JP2003161896A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents

表示装置及びその製造方法

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JP2003161896A
JP2003161896A JP2002246683A JP2002246683A JP2003161896A JP 2003161896 A JP2003161896 A JP 2003161896A JP 2002246683 A JP2002246683 A JP 2002246683A JP 2002246683 A JP2002246683 A JP 2002246683A JP 2003161896 A JP2003161896 A JP 2003161896A
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optical waveguide
waveguide plate
pixel
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JP2002246683A
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English (en)
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Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
Tsutomu Nanataki
七瀧  努
Natsuki Shimokawa
夏己 下河
Kazuhiro Yamamoto
一博 山本
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NGK Insulators Ltd
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/02Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the intensity of light

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Abstract

(57)【要約】 【課題】画素構成体の耐熱性を向上させて、光導波板に
対する接触離隔の応答性の向上及び画像表示の安定性を
図る。 【解決手段】アクチュエータ部22を有するアクチュエ
ータ基板32と、光導波板20と、該光導波板20とア
クチュエータ基板32との間に介在して、かつ、アクチ
ュエータ部22を囲繞する桟42と、アクチュエータ部
22上に接合された画素構成体30とを具備した表示装
置10において、画素構成体30を構成する積層体のう
ち、光導波板20と対向する透明層54について、変性
エポキシ、もしくはビスフェノールA型エポキシ、もし
くはビスフェノールF型エポキシ、もしくはグリシジル
エーテル型エポキシの中から選択された1種以上を主剤
とし、変性ポリアミン、もしくは変性脂環式ポリアミ
ン、もしくは複素環式ジアミン変性物三級アミンの中か
ら選択された1種以上を硬化剤として重合させた樹脂硬
化物を主成分として構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置及びその
製造方法に関し、詳細には、アクチュエータ部を有する
基板と、光導波板と、前記光導波板と前記基板との間に
介在して、かつ、前記アクチュエータ部を囲繞する桟
と、前記アクチュエータ部上に接合された画素構成体と
を具備した表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、表示装置として、陰極線管
(CRT)や液晶表示装置等の表示装置が知られてい
る。
【0003】陰極線管としては、通常のテレビジョン受
像機やコンピュータ用のモニタ装置等が知られている
が、画面は明るいものの、消費電力が大きく、また、画
面の大きさに比較して表示装置全体の奥行きが大きくな
るという問題がある。
【0004】一方、液晶表示装置は、装置全体を小型化
でき、消費電力が少ないという利点があるものの、画面
の輝度が劣り、画面視野角度が狭いという問題がある。
【0005】更にこれら陰極線管や液晶表示装置におい
ては、カラー画面にする場合、画素数を白黒画面の3倍
にしなければならず、このため、装置自体が複雑にな
り、消費電力がかさみ、コストアップが避けられないと
いう問題もあった。
【0006】そこで、上述のような問題を解決すべく新
たな表示装置200が提案されている。この表示装置2
00は、図20に示すように、アクチュエータ基板20
2と、光導波板204と、両者の間に介在された複数個
の桟206とを有している。光導波板204と桟206
とは、接着剤207を介して互いに接合されている。ま
た、アクチュエータ基板202は、複数個の桟206に
囲繞される位置に、該アクチュエータ基板202側又は
光導波板204側へ指向して変位可能なアクチュエータ
部208を有している。このアクチュエータ部208
と、該アクチュエータ部208上に設けられた画素構成
体210とにより、単位ドット212が構成される。こ
の表示装置200においては、この単位ドット212が
複数個設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の表示
装置200においては、アクチュエータ部208の駆動
や光導波板204に導入される光214や、画像表示に
関わる駆動回路等から発生する熱を主原因として画素構
成体210が軟化する。
【0008】更に、アクチュエータ部208の駆動によ
って画素構成体210が光導波板204に押接され続け
ることによって、画素構成体210の光導波板204に
対する接触離隔の応答特性向上のために形成された画素
構成体210の表面の凹凸形状が平坦に変化していく。
【0009】また、予め画素構成体210に添加され、
樹脂硬化後にも残留する接着抑制剤が、画素構成体21
0の光導波板204に対する接触離隔動作に伴って、該
画素構成体210から徐々にしみ出し、光導波板204
に付着し、その付着物が白く光る白色欠陥が生じる。
【0010】その結果、画素構成体210の光導波板2
04に対する接触離隔の応答性が悪化し、画素構成体2
10が光導波板204から離間しなくなり、常時発光し
た状態となる明欠陥に変化、又は、表示上の白色欠陥レ
ベルが徐々に変化し、画像表示能力に変動が生ずるおそ
れがある。
【0011】ここで、詳細に問題点を列挙すると、画像
表示の安定には、画素構成体210の表面形状が変化し
ないことが必要で、具体的には、温度(耐熱性)とし
て、60℃程度の雰囲気下でも表面形状が変化しないこ
とが必要である。
【0012】これに対し、現在使用している樹脂構成
(画素構成体210の樹脂構成)では、硬化後の樹脂の
耐熱性(Tg)が低いことから、予め加熱処理しても熱
による樹脂の形状変化を抑制することができず、これに
より、加熱処理後もアクチュエータ部208の駆動を継
続すると、画素構成体210の表面形状が徐々に変化す
ることがわかった。
【0013】一方、画素構成体210として、単に加熱
硬化型の高耐熱性(高Tg)の樹脂を使用した場合で
も、加熱処理を行わないことには、樹脂の耐熱性は向上
しない。そのため、工程中に加熱処理を行わざるを得な
いわけだが、未硬化状態の樹脂を直接加熱処理した場合
には、いくつかの点で不都合が生じる。
【0014】その1つは、加熱により画素構成体前駆体
中の樹脂や接着抑制剤の粘度が著しく低下し、樹脂と接
着抑制剤との非親和性によって樹脂から接着抑制剤が滲
出しても、凹凸を形成することなく互いにレベリングし
てしまうことで、画素構成体210の表面形状が平坦に
なってしまう。
【0015】また、そのレベリングを抑制するために高
粘度に調製した接着抑制剤を添加すると、接着抑制効果
が低下する上、滲出した高粘度の接着抑制剤は、後の洗
浄工程での洗浄が困難となり、表示上の白色欠陥を引き
起こすおそれがある。
【0016】あるいは、樹脂からの接着抑制剤の十分な
滲出がないまま樹脂が硬化してしまい、画素構成体21
0の表面形状が平坦になり、かつ、光導波板204から
の離型効果が十分に得られないというおそれもある。
【0017】これらの不具合により、結果として、画素
構成体210の光導波板204に対する接触離隔の応答
に遅れを生ずる、もしくは離間しない状態(明欠陥)と
なるおそれがある。
【0018】このような樹脂の形状的な変化をもたらす
要因としては、樹脂自体の耐熱性が最も大きく左右して
いることがわかった。
【0019】一方、表示上の白色欠陥レベルの変化を引
き起こす要因としては、画素構成体210中に過剰に残
留した接着抑制剤がしみ出して光導波板204に残留す
ることが挙げられる。これは接着抑制剤が画素構成体2
10中に多く残留し、アクチュエータ部208の駆動に
より、画素構成体210が光導波板204に押接される
ことで、接着抑制剤が搾り出されるかたちで徐々にしみ
出して光導波板204上に付着し、これによって、表示
上の白色欠陥レベルの変動(徐々に白くなる)を引き起
こしている。
【0020】更には、画素構成体210と光導波板20
4の界面に滲出した接着抑制剤が、加熱によって光導波
板204への付着力が増し、単なる洗浄では十分に除去
しきれず、光導波板204に残留した付着物が、画像表
示上で白色欠陥を引き起こしている。
【0021】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、画素構成体の耐熱性を向上させることが
でき、光導波板に対する接触離隔の応答性の向上及び画
像表示の安定性を図ることができる表示装置及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表示装置
は、アクチュエータ部を有する基板と、光導波板と、前
記光導波板と前記基板との間に介在して、かつ、前記ア
クチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチュエータ部
上に接合された画素構成体とを具備し、前記画素構成体
は、変性エポキシ、もしくはビスフェノールA型エポキ
シ、もしくはビスフェノールF型エポキシ、もしくはグ
リシジルエーテル型エポキシの中から選択された1種以
上を主剤とし、変性ポリアミン、もしくは変性脂環式ポ
リアミン、もしくは複素環式ジアミン変性物三級アミン
の中から選択された1種以上を硬化剤として重合させた
樹脂硬化物を主成分とする層を含むことを特徴とする。
【0023】前記画素構成体は、上述した樹脂硬化物を
主成分とする層を含むことから、画素構成体の耐熱性が
向上し、これにより、光導波板に対する接触離隔の応答
性が向上し、併せて画像表示の安定性が図られることに
なる。
【0024】前記画素構成体としては、変性エポキシ、
ビスフェノールA型エポキシの中から選択された1種以
上を主剤とし、変性ポリアミン、変性脂環式ポリアミン
の中から選択された1種以上を硬化剤として重合させた
樹脂硬化物を主成分とする層、又はビスフェノールF型
エポキシもしくはビスフェノールF型エポキシとグリシ
ジルエーテル型エポキシの混合物を主剤とし、変性ポリ
アミンあるいは複素環式ジアミン変性物三級アミンを硬
化剤として重合させた樹脂硬化物を主成分とする層を含
むようにしてもよい。
【0025】そして、前記構成において、前記層は、そ
の一部が前記光導波板と対向するようにしてもよい。こ
の場合、画素構成体の光導波板に対する接触離隔の応答
性が向上することとなる。
【0026】また、前記構成において、前記樹脂硬化物
に接着抑制剤を含めるようにすれば、画素構成体が光導
波板に付着し続けるという現象を回避することができ
る。この場合、前記樹脂硬化物の前駆体を樹脂前駆体と
定義したとき、前記層に含まれる前記樹脂前駆体と前記
接着抑制剤の配合率を重量比で1:0.01〜1:0.
