JP2003156129A - 歯車機構及びこれを用いた電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

歯車機構及びこれを用いた電動式パワーステアリング装置

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JP2003156129A
JP2003156129A JP2001356599A JP2001356599A JP2003156129A JP 2003156129 A JP2003156129 A JP 2003156129A JP 2001356599 A JP2001356599 A JP 2001356599A JP 2001356599 A JP2001356599 A JP 2001356599A JP 2003156129 A JP2003156129 A JP 2003156129A
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electric power
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JP2001356599A
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Masahiko Shiina
晶彦 椎名
Mitsuharu Minami
光晴 南
Kazuya Yoshioka
加寿也 吉岡
Noritake Okawa
憲毅 大川
Masashi Kuze
真史 久世
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂からなる歯部の湿気による膨潤を抑
制することができ、噛合部のトルクの増大をなくするこ
とができる歯車機構及び電動式パワーステアリング装置
を提供する。 【解決手段】 少なくとも歯部7aが合成樹脂からなる
ウォームホイール7を回転軸3が支持し、前記ウォーム
ホイール7が収容されたハウジング8内に前記回転軸3
を支持するための転がり軸受11,12が前記ウォーム
ホイール7の両側に設けてあり、該転がり軸受11,1
2と、ハウジング8及び該ハウジング8の開放部を閉じ
る蓋部材9の間との夫々に、前記ウォームホイール7の
収容領域を気密に封止する封止部材20,21,22を
設け、歯部7aの湿気による膨潤を抑制するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は少なくとも歯部が合
成樹脂からなる大歯車と、該大歯車に噛合する小歯車と
を備えた歯車機構及びこれを用いた電動式パワーステア
リング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の舵取りは、車室の内部に配され
た操舵輪の回転操作を、舵取用の車輪(一般的には前
輪)の操向のために車室の外部に配された舵取機構に伝
えて行われる。
【0003】図5は従来の電動式パワーステアリング装
置の断面図である。自動車用の電動式パワーステアリン
グ装置としては、図5に示すように例えば車室の内部に
固定される筒形のハウジング100内に、舵取りのため
の操舵輪101に連結される操舵軸102と、該操舵軸
102にトーションバー103を介して同軸的に連結さ
れる回転軸104とが3つの軸受105,106,10
7を介して回転可能に支持されている。また、操舵輪1
01を回転することによって操舵軸102に加わるトル
クを検出するトルクセンサ108と、該トルクセンサ1
08の検出結果に基づいて駆動される操舵補助用のモー
タ109の回転を前記回転軸104に伝える減速歯車機
構110とが夫々前記ハウジング100内に収容されて
いる。
【0004】このハウジング100は、トルクセンサ1
08を収容する第1のハウジング100aと、前記減速
歯車機構110を収容する第2のハウジング100bと
に分割されており、このハウジング100の分割部がボ
ルト等の連結手段によって連結されている。
【0005】減速歯車機構110は、前記操舵軸102
の軸芯と交叉するように配置され、2つの転がり軸受
(不図示)を介してハウジング100内に支持されたウ
ォーム113と、該ウォーム113に噛合する歯部が合
成樹脂製のウォームホイール114とを備え、前記ウォ
