JP2003163700A - 音声パケット通信方法、音声パケット通信プログラム、音声パケット通信管理装置、音声パケット通信管理方法及びアダプタ - Google Patents

音声パケット通信方法、音声パケット通信プログラム、音声パケット通信管理装置、音声パケット通信管理方法及びアダプタ

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JP2003163700A
JP2003163700A JP2002266708A JP2002266708A JP2003163700A JP 2003163700 A JP2003163700 A JP 2003163700A JP 2002266708 A JP2002266708 A JP 2002266708A JP 2002266708 A JP2002266708 A JP 2002266708A JP 2003163700 A JP2003163700 A JP 2003163700A
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JP2002266708A
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Eiji Kuwabara
英治 桑原
Nariyoshi Koiida
成賛 小飯田
Takao Machida
孝夫 町田
Mitsuko Nakao
晃子 中尾
Eitaro Sakata
英太郎 坂田
Hitoshi Taniguchi
仁 谷口
Keiichiro Hino
敬一郎 日野
Hironobu Sato
洋伸 佐藤
Michikazu Iwahi
道和 岩樋
Takanari Kitaguchi
隆也 北口
Kenta Nishizaki
健太 西崎
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NTT ME Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音声パケット通信を快適且つ安全に行うこと
ができる環境を提供する。 【解決手段】 各クライアント端末が、動的に割り当て
られたIPアドレスを用いて通信を行う音声パケット通
信方法において、クライアント端末側に対して、新しい
IPアドレスが割り当てられる毎に、最新のIPアドレ
スと当該クライアント端末の識別情報とを通信ネットワ
ーク側に通知する指示を出し、通信ネットワーク側にお
いて、最新のIPアドレスとクライアント端末の識別情
報とを対応付けて管理し、発呼要求が通知された場合
に、該発呼元に対して対応付けに基づいた発呼先のIP
アドレスを通知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターネット電
話のように、インターネットを介した音声通信を行う音
声パケット通信に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネット電話と称される、
インターネット等のネットワーク上で音声情報を送受す
る技術が開発されている。このインターネット電話は、
音声情報をデジタル化し、インターネットのプロトコル
であるTCP/IPに従ってパケットにし、受信側の端
末でパケットをつなぎ合わせて音声に戻すことにより、
音声通話を行うものである(例えば、特許文献1参
照)。インターネットの通信料金は従量制或いは定額制
になっていることが多く、通常のインターネット利用の
ために予め発生することを考慮すると、インターネット
電話に関してはアクセスポイントと各端末間を接続する
公衆電話網に対する通信料金のみを考慮すればよく、長
距離の通話であるほど通常の電話に比べ割安であるとい
う利点がある。
【0003】
【特許文献1】特開2000−358101号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現在上述し
たインターネット電話を実施するためには、クライアン
トは、インターネットに接続されるすべてのノードに対
してユニークなIPアドレスを取得、保持しなければな
らない。上記ユニークなIPアドレスを保持するために
は定額量を払う必要があり、クライアントは通話の頻度
に関わらずこのIPアドレスを保持するための料金を支
払って、通話を行わなければならないという問題があ
る。
【0005】また、一方では、インターネットの飛躍的
普及に伴い、グローバルIPアドレスの枯渇化が大きな
問題として上がっている。このようなグローバルIPア
ドレスの枯渇化対策として、現在では、ルータ等を用い
て、通信を行う場合にのみ、動的にグローバルIPアド
レスを割り当てるというサービスが主流となっている。
この方法では、グローバルIPアドレスはクライアント
固有ではないため、グローバルIPアドレスの枯渇化の
対策となると同時に、グローバルIPアドレスの取得に
必要な定額料金を支払わなくてもよいという利点があ
る。しかし、インターネット電話に主に採用されるH.32
3プロトコルは、アドレス変換の無い環境を前提として
開発されているため、通信を行うたびに動的にグローバ
ルIPアドレスが変わってしまう環境下では、うまく動
作しないといった問題がある。即ち、インターネット電
話を行う場合には、グローバルIPアドレスとクライア
ント端末との関連付けを管理する必要があるが、現在そ
のような管理システムが存在しないため、通話相手先を
見つけられなかったり、相手側には届いても返信パケッ
トが届かなかったりする状態に陥り、結局インターネッ
ト電話を利用できないという問題が生ずる。
【0006】また、インターネット電話を行うための機
能を備えていないクライアント端末においては、ネット
ワークと端末との間に、送受信データを通信に準じたデ
ータに変換させるためのアダプタを介在させ、インター
ネット電話等の通信を可能としている。この場合、通信
を開始する際に、アダプタからクライアントに関する情
報が送信され、この情報に基づいて、クライアントを特
定して課金を行っている。しかしながら、第三者が、正
規のクライアントが使用しているアダプタを購入し、こ
のアダプタに正規のクライアントの設定を施すことによ
り、自分の通信費用を正規のクライアントの通信費とし
て課金させる、「なりすまし」と呼ばれる行為が一部で
行われている。このような行為は犯罪行為であり、いち
早く防止策を講じなければならないが、現在効果的な対
策は講じられていない。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、音声パケット通信を快適且つ安全に行うことが
できる環境を提供する音声パケット通信方法、音声パケ
ット通信プログラム、音声パケット通信管理装置、音声
パケット通信管理方法及びアダプタを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、各クライアント端末が、動的に割り当て
られたIPアドレスを用いて通信を行う音声パケット通
信方法において、前記クライアント端末側に対して、新
しいIPアドレスが割り当てられる毎に、最新のIPア
ドレスと当該クライアント端末の識別情報とを通信ネッ
トワーク側に通知する指示を出す過程と、通信ネットワ
ーク側において、前記最新のIPアドレスと前記クライ
アント端末の識別情報とを対応付けて管理する過程と、
発呼要求が通知された場合に、該発呼元に対して前記対
応付けに基づいた発呼先のIPアドレスを通知する過程
とを具備することを特徴とする音声パケット通信方法を
