JP2003159233A - 指掌紋読み取り用皮膚調整剤 - Google Patents

指掌紋読み取り用皮膚調整剤

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JP2003159233A JP2001363100A JP2001363100A JP2003159233A JP 2003159233 A JP2003159233 A JP 2003159233A JP 2001363100 A JP2001363100 A JP 2001363100A JP 2001363100 A JP2001363100 A JP 2001363100A JP 2003159233 A JP2003159233 A JP 2003159233A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検出器を用いて指掌から指掌紋を読み取る際
に、より簡単に指掌に塗布可能で、多汗症の人、脂症の
人、乾燥肌の人、指紋隆線が細い人であっても、指紋認
証率も良好な皮膚調整剤を提供すること。 【構成】 指掌に塗布して使用する皮膚調整剤であっ
て、油脂性成分を含有する溶媒を保持してなるゲル組成
物であることを特徴とする。油脂性成分が、親水性の多
価アルコールを主成分とするものであることが望まし
く、さらにはゲル組成物が、発泡ゲル組成物であること
が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検出器を用いて指
掌から指掌紋を読み取る際に、指掌に塗布して使用する
皮膚調整剤に関する。特に、容器に充填され、触れるだ
けで指掌に調整剤を塗布可能とされているゲル状の皮膚
調整剤に関し、特に指紋認証システムに好適な発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】検出器を用いて指掌から指掌紋を読み取
り、照合することで、個人識別を行う指紋認証システム
が現在注目されつつある。例えば、警察関係で使用され
る犯人の割り出し等の迅速化に有用な指紋押捺装置をは
じめ、一般家庭や各種企業においては、マンションの玄
関、出入り口等のセキュリティーシステム、クレジット
カードの悪用防止や、パソコン、タイムレコーダー等各
種機器の本人認証等に指紋認証システムを適用すること
が実用・検討されている。
【0003】上記指紋認証システムにおける指からの指
紋の読み取りにおいては、例えば下記の方法が採用され
ている。
【0004】静電容量型半導体センサによる方法…指
を半導体センサの上に置き、指の凹凸で生じる電位の差
を利用して静電容量を計測し、指紋の模様を読み取るも
の 光学式(CCD)方法:指をガラス面の上に置き、光
の反射を利用し、反射光量の大小を電気信号に変換して
指紋の模様を読み取るもの。
【0005】上記指紋の読み取りにおいて、従来、多汗
症の人、脂症の人、乾燥肌の人、指紋隆線が細い人(特
に女性)等は、認証率が低くなる傾向にあった。原因と
しては、多汗症・脂性の人は汗や皮脂分が多すぎて指紋
(隆線)が潰れるためで、一方、乾燥肌の人は逆に皮脂
分が少なく、うまく感知できないためである。
【0006】よって、指先の皮膚の状態を良好にし、認
証率を上げるために、本出願人は、先にエアゾール式の
指掌紋押捺用皮膚調整剤を出願している(特開平11−
51731号公報参照)。該皮膚調整剤は、泡状に噴射
して使用するものであって、その泡を手に馴染ませて塗
布した後、上記システムを用いて指紋を認証すること
で、より認証率を上げることができる。
【0007】しかし、扱いによっては、泡が多量に噴射
され手に馴染ませるのに時間がかかる場合や、余計な油
分が指掌に残る可能性があり、指紋認証に不備が生じる
場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記にかん
がみて、より簡単に指掌に塗布可能で、指紋認証率も良
好な皮膚調整剤を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究・開発に努力する過程で、下記
構成を有するゲル状の皮膚調整剤に想到した。
【0010】検出器を用いて指掌から指掌紋を読み取る
際に、指掌に塗布して使用する皮膚調整剤であって、油
脂性成分を含有する溶媒を保持してなるゲル組成物であ
ることを特徴とする。
【0011】上記構成において、油脂性成分が前記溶媒