ーム113が前記モータ109の出力軸に繋がり、前記
ウォームホイール114が前記回転軸104に嵌合支持
されており、ウォーム113及びウォームホイール11
4のラジアル方向及びアキシアル方向への移動が阻止さ
れている。また、ウォームホイール114の両側に転が
り軸受からなる前記軸受106,107が配置されてい
る。
【0006】このようにウォーム113及びウォームホ
イール114が用いられた電動式パワーステアリング装
置にあっては、歯部が合成樹脂製のウォームホイール1
14によってウォーム113との噛合による騒音を小さ
くするようにしてあり、また、ウォーム113及びウォ
ームホイール114の噛合部に適宜のバックラッシュ量
を設けてウォーム113及びウォームホイール114を
スムースに回転させるようにしてある。このバックラッ
シュ量が大きいときは歯打ち音が発生し、該歯打ち音が
自動車の室内に洩れることになり、また、噛合部のバッ
クラッシュ量が小さいときはウォーム113及びウォー
ムホイール114を円滑に回転させることができなくな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の如く
構成された従来の電動式パワーステアリング装置は、前
記バックラッシュ量を適正にして組み立てられているも
のにおいても前記噛合部のトルクが増大することがあ
り、改善策が要望されていた。
【0008】発明者はこの噛合い詰まりの原因を追及し
た結果、噛合部のトルクの増大は合成樹脂からなる歯部
を有するウォームホイール114を備えた電動式パワー
ステアリング装置において比較的多く発生していること
を突き止めた。さらに追及した結果、合成樹脂からなる
歯部と噛合するウォーム113は金属製であり、材質の
線膨張係数が異なるため、大気中の湿気によって歯部が
僅かづつ膨潤し、バックラッシュ量が過小となり、噛合
部のトルクが増大することになることを見出した。
【0009】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、合成樹脂製の歯部の湿気による膨潤を抑制する
ことができ、噛合部の適正なバックラッシュ量を維持で
き、噛合部のトルクの増大をなくすることができる歯車
機構及び電動式パワーステアリング装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る歯車機構
は、回転軸に支持され少なくとも歯部が合成樹脂からな
る大歯車と、該大歯車に噛合する小歯車と、前記大歯車
及び小歯車が収容され前記回転軸の軸長方向に開放され
た開放部を有するハウジングと、該ハウジングの開放部
を閉じる蓋部材と、前記大歯車の両側に配置され前記回
転軸を前記ハウジング及び蓋部材で支持する2つの軸受
とを備えた歯車機構において、前記軸受又は軸受の近
傍、及び前記ハウジングと蓋部材との間の夫々は前記大
歯車の収容領域を気密に封止する封止部材を有している
ことを特徴とする。
【0011】第4発明に係る電動式パワーステアリング
装置は、請求項1乃至3の何れかに記載された歯車機構
と、前記小歯車に連結された操舵補助用のモータと、該
モータの回転に伴う前記大歯車の回転力を舵取機構に伝
達する伝達手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】第1発明及び第4発明にあっては、合成樹
脂製の歯部を有する大歯車の両側に配置される軸受から
前記収容領域への湿気侵入を、軸受又は該軸受の近傍に
有する封止部材によって防ぐことができ、さらに、大歯
車及び小歯車が収容されたハウジングと蓋部材との間か
ら前記収容領域への湿気侵入を、ハウジングと蓋部材と
の間に設けられた封止部材によって防ぐことができるた
め、合成樹脂からなる歯部の湿気による膨潤を抑制する
ことができる。
【0013】第2発明に係る歯車機構は、前記ハウジン
グは前記小歯車の軸長方向に開放された開放部を有して
おり、該開放部に前記小歯車を支持する軸受を有してお
り、該軸受又は軸受の近傍は前記収容領域を気密に封止
する封止部材を有していることを特徴とする。
【0014】第2発明にあっては、ウォームを支持する
軸受から前記収容領域への湿気侵入を、軸受又は該軸受
の近傍に有する封止部材によって防ぐことができるた
め、前記歯部の湿気による膨潤をより一層抑制すること