提供する。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、各クライ
アント端末が、動的に割り当てられたIPアドレスを用
いて通信を行う音声パケット通信方法に利用する音声パ
ケット通信プログラムであって、前記クライアント端末
側に対して、新しいIPアドレスが割り当てられる毎
に、最新のIPアドレスと当該クライアント端末の識別
情報とを通信ネットワーク側に通知する指示を出すステ
ップと、通信ネットワーク側において、前記最新のIP
アドレスと前記クライアント端末の識別情報とを対応付
けて管理するステップと、発呼要求が通知された場合
に、該発呼元に対して前記対応付けに基づいた発呼先の
IPアドレスを通知するステップとをコンピュータに実
行させるための音声パケット通信プログラムを提供す
る。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、クライア
ント端末と通信ネットワークとの間に介在し、各クライ
アント端末に対応して個別に設置されるアダプタであっ
て、クライアント端末に、動的にIPアドレスが割り当
てられると、割り当てられた新しいIPアドレスと、該
クライアント端末の識別情報とを、前記通信ネットワー
ク側に対して送信することを特徴とするアダプタを提供
する。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、個別の識
別情報が割り当てられているアダプタを介して通信ネッ
トワークに接続されるクライアント端末の音声パケット
通信を管理する音声パケット通信管理装置において、前
記クライアント端末の識別情報と前記アダプタの識別情
報とを予め対応付けて格納する認証テーブルと、前記ク
ライアント端末が通信を行う際に、前記クライアント端
末の識別情報と前記アダプタの識別情報とを受信する受
信手段と、受信した前記2つの情報が前記認証テーブル
に対応づけられているか否かを判断する判断手段と、対
応づけられていた場合に、前記通信を許可するとともに
当該通信量に応じて課金を開始する課金手段とを具備す
ることを特徴とする音声パケット通信管理装置を提供す
る。
【0012】また、請求項5に記載の発明は、個別の識
別情報が割り当てられているアダプタを介して通信ネッ
トワークに接続されるクライアント端末の音声パケット
通信を管理する音声パケット通信管理方法において、前
記クライアント端末の識別情報と前記アダプタの識別情
報とを予め対応付けて保持する過程と、前記クライアン
ト端末が通信を行う際に、前記クライアント端末の識別
情報と前記アダプタの識別情報とを受信する過程と、受
信した前記2つの情報が前記認証テーブルに対応づけら
れているか否かを判断する過程と、対応づけられていた
場合に、前記通信を許可するとともに当該通信量に応じ
て課金を開始する過程とを具備することを特徴とする音
声パケット通信管理方法を提供する。
【0013】また、請求項6に記載の発明は、クライア
ント端末と通信ネットワークとの間に介在し、各クライ
アント端末に対応して個別に設置されるアダプタであっ
て、クライアント端末から通信要求を受け取った場合
に、予め自己に個別に割り当てられている識別情報を前
記クライアント端末の識別情報とを対応付けて通信ネッ
トワーク側に送信することを特徴とするアダプタを提供
する。
【0014】また、請求項7に記載の発明は、プライベ
ートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの相互変
換を行うアドレス変換機能を有するルータとクライアン
ト端末との間に介在し、前記クライアント端末に対して
個別に設置されるアダプタにおいて、IPパケットのペ
イロード部に、プライベートIPアドレスを格納するプ
ロトコルに基づいた音声パケット通信を行う場合に、前
記パケットのペイロード部に格納された前記プライベー
トIPアドレスをグローバルIPアドレスに書き換え
て、前記ルータに送信することを特徴とするアダプタを
提供する。
【0015】また、請求項8に記載の発明は、私設電話
交換機と通信ネットワークとの間に設置されるととも
に、前記私設電話交換機に接続されている複数のクライ
アント端末と前記私設電話交換機を介して接続可能なア
ダプタにおいて、通信ネットワークを介してIPパケッ
トを受信した場合に、そのIPパケットの所定の格納エ
リアに格納されている通話要求先の電話番号に係る情報
を抽出し、前記電話番号に係る情報をDTMF信号によ
って前記私設電話交換機へ出力することを特徴とするア
ダプタを提供する。
【0016】また、請求項9に記載の発明は、公衆回線
及び音声パケット通信用の通信回線と接続され、いずれ
か一方の回線を使用して、クライアント端末が通信を行
えるように機能するアダプタであって、前記クライアン
ト端末が一の前記回線を使用して通信を行っている際
に、他の回線を介して前記クライアント端末に対する通
話要求を受信した場合に、前記クライアント端末に対し
て、他の回線による通話要求が発生した旨を通知する通
知手段と、前記通知に基づく所定の信号を前記クライア
ント端末から受信した場合に、前記一の回線を使用した
通信から前記他の回線を使用した通信に切り替える切替
手段とを具備することを特徴とするアダプタを提供す
る。
【0017】また、本発明は、個別の識別情報が割り当
てられているアダプタを介して通信ネットワークに接続
されるクライアント端末の音声パケット通信を管理する
音声パケット通信管理方法において、複数のクライアン
ト端末の識別情報をグループ化して登録する過程と、ク
ライアント端末の識別情報とアダプタの識別情報とを対
応付けて登録する過程と、通話中である互いのクライア
ント端末の識別情報を登録する過程と、通話中のクライ
アント端末への通話要求を受信した場合に、そのクライ
アント端末が属するグループの中から通話中でないクラ
イアント端末の識別情報を取得し、取得したクライアン
ト端末を前記通話要求の相手先として指定し、両者間の
通信を確立させる過程とを具備することを特徴とする音
声パケット通信管理方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の一
実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施
形態における音声パケット通信のネットワーク構成を示
す図である。同図において、各クライアント端末10
A、10Bは、それぞれ対応して設けられているVoI
Pテレフォニアアダプタ(以下、VoIP−TAと記載
する)20A、20Bを介して、接続網30に接続さ
れ、更にIP網40に接続される。
【0019】上記VoIP−TAは、音声パケット通信
を行うための機能を備えていない通信機器(クライアン
ト端末)をIP網へ接続可能とするためのテレフォニア
アダプタであり、信号変換、速度変換、発呼や着信の制
御等の処理を行う。具体的には、音声をIPパケットに
変換してIP網へ出力し、また、IP網から取得したI
Pパケットを音声に変換してクライアント端末へ出力す
る、所謂IP網上に設置されているVoIPゲートウェ
イ(以下、VoIP−GWと記載する)とほぼ同様の機
能を備える。なお、上記接続網30としては、公衆電話
網、ケーブルTV(CATV)、xDSL(デジタル加
入者回線)、ISDN(総合サービスデジタル通信網)
等が挙げられる。
【0020】一方、IP網40上には、ゲートキーパー
(以下、GKと記載する)50、DHCP(Dynamic Ho
st Configuration Protocol)サーバ60が設置されて