2とすることが好ましい。
【0027】前記接着抑制剤は、シリコーングリース及
び/又はシリコーンオイルを含むことが好ましい。この
場合、前記シリコーングリースとシリコーンオイルとの
配合率を重量比で1:0.1〜0:1とすることが好ま
しい。また、前記シリコーングリースは無機物のフィラ
ーを含むようにしてもよい。
【0028】画素構成体の表面形状(特に、光導波板と
対向する面の形状)について、前記樹脂前駆体に添加す
る接着抑制剤中のシリコーングリースについては、チク
ソ性が高いほど界面に滲出した後にレベリングしにく
い。即ち、表面に滲出した状態のままの形状を維持する
傾向にあるため、凹凸になりやすく、その凹凸が画素構
成体の表面に転写されるかたちで表面形状が形成される
ことで、画素構成体の光導波板に対する接触離隔の応答
性が向上する。
【0029】一方のシリコーンオイルについては、高粘
度であるほどレベリングしにくくなり、同様の効果とし
て、画素構成体と光導波板の界面全体に、より均一な凹
凸を作ることが可能となって好ましいが、後の洗浄工程
において、光導波板上に残留物として残りやすくなるた
め、画素構成体の表面形状による接触離隔の応答性と、
残留物による表示上の白色欠陥の発生度合いとのバラン
スを考慮して前記樹脂前駆体に添加するシリコーンオイ
ルの粘度を選択すればよい。
【0030】また、添加するシリコーンオイルの粘度が
低粘度になるほど、滲出した接着抑制剤が凝集、レベリ
ングしやすくなる。その結果、画素構成体の表面形状の
凹凸に片寄りが生じたり、凹凸のない平坦部分が増加す
ることから、接触離隔の応答性が低下するおそれがあ
る。
【0031】従って、前記シリコーンオイルとして粘度
が5mm2/s〜3000mm2/sのジメチルシリコー
ンオイルを用いることが好ましい。この場合、接着抑制
効果が向上し、洗浄工程で光導波板に付着する接着抑制
剤を除去しやすくなり、表示上の白色欠陥の発生を抑え
ることができる。
【0032】なお、前記樹脂硬化物に消泡剤を含むよう
にすれば、画素構成体に気泡が混入することが回避さ
れ、不要な散乱光の発生を抑えることができる。
【0033】次に、本発明に係る表示装置の製造方法
は、アクチュエータ部を有する基板と、光導波板と、前
記光導波板と前記基板との間に介在して、かつ、前記ア
クチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチュエータ部
上に接合された画素構成体とを具備した表示装置の製造
方法において、変性エポキシ、もしくはビスフェノール
A型エポキシ、もしくはビスフェノールF型エポキシ、
もしくはグリシジルエーテル型エポキシの中から選択さ
れた1種以上の主剤と、変性ポリアミン、もしくは変性
脂環式ポリアミン、もしくは複素環式ジアミン変性物三
級アミンの中から選択された1種以上の硬化剤とを混合
したものを含む画素構成体前駆体を調製する工程と、前
記画素構成体前駆体をパターニングする工程と、前記光
導波板と基板とを接合する工程と、前記画素構成体前駆
体を硬化させて前記画素構成体とする工程とを含むこと
を特徴とする。
【0034】この場合、前記画素構成体は、上述した主
剤と硬化剤とが混合された画素構成体前駆体を硬化させ
ることによって作製されることから、画素構成体の耐熱
性が向上し、これにより、光導波板に対する接触離隔の
応答性が向上し、併せて画像表示の安定性が図られるこ
とになる。
【0035】また、前記画素構成体前駆体調製工程は、
変性エポキシ、ビスフェノールA型エポキシの中から選
択された1種以上の主剤と、変性ポリアミン、変性脂環
式ポリアミンの中から選択された1種以上の硬化剤とを
混合したものを含む画素構成体前駆体、又はビスフェノ
ールF型エポキシもしくはビスフェノールF型エポキシ
とグリシジルエーテル型エポキシの混合物の主剤と、変
性ポリアミンあるいは複素環式ジアミン変性物三級アミ
ンの硬化剤とを混合したものを含む画素構成体前駆体を
調製するようにしてもよい。
【0036】そして、前記製造方法において、前記画素
構成体前駆体の硬化工程に先立って、前記画素構成体前
駆体を予備加熱する工程を有するようにしてもよい。こ
の予備加熱工程によって、画素構成体前駆体の硬化レベ
ルを調整することができ、前記光導波板と基板とを接合
した段階において、画素構成体前駆体の形状を、光導波
板に対して離隔しやすい形状に制御することができる。
従って、画素構成体の光導波板に対する接触離隔の応答
性の向上を図ることができる。
【0037】また、前記製造方法において、前記画素構
成体前駆体の硬化工程は、前記画素構成体前駆体を室温
硬化させる工程と、前記画素構成体前駆体を室温よりも
高い温度で加熱硬化させる工程とを含むようにしてもよ
い。
【0038】この場合、前記画素構成体前駆体の室温硬
化工程及び前記画素構成体前駆体の加熱硬化工程は、前
記アクチュエータ部に電圧を印加して、該アクチュエー
タ部を変位又は駆動させて行うようにしてもよい。
【0039】また、本発明においては、前記画素構成体
前駆体に接着抑制剤を含み、前記接着抑制剤を滲出させ
る工程を更に有するようにしてもよい。この場合、前記
接着抑制剤の滲出工程は、少なくとも加熱及び/又は加
振によって行うようにしてもよい。接着抑制剤の滲出工
程として、加熱による方法を選択した場合、該接着抑制
剤の滲出工程にて、上述した画素構成体前駆体の予備加
熱工程を兼ねるようにしてもよい。
【0040】前記接着抑制剤の滲出工程は、前記画素構
成体前駆体をパターニングする工程の後、及び/又は前
記光導波板と基板とを接合する工程の後、及び/又は前
記画素構成体前駆体の硬化工程中で行うようにしてもよ
い。ここで、前記画素構成体前駆体の硬化工程中とは、
室温硬化させる工程中、あるいは加熱硬化させる工程
中、あるいは室温硬化させる工程と加熱硬化させる工程
との間を意味する。
【0041】なお、前記画素構成体前駆体から滲出する
接着抑制剤を洗浄せずに前記画素構成体前駆体の加熱硬
化工程に投入するようにしてもよい。
【0042】また、前記画素構成体から滲出している接
着抑制剤を洗浄する工程を有するようにしてもよい。こ
の場合、前記洗浄工程の前処理として、ワーク(表示装
置として完成する前の状態のもの)を高揮発性液体中に
浸漬し、前記アクチュエータ部を駆動して行うことが好
ましい。また、前記洗浄工程は、前記アクチュエータ部
に電圧を印加して、該アクチュエータ部を変位させて行
うようにしてもよい。
【0043】このような本発明の製造方法の具体的な一
手法について説明すると、まず、前記画素構成体前駆体
をパターニングする工程の後、及び/又は前記光導波板
と基板とを接合する工程の後、及び/又は前記画素構成
体前駆体の硬化工程中の任意のタイミングで任意の回数
だけ接着抑制剤を滲出させる工程を行う。
【0044】前記滲出工程の具体的な手法としては、加
熱又は加振(外部からの加振又はアクチュエータ部の駆
動による加振等)により行う。これにより、画素構成体
前駆体中に分散されている接着抑制剤の滲出のきっかけ
を起きやすくし、滲出促進を行う。
【0045】また、画素構成体前駆体を室温硬化させる
工程の後に、例えば接着抑制剤を画素構成体と光導波板
の界面に介在させたまま、画素構成体前駆体を室温より
も高い温度で加熱硬化させる。室温硬化の工程で一次的
な硬化を終了させることで、その後の加熱処理時に、樹
脂及び接着抑制剤の急激な軟化やレベリングを抑制する
ことができる。
【0046】室温硬化の工程までに画素構成体前駆体と
光導波板との界面に滲出した接着抑制剤を、そのまま加
熱処理時にも残しておき、更に加熱処理により滲出する
接着抑制剤が合わされ、室温硬化時に得た画素構成体前
駆体の表面の凹凸形状と同様の凹凸形状を加熱処理後に
も得ることが可能となる。
【0047】上述の一連の加熱処理を行うことで、室温
硬化工程のみの場合よりも、樹脂と接着抑制剤との分離
が進み、樹脂中への接着抑制剤の残留が減ることとな
る。従って、その後のアクチュエータ部の駆動におい
て、画素構成体の光導波板に対する接触離隔によって画
素構成体から滲出する接着抑制剤の量が減り、表示上の
白色欠陥レベルの変動が抑制される。
【0048】更に、副次的な効果として、画素構成体前
駆体に添加する接着抑制剤の添加量自体を減らすことが
でき、コスト面でも有利となる。
【0049】また、洗浄工程の前処理として、高揮発性
液体にワークごと浸漬し、浸漬した中でアクチュエータ
部を駆動する。これにより、光導波板と画素構成体の界
面に滲出した高粘度の接着抑制剤と低粘度の高揮発性液
体とが強制的に混ぜ合わさり、その後の光導波板と基板
の隙間から高揮発性液体を流し込んで洗浄を行う際に、
接着抑制剤を除去しやすくなる。
【0050】更には、上述の浸漬中でのアクチュエータ
部の駆動を行う前に、予めアクチュエータ部に高い電圧
を印加して画素構成体を光導波板から一旦離間させる工
程を加えることで、正常な画素構成体に対する洗浄を確
実に行うことができ、表示上の白色欠陥の発生を効果的
に抑制することができる。
【0051】その後の洗浄工程においても、アクチュエ
ータ部に電圧を印加して変位させた状態、即ち、画素構
成体と光導波板間に隙間を設けた状態で洗浄を行うこと
で洗浄効果が向上し、加熱を行ったことで除去しにくく
なった接着抑制剤を確実に除去することができ、表示上
の白色欠陥の発生を抑制することができる。
【0052】ところで、上述の洗浄工程後においては、
該洗浄処理により接着抑制剤が失われ、この状態のまま
では、画素構成体と光導波板の界面での離型性が低下
し、画素構成体の光導波板に対する接触離隔の応答特性
が低下、もしくは輝度欠損の発生につながるおそれがあ
る。
【0053】そこで、前記洗浄工程の後に、前記画素構
成体と光導波板との間に接着抑制剤を注入することで、
画素構成体と光導波板の界面での離型性を回復させるこ
とができ、上述したような画素構成体の光導波板に対す
る接触離隔の応答特性の低下や輝度欠損の発生を防止す
ることが可能となる。なお、画素構成体と光導波板の界
面での離型性の回復を目的とした接着抑制剤としては、
シリコーンオイルが好ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る表示装置及び
その製造方法の実施の形態例を図1〜図19Bを参照し
ながら説明する。
【0055】本実施の形態に係る表示装置10は、例え
