JP2003164893A - 有機性排水の嫌気処理方法及び装置 - Google Patents

有機性排水の嫌気処理方法及び装置

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元之 依田
Yoshimi Taguchi
佳美 田口
Kazuto Kobayashi
一人 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 嫌気分解過程においてプロピオン酸を経由し
て分解される基質を含む有機性排水を嫌気処理するに当
たり、プロピオン酸を確実に分解してその残留を防止
し、安定した高負荷処理を可能とする。 【解決手段】 プロピオン酸を経て嫌気分解される基質
を含む有機性排水を酸生成工程及びメタン発酵工程を経
て嫌気処理するに当たり、第1段目の嫌気反応槽2から
のメタン発酵処理水を更に第2段目の嫌気反応槽3で処
理して残留するプロピオン酸を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嫌気分解過程にお
いてプロピオン酸を経由して分解される基質を含む有機
性排水を嫌気処理する方法及び装置に係り、特にプロピ
オン酸の残留を防止して安定した高負荷処理を可能とす
る嫌気処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機物の嫌気処理においては、糖又はタ
ンパク等の基質が酪酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸
及びエタノールに分解され、この低級脂肪酸が酢酸及び
水素に分解され、さらに酢酸がメタンに分解される。こ
の基質から酪酸、プロピオン酸等を生成させる反応は
「酸生成反応」と云われ、酸生成細菌が主たる反応を担
っている。
【0003】このような嫌気処理システムの律速段階
は、酢酸や水素からメタンを生成する「メタン発酵」と
されており、従って、この段階を担うメタン生成細菌の
菌体濃度や活性を上げることが、処理効率向上のための
最も重要な要件であるとされている。このため、酸生成
細菌とメタン生成細菌の生育の場を別に設定する二相処
理が導入されている。
【0004】しかしながら、二相処理による場合であっ
ても、二段目のメタン発酵処理を高負荷で行ったり、緩
やかな負荷であっても水温が最適水温よりも低い、或い
はpHが最適pHよりも低いなど、最適条件を外れた条
件で処理を行うと、プロピオン酸が残留する。一度、処
理水にプロピオン酸が残留すると、生成したプロピオン
酸によってpHが低下したり、またプロピオン酸の分解
がプロピオン酸そのものの濃度阻害によってより遅くな
り、負荷を大幅に低下させない限り処理水質も向上しな
いようになる。
【0005】なお、嫌気処理プロセスの酸生成反応にお
いて生成した酪酸やプロピオン酸から酢酸を生成する酢
酸生成反応は、標準状態では反応が進行しにくく、酢酸
濃度や、生成する水素ガスの分圧が非常に低い状態での
み進行する。この酢酸生成反応を担う微生物は、酢酸や
水素が速やかにメタンに転換される環境でしか良好に生
育することができない共生細菌であり、嫌気処理を行う
微生物群の中でも最も繊細な微生物である。
【0006】このような酢酸生成細菌に比べて、酢酸を
メタンに転換するメタン生成細菌は、それほど繊細では
なく、従って、この酢酸生成細菌が良好に活動できる条
件を整えてプロピオン酸を分解させることが嫌気処理の
効率向上のために重要であり、原水を希釈したり、低負
荷でも長時間かけて処理を行うしか対応策が無かった。
【0007】ところで、食品工業や紙パルプ産業から排
出される有機性排水は、糖やアルコールのほか、酢酸な
どの有機酸を含む排水が多いが、これらの排水の嫌気処
理においては必ずしも全ての基質がプロピオン酸を経由
して分解されるわけではなく、これらの排水処理におい
て発生するメタンのうちプロピオン酸経由のメタンはお
よそ30%以下と推定される。従って、前述の如き、プ
ロピオン酸の蓄積が急激に起こることは、一部の高濃度
排水の処理の場合を除いてそれほど多くはない。
【0008】しかし、食品工業及び紙パルプ工業以外の
化学工業等からの産業排水には、分解経路上、必ずプロ