いる。上記GK50とは、VoIP網で、呼制御、アド
レス変換(番号解決)、帯域制御等の機能を備える。ま
た、GK50は、音声パケット通信を行うクライアント
端末にアクセスするためのIPアドレスと電話番号とが
対応づけられている番号変換テーブルを保有している。
また、DHCPサーバ60は、ネットワーク上のクライ
アント端末(詳細には、各クライアント端末に対応して
接続されているVoIP−TA)に対して、動的にIP
アドレスを割り当てる機能を備え、端末がネットワーク
にログインすると、予め用意されたIPアドレスの1つ
をその端末に割り当てる。
【0021】更に、IP網40上には、複数のアクセス
ポイント(以下、APと記載する)70が設置されてお
り、各AP70にはVoIPゲートウェイ(以下、GW
と記載する)が設置されている。上述したように、Vo
IP−TAを介してIP網40に接続していないクライ
アント端末10Cは、AP70にアクセスし、AP70
に設置されているGW80によって信号変換等の所定の
処理が行われることにより、上述したクライアント端末
10A、10Bと同様に音声パケット通信を行うことが
可能となる。具体的には、GW80は、所定のサーバ装
置からなり、音声とIPパケット変換との相互変換を行
う機能を備え、また、固有のIPアドレスを保持し、当
該IPアドレスを指定して送信された音声パケットを受
信し、適宜音声信号に変換して発信先端末に送信する。
【0022】次に、上記ネットワーク構成において、本
発明の第1の実施形態に係る音声パケット通信につい
て、図2を参照して説明する。例えば、今、クライアン
ト端末10Aのユーザが、クライアント端末10A及び
VoIP−TA20Aを起動させると、VoIP−TA
20AはIP網40上のDHCPサーバ60に対してI
Pアドレスの取得を要求する(図2のステップSP
1)。係る要求は、接続網30を介してIP網40上に
設けられているDHCPサーバ60に送信される。DH
CPサーバ60は、係る要求を受け取ると、VoIP−
TA20Aに対して動的にIPアドレスを割り当て、こ
のIPアドレスをVoIP−TA20Aへ返信する(ス
テップSP2)。VoIP−TA20Aは、係るIPア
ドレスを受信すると、当該クライアント端末10Aの電
話番号とDHCPサーバ60によって割り当てられたI
PアドレスとをGK50へ送信する(ステップSP
3)。GK50は、係る情報を受信すると、通知された
電話番号とIPアドレスとを番号変換テーブルに対応付
けて格納し、管理する。なお、番号変換テーブルにクラ
イアント端末10Aの電話番号に対してIPアドレスが
予め登録されていた場合には、既存のIPアドレスを今
受け取った最新の情報に更新する(ステップSP4)。
【0023】続いて、クライアント端末10Bのユーザ
が、クライアント端末10Aとの音声パケット通話を開
始すべく、クライアント端末10Bから通話相手となる
クライアント端末10Aの電話番号を入力する。係る操
作により、クライアント端末10Bに対応して設置され
ているVoIP−TA20Bは、クライアント端末10
Aの電話番号をGK50に通知し、通話相手となるクラ
イアント端末10Aに対応するVoIP−TA20Aの
IPアドレスの取得を要求する番号通知依頼を行う(ス
テップSP5)。
【0024】IP網40上のGK50は、クライアント
端末10Aの電話番号を受信すると、この電話番号に該
当するIPアドレスを番号変換テーブルから読み出し、
読み出したIPアドレスをVoIP−TA20Bに対し
て返信する(ステップSP6)。続いて、VoIP−T
A20Bは、GK50から通知されたIPアドレス宛て
にGK50を介して発呼要求パケットを送信する(ステ
ップSP7)。これにより、この発呼要求は相手先であ
るクライアント端末10AのVoIP−TA20Aに対
して送信され、クライアント端末10Aのユーザが当該
発呼要求に応答することにより、両者の回線が接続さ
れ、音声パケット通信が可能となる(ステップSP
8)。
【0025】上述したように、本実施形態においては、
各クライアント端末の起動時にDHCPサーバ60によ
って各クライアント端末が音声パケット通信を行うに際
して必要となるIPアドレスが動的に割り当てられる。
そして、動的に割り当てられたIPアドレスは、当該ク
ライアント端末が電源をオフにするまで有効とされる。
即ち、DHCPサーバ60によって各クライアント端末
に割り当てられるIPアドレス(具体的には、クライア
ント端末に対応して接続されているVoIP−TAに割
り当てられる)は、そのクライアント端末が常に維持す
る固定のIPアドレスではなく、所定の操作(例えば、
電源オン)によって取得し、所定の操作(例えば、電源
オフ)によって消滅するIPアドレスである。従って、
VoIP−TAは、割り当てられたIPアドレスが変更
する度に、最新のIPアドレスをGK50に送信し、G
K50はVoIP−TAから受信する最新のIPアドレ
スについて管理することにより、常に、クライアント端
末の電話番号とIPアドレスとを対応づけることが可能
となる。これにより、動的にIPアドレスが変更するよ
うな状況においても、不都合なく音声パケット通信を行
うことが可能となり、従来のように、固有のユニークな
IPアドレスを維持する必要性も無く、また、インター
ネット上におけるIPアドレスの枯渇化に対する有効な
手段として使用できる。
【0026】次に、本発明の第2の実施形態における音
声パケット通信について、図3を参照して説明する。図
3は、本発明の第2の実施形態に係る音声パケット通信
のネットワーク構成を示す図である。同図は、図1に示
した第1の実施形態におけるネットワーク構成に、更
に、認証・課金サーバ90(音声パケット通信管理装
置)を備えている。まず、本実施形態では、各VoIP
−TAには個別のID番号が予め付与されており、当然
このID番号はユニークな番号となっている。また、こ
のID番号は、解読されないよう暗号化されてVoIP
−TA内部に記録されている。なお、このID番号は、
製造時に予め登録されるものとしてもよく、また、初回
の通信時において認証・課金サーバ90から割り当てら
れる情報としても良い。
【0027】一方、認証・課金サーバ90は、各クライ
アント端末の識別番号(例えば、電話番号やIPアドレ
ス)と該クライアント端末に1対1対応で個別に設置さ
れているVoIP−TAの識別番号(例えば、ID番
号)とを対応づけた認証テーブルを備える。即ち、図3
のネットワーク構成を例に挙げて説明すると、クライア
ント端末10BにはVoIP−TA20Bが接続されて
いる。従って、認証・課金サーバ90が備える認証テー
ブルには、クライアント端末10Bの電話番号とVoI
P−TA20Bに割り当てられているID番号とが対応
づけられている。
【0028】例えば、今、図3におけるクライアント端
末10Bのユーザによって発呼操作が行われるとする
と、VoIP−TA20Bはユーザによって入力された
通信相手となるクライアント端末の電話番号(或いはI
Pアドレス)とともに、クライアント端末10Bの電話
番号と自己に割り当てられているID番号とをIP網4
0側へ送信する。VoIP−TA20Bから送信された
係る情報は、IP網40上に設置されている認証・課金
サーバ90へ送信され、ここで、クライアント端末とV
oIP−TAとの組み合わせが正当な者であるか否かが
判断される。即ち、認証・課金サーバ90は、受信した
クライアント端末10Bの電話番号とVoIP−TA2
0BのID番号とが認証テーブルに格納されている情報
