JP2003163336A - 張り合わせ誘電体分離ウェーハおよびその製造方法 - Google Patents

張り合わせ誘電体分離ウェーハおよびその製造方法

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JP2003163336A
JP2003163336A JP2001361308A JP2001361308A JP2003163336A JP 2003163336 A JP2003163336 A JP 2003163336A JP 2001361308 A JP2001361308 A JP 2001361308A JP 2001361308 A JP2001361308 A JP 2001361308A JP 2003163336 A JP2003163336 A JP 2003163336A
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wafer
dielectric isolation
layer
polysilicon layer
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JP2001361308A
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Inventor
Hiroyuki Oi
浩之 大井
Takashi Katakura
貴司 片倉
Takeshi Noguchi
武 野口
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Sumco Corp
Original Assignee
Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程数の削減、製造時間の短縮化が図
れ、N層の迫り上がりも防げる張り合わせ誘電体分離
ウェーハおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 誘電体分離酸化膜14の表面に、SiH
Clの場合は950〜1150℃、SiClの場合
は950〜1200℃で中温ポリシリコン層16Aを成
長させる。成長速度は0.1〜1.0μm/分である。
結果、種ポリシリコン層を介さずこの層16Aの剥がれ
を防げる。またこの層16Aの表面研磨時に、研磨液に
よる誘電体分離用溝13上の粒界部の浸食を防げる。更
に研磨後、層16Aの表面に低温ポリシリコン層の成長
が不要となる。よって層16Aの単層化、製造工程数の
削減、製造時間の短縮化が図れる。またN型ドーパント
が熱拡散されている場合、層16の成長時にN層が迫
り上がらない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は張り合わせ誘電体
分離ウェーハの製造方法、詳しくはポリシリコン層を単
層化して工程数の削減などが図れる張り合わせ誘電体分
離ウェーハおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の張り合わせ誘電体分離ウェーハ
は、図3および図4に示す各工程を経て製造されてい
た。まず、活性層用ウェーハとなる表面を鏡面加工した
シリコンウェーハ10を用意する(図3(a))。次い
で、シリコンウェーハ10の表面に、マスク酸化膜11
を形成する(図3(b))。さらに、フォトレジスト膜
12をマスク酸化膜11上に被着し、フォトリソグラフ
法によって所定位置に開口を形成する。続いて、この開
口を介して露出したマスク酸化膜11を除去し、マスク
酸化膜11に所定パターンの窓を形成する。その結果、
シリコンウェーハ10の表面の一部が露出する。次に、
フォトレジスト膜12の除去後、シリコンウェーハ10
をアルカリ性のエッチング液(IPA/KOH/H
O)に浸漬して、ウェーハ表面の窓内部を異方性エッ
チングする(図3(c))。こうして、ウェーハ表面に
断面V字形状の誘電体分離用溝13が形成される。
【0003】次に、このマスク酸化膜11を希HF液
(希フッ酸液)またはバッファフッ酸液で洗浄除去する
(図3(d))。それから、必要に応じて、洗浄から熱
拡散あるいはイオン注入などによる拡散層を所定の厚さ
で形成してもよい。その形成方法には周知の手法を用い
る。ウェーハ表面に、酸化熱処理によって誘電体分離酸
化膜14を形成する(図3(e))。その結果、誘電体
分離用溝13の形成面を含むシリコンウェーハ10の表
