JP2003155478A - 蛍光シリカゲルおよびその製造方法 - Google Patents
蛍光シリカゲルおよびその製造方法Info
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- JP2003155478A JP2003155478A JP2001355897A JP2001355897A JP2003155478A JP 2003155478 A JP2003155478 A JP 2003155478A JP 2001355897 A JP2001355897 A JP 2001355897A JP 2001355897 A JP2001355897 A JP 2001355897A JP 2003155478 A JP2003155478 A JP 2003155478A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 波長が長い励起波でも白色蛍光を発し、且
つ有毒物質を用いない、実用性、加工特性に優れた蛍光
体、及びより簡便で、高価な添加物等を用いない、生産
性の良い蛍光シリカゲルの製造方法を提供する。 【解決する手段】 下記物性を有する蛍光シリカゲル。 a)比表面積が100m2/g以下。 b)炭素含有量が0.05〜0.5重量%。 c)波長250〜450nmの電磁波照射により蛍光を
発する。 d)照射する電磁波波長を250〜450nmの間で変
化させた際、少なくとも一つの蛍光波長における蛍光の
強度変化率が50%以下である。
つ有毒物質を用いない、実用性、加工特性に優れた蛍光
体、及びより簡便で、高価な添加物等を用いない、生産
性の良い蛍光シリカゲルの製造方法を提供する。 【解決する手段】 下記物性を有する蛍光シリカゲル。 a)比表面積が100m2/g以下。 b)炭素含有量が0.05〜0.5重量%。 c)波長250〜450nmの電磁波照射により蛍光を
発する。 d)照射する電磁波波長を250〜450nmの間で変
化させた際、少なくとも一つの蛍光波長における蛍光の
強度変化率が50%以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定波長の紫外線を
照射することで蛍光を発する新規なシリカゲル、および
蛍光を発するシリカゲルの製造方法に関する。詳しく
は、各種ディスプレイやその他電子機器等の照明に用い
られる、安定で高度に白色蛍光を発する蛍光シリカゲ
ル、および生産性の良い蛍光シリカゲルの製造方法に関
する。
照射することで蛍光を発する新規なシリカゲル、および
蛍光を発するシリカゲルの製造方法に関する。詳しく
は、各種ディスプレイやその他電子機器等の照明に用い
られる、安定で高度に白色蛍光を発する蛍光シリカゲ
ル、および生産性の良い蛍光シリカゲルの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】蛍光灯は、情報表示装置(ディスプレ
イ)等のバックライトや室内照明用に多用されており、
その形状は蛍光体を封入した管状をとるのが一般的であ
る。このような蛍光灯に用いられる蛍光体としては、金
属酸化物等の様に一つの特定波長の蛍光を発するものを
複数種組み合わせて用い、白色光に近い光を得ている。
イ)等のバックライトや室内照明用に多用されており、
その形状は蛍光体を封入した管状をとるのが一般的であ
る。このような蛍光灯に用いられる蛍光体としては、金
属酸化物等の様に一つの特定波長の蛍光を発するものを
複数種組み合わせて用い、白色光に近い光を得ている。
【0003】一方、蛍光体を励起させ蛍光を発生させる
ため電磁波(励起波)として、一般的に短波長の紫外線
が使われている。またこの励起波発生の仕組みは、蛍光
体を含む管内で水銀蒸気プラズマを放電させることによ
っている。但しこの様な従来の無機蛍光体は良好な蛍光
特性を有しているものの、加工性が低く、例えば光通信
に用いられるファイバーケーブル等への成型や複雑な形
状をもつ基板への均一な層として設けることは困難であ
った。
ため電磁波(励起波)として、一般的に短波長の紫外線
が使われている。またこの励起波発生の仕組みは、蛍光
体を含む管内で水銀蒸気プラズマを放電させることによ
っている。但しこの様な従来の無機蛍光体は良好な蛍光
特性を有しているものの、加工性が低く、例えば光通信
に用いられるファイバーケーブル等への成型や複雑な形
状をもつ基板への均一な層として設けることは困難であ
った。
【0004】また従来からの蛍光体の中には、希土類錯
体の様に空気中の湿度等の影響によって失活し易いもの
があり、蛍光管中から外気を排除するための技術も報告
されている。例えば特開平9−227861号公報には
ゾルゲル法によって固体マトリックス内に導入すること
で、蛍光体と外気とを効果的に遮断し、希土類錯体本来
の良好な蛍光特性に加え、固体マトリックスに起因する
強靱さと成型加工性とを兼ね備えた発光材料を製造する
技術が記載されている。
体の様に空気中の湿度等の影響によって失活し易いもの
があり、蛍光管中から外気を排除するための技術も報告
されている。例えば特開平9−227861号公報には
ゾルゲル法によって固体マトリックス内に導入すること
で、蛍光体と外気とを効果的に遮断し、希土類錯体本来
の良好な蛍光特性に加え、固体マトリックスに起因する
強靱さと成型加工性とを兼ね備えた発光材料を製造する
技術が記載されている。
【0005】但しこのような蛍光体であっても、励起波
波長として紫外線領域の電磁波を使用するのでエネルギ
ー負荷が大きいという問題があった。また従来からの蛍
光灯に用いられる蛍光体の殆どが複雑な組成の蛍光体を
使用しており、且つ環境的に有毒な銀、カドミウム、ゲ
ルマニウム、あるいは希土類元素が一般的に用いられて
いる。
波長として紫外線領域の電磁波を使用するのでエネルギ
ー負荷が大きいという問題があった。また従来からの蛍