中でO/W型エマルションの形態で存在することが、使
用感が良好であり望ましい。
【0012】上記構成において、油脂性成分として、親
水性の多価アルコールを主成分とすることが、油脂性成
分の指掌補給効果を得やすくて望ましい。さらに脂肪酸
エステルを含有すると、油脂分不足の皮膚にべとつきな
く油脂性成分を供給することが可能となる。
【0013】上記構成において、さらに溶媒が界面活性
剤を含有すると、油脂成分の乳化状態が安定する。
【0014】上記構成において、界面活性剤が非イオン
界面活性剤及び/又は陰イオン界面活性剤であることが
望ましい。非イオン界面活性剤は、容易に親水親油バラ
ンス:HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)が調
整でき、陰イオン界面活性剤は発泡性に優れているた
め、後述の発泡ゲル組成物を製造しやすい。
【0015】上記ゲル組成物は発泡ゲル組成物であるこ
とが望ましい。安定な弾力性が付与でき、皮膚調整剤の
過剰な塗布がなくなるとともに、ゲルの強度が向上す
る。
【0016】上記指掌紋読み取り用皮膚調整剤は容器に
充填されてなり、ゲル組成物表面に触れることで指掌に
溶媒を塗布可能とされていることが、取扱性及び指掌へ
の塗布性の見地から望ましい。
【0017】そして、ゲル組成物が、容器を開放状態で
直立させた際に、容器から流下しないよう、流下防止剤
を含有することが望ましい。形態保持性に優れ、容器か
らのゲル組成物の離脱が防止できるため、容器を縦の状
態にして使用することができ、使用用途が拡大する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、詳細に説明を行う。本明細書において、配合量を現
す「%」等は、特に断らない限り質量基準とする。
【0019】本発明は、検出器を用いて指掌から指掌紋
を読み取る際に、指掌に塗布して使用する皮膚調整剤で
あって、油脂性成分を含有する溶媒を保持してなるゲル
組成物であることを特徴とする。
【0020】ゲル組成物としては、現在市販されている
消臭芳香剤等(吸水樹脂で無いもの)に使用されている
ようなゲル状製品を適用することができる。この様なゲ
ルの表面は、サラサラ、ツルツルしており油脂性成分を
含有していても、油分を感じない物が多い。また、これ
らゲル状製品の多くは、ゼリー等食品関係に多く使われ
ている多糖類を使用しているので安全性が高い。
【0021】ゲル組成物を形成するゲル化剤としては、
例えば、キサンタンガム、カラギーナン、ジュランガ
ム、ローカストビーンガム、寒天、グアーガム、タマリ
ンドガム、アルギン酸ナトリウム等の植物性多糖類、ゼ
ラチン等の動物性たんぱく質など、が例示でき、これら
は単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0022】上記ゲル化剤の配合量は、ゲル組成物中、
約0.01〜10%、好ましくは約0.1〜5.0%、
さらに好ましくは約0.5〜2.0%とする。ゲル化剤
の配合量が少なすぎると、ゲル組成物が弱く、崩れやす
いものになってしまう。逆に多すぎると、硬いゲル組成
物となり、使用の際、後述の如く容器に充填しづらくな
る。
【0023】一方、上記油脂性成分とは、油脂を含む広
い概念であり、化粧品原料の鉱物油や油脂類を好適に使
用することができる。
【0024】例えば、 炭化水素:流動パラフィン、ワセリン、スクワレン、ス
クワラン等 油脂:オリーブ油、ヒマシ油、ツバキ油、コメ油、ミン
ク油等 ロウ類:カルナバロウ、ラノリン、ホホバ油等 高級脂肪酸:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等 高級アルコール:ラウリルアルコール、セチルアルコー
ル、オレイルアルコール等 高級脂肪酸エステル:ミリスチン酸イソプロピル、イソ
ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソ
オクタン酸セチル等 シリコーン油:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン、オクタンメチルシクロテトラシロキ
サン等 多価アルコール:エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、グリセリン、プロピレングリコール、1.3ブ