ができる。
【0015】第3発明に係る歯車機構は、前記軸受は複
数の転動体を介して遊嵌された内輪及び外輪間に前記封
止部材を有する転がり軸受であることを特徴とする。
【0016】第3発明にあっては、転がり軸受が回転軸
をハウジングに支持することによって大歯車の収容領域
への湿気侵入を防ぐことができるため、部品点数を増加
することなく、湿気による歯部の膨潤を抑制することが
できる。
【0017】また、電動式パワーステアリング装置は、
操舵手段に加わるトルクを検出するトルク検出手段を備
えており、前記蓋部材は前記トルク検出手段が収容され
るハウジングからなる構成としてもよく、この場合、ト
ルク検出手段が収容されたハウジング内(第2ハウジン
グ)から前記収容領域への湿気侵入を、軸受又は該軸受
の近傍に有する封止部材によって防ぐことができ、さら
に、大歯車及び小歯車が収容されたハウジング(第1ハ
ウジング)とトルク検出手段が収容されたハウジング
(第2ハウジング)との間から前記収容領域への湿気侵
入を、2つのハウジングの間に設けられた封止部材によ
って防ぐことができるため、大歯車の合成樹脂製の歯部
が触れる湿気量を少なくすることができ、湿気による歯
部の膨潤を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の断
面図、図2は歯車機構部分の拡大断面図、図3は要部の
拡大断面図である。電動式パワーステアリング装置は、
上端が舵取りのための操舵輪(図示せず)に繋がる操舵
軸1と、該操舵軸1の下端にトーションバー2を介して
連結された回転軸3と、前記操舵軸1に加わるトルクを
検出するトルク検出手段4と、該トルク検出手段4が検
出したトルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータ
5と、該モータ5によって回転されるウォーム6及び少
なくとも歯部が合成樹脂製のウォームホイール7を有す
る歯車機構Aと、該歯車機構Aが収容された第1のハウ
ジング8と、前記トルク検出手段4が収容された第2の
ハウジング9と、前記操舵軸1が収容された第3のハウ
ジング10とを備え、第1及び第3のハウジング8,1
0がブラケット(図示せず)を介して車体に取付けられ
る。
【0019】操舵軸1の下端には前記トーションバー2
が挿入された筒部1aを備えており、前記回転軸3は前
記トーションバー2の下部及び前記筒部1aの下部が挿
入されるように筒形に形成されており、この回転軸3及
び筒部1aの周りにトルクセンサからなるトルク検出手
段4が配置されている。また、回転軸3の軸長方向途中
に前記ウォームホイール7が嵌合された第1の嵌合部3
aと、該第1の嵌合部3aの両側に環状の段を介して連
なる第2及び第3の嵌合部3b,3cとが設けられてい
る。第2の嵌合部3bには第1の転がり軸受11の内輪
が圧入されており、第3の嵌合部3cには第2の転がり
軸受12の内輪が圧入されている。
【0020】第1のハウジング8は前記回転軸3及びウ
ォームホイール7が収容された第1収容室8aと、該第
1収容室8aの一側と連通孔8bを介して連通し、前記
ウォーム6を収容する略筒形の第2収容室8cとを備え
ている。第1収容室8aは前記回転軸3の軸長方向に開
放されており、上端の開放部8dは円形の第1連結部8
1が設けられており、下端の開放部8eは前記第3の嵌
合部3cに対応する第1の支持孔82が設けられてい
る。
【0021】第2収容室8cはウォーム6の軸長方向一
端側が開放されており、他端側は閉鎖されている。開放
された開放部8fと、閉鎖された閉鎖部の近傍とに第3
及び第4の転がり軸受13,14を介して前記ウォーム
6を回転可能に支持する第2及び第3の支持孔83,8
4が設けられている。また、開放部8fにはねじ孔85
が設けられ、該ねじ孔85にウォーム6の軸長方向位置
を調節するためのねじ環15が螺着されており、該ねじ
環15にロックナット16が螺着されている。また、開
放部8fの縁は拡径されており、該拡径部8gに前記モ
ータ5が取付けられている。
【0022】第2のハウジング9は、上部が前記第3の
ハウジング10内に連通し、前記筒部1a及びトルク検
出手段4が収容された略筒形に形成されており、一側に
は前記トルク検出手段4に接続された導体17を挿入す
るための導体挿入孔91と、該導体挿入孔91の外部へ