ピオン酸を経由して分解される基質を含むものが多く存
在している。例えば、プロパノール、プロピレングリコ
ールなどは溶媒や樹脂その他の化学品原料、不凍液など
として利用されているが、これらの物質の嫌気分解は全
てプロピオン酸を経由する。その他、ジプロピレングリ
コール、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルなどの物質も、プロピオン酸を経由し
て嫌気分解される。
【0009】これらの嫌気分解経路でプロピオン酸を必
ず経由する物質は、常に排水負荷が変動しない条件、或
いは阻害物質の混入しないような条件であって、汚泥中
にプロピオン酸→酢酸への分解が速やかに行われるよう
な微生物叢が形成される状態であれば十分に処理するこ
とが可能であるが、排水負荷の変動(水量、水質)など
によってこれらの物質の負荷が急激に上昇する場合や、
pH低下、水温低下、阻害物質の流入などにより処理条
件が悪化する場合には、プロピオン酸が分解されずに蓄
積する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、プロピレ
ングリコール、プロパノールなど、プロピオン酸を経て
メタンに分解される基質を含む排水の嫌気処理におい
て、高負荷条件での運転を継続する場合;負荷変動が著
しい場合;水温、pHなどの処理条件が悪化する場合;
或いは、塩類濃度が高かったり阻害物質を含む原水であ
る場合;等においては、中間代謝物であるプロピオン酸
が処理水中に残留して蓄積し、これにより、処理水質の
悪化、汚泥の活性低下などの問題を引き起こしていた。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決し、嫌気
分解過程においてプロピオン酸を経由して分解される基
質を含む有機性排水を嫌気処理するに当たり、プロピオ
ン酸を確実に分解してその残留を防止し、安定した高負
荷処理を可能とする有機性排水の嫌気処理方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の有機性排水の嫌
気処理方法は、プロピオン酸を経て嫌気分解される基質
を含む有機性排水を嫌気処理する方法において、該排水
を第一段目のメタン発酵工程で嫌気処理後に、残留する
プロピオン酸を第二段目のメタン発酵工程で嫌気処理す
ることを特徴とする。
【0013】本発明の有機性排水の嫌気処理装置は、プ
ロピオン酸を経て嫌気分解される基質を含む有機性排水
を通水するメタン発酵槽を備えた嫌気処理装置におい
て、該メタン発酵槽の流出水を嫌気処理して流出水中に
残留するプロピオン酸を分解する手段を設けたことを特
徴とする。
【0014】なお、以下において、嫌気分解過程におい
てプロピオン酸を経由して分解される基質を「プロピオ
ン酸生成基質」と称す場合がある。
【0015】本発明者らは、処理水にプロピオン酸が蓄
積するような高負荷条件、或いはpH、温度、阻害物質
の存在など最適環境でない条件で運転しても、処理水質
が悪化せず、しかも処理効率の高い嫌気処理方法及び装
置を開発すべく鋭意検討した結果、嫌気反応槽を2段に
直列に設け、プロピオン酸が残留するような比較的高負
荷運転条件にて一段目の嫌気反応槽を運転し、二段目の
嫌気反応槽において残留したプロピオン酸を分解するこ
とにより、安定処理が可能となることを見出し、本発明
を完成させた。
【0016】即ち、本発明では、メタン発酵を2段に直
列に設けた嫌気反応槽で分割して行い、一段目の嫌気反
応槽では通常の二相式の二段目の嫌気反応槽と同様に酢
酸生成反応とメタン生成反応を同時進行させる。この一
段目の嫌気反応槽では、プロピオン酸の蓄積を制限要素
とせずに負荷を設定し、比較的高負荷での処理を行い、
残留したプロピオン酸は二段目の嫌気反応槽にて分解す
る。即ち、二段目は残留プロピオン酸専用の処理槽とす
ることにより、安定した処理水質が得られる。
【0017】メタン発酵を一段で行う従来の嫌気処理方
法では、メタン発酵槽内において、プロピオン酸→酢酸
の酢酸生成よりも、酢酸→メタンのメタン発酵の方が速
度的に大きいことから、律速段階はプロピオン酸の分解
となる。このため、プロピオン酸を経由して分解される
基質を多く含む排水の処理では、酢酸生成反応とメタン