に一致するか否かを判断し、これらの情報が一致すれば
正当な組み合わせであるとして、通話を許可する。これ
により、クライアント10Bのユーザに対応させて規定
の課金が開始される。
【0029】一方、VoIP−TA20Bから送信され
た情報が、正当な組み合わせでないと判断された場合
は、認証・課金サーバ90はこのクライアント端末20
Bからの発呼を許可しない。これにより、クライアント
端末20Bは希望した通話を行うことができない。
【0030】上述したように、本実施形態によれば、予
めクライアント端末とそのクライアント端末に対応して
個別に設置されているVoIP−TAのID番号とを対
応づけた情報を認証・課金サーバ90が保有しているの
で、仮に、第3者がVoIP−TAを購入し、正規のク
ライアント(予め認証・課金サーバ90に登録されてい
るクライアント)の識別情報等の設定をVoIP−TA
に施して、音声パケット通信を希望したとしても、認証
・課金サーバ90に送信されるクライアント端末の電話
番号と第3者が購入したVoIP−TAのID番号との
組み合わせは、不当な組み合わせとなるため、通信が許
可されない。これにより、第3者が正規のクライアント
になりすまして、自己の通話料金を正規のクライアント
の課金情報に加算させるという不当な行為を防止するこ
とができる。
【0031】次に、本発明の第3の実施形態における音
声パケット通信について図4を参照して説明する。本実
施形態における音声パケット通信のネットワーク構成
は、図1や図3に示したネットワーク構成において、V
oIP−TAとIP網との中継点にNAT500が介在
し、図4は、便宜上、本実施形態の音声パケット通信に
おいて、特に必要となる構成要素のみを抽出して示した
図である。
【0032】ここで、NAT500とは、例えば、ある
組織のみ(プライベートアドレス空間)で通用するプラ
イベートIPアドレスと、インターネットアクセス(グ
ローバルアドレス空間)に利用できるグローバルIPア
ドレス(本来のインターネットに接続されているノード
の中でユニークなアドレス)を相互に変換することによ
り、接続されている複数の端末をインターネット網にア
クセス可能とする機能を備えるルータのようなものであ
る。このNAT500がプライベートIPアドレスを下
位に接続されている端末に動的に割り当てるため、以前
のようにインターネットに接続される全てのノード(ク
ライアント端末)がユニークなIPアドレスを保有する
必要がなくなり、近年問題となっているIPアドレスの
枯渇化の解決策として広く使用されている。
【0033】クライアント端末100Aは、VoIP−
TA200A、上記NAT500を介してIP網400
に接続されており、一方、クライアント端末100Cが
GW800を介してIP網400に接続されている。
【0034】次に、図5にH.323プロトコルに準拠
した通信を行う際に送受信されるIPパケットの構造を
示す。同図に示すように、IPパケットはH.323プ
ロトコルに準じて、データが格納されるペイロード部
(データ部)、RTP層、UDP層、ネットワーク層か
らなる。ここで、H.323プロトコルとは、ITU
(International Telecommunication Union-Telecommun
ication StandardizationSector;国際電気通信連合電気
通信標準化部門)で標準化が進められているビデオコン
ファレンスの通信標準であり、QoS保証(品質保証)
のないIPネットワーク上での音声/映像/データ通信
のためのプロトコル体型である。
【0035】以下、図4に示したネットワーク構成にお
いて、H.323プロトコルに準じた音声パケット通信
を行う場合について説明する。今、クライアント端末1
00Aのユーザがクライアント端末100Cのユーザと
通話をしたい場合、クライアント端末100Aのユーザ
は、クライアント端末100Aを操作することにより、
クライアント端末100Cに対して通話を希望する旨の
指示を行う。
【0036】これにより、図4のネットワーク構成にお
いては、H.323プロトコルに準拠し、クライアント
端末100C宛てに送信されるIPパケットとして、図
6に示すように、IPパケットのペイロード部及びネッ
トワーク層に当該IPパケットの送信元のプライベート
IPアドレスが格納されたIPパケットが発生する。
【0037】VoIP−TA200Aは、H.323プ
ロトコルに準拠して発生した上記IPパケットにおい
て、ペイロード部に格納されているプライベートIPア
ドレスをグーバルIPアドレスに変換する処理を行う。
この結果、図6に示すように、IPパケットのペイロー
ド部にはグローバルIPアドレスが、ネットワーク層に
はプライベートIPアドレスが格納される。そして、V
oIP−TA200Aは、このIPパケットをクライア
ント端末100Cへ送信すべく、NAT500へ出力す
る。
【0038】NAT500は、係るIPパケットにおい
て、ネットワーク層に格納されているプライベートIP
アドレスをグローバルIPアドレスに変換し、このIP
パケットをクライアント端末100Cに対して送信す
る。この結果、図6に示すように、ペイロード部及びネ
ットワーク層の双方にグローバルIPアドレスが格納さ
れたIPパケットが送信先のクライアント端末100C
へ向けて送信される。
【0039】次に、NAT500から送信された上記I
PパケットをGW800を介して受信したクライアント
端末100Cは、IPパケットを返信する。このとき、
GW800は、H.323プロトコルに準じて、ペイロ
ード部に格納されている宛先、即ちグローバルIPアド
レスの宛先へIPパケットを送信する。これにより、ク
ライアント100CからのIPパケットは、グローバル
IPアドレスの宛先であるNAT500へIP網400
を介して返信される。NAT500は、VoIP−TA
200AのプライベートIPアドレスとグローバルIP
アドレスとの対応表を保持しているため、この対応表に
基づいてクライアント端末100Cから返信されたIP
パケットをVoIP−TA200Aへ送出する。これに
より、クライアント端末100Cから送信されたIPパ
ケットはNAT500を介してVoIP−TA200A
に届くこととなる。
【0040】通常、H.323プロトコルでは、受け取っ
たIPパケットのペイロード部に格納されているIPア
ドレスに対してIPパケットを送信する。そのため、従
来においては、NAT等を介して音声パケット通信を行
おうとすると、IPパケットのペイロード部には、プラ
イベート空間で有効なプライベートIPアドレスが格納
されているので、インターネット上のグローバルIPア
ドレスが把握できず、IPパケットを送信することがで
きなかった。このような問題に対し、本実施形態では、
VoIP−TA200Aがペイロード部にグローバルI
Pアドレスを格納してNAT500へ送出するので、送
信先の通信機器では、ペイロード部に格納されているグ
ローバルIPアドレス先へ、即ちNAT500へとIP
パケットを返信することが可能となる。従って、従来の
ように、IP網上でIPパケットが宛先不明でさまよう
ことなく、正確に当該パケットの送り主であるNAT5
00に対して送信することが可能となる。
【0041】次に、本発明の第4の実施形態における音
声パケット通信について図7を参照して説明する。図7
は、本実施形態における音声パケット通信のネットワー
ク構成を示した図であり、図1や図3に示したネットワ
ーク構成に更に、VoIP−TAとクライアント端末と
の間にPBX(Private Branch Exchange;私設電話交換
