレ
ーム３の移動によって、前記２つの被接合材Ｗ１，Ｗ２
の突き合わせ部分の上方を接合ヘッド５が移動する。こ
の接合ヘッド５の移動のときに、回転ツール１１を回転
させると共に回転ツール１１を加圧力制御しながら、前
記突き合わせ部分に沿って移動させ、摩擦攪拌接合する
ようになっている。
いに平行に配設され、門形フレーム３が前記レール６に
沿って前後方向（Ｘ方向）に走行可能である。門形フレ
ーム３の移動によって、前記２つの被接合材Ｗ１，Ｗ２
の突き合わせ部分の上方を接合ヘッド５が移動する。こ
の接合ヘッド５の移動のときに、回転ツール１１を回転
させると共に回転ツール１１を加圧力制御しながら、前
記突き合わせ部分に沿って移動させ、摩擦攪拌接合する
ようになっている。
【００３３】上記装置によれば、摩擦攪拌接合用回転ツ
ール１１が、余盛Ｓを切除する切り刃１１Ａ，１１Ｂを
対称に備えているので、図４に示すように、加圧力制御
される摩擦攪拌接合用回転ツール１１を前記突き合わせ
部分に沿って回転させながら移動させることで、前記切
り刃１１Ａ，１１Ｂにより余盛Ｓを除去しながら、摩擦
攪拌接合することになる。このとき、前記回転ツール１
１は、前記切り刃１１Ａ，１１Ｂにより余盛Ｓを除去し
ながら移動するので、回転ツール１１の回転により摩擦
攪拌接合されているときには、２つの被接合材Ｗ１，Ｗ
２の仮付け強度は維持されている。
ール１１が、余盛Ｓを切除する切り刃１１Ａ，１１Ｂを
対称に備えているので、図４に示すように、加圧力制御
される摩擦攪拌接合用回転ツール１１を前記突き合わせ
部分に沿って回転させながら移動させることで、前記切
り刃１１Ａ，１１Ｂにより余盛Ｓを除去しながら、摩擦
攪拌接合することになる。このとき、前記回転ツール１
１は、前記切り刃１１Ａ，１１Ｂにより余盛Ｓを除去し
ながら移動するので、回転ツール１１の回転により摩擦
攪拌接合されているときには、２つの被接合材Ｗ１，Ｗ
２の仮付け強度は維持されている。
【００３４】前記切り刃１１Ａ，１１Ｂは、ショルダ部
１４からテーパー部１２Ｂにかけて設けられているの
で、切り刃１１Ａ，１１Ｂによって除去された余盛Ｓ
が、切り刃１１Ａ，１１Ｂの刃面１１Ａａ，１１Ａｂ，
１１Ｂａ，１１Ｂｂに沿って、摩擦攪拌接合部分から離
れた部位にまで排出される。よって、切り刃１１Ａ，１
１Ｂによって除去された余盛Ｓが、前記２つの被接合材
Ｗ１，Ｗ２の突き合わせ部分の摩擦攪拌接合に悪影響を
及ぼすおそれがない。
１４からテーパー部１２Ｂにかけて設けられているの
で、切り刃１１Ａ，１１Ｂによって除去された余盛Ｓ
が、切り刃１１Ａ，１１Ｂの刃面１１Ａａ，１１Ａｂ，
１１Ｂａ，１１Ｂｂに沿って、摩擦攪拌接合部分から離
れた部位にまで排出される。よって、切り刃１１Ａ，１
１Ｂによって除去された余盛Ｓが、前記２つの被接合材
Ｗ１，Ｗ２の突き合わせ部分の摩擦攪拌接合に悪影響を
及ぼすおそれがない。
【００３５】図５に示すように、前記ピン１５が被接合
材Ｗ１，Ｗ２の突き合わせ部分に挿入された状態で前記
ピン１５を高速回転することにより、２つの切り刃１１
Ａ，１１Ｂによる余盛Ｓの切除と同時に、ピン１５およ
びショルダ部１４の摺接による摩擦熱で温度が上昇し、
ピン１５の回転で摩擦攪拌された金属が被接合材Ｗ１，
Ｗ２の間で塑性流動する。そして、ピン１５が通過する
と、熱源が失われるため、急激に冷却され、被接合材Ｗ
１，Ｗ２が接合される。つまり、摩擦攪拌接合に影響に
ないように仮付け強度を確保しつつ、回転ツール１１の
回転により切り刃１１Ａ，１１Ｂを回転して余盛Ｓを除
去する。それと共に、ピン１５の高速回転により攪拌さ
れ塑性流動した金属は、ツール１１のショルダ部１４に
よって上方への流出を規制しながら、進行方向の後方に
送られ、ピン１５の通過後の突き合わせ部分を埋め、摩
擦攪拌接合される。
材Ｗ１，Ｗ２の突き合わせ部分に挿入された状態で前記
ピン１５を高速回転することにより、２つの切り刃１１
Ａ，１１Ｂによる余盛Ｓの切除と同時に、ピン１５およ
びショルダ部１４の摺接による摩擦熱で温度が上昇し、
ピン１５の回転で摩擦攪拌された金属が被接合材Ｗ１，
Ｗ２の間で塑性流動する。そして、ピン１５が通過する
と、熱源が失われるため、急激に冷却され、被接合材Ｗ
１，Ｗ２が接合される。つまり、摩擦攪拌接合に影響に
ないように仮付け強度を確保しつつ、回転ツール１１の
回転により切り刃１１Ａ，１１Ｂを回転して余盛Ｓを除
去する。それと共に、ピン１５の高速回転により攪拌さ
れ塑性流動した金属は、ツール１１のショルダ部１４に
よって上方への流出を規制しながら、進行方向の後方に
送られ、ピン１５の通過後の突き合わせ部分を埋め、摩