面に所定厚さの誘電体分離酸化膜14が形成される。続
いて、シリコンウェーハ10の表面、すなわち誘電体分
離酸化膜14上に、種ポリシリコン層15を所定の厚さ
に被着し、その後、約1200〜1300℃の高温CV
D法で、高温ポリシリコン層16を成長させる(図3
(f))。この際、高温ポリシリコン層16の厚さは、
誘電体分離酸化膜14で覆われた誘電体分離用溝13を
埋めてから、この高温ポリシリコン層16を研削・研磨
した後に、数10μmの残部が得られる程度である。そ
の具体的な厚さは、深さ70μmの誘電体分離用溝13
に対して150μm程度である。それから、ウェーハ外
周部を面取り砥石により機械的に面取りし、そしてウェ
ーハ裏面を研磨して、ウェーハ裏面に回り込んだポリシ
リコンの不要な部分を除去して平坦化する。次に、ウェ
ーハ表面の高温ポリシリコン層16を厚さ約10〜80
μmまで研削し(図3(g))、それから研削面を弱ア
ルカリ性の研磨液を利用して研磨する(図3(h))。
その後、シリコンウェーハ10を表面研磨装置のウェー
ハ保持板から剥がし、洗浄する。この後、ウェーハ表面
に550〜700℃の低温CVD法で、厚さ1〜5μm
の低温ポリシリコン層17を成長させる。これにより、
弱アルカリ性の研磨液により誘電体分離用溝13上の研
磨面の部分(粒界部)に現出した窪みが、この低温ポリ
シリコン層17により埋まる。それから、張り合わせ面
の平坦化を図る目的で、低温ポリシリコン層17の表面
をポリッシングする(図4(a))。研磨後の低温ポリ
シリコン層17の表面は平坦度が高い。これは、低温ポ
リシリコンが高温ポリシリコンよりも粒径が小さくて緻
密化するため、弱アルカリ性の研磨液を使っても表面の
浸食が起きにくいことによる。
【0004】一方、上記シリコンウェーハ10とは別
の、支持基板用ウェーハとなるシリコン酸化膜21で被
覆されたシリコンウェーハ20を準備する(図4
(b))。このウェーハ表面は鏡面加工されている。次
に、シリコンウェーハ20上に、上記活性層用ウェーハ
用のシリコンウェーハ10を、この鏡面同士を接触させ
て張り合わせる(図4(c))。その後、張り合わせウ
ェーハの張り合わせ強度を高める熱処理を施す。次に、
図4(d)に示すように、この張り合わせウェーハの活
性層用ウェーハ側の外周部を面取りする。すなわち、シ
リコンウェーハ10の表面から斜めに研削し、張り合わ
せ界面を通り越してシリコンウェーハ20の表層部に達
するまで面取りする。そして、張り合わせウェーハの活
性層用ウェーハ側の面を研削・研磨する(図4
(e))。この活性層用ウェーハの研削量は、誘電体分
離酸化膜14の一部が外部に露出し、高温ポリシリコン
層16の表面に、誘電体分離酸化膜14で区画された誘
電体分離シリコン島10Aが現出されるまでとする。な
お、シリコン酸化膜21は、HF洗浄により適時除去さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来技
術では、このように誘電体分離酸化膜14上に高温ポリ
シリコン層16を成長させる際に、種ポリシリコン層1
5を介在させていた(図3(f))。これは、誘電体分
離酸化膜14の表面に、直接、成長速度が速くてきめの
粗い高温ポリシリコン層16を成長させると、下地にな
る誘電体分離酸化膜14がエッチオフされるためであ
る。また、高温ポリシリコン層16の成長方向は、誘電
体分離酸化膜14の表面に対して略直角である。多結晶
ポリシリコンの成長は、その成長が進行して粒径が大き
くなるにしたがい、(111)方位に配向しやすい性質
がある。そのため、このV溝の誘電体分離酸化膜14に
沿って成長した高温ポリシリコン層16が合わさる粒界
部では、結晶面が(100)となりやすい。これらの粒
界の存在と面方位による被エッチング性とから、高温ポ
リシリコン層16の研磨時にあって、弱アルカリ性(p
H11〜pH12)の研磨液による粒界部の浸食の度合
いが他の部分よりも大きくなる。その結果、研磨後の粒
界部に窪みが発生し、この粒界部が張り合わせ後にボイ
ドとなって顕在化していた(図3(h))。そこで、こ
の窪みを埋めるために、低温ポリシリコン層17を高温
ポリシリコン層16上に成長させていた。
【0006】また、シリコンウェーハWの製造途中で、
シリコンウェーハWの表層に、Sb、AsなどのN型の
ドーパントを熱拡散またはイオン注入により導入してN
層を埋め込む場合がある。その際には、高温ポリシリ
コン層16の成長時の高熱(約1200〜1300℃)