の開放端を閉じる蓋体18とが設けられている。また、
第2のハウジング9内の上部にはニードル軸受19を介
して前記筒部1aの上部を回転可能に支持する第1の支
持孔92が設けられており、下部内側には前記第2の嵌
合部3bに対応する第5の支持孔93が設けられてお
り、また、下部外側には前記第1連結部81に嵌合され
る円形の第2連結部94が設けられている。尚、第1連
結部81及び第2連結部94の縁には複数のフランジ
(図示せず)が周方向に離間して突設されており、向き
合うフランジ同士がボルト等の取付手段によって結合さ
れている。
【0023】第1連結部81及び第2連結部94の間に
は、第1及び第2の収容室8a,8cへ外気(湿気)が
侵入するのを防いで後記する収容領域を気密に封止する
環状の封止部材20が設けられている。
【0024】この封止部材20はゴム等の封止環からな
り、この封止部材20が第1連結部81に外嵌、又は、
第2連結部94に内嵌されている。尚、封止部材20は
ゴム、合成樹脂等の弾性材が第1連結部81又は第2連
結部94にコーティングされた層であってもよい。
【0025】歯車機構Aは、ウォーム6及びウォームホ
イール7の噛合により前記モータ5の回転を減速して前
記回転軸3に伝達し、該回転軸3からユニバーサルジョ
イント(図示せず)を経て例えばラックピニオン式の舵
取機構(図示せず)へ伝達するようにしている。尚、回
転軸3及びユニバーサルジョイントが、ウォームホイー
ル7の回転力を舵取機構に伝達する伝達手段を構成して
いる。
【0026】ウォームホイール7は、前記ウォーム6に
噛合する複数の歯を有する合成樹脂製の環状の歯部7a
と、該歯部7aの内側に嵌合された金属製の芯部材7b
とを備え、該芯部材7bの中心部に穿設された貫通孔が
前記回転軸3の第1の嵌合部3aに嵌合固定されてい
る。なお、歯部7aは例えばポリアミド樹脂が用いられ
る。
【0027】このウォームホイール7と、第1及び第2
の転がり軸受11,12とが嵌合固定された回転軸3は
前記第1のハウジング8の第1収容室8aに挿入され、
第1の転がり軸受11の外輪が第5の支持孔93に挿嵌
され、第2の転がり軸受12の外輪が第1の支持孔82
に挿嵌され、第1及び第2の転がり軸受11,12の間
の空間をウォームホイール7の収容領域としてある。
【0028】第1及び第2の転がり軸受11,12は、
前記収容領域を密封状態とし、該収容領域を気密に封止
する環状の封止部材21,22を有する。封止部材2
1,22は複数の転動体11c,12cを介して遊嵌さ
れた内輪11a,12a及び外輪11b,12bの軸長
方向端縁と前記転動体11c,12cとの間の空所に設
けられている。また、封止部材21,22は外周部が外
輪11b,12bの端部内周面に嵌合固定されており、
内周部が内輪11a,12aの端部外周面に凹設された
環状溝に遊嵌合され、ラビリンスシールにしてある。
【0029】ウォーム6は、両側面に軸部6a,6bを
有する金属製であり、前記回転軸3の軸芯と交叉するよ
うに配置されている。モータ5の出力軸5aに連結され
る軸部6aには第3の転がり軸受13の内輪が圧入され
ており、反モータ側の軸部1bには第4の転がり軸受1
4の内輪が圧入されている。
【0030】第3の転がり軸受13は第2収容室8cへ
湿気が侵入するのを防ぎ、前記収容空間を封止する環状
の封止部材23を有する。封止部材23は複数の転動体
13cを介して遊嵌された内輪13a及び外輪13bの
軸長方向端縁と前記転動体13cとの間の空所11dに
設けられている。また、封止部材23は外周部が外輪1
3bの端部内周面に嵌合固定されており、内周部が内輪
13aの端部外周面に凹設された環状溝に遊嵌合され、
ラビリンスシールにしてある。また、第4の転がり軸受
14は第2収容室8cの軸部6b側が閉鎖されているた
め、封止部材は設けられていない。
【0031】尚、封止部材21,22,23はその内周
部又は外周部が非接触となるラビリンスシールとする
他、内周部又は外周部が接触する接触シールとしてもよ
い。
【0032】以上のように構成された電動式パワーステ
アリング装置は、外部の空気が操舵軸1と第3のハウジ
ング10との間の隙間等から第3のハウジング10内へ
侵入し、該侵入空気が第2のハウジング9のニードル軸
受19部の隙間を経て第2のハウジング9内へ侵入する