ば図1に示すように、ガラスやアクリル樹脂等から構成
された大型の導光板102の一主面に複数個の表示装置
10を縦方向及び横方向に配列することによって大画面
ディスプレイ100を構成することができる。この大画
面ディスプレイ100は、直視型で薄型・高輝度・広視
野角等の特徴を有している。
【0056】表示装置10の配列を任意に変更すること
で、通常の長方形のディスプレイのほかにも、横長ある
いは縦長、円形状など様々な形状の画面を形成すること
ができる。また、導光板を湾曲させておけば、曲面ディ
スプレイを形成することもできる。
【0057】そして、本実施の形態に係る表示装置10
は、図2に示すように、光源16からの光18が導入さ
れる光導波板20と、該光導波板20の背面に対向して
設けられ、かつ多数のアクチュエータ部22が画素に対
応してマトリックス状あるいは千鳥状に配列された駆動
部24を有して構成されている。
【0058】画素の配列構成は、例えば図3に示すよう
に、垂直方向に並ぶ2つのアクチュエータ部22にて1
つのドット26が構成され、水平方向に並ぶ3つのドッ
ト26(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色
ドット26B)で1つの画素28が構成されている。更
に、この表示装置10においては、画素28の並びを水
平方向に16個(48ドット)、垂直方向に16個(1
6ドット)としている。
【0059】なお、図1に示す大画面ディスプレイ10
0は、例えばVGAの規格に準拠すべく、水平方向に6
40画素(1920ドット)が並び、垂直方向に480
画素(480ドット)が並ぶように、導光板102の背
面に、表示装置10を水平方向に40個、垂直方向に3
0個配列させるようにしている。
【0060】導光板102は、ガラス板やアクリル板等
の可視光領域での光透過率が大であって均一なものが使
用され、各表示装置10間は、ワイヤボンディングや半
田付け、端面コネクタ、裏面コネクタ等で接続すること
により相互間の信号供給が行えるようになっている。
【0061】なお、前記導光板102と各表示装置10
の光導波板20は屈折率が類似したものが好ましく、導
光板102と光導波板20とを貼り合わせる場合には、
透明な接着剤や液体を用いてもよい。この接着剤や液体
は、導光板102や光導波板20と同様に、可視光領域
で均一で、高い透過率を有することが好ましく、また、
屈折率も導光板102や光導波板20と近いものに設定
することが画面の明るさを確保する上で望ましい。
【0062】ところで、各表示装置10は、図2に示す
ように、各アクチュエータ部22上に、それぞれ画素構
成体30が積層されている。
【0063】駆動部24は、例えばセラミックスにて構
成されたアクチュエータ基板32を有し、該アクチュエ
ータ基板32の各ドット26が形成されるべき部分にそ
れぞれ2つのアクチュエータ部22が配設されている。
前記アクチュエータ基板32は、一主面が光導波板20
の背面に対向するように配置されており、該一主面は連
続した面(面一)とされている。アクチュエータ基板3
2の内部には、各アクチュエータ部22が形成される部
分に対応した位置に、それぞれ後述する振動部を形成す
るための空所34が設けられている。各空所34は、ア
クチュエータ基板32の他端面に設けられた径の小さい
貫通孔36を通じて外部と連通されている。
【0064】前記アクチュエータ基板32のうち、空所
34の形成されている部分が薄肉とされ、それ以外の部
分が厚肉とされている。薄肉の部分は、外部応力に対し
て振動を受けやすい構造となって振動部38として機能
し、空所34以外の部分は厚肉とされて前記振動部38
を支持する固定部40として機能するようになってい
る。
【0065】つまり、アクチュエータ基板32は、最下
層である基板層32Aと中間層であるスペーサ層32B
と最上層である薄板層32Cの積層体であって、スペー
サ層32Bのうち、アクチュエータ部22に対応する箇
所に空所34が形成された一体構造体として把握するこ
とができる。基板層32Aは、補強用基板として機能す
るほか、配線用の基板としても機能するようになってい
る。なお、前記アクチュエータ基板32は、一体焼成で
あっても、後付けであってもよい。
【0066】そして、前記薄板層32Cの厚みとして
は、アクチュエータ部22を大きく変位させるために、
通常50μm以下とされ、好ましくは3〜20μm程度
とされる。
【0067】スペーサ層32Bは、アクチュエータ基板
32に空所34を構成するものとして存在していればよ
く、その厚みは特に制限されるものではない。しかし一
方で、空所34の利用目的に応じてその厚みを決定して
もよく、その中でもアクチュエータ部22が機能する上
で必要以上の厚みを有さず、例えば図4に示すように、
薄い状態で構成されていることが好ましい。即ち、スペ
ーサ層32Bの厚みは、利用するアクチュエータ部22
の変位の大きさ程度であることが好ましい。
【0068】このような構成により、薄肉の部分(振動
部38の部分)の撓みが、その撓み方向に近接する基板
層32Aにより制限され、意図しない外力の印加に対し
て、前記薄肉部分の破壊を防止するという効果が得られ
る。なお、基板層32Aによる撓みの制限効果を利用し
て、アクチュエータ部22の変位を特定値に安定させる
ことも可能である。
【0069】また、スペーサ層32Bを薄くすること
で、アクチュエータ基板32自体の厚みが低減し、曲げ
剛性を小さくすることができるため、例えばアクチュエ
ータ基板32を別体に接着・固定するにあたって、相手
方(例えば光導波板20)に対し、自分自身(この場
合、アクチュエータ基板32)の反り等が効果的に矯正
され、接着・固定の信頼性の向上を図ることができる。
【0070】加えて、アクチュエータ基板32が全体と
して薄く構成されるため、アクチュエータ基板32の製
造にあたっての原材料使用量を低減することができ、製
造コストの観点からも有利な構造である。従って、スペ
ーサ層32Bの具体的な厚みとしては、3〜50μmの
厚みとすることが好ましく、中でも3〜20μmとする
ことが好ましい。
【0071】一方、基板層32Aの厚みとしては、上述
したスペーサ層32Bを薄く構成することから、アクチ
ュエータ基板32全体の補強目的として、一般に50μ
m以上、好ましくは80〜300μm程度とされる。
【0072】ここで、アクチュエータ部22と画素構成
体30の具体例について説明する。まず、アクチュエー
タ部22は、振動部38と固定部40のほか、該振動部
38上に直接形成された圧電/電歪層や反強誘電体層等
の形状保持層46と、該形状保持層46の上面と下面に
形成された一対の電極48(ロウ電極48a及びカラム
電極48b)とからなるアクチュエータ部本体23を有
する。
【0073】画素構成体30は、アクチュエータ部本体
23上に形成された白色散乱体50と、該白色散乱体5
0上に形成された着色層52と、該着色層52上に形成
された透明層54との積層体で構成することができる。
この積層体はアクチュエータ部22の変位伝達部として
も機能する。前記着色層52としては、例えば色フィル
タや有色散乱体を用いることができる。
【0074】その他、図示しないが、着色層52の下層
に光反射層を介在させるようにしてもよい。この場合、
光反射層とアクチュエータ部本体23間に絶縁層を形成
することが望ましい。
【0075】また、本実施の形態に係る表示装置10に
おいては、光導波板20とアクチュエータ基板32との
間において、画素構成体30以外の部分に形成された桟
42を有して構成されている。また、桟42と光導波板
20との間には光遮蔽層60が介在されており、該光遮
蔽層60は、フィラー62を含有するフィラー含有接着
剤64を介して桟42に接合されている。
【0076】前記桟42は、例えば図5に示すように、
アクチュエータ部22の4方の隅角部の外側に形成され
ており、これにより該アクチュエータ部22を囲繞して
いる。あるいは、図6に示すように、アクチュエータ基
板32上のうち、アクチュエータ部22以外の箇所を全
て被覆するように形成されていてもよい。
【0077】この桟42は、図示しないフィラーを含有
する樹脂硬化物から構成されていると、更に好ましい。
樹脂硬化物としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
や、光硬化性樹脂、吸湿硬化性樹脂、常温硬化性樹脂等
を硬化させたもの等が例示される。
【0078】フィラーを含有する桟42は、フィラーが
含有されていない桟と比して硬度が高く、かつ耐熱性や
強度、寸法安定性が高い。また、フィラーが含有されて
いない桟に比して、表示装置10の内部温度上昇に伴う
変形量が著しく小さい。換言すれば、フィラーを含有さ
せることによって、樹脂硬化物の硬度や耐熱性、強度を
向上させることができ、かつ、熱による膨張・収縮量を
著しく減少させることができる。
【0079】従って、表示装置10の内部温度が上昇し
た際にも、光導波板20とアクチュエータ基板32との
間隔が一定に保たれ、光導波板20と画素構成体30と
の接触又は離間が確実に行われる。このため、単位ドッ
ト26を確実に発光・消光させることができる。
【0080】なお、フィラーの好適な例としては、セラ
ミックス、プラスチックあるいはガラス等の高強度物質
を挙げることができる。このような高強度物質は、桟4
2の強度を向上させる。
【0081】桟42の原材料である樹脂におけるフィラ
ーの割合は、0.1〜80重量%が好ましい。0.1重
量%未満であると、硬度や耐熱性、強度を向上させる効
果に乏しい。また、80重量%を超えると、樹脂の割合
が低いので接着能が乏しくなる。より好ましいフィラー
の割合は、5〜50重量%である。
【0082】また、フィラーの大きさは、桟42の寸法
にもよるが、0.1〜50μmであることが好ましい。
0.1μm未満であると、硬度や耐熱性、強度を向上さ
せる効果に乏しい。また、50μmを超えると、桟42
の強度が低下することがある。
【0083】次に、本実施の形態に係る表示装置10の
動作を図2を参照しながら簡単に説明する。この動作説
明においては、図7に示すように、各アクチュエータ部
22のロウ電極48aに印加されるオフセット電位とし
て例えば10Vを使用し、各アクチュエータ部22のカ
ラム電極48bに印加されるオン信号及びオフ信号の電
位としてそれぞれ0V及び60Vを使用した例を示す。