機)25が介在するネットワーク構成となっている。上
記PBX25とは、会社などの内線同士の電話接続の
他、公衆回線との接続を行なう交換機であり、複数のク
ライアント端末がPBX25の下に接続されている。ま
た、IP網40上のGKは、番号変換テーブルを備え、
上述したように各クライアント端末の電話番号とIPア
ドレスとを対応付けて管理している。
【0042】次に、本実施形態における音声パケット通
信について説明する。便宜上、クライアント端末10B
のユーザがクライアント端末10Aのユーザと通話をし
たい場合について説明する。この場合、まず、ユーザ
は、クライアント端末10Bを操作することにより通話
相手の電話番号、即ちクライアント端末10Aの電話番
号である「03−5555−7777」を入力する。係
る操作が行われることにより、クライアント端末10B
に接続されているVoIP−TA20Bは、IP網40
上のGK50にアクセスし、番号通知依頼(図2におけ
るステップSP5参照)を行う。これにより、GK50
は番号変換テーブルを参照し、電話番号「03−555
5−7777」に対応するIPアドレスを抽出し、この
IPアドレスをVoIP−TA20Bへ返信する。な
お、このIPアドレスは、クライアント端末10Aが接
続しているVoIP−TA20AのIPアドレスであ
る。
【0043】続いて、VoIP−TA20Bは、GK5
0から通知されたIPアドレスに対して発呼要求のIP
パケットを送信する(図2のステップSP7参照)。こ
れにより、このIPパケットは、相手先であるクライア
ント端末10AのVoIP−TA20Aに対して送信さ
れる。これにより、VoIP−TA20Aと20Bとの
間のコネクションが確立される。続いて、VoIP−T
A20Bは、VoIP−TA20Aに対して、通話を行
いたいクライアント端末10Aの電話番号、即ち「03
−5555−7777」をIPパケットの所定の格納エ
リアに格納して送信する。VoIP−TA20Aは、係
るIPパケットを受信すると、このIPパケットに格納
されている通話先電話番号を読み出し、PBX25に対
してこの電話番号をDTMF(Dial Tone Multi Fre
quency)信号で出力する。PBX25は、このDTMF
信号の周波数から通話先の電話番号を識別し、識別した
電話番号「03−5555−7777」を持つクライア
ント端末10Aと回線を接続する。
【0044】上述したように、本実施形態に係るVoI
P−TAは、受信したIPパケットの所定のエリアに格
納されている通話相手電話番号をDTMF信号としてP
BXに出力するので、クライアント端末がPBXを介し
てGWに接続されていても何ら問題なく、快適な音声パ
ケット通信を行うことが可能となる。
【0045】次に、本発明の第5の実施形態における音
声パケット通信について図8を参照して説明する。本実
施形態では、図8に示すように、VoIP−TA20A
に公衆回線とVoIP回線とが接続されており、VoI
P−TA20Aに接続されているクライアント端末10
Aは、いずれかの回線を介して通信を行うことができる
ような構成となっている。
【0046】今、上記構成において、VoIP回線を使
用して音声パケット通信を行っている最中に、他の端末
から公衆回線を介してクライアント端末10Aに発呼要
求があったとする。この場合、VoIP−TA20A
は、公衆回線を介して発呼要求がきていることをクライ
アント端末10Aに対して所定のアナログ音声信号を送
信することによって通知する。係る通知により、公衆回
線を介して発呼があることを認識したユーザが、クライ
アント端末10Aからフッキング等の所定の操作を行う
と、その操作に応じた信号がVoIP−TA20Aへ出
力される。VoIP−TA20Aは係る信号を受信する
と、現在使用している回線をもう一方の回線に切り替え
る処理を行う。即ち、有効な回線をVoIP回線から公
衆回線へ切り替える。係る処理を行うことにより、クラ
イアント端末10Aのユーザは、公衆回線を介して相手
を通話することができる。
【0047】なお、このとき、もう一方の回線、回線を
切り替える前に有効であった回線(この場合は、VoI
P回線)を保留扱いにするか或いは切断するかは、予め
ユーザが設定を行っておくことにより、保留或いは切断
のいずれか一方を採用することが可能である。なお、上
述した場合の他に、公衆回線を使用して通話していた場
合に、VoIP回線を介して通話の要求があった場合、
自分から公衆回線を介して発呼をしている場合に、相手
からVoIP回線を介して通話要求があった場合等が挙
げられる。
【0048】次に、本発明の第6の実施形態に係る音声
パケット通信について図9を参照して説明する。図9に
おいて、クライアント端末10A、10Bは同一企業α
内に設置されており、いずれのクライアント端末も該企
業αの代表受け付け電話として使用される。なお、これ
らのクライアント端末A、Bは、親子関係になってお
り、親端末としてクライアント端末Aが、子端末として
クライアント端末Bが設置されている。
【0049】一方、IPネットワーク上に設置されてい
るGK150は、クライアント端末10Aと10Bとを
1つのグループとして関連付けたグループテーブルを備
えている。なお、このグループテーブルにおいても、親
子関係の情報、即ち、クライアント端末10Aが親端末
であり、クライアント端末10Bが子端末であるという
情報が登録されている。なお、図9において、図1と同
一の構成要素については、同一の符号を付す。これらの
構成要素の構成及び動作については、上述した第1の実
施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0050】次に、図9に示した本実施形態に係る音声
パケット通信について、図10を参照して説明する。例
えば、今、クライアント端末10A、10Bのユーザ
が、クライアント端末10A、10B及びVoIP−T
A20A、20Bを起動させると、VoIP−TA20
A、20BはIP網40上のDHCPサーバ60に対し
てIPアドレスの取得を要求する。これにより、図2に
示すように、DHCPサーバ60は、VoIP−TA2
0A、20Bに対して動的にIPアドレスをそれぞれ割
り当て、このIPアドレスをVoIP−TA20A、2
0Bへそれぞれ返信する。
【0051】続いて、VoIP−TA20A、20B
は、係るIPアドレスを個々に受信すると、自己の電話
番号とDHCPサーバ60によって割り当てられたIP
アドレスとをGK150へ送信する。これにより、GK
150には、通知された電話番号とIPアドレスとを対
応付けて番号変換テーブルに登録する。
【0052】続いて、クライアント端末10Cのユーザ
が、企業αに対して問い合わせしようとして、代表電話
番号であるクライアント端末10Aの電話番号「03-555
5-7777」を入力すると、クライアント端末10Cに対応
して設置されているVoIP−TA20Cは、クライア
ント端末10Aの電話番号をGK150に通知し、通話
相手となるクライアント端末10Aに対応するVoIP
−TA20AのIPアドレスの取得を要求する。GK1
50は、クライアント端末10Aの電話番号を受信する
と、この電話番号に該当するIPアドレスを番号変換テ
ーブルから読み出し、読み出したIPアドレスをVoI
P−TA20Cに対して返信する。
【0053】続いて、VoIP−TA20Cは、GK1
50から通知されたIPアドレス宛てにGK150を介
して発呼要求パケットを送信する。これにより、この発
呼要求は相手先であるクライアント端末10AのVoI