擦攪拌接合される。
【００３６】このように、摩擦攪拌接合用回転ツール１
１の切り刃１１Ａ，１１Ｂにて、余盛Ｓを除去しなが
ら、同時に摩擦攪拌接合されるので、突き合わせ部分の
全長にわたってピン１５を所定深さまで挿入した状態で
回転させながら移動させることができる。よって、一定
間隔でもって余盛Ｓが存在するにもかかわらず、被接合
材Ｗ１，Ｗ２の突き合わせ部分全長にわたって、一様な
塑性流動が引き起こすことができ、前記突き合わせ部分
の全長にわたって一様な接合力がえられる。また、余盛
Ｓに対し特別な処理を施すことなく、回転ツール１１を
回転させながら突き合わせ部分に沿って移動させるだけ
であるので、摩擦攪拌接合作業に要する時間も短く、作
業効率も著しく向上する。
１の切り刃１１Ａ，１１Ｂにて、余盛Ｓを除去しなが
ら、同時に摩擦攪拌接合されるので、突き合わせ部分の
全長にわたってピン１５を所定深さまで挿入した状態で
回転させながら移動させることができる。よって、一定
間隔でもって余盛Ｓが存在するにもかかわらず、被接合
材Ｗ１，Ｗ２の突き合わせ部分全長にわたって、一様な
塑性流動が引き起こすことができ、前記突き合わせ部分
の全長にわたって一様な接合力がえられる。また、余盛
Ｓに対し特別な処理を施すことなく、回転ツール１１を
回転させながら突き合わせ部分に沿って移動させるだけ
であるので、摩擦攪拌接合作業に要する時間も短く、作
業効率も著しく向上する。
【００３７】また、そのような余盛Ｓを除去する切り刃
１１Ａ，１１Ｂを、ショルダ部１４からツール本体１２
（テーパー部１２Ｂ）にかけて形成するようにしている
ので、従来の回転ツールの基本形状を変更することな
く、余盛Ｓを除去する切り刃１１Ａ，１１Ｂを簡単に設
けることができる。
１１Ａ，１１Ｂを、ショルダ部１４からツール本体１２
（テーパー部１２Ｂ）にかけて形成するようにしている
ので、従来の回転ツールの基本形状を変更することな
く、余盛Ｓを除去する切り刃１１Ａ，１１Ｂを簡単に設
けることができる。
【００３８】それに加えて、前記回転ツール１１には、
２つ（複数個）の切り刃１１Ａ，１１Ｂが対称に設けら
れているので、余盛Ｓの切除が複数の切り刃１１Ａ，１
１Ｂによってバランスよく行われ、余盛Ｓの切除と摩擦
攪拌接合とを同時に行うことによる回転ツール１１に対
する負担が軽減される。
２つ（複数個）の切り刃１１Ａ，１１Ｂが対称に設けら
れているので、余盛Ｓの切除が複数の切り刃１１Ａ，１
１Ｂによってバランスよく行われ、余盛Ｓの切除と摩擦
攪拌接合とを同時に行うことによる回転ツール１１に対
する負担が軽減される。
【００３９】本発明は、以上説明した実施の形態に制限
されることなく、次のように変更することも可能であ
る。 （１）前記実施の形態においては、２つの切り刃１１
Ａ，１１Ｂを対称に設ける 構造であるが、切り刃は、３つ以上を対称に設ける構造
であってもよいし、１つだけ設ける構造であってもよ
い。 （２）前記実施の形態においては、２つの切り刃１１
Ａ，１１Ｂを、回転ツール１１のショルダ部１４からツ
ール本体１２の先端部（テーパー部１２Ｂ）にかけて設
けるようにしているが、ツール本体１２まで延びないよ
うにショルダ部１４だけに設けるようにしてもよい。そ
のほか、例えばショルダ部１４の外側にショルダ部１４
とは別に切り刃を設けるようにしてもよいし、回転ツー
ルとは別体の切り刃とし、その切り刃が回転ツールと一
緒に移動するようにしてもよい。
されることなく、次のように変更することも可能であ
る。 （１）前記実施の形態においては、２つの切り刃１１
Ａ，１１Ｂを対称に設ける 構造であるが、切り刃は、３つ以上を対称に設ける構造
であってもよいし、１つだけ設ける構造であってもよ
い。 （２）前記実施の形態においては、２つの切り刃１１
Ａ，１１Ｂを、回転ツール１１のショルダ部１４からツ
ール本体１２の先端部（テーパー部１２Ｂ）にかけて設
けるようにしているが、ツール本体１２まで延びないよ
うにショルダ部１４だけに設けるようにしてもよい。そ
のほか、例えばショルダ部１４の外側にショルダ部１４
とは別に切り刃を設けるようにしてもよいし、回転ツー
ルとは別体の切り刃とし、その切り刃が回転ツールと一
緒に移動するようにしてもよい。
【００４０】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように実施
され、以下に述べるような効果を奏する。
され、以下に述べるような効果を奏する。
【００４１】請求項１の発明は、突き合わせ部分が余盛
仮付け溶接された２つの被接合材に対して、前記突き合