【0084】従って、カラム電極48bにオン信号が印
加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極
48b及びロウ電極48a間に低レベル電圧(−10
V)がかかり、カラム電極48bにオフ信号が印加され
たアクチュエータ部22においては、カラム電極48b
及びロウ電極48a間に高レベル電圧(50V)がかか
ることになる。
【0085】そして、まず、光導波板20の例えば端部
から光18が導入される。この場合、画素構成体30が
光導波板20に接触していない状態で、光導波板20の
屈折率の大きさを調節することにより、全ての光18が
光導波板20の前面及び背面において透過することなく
内部で全反射させるようにする。光導波板20の反射率
nとしては、1.3〜1.8が望ましく、1.4〜1.
7がより望ましい。
【0086】この例においては、アクチュエータ部22
の自然状態において、画素構成体30の端面が光導波板
20の背面に対して光18の波長以下の距離で接触して
いるため、光18は、画素構成体30における着色層5
2や白色散乱体50の表面で反射し、散乱光56とな
る。この散乱光56は、一部は再度光導波板20の中で
反射するが、散乱光56の大部分は光導波板20で反射
されることなく、光導波板20の前面(表面)を透過す
ることになる。これによって、全てのアクチュエータ部
22がオン状態となり、そのオン状態が発光というかた
ちで具現され、しかも、その発光色は画素構成体30に
含まれる着色層52の色に対応したものとなる。ここ
で、前述したオン信号を印加することで、画素構成体3
0が光導波板20に対して押接し、画素の発光状態をよ
り確実なものとしている。
【0087】この状態から、あるドット26に対応する
アクチュエータ部22にオフ信号が印加されると、当該
アクチュエータ部22が、空所34側に凸となるように
屈曲変位、即ち、一方向に屈曲変位して、画素構成体3
0の端面が光導波板20から離間し、当該アクチュエー
タ部22がオフ状態となり、そのオフ状態が消光という
かたちで具現される。
【0088】つまり、この表示装置10は、画素構成体
30の光導波板20への接触の有無により、光導波板2
0の前面における光の発光(漏れ光)の有無を制御する
ことができる。
【0089】特に、この表示装置10では、光導波板2
0に対して画素構成体30を接近・離隔方向に変位動作
させる1つの単位を垂直方向に並べたものを1ドットと
し、このドットが水平方向に3つ並んだもの(赤色ドッ
ト26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)を
1画素とし、この画素を多数マトリックス状、あるいは
各行に関し千鳥状に配列するようにしているため、入力
される画像信号の属性に応じて各画素での変位動作を制
御することにより、陰極線管や液晶表示装置並びにプラ
ズマディスプレイと同様に、光導波板20の前面、即
ち、表示面に画像信号に応じたカラー映像(文字や図形
等)を表示させることができる。
【0090】そして、この実施の形態に係る表示装置1
0は、画素構成体30を構成する透明層54、着色層5
2及び白色散乱体50のうち、光導波板20と接触離隔
する層である透明層54が高耐熱性樹脂にて構成されて
いる。
【0091】即ち、透明層54は、変性エポキシ、もし
くはビスフェノールA型エポキシ、もしくはビスフェノ
ールF型エポキシ、もしくはグリシジルエーテル型エポ
キシの中から選択された1種以上を主剤とし、変性ポリ
アミン、もしくは変性脂環式ポリアミン、もしくは複素
環式ジアミン変性物三級アミンの中から選択された1種
以上を硬化剤として重合させた樹脂硬化物を主成分と
し、更に、接着抑制剤が含まれて構成されている。
【0092】具体的には、図8に示す8種類の組合せの
うち、いずれかを選択することができる。
【0093】即ち、図8において、タイプAは、主剤と
して変性エポキシ(R2007)を用い、硬化剤として
変性ポリアミン(3600B)を用いたものであり、タ
イプBは、主剤として変性エポキシ(R2007)、変
性エポキシ(3600A)を用い、硬化剤として変性脂
環式ポリアミン(H1004)及び変性ポリアミン(3
600B)を用いたものである。
【0094】タイプCは、主剤としてビスフェノールA
型エポキシ樹脂(CS2340−5)を用い、硬化剤と
して変性ポリアミン(3600B)を用いたものであ
り、タイプDは、主剤としてビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(CS2340−5)、変性エポキシ(R200
7)を用い、硬化剤として変性ポリアミン(3600
B)を用いたものである。
【0095】タイプEは、主剤としてビスフェノールF
型エポキシとグリシジルエーテル型エポキシの混合物を
用い、硬化剤として変性ポリアミン(3600B)を用
いたものであり、タイプFは、主剤としてビスフェノー
ルF型エポキシとグリシジルエーテル型エポキシの混合
物を用い、硬化剤として複素環式ジアミン変性物三級ア
ミンを用いたものである。
【0096】また、タイプGは、主剤としてビスフェノ
ールF型エポキシを用い、硬化剤として変性ポリアミン
(3600B)を用いたものであり、タイプHは、主剤
としてビスフェノールF型エポキシを用い、硬化剤とし
て複素環式ジアミン変性物三級アミンを用いたものであ
る。
【0097】なお、変性エポキシ(R2007)、変性
エポキシ(3600A)、変性ポリアミン(3600
B)、変性脂環式ポリアミン(H1004)は、いずれ
も株式会社アルファ技研製の材料であり、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(CS2340−5)はセメダイン
株式会社製の材料である。
【0098】また、本実施の形態では、透明層54の前
駆体54aに添加する接着抑制剤として、シリコーング
リースとジメチルシリコーンオイルの混合物を用いた。
特に、ジメチルシリコーンオイルの粘度としては、5m
2/s〜3000mm2/sを用いることが好ましく、
シリコーングリースはチクソ性の高いものを用いること
が好ましい。この場合、シリコーングリースとジメチル
シリコーンオイルとの配合率は重量比で1.0:0.1
〜0:1.0であることが好ましい。シリコーングリー
スとして、無機物のフィラーを含むようにすれば、滲出
した接着抑制剤による凹凸形状が保持されやすく、画素
構成体30の表面形状を容易に前記凹凸形状に制御可能
となり、好ましい。
【0099】また、透明層54を構成する樹脂硬化物の
前駆体を樹脂前駆体と定義したとき、該樹脂前駆体と接
着抑制剤の配合率は重量比で1:0.01〜1:0.2
であることが好ましい。更に、樹脂硬化物に消泡剤を含
むようにすれば、画素構成体30に気泡が混入すること
が回避され、不要な散乱光の発生を抑えることができ
る。
【0100】次に、本実施の形態に係る表示装置10の
製造方法の一例について図9〜図13の工程経過図並び
に図14〜図16の工程ブロック図を参照しながら説明
する。
【0101】まず、図9に示すように、アクチュエータ
基板32上にアクチュエータ部22を形成する。ここ
で、アクチュエータ基板32は、一主面から他主面に至
る貫通孔36が形成された平板状の基板層32A上に、
前記貫通孔36に対応する部分に例えば窓部を有するス
ペーサ層32Bを載置し、更に、該スペーサ層32B上
に薄板層32Cを載置して焼成一体化することにより得
ることができる。このとき、スペーサ層32Bの窓部が
空所34となり、該空所34上に薄肉部による振動部3
8が形成されたかたちとなる。
【0102】なお、図9に示すスルーホール13は、上
述した基板層32A、スペーサ層32B及び薄板層32
Cのそれぞれに予め設けられたスルーホール同士を重ね
合わせることによって形成される。又は、各層の載置
後、もしくは焼成処理後のアクチュエータ基板32にス
ルーホール13を設けることにより形成してもよい。
【0103】前記基板層32A、スペーサ層32B及び
薄板層32Cの構成材料としては、例えば、安定化酸化
ジルコニウム、部分安定化酸化ジルコニウム、酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、
ムライト等の高耐熱性、高強度及び高靱性を兼ね備える
ものが好適に採用される。なお、基板層32A、スペー
サ層32B及び薄板層32Cは全て同一材料としてもよ
く、それぞれ別の材料としてもよい。
【0104】そして、このアクチュエータ基板32の振
動部38上に、フォトリソグラフィ法、スクリーン印刷
法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法、イオンビー
ム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、化学気相蒸着(CVD)法、あるいはめっき
等の膜形成法によって、アルミニウム、チタン、クロ
ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリ
ブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、ス
ズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、
鉛等の各金属、あるいはこれらのうちの2種類以上を構
成成分とする合金、また、これら金属単体及び合金に酸
化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化
セリウム、酸化銅等の金属酸化物を添加したもの、更に
は金属単体及び合金に対して前述したアクチュエータ基
板32の構成材料、及び/又は後述の圧電/電歪材料と
同じ材料を分散させたサーメットとしたもの等の導電材
料からなるカラム電極48bを形成する。特に、電極と
してサーメットを用いた場合には、形状保持層46を作
動させたときの、変位動作の経時的な劣化を効果的に抑
制することができ、好ましい。
【0105】次いで、カラム電極48b上に形状保持層
46を形成する。形状保持層46の構成材料としては、
電場により分極あるいは相転移を起こす材料が選定され
る。即ち、形状保持層46は、圧電/電歪体材料又は反
強誘電体材料から構成される。
