JP2003154622A - 反射防止フィルム及び反射防止処理された物体 - Google Patents

反射防止フィルム及び反射防止処理された物体

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JP2003154622A JP2001356866A JP2001356866A JP2003154622A JP 2003154622 A JP2003154622 A JP 2003154622A JP 2001356866 A JP2001356866 A JP 2001356866A JP 2001356866 A JP2001356866 A JP 2001356866A JP 2003154622 A JP2003154622 A JP 2003154622A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一厚みの反射防止層を転写により板材のよ
うに可撓性に乏しい物体表面に付与でき、可視光領域の
光の反射防止効果に優れる転写用反射防止フィルムを提
供する。 【解決手段】 支持体1上に、1層又は2層以上からな
る反射防止層2を有し、反射防止層2上にハードコート
層4を有し、ハードコート層4上にカチオン重合性紫外
線硬化型エポキシ樹脂組成物から主として構成される接
着剤層3を有し、支持体1は反射防止層2から剥離可能
である転写用反射防止フィルム。反射防止層2を支持体
1から対象物体上に転写し、反射防止処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写用反射防止フ
ィルム、転写により反射防止処理された物体及び転写に
より反射防止処理された物体を製造する方法に関する。
また、本発明は、反射防止機能の他に帯電防止機能をも
有する転写用反射防止フィルム、転写により反射防止処
理及び帯電防止処理された物体、及び転写により反射防
止処理及び帯電防止処理された物体を製造する方法にも
関する。
【0002】本発明において、対象となる物体には、均
一厚みの塗布層を形成しにくい板材のような可撓性に乏
しい物体ないしは支持体、ガラスやセラミックスのよう
な物体等が含まれる。例えば、CRT、LCD、リアプ
ロジェクター用スクリーン、エレクトロルミネッセンス
ディスプレーに代表される表示素子の表面は、反射防止
処理が求められており、本発明における対象物体の具体
例として挙げられる。
【0003】
【従来の技術】従来より、CRT表面等への反射防止処
理は、スパッタリング、スピンコート等によって行われ
ているが、これらは枚葉式で行われるため生産性に乏し
い。このため、CRT表面等へ直接的に反射防止処理す
るのではなく、可撓性フィルムを支持体として用いて、
ロールトゥロールで効率よく反射防止フィルムを連続生
産し、反射防止フィルムを用いてCRT表面等への反射
防止処理が行われるようになってきている。
【0004】特開平7−225302号公報には、反射
防止フィルムを対象物表面にラミネートすることが開示
されている。しかしながら、同号公報によれば、対象物
表面には、反射防止フィルムの支持体フィルムが存在
し、その支持体上に反射防止層が存在する。支持体フィ
ルムの存在によって、表面の硬度低下、ヘイズの上昇、
光線透過率の低下、表面被覆の全膜厚の増加といった弊
害が生じる。これらの弊害は、CRTに代表される表示
素子の表面においては、重要な問題である。
【0005】特開2000−338306号公報には、
離型性を有するベースフィルム面上に、低屈折率層とし
てのシロキサン系樹脂層と、その上の高屈折率層として
の金属酸化物含有層と、さらにその上の接着層とを有す
る反射防止制電板用転写材が開示されている。この転写
材の接着層には、アクリル系樹脂が用いられている。ア
クリル系樹脂は、高い硬度を得る組成とすると硬化の際
の収縮率が大きい。そのため、転写対象物がガラス製の
ものであれば、接着性能が劣る。良好な接着を得るため
には、ガラス表面のシランカップリング剤などによる前
処理が必要となる。一方、ガラス表面の前処理を施さな
いで接着性を良くしようとすると、アクリル系樹脂では
硬度を上げにくい。また、この転写材は、反射防止性能
において不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から、
板材のように可撓性に乏しい物体に均一厚みの反射防止
層を簡便に形成でき、可視光領域の光の反射防止効果に
優れる転写用反射防止フィルムの開発が望まれる。
【0007】そこで、本発明の目的は、均一厚みの反射
防止層を転写により板材のように可撓性に乏しい物体表
面に付与でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れる
