JP2003160295A - クレーンの給電装置 - Google Patents

クレーンの給電装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーン替えが必要なクレーンにおいて、環境に
やさしく、かつ、作業性や安全性に優れたクレーンの給
電装置を提供する。 【解決手段】給電用移動台車を親子2台の台車8,9に
より構成する。親台車9は、走行レーンCと交差する横
行レーンDに沿って設置した親台車給電用トロリ線24
から受電する。子台車8は、走行レーンCに沿って設置
した子台車給電用トロリ線14又は親台車9に設置した
子台車給電用トロリ線14から受電する。そして、子台
車8に設けたケーブル18を経てクレーンAに給電す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ式トランス
ファークレーンや特殊天井クレーンなど、レーン替え、
即ち、走行レーンを変更する必要があるクレーンへ給電
するための給電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤ式トランスファークレーン
や特殊天井クレーンなど、レーン替えを必要とするクレ
ーンは、所定の走行レーンへ移動するため、クレーンに
エンジン発電機を搭載して自家発電したり、或いは、レ
ーン替えを行う都度、地上側の給電点とクレーン側のケ
ーブルとを手動で接続して給電を行っていた。
【0003】例えば、レーン替えを行うタイヤ式トラン
スファークレーンAは、図13に示すように、門形のク
レーン本体1に設けた旋回機構(図示せず)によって走
行タイヤ2の向きを90度回転させたり、或いは、走行
補助機構(図示せず)を使用して所定の走行レーンにレ
ーン替えを行っていた。
【0004】このタイプのクレーンは、各走行レーンに
おける荷役量によって投入するクレーンの台数を任意に
選択できるので、必要最小限のクレーン台数で運用でき
るメリットがあり、初期投資を安く抑えることができる
利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のクレー
ンは、既に説明したように、エンジン発電機を搭載して
自家発電を行っているために、エンジン発電機の定期的
なメンテナンスやオーバーホールが必要となる。また、
燃料費も高価となることから、ランニングコストも嵩
む。
【0006】また、近年は、エンジンから排出される排
ガスや騒音などの環境に関する問題についての関心が高
まっており、排ガスや騒音に対する対策が必要になって
いる。更に、レーン替えの都度、手動によってケーブル
を接続する方式は、作業性や安全性の面で改善する余地
があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題を解決す
るためになされたものであり、その目的は、レーン替え
が必要なクレーンにおいて、環境にやさしく、かつ、作
業性や安全性に優れたクレーンの給電装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、次のように構成されている。
【0009】すなわち、 (1) 走行レーンのレーン替えを行うクレーンにおい
て、該クレーンと電源との間に給電用移動台車を設け、
該給電用移動台車を、前記クレーンの移動に追随して移
動させることを特徴とするクレーンの給電装置。
【0010】(2) 前記給電用移動台車を、親子2台
の台車により構成すると共に、親台車は、走行レーンと
交差する横行レーンに沿って設置した親台車給電用トロ
リ線から受電し、子台車は、走行レーンに沿って設置し
た子台車給電用トロリ線又は親台車に設置した子台車給
電用トロリ線から受電し、かつ、前記子台車に設けたケ
ーブルを経てクレーンに給電することを特徴とする
(1)記載のクレーンの給電装置。
【0011】(3) 前記給電用移動台車を、親子2台
の台車により構成すると共に、親台車は、該親台車の接
続させたケーブルから受電し、子台車は、走行レーンに
沿って設置した子台車給電用トロリ線又は親台車に設置
した子台車給電用トロリ線から受電し、ケーブルを経て
クレーンに給電することを特徴とする(1)記載のクレ
ーンの給電装置。
【0012】(4) 前記親台車に接続させたケーブル
を、親台車に設けたリールに巻回させた(3)記載のク
レーンの給電装置。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0014】図1は、コンテナターミナルの平面図であ
る。図1に示すように、コンテナターミナルBは、平行