わせ部分に沿って回転させながら移動させる際に、切り
刃にて余盛を除去しながら、同時に前記２つの被接合材
を摩擦攪拌接合するので、被接合材の突き合わせ部分全
長にわたって、一様な塑性流動が引き起こすことがで
き、被接合材の突き合わせ部分全長にわたって一様な接
合力が得ることがかのうとなる。
仮付け溶接された２つの被接合材に対して、前記突き合
わせ部分に沿って回転させながら移動させる際に、切り
刃にて余盛を除去しながら、同時に前記２つの被接合材
を摩擦攪拌接合するので、被接合材の突き合わせ部分全
長にわたって、一様な塑性流動が引き起こすことがで
き、被接合材の突き合わせ部分全長にわたって一様な接
合力が得ることがかのうとなる。
【００４２】また、余盛仮付け溶接による仮付け後に回
転ツールを回転させながら突き合わせ部分に沿って移動
させるだけで摩擦攪拌接合できるので、仮付けのための
余盛に対し、摩擦攪拌接合の前後においてなんの処理も
しなくてもよく、摩擦攪拌接合作業に要する時間を短縮
して、作業効率を著しく向上させることができる。
転ツールを回転させながら突き合わせ部分に沿って移動
させるだけで摩擦攪拌接合できるので、仮付けのための
余盛に対し、摩擦攪拌接合の前後においてなんの処理も
しなくてもよく、摩擦攪拌接合作業に要する時間を短縮
して、作業効率を著しく向上させることができる。
【００４３】請求項２に記載のように、ショルダ部から
ツール本体の先端部にかけて、前記切り刃を形成すれ
ば、従来の回転ツールの基本形状を変更することなく、
余盛を除去するための切り刃を簡単に設けることができ
る。そして、そのように切り刃をショルダ部からツール
本体の先端部にかけて設けるようにすれば、前記回転ツ
ールを回転させながら移動させる際には、切り刃によっ
て除去された余盛が、切り刃の刃面に沿って、摩擦攪拌
接合されている部分から離れた部位にまで排出すること
ができる。
ツール本体の先端部にかけて、前記切り刃を形成すれ
ば、従来の回転ツールの基本形状を変更することなく、
余盛を除去するための切り刃を簡単に設けることができ
る。そして、そのように切り刃をショルダ部からツール
本体の先端部にかけて設けるようにすれば、前記回転ツ
ールを回転させながら移動させる際には、切り刃によっ
て除去された余盛が、切り刃の刃面に沿って、摩擦攪拌
接合されている部分から離れた部位にまで排出すること
ができる。
【００４４】請求項３に記載のように、前記切り刃が、
複数個が対称に設けられている構成とすれば、余盛の切
除を複数の切り刃によってバランスよく行うことがで
き、単一の切り刃による場合に比べて、回転ツールを回
転させながら移動させる際に、余盛の切除と摩擦攪拌接
合とを同時に行うことによる回転ツールの負担を軽減す
ることができる。
複数個が対称に設けられている構成とすれば、余盛の切
除を複数の切り刃によってバランスよく行うことがで
き、単一の切り刃による場合に比べて、回転ツールを回
転させながら移動させる際に、余盛の切除と摩擦攪拌接
合とを同時に行うことによる回転ツールの負担を軽減す
ることができる。
【００４５】請求項４の発明は、余盛仮付け溶接された
２つの被接合材の突き合わせ部分に沿って回転ツールを
回転させながら移動させる際に、前記余盛を除去しなが
ら同時に摩擦攪拌接合するようにしているので、回転ツ
ールを回転させながら突き合わせ部分に沿って移動させ
るだけで、仮付けのための余盛の影響を受けることなく
前記突き合わせ部分全長にわたって一様な接合力を得る
ことができる。
２つの被接合材の突き合わせ部分に沿って回転ツールを
回転させながら移動させる際に、前記余盛を除去しなが
ら同時に摩擦攪拌接合するようにしているので、回転ツ
ールを回転させながら突き合わせ部分に沿って移動させ
るだけで、仮付けのための余盛の影響を受けることなく
前記突き合わせ部分全長にわたって一様な接合力を得る
ことができる。
【００４６】請求項５に記載のように、摩擦攪拌接合用
回転ツールとして、請求項１〜３のいずれかに記載のも
のを用いるようにすれば、請求項４の発明と同様の効果
を簡単に奏することができる。
回転ツールとして、請求項１〜３のいずれかに記載のも
のを用いるようにすれば、請求項４の発明と同様の効果
を簡単に奏することができる。
【００４７】請求項６の発明は、請求項１〜請求項３の
いずれかに記載の摩擦攪拌接合用回転ツールを用いる摩
擦攪拌接合装置であり、請求項１〜３の発明と同様な効
果を奏することができる。
いずれかに記載の摩擦攪拌接合用回転ツールを用いる摩
擦攪拌接合装置であり、請求項１〜３の発明と同様な効
果を奏することができる。