発酵の両者をバランス良く生起させようとすると、プロ
ピオン酸生成基質を含めた全基質の汚泥負荷としては排
水の性状によって異なるが、通常0.2〜0.5kg−
CODCr/kg−VSS/day程度が限度であり、
それ以上の高負荷処理は困難である。
【0018】これに対して、本発明では、一段目の嫌気
反応槽において酢酸生成反応とメタン発酵とをバランス
良く生起させるための配慮は不要であり、一段目の嫌気
反応槽においては全基質の汚泥負荷として0.5kg−
CODCr/kg−VSS/day以上、例えば0.5
〜0.8kg−CODCr/kg−VSS/dayの高
負荷処理が可能である。
【0019】本発明では、二段目の嫌気反応槽では残留
したプロピオン酸のみを処理対象とするため、第一段目
の嫌気反応槽を高負荷としても、二段目の嫌気反応槽の
負荷量は一般的には一段目の嫌気反応槽の負荷量の10
〜30%程度となる。二段目の負荷としては、例えば
0.3〜0.5kg−CODCr/kg−VSS/da
y程度でプロピオン酸を高度に分解することができる。
【0020】本発明では、従来法で一段処理で行ってい
たメタン発酵を、2段の嫌気反応槽で行うため、反応槽
の数は増加するが、上述の如く、一段目の嫌気反応槽で
も二段目の嫌気反応槽でも高負荷処理が可能であること
から、システム全体としては、従来法に比べて大幅にコ
ンパクトなものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0022】本発明においては、プロピオン酸生成基質
を含む有機性排水を酸生成工程及びメタン発酵工程を経
て嫌気処理するに当たり、メタン発酵工程後にプロピオ
ン酸を嫌気処理するプロピオン酸分解工程を設ける。
【0023】この酸生成工程とメタン発酵工程とは、別
個の反応槽中で行われてもよく、同一の反応槽中で行わ
れてもよい。これらの工程を別の反応槽で行う場合に
は、酸生成槽の後段に設けられたメタン発酵槽の更に後
段に、プロピオン酸分解のための嫌気反応槽を設け、有
機性排水を酸生成槽、メタン発酵槽、プロピオン酸分解
のための嫌気反応槽の順で通水する。なお、メタン発酵
槽の処理水の一部を酸生成槽に循環するのが好ましい。
【0024】また、酸生成工程とメタン発酵工程とを同
一の反応槽で行う場合には、酸生成及びメタン発酵のた
めの嫌気反応槽の後段にプロピオン酸分解のための嫌気
反応槽を設け、この順で有機性排水を通水する。
【0025】上記の酸生成槽は、嫌気条件下で排水中の
有機物を酸発酵により酪酸、プロピオン酸等の低級脂肪
酸に変換させる槽であり、通常pHは4〜6程度とな
る。
【0026】メタン発酵に好適なpH条件は6〜8程度
であるため、酸生成槽の流出水はNaOH等のアルカリ
でpH6〜8程度に調整した後メタン発酵槽に導入され
るのが好ましい。このpH調整のために、酸生成槽とメ
タン発酵槽との間に、pH調整のための槽を設けても良
い。
【0027】メタン発酵槽又は酸生成及びメタン発酵の
ための嫌気反応槽(以下、これらを「第1の嫌気反応
槽」と称す場合がある。)、プロピオン酸分解のための
嫌気反応槽(以下「第2の嫌気反応槽」と称す場合があ
る。)としては、流動床式、固定床式又はUASB(Up
flow Anaerobic Sludge Blanket:上向流式嫌気性汚泥
床)型嫌気反応槽等のいずれでも良いが、好ましくは固
定床式又はUASB型である。
【0028】特に、菌の付着担体を用いることなく、嫌
気性微生物をグラニュールと呼ばれる粒状の汚泥として
反応槽内に汚泥床(スラッジブランケット)を形成し、
原水を反応槽下部より上向流で通水して処理するUAS
B型であれば、固定床式や流動床式等の他の嫌気反応槽
と比較して、反応槽内の汚泥保持濃度が高く、高負荷処
理が可能である。本発明では、従って、第1の嫌気反応
槽及び第2の嫌気反応槽のうちの少なくともいずれか一
方がUASB型反応槽であることが好ましく、両方がU
ASB型反応槽であることが特に好ましい。
【0029】前述の如く、本発明においてはプロピオン
酸を分解するための工程をメタン発酵工程の後段に設け
るため、第1の嫌気反応槽では、プロピオン酸から酢酸
を生成させる酢酸生成反応のための条件制御を行う必要