【0106】圧電/電歪体材料の好適な例としては、ジ
ルコン酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、チタン酸ナト
リウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタ
ル酸ストロンチウムビスマス、マグネシウムニオブ酸
鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニ
オブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタ
ル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バ
リウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオ
ブ酸鉛、あるいはこれらのうちの2種類以上からなる複
合酸化物を挙げることができる。また、これらの圧電/
電歪体材料には、ランタン、カルシウム、ストロンチウ
ム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜
鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロ
ム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタ
ル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸化物等が固溶され
ていてもよい。
【0107】一方、反強誘電体材料の好適な例として
は、ジルコン酸鉛、ジルコン酸鉛及びスズ酸鉛の複合酸
化物、ジルコン酸鉛、スズ酸鉛及びニオブ酸鉛の複合酸
化物等を挙げることができる。これらの反強誘電体材料
も、上記したような各元素が固溶されていてもよい。
【0108】次いで、アクチュエータ基板32の下面か
ら該アクチュエータ基板32に設けられたスルーホール
13を介して形状保持層46の側面及び上面にかけて、
上記したような導電材料からなるロウ電極48aを形成
する。
【0109】このようにして形成されたカラム電極48
b、形状保持層46及びロウ電極48aとアクチュエー
タ基板32の振動部38とによりアクチュエータ部22
が構成される。
【0110】そして、工程SA61(図14参照)にお
いて、アクチュエータ基板32のアクチュエータ部22
上に白色散乱体50及び着色層52の各前駆体を形成す
る。又は、図示しないが、白色散乱体50の前駆体を形
成する前に、金属からなる光反射層を形成してもよい。
この場合、光反射層を形成する前に、更に絶縁層を形成
することが望ましい。
【0111】白色散乱体50の前駆体は、酸化チタン等
が予め分散されたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用い
て形成することができる。また、着色層52の前駆体
は、蛍光顔料が予め分散されたエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂を用いて形成することができる。
【0112】次に、工程SA62(図14参照)におい
て、図9に示すように、加熱処理によりこれら白色散乱
体50及び着色層52の各前駆体を硬化して白色散乱体
50及び着色層52とする。
【0113】次に、工程SA63(図14参照)におい
て、図10に示すように、アクチュエータ部22の四方
の隅角部の外側に、フィラーを含有するエポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂等からなる長尺な厚膜を形成する。この
厚膜が桟前駆体42aである。勿論、図6に示すよう
に、アクチュエータ基板32上のアクチュエータ部22
以外の箇所を全て被覆するように桟前駆体42aを形成
してもよい。
【0114】その後、工程SA64(図14参照)にお
いて、図11に示すように、桟前駆体42aの上面に面
出し用の板材110を載置し、更に、該板材110をア
クチュエータ基板32側に向けて加圧する。この加圧方
法としては、特に限定されるものではないが、分銅によ
る押圧、CIP(静水圧加圧)法、フリップチップボン
ダによる加圧、定値制御や低圧プレス法、真空包装法等
を好適に採用することができる。また、加圧の段階にお
いては、カラム電極48bとロウ電極48aとの間に電
圧を印加して、アクチュエータ部22をアクチュエータ
基板32側へ指向して変位させてもよい。この面出し工
程によって、着色層52までの部分がスペーサとなっ
て、桟前駆体42aの高さが規定されることになる。
【0115】次に、工程SA65(図14参照)におい
て、図12に示すように、加熱処理して桟前駆体42a
を硬化して桟42とする。この際には、それ以上収縮し
ない状態にまで桟前駆体42aを硬化させることが望ま
しい。これにより、表示装置10の内部温度上昇に伴う
桟42の変形量が著しく小さくなり、表示装置10の接
触離隔の経時変化が著しく抑制される。
【0116】次に、工程SA66(図14参照)におい
て、図12に示すように、予め接着抑制剤が添加された
透明層54の前駆体54a(以下、透明層前駆体54a
と記す)を着色層52上に形成する。
【0117】ここで、透明層前駆体54aに接着抑制剤
を添加する手法について図16を参照しながら説明す
る。
【0118】まず、図16のステップS1において、変
性エポキシ、もしくはビスフェノールA型エポキシ、も
しくはビスフェノールF型エポキシ、もしくはグリシジ
ルエーテル型エポキシの中から選択された1種以上の主
剤と、変性ポリアミン、もしくは変性脂環式ポリアミ
ン、もしくは複素環式ジアミン変性物三級アミンの中か
ら選択された1種以上の硬化剤とを混合してなる有機樹
脂に、接着抑制剤とその他の添加剤とを含めて透明層前
駆体54aのペーストを調製する。
【0119】接着抑制剤としては、単体では、透明層5
4の構成材料である前記有機樹脂に容易に混ざらないも
のが選定され、ライカイ機等で攪拌混合することによ
り、接着抑制剤が、透明層前駆体54aの中に均一に分
散されたペーストが調製される。
【0120】透明層54の構成材料である有機樹脂とし
ては、図8に示す8つのタイプA〜Hのいずれかが選択
され、接着抑制剤としては、上述した例えばシリコーン
オイル、シリコーングリース等が好ましく使用される。
【0121】次に、ステップS2において、前記透明層
前駆体54aを例えばスクリーン印刷法にて着色層52
上に形成する(図12参照)。
【0122】その後、後述する接着抑制剤の滲出工程に
おいて、透明層前駆体54aの表面から接着抑制剤をし
み出させる(滲出させる)。
【0123】一方、光導波板20においては、工程SB
61(図14参照)において、図12に示すように、上
記したような膜形成法により光導波板20の表面に光遮
蔽層60を形成する。
【0124】この光遮蔽層60は、上記したように、C
r、Al、Ni、Ag等の光吸収能が低い金属や、カー
ボンブラック、黒顔料、黒染料を含有する樹脂、あるい
は光散乱性の低い透明樹脂硬化物等からなり、桟42上
に載置される位置に形成される。
【0125】光遮蔽層60が形成された後の光導波板2
0の表面には、不要な有機物が残留している場合があ
る。例えば、光遮蔽層60をフォトリソグラフィ法によ
り形成した場合には、光導波板20の表面にフォトレジ
ストが残留することがある。このような不要な有機物が
表面に残留している光導波板20を透明層前駆体54a
上に載置すると、透明層前駆体54aの光導波板20へ
の接着が容易に起こるようになる。この場合、アクチュ
エータ部22を下方へ変位させても透明層54が光導波
板20から所定間隔離間せず、その結果、該透明層54
を有する単位ドット26を完全な消光状態にすることが
できない。
【0126】また、光導波板20に光遮蔽層60を形成
しない場合であっても、例えば人間の汗や皮脂等の有機
物が付着した機器や装置等に光導波板20が接触するこ
とにより、前記有機物が光導波板20に付着してしまう
ことがある。このような場合にも、上記と同様に、単位
ドット26を完全な消光状態にすることができないこと
がある。
【0127】従って、光導波板20を桟42に接合する
前に、工程SB62(図14参照)において、不要な有
機物を予め除去しておくことが望ましい。具体的には、
光導波板20を洗浄処理する。又は、光導波板20の表
面に残留した不要な有機物に対して、灰化処理を行って
もよい。
【0128】光導波板20の洗浄処理は、例えば、光導
波板20を酸性溶液中に浸漬することにより行われる。
あるいは、光導波板20を超純水中に浸漬して超音波洗
浄を行ってもよい。更に、光導波板20を酸性溶液中に
浸漬して超音波洗浄を行ってもよい。
【0129】また、灰化処理においては、例えば、プラ
ズマによる電子衝突解離により気相の酸素原子を生成さ
せ、次いで、該酸素原子と光導波板20の表面に残留し
た不要な有機物とを反応させて揮発性生成物とする。こ
の揮発性生成物が処理装置(プラズマアッシャ)の内部
から排気されることにより、前記有機物が揮散除去され
る。
【0130】灰化処理の別の例としては、オゾン分解が
挙げられる。即ち、オゾン雰囲気中で光導波板20を熱
処理することにより、又は、オゾン雰囲気中で光導波板
20に対して遠赤外線を照射することにより、有機物が
オゾンと反応して揮発性生成物となる。勿論、熱処理と
遠赤外線照射を同時に行ってもよい。
【0131】なお、光遮蔽層60が有機物からなる場
合、該光遮蔽層60が除去されず、かつ光導波板20の
画素構成体30に対向する端面の有機物が除去される条
件下において有機物除去工程SB62を行うことはいう
までもない。また、光遮蔽層60の構成材料として、不
要な有機物が残存しない材料を用いた場合は、当然に、
この有機物除去工程SB62を省略することができる。
【0132】その後、必要であれば、次の工程SB63
において、光導波板20のうち、透明層54と対向する
部分に選択的に接着抑制剤を塗布する。この接着抑制剤
としては、例えばrainX(PENNZOIL−QU
AKER STATE社製)やKS−9001(信越シ
リコーン社製)等を使用することができる。又は、これ
らrainXやKS−9001に対してジメチルシリコ
ーンオイル(5mm2/s〜3000mm2/s)を0.