チレングリコール等、 を使用することができ、これらは、単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0025】これらの中で、水溶性タイプのものが皮膚
に馴染み易く、使用感が良好で、ベトツキが無くサラッ
とした感触を得ることができ望ましい。特に多価アルコ
ールを主成分として好適に使用することができる。
【0026】なお、油脂分不足の場合は、前記多価アル
コール以外の油脂性成分と併用して油脂分を補うことが
できる。この場合、特に脂肪酸エステルを使用すると、
ベトツキが無くサラッとした感触を得ることができる。
【0027】油脂性成分の配合量に関しては、各油脂性
成分の性状によって異なるが、例えば多価アルコール単
独使用の場合、ゲル組成物に対して約1〜50%、好ま
しくは約5〜40%、さらに好ましくは約10〜30%
とする。油脂性成分が少なすぎると、油脂分が少なすぎ
て指掌紋を認証しづらい。また、逆に多すぎると、ベト
ツキを感じるなど認証に不備が生じる。
【0028】また、油脂分不足の場合に多価アルコール
に加えて添加する油脂の配合量は、脂肪酸エステルを使
用する場合、約0.01〜10%、好ましくは約0.1
〜5%、さらに好ましくは約1〜3%とする。
【0029】上記油脂性成分は、溶媒中でO/W型エマ
ルションの形態で存在することが望ましい。W/O型エ
マルションでは、皮膚に過剰な油脂成分を与えることに
なり、べたつきを感じたり、また、検出器の指掌紋感知
部分に多量に油脂性成分が残り、採取するごとに拭き取
らないと、次に感知する指紋(隆線)が重なって移った
りするという問題点が発生しやすい。
【0030】安定したO/W型エマルションの形態を保
つためには、溶媒が界面活性剤を含有することが望まし
い。
【0031】界面活性剤としては、下記各タイプのもの
が使用できるが、特に非イオン界面活性剤及び/又は陰
イオン界面活性剤を使用することが望ましい。非イオン
界面活性剤は、汗や皮膚表面に存在するイオン性化合物
と反応することがなく、かつ、アルキレンオキシド付加
数を変更することにより、容易に親水親油バランス:H
LB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)が調整できる
からである。また、陰イオン界面活性剤は発泡性に優れ
ているため、後述の発泡ゲル組成物を製造しやすい。
【0032】非イオン界面活性剤: エステル型非イオン界面活性剤 グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビット脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミドエステル等 エーテル型非イオン界面活性剤 ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル等 エーテルエステル型非イオン界面活性剤 ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油等 陰イオン界面活性剤:高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エ
ステル塩、アルキルスルホン酸塩、N−アシルスルホン
酸塩等のスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エ
ステル塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカ
ルボン酸塩等のカルボン酸塩、N−アシルメチルタウリ
ン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ア
ミノ酸塩等 陽イオン界面活性剤:脂肪酸アミン塩、脂肪族四級アン
モニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウ
ム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等 両性界面活性剤:レシチン、スルホベタイン、イミダゾ
リン型、酢酸ベタイン型等。
【0033】上記界面活性剤は、単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。なお、HLBが高いも
の、通常8.0以上のものを使用することが望ましい
が、HLBが低いものであっても後述の発泡ゲル組成物
を製造する際の発泡性が損なわれない程度であれば併用