により、N型のドーパントがさらに熱拡散され、この埋
め込まれたN層が所定の埋め込み位置から表面側へ迫
り上がるおそれがあった。
【0007】そこで、発明者は、鋭意研究の結果、この
ような、成長温度が約1200〜1300℃の高温ポリ
シリコン層ではなく、高温ポリシリコン層の場合よりも
粒径が小さくなる、成長温度が950〜1200℃程度
のポリシリコン層(以下、中温ポリシリコン層)に着目
した。すなわち、この中温ポリシリコン層を採用すれ
ば、種ポリシリコン層を介在させなくても、誘電体分離
酸化膜からの剥がれを防止してこの誘電体分離酸化膜に
ポリシリコン層を成長させることができ、しかも研磨液
による粒界部の浸食を防いで研磨後のポリシリコン層上
に低温ポリシリコン層を成長させる必要がないことを知
見し、この発明を完成させた。また、N層が埋め込ま
れた活性層用ウェーハの場合には、この中温ポリシリコ
ン層の採用により、ポリシリコン層の成長時の炉熱によ
るN層のウェーハ表面側への迫り上がりを防げること
も知見し、この発明を完成させた。
【0008】
【発明の目的】そこで、この発明は、製造工程数の削減
が図れて製造時間を短縮することもでき、しかもポリシ
リコン層の成長時の炉熱による活性層用ウェーハに埋め
込まれたN層の迫り上がりを防止することができる張
り合わせ誘電体分離ウェーハおよびその製造方法を提供
することを、その目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、支持基板用ウェーハと、この表面に張り合わされる
活性層用ウェーハとを有し、この活性層用ウェーハのポ
リシリコン層の表面に、互いに誘電体分離酸化膜によっ
て区画された複数の誘電体分離シリコン島が形成された
張り合わせ誘電体分離ウェーハにおいて、上記ポリシリ
コン層を単層とした張り合わせ誘電体分離ウェーハであ
る。単層のポリシリコン層は、実際には成長温度が95
0〜1200℃程度の中温ポリシリコン層の採用によっ
てはじめて具現化する。すなわち、従来の高温ポリシリ
コン層を採用した際には、通常、種ポリシリコン層と低
温ポリシリコン層とを含んだ3層構造になる。ところ
で、低温ポリシリコン層を採用しても単層のポリシリコ
ン層は実現可能である。しかしながら、こうすると成長
時間がきわめて長くなり、経済的ではない。
【0010】請求項2に記載の発明は、活性層用ウェー
ハの表面に誘電体分離用溝を形成し、この誘電体分離用
溝が形成された活性層用ウェーハの表面に誘電体分離酸
化膜を介してポリシリコン層を成長させ、このポリシリ
コン層の表面を研削・研磨した後、この研磨面を張り合
わせ面として、活性層用ウェーハを支持基板用ウェーハ
の表面に張り合わせ、この張り合わせウェーハの外周部
を面取りし、その後、活性層用ウェーハを裏面側から研
削・研磨して、この研磨面に誘電体分離酸化膜で分離さ
れた複数の誘電体分離シリコン島を現出させる張り合わ
せ誘電体分離ウェーハの製造方法において、上記ポリシ
リコン層の成長条件が、原料ガスをトリクロルシランと
し、成長温度を950〜1150℃とした張り合わせ誘
電体分離ウェーハの製造方法である。
【0011】ここでいうポリシリコン層(中温ポリシリ
コン層)は、原料ガスにトリクロルシランを採用し、成
長温度を950〜1150℃としたCVD法(以下、中
温CVD法)により得られた中温ポリシリコン層であ
る。また、中温CVD法とは、シリコンを含んだトリク
ロルシラン(SiHCl)の原料ガスをキャリアガス
(Hガスなど)とともに反応炉内へ導入し、高温に熱
せられた活性層用ウェーハ上に原料ガスの熱分解または
還元により生成されたシリコンを析出させる方法であ
る。中温CVD法に用いられる反応炉としては、例えば
パンケーキ型炉、シリンダ型炉などを採用することがで
きる。ポリシリコンの好ましい成長温度は1000〜1
100℃である。950℃未満ではポリシリコンが良好
に成長せず、1150℃を超えるとポリシリコンの粒径
が大きくなり過ぎてしまう。しかも、N拡散層を有し
ている場合、ドーパントの迫り上がりが顕著となる。
【0012】ポリシリコン層の厚さは限定されない。た
だし、ウェーハ表面に誘電体分離用溝を形成するための
異方性エッチングの深さの2倍程度の厚さに、残したい
ポリシリコン層の厚さを付加した厚さが好ましい。ポリ
シリコン層の厚さが異方性エッチングを行った深さの2
倍以下では、エッチング溝が充分に埋まらないことがあ
る。一方、あまり厚くなると、不要に厚く成長させるこ