5%〜20%混合したものを塗布すると、画素構成体3
0と光導波板20との接着抑制効果が高くなり好まし
い。
【0133】次に、工程SB64(図14参照)におい
て、光導波板20上に形成された光遮蔽層60に桟接着
剤64を塗布する。塗布方法としては、上記したような
膜形成法が挙げられる。
【0134】この桟接着剤64は、フィラー62を含有
しない接着剤と比して硬度や耐熱性、強度が高くなる。
フィラー62の好適な例としては、セラミックス、プラ
スチックあるいはガラス等の高強度物質を挙げることが
できる。このような高強度物質は、光導波板20を確実
に支持する。
【0135】桟接着剤64におけるフィラー62の割合
は、0.1〜50重量%であることが好ましい。0.1
重量%未満であると、硬度や耐熱性、強度を向上させる
効果に乏しい。また、50重量%を超えると、熱硬化性
樹脂の割合が低いので接着能が乏しくなる。より好まし
いフィラー62の割合は、5〜30重量%である。
【0136】桟接着剤64の硬化成分(樹脂)は、特に
限定されるものではないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂、吸湿硬化性樹脂、常温硬化性樹脂等
を好適な例として挙げることができる。
【0137】具体的には、アクリル系樹脂、変性アクリ
ル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、変性シリコーン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ビニルブチラール系
樹脂、シアノアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、メタクリル系樹脂、変性メタクリル系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、特殊シリコーン変性ポリ
マー、ポリカーボネート系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等
が例示される。
【0138】特に、ビニルブチラール系樹脂、アクリル
系樹脂、変性アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポ
キシ樹脂、あるいはこれらの2種以上の混合物は接着強
度に優れるので好適であり、とりわけ、エポキシ樹脂、
変性エポキシ樹脂、あるいはこれらの混合物が好適であ
る。
【0139】そして、次の工程SB65(図14参照)
において、光導波板20を予備的に加熱することにより
桟接着剤64を若干硬化させる。
【0140】次に、工程SC61(図15参照)におい
て、図13に示すように、光遮蔽層60が桟42上に載
置されるように光導波板20と桟42とを重ね合わせ、
真空包装法等により、桟42、桟接着剤64及び透明層
前駆体54aを介してアクチュエータ基板32と光導波
板20とを接合する。
【0141】その後、工程SC62(図15参照)にお
いて、アクチュエータ部22に対して電圧を印加して、
アクチュエータ部22をアクチュエータ基板32側へ指
向して変位又は駆動させた状態で、かつ、室温下におい
て桟接着剤64を更に硬化させると共に、透明層前駆体
54aを硬化させる。
【0142】次に、工程SC63(図15参照)におい
て、アクチュエータ部22をアクチュエータ基板32側
へ指向して変位又は駆動させた状態で、かつ、室温より
も高い温度で加熱処理して透明層前駆体54aを更に硬
化させて透明層54とする。この加熱処理は、温度60
℃以上で1時間以上、更には10時間以上行うことが好
ましい。
【0143】ところで、本実施の形態に係る製造方法で
は、図14及び図15においてカッコ書きにて示すよう
に、透明層前駆体54aの形成工程(SA66)の後、
光導波板20とアクチュエータ基板32との貼り合わせ
工程(SC61)の後、透明層前駆体54aの室温硬化
工程(SC62)の後のうち、任意のタイミングで、か
つ、任意の回数だけ接着抑制剤の滲出処理を行う(SA
66a、SC61a、SC62a)。
【0144】この接着抑制剤の滲出処理は、加熱による
方法、加振による方法及びその組合せによる方法があ
る。加振あるいは加熱によって、透明層前駆体54a内
に残留する接着抑制剤の滲出が、更に促進されてより一
層しみ出すこととなる。
【0145】加熱による方法は、温度40℃〜50℃、
5分〜1時間程度が好ましい。また、加振による方法
は、アクチュエータ部22に電圧を印加して、アクチュ
エータ部22自体を振動させることにより、透明層前駆
体54aを振動させると効果的である。また、加振器等
を用いてアクチュエータ基板32を振動させることも有
効である。
【0146】好ましい例としては、透明層前駆体54a
の形成工程(SA66)の後と、光導波板20とアクチ
ュエータ基板32との貼り合わせ工程(SC61)の後
においてそれぞれ1回ずつ加熱による接着抑制剤の滲出
処理を行うことである(SA66a、SC61a)。
【0147】また、本実施の形態では、透明層前駆体5
4aの硬化工程に先立って、透明層前駆体54aに対す
る予備加熱処理を行うようにしている(SA66b:カ
ッコ書き参照)。具体的には、透明層前駆体54aの形
成工程(SA66)の後に行われる接着抑制剤の滲出処
理工程(SA66a)と、光導波板20とアクチュエー
タ基板32との貼り合わせ工程(SC61)との間に行
うようにしている。この予備加熱工程での処理条件は、
30〜60℃で5分〜1時間程度の熱処理が適当とされ
る。
【0148】ここで、前記予備加熱工程を行わない場合
と、行った場合との違いを図17A〜図17Cを参照し
ながら説明する。
【0149】まず、予備加熱工程を行わない場合は、図
17A及び図17Bに示すように、光導波板20とアク
チュエータ基板32とを接合した段階で、透明層前駆体
54aの形状が、光導波板20に対して親和性をもつよ
うな形状となる。具体的には、図17Bに示すように、
透明層前駆体54aの例えば中央部分の幅D1よりも、
光導波板20に接触した部分の幅D2が大きくなって、
光導波板20に対して吸盤のような形状となるため、光
導波板20に対して離隔しにくい形状となる。
【0150】一方、予備加熱工程を行った場合は、図1
7A及び図17Cに示すように、光導波板20とアクチ
ュエータ基板32とを接合した段階で、透明層前駆体5
4aの形状が、光導波板20に対して非親和性をもつよ
うな形状となる。具体的には、図17Cに示すように、
透明層前駆体54aの例えば中央部分の幅D1よりも、
光導波板20に接触した部分の幅D2が小さくなって、
前記吸盤のような形状を避けることができることから、
光導波板20に対して離隔しやすい形状となる。
【0151】即ち、前記予備加熱工程によって、透明層
前駆体54aの硬化レベルを調整することができ、前記
光導波板20とアクチュエータ基板32とを接合した段
階において、透明層前駆体54aの形状を、光導波板2
0に対して離隔しやすい形状に制御することができる。
従って、表示装置10として完成した後において、画素
構成体30の光導波板20に対する接触離隔の応答性の
向上を図ることができる。
【0152】ところで、透明層54に添加された接着抑
制剤のしみ出し量が多い場合には、透明層54の離間の
際に、例えば図18に示すように、透明層54の上端面
と光導波板20との間隔が狭い部分において局部的に接
着抑制剤66が橋渡し状態となって、画像表示上、白点
欠陥から更に明欠陥を引き起こすおそれがある。
【0153】そこで、本実施の形態では、接着抑制剤6
6の洗浄処理を行う。まず、その前処理として、図15
の工程SC64において、表示装置10として完成する
前のワークを高揮発性液体(シロキサンやフロリナート
等)中に浸漬し、アクチュエータ部22を駆動する。こ
れによって、高粘度の接着抑制剤66と低粘度の高揮発
性液体とが強制的に混ぜ合わさり、その後の洗浄が確実
なものとなる。
【0154】その後、工程SC65の洗浄工程におい
て、アクチュエータ部22に電圧を印加して変位させた
状態、即ち、画素構成体30と光導波板20間に隙間を
設けた状態で、光導波板20とアクチュエータ基板32
の隙間から高揮発性液体を流し込んで洗浄(接着抑制剤
66の除去等)を行う。その具体的な洗浄方法として
は、スピナー等の遠心力を利用したり、高揮発性液体を
流し込む反対側から真空引きする、又はエアーを吹き込
んで不要な接着抑制剤66や洗浄用の液体を飛散させる
方法も用いられる。
【0155】ところで、上述の洗浄工程SC65の後に
おいては、該洗浄処理により接着抑制剤66が失われ、
この状態のままでは、画素構成体30と光導波板20の
界面での離型性が低下し、画素構成体30の光導波板2
0に対する接触離隔の応答特性が低下、もしくは輝度欠
損の発生につながるおそれがある。
【0156】そこで、本実施の形態では、前記洗浄工程
SC65の後に、画素構成体30と光導波板20との間
に接着抑制剤、例えばシリコーンオイルを注入する(工
程SC66)。具体的には、高揮発性液体にシリコーン
オイルを微量混合した液体を調製し、その液体中にワー
クごと浸漬し、画素構成体30と光導波板20の界面に
液体をしみ込ませる。
【0157】液体を前記界面に十分に浸透させた後、ス
ピナー等の遠心力を利用したり、真空引きやエアーを吹
き込む等により、前記液体を除去する。この方法によ
り、他の部分と比較して光導波板20との間隔が極端に
狭い画素構成体30との界面にのみ適量のシリコーンオ
イルを残留させることが可能で、画素構成体30の離型
性を回復させることができる。この場合、注入するシリ
コーンオイルの量の調整は、高揮発性液体との混合比に
より調整することが可能である。
【0158】また、注入されたシリコーンオイルは、画
素のオン動作時(発光時)に、画素構成体30の表面の
凹凸を埋める効果があり、光導波板20との接触面積の
拡大に寄与することから、画素構成体30の接触離隔の
応答性向上に加えて、発光時の輝度向上にも効果があ
る。
【0159】即ち、前記洗浄工程SC65の後に、画素
構成体30と光導波板20との間にシリコーンオイルを
注入することで、画素構成体30と光導波板20の界面