P−TA20Aに対して送信され、クライアント端末1
0Aのユーザが当該発呼要求に応答することにより、両
者の回線が接続され、音声パケット通信が可能となる。
このようにして、通話が開始されると、GK150は、
クライアント端末10Aとクライアント端末10Cとが
通話中である旨の登録を通話管理テーブルに登録する。
具体的には、通話管理テーブルに、クライアント端末1
0Aと10Cの電話番号を互いに対応付けて登録する。
【0054】続いて、上述した状況において、クライア
ント端末10Dのユーザが、企業αに対して問い合わせ
しようと、代表電話番号、即ち親電話であるクライアン
ト端末10Aの電話番号「03-5555-7777」を入力する
と、クライアント端末10Dに対応して設置されている
VoIP−TA20Dは、クライアント端末10Aの電
話番号をGK150に通知し、通話相手となるクライア
ント端末10Aに対応するVoIP−TA20AのIP
アドレスの取得を要求する(図10のステップSP1
1)。
【0055】係る要求を受けると、GK150は、クラ
イアント端末10Aが現在通話中であるか否かを通話管
理テーブルに基づいて判断する(ステップSP12)。
この結果、通話管理テーブルには、クライアント端末1
0Aの電話番号が登録されているため、通話中であると
判断し、続いて、GK150は、クライアント端末10
Aがグループ化されて登録されているか否かをグループ
テーブルに基づいて判断する(ステップSP13)。
【0056】この結果、クライアント端末10Aは、グ
ループ化されているので、続いて、GK150は、クラ
イアント端末10Aと同一グループに属するクライアン
ト端末10Bの電話番号を取得する(ステップSP1
4)。続いて、GK150は、このクライアント端末1
0Bが現在通話中か否かを通話管理テーブルに基づいて
判断する(ステップSP15)。この結果、クライアン
ト端末10Bは、通話中ではないので、GK150は、
このクライアント端末10Bの電話番号に対応して登録
されているVoIP−TA20BのIPアドレスを番号
変換テーブルから読み出し、このIPアドレスをVoI
P−TA20Dへ通知する(ステップSP16)。
【0057】続いて、VoIP−TA20Dは、GK1
50から通知されたIPアドレス宛てにGK150を介
して発呼要求パケットを送信する(ステップSP1
7)。これにより、この発呼要求はVoIP−TA20
Bに対して送信され、クライアント端末10Bのユーザ
が当該発呼要求に応答することにより、両者の回線が接
続され、音声パケット通信が可能となる(ステップSP
18)。
【0058】上述したように、通話要求を行ったクライ
アント端末が通話中であった場合には、該クライアント
端末と同一グループに属する通話中でないクライアント
端末を通話先として、その通話先の電話番号に対応する
IPアドレスを通話要求元に対して返信する。これによ
り、通信要求元のユーザに不快感を与えることなく速や
かに電話をつなぐことができる。
【0059】なお、上述した第6の実施形態において
は、IP網上に設置されたGK150が上述したような
機能を備えていたが、これに限らず、図4に示した第3
の実施形態に係るNAT500や、図7に示した第4の
実施形態に係るPBXが同様の機能を備えることによ
り、図4や図7に示した音声パケット通信のネットワー
ク構成においても、上述した第6の実施形態における音
声パケット通信のネットワークと同様の効果を奏するこ
とが可能となる。即ち、いずれのネットワーク構成にお
いても、通話中のクライアント端末に対する通話要求が
あった場合には、そのクライアント端末と同一のグルー
プに属する他のクライアント端末を通信相手として選ぶ
ことができ、速やかに回線を接続することが可能とな
る。
【0060】なお、図1、図3、図4、図7、図8及び
図9に示した第1〜第6の実施形態における音声パケッ
ト通信を実現するためのプログラムをコンピュータ読み
取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録さ
れたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、
実行することにより各種の処理を実行してもよい。な
お、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや
周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0061】また、「コンピュータ読み取り可能な記録
媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、
ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシス
テムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを
いう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」
とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の
通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバ
やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発
性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保
持しているものも含むものとする。
【0062】また、上記プログラムは、このプログラム
を記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝
送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により
他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここ
で、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネ
ット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回
線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体
のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能
の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、
前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録され
ているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、い
わゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良
い。
【0063】以上、この発明の実施形態を図面を参照し
て詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限ら
れるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計等も含まれる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の音声パケ