することができる。
【0034】上記界面活性剤の配合量は、各油脂性成分
の性状や配合量によって乳化が異なるため限定できない
が、約0.01〜10%、好ましくは約0.1〜5.0
%、さらに好ましくは約0.5〜2.0%とする。配合
量が少なすぎると、充分な乳化が難しくなる。逆に多す
ぎると、界面活性剤自身の油分が加えられベトツキを感
じるなど指紋の認証に不備が生じる。またゲル組成物が
発泡しすぎて望ましくない、すなわち、上記配合量でゲ
ル発泡には充分である。
【0035】上記ゲル組成物には、その他、必要に応じ
て防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、消臭剤、香料、酸化防止
剤、保湿剤、増粘剤、ビタミン剤、清涼剤、低級アルコ
ール、各種エキス類、収斂剤、粉体、離水防止剤、粘着
剤、染料、顔料、発汗抑制剤などの添加剤を、本発明の
効果を阻害しない範囲で配合してもよい。
【0036】上記ゲル組成物は、後述の如く表面に触れ
ることで指掌に溶媒が塗布可能であるため、ゼリー状の
ゲル組成物であっても使用可能である。しかし、使用時
に、指等で強く押し付けた場合や、爪が長い人が使用す
ると、ゲルが割れてしまう場合がある。
【0037】よって、ゲル組成物に安定な弾力性と適度
な湿潤力を付与するためには、上記ゲル組成物を、空気
をかませた発泡ゲル組成物にすると、ゲル組成物内に気
泡の穴ができ弾力が出て、過剰な油分が指掌に付きにく
くなる。また、ゲルが割れにくくなる。
【0038】上記発泡ゲル組成物は、公知の方法により
製造することができる。例えば、油脂性成分を、発泡性
を有する界面活性剤と水で乳化させ、その乳化物に必要
な添加剤を加え、ゲル化剤を入れて、ゲル化を行うこと
で容易に製造可能である(加熱も必要)。
【0039】次に、上記ゲル組成物、即ち、指掌紋読み
取り用皮膚調整剤の使用方法について説明する。上記ゲ
ル組成物は、油脂性成分を含有する溶媒を保持してなる
ため、ゲル組成物表面に触れると、触れた皮膚の部分に
溶媒が塗布され、指掌紋認証に良好な皮膚状態となる。
【0040】そのため、指紋を認証する場合には、認証
する指をゲル組成物に乗せ、適度な油分を湿潤させるだ
けで皮膚の状態を良好にすることができる。よって、従
来のエアゾール式の塗布方法などのように適当量を取っ
て塗布する必要がなく、時間の短縮を図ることができ
る。
【0041】より使用しやすくするには、上記ゲル組成
物を容器に充填して指掌紋読み取り用皮膚調整剤とし、
ゲル組成物表面に触れ易い状態とすればよい。例えば、
携帯用容器に充填すれば、持ち運び自由となり、どこで
も指紋認証が可能となる。また、ゲル組成物を充填した
容器を、認証システムの近くの壁面等に常設しておけ
ば、より便利になる。
【0042】なお、上述の如く、ゲル組成物を充填した
容器を壁面など垂直に近い状態で常設する場合は、ゲル
組成物が、容器から離脱しない程度の形態保持性を有し
ている必要がある。この場合は、容器を開放状態で直立
させた際に、ゲル組成物が容器から流下しないようにす
る。
【0043】上記の如くゲル組成物の容器からの流下を
防止するには、流下防止剤をゲル組成物に配合すればよ
い。流下防止剤としては粘着剤、チキソトロピー付与
剤、磁石粉等を使用することができるが、安全性を考慮
すると、化粧品原料、食品原料等の添加剤として使用さ
れているものが好適である。
【0044】上記粘着剤としては、ポリビニルアルコー
ル、イソブテン、ロジン、酢酸ビニルなどが例示でき
る。粘着剤の配合量は、粘着成分の性状、油脂分とのバ
ランスなどを考慮して適宜決定すればよいが、例えば約
0.01〜20%、望ましくは約0.5〜10%、さら
に望ましくは約1.0〜5.0%とすることができる。
粘着成分が少なすぎると、粘着が弱くなり、上記の如く
垂直に近い状態で容器を常設する場合、容器からゲル組
成物が落下する原因となる。逆に多すぎると、ベトツキ
が目立つなどの悪影響が出る。なお、これら粘着剤は油
脂性成分の役目も兼ねるため、油脂分不足の場合には、
油脂分として考え配合量を調製してもよい。
【0045】上記チキソトロピー付与剤としては、汎用
のエロジン、ベントナイト、水添ヒマシ油、炭酸カルシ
ウム、ケイ酸アルミニウム、シリカなどが使用可能であ
る。チキソトロピー付与剤の添加量は、チキソトロピー
付与剤の種類によって異なるが、容器からの流下が防止
できる量の範囲内で適宜選択する。
【0046】上記磁石粉を配合する場合は、ゲル組成物