光灯に用いられる蛍光体の殆どが複雑な組成の蛍光体を
使用しており、且つ環境的に有毒な銀、カドミウム、ゲ
ルマニウム、あるいは希土類元素が一般的に用いられて
いる。
【0006】この様な実状から、低エネルギーの光源に
よる励起光で発光し、毒性が低く、環境負荷の少ない、
且つ単独で白色蛍光を発する蛍光体が望まれていた。特
に近年では、単独で白色に近い蛍光を発する物質、即ち
蛍光が凡そ400〜700nmの可視光領域に幅広く多
数現れる蛍光体が特に求められており、例えばディスプ
レイのバックライト等などではその要望が強くなってい
る。
よる励起光で発光し、毒性が低く、環境負荷の少ない、
且つ単独で白色蛍光を発する蛍光体が望まれていた。特
に近年では、単独で白色に近い蛍光を発する物質、即ち
蛍光が凡そ400〜700nmの可視光領域に幅広く多
数現れる蛍光体が特に求められており、例えばディスプ
レイのバックライト等などではその要望が強くなってい
る。
【0007】これを解決すべく、例えば比較的長波長の
励起光365nmで蛍光を発するシリカ粒子がscie
nce,vol.276,P1826(1997)に報
告されている。そのシリカゲルは、テトラアルコキシシ
ランと様々な有機カルボン酸からゾルゲル反応によって
合成され、この方法によれば蛍光強度が増大し、実質的
な蛍光体として機能すること等が記述されている。
励起光365nmで蛍光を発するシリカ粒子がscie
nce,vol.276,P1826(1997)に報
告されている。そのシリカゲルは、テトラアルコキシシ
ランと様々な有機カルボン酸からゾルゲル反応によって
合成され、この方法によれば蛍光強度が増大し、実質的
な蛍光体として機能すること等が記述されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者がこの様な蛍光シリカゲルの製造を検討したところ、
臭気が強い、高価なカルボン酸類を合成時に多量に用い
る必要があり、実用的な製造方法とはなり得なかった。
またシリカゲルを得る乾燥工程でこのカルボン酸類が発
生するので、カルボン酸が装置腐食性を有するために、
工業レベルでの製造には適していないことが判明した。
この為単独で、そして波長が長い励起波でも白色蛍光を
発し、且つ湿度等の影響を受けにくい実用性、有毒物質
を用いず、また臭気問題等を抑えた低環境負荷性、更に
は基材等への塗布性(塗膜形成性)の加工性が良好で、
得られた成形体が高強靱性を有する蛍光体が望まれてい
た。
者がこの様な蛍光シリカゲルの製造を検討したところ、
臭気が強い、高価なカルボン酸類を合成時に多量に用い
る必要があり、実用的な製造方法とはなり得なかった。
またシリカゲルを得る乾燥工程でこのカルボン酸類が発
生するので、カルボン酸が装置腐食性を有するために、
工業レベルでの製造には適していないことが判明した。
この為単独で、そして波長が長い励起波でも白色蛍光を
発し、且つ湿度等の影響を受けにくい実用性、有毒物質
を用いず、また臭気問題等を抑えた低環境負荷性、更に
は基材等への塗布性(塗膜形成性)の加工性が良好で、
得られた成形体が高強靱性を有する蛍光体が望まれてい
た。
【0009】尚、先述の文献には、アルコキシシランの
みを加水分解縮合して得たシリカゲルが蛍光を発する
が、その強度が極めて弱く、蛍光体を合成する方法とし
て適さないとの記載が紹介されている。その為、より簡
便で、高価な添加物等を用いない、生産性の良い蛍光シ
リカゲルの製造方法も望まれていた。
みを加水分解縮合して得たシリカゲルが蛍光を発する
が、その強度が極めて弱く、蛍光体を合成する方法とし
て適さないとの記載が紹介されている。その為、より簡
便で、高価な添加物等を用いない、生産性の良い蛍光シ
リカゲルの製造方法も望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】この様な実状を鑑みて本
発明者らが鋭意検討した結果、炭素を含有するシリカゲ
ルにおいて、このシリカゲルの比表面積を特定以下と
し、且つ炭素含有量を特定範囲内とすることで、有機カ
ルボン酸等の添加物を用いずとも、従来の様な、添加物
を用いない蛍光シリカゲルに比べて優れた白色蛍光を発
し、且つ高純度で臭気等の問題のない蛍光シリカゲルと
なることを見出した。
発明者らが鋭意検討した結果、炭素を含有するシリカゲ
ルにおいて、このシリカゲルの比表面積を特定以下と
し、且つ炭素含有量を特定範囲内とすることで、有機カ
ルボン酸等の添加物を用いずとも、従来の様な、添加物
を用いない蛍光シリカゲルに比べて優れた白色蛍光を発
し、且つ高純度で臭気等の問題のない蛍光シリカゲルと
なることを見出した。
【0011】またこの蛍光シリカゲルは、照射する励起
波の波長を250〜450nmの間で変化させた際に、
任意の一つの蛍光波長における蛍光の強度変化率が40
%以下であり、励起波波長が可視光近傍であっても、充
分な蛍光強度を有することをも見出した。そしてこの様
な蛍光シリカゲルは、意外にも、特定の水/テトラアル
コキシシラン重量比、及び特定温度条件下で得られたテ
トラアルコキシシラン加水分解縮合物を、加水分解縮合
温度以下で熟成させ、次いで低温で乾燥させるという、
容易な方法によって製造出来ることをも見出し、本発明
を完成させた。
波の波長を250〜450nmの間で変化させた際に、
任意の一つの蛍光波長における蛍光の強度変化率が40
%以下であり、励起波波長が可視光近傍であっても、充
分な蛍光強度を有することをも見出した。そしてこの様
な蛍光シリカゲルは、意外にも、特定の水/テトラアル
コキシシラン重量比、及び特定温度条件下で得られたテ
トラアルコキシシラン加水分解縮合物を、加水分解縮合
温度以下で熟成させ、次いで低温で乾燥させるという、
容易な方法によって製造出来ることをも見出し、本発明
を完成させた。
【0012】つまり本発明の要旨は、下記物性(a)〜