ことになり、また、前記蓋体18と前記第2のハウジン
グ9との間の隙間から第2のハウジング9内へ外部の空
気が侵入することになり、さらに、第1連結部81と第
2連結部94との間の隙間から第1のハウジング8内へ
外部の空気が侵入しようとするが、第2のハウジング9
内と第1収容室8aとの間は封止部材21を有する第1
の転がり軸受11によって気密に封止されているため、
第2のハウジング9内の侵入空気に含まれている湿気が
第1収容室8a(収容領域)へ侵入するのを防止するこ
とができる。
【0033】また、第1及び第2のハウジング8,9の
連結部は、第1連結部81及び第2連結部94の間に介
在された封止部材20によって気密に封止されているた
め、外部の空気が第2収容室8c及び第1収容室(収容
領域)8aへ侵入するのを防ぐことができる。さらに、
回転軸3が貫通する第1のハウジング8の下端の開放部
8eは封止部材22を有する第2の転がり軸受12によ
って気密に封止されているため、外部の空気に含まれて
いる湿気が第1収容室8aへ侵入するのを防ぐことがで
きる。
【0034】また、ウォーム6の軸部6aをモータ5の
出力軸5aに連結するために開放された開放部8fは封
止部材23を有する第3の転がり軸受13によって気密
に封止されているため、モータ5の拡径部8gへの取付
箇所等から侵入した外部の空気に含まれている湿気が第
2収容室8cへ侵入するのを防ぐことができる。
【0035】このように回転軸3を第1のハウジング8
の内側に支持する転がり軸受11,12に設けられた封
止部材21,22が、ウォームホイール7の収容領域を
気密に封止し、さらに、第1及び第2のハウジング8,
9の連結部に設けられた封止部材20が前記収容領域を
気密に封止するため、合成樹脂からなる歯部7aの湿気
による膨潤を抑制することができる。従って、適正なバ
ックラッシュ量を維持でき、噛合い詰まりの発生をなく
することができる。また、ウォーム6を第1のハウジン
グ8の内側に支持する転がり軸受13に設けられた封止
部材23が、ウォームホイール7の収容領域を気密に封
止するため、前記歯部7aの湿気による膨潤をより一層
抑制することができる。
【0036】実施の形態2 図4は電動式パワーステアリング装置の実施の形態2の
要部の拡大断面図である。この実施の形態2の電動式パ
ワーステアリング装置は、前記第1の転がり軸受11に
封止部材21を設ける代わりに、第1の転がり軸受11
の一側に封止部材24を設け、回転軸3の上端側を支持
する第1の転がり軸受として前記封止部材21を有しな
い軸受を用いたものである。
【0037】封止部材24は前記第2の嵌合部3bと第
5の支持孔93とに接触して湿気の流通を防ぎ、前記収
容領域を気密に封止するものであり、外周縁に環状鍔を
有する金属板24aと、該金属板24aに加硫接着さ
れ、内周縁部にリップを有する合成ゴム等の弾性板24
bとを備えている。また、第2のハウジング9には第5
の支持孔93の一端からラジアル方向へ突設された環状
の凸部95が設けられている。
【0038】実施の形態2においては、封止部材24の
環状鍔を第5の支持孔93に嵌合接触させ、内周縁を第
2の嵌合部3bに接触させるとともに、リップを第1の
転がり軸受11の内輪に接触させ、第5の支持孔93に
嵌合した第1の転がり軸受11の外輪と前記凸部95と
の間で封止部材24の外周側部分を挾着してある。
【0039】実施の形態2にあっては、第1の転がり軸
受11の嵌合部を利用してウォームホイール7の収容領
域を気密に封止することができ、しかも、第1の転がり
軸受11の第5の支持孔93への嵌合によって封止部材
24を簡易に取付けることができる。
【0040】尚、実施の形態2において、封止部材24
は接触してシールする接触シール構造とする他、非接触
でシールするラビリンスシール構造としてもよい。
【0041】その他の構成及び作用は実施の形態1と同
じであるため、同様の部品については同じ符号を付し、
その詳細な説明及び作用効果を省略する。
【0042】実施の形態3 この実施の形態3の電動式パワーステアリング装置は、
図1、図3に示すように実施の形態1における第1の転
がり軸受11の外輪11bと第5の支持孔93との間に
ゴム等の可撓性を有する封止環25を設けたものであ
る。
【0043】第1の転がり軸受11の内輪11aが第1