とになり、不経済である。異方性エッチング液には、K
OH(IPA/KOH/HO),KOH(KOH/H
O),KOH(ヒドラジン/KOH/HO)を使用
することができる。異方性エッチングの条件は、通常の
条件を適用することができる。また、ウェーハ表面側の
レジスト膜に、異方性エッチング用の窓部を形成するた
めの各工程の条件は、一般的な条件を採用することがで
きる。さらに、活性層用ウェーハに埋め込まれるN型の
ドーパントとしては、例えばPH、AsH、Sb
、SbClなどが挙げられる。
【0013】請求項3に記載の発明は、活性層用ウェー
ハの表面に誘電体分離用溝を形成し、この誘電体分離用
溝が形成された活性層用ウェーハの表面に誘電体分離酸
化膜を介してポリシリコン層を成長させ、このポリシリ
コン層の表面を研削・研磨した後、この研磨面を張り合
わせ面として、活性層用ウェーハを支持基板用ウェーハ
の表面に張り合わせ、この張り合わせウェーハの外周部
を面取りし、その後、活性層用ウェーハを裏面側から研
削・研磨して、この研磨面に誘電体分離酸化膜で分離さ
れた複数の誘電体分離シリコン島を現出させる張り合わ
せ誘電体分離ウェーハの製造方法において、上記ポリシ
リコン層の成長条件が、テトラクロルシランを原料ガス
とし、成長温度を950〜1200℃とした張り合わせ
誘電体分離ウェーハの製造方法である。
【0014】ここでいうポリシリコン層とは、原料ガス
にテトラクロルシランを採用し、成長温度を950〜1
200℃とした別の中温CVD法によって得られた中温
ポリシリコン層である。また、中温CVD法とは、シリ
コンを含んだテトラクロルシラン(SiCl)の原料
ガスを、Hガスなどのキャリアガスとともに反応炉内
へ導入し、高温に熱せられた活性層用ウェーハ上に原料
ガスの熱分解または還元により生成されたシリコンを析
出させる方法である。ポリシリコンの好ましい成長温度
は1000〜1150℃である。950℃未満ではポリ
シリコンが良好に成長せず、1200℃を超えるとポリ
シリコンの粒径が大きくなり過ぎるとともに、N拡散
層を有している場合、ドーパントの迫り上がりが顕著と
なってくる。
【0015】請求項4に記載の発明は、活性層用ウェー
ハの表面に誘電体分離用溝を形成し、この誘電体分離用
溝が形成された活性層用ウェーハの表面に誘電体分離酸
化膜を介してポリシリコン層を成長させ、このポリシリ
コン層の表面を研削・研磨した後、この研磨面を張り合
わせ面として、活性層用ウェーハを支持基板用ウェーハ
の表面に張り合わせ、この張り合わせウェーハの外周部
を面取りし、その後、活性層用ウェーハを裏面側から研
削・研磨して、この研磨面に誘電体分離酸化膜で分離さ
れた複数の誘電体分離シリコン島を現出させる張り合わ
せ誘電体分離ウェーハの製造方法において、上記ポリシ
リコン層の成長速度を0.1〜1.0μm/分とした張
り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法である。ポリシ
リコン層の好ましい成長速度は0.3〜0.7μm/分
である。0.1μm/分未満ではポリシリコンが良好に
成長せず、1.0μm/分を超えるとポリシリコンの粒
径が大きくなり過ぎる。ちなみに、従来のポリシリコン
層の成長速度は、1.5〜4.0μm/分である。
【0016】
【作用】この発明によれば、活性層用ウェーハの表面に
誘電体分離酸化膜を介して中温ポリシリコン層を成長さ
せる。成長温度は、原料ガスがトリクロルシランの場合
は950〜1150℃、原料ガスがテトラクロルシラン
の場合は950〜1200℃である。このときのポリシ
リコン層の成長速度は0.1〜1.0μm/分である。
このように、中温ポリシリコン層を採用したため、成長
速度は高温ポリシリコン層よりも遅いが、低温ポリシリ
コン層よりも速い。またその粒径は、高温ポリシリコン
層よりも小さいが低温ポリシリコン層よりも大きい。そ
のため、種ポリシリコン層を介在しなくても、誘電体分
離酸化膜を腐食させることなく、誘電体分離酸化膜にポ
リシリコン層を成長させることができる。この中温ポリ
シリコンの粒径はあまり大きくないので、誘電体分離用
溝の上部に成長したポリシリコンは、(100)方位に
向かって顕著に配向していく。そのため、ポリシリコン
層の研磨時、弱アルカリ性の研磨液による誘電体分離用
溝上の粒界部の浸食も防ぐことができる。これにより、
研磨後、ポリシリコン層の表面に低温ポリシリコン層を
成長させる必要がない。よって、張り合わせ誘電体分離
ウェーハの製造工程数の削減が図れ、製造時間を短縮す