はなく、酢酸や水素からのメタン発酵を良好に行わせる
ような条件であれば良い。このため、プロピオン酸生成
基質のCODCr汚泥負荷(この負荷はプロピオン酸生
成基質のみの負荷であり、有機性排水にプロピオン酸生
成基質以外の基質、即ち、プロピオン酸を経由せずに嫌
気分解される酢酸やメタノールなどの基質が含まれてい
ても、これらのプロピオン酸生成基質以外の基質の負荷
は含まれない。)を0.2kg−COD Cr/kg−V
SS/day以上、例えば0.4〜0.6kg−COD
Cr/kg−VSS/day程度と高くすることがで
き、有機性排水中の全基質によるCODCr汚泥負荷と
してはプロピオン酸生成基質以外のCODCr成分の含
有量にもよるが、通常0.5kg−CODCr/kg−
VSS/day以上、例えば0.5〜0.8kg−CO
Cr/kg−VSS/dayの高負荷処理が可能であ
る。
【0030】また、第2の嫌気反応槽では、残留するプ
ロピオン酸のみを処理対象とするため、第1の嫌気反応
槽で残留するプロピオン酸生成基質及び生成したプロピ
オン酸によるCODCr汚泥負荷として0.2kg−C
ODCr/kg−VSS/day以上、例えば0.3〜
0.5kg−CODCr/kg−VSS/dayの高負
荷処理が可能である。
【0031】第1及び第2の嫌気反応槽において、この
ような負荷で処理を行うため、各嫌気反応槽の槽容量は
処理する有機性排水中の全基質に占めるプロピオン酸生
成基質の割合によっても異なるが、一般的には第2の嫌
気反応槽は第1の嫌気反応槽に対して1/2〜1/5程
度の容量のもので十分にプロピオン酸を分解除去するこ
とができる。
【0032】本発明においては、第1の嫌気反応槽の後
段に第2の嫌気反応槽を設けることにより、従来法に比
べて嫌気反応槽が増加するが、上述の如く、第1の嫌気
反応槽及び第2の嫌気反応槽において高負荷処理が可能
であることから、処理水量当たりの合計の槽容量は低減
され得る。
【0033】なお、高負荷運転条件においては問題はな
いが、原水の負荷が低い場合には、後段の第2の嫌気反
応槽において微生物の活性を維持するための基質が不足
する場合がある。この場合には、有機性排水の全量を第
1の嫌気反応槽に導入せず、一部例えば5〜30%を分
取して、これを直接第2の嫌気反応槽に導入するのが好
ましい。
【0034】本発明において、第2の嫌気反応槽の処理
対象となるプロピオン酸生成基質としては、前述の如
く、プロピレングリコール、プロパノール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
ジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジプロピレングリコールなどが挙げられ、これらのプロ
ピオン酸生成基質を含む有機性排水としては、各種の化
学工業等の産業排水が挙げられる。
【0035】本発明は、特にこのようなプロピオン酸生
成基質を全CODCr中に30%以上、特に50%以上
の割合で含む排水に対して優れた効果を得ることができ
る。
【0036】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0037】実施例1 プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、
ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ール及びメタノールと、酢酸とを含む化学系排水を原水
として、図1に示す装置により嫌気処理を行った。な
お、この排水のプロピオン酸生成基質が全CODCr
1,000mg/Lに占める割合は約50%であった。
【0038】図1の装置において、各槽の構成は次の通
りである。
【0039】酸生成槽1:直径10cm,高さ60c
m、反応部容量2.0LのPVC(ポリ塩化ビニル)カ
ラム 第1のUASB反応槽2:直径10cm,高さ120c
m、有効容量8.0LのPVCカラム 第2のUASB反応槽3:直径7.5cm,高さ110
cm、有効容量4.5LのPVCカラム
【0040】原水は35℃に温度調節し、酸生成槽1の
出口にてpH7.0〜7.5になるようにNaOHを添
加した後ポンプPで第1のUASB反応槽2に送給し