に配した複数の走行レーンCと、これらの走行レーンC
と交差する方向に配したレーン替え用の走行レーン(以
下、横行レーンという)Dとを備えている。
【0015】図1において、Aは、タイヤ式トランスフ
ァークレーンであり、タイヤ式トランスファークレーン
(以下、クレーンという)Aは、矢印a方向に移動し、
図示しない荷役領域内で荷役作業を行うようになってい
る。
【0016】荷役作業は、従来と同様に、門形のクレー
ン本体1のガーダ3上を横行するトロリ4と、このトロ
リ4から吊り下げられた吊り具5とによって行われてい
る(図2および図3参照)。
【0017】一方、レーン替えは、走行タイヤ2を、ク
レーン本体1に設けた旋回機構(図示せず)によって9
0度回転させて横行レーンDの方向に向けた後、クレー
ンAを横行レーンDに沿って矢印b方向に移動させる。
そして、クレーンAが所定の走行レーンC(例えば、走
行レーンC4)に達した時、クレーンAを停止して、再
度、走行タイヤ2を90度回転させ、走行レーンC4の
方向に向ける。しかる後の、クレーンAを走行レーンC
4に沿って走行させるのである。
【0018】上記走行レーンCと上記横行レーンDとが
交差する交差部は、それぞれ、ターミナルEになってい
る。ターミナルEは、図4に示すように、走行レーンC
に沿って設けた浅溝6と、横行レーンDに沿って設けた
深溝7とを有し、浅溝6内には、クレーンAと同数の子
台車8が配置され、深溝7内には、親台車9が複数台配
置されている。
【0019】図5に示すように、子台車8は、浅溝6に
敷設したレール10aと、親台車9に敷設したレール1
0bとに沿って浅溝6内を自由に移動できるようになっ
ている。また、親台車9は、深溝7に敷設したレール1
1に沿って深溝7内を自由に移動できるようになってい
る。
【0020】また、浅溝6の側壁12及び親台車9の立
面部13には、複数本の子台車給電用トロリ線14が設
けられている。この子台車給電用トロリ線14には、図
示しない電源から電力が供給されている。
【0021】図6に示すように、子台車8は、子台車給
電用トロリ線14に対向する台車側面に子台車用受電装
置15を備えている。子台車用受電装置15は、集電子
16と、集電子16を子台車給電用トロリ線14に押し
つけるパンタグラフ機構17とから構成されている。
【0022】また、子台車8は、給電用ケーブル18と
給電用ケーブル保持金具19とを有し、給電用ケーブル
18は、子台車給電用トロリ線14から受電した電力を
クレーン本体1に搭載した走行モータなどの各種の電動
機器や電気機器に供給するようになっている。また、2
0は、クレーン本体1に設けたケーブルリールであり、
クレーンAの走行に伴って給電用ケーブル18の巻き取
りや、巻き戻しを行なうようになっている。
【0023】図7に示すように、浅溝6は、その両側壁
面12にガイドレール21を有し、子台車8の脱落を防
止するようになっている。22は、ガイドレール21に
係合するローラであり、子台車8の側面に取り付けられ
ている。なお、子台車8の脱落を防止できるものであれ
ば、ガイドレール21でなくてもよい。
【0024】また、図6に戻って説明すると、深溝7の
側壁23に複数本の親台車給電用トロリ線24が設けら
れている。この親台車給電用トロリ線24には、図示し
ない電源から電力が供給されている。
【0025】図6及び図8に示すように、親台車9は、
親台車給電用トロリ線24に対向する台車側面に親台車
用受電装置25を備え、親台車給電用トロリ線24から
受電した電力の一部を子台車給電用トロリ線14に供給
するようになっている。
【0026】親台車用受電装置25は、集電子26と、
集電子26を子台車給電用トロリ線24に押しつけるパ
ンタグラフ機構27とから構成されている。また、親台
車9は、子台車8を乗せて横移動する時に、子台車8を
固定するためのストッパ28(図7参照)を有してい
る。
【0027】なお、親子台車8,9への給電は、上記の
親台車給電用トロリ線24及び親台車用受電装置25の
代わりに、図11及び12に示すように、ケーブル31
により行なうこともできる。このケーブル31は、親台
車9に設けたリール30に巻かれており、親台車9の移
動に伴ってリール30に巻かれたり、或いはリール30
から繰り出せるようになっている。
【0028】次に、例えば、走行レーンC1のクレーン
A1を走行レーンC4にレーン替えする場合について説
明する(図1参照)。
【0029】電力は、電源から子台車給電用トロリ線1
4を経て子台車8及びクレーンA1とに供給される一
方、親台車給電用トロリ線24を経て親台車9に供給さ
れている。