転写用反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィルム
を用いて反射防止処理された物体、及び前記転写用反射
防止フィルムを用いて反射防止処理された物体を製造す
る方法を提供することにある。
【0008】特に、本発明の目的は、均一厚みの反射防
止層を転写により表示素子表面に付与でき、可視光領域
の光の反射防止効果に優れ、且つ転写後の高い硬度を有
する転写用反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィ
ルムを用いて反射防止処理された表示素子、及び前記転
写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された表示
素子を製造する方法を提供することにある。
【0009】より特別に、本発明の目的は、均一厚みの
反射防止層を転写により表示素子のガラス表面に何らの
前処理を施すことなく付与でき、可視光領域の光の反射
防止効果に優れ、且つ転写後の高い硬度を有する転写用
反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィルムを用い
て反射防止処理された表示素子、及び前記転写用反射防
止フィルムを用いて反射防止処理された表示素子を製造
する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、転写用反射防止フィルムの接着剤層をカチオン重
合性紫外線硬化型エポキシ樹脂組成物により主として構
成し、さらにフィルム中にハードコート層を存在させる
ことによって、転写の際における、表面処理の施されて
いないガラス表面への良好な接着性と、高い表面硬度と
が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0011】本発明は、支持体上に、1層又は2層以上
からなる反射防止層を有し、反射防止層上にハードコー
ト層を有し、ハードコート層上にカチオン重合性紫外線
硬化型エポキシ樹脂組成物から主として構成される接着
剤層を有し、前記支持体は前記反射防止層から剥離可能
である転写用反射防止フィルムである。
【0012】本発明は、前記カチオン重合性エポキシ樹
脂組成物は、重量平均分子量5万以上のアクリル系ポリ
マーを含有する、前記の転写用反射防止フィルムであ
る。
【0013】本発明は、前記ハードコート層は、アクリ
ル系紫外線硬化型樹脂を用いて形成されている、前記の
転写用反射防止フィルムである。
【0014】本発明は、前記反射防止層は、低屈折率層
と、この低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率
層とを少なくとも含み、前記低屈折率層と前記高屈折率
層とは、支持体上にこの順で塗布によって形成されたも
のである、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0015】本発明は、前記高屈折率層は、導電性微粒
子を含む、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0016】また、本発明は、前記の転写用反射防止フ
ィルムの反射防止層が、接着剤層を介して転写により表
面に設けられている、反射防止処理された物体である。
【0017】本発明は、前記の転写用反射防止フィルム
の反射防止層が、接着剤層を介して転写により表面に設
けられている、反射防止処理された表示素子である。
【0018】さらに、本発明は、反射防止処理すべき対
象物体表面に、前記の転写用反射防止フィルムを前記フ
ィルムの接着剤層を介して貼り付け、その後、紫外線照
射によって前記フィルムの接着剤層を硬化させ、支持体
を剥離して対象物体表面に反射防止層を形成することを
特徴とする、反射防止処理された物体を製造する方法で
ある。本発明は、反射防止処理すべき対象物体が、表面
処理されていないガラス製である、前記の反射防止処理
された物体を製造する方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明を説明す
る。図1は、本発明の転写用反射防止フィルムの層構成
例を示す断面図である。図2は、本発明の転写用反射防
止フィルムの反射防止層が転写により表面に設けられた
反射防止処理された物体の層構成例を示す断面図であ
る。なお、上記の転写とは、支持体上の反射防止層を接
着剤層を介して他の物体へ貼り付けることを意味する。
【0020】図1の本発明の転写用反射防止フィルムに
おいて、支持体(1) 上に反射防止層(2) が設けられ、反
射防止層(2) 上にハードコート層(4) が設けられ、ハー
ドコート層(4) 上にカチオン重合性紫外線硬化型エポキ