での離型性を回復させることができ、上述したような画
素構成体30の光導波板20に対する接触離隔の応答特
性の低下や輝度欠損の発生を防止することが可能とな
る。
【0160】前記工程SC66が終了した段階で、表示
装置10が完成することとなる。その後は、検査工程等
を経由した後、例えば図1に示す大画面ディスプレイ1
00を構成するための表示装置10として利用されるこ
とになる。
【0161】このように、本実施の形態に係る表示装置
10においては、画素構成体30のうち、光導波板20
に対して接触離隔する透明層54が、変性エポキシ、も
しくはビスフェノールA型エポキシ、もしくはビスフェ
ノールF型エポキシ、もしくはグリシジルエーテル型エ
ポキシの中から選択された1種以上を主剤とし、変性ポ
リアミン、もしくは変性脂環式ポリアミン、もしくは複
素環式ジアミン変性物三級アミンの中から選択された1
種以上を硬化剤として重合させた樹脂硬化物を主成分と
して構成されていることから、画素構成体30の耐熱性
が向上し、これにより、光導波板20に対する接触離隔
の応答性が向上し、併せて画像表示の安定性が図られる
ことになる。
【0162】また、本実施の形態では、透明層54を構
成する樹脂硬化物に接着抑制剤を含めるようにしたの
で、透明層54が光導波板20に付着し続けるという現
象を回避することができる。特に、透明層前駆体54a
に添加する接着抑制剤として、シリコーングリースとシ
リコーンオイルとを含むようにしたので、接着抑制剤の
滲出時に高粘度のシリコーングリースが透明層前駆体5
4aの上部に浮上するかたちとなり、図19A及び図1
9Bに示すように、該透明層前駆体54aの上端面にし
わ状の凹凸112が容易に形成されることとなる。
【0163】透明層54の上面が粗面になっていれば、
接着抑制剤が凹部に溜まるかたちとなり、接着抑制剤の
量が多くても、図18に示すような橋渡し現象は生じな
くなる。しかも、接着抑制剤が透明層54の上端面の凹
凸による光導波板20との隙間を効果的に埋めるかたち
になるため、表示装置10が発光状態の場合には、透明
層54の上端面が光導波板20に確実に当接することと
なり、表示装置10を所望の輝度で発光させることが一
層容易となる。
【0164】ここで、画素構成体30の表面形状(特
に、光導波板20と対向する面の形状)について見る
と、添加する接着抑制剤中のシリコーングリースについ
ては、チクソ性が高いほど界面に滲出した後にレベリン
グしにくい。即ち、表面に滲出した状態のままの形状を
維持する傾向にあるため、凹凸になりやすく、その凹凸
が画素構成体30の表面に転写されるかたちで表面形状
が形成されることで、画素構成体30の光導波板20に
対する接触離隔の応答性が向上する。
【0165】一方のシリコーンオイルについては、高粘
度であるほどレベリングしにくくなり、同様の効果とし
て、画素構成体30と光導波板20の界面全体に、より
均一な凹凸を作ることが可能となって好ましいが、後の
洗浄工程において、光導波板20上に残留物として残り
やすくなるため、画素構成体30の表面形状による接触
離隔の応答性と、残留物による表示上の白色欠陥の発生
度合いとのバランスを考慮してシリコーンオイルの粘度
を選択すればよい。
【0166】また、添加するシリコーンオイルの粘度が
低粘度になるほど、滲出した接着抑制剤が凝集、レベリ
ングしやすくなる。その結果、画素構成体30の表面形
状の凹凸に片寄りが生じたり、凹凸のない平坦部分が増
加することから、接触離隔の応答性が低下するおそれが
ある。
【0167】従って、前記シリコーンオイルとして粘度
が5mm2/s〜3000mm2/sのジメチルシリコー
ンオイルを用いることが好ましい。この場合、接着抑制
効果が向上し、洗浄工程で光導波板20に付着する接着
抑制剤を除去しやすくなり、表示上の白色欠陥や明欠陥
の発生を抑えることができる。
【0168】そして、本実施の形態に係る製造方法にお
いては、透明層前駆体54aの形成工程(SA66)の
後、光導波板20とアクチュエータ基板32との貼り合
わせ工程(SC61)の後、透明層前駆体54aの室温
硬化工程(SC62)の後のうち、任意のタイミング
で、かつ、任意の回数だけ接着抑制剤の滲出処理を行う
ようにしており、透明層前駆体54a中に分散されてい
る接着抑制剤の滲出のきっかけを起きやすくし、滲出促
進を行うことができる。
【0169】また、本実施の形態では、透明層前駆体5
4aを室温硬化させた後に、接着抑制剤を透明層前駆体
54aと光導波板20の界面に介在させたまま、透明層
前駆体54aを室温よりも高い温度で加熱硬化させるよ
うにしている。室温硬化の工程で一次的な硬化を終了さ
せることで、その後の加熱処理時に、樹脂及び接着抑制
剤の急激な軟化やレベリングを抑制することができる。
【0170】室温硬化の工程までに透明層前駆体54a
と光導波板20との界面に滲出した接着抑制剤を、その
まま加熱処理時にも残しておき、更に加熱処理により滲
出する接着抑制剤が合わされ、室温硬化時に得た透明層
前駆体54aの表面の凹凸形状と同様の凹凸形状を加熱
処理後にも得ることが可能となる。
【0171】上述の一連の加熱処理を行うことで、室温
硬化工程のみの場合よりも、透明層前駆体54aを構成
する有機樹脂と接着抑制剤との分離が進み、透明層前駆
体54a中の接着抑制剤の残留が減ることとなる。従っ
て、その後のアクチュエータ部22の駆動において、画
素構成体30の光導波板20に対する接触離隔によって
画素構成体30から滲出する接着抑制剤の量が減り、表
示上の白色欠陥レベルの変動が抑制される。
【0172】更に、副次的な効果として、透明層前駆体
54aに添加する接着抑制剤の添加量自体を減らすこと
ができ、コスト面でも有利となる。
【0173】また、洗浄工程の前処理として、高揮発性
液体にワークごと浸漬し、浸漬した中でアクチュエータ
部22を駆動するようにしたので、高粘度の接着抑制剤
と低粘度の高揮発性液体とが強制的に混ぜ合わさり、そ
の後の光導波板20とアクチュエータ基板32の隙間か
ら高揮発性液体を流し込んで洗浄を行う際に、接着抑制
剤を除去しやすくなる。
【0174】更には、上述の浸漬中でのアクチュエータ
部22の駆動を行う前に、予めアクチュエータ部22に
電圧を印加して画素構成体30を光導波板20から離間
させる工程を加えることで、画素構成体30に対する洗
浄を確実に行うことができ、表示上の白色欠陥や明欠陥
の発生を効果的に抑制することができる。
【0175】その後の洗浄工程においても、アクチュエ
ータ部22に電圧を印加して変位させた状態、即ち、画
素構成体30と光導波板20間に隙間を設けた状態で洗
浄を行うことで洗浄効果が向上する。従って、加熱を行
ったことで除去しにくくなった接着抑制剤を確実に除去
することができ、表示上の白色欠陥や明欠陥の発生を抑
制することができる。
【0176】なお、この発明に係る表示装置及びその製
造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨
を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもち
ろんである。
【0177】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る表示
装置及びその製造方法によれば、画素構成体の耐熱性を
向上させることができ、光導波板に対する接触離隔の応
答性の向上及び画像表示の安定性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る表示装置を導光板上に複数
個配列して構成した大画面ディスプレイを示す概略全体
図である。
【図2】本実施の形態に係る表示装置を一部省略して示
す構成図である。
【図3】赤色ドット、緑色ドット及び青色ドットからな
る画素の概略構成図である。
【図4】スペーサ層を薄くした場合の構成例を示す説明
図である。
【図5】桟の構成の一例を示す平面図である。
【図6】桟の構成の別の一例を示す平面図である。
【図7】ロウ電極に印加されるオフセット電位(バイア
ス電位)と、カラム電極に印加されるオン信号及びオフ
信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧
の関係を示す表図である。
【図8】透明層を構成する樹脂硬化物の材料の組合せを
示す表図である。
【図9】アクチュエータ部上に白色散乱体及び着色層を
形成した状態を示す工程経過図である。
【図10】アクチュエータ基板上に桟前駆体を形成した
状態を示す工程経過図である。
【図11】桟前駆体の高さを面出し用の板材で規定した
状態を示す工程経過図である。
【図12】着色層上に透明層前駆体(接着抑制剤添加)
を形成し、更に、光導波板の表面に光遮蔽層とフィラー
含有接着剤を形成した状態を示す工程経過図である。
【図13】桟上に光導波板を接合させた状態を示す工程
経過図である。
【図14】本実施の形態に係る製造方法を示す工程ブロ
ック図(その1)である。
【図15】本実施の形態に係る製造方法を示す工程ブロ
ック図(その2)である。
【図16】透明層前駆体に接着抑制剤を添加する手法を
示す工程ブロック図である。
【図17】図17Aは光導波板とアクチュエータ基板と
を接合する過程において、光導波板と透明層前駆体の一
部を示す説明図であり、図17Bは透明層前駆体に対し
て予備加熱処理を行わなかった場合の光導波板と透明層
前駆体の接合状態を示す説明図であり、図17Cは透明
層前駆体に対して予備加熱処理を行った場合の光導波板
と透明層前駆体の接合状態を示す説明図である。
【図18】透明層と光導波板間に接着抑制剤が橋渡しを
している状態を示す説明図である。
【図19】図19Aは透明層前駆体の上端面を粗面にし
た状態を示す断面図であり、図19Bは透明層前駆体の
上端面を示す上面図である。
【図20】提案例に係る表示装置を一部省略して示す構
成図である。
【符号の説明】
10…表示装置 20…光導波板 22…アクチュエータ部 30…画素構成体 32…アクチュエータ基板 42…桟 50…白色散乱体 52…着色層 54…透明層 54a…透明層前