中に配合された磁石粉相互が磁力で引き合うことにより
容器からの流下を防止可能である。特に容器を磁性体と
すると、容器へのゲル組成物の保持力がさらに高まる。
磁石粉の配合量は、容器からのゲル組成物の流下が防止
でき、皮膚調整に影響を与えない範囲で適宜設定するこ
とができる。
【0047】なお、従来のエアゾール、ポンプ等による
泡式、本発明のゲル状の皮膚調整剤以外の考えられる形
態として、ワックス状、クリーム状等が考えられる。こ
れらはいずれも皮膚調整剤として使用可能であるが、W
/O型のワックス状、クリーム状等は、油脂分が多すぎ
て認証用システムにおける指紋感知部分上に油分が残り
やすく、使用の度に感知部分を拭き取る必要がある。ま
た、手がべたつく等の不具合が生じる。また、O/W型
のワックス状、クリーム状等は、水分が多すぎて指紋が
滲み易く、乾燥性が悪い等の不具合が生じる。
【0048】以上、本発明の指掌紋読み取り用皮膚調整
剤について説明を行ったが、上記方法により、容器から
の流下を防止したゲル組成物は、指掌紋読み取り用皮膚
調整剤以外の用途にも使用が期待できる。例えば、下記
の構成、「流下防止剤を含有する容器入りゲル組成物で
あって、容器を開放状態で直立させた際に、ゲル組成物
が前記容器から流下しないことを特徴とするゲル組成
物」は、特に形態保持性を必要とする各種薬品、食品な
どにおいて使用可能性を有する。例えば、店頭に陳列す
る化粧品サンプルの容器からの離脱防止などに適用でき
る。
【0049】
【発明の効果】本発明の指掌紋読み取り用皮膚調整剤
は、油脂性成分を含有する溶媒を保持してなるゲル組成
物とすることで、従来のエアゾールタイプの皮膚調整剤
とは異なった使用態様とすることができる。すなわち、
従来のエアゾールタイプの皮膚調整剤が、比較的短時間
で多人数が使用可能であるのに対し、本発明のゲルタイ
プの皮膚調整剤は、小型化が可能であり、使用態様がよ
り広くなる。
【0050】さらに、油脂性成分が親水性の多価アルコ
ールを主成分とするものであると、塗布後のベトツキ感
を抑えることができ、皮膚調整剤塗布後に手を洗う必要
がない。
【0051】また、発泡ゲル組成物とすることで安定な
弾力性が付与でき、皮膚調整剤の過剰な塗布がなくなる
とともに、ゲルの強度が向上する。
【0052】よって、多汗症の人、脂症の人、乾燥肌の
人、指紋隆線が細い人などの指掌紋認証に有効利用で
き、従来のエアゾールタイプの皮膚調整剤と同等もしく
はそれ以上の効果を得ることができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行った
実施例について説明を行う。下記表1の処方に従い、各
実施例の皮膚調整剤を発明の詳細な説明の欄で述べた調
製法に従い調製した。なお、表において、離水防止剤と
しては乳酸カルシウムを使用した。
【0054】
【表1】
【0055】表1における各実施例の皮膚調整剤につい
て、ゲルの状態及び指に塗布して指紋検知を行った場合
の状態について評価を行った。
【0056】ゲルの状態に関する評価基準及び評価方法
は、下記の如くである。
【0057】・離水:経時的にゲル組成物の表面に水が
浮いてくるか否かを目視にて確認 ・弾力性:ゲル組成物を指で押した時に、弾力を感じる
か否かを目視、感覚にて確認 ・割れ易さ:ゲル組成物を指で押し付けた時、割れるか
否かを目視にて確認・容器からの落下:容器に充填した
ゲル組成物を垂直の状態に保ち、経時的に容器から、ゲ
ル組成物が剥がれ落ちるか否かを目視にて確認 ・乾燥後:ゲル組成物が最後まで湿潤を保っているか否
かを目視、感覚にて確認 ・スポンジ状:ゲル組成物が最後までスポンジ状を維持
しているか否かを目視、感覚で確認。
【0058】ゲル状態の評価結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】表2より、いずれの実施例のゲル組成物も
使用可能ではあるが、界面活性剤を添加した実施例5〜
8はゲル状態が特に良好であることがわかる。
【0061】次に、指に皮膚調整剤を塗布して指紋検知
を行った場合の状態について評価を行った結果を表3に
示す。なお、各評価基準は下記の如くであり、評価に使
用した指紋認証装置としては、NEC社製「PID」を
使用した。
【0062】・指のベトツキ:ゲル組成物に指を乗せた
直後、タオル、ティッシュ等で拭き取る必要がある感覚
を生じるか否かで判定 ・指紋隆線の形:ゲル組成物に指を乗せる事により、指