(d)を有する蛍光シリカゲルに存する。 a)比表面積が100m2/g以下。 b)炭素含有量が0.05〜0.5重量%。 c)波長250〜450nmの電磁波照射により蛍光を
発する。 d)照射する電磁波波長を250〜450nmの間で変
化させた際、少なくとも一つの蛍光波長における蛍光の
強度変化率が50%以下である。
(d)を有する蛍光シリカゲルに存する。 a)比表面積が100m2/g以下。 b)炭素含有量が0.05〜0.5重量%。 c)波長250〜450nmの電磁波照射により蛍光を
発する。 d)照射する電磁波波長を250〜450nmの間で変
化させた際、少なくとも一つの蛍光波長における蛍光の
強度変化率が50%以下である。
【0013】また本発明の今ひとつの要旨は、 水/テ
トラアルコキシシランのモル比が4以下で且つ、40℃
以下の条件下でテトラアルコキシシランを加水分解縮合
し、次いでテトラアルコキシシラン加水分解縮合物を加
水分解縮合する工程温度以下、好ましくは25℃以下で
熟成させた後、650℃以下の条件下で乾燥させる、蛍
光シリカゲルの製造方法に存する。
トラアルコキシシランのモル比が4以下で且つ、40℃
以下の条件下でテトラアルコキシシランを加水分解縮合
し、次いでテトラアルコキシシラン加水分解縮合物を加
水分解縮合する工程温度以下、好ましくは25℃以下で
熟成させた後、650℃以下の条件下で乾燥させる、蛍
光シリカゲルの製造方法に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の蛍光シリカゲルについて説明する。本発
明の蛍光シリカゲルは比表面積が100m2/g以下で
あり、中でも75m2/g以下、更には50m2/g以
下、特に30m2/g以下であることが好ましい。比表
面積は小さいほど、より強く蛍光を発生するので好まし
いが、生産性や製造条件等から通常は5〜100m2/
gの範囲であればよい。比表面積が大きすぎると、蛍光
強度が不十分となる場合がある。
まず、本発明の蛍光シリカゲルについて説明する。本発
明の蛍光シリカゲルは比表面積が100m2/g以下で
あり、中でも75m2/g以下、更には50m2/g以
下、特に30m2/g以下であることが好ましい。比表
面積は小さいほど、より強く蛍光を発生するので好まし
いが、生産性や製造条件等から通常は5〜100m2/
gの範囲であればよい。比表面積が大きすぎると、蛍光
強度が不十分となる場合がある。
【0015】本発明の蛍光シリカゲルにおける炭素含有
量は、0.05〜0.5重量%である。中でも0.07
〜0.3重量%、特に0.1〜0.3重量%であること
が好ましい。炭素含有量が多すぎても、また少なすぎて
も蛍光強度が不十分となる場合がある。また本発明のシ
リカゲル粒子からなるシリカゲル粉においては、800
℃・15分の条件下での加熱後、シリカゲル粉全重量の
30重量%以上、中でも40重量%以上、特に50重量
%以上の粒子が、茶色乃至は黒色に変色することが好ま
しい。これは含有されている炭素によるものと考えら
れ、着色粒子が多いことは蛍光を発する構造が比例して
多いことと関係する。少なすぎると蛍光強度が不十分と
なる場合がある。
量は、0.05〜0.5重量%である。中でも0.07
〜0.3重量%、特に0.1〜0.3重量%であること
が好ましい。炭素含有量が多すぎても、また少なすぎて
も蛍光強度が不十分となる場合がある。また本発明のシ
リカゲル粒子からなるシリカゲル粉においては、800
℃・15分の条件下での加熱後、シリカゲル粉全重量の
30重量%以上、中でも40重量%以上、特に50重量
%以上の粒子が、茶色乃至は黒色に変色することが好ま
しい。これは含有されている炭素によるものと考えら
れ、着色粒子が多いことは蛍光を発する構造が比例して
多いことと関係する。少なすぎると蛍光強度が不十分と
なる場合がある。
【0016】本発明の蛍光シリカゲルは、励起波として
波長250〜450nmの電磁波を照射することによ
り、蛍光を発する。励起波波長スペクトルは250〜4
50nmの範囲内であれば単一波長でも複数の波長成分
からなるものでもよい。発する蛍光は白色、薄黄色、薄
桃色等、比表面積や炭素含有量及び後述する製造方法を
任意に選択することで調整できる。中でも本発明の蛍光
シリカゲルは、波長領域400〜700nmの60%以
上の領域において蛍光スペクトルを有するので、充分な
強度の白色蛍光を発するので好ましい。60%以上の波
長領域で蛍光を発生する状態とは、全波長にわたって発
光しても良いし、よりエネルギー効率が高いといわれ
る、赤、青、緑の3色に対応する波長の光が重点的に発
光する状態も好ましい。
波長250〜450nmの電磁波を照射することによ
り、蛍光を発する。励起波波長スペクトルは250〜4
50nmの範囲内であれば単一波長でも複数の波長成分
からなるものでもよい。発する蛍光は白色、薄黄色、薄
桃色等、比表面積や炭素含有量及び後述する製造方法を
任意に選択することで調整できる。中でも本発明の蛍光
シリカゲルは、波長領域400〜700nmの60%以
上の領域において蛍光スペクトルを有するので、充分な
強度の白色蛍光を発するので好ましい。60%以上の波
長領域で蛍光を発生する状態とは、全波長にわたって発
光しても良いし、よりエネルギー効率が高いといわれ
る、赤、青、緑の3色に対応する波長の光が重点的に発
光する状態も好ましい。
【0017】また本発明の蛍光シリカゲルは、励起波波
長を250〜450nmの間で変化させた際、少なくと
も一つの蛍光波長、中でも540nmの蛍光の強度変化
率が50%以下、特に40%以下となることが好まし
い。この変化率を40%以下とすることで、400nm
近傍の可視光領域の励起波でも充分な強度の蛍光を発す
ることが可能となる。
長を250〜450nmの間で変化させた際、少なくと
も一つの蛍光波長、中でも540nmの蛍光の強度変化