ット通信方法によれば、各クライアント端末が、動的に
割り当てられたIPアドレスを用いて通信を行う音声パ
ケット通信方法において、クライアント端末側に対し
て、新しいIPアドレスが割り当てられる毎に、最新の
IPアドレスと当該クライアント端末の識別情報とを通
信ネットワーク側に通知する指示を出し、通信ネットワ
ーク側において、最新のIPアドレスとクライアント端
末の識別情報とを対応付けて管理し、発呼要求が通知さ
れた場合に、該発呼元に対して対応付けに基づいた発呼
先のIPアドレスを通知するので、通信ネットワーク側
では常に、クライアント端末の電話番号とIPアドレス
とを対応づけることが可能となる。これにより、動的に
IPアドレスが変更するような状況においても、不都合
なく音声パケット通信を行うことが可能となり、従来の
ように、固有のユニークなIPアドレスを維持する必要
性も無く、また、インターネット上におけるIPアドレ
スの枯渇化に対する有効な手段として使用できる。
【0065】また、本発明の音声パケット通信管理方法
によれば、個別の識別情報が割り当てられているアダプ
タを介して通信ネットワークに接続されるクライアント
端末の音声パケット通信を管理する音声パケット通信管
理方法において、クライアント端末の識別情報とアダプ
タの識別情報とを予め対応付けて保持しておき、クライ
アント端末が通信を行う際に、クライアント端末の識別
情報とアダプタの識別情報とを受信し、受信した2つの
情報が認証テーブルに対応づけられているか否かを判断
し、対応づけられていた場合に、通信を許可するととも
に当該通信量に応じて課金を開始するので、仮に、第3
者がアダプタを購入し、正規のクライアントの識別情報
等の設定をVoIP−TAに施して音声パケット通信を
希望したとしても、クライアント端末の識別情報と第3
者が購入したアダプタの識別情報との組み合わせは、不
当な組み合わせとなるため、通信が許可されない。これ
により、第3者が正規のクライアントになりすまして、
自己の通話料金を正規のクライアントの課金情報に加算
させるという不当な行為を防止することが可能となり、
音声通信パケットを安心して行うことができる環境をク
ライアントに提供することができる。
【0066】また、本発明のアダプタによれば、プライ
ベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの相互
変換を行うアドレス変換機能を有するルータとクライア
ント端末との間に介在し、クライアント端末に対して個
別に設置されるアダプタにおいて、IPパケットのペイ
ロード部に、プライベートIPアドレスを格納するプロ
トコルに基づいた音声パケット通信を行う場合に、パケ
ットのペイロード部に格納されたプライベートIPアド
レスをグローバルIPアドレスに書き換えて、ルータに
送信するので、送信先の通信機器では、ペイロード部に
格納されているグローバルIPアドレス先へ、即ちイン
ターネット上に存在するルータへとIPパケットを返信
することが可能となり、ルータ等を介したネットワーク
構成においても、音声パケット通信を正確且つ安全に行
うことができる。
【0067】また、本発明のアダプタによれば、通信ネ
ットワークを介してIPパケットを受信した場合に、そ
のIPパケットの所定の格納エリアに格納されている通
話要求先の電話番号に係る情報を抽出し、電話番号に係
る情報をDTMF信号によって私設電話交換機へ出力す
るので、私設電話交換機はアダプタから通知された電話
番号を持つクライアント端末へ接続することが可能とな
る。これにより、クライアント端末間の通信コネクショ
ンが確立し、クライアント端末が私設電話交換機を介し
て当該アダプタに接続されていても何ら問題なく、快適
な音声パケット通信を提供することが可能となる。
【0068】また、本発明のアダプタによれば、クライ
アント端末が一の回線を使用して通信を行っている際
に、他の回線を介してクライアント端末に対する通話要
求を受信した場合に、クライアント端末に対して、他の
回線による通話要求が発生した旨を通知する通知手段
と、通知に基づく所定の信号をクライアント端末から受
信した場合に、一の回線を使用した通信から他の回線を
使用した通信に切り替える切替手段とを具備するので、
クライアント端末のユーザは自由に通話相手を切り替え
ることができる。
【0069】また、本発明の音声パケット通信管理方法
によれば、通話中のクライアント端末への通話要求を受
信した場合に、そのクライアント端末が属するグループ
の中から通話中でないクライアント端末の識別情報を取
得し、取得したクライアント端末を前記通話要求の相手
先として指定し、両者間の通信を確立させるので、発信
元のユーザに不快感を与えることなく速やかに電話をつ
なぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る音声パケット
通信のネットワーク構成を示す図である。
【図2】 図1に示すネットワーク構成において行われ
る音声パケット通信について説明するタイミングチャー
トである。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る音声パケット
通信のネットワーク構成を示す図である。
【図4】 本発明の第3の実施形態に係る音声パケット
通信のネットワーク構成の概略図である。
【図5】 H.323プロトコルに準拠した通信を行う
際に送受信されるIPパケットの構造を示す図である。
【図6】 各機器においてIPパケットのペイロード
部、ネットワーク層に格納される情報を示す図である。
【図7】 本発明の第4の実施形態に係る音声パケット
通信のネットワーク構成を示す図である。
【図8】 本発明の第5の実施形態に係る音声パケット
通信のネットワーク構成の概略図である。
【図9】 本発明の第6の実施形態に係る音声パケット
通信のネットワーク構成の概略図である。
【図10】 図9に示すネットワーク構成において行わ
れる音声パケット通信について説明するタイミングチャ
ートである。
【符号の説明】
10A,10B,10C,10D,100A,100C
…クライアント端末、20A,20B,20C,20
D,200A…VoIP−TA(アダプタ)、30…接
続網、40,400…IP網、50,150…GK、6
0…DHCPサーバ、70…アクセスポイント、80,
800…VoIP−GW、90…認証・課金サーバ、5
00…NAT(ルータ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小飯田 成賛 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 町田 孝夫 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 中尾 晃子 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 坂田 英太郎 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 谷口 仁 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 日野 敬一郎 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 佐藤 洋伸 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 岩樋 道和 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 北口 隆也 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 (72)発明者 西崎 健太 東京都千代田区大手町2−2−2 アーバ ンネット大手町ビル 株式会社エヌ・テ ィ・ティエムイー内 Fターム(参考) 5K030 HA08 HB01 HC01 HD09 JT01 KA04 LB02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各クライアント端末が、動的に割り当て