た。また、第1のUASB反応槽2の処理水の一部は酸
生成槽2に循環し、残部をポンプPで第2のUASB
反応槽3に送給した。この循環水量は、原水量1Qに対
し、第1のUASB反応槽2への流入水量10〜12
Q、循環水量9〜11Qとなるようにした。
【0041】原水の通水は、20日間の運転期間のう
ち、前半の10日間と後半の10日間とで表1に示す通
り負荷を変えて行った。
【0042】その結果、第1のUASB反応槽2及び第
2のUASB反応槽3の処理条件及び処理結果は表1に
示す通りであった。
【0043】比較例1 実施例1において、第2のUASB反応槽を設けず、酸
生成槽と第1のUASB反応槽2により、表2に示す負
荷で処理を行ったこと以外は同様にして原水の処理を行
い、このときのUASB反応槽の処理条件及び処理結果
を表2に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1,2より次のことが明らかである。即
ち、UASB反応槽1段で処理した比較例1では、負荷
を50%上昇させた運転期間後半において、処理水にプ
ロピオン酸が大量に残留し、S−CODCr除去率は7
5%に悪化した。これに対して、UASB反応槽2段で
処理した実施例1では、運転期間後半において、負荷を
2倍に上昇させたにもかかわらず、処理水の水質は極め
て安定しており、90%以上のS−CODCr除去率が
維持された。
【0047】なお、実施例1と比較例1で全体の容積負
荷を比較すると、運転期間前半の負荷上昇前はほぼ同等
であるが、運転期間後半の負荷上昇後は実施例1では1
4.8kg−CODCr/m/dayで比較例1の約
1.3倍となっており、処理結果も、比較例1の除去率
75.4%に対し、実施例1の除去率は91%に達して
おり、1.3倍の高負荷でも安定した処理ができている
ことが実証された。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の有機性排水
の嫌気処理方法及び装置によれば、嫌気分解過程におい
てプロピオン酸を経由して分解される基質を含む有機性
排水を嫌気処理するに当たり、プロピオン酸を確実に分
解してその残留を防止し、長期に亘り安定した高負荷処
理を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた嫌気処理装置を示す系統図で
ある。
【符号の説明】
1 酸生成槽 2 第1のUASB反応槽 3 第2のUASB反応槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 佳美 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 小林 一人 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内 Fターム(参考) 4D040 AA02 AA04 AA32 AA34 AA58 AA61 AA62

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピオン酸を経て嫌気分解される基質
    を含む有機性排水を嫌気処理する方法において、 該排水を第一段目のメタン発酵工程で嫌気処理後に、残
    留するプロピオン酸を第二段目のメタン発酵工程で嫌気
    処理することを特徴とする有機性排水の嫌気処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、第一段目のメタン発
    酵工程における、プロピオン酸を経て嫌気分解される基
    質のCODCr汚泥負荷を0.2kg−CODCr/k
    g−VSS/day以上とすることを特徴とする有機性
    排水の嫌気処理方法。
  3. 【請求項3】 プロピオン酸を経て嫌気分解される基質
    を含む有機性排水を通水するメタン発酵槽を備えた嫌気
    処理装置において、 該メタン発酵槽の流出水を嫌気処理して流出水中に残留
    するプロピオン酸を分解する手段を設けたことを特徴と
    する有機性排水の嫌気処理装置。
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