率が50%以下、特に40%以下となることが好まし
い。この変化率を40%以下とすることで、400nm
近傍の可視光領域の励起波でも充分な強度の蛍光を発す
ることが可能となる。
【0018】本発明の蛍光シリカゲルから蛍光を発生さ
せる為の光源は任意である。例えば極大波長365nm
の紫外線発光ランプ(ブラックライト)や、GaN系等
の紫外線発光ダイオードや紫外線発光レーザー、又は可
視光、好ましくは400nm近傍の光を発する光源等
が、励起光光源として挙げられる。また発せられた蛍光
の発色状態は種々の方法で観察することができる。例え
ば目視で色合いを観察する方法や、蛍光分光光度計に蛍
光スペクトルを得る方法などがある。
せる為の光源は任意である。例えば極大波長365nm
の紫外線発光ランプ(ブラックライト)や、GaN系等
の紫外線発光ダイオードや紫外線発光レーザー、又は可
視光、好ましくは400nm近傍の光を発する光源等
が、励起光光源として挙げられる。また発せられた蛍光
の発色状態は種々の方法で観察することができる。例え
ば目視で色合いを観察する方法や、蛍光分光光度計に蛍
光スペクトルを得る方法などがある。
【0019】本発明の蛍光シリカゲルの製造方法は任意
であるが、以下に述べる製造方法が、簡便且つ生産性が
よいので好ましい。次に本発明の蛍光シリカゲルの製造
方法について述べる。本発明の蛍光シリカゲルの製造方
法では、加水分解縮合させるテトラアルコキシシランの
モル数に対する、使用する水のモル数の比(水/テトラ
アルコキシシランのモル比)を4以下とし、且つ40℃
以下の条件下でテトラアルコキシシランの加水分解縮合
を行う。
であるが、以下に述べる製造方法が、簡便且つ生産性が
よいので好ましい。次に本発明の蛍光シリカゲルの製造
方法について述べる。本発明の蛍光シリカゲルの製造方
法では、加水分解縮合させるテトラアルコキシシランの
モル数に対する、使用する水のモル数の比(水/テトラ
アルコキシシランのモル比)を4以下とし、且つ40℃
以下の条件下でテトラアルコキシシランの加水分解縮合
を行う。
【0020】加水分解縮合に用いられるアルコキシシラ
ン(シリコンアルコキシド)としては、任意のアルコキシ
シランを用いることが出来る。例えばトリメトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブ
トキシシランなど、炭素数1〜4のアルコキシ基を有す
る、トリ若しくはテトラアルコキシシラン及び/又はそ
のオリゴマーが挙げられる。中でもテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン及び/又はそのオリゴマーを
用いるのが好ましい。シリコンアルコキシドは蒸留によ
り容易に精製し得るので、高純度のシリカゲルの原料と
して好適である。得られるシリカゲルの金属不純物は、
蛍光特性を増幅するもの以外は性能に影響するため、少
ないことが好ましく、中でも全金属不純物濃度が500
ppm以下であることが好ましい。
ン(シリコンアルコキシド)としては、任意のアルコキシ
シランを用いることが出来る。例えばトリメトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブ
トキシシランなど、炭素数1〜4のアルコキシ基を有す
る、トリ若しくはテトラアルコキシシラン及び/又はそ
のオリゴマーが挙げられる。中でもテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン及び/又はそのオリゴマーを
用いるのが好ましい。シリコンアルコキシドは蒸留によ
り容易に精製し得るので、高純度のシリカゲルの原料と
して好適である。得られるシリカゲルの金属不純物は、
蛍光特性を増幅するもの以外は性能に影響するため、少
ないことが好ましく、中でも全金属不純物濃度が500
ppm以下であることが好ましい。
【0021】シリコンアルコキシドの加水分解縮合は、
水/テトラアルコキシシランのモル比を4以下、好まし
くは3.8以下とする。この比は4以下であれば任意の
比率を適宜選択すればよいが、通常、下限は2である。
シリコンアルコキシドと水との混合は、水にシリコンア
ルコキシドを加えても、又その逆でもよいが、水にシリ
コンアルコキシドを混合する方が、得られる蛍光シリカ
ゲルの比表面積を低下させやすいので好ましい。シリコ
ンアルコキシドを水に混合する速度は適宜選択すればよ
いが、比較的緩やかに混合させることで、得られる蛍光
シリカゲルの比表面積を低下させやすいので好ましい。
水/テトラアルコキシシランのモル比を4以下、好まし
くは3.8以下とする。この比は4以下であれば任意の
比率を適宜選択すればよいが、通常、下限は2である。
シリコンアルコキシドと水との混合は、水にシリコンア
ルコキシドを加えても、又その逆でもよいが、水にシリ
コンアルコキシドを混合する方が、得られる蛍光シリカ
ゲルの比表面積を低下させやすいので好ましい。シリコ
ンアルコキシドを水に混合する速度は適宜選択すればよ
いが、比較的緩やかに混合させることで、得られる蛍光
シリカゲルの比表面積を低下させやすいので好ましい。
【0022】シリコンアルコキシドの加水分解縮合反応
は40℃以下であればよく、中でも35℃以下、更には
25℃以下、特に20℃以下で行うことが好ましい。反
応温度が高すぎると、比表面積が大きくなり蛍光特性が
悪化すると言う場合がある。また低すぎても反応速度が
遅くなる場合があるので、通常は0〜40℃の範囲であ
ればよい。
は40℃以下であればよく、中でも35℃以下、更には
25℃以下、特に20℃以下で行うことが好ましい。反
応温度が高すぎると、比表面積が大きくなり蛍光特性が
悪化すると言う場合がある。また低すぎても反応速度が
遅くなる場合があるので、通常は0〜40℃の範囲であ
ればよい。
【0023】なおシリコンアルコキシドの加水分解縮合