駆体 100…大画面ディスプレイ 102…導光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下河 夏己 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 山本 一博 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2H041 AA11 AB40 AC08 AZ02 AZ08 4J036 AA01 AD08 DC02 JA15

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクチュエータ部を有する基板と、光導波
    板と、前記光導波板と前記基板との間に介在して、か
    つ、前記アクチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチ
    ュエータ部上に接合された画素構成体とを具備し、 前記画素構成体は、変性エポキシ、もしくはビスフェノ
    ールA型エポキシ、もしくはビスフェノールF型エポキ
    シ、もしくはグリシジルエーテル型エポキシの中から選
    択された1種以上を主剤とし、変性ポリアミン、もしく
    は変性脂環式ポリアミン、もしくは複素環式ジアミン変
    性物三級アミンの中から選択された1種以上を硬化剤と
    して重合させた樹脂硬化物を主成分とする層を含むこと
    を特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の表示装置において、 前記画素構成体は、変性エポキシ、ビスフェノールA型
    エポキシの中から選択された1種以上を主剤とし、変性
    ポリアミン、変性脂環式ポリアミンの中から選択された
    1種以上を硬化剤として重合させた樹脂硬化物を主成分
    とする層、又はビスフェノールF型エポキシもしくはビ
    スフェノールF型エポキシとグリシジルエーテル型エポ
    キシの混合物を主剤とし、変性ポリアミンあるいは複素
    環式ジアミン変性物三級アミンを硬化剤として重合させ
    た樹脂硬化物を主成分とする層を含むことを特徴とする
    表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の表示装置において、 前記層は、その一部が前記光導波板と対向することを特
    徴とする表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示
    装置において、 前記樹脂硬化物に接着抑制剤が含まれていることを特徴
    とする表示装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の表示装置において、 前記樹脂硬化物の前駆体を樹脂前駆体と定義したとき、 前記層に含まれる前記樹脂前駆体と前記接着抑制剤の配
    合率が重量比で1:0.01〜1:0.2であることを
    特徴とする表示装置。
  6. 【請求項6】請求項4又は5記載の表示装置において、 前記接着抑制剤は、シリコーングリース及び/又はシリ
    コーンオイルを含むことを特徴とする表示装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の表示装置において、 前記シリコーングリースとシリコーンオイルとの配合率
    が重量比で1:0.1〜0:1であることを特徴とする
    表示装置。
  8. 【請求項8】請求項6又は7記載の表示装置において、 前記シリコーングリースは無機物のフィラーを含むこと
    を特徴とする表示装置。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれか1項に記載の表示
    装置において、 前記シリコーンオイルは粘度が5mm2/s〜3000
    mm2/sのジメチルシリコーンオイルであることを特
    徴とする表示装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項に記載の表
    示装置において、 前記樹脂硬化物に消泡剤が含まれていることを特徴とす
    る表示装置。
  11. 【請求項11】アクチュエータ部を有する基板と、光導
    波板と、前記光導波板と前記基板との間に介在して、か
    つ、前記アクチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチ
    ュエータ部上に接合された画素構成体とを具備した表示
    装置の製造方法において、 変性エポキシ、もしくはビスフェノールA型エポキシ、
    もしくはビスフェノールF型エポキシ、もしくはグリシ
    ジルエーテル型エポキシの中から選択された1種以上の
    主剤と、変性ポリアミン、もしくは変性脂環式ポリアミ
    ン、もしくは複素環式ジアミン変性物三級アミンの中か
    ら選択された1種以上の硬化剤とを混合したものを含む
    画素構成体前駆体を調製する工程と、 前記画素構成体前駆体をパターニングする工程と、 前記光導波板と基板とを接合する工程と、 前記画素構成体前駆体を硬化させて前記画素構成体とす
    る工程とを含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記画素構成体前駆体調製工程は、変性エポキシ、ビス
    フェノールA型エポキシの中から選択された1種以上の
    主剤と、変性ポリアミン、変性脂環式ポリアミンの中か
    ら選択された1種以上の硬化剤とを混合したものを含む
    画素構成体前駆体、又はビスフェノールF型エポキシも
    しくはビスフェノールF型エポキシとグリシジルエーテ
    ル型エポキシの混合物の主剤と、変性ポリアミンあるい
    は複素環式ジアミン変性物三級アミンの硬化剤とを混合
    したものを含む画素構成体前駆体を調製することを特徴
    とする表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項11又は12記載の表示装置の製
    造方法において、 前記画素構成体前駆体の硬化工程に先立って、前記画素
    構成体前駆体を予備加熱する工程を有することを特徴と
    する表示装置の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項11〜13のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記画素構成体前駆体の硬化工程は、前記画素構成体前
    駆体を室温硬化させる工程と、前記画素構成体前駆体を
    室温よりも高い温度で加熱硬化させる工程とを含むこと
    を特徴とする表示装置の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記画素構成体前駆体の室温硬化工程及び前記画素構成
    体前駆体の加熱硬化工程は、前記アクチュエータ部に電
    圧を印加して、該アクチュエータ部を変位又は駆動させ
    て行うことを特徴とする表示装置の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項11〜15のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記画素構成体前駆体は接着抑制剤を含み、 前記接着抑制剤を滲出させる工程を更に有することを特
    徴とする表示装置の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項16記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記接着抑制剤の滲出工程は、少なくとも加熱及び/又
    は加振によって行うことを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  18. 【請求項18】請求項16又は17記載の表示装置の製
    造方法において、 前記接着抑制剤の滲出工程を、前記画素構成体前駆体を
    パターニングする工程の後、及び/又は前記光導波板と
    基板とを接合する工程の後、及び/又は前記画素構成体
    前駆体の硬化工程中で行うことを特徴とする表示装置の
    製造方法。
  19. 【請求項19】請求項16〜18のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記画素構成体前駆体から滲出する接着抑制剤を洗浄せ
    ずに前記画素構成体前駆体の加熱硬化工程に投入するこ
    とを特徴とする表示装置の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項16〜19のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記画素構成体から滲出している接着抑制剤を洗浄する
    工程を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項20記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記洗浄工程の前処理として、ワークを高揮発性液体中
    に浸漬し、前記アクチュエータ部を駆動することを特徴
    とする表示装置の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項20又は21記載の表示装置の製
    造方法において、 前記洗浄工程は、前記アクチュエータ部に電圧を印加し
    て、該アクチュエータ部を変位させて行うことを特徴と
    する表示装置の製造方法。
  23. 【請求項23】請求項20〜22のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記洗浄工程の後に、前記画素構成体と光導波板との間
    に接着抑制剤を注入する工程を有することを特徴とする
    表示装置の製造方法。
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