【0030】そこで、図1に示すように、先ず、クレー
ンA1を、走行レーンC1と横行レーンDとが交差する
ホームポジションFに停止させる。次いで、走行タイヤ
2を90度回転させ、横行レーンDの方向に向きを変え
る。
【0031】この時、ターミナルE1には、図9に示す
ように、親台車9が待機しているので、子台車8を矢印
a′方向に移動させ、子台車8を親台車9上に搭載す
る。
【0032】次に、クレーンA1を、横行レーンDに沿
って横行させると共に、図10に示すように、子台車8
を搭載した親台車9を横行レーンDの深溝7に沿って矢
印b′の方向に随行させる。上記クレーンA1が第4の
走行レーンC4に達すると、クレーンA1を停止させ、
更に、当該クレーンA1に付随するターミナルE4に親
台車9を停止させる。
【0033】次いで、クレーンA1の走行タイヤ2を9
0度回転させて走行レーンC4の方向に向け、走行レー
ンC4に沿って走行させる。と同時に、子台車8を親台
車9からターミナルE4に移行させる。しかる後に、親
台車9をターミナルE1に戻して待機させる。
【0034】本発明は、上記の実施の形態に限らず、請
求項に記載した範囲の物を包含するものである。
【0035】
【発明の効果】上記のように、本発明は、走行レーンの
レーン替えを行うクレーンにおいて、該クレーンと電源
との間に給電用移動台車を設け、該給電用移動台車を、
前記クレーンの移動に追随させるので、レーン替え用の
エンジン発電機の搭載が不要となる。このため、面倒で
手間のかかるエンジンのメンテナンス作業が無くなり、
メンテナンス費用の削減が計れるようになった。また、
エンジンの騒音や排ガスなどの環境問題も大幅に改善す
ることができた。
【0036】また、給電用移動台車を、親子2台の台車
により構成すると共に、親台車は、走行レーンと交差す
る横行レーンに沿って設置した親台車給電用トロリ線か
ら受電し、子台車は、走行レーンに沿って設置した子台
車給電用トロリ線又は親台車に設置した子台車給電用ト
ロリ線から受電し、ケーブルを経てクレーンに給電する
ので、給電のためのケーブル着脱作業が不要となり、作
業性の向上を計ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクレーンの給電装置を適用するコ
ンテナターミナルの平面図である。
【図2】クレーンの正面図である。
【図3】クレーンの側面図である。
【図4】コンテナターミナルの一部断面を含む側面図で
ある。
【図5】親子台車の矢視図である。
【図6】ターミナルの要部平面図である。
【図7】図6のXーX断面図である。
【図8】図6のYーY矢視図である。
【図9】子台車を親台車に乗せる説明図である。
【図10】子台車を搭載した親台車を移動させる説明図
である。
【図11】親台車に給電リールを設けた場合を示す側面
図である。
【図12】親台車に給電リールを設けた場合を示す平面
図である。
【図13】従来のクレーンの側面図である。
【符号の説明】
A クレーン C 走行レーン 8,9 給電用移動台車

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行レーンのレーン替えを行うクレーン
    において、該クレーンと電源との間に給電用移動台車を
    設け、該給電用移動台車を、前記クレーンの移動に追随
    して移動させることを特徴とするクレーンの給電装置。
  2. 【請求項2】 前記給電用移動台車を、親子2台の台車
    により構成すると共に、親台車は、走行レーンと交差す
    る横行レーンに沿って設置した親台車給電用トロリ線か
    ら受電し、子台車は、走行レーンに沿って設置した子台
    車給電用トロリ線又は親台車に設置した子台車給電用ト
    ロリ線から受電し、かつ、前記子台車に設けたケーブル
    を経てクレーンに給電することを特徴とする請求項1記
    載のクレーンの給電装置。
  3. 【請求項3】 前記給電用移動台車を、親子2台の台車
    により構成すると共に、親台車は、該親台車の接続させ
    たケーブルから受電し、子台車は、走行レーンに沿って
    設置した子台車給電用トロリ線又は親台車に設置した子
    台車給電用トロリ線から受電し、ケーブルを経てクレー
    ンに給電することを特徴とする請求項1記載のクレーン
    の給電装置。
  4. 【請求項4】 前記親台車に接続させたケーブルを、親
    台車に設けたリールに巻回させた請求項3記載のクレー
    ンの給電装置。
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