ることもできる。また、活性層用ウェーハにN層が埋
め込まれている場合には、ポリシリコン層の成長温度
が、従来の高温ポリシリコン層の成長温度(約1200
〜1300℃)よりも低いので、この高温ポリシリコン
層の場合に比べて、成長時の熱によるN層のウェーハ
表面側への迫り上がり現象(再拡散)を抑えることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例に係る張
り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を説明する。な
お、ここでは従来技術の欄で説明した張り合わせ誘電体
分離ウェーハの製造方法を例に説明する。したがって、
同一部分には同一符号を付す。まず、活性層用ウェーハ
となる表面を鏡面加工した直径4〜6インチのシリコン
ウェーハ10を作製、準備する(図1(a))。面方位
は(100)とする。次に、このシリコンウェーハ10
を洗浄する。それから、このシリコンウェーハの表面
に、例えば厚さ1μmのマスク酸化膜11を形成する
(図1(b))。マスク酸化膜11に代えて、CVD法
によりチッ化膜(SiN)を成長させてもよい。
【0018】次に、公知のフォトリソ工程により、この
マスク酸化膜11上にフォトレジスト膜12を被着す
る。そして、通常の通りフォトレジスト膜12に所定パ
ターンの窓を形成する(図1(c))。続いて、この窓
を介して、エッチングによりマスク酸化膜11に同じパ
ターンの窓を形成し、シリコンウェーハ10の表面の一
部を露出させる。その後、フォトレジスト膜12を除去
する(同じく図1(c))。そして、このウェーハ表面
を洗浄する。さらに、この酸化膜11をマスクとして、
シリコンウェーハ10を異方性エッチング液(IPA/
KOH/HO)に所定時間だけ浸漬する。その結果、
シリコンウェーハ表面には所定パターンでの凹部(窪
み)が形成されることになる。すなわち、ウェーハ表面
に異方性エッチングが施され、断面V字形状の誘電体分
離用溝13が形成される(同じく図1(c))。
【0019】次いで、このマスク酸化膜11は、例えば
希HF液により洗浄除去される(図1(d))。その
後、必要に応じて、シリコン内部にN型ドーパント(S
b)を熱拡散してシリコンウェーハ10の表層にN
を埋め込み、それからウェーハ表面(裏面も)に、酸化
熱処理によって所定厚さの誘電体分離酸化膜14を形成
する(図1(e))。このとき、誘電体分離用溝13の
形成面にも、誘電体分離酸化膜14が形成される。そし
て、このウェーハ表面を洗浄する。続いて、このシリコ
ンウェーハ10の表面、すなわち表面側の誘電体分離酸
化膜14上に、1100℃の中温CVD法で、中温ポリ
シリコン層16Aを150μm程度の厚さに1.0μm
/分で成長させる(図1(f))。原料ガスにはトリク
ロルシランを採用し、このシリコンを含んだトリクロル
シランガスをHガスとともにパンケーキ型炉内へ導入
し、高温に熱せられたシリコンウェーハ10上にトリク
ロルシランガスの熱分解または還元により生成されたシ
リコンを析出させる。また、原料ガスにテトラクロルシ
ランを採用し、成長温度を950〜1200℃としてシ
リコンを析出させてもよい。
【0020】このように、中温ポリシリコン層16Aを
採用したので、そのポリシリコン層16Aの成長速度は
高温ポリシリコン層よりも遅くなる。また、その粒径
は、高温ポリシリコン層よりも小さくなる。これによ
り、種ポリシリコン層を介在しなくても、誘電体分離酸
化膜が腐食されることなく、誘電体分離酸化膜にポリシ
リコン層を成長させることができる。さらに、ポリシリ
コン層の研磨時、弱アルカリ性の研磨液による誘電体分
離用溝上の粒界部の浸食も防ぐことができる。これによ
り、研磨後、ポリシリコン層の表面に低温ポリシリコン
層を成長させる必要がない。よって、この中温ポリシリ
コン層16Aを採用すると、ポリシリコン層を単層にす
ることができる。その結果、張り合わせ誘電体分離ウェ
ーハの製造工程数の削減が図れ、製造時間を短縮するこ
ともできる。得られたシリコンウェーハ10の表面粗さ
は、従来と略同じレベルである。具体的には、ヘイズ4
ppm以下、Ra値4〜5nm以下、P−V値20nm
以下となる。これにより、シリコンウェーハ10とシリ
コンウェーハ20との張り合わせ界面におけるウェーハ
面内のボイド占有率が0.3%以下となる。また、シリ
コンウェーハ10の内部に熱拡散によってN層(S
b)が埋め込まれている場合には、中温ポリシリコン層