の嵌合部3aに圧入された場合、第1の転がり軸受11
の外輪11bは第5の支持孔93に非圧入で嵌合され、
第1の転がり軸受11の外輪11bと第5の支持孔93
との間に隙間が生じ易くなるが、実施の形態3では、第
1の転がり軸受11の外輪11bと第5の支持孔93と
の間の隙間を比較的大きくしてあり、この隙間を環状で
撓み性を有する封止部材25で封止することにより、隙
間から前記収容領域への湿気侵入を防ぐようにしてあ
る。
【0044】実施の形態3において、第5の支持孔93
には環状溝96が設けられており、該環状溝96に前記
封止部材25が保持されている。この封止部材25は第
1の転がり軸受11が第5の支持孔93に嵌合されたと
きに撓み、第1の転がり軸受11の外輪11bと第5の
支持孔93との間の隙間を封止するようにしてある。
【0045】実施の形態3にあっては、第1の転がり軸
受11の外輪11bと第5の嵌合孔93との間の隙間か
ら前記収容領域への湿気侵入を封止部材25によって防
ぎ、収容領域を気密に封止することができるため、湿気
による歯部7aの膨潤をより一層抑制することができ
る。
【0046】また、経時により前記収容領域へ湿気が侵
入し、ウォームホイール7の歯部7aが膨潤した場合、
この膨潤によるラジアル方向への力が歯部7aとウォー
ム6との噛合部に加わり、この噛合部に加わる力の反力
によって回転軸3及び封止部材25が前記噛合部と反対
方向へ撓み、ウォーム6及びウォームホイール7の回転
中心間距離が長くなるようにウォームホイール7をラジ
アル方向へ偏倚させることができ、前記噛合部に加わる
トルクを低減することができ、バックラッシュ量を修正
することができる。尚、回転軸3は第3の嵌合部3cを
中心として第1の嵌合部3a側が例えば0乃至150μ
m撓み、第2の嵌合部3b側が例えば0乃至300μm
撓むことになる。
【0047】また、実施の形態3において、封止部材2
5はばね定数が比較的高い例えばアルミニウム合金等の
金属材料からなるものであってもよい。
【0048】その他の構成及び作用は実施の形態1と同
じであるため、同様の部品については同じ符号を付し、
その詳細な説明及び作用効果を省略する。
【0049】実施の形態4 この実施の形態4の電動式パワーステアリング装置は、
前記ウォームホイール7における合成樹脂製の歯部7a
の全面に歯車用グリース等の粘性潤滑材を塗布し、さら
に、歯部7aを覆いシート(図示せず)で覆ったもので
ある。また、ウォーム6及びウォームホイール7の噛合
部からウォーム6の周りにも前記粘性潤滑材が塗布され
ている。
【0050】実施の形態4において、覆いシートは、歯
部7aの両側面から歯先面及びウォーム6の軸長方向中
央部分に亘って覆うように成形された合成樹脂シートか
らなる。この覆いシートは前記第1のハウジング8の内
側に嵌合保持されるか、又は、小ねじ等によって第1の
ハウジング8に取付けられる。
【0051】実施の形態4にあっては、歯部7aの全面
が粘性潤滑材で覆われているため、歯部7aの湿気によ
る膨潤を防ぐことができ、しかも、歯部7aに塗布され
た粘性潤滑材の飛び散りを覆いシートによって抑制する
ことができ、粘性潤滑材による湿潤防止効果を長期間に
亘って維持することが可能である。
【0052】その他の構成及び作用は実施の形態1と同
じであるため、同様の部品については同じ符号を付し、
その詳細な説明及び作用効果を省略する。
【0053】尚、以上説明した実施の形態の歯車機構A
は電動式パワーステアリング装置以外の装置に使用され
てもよい。この場合、ウォーム6及びウォームホイール
7が収容されるハウジングの開放部(例えば図1の8
d)には前記第2のハウジング9に代えて例えば略円板
形の蓋部材を取付け、該蓋部材と前記ハウジングとの間
に封止部材(例えば図1の20)を設け、蓋部材とハウ
ジングとの間の隙間からハウジング内への湿気侵入を防
止し、前記収容領域を気密に封止する。
【0054】また、以上説明した実施の形態の歯車機構
Aは、ウォーム6である小歯車及びウォームホイール7
である大歯車を備えたウォーム歯車である他、ハイポイ
ドピニオンである小歯車及びハイポイドホイールである
大歯車を備えたハイポイド歯車であってもよい。さら
に、歯車機構Aはベベルギヤであってもよい。
【0055】
【発明の効果】第1発明、第4発明によれば、回転軸周