【図１】本発明に係る摩擦攪拌接合装置の全体構成を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図２】本発明に係る摩擦攪拌接合装置に用いる摩擦攪
拌接合用回転ツールを示す要部正面図である。
拌接合用回転ツールを示す要部正面図である。
【図３】同底面図である。
【図４】本発明に係る摩擦攪拌接合用回転ツールの動作
の説明図である。
の説明図である。
【図５】本発明に係る摩擦攪拌接合用回転ツールの動作
の説明図である。
の説明図である。
Ｓ 余盛
Ｗ１，Ｗ２ 被接合材
１ 摩擦攪拌接合装置
１１ 摩擦攪拌接合用回転ツール
１１Ａ，１１Ｂ 切り刃
１１Ａａ，１１Ａｂ，１１Ｂａ，１１Ｂｂ 刃面
１２ ツール本体
１２Ａ 胴部
１２Ｂ テーパー部
１４ ショルダ部
１５ ピン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 山下 政一郎
兵庫県神戸市兵庫区和田山通２丁目１番18
号 川崎重工業株式会社兵庫工場内
Ｆターム(参考） 4E067 BG00 CA01 CA04
Claims (6)
- 【請求項１】 突き合わせ部分が余盛仮付け溶接された
２つの被接合材に対して、前記突き合わせ部分に沿って
摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させながら移動させ、
前記２つの被接合材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合装
置の前記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、 前記突き合わせ部分に沿って回転させながら移動させて
摩擦攪拌接合する際に、前記余盛を切除する切り刃を備
えることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 【請求項２】 円柱形状のツール本体の先端側に、先端
にピンを有するショルダ部が形成され、 前記ショルダ部から前記ツール本体の先端部にかけて、
前記切り刃が形成されている請求項１記載の摩擦攪拌接
合用回転ツール。 - 【請求項３】 前記切り刃は、複数個が対称に設けられ
ている請求項１又は２記載の摩擦攪拌接合用回転ツー
ル。 - 【請求項４】 突き合わせ部分が余盛仮付け溶接された
２つの被接合材に対して、前記突き合わせ部分に沿って
摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させながら移動させ、
前記２つの被接合材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方
法において、 前記摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させながら移動さ
せる際に、前記余盛を除去しながら同時に摩擦攪拌接合
することを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 【請求項５】 前記摩擦攪拌接合用回転ツールが、請求
項１〜３のいずれかに記載のものである請求項４記載の
摩擦攪拌接合方法。 - 【請求項６】 突き合わせ部分が余盛仮付け溶接された
２つの被接合材に対して、前記突き合わせ部分に沿って
摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させながら移動させ、
前記２つの被接合材を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合装
置において、前記摩擦攪拌接合用回転ツールが、請求項
１〜３のいずれかに記載のものであり、 前記摩擦攪拌接合用回転ツールを回転させながら移動さ
せる際に、前記余盛を除去しながら同時に摩擦攪拌接合
することを可能としたことを特徴とする摩擦攪拌接合装
置。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001360680A JP2003164976A (ja) | 2001-11-27 | 2001-11-27 | 摩擦攪拌接合用回転ツールおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並びに摩擦攪拌接合装置 |
| CN02152722A CN1421295A (zh) | 2001-11-27 | 2002-11-20 | 磨擦搅拌焊接的旋转工具及磨擦搅拌焊接方法和装置 |