    られたIPアドレスを用いて通信を行う音声パケット通
    信方法において、 前記クライアント端末側に対して、新しいIPアドレス
    が割り当てられる毎に、最新のIPアドレスと当該クラ
    イアント端末の識別情報とを通信ネットワーク側に通知
    する指示を出す過程と、 通信ネットワーク側において、前記最新のIPアドレス
    と前記クライアント端末の識別情報とを対応付けて管理
    する過程と、 発呼要求が通知された場合に、該発呼元に対して前記対
    応付けに基づいた発呼先のIPアドレスを通知する過程
    とを具備することを特徴とする音声パケット通信方法。
  2. 【請求項2】 各クライアント端末が、動的に割り当て
    られたIPアドレスを用いて通信を行う音声パケット通
    信方法に利用する音声パケット通信プログラムであっ
    て、 前記クライアント端末側に対して、新しいIPアドレス
    が割り当てられる毎に、最新のIPアドレスと当該クラ
    イアント端末の識別情報とを通信ネットワーク側に通知
    する指示を出すステップと、 通信ネットワーク側において、前記最新のIPアドレス
    と前記クライアント端末の識別情報とを対応付けて管理
    するステップと、 発呼要求が通知された場合に、該発呼元に対して前記対
    応付けに基づいた発呼先のIPアドレスを通知するステ
    ップとをコンピュータに実行させるための音声パケット
    通信プログラム。
  3. 【請求項3】 クライアント端末と通信ネットワークと
    の間に介在し、各クライアント端末に対応して個別に設
    置されるアダプタであって、 クライアント端末に、動的にIPアドレスが割り当てら
    れると、割り当てられた新しいIPアドレスと、該クラ
    イアント端末の識別情報とを前記通信ネットワーク側に
    対して送信することを特徴とするアダプタ。
  4. 【請求項4】 個別の識別情報が割り当てられているア
    ダプタを介して通信ネットワークに接続されるクライア
    ント端末の音声パケット通信を管理する音声パケット通
    信管理装置において、 前記クライアント端末の識別情報と前記アダプタの識別
    情報とを予め対応付けて格納する認証テーブルと、 前記クライアント端末が通信を行う際に、前記クライア
    ント端末の識別情報と前記アダプタの識別情報とを受信
    する受信手段と、 受信した前記2つの情報が前記認証テーブルに対応づけ
    られているか否かを判断する判断手段と、 対応づけられていた場合に、前記通信を許可するととも
    に当該通信量に応じて課金を開始する課金手段とを具備
    することを特徴とする音声パケット通信管理装置。
  5. 【請求項5】 個別の識別情報が割り当てられているア
    ダプタを介して通信ネットワークに接続されるクライア
    ント端末の音声パケット通信を管理する音声パケット通
    信管理方法において、 前記クライアント端末の識別情報と前記アダプタの識別
    情報とを予め対応付けて保持する過程と、 前記クライアント端末が通信を行う際に、前記クライア
    ント端末の識別情報と前記アダプタの識別情報とを受信
    する過程と、 受信した前記2つの情報が前記認証テーブルに対応づけ
    られているか否かを判断する過程と、 対応づけられていた場合に、前記通信を許可するととも
    に当該通信量に応じて課金を開始する過程とを具備する
    ことを特徴とする音声パケット通信管理方法。
  6. 【請求項6】 クライアント端末と通信ネットワークと
    の間に介在し、各クライアント端末に対応して個別に設
    置されるアダプタであって、 クライアント端末から通信要求を受け取った場合に、予
    め自己に個別に割り当てられている識別情報を前記クラ
    イアント端末の識別情報とを対応付けて通信ネットワー
    ク側に送信することを特徴とするアダプタ。
  7. 【請求項7】 プライベートIPアドレスとグローバル
    IPアドレスとの相互変換を行うアドレス変換機能を有
    するルータとクライアント端末との間に介在し、前記ク
    ライアント端末に対して個別に設置されるアダプタにお
    いて、IPパケットのペイロード部に、プライベートI
    Pアドレスを格納するプロトコルに基づいた音声パケッ
    ト通信を行う場合に、前記パケットのペイロード部に格
    納された前記プライベートIPアドレスをグローバルI
    Pアドレスに書き換えて、前記ルータに送信することを
    特徴とするアダプタ。
  8. 【請求項8】 私設電話交換機と通信ネットワークとの
    間に設置されるとともに、前記私設電話交換機に接続さ
    れている複数のクライアント端末と前記私設電話交換機
    を介して接続可能なアダプタにおいて、 通信ネットワークを介してIPパケットを受信した場合
    に、そのIPパケットの所定の格納エリアに格納されて
    いる通話要求先の電話番号に係る情報を抽出し、前記電
    話番号に係る情報をDTMF信号によって前記私設電話
    交換機へ出力することを特徴とするアダプタ。
  9. 【請求項9】 公衆回線及び音声パケット通信用の通信
    回線と接続され、いずれか一方の回線を使用して、クラ
    イアント端末が通信を行えるように機能するアダプタで
    あって、 前記クライアント端末が一の前記回線を使用して通信を
    行っている際に、他の回線を介して前記クライアント端
    末に対する通話要求を受信した場合に、前記クライアン
    ト端末に対して、他の回線による通話要求が発生した旨
    を通知する通知手段と、 前記通知に基づく所定の信号を前記クライアント端末か
    ら受信した場合に、前記一の回線を使用した通信から前
    記他の回線を使用した通信に切り替える切替手段とを具
    備することを特徴とするアダプタ。
  10. 【請求項10】 個別の識別情報が割り当てられている
    アダプタを介して通信ネットワークに接続されるクライ
    アント端末の音声パケット通信を管理する音声パケット
    通信管理方法において、 複数のクライアント端末の識別情報をグループ化して登
    録する過程と、 クライアント端末の識別情報とアダプタの識別情報とを
    対応付けて登録する過程と、 通話中である互いのクライアント端末の識別情報を登録
    する過程と、 通話中のクライアント端末への通話要求を受信した場合
    に、そのクライアント端末が属するグループの中から通
    話中でないクライアント端末の識別情報を取得し、取得
    したクライアント端末を前記通話要求の相手先として指
    定し、両者間の通信を確立させる過程とを具備すること
    を特徴とする音声パケット通信管理方法。
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