りから大歯車の収容領域への湿気侵入を防ぎ、前記収容
領域を気密に封止することができ、さらに、ハウジング
と蓋部材との間から前記収容領域への湿気侵入を防ぎ、
前記収容領域を気密に封止することができるため、合成
樹脂からなる歯部の湿気による膨潤を抑制することがで
きる。
【0056】第2発明によれば、ウォームの周りから前
記収容領域への湿気侵入を防ぎ、前記収容領域を気密に
封止することができるため、前記歯部の湿気による膨潤
をより一層抑制することができる。
【0057】第3発明によれば、部品点数を増加したり
することなく、合成樹脂からなる歯部の湿気による膨潤
を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
断面図である。
【図2】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
歯車機構部分の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
要部の拡大断面図である。
【図4】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
実施の形態2の要部の拡大断面図である。
【図5】従来の電動式パワーステアリング装置の断面図
である。
【符号の説明】
3 回転軸 6 ウォーム(小歯車) 7 ウォームホイール(大歯車) 7a 歯部 5 モータ 8 第1ハウジング(ハウジング) 8d,8e,8f 開放部 11,12 転がり軸受(軸受) 11a,12a 内輪 11b,12b 外輪 11c,12c 転動体 20,21,22 封止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 加寿也 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 大川 憲毅 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 久世 真史 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3D033 CA04 CA22 3J009 DA02 DA20 EA06 EA19 EA23 EA32 EB24 EB30 FA08 3J063 AA02 AB03 AC01 BA09 BB02 BB03 CB01 CD02 CD09 CD41 CD46 XB07 XC01 XC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に支持され少なくとも歯部が合成
    樹脂からなる大歯車と、該大歯車に噛合する小歯車と、
    前記大歯車及び小歯車が収容され前記回転軸の軸長方向
    に開放された開放部を有するハウジングと、該ハウジン
    グの開放部を閉じる蓋部材と、前記大歯車の両側に配置
    され前記回転軸を前記ハウジング及び蓋部材で支持する
    2つの軸受とを備えた歯車機構において、前記軸受又は
    軸受の近傍、及び前記ハウジングと蓋部材との間の夫々
    は前記大歯車の収容領域を気密に封止する封止部材を有
    していることを特徴とする歯車機構。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングは前記小歯車の軸長方向
    に開放された開放部を有しており、該開放部に前記小歯
    車を支持する軸受を有しており、該軸受又は軸受の近傍
    は前記収容領域を気密に封止する封止部材を有している
    請求項1記載の歯車機構。
  3. 【請求項3】 前記軸受は複数の転動体を介して遊嵌さ
    れた内輪及び外輪間に前記封止部材を有する転がり軸受
    である請求項1又は2記載の歯車機構。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載された歯
    車機構と、前記小歯車に連結された操舵補助用のモータ
    と、該モータの回転に伴う前記大歯車の回転力を舵取機
    構に伝達する伝達手段とを備えていることを特徴とする
    電動式パワーステアリング装置。
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