| US10/301,828 US20030098335A1 (en) | 2001-11-27 | 2002-11-20 | Rotating tool for friction stir welding, and method and apparatus of friction stir welding using it |
| EP02258015A EP1314509A3 (en) | 2001-11-27 | 2002-11-21 | Friction stir welding |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001360680A JP2003164976A (ja) | 2001-11-27 | 2001-11-27 | 摩擦攪拌接合用回転ツールおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並びに摩擦攪拌接合装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003164976A true JP2003164976A (ja) | 2003-06-10 |
Family
ID=19171452
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001360680A Pending JP2003164976A (ja) | 2001-11-27 | 2001-11-27 | 摩擦攪拌接合用回転ツールおよびそれを用いた摩擦攪拌接合方法並びに摩擦攪拌接合装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003164976A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008290132A (ja) * | 2007-05-25 | 2008-12-04 | Yamashita Rubber Co Ltd | 摩擦撹拌ツール |
| JP2015036153A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 株式会社Uacj | 摩擦撹拌接合方法 |
| KR20210006173A (ko) * | 2019-07-08 | 2021-01-18 | (주) 성부 | 접합 범위가 소재 초과시 필요로 하는 더미의 자동 공급 장치 및 이를 이용한 더미의 절단 방법 |
| CN113182734A (zh) * | 2021-03-29 | 2021-07-30 | 深圳市正达飞智能卡有限公司 | 一种智能卡碰焊机用上料装置 |
| CN115555861A (zh) * | 2022-09-29 | 2023-01-03 | 哈尔滨工业大学（威海） | 一种提高铝合金熔化焊接接头疲劳性能的装置及方法 |
-
2001
- 2001-11-27 JP JP2001360680A patent/JP2003164976A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008290132A (ja) * | 2007-05-25 | 2008-12-04 | Yamashita Rubber Co Ltd | 摩擦撹拌ツール |
| JP2015036153A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 株式会社Uacj | 摩擦撹拌接合方法 |
| KR20210006173A (ko) * | 2019-07-08 | 2021-01-18 | (주) 성부 | 접합 범위가 소재 초과시 필요로 하는 더미의 자동 공급 장치 및 이를 이용한 더미의 절단 방법 |
| KR102267017B1 (ko) | 2019-07-08 | 2021-06-18 | (주) 성부 | 접합 범위가 소재 초과시 필요로 하는 더미의 자동 공급 장치 및 이를 이용한 더미의 절단 방법 |
| CN113182734A (zh) * | 2021-03-29 | 2021-07-30 | 深圳市正达飞智能卡有限公司 | 一种智能卡碰焊机用上料装置 |
| CN115555861A (zh) * | 2022-09-29 | 2023-01-03 | 哈尔滨工业大学（威海） | 一种提高铝合金熔化焊接接头疲劳性能的装置及方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040413 |