反応には、触媒として酸又はアルカリを添加すると加水
分解が促進されるので、本発明の効果を妨げない範囲で
使用してもよいし、使用しなくてもよい。中でも、触媒
を用いずにシリコンアルコキシドの加水分解縮合を行う
と、得られる蛍光シリカゲルの均一性が良好となるので
好ましい。触媒を用いずに加水分解縮合反応を行う際に
は、シリコンアルコキシドとしてテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン又はそのオリゴマーを用いる
のが好ましく、中でもテトラメトキシシラン及び/又は
そのオリゴマーを用いるのが好ましい。加水分解縮合反
応後、得られた反応物はは、液体または固体であるが、
通常は液体である。
反応には、触媒として酸又はアルカリを添加すると加水
分解が促進されるので、本発明の効果を妨げない範囲で
使用してもよいし、使用しなくてもよい。中でも、触媒
を用いずにシリコンアルコキシドの加水分解縮合を行う
と、得られる蛍光シリカゲルの均一性が良好となるので
好ましい。触媒を用いずに加水分解縮合反応を行う際に
は、シリコンアルコキシドとしてテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン又はそのオリゴマーを用いる
のが好ましく、中でもテトラメトキシシラン及び/又は
そのオリゴマーを用いるのが好ましい。加水分解縮合反
応後、得られた反応物はは、液体または固体であるが、
通常は液体である。
【0024】本発明の蛍光シリカゲルの製造方法におい
ては、加水分解縮合反応を経て得られた反応物を、加水
分解縮合反応の温度以下で熟成させる。 熟成温度は加
水分解縮合反応の温度以下であれば任意であるが、加水
分解縮合反応の温度が高い場合には、熟成温度を低く、
中でも25℃以下、更には15℃以下、特に10℃以下
とするのが好ましい。加水分解縮合反応の温度が、例え
ば30℃程度の比較的高い温度の際には、熟成温度を1
5℃以下にするのが好ましい。
ては、加水分解縮合反応を経て得られた反応物を、加水
分解縮合反応の温度以下で熟成させる。 熟成温度は加
水分解縮合反応の温度以下であれば任意であるが、加水
分解縮合反応の温度が高い場合には、熟成温度を低く、
中でも25℃以下、更には15℃以下、特に10℃以下
とするのが好ましい。加水分解縮合反応の温度が、例え
ば30℃程度の比較的高い温度の際には、熟成温度を1
5℃以下にするのが好ましい。
【0025】熟成時間は適宜選択すればよいが、中でも
1時間以上、更には3時間以上、特に5時間以上熟成さ
せることが好ましい。熟成時間を長く取りすぎると生産
性が低下するので、通常は1〜100時間の範囲内であ
ればよい。熟成後、得られたシリカゲルは、液体または
固体であるが、通常は固体である。通常、熟成が進行す
るにつれて、液体から固体へと変化するので、加水分解
縮合反応物または軽度なその熟成物がまだ液体の状態の
時点で、任意の成形を行ってから、さらに熟成を進行さ
せることができる。この方法によって、例えば、膜状、
薄膜状、任意の形態のインゴット状(例えば板状、棒
状、球状、繊維状など)等の蛍光シリカゲルの成形体を
作ることができる。
1時間以上、更には3時間以上、特に5時間以上熟成さ
せることが好ましい。熟成時間を長く取りすぎると生産
性が低下するので、通常は1〜100時間の範囲内であ
ればよい。熟成後、得られたシリカゲルは、液体または
固体であるが、通常は固体である。通常、熟成が進行す
るにつれて、液体から固体へと変化するので、加水分解
縮合反応物または軽度なその熟成物がまだ液体の状態の
時点で、任意の成形を行ってから、さらに熟成を進行さ
せることができる。この方法によって、例えば、膜状、
薄膜状、任意の形態のインゴット状(例えば板状、棒
状、球状、繊維状など)等の蛍光シリカゲルの成形体を
作ることができる。
【0026】そして熟成後、シリカゲルを650℃以
下、好ましくは600℃以下の条件下で乾燥させること
で、蛍光シリカゲルを得る。乾燥温度が高すぎると蛍光
強度が減少する場合があり、また低すぎても所望の蛍光
特性が得られない場合がある。よって通常、乾燥温度は
100〜650℃の範囲内であればよい。この条件下で
乾燥することによって、加水分解によって発生したア
ルコール類と水をシリカ組成物から除去してシリカゲル
とすること、及び蛍光中心を活性化すること、という
2つの目的を達成する。
下、好ましくは600℃以下の条件下で乾燥させること
で、蛍光シリカゲルを得る。乾燥温度が高すぎると蛍光
強度が減少する場合があり、また低すぎても所望の蛍光
特性が得られない場合がある。よって通常、乾燥温度は
100〜650℃の範囲内であればよい。この条件下で
乾燥することによって、加水分解によって発生したア
ルコール類と水をシリカ組成物から除去してシリカゲル
とすること、及び蛍光中心を活性化すること、という
2つの目的を達成する。
【0027】上述の目的のためには、乾燥温度を30
0℃以下、更には250℃以下、特に200℃以下で行
うことが好ましく、また乾燥は常圧または減圧下で行う
ことが好ましい。また上述の目的のためには、乾燥温
度を300℃を超え650℃以下、中でも350℃〜6
00℃で行うことが好ましく、また乾燥は常圧または減
圧下で行うことが好ましい。更にの目的の為には蛍光
シリカゲルの比表面積を効率的に低下させるため、水蒸
気分圧を高めたガス雰囲気下で乾燥させることもでき
る。また微量のアンモニアガスなどを作用させることも
比表面積を低下させるので好ましい。また、炭素を含む
化合物を含有するガス雰囲気中で熱処理を行うことも、
シリカゲル中の炭素含有量を適正な範囲に保ち、結果的
には優れた蛍光特性を示すために、好ましい。炭素を含
む化合物としては任意のものを使用できる。通常は、二
酸化炭素、一酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、プ