シ樹脂組成物から主として構成される接着剤層(3) が設
けられている。反射防止層(2) は、支持体(1) 上の低屈
折率層(2a)と低屈折率層(2a)上の高屈折率層(2b)とから
構成され、低屈折率層(2a)と高屈折率層(2b)とは互いに
屈折率が異なっている。支持体(1) から対象物体表面へ
反射防止層(2) を転写する際、支持体(1) は反射防止層
(2) から剥離可能である。
【0021】屈折率が高いか低いかは、高屈折率層と低
屈折率層の屈折率を比べた場合の相対的なものである。
このような反射防止層(2) の層構成とすることによっ
て、支持体(1) から対象物体表面へ反射防止層(2) が転
写された場合、支持体(1) が剥離され、低屈折率層(2a)
が対象物体表面の最も外側に位置し、反射防止効果が向
上する。
【0022】図1においては、反射防止層(2) が低屈折
率層(2a)と高屈折率層(2b)の2層から構成されている例
を示した。本発明には、反射防止層(2) が、ハードコー
ト層(4) の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層
(2a)の1層からなる場合も含まれる。本発明には、反射
防止層(2) が低屈折率層(2a)と高屈折率層(2b)との間
に、低屈折率層(2a)の屈折率よりは高く、且つ高屈折率
層(2b)の屈折率よりは低い屈折率を有する中屈折率層を
有する場合も含まれる。また、本発明には、反射防止層
(2) が、図1に示された低屈折率層(2a)上の高屈折率層
(2b)の上にさらに、この高屈折率層(2b)の屈折率よりは
低い屈折率を有する中屈折率層ないしは低屈折率層を有
する場合も含まれる。
【0023】支持体(1) として、特に限定されることな
く、可撓性樹脂フィルムが好適である。樹脂フィルムは
軽量であり、取扱いも容易である。樹脂フィルムとして
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等
のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレ
ン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム(JS
R(株)製、アートンなど)等が挙げられる。樹脂フィ
ルムの他に、支持体として、布、紙等を用いることもで
きる。
【0024】低屈折率層(2a)の屈折率は、例えば、1.
35以上1.6未満である。低屈折率層(2a)の物理的な
膜厚は、好ましくは0.05μm以上0.5μm未満、
更に好ましくは0.07μm以上0.2μm以下であ
る。
【0025】低屈折率層(2a)は、例えば、樹脂を主成分
とするハードコート層であることが好ましい。支持体
(1) から対象物体表面へ反射防止層(2) が転写された場
合、このハードコート層が対象物体表面の最も外側に位
置し、反射防止効果と共に耐傷性効果が得られる。
【0026】シリコーン樹脂を用いて形成されたハード
コート層(例えば鉛筆硬度4Hより大きく、好ましくは
5H以上に硬い)は、PETのような樹脂フィルムとは
密着性が低く、支持体(1) とハードコート層とを容易に
剥離することができる。本発明においては、支持体(1)
表面を剥離剤で処理すると、ハードコート層との密着性
が低くなりすぎ、その上に高屈折率層(2b)を塗布する工
程においてハードコート層がはがれるなどの不具合が生
じる場合がある。
【0027】そこで本発明では支持体(1) 表面にコロナ
処理を施す等して、密着性を上げることが好ましい。
又、コロナ処理の代わりに、易接着剤を塗布するなどし
ても良い。例えば、後述のように低屈折率層(2a)上に高
屈折率層(2b)を塗布により設ける工程において、高屈折
率層(2b)を形成するための塗布液中にバインダー樹脂を
含まないか、含むとしても少量の場合は、支持体(1) の
表面にコロナ処理を施すことが好ましい。一方、前記塗
布液中にバインダー樹脂が多い場合は、支持体(1) 表面
と低屈折率層(2a)の間の密着性が強くなる傾向にあるた
め、コロナ処理は施さなくても良い。上記のような傾向
が発生する理由は、高屈折率層のバインダー樹脂がハー
ドコート層を貫通して支持体まで達し、バインダー樹脂
と支持体が密着することで、ハードコート層と支持体の
密着性を上げているからであると思われる。以上のよう
な易接着剤による処理又はコロナ処理等をされた場合に
は、それらの処理をされた形態を含めて支持体(1) とす
る。
【0028】低屈折率層(2a)としてのハードコート層
は、ハードコート剤を必要に応じて溶剤に溶解した液を
支持体上に塗布、乾燥して、硬化させることにより形成
することができる。ハードコート剤としては、特に制限
されることなく、公知の各種ハードコート剤を用いるこ
とができる。例えば、シリコーン系、アクリル系、メラ