16Aの成長温度が、従来の高温ポリシリコン層の成長
温度(約1200〜1300℃)よりも低いので、高温
ポリシリコン層の場合に比べて、成長時の熱によるN
層のウェーハ表面側への迫り上がり現象(再拡散)を抑
えることができる。
【0021】その後、シリコンウェーハ10の外周部
を、#800(砥粒粒径15〜25μm)のメタルボン
ド砥石を用いて面取りする(図1(g))。続いて、シ
リコンウェーハ10の裏面を研磨することにより、裏面
に回り込んだポリシリコンを除去する。それから、シリ
コンウェーハ10の表面を図外の研削装置のウェーハ保
持板に吸着設置し、ウェーハ表面を研削する(同じく図
1(g))。続いて、このシリコンウェーハ10をウェ
ーハ保持板から剥がし、それからウェーハ裏面を図外の
研磨装置のウェーハ保持板に貼着して研磨する(図2
(a))。このようにして、中温ポリシリコン層16A
を厚さ約10〜80μmまで研削、研磨する。その後、
このシリコンウェーハ10を研磨装置のウェーハ保持板
から剥がし洗浄する(同じく図2(a))。
【0022】一方、支持基板用ウェーハとなる、シリコ
ン酸化膜21で被覆された直径4〜6インチの鏡面仕上
げされたシリコンウェーハ20を準備する(図2
(b))。次いで、その鏡面同士を対峙させて、シリコ
ンウェーハ20と活性層用ウェーハ用のシリコンウェー
ハ10との重ね合わせの位置決めを行う(図2
(c))。この位置決めは、通常、オリフラ(OF)同
士を重ね合わせることで行われる。続いて、両ウェーハ
10,20を互いに近接方向へ移動させて張り合わせた
後、通常の張り合わせ熱処理を施して、張り合わせ強度
を高める(同じく図2(c))。続いて、図2(d)に
示すように、張り合わせウェーハの活性層用ウェーハ側
の外周部の面取りを行なう。そして、この張り合わせウ
ェーハの活性層用ウェーハ側の面を研削・研磨する(図
2(e))。活性層用ウェーハの研削量は、誘電体分離
酸化膜14の一部が外部に露出し、中温ポリシリコン層
16Aの表面上に、誘電体分離酸化膜14で区画された
誘電体分離シリコン島10Aが現出するまでとする。な
お、シリコン酸化膜21は、HF洗浄により適時除去さ
れる。こうして、張り合わせ誘電体分離ウェーハが作製
される。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、誘電体分離酸化膜の
表面上に、原料ガスがトリクロルシランの場合には95
0〜1150℃、原料ガスがテトラクロルシランの場合
には950〜1200℃で、ポリシリコン層を成長させ
る。このとき、ポリシリコン層の成長速度は0.1〜
1.0μm/分である。これにより、高温ポリシリコン
層に比べてポリシリコン層の成長速度が遅くなり、その
粒径が小さくなる。そのため、種ポリシリコン層を介在
せずに誘電体分離酸化膜の腐食による消失を防止するこ
とができる。しかも、ポリシリコン層の表面研磨時に、
研磨液による誘電体分離用溝上の粒界部の浸食を防止す
ることができ、さらに研磨後のポリシリコン層の表面に
低温ポリシリコン層を成長させる必要もない。これによ
り、ポリシリコン層の単層化が図れるので、張り合わせ
誘電体分離ウェーハの製造工程数を削減することがで
き、よって製造時間を短縮することもできる。また、活
性層用ウェーハにN層が埋め込まれている場合には、
このようにポリシリコン層の成長温度が低いので、成長
時の熱によるN層のウェーハ表面側への迫り上がりを
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る張り合わせ誘電体分
離ウェーハの製造方法を説明するための断面図である。
【図2】この発明の一実施例に係る張り合わせ誘電体分
離ウェーハの製造方法を説明するための図1の続きの断
面図である。
【図3】従来の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造工
程を説明するための断面図である。
【図4】従来の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造工
程を説明するための図3の続きの断面図である。
【符号の説明】