ロピレン、メタノール、エタノール、プロパノール等を
用いることができる。
0℃以下、更には250℃以下、特に200℃以下で行
うことが好ましく、また乾燥は常圧または減圧下で行う
ことが好ましい。また上述の目的のためには、乾燥温
度を300℃を超え650℃以下、中でも350℃〜6
00℃で行うことが好ましく、また乾燥は常圧または減
圧下で行うことが好ましい。更にの目的の為には蛍光
シリカゲルの比表面積を効率的に低下させるため、水蒸
気分圧を高めたガス雰囲気下で乾燥させることもでき
る。また微量のアンモニアガスなどを作用させることも
比表面積を低下させるので好ましい。また、炭素を含む
化合物を含有するガス雰囲気中で熱処理を行うことも、
シリカゲル中の炭素含有量を適正な範囲に保ち、結果的
には優れた蛍光特性を示すために、好ましい。炭素を含
む化合物としては任意のものを使用できる。通常は、二
酸化炭素、一酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、プ
ロピレン、メタノール、エタノール、プロパノール等を
用いることができる。
【0028】との目的を達成するための乾燥手順と
しては、例えば乾燥を二段階に分けて各々別々に行い、
この際、加熱乾燥後に一旦室温まで冷却してから、再度
加熱乾燥を行う方法が挙げられる。この際には、、
の何れの目的の乾燥操作をを先行させてもよい。また冷
却しないで、連続的に行う方法も挙げられる。例えば
の目的のための乾燥に引き続いて温度を上昇させての
目的のための乾燥を連続的に行う手順が挙げられる。本
発明においてはこの様に、とを組み合わせたて連続
的に乾燥を行うことが好ましい。
しては、例えば乾燥を二段階に分けて各々別々に行い、
この際、加熱乾燥後に一旦室温まで冷却してから、再度
加熱乾燥を行う方法が挙げられる。この際には、、
の何れの目的の乾燥操作をを先行させてもよい。また冷
却しないで、連続的に行う方法も挙げられる。例えば
の目的のための乾燥に引き続いて温度を上昇させての
目的のための乾燥を連続的に行う手順が挙げられる。本
発明においてはこの様に、とを組み合わせたて連続
的に乾燥を行うことが好ましい。
【0029】本発明の蛍光シリカゲルが蛍光を発する理
由に関しては、よくわかっていない点が多いが、次のよ
うに考えられる。ガラス状のシリカゲルのネットワーク
に炭素化合物(二酸化炭素のようなものが推定される)
がシリカゲル骨格の珪素原子(Si)を同型置換する形
で閉じこめられ、この構造が紫外線を受けると、この閉
じこめられた炭素化合物の炭素酸素あるいは珪素酸素の
化学結合が切断され図に示すような励起状態になる。こ
の励起状態が元の規定状態の構造に戻る時に蛍光を発す
るものと推定される。すなわち、蛍光中心はシリカゲル
に取り込まれた炭素化合物と考えられる。(図1を参
照)。
由に関しては、よくわかっていない点が多いが、次のよ
うに考えられる。ガラス状のシリカゲルのネットワーク
に炭素化合物(二酸化炭素のようなものが推定される)
がシリカゲル骨格の珪素原子(Si)を同型置換する形
で閉じこめられ、この構造が紫外線を受けると、この閉
じこめられた炭素化合物の炭素酸素あるいは珪素酸素の
化学結合が切断され図に示すような励起状態になる。こ
の励起状態が元の規定状態の構造に戻る時に蛍光を発す
るものと推定される。すなわち、蛍光中心はシリカゲル
に取り込まれた炭素化合物と考えられる。(図1を参
照)。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定さるものではない。 [実施例1]5リットルのジャケット付きガラス反応器
に、5℃に冷却したテトラメトキシシラン1500gの
全量を一気に仕込み、100rpmで攪拌した。続いて
5℃に冷却した純水621gをこれに注ぎ、仕込んだ。
このとき、ジャケットには5℃の冷水を通液した。
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定さるものではない。 [実施例1]5リットルのジャケット付きガラス反応器
に、5℃に冷却したテトラメトキシシラン1500gの
全量を一気に仕込み、100rpmで攪拌した。続いて
5℃に冷却した純水621gをこれに注ぎ、仕込んだ。
このとき、ジャケットには5℃の冷水を通液した。
【0031】攪拌を続けると、反応温度は最高で12℃
まで上昇した。反応液が均一なゾルになったところで攪
拌を停止し、内容物をふた付きのポリエチレン製の容器
に移した。この容器を5℃に保った冷蔵庫に48時間保
存したところ、内容物はゲル化して固まっていた。この
ゲルを容器から取り出し、こぶし大の大きさに粗粉砕し
た後、ナイロンの網を目通して平均粒径が約500μm
の粉末に粉砕した。これを石英製のバットに敷き詰め、
110℃で真空乾燥を行った後、空気を流通させた電気
炉内で400℃で1時間乾燥を行い、シリカゲルを得
た。
まで上昇した。反応液が均一なゾルになったところで攪
拌を停止し、内容物をふた付きのポリエチレン製の容器
に移した。この容器を5℃に保った冷蔵庫に48時間保
存したところ、内容物はゲル化して固まっていた。この
ゲルを容器から取り出し、こぶし大の大きさに粗粉砕し
た後、ナイロンの網を目通して平均粒径が約500μm
の粉末に粉砕した。これを石英製のバットに敷き詰め、
110℃で真空乾燥を行った後、空気を流通させた電気
炉内で400℃で1時間乾燥を行い、シリカゲルを得
た。
【0032】この様にして得られたシリカゲルの一部
を、比表面積を求めるために窒素吸着BET法によって
測定したところ、25m2/gであった。またシリカゲ
ルの一部を1450℃で燃焼させて得られたガスを定量
して全炭素量を調べたところ、シリカゲル中の炭素含有
量は0.15重量%であった。さらにシリカゲルの一部
を石英ビーカーに20g取り、800℃に加熱した電気