紋全体に均一に湿潤でき、隆線全体に極端に不自然な線
が生じないか否かをモニター画面で判定 ・指紋隆線のムラ:ゲル組成物に指を乗せる事により、
指紋全体に均一に湿潤でき、隆線全体に濃淡無く均一に
認証できるか否かをモニター画面で判定 ・指紋隆線の鮮明性:一回ゲル組成物に指を乗せる事
で、油脂分が適量で、認証後の映像が鮮明か否かをモニ
ター画面で判定 ・指紋隆線の滲み:多汗症、脂性の人に関して、指紋認
証中に発汗や脂がでてきて、隆線が滲んで、採取し難く
なるか否かをモニター画面で判定 ・検知部分の油脂残:次の指紋認証時に前の指紋が、検
知部分に残っているか否かをモニター画面で判定(油が
残っていればモニター画面に黒く出る) ・指紋認証の持続性:一回ゲル組成物に指を乗せる事
で、指紋が安定して認証できるか否かをモニター画面で
判定 ・指紋認証の再現性:一認証箇所について、連続して2
〜3回の認証が可能か否かをモニター画面で判定
【0063】
【表3】
【0064】表3より、油脂性成分として親水性の多価
アルコールと脂肪酸エステルを併用し、界面活性剤を添
加した実施例8の配合が最も指紋検知に好適であること
がわかる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出器を用いて指掌から指掌紋を読み取
    る際に、前記指掌に塗布して使用する皮膚調整剤であっ
    て、 油脂性成分を含有する溶媒を保持してなるゲル組成物で
    あることを特徴とする指掌紋読み取り用皮膚調整剤。
  2. 【請求項2】 前記油脂性成分が前記溶媒中でO/W型
    エマルションの形態で存在することを特徴とする請求項
    1記載の指掌紋読み取り用皮膚調整剤。
  3. 【請求項3】 前記油脂性成分が、親水性の多価アルコ
    ールを主成分とするものであることを特徴とする請求項
    1又は2のいずれかに記載の指掌紋読み取り用皮膚調整
    剤。
  4. 【請求項4】 前記油脂性成分としてさらに脂肪酸エス
    テルを含有することを特徴とする請求項3記載の指掌紋
    読み取り用皮膚調整剤。
  5. 【請求項5】 さらに前記溶媒が界面活性剤を含有する
    ことを特徴とする請求項2、3又は4のいずれかに記載
    の指掌紋読み取り用皮膚調整剤。
  6. 【請求項6】 前記界面活性剤が非イオン界面活性剤及
    び/又は陰イオン界面活性剤であることを特徴とする請
    求項5記載の指掌紋読み取り用皮膚調整剤。
  7. 【請求項7】 前記ゲル組成物が、発泡ゲル組成物であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6の
    いずれかに記載の指掌紋読み取り用皮膚調整剤。
  8. 【請求項8】 前記1、2、3、4、5、6又は7のい
    ずれかに記載の指掌紋読み取り用皮膚調整剤が容器に充
    填されてなり、前記ゲル組成物表面に触れることで前記
    指掌に前記溶媒を塗布可能とされていることを特徴とす
    る指掌紋読み取り用皮膚調整剤。
  9. 【請求項9】 前記ゲル組成物が流下防止剤を含有して
    なり、前記容器を開放状態で直立させた際に、前記ゲル
    組成物が前記容器から流下しないことを特徴とする請求
    項8記載の指掌紋読み取り用皮膚調整剤。
  10. 【請求項10】 流下防止剤を含有する容器入りゲル組
    成物であって、前記容器を開放状態で直立させた際に、
    前記ゲル組成物が前記容器から流下しないことを特徴と
    するゲル組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006062926A1 (en) * 2004-12-04 2006-06-15 Aprilis, Inc. Methods for preparing skin for biometric image acquisition
JP2012019884A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Nagoya Aerosol Kk 指掌紋読み取り用皮膚調整剤
CN103937033A (zh) * 2014-04-13 2014-07-23 中南民族大学 一种凝胶型指纹显现剂及其应用

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