10 シリコンウェーハ(活性層用ウェーハ)、 10A 誘電体分離シリコン島、 13 誘電体分離用溝 14 誘電体分離酸化膜、 16A 中温ポリシリコン層、 20 支持基板用ウェーハ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/762 H01L 21/76 V (72)発明者 野口 武 東京都千代田区大手町1丁目5番1号 三 菱マテリアルシリコン株式会社内 Fターム(参考) 5F032 AA04 AA06 AA09 AA40 AA44 AA45 AA47 AA77 AA78 CA11 DA02 DA22 DA25 DA71 DA78 5F045 AA01 AB03 AC03 AD13 AD14 AD15 HA06 HA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板用ウェーハと、この表面に張り
    合わされる活性層用ウェーハとを有し、この活性層用ウ
    ェーハのポリシリコン層の表面に、互いに誘電体分離酸
    化膜によって区画された複数の誘電体分離シリコン島が
    形成された張り合わせ誘電体分離ウェーハにおいて、 上記ポリシリコン層を単層とした張り合わせ誘電体分離
    ウェーハ。
  2. 【請求項2】 活性層用ウェーハの表面に誘電体分離用
    溝を形成し、 この誘電体分離用溝が形成された活性層用ウェーハの表
    面に誘電体分離酸化膜を介してポリシリコン層を成長さ
    せ、 このポリシリコン層の表面を研削・研磨した後、この研
    磨面を張り合わせ面として、活性層用ウェーハを支持基
    板用ウェーハの表面に張り合わせ、 この張り合わせウェーハの外周部を面取りし、 その後、活性層用ウェーハを裏面側から研削・研磨し
    て、この研磨面に誘電体分離酸化膜で分離された複数の
    誘電体分離シリコン島を現出させる張り合わせ誘電体分
    離ウェーハの製造方法において、 上記ポリシリコン層の成長条件が、原料ガスをトリクロ
    ルシランとし、成長温度を950〜1150℃とした張
    り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
  3. 【請求項3】 活性層用ウェーハの表面に誘電体分離用
    溝を形成し、 この誘電体分離用溝が形成された活性層用ウェーハの表
    面に誘電体分離酸化膜を介してポリシリコン層を成長さ
    せ、 このポリシリコン層の表面を研削・研磨した後、この研
    磨面を張り合わせ面として、活性層用ウェーハを支持基
    板用ウェーハの表面に張り合わせ、 この張り合わせウェーハの外周部を面取りし、 その後、活性層用ウェーハを裏面側から研削・研磨し
    て、この研磨面に誘電体分離酸化膜で分離された複数の
    誘電体分離シリコン島を現出させる張り合わせ誘電体分
    離ウェーハの製造方法において、 上記ポリシリコン層の成長条件が、テトラクロルシラン
    を原料ガスとし、成長温度を950〜1200℃とした
    張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
  4. 【請求項4】 活性層用ウェーハの表面に誘電体分離用
    溝を形成し、 この誘電体分離用溝が形成された活性層用ウェーハの表
    面に誘電体分離酸化膜を介してポリシリコン層を成長さ
    せ、 このポリシリコン層の表面を研削・研磨した後、この研
    磨面を張り合わせ面として、活性層用ウェーハを支持基
    板用ウェーハの表面に張り合わせ、 この張り合わせウェーハの外周部を面取りし、 その後、活性層用ウェーハを裏面側から研削・研磨し
    て、この研磨面に誘電体分離酸化膜で分離された複数の
    誘電体分離シリコン島を現出させる張り合わせ誘電体分
    離ウェーハの製造方法において、 上記ポリシリコン層の成長速度を0.1〜1.0μm/
    分とした張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009087979A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Oki Semiconductor Co Ltd 基板構造体、及び基板構造体の製造方法
JP2011166004A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Fuji Electric Co Ltd 逆阻止形絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法

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