炉に投入し、15分間保持した後にそのビーカーを取り
出して、内容物中の黒い粒子(着色粒子)を分別し、秤
量して元のシリカゲル中の重量百分率を求めたところ、
63重量%であった。
を、比表面積を求めるために窒素吸着BET法によって
測定したところ、25m2/gであった。またシリカゲ
ルの一部を1450℃で燃焼させて得られたガスを定量
して全炭素量を調べたところ、シリカゲル中の炭素含有
量は0.15重量%であった。さらにシリカゲルの一部
を石英ビーカーに20g取り、800℃に加熱した電気
炉に投入し、15分間保持した後にそのビーカーを取り
出して、内容物中の黒い粒子(着色粒子)を分別し、秤
量して元のシリカゲル中の重量百分率を求めたところ、
63重量%であった。
【0033】紫外線ランプ(スペクトロニクスコーポレ
ーション製ブラックライト、Maxima3500、中
心波長365nm)を用いて、暗室の中で紫外線を照射
しても蛍光を発しない容器または黒色の台または皿状の
容器に、シリカゲルの一部を薄く広げて蛍光を発する粒
子を観察したところ、シリカゲルが蛍光を発し、蛍光色
としては白色であった。
ーション製ブラックライト、Maxima3500、中
心波長365nm)を用いて、暗室の中で紫外線を照射
しても蛍光を発しない容器または黒色の台または皿状の
容器に、シリカゲルの一部を薄く広げて蛍光を発する粒
子を観察したところ、シリカゲルが蛍光を発し、蛍光色
としては白色であった。
【0034】またシリカゲルの一部に、光源としてキセ
ノンランプを使用し、回折格子分光器で分光して得た2
45nmの励起波を照射し、本発明の蛍光シリカゲルが
発する蛍光スペクトルを回折格子分光器と光電子増倍管
からなる検出器を用いて蛍光スペクトルを測定した。結
果を図2のに示す。また同様の装置を用いて、検出蛍
光波長を540nmとし、用いる励起波波長を240〜
450nmまで変化させた際の、同蛍光の強度変化を測
定した。結果を図2のに示す。
ノンランプを使用し、回折格子分光器で分光して得た2
45nmの励起波を照射し、本発明の蛍光シリカゲルが
発する蛍光スペクトルを回折格子分光器と光電子増倍管
からなる検出器を用いて蛍光スペクトルを測定した。結
果を図2のに示す。また同様の装置を用いて、検出蛍
光波長を540nmとし、用いる励起波波長を240〜
450nmまで変化させた際の、同蛍光の強度変化を測
定した。結果を図2のに示す。
【0035】これら二つの結果を示した図2のから
明らかなように、本発明の蛍光シリカゲルは可視光領域
において充分な蛍光を発し、且つ励起波波長を長波長側
へ変化させても、蛍光波の強度変化が少なく、優れた蛍
光発生能を示すことが判る。 [比較例1]5リットルのジャケット付きガラス反応器
に純水1500gを仕込み、続いてテトラメトキシシラ
ンを2500gを100リットル/hの供給速度で仕込
んだ。このとき、ジャケットには50℃の温水を通液し
た。100rpmで攪拌を続け、反応温度は反応系内の
沸点(65℃以上)まで上昇した。反応液が均一なゾル
になった時点で攪拌を停止し、40分間放置したところ
温度は50℃まで下がり、内容物はゲル化して固まって
いた。ゲルを容器から取り出し、こぶし大の大きさに粗
粉砕した後、ナイロンの網を目通して、平均粒径が約5
00μmの粉末に粉砕した。これを石英製のバットに敷
き詰め、空気を流通させた電気炉内で550℃で1時間
乾燥を行い、シリカゲルを得た。
明らかなように、本発明の蛍光シリカゲルは可視光領域
において充分な蛍光を発し、且つ励起波波長を長波長側
へ変化させても、蛍光波の強度変化が少なく、優れた蛍
光発生能を示すことが判る。 [比較例1]5リットルのジャケット付きガラス反応器
に純水1500gを仕込み、続いてテトラメトキシシラ
ンを2500gを100リットル/hの供給速度で仕込
んだ。このとき、ジャケットには50℃の温水を通液し
た。100rpmで攪拌を続け、反応温度は反応系内の
沸点(65℃以上)まで上昇した。反応液が均一なゾル
になった時点で攪拌を停止し、40分間放置したところ
温度は50℃まで下がり、内容物はゲル化して固まって
いた。ゲルを容器から取り出し、こぶし大の大きさに粗
粉砕した後、ナイロンの網を目通して、平均粒径が約5
00μmの粉末に粉砕した。これを石英製のバットに敷
き詰め、空気を流通させた電気炉内で550℃で1時間
乾燥を行い、シリカゲルを得た。
【0036】この様にして得られたシリカゲルの一部
を、比表面積を求めるために窒素吸着BET法によって
測定したところ、765m2/gであった。またシリカ
ゲルの一部を1000℃で燃焼させて得られたガスを定
量して全炭素量を調べたところ、シリカゲル中の炭素含
有量は0.01重量%であった。さらにシリカゲルの一
部を石英ビーカーに20g取り、800℃に加熱した電
気炉に投入し、15分間保持した後にそのビーカーを取
り出して、内容物中の黒い粒子(着色粒子)を分別し、
秤量して元のシリカゲル中の重量百分率を求めたとこ
ろ、0.1重量%未満であった。
を、比表面積を求めるために窒素吸着BET法によって
測定したところ、765m2/gであった。またシリカ
ゲルの一部を1000℃で燃焼させて得られたガスを定
量して全炭素量を調べたところ、シリカゲル中の炭素含
有量は0.01重量%であった。さらにシリカゲルの一
部を石英ビーカーに20g取り、800℃に加熱した電
気炉に投入し、15分間保持した後にそのビーカーを取
り出して、内容物中の黒い粒子(着色粒子)を分別し、
秤量して元のシリカゲル中の重量百分率を求めたとこ
ろ、0.1重量%未満であった。
【0037】そして実施例1と同様の方法で蛍光を発す
る粒子を観察したところ、蛍光を発する粒子は見あたら
なかった。
る粒子を観察したところ、蛍光を発する粒子は見あたら
なかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の蛍光シリカゲルは、波長が長い
励起波でも白色蛍光を発し、且つ有毒物質を用いない、
実用性、加工特性に優れた蛍光体である。また本発明の
蛍光シリカゲルの製造方法を用いることで、より簡便
で、且つ高価な添加物等を用いない、生産性の良い蛍光
シリカゲルの製造方法を提供することができる。
励起波でも白色蛍光を発し、且つ有毒物質を用いない、
実用性、加工特性に優れた蛍光体である。また本発明の
蛍光シリカゲルの製造方法を用いることで、より簡便
で、且つ高価な添加物等を用いない、生産性の良い蛍光
シリカゲルの製造方法を提供することができる。
【図1】 図1は、本発明の蛍光シリカゲルの概念図で
ある。
ある。
【図2】 図2は、本発明の蛍光シリカゲルが発する蛍
光ピークを示したものである。
光ピークを示したものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 山口 隆
福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号
三菱化学株式会社内
Fターム(参考) 4H001 CA02 CA07 CF01 XA08 XA14
Claims (8)
- 【請求項1】 下記物性を有する蛍光シリカゲル。 a)比表面積が100m2/g以下。 b)炭素含有量が0.05〜0.5重量%。 c)波長250〜450nmの電磁波照射により蛍光を
発する。 d)照射する電磁波波長を250〜450nmの間で変
化させた際、少なくとも一つの蛍光波長における蛍光の
強度変化率が50%以下である。 - 【請求項2】 比表面積が50m2/g以下であること
を特徴とする請求項1に記載の蛍光シリカゲル。 - 【請求項3】 少なくとも波長領域400〜700nm
の60%以上において蛍光スペクトルを有することを特
徴とする請求項1または2に記載の蛍光シリカゲル。 - 【請求項4】 照射する電磁波波長を250〜400n
mの間で変化させた際、波長540nmの蛍光強度変化
率が50%以下であることを特徴とする請求項1乃至3
のいずれかに記載の蛍光シリカゲル。 - 【請求項5】 蛍光強度変化率が40%以下であること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蛍光シ
リカゲル。 - 【請求項6】 水/テトラアルコキシシランのモル比が
4以下で且つ、40℃以下の条件下でテトラアルコキシ
シランを加水分解縮合し、次いでテトラアルコキシシラ
ン加水分解縮合物を加水分解縮合する工程温度以下で熟
成させた後、650℃以下の条件下で乾燥させる蛍光シ
リカゲルの製造方法。 - 【請求項7】 熟成温度が25℃以下であることを特徴
とする請求項6に記載の製造方法。 - 【請求項8】 加水分解縮合反応を無触媒条件下で行う
ことを特徴とする請求項6または7に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001355897A JP2003155478A (ja) | 2001-11-21 | 2001-11-21 | 蛍光シリカゲルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001355897A JP2003155478A (ja) | 2001-11-21 | 2001-11-21 | 蛍光シリカゲルおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003155478A true JP2003155478A (ja) | 2003-05-30 |
Family
ID=19167519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001355897A Pending JP2003155478A (ja) | 2001-11-21 | 2001-11-21 | 蛍光シリカゲルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003155478A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005023961A1 (ja) * | 2003-09-08 | 2005-03-17 | Waseda University | 新規蛍光性微粒子 |
JP2015214705A (ja) * | 2010-11-22 | 2015-12-03 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 高い発光特性と耐湿性とを示すケイ酸塩蛍光体及び発光装置 |
CN113801370A (zh) * | 2021-08-18 | 2021-12-17 | 广东烨嘉光电科技股份有限公司 | 一种硅胶制品的表面活化处理工艺 |
-
2001
- 2001-11-21 JP JP2001355897A patent/JP2003155478A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005023961A1 (ja) * | 2003-09-08 | 2005-03-17 | Waseda University | 新規蛍光性微粒子 |
JP2015214705A (ja) * | 2010-11-22 | 2015-12-03 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 高い発光特性と耐湿性とを示すケイ酸塩蛍光体及び発光装置 |
CN113801370A (zh) * | 2021-08-18 | 2021-12-17 | 广东烨嘉光电科技股份有限公司 | 一种硅胶制品的表面活化处理工艺 |
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