ミン系等の熱硬化型ハードコート剤を用いることができ
る。これらの中でも、シリコーン系ハードコート剤は、
高い硬度が得られる点で優れている。
【0029】また、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリ
ル系等のラジカル重合性ハードコート剤、エポキシ系、
ビニルエーテル系等のカチオン重合性ハードコート剤等
の紫外線硬化型ハードコート剤を用いてもよい。紫外線
硬化型ハードコート剤は、硬化反応性等の製造性の点か
ら好ましい。これらの中でも、硬化反応性、表面硬度を
考慮すると、アクリル系のラジカル重合性ハードコート
剤が望ましい。
【0030】ハードコート剤の塗布は、グラビア、リバ
ースロール等のロールコーター、メイヤーバー、スリッ
トダイコーター等公知の方法で行うとよい。塗布後、適
切な温度範囲で乾燥し、その後、硬化させる。熱硬化型
ハードコート剤の場合には、適切な熱を与えて、例えば
シリコーン系ハードコート剤の場合には60〜120℃
程度に、1分間〜48時間加熱して硬化させる。紫外線
硬化型ハードコート剤の場合には、紫外線照射を行い、
硬化させる。紫外線照射は、キセノンランプ、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ
等のランプを用いて、紫外線を200〜2000mJ/
cm2 程度照射するとよい。
【0031】低屈折率層(2a)としてのハードコート層に
は、紫外線吸収剤が含有されていてもよい。紫外線吸収
剤としては、公知の各種紫外線吸収剤を用いるとよい。
例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系
紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シ
アノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。ハー
ドコート層には、さらに必要に応じて、ヒンダードアミ
ン系光安定剤等の光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、
難燃剤等の各種公知の添加剤を含ませてもよい。紫外線
吸収剤や各種添加剤は、ハードコート剤中に添加して塗
布すればよい。
【0032】高屈折率層(2b)の屈折率は、例えば、1.
6以上2.5以下である。高屈折率層(2b)の物理的な膜
厚は、2μm以下であり、好ましくは0.05μm以上
0.5μm未満、更に好ましくは0.06μm以上0.
2μm以下である。
【0033】高屈折率層(2b)は、金属酸化物の微粒子を
含有することが好ましい。金属酸化物微粒子としては、
例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニ
ウム等の高屈折率を有する微粒子や、アンチモンドープ
酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)
等の高屈折率を有する導電性微粒子が挙げられる。高屈
折率とは、例えば、1.60以上の屈折率である。これ
ら微粒子の平均粒径は10〜30nmであることが好ま
しい。又、これらの材料を複数用いて屈折率を調整して
も良い。
【0034】高屈折率層(2b)は、前記金属酸化物微粒子
を有機溶剤などの溶剤に分散した液を、低屈折率層(2a)
上に塗布し、乾燥することにより設ける。この際、バイ
ンダー樹脂を用いても良いが、用いない方が好ましい。
バインダー樹脂を用いる場合には、バインダー樹脂の量
は、バインダー樹脂と前記微粒子の合計に対して、25
重量%以下とすることが適切であり、20重量%以下と
することが好ましい。
【0035】また、塗布、乾燥後、高屈折率層(2b)を圧
縮することも好ましい。例えば、金属酸化物微粒子とし
てATO等の導電性微粒子を用いた場合に、圧縮するこ
とにより、高屈折率層(2b)の導電性が向上される。
【0036】図1に示すように、反射防止層(2) 上にハ
ードコート層(4) が形成される。ハードコート層(4)
は、ハードコート剤を必要に応じて溶剤に溶解した液を
反射防止層(2) 上に塗布、乾燥して、硬化させることに
より形成することができる。
【0037】ハードコート剤としては、シリコーン系、
メラミン系等の熱硬化型ハードコート剤もあるが、硬化
反応性等の製造性の点から、紫外線硬化型ハードコート
剤の方が好ましい。紫外線硬化型ハードコート剤として
は、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル系等のラジカ
ル重合性ハードコート剤、エポキシ系、ビニルエーテル
系等のカチオン重合性ハードコート剤を用いることがで
きる。硬化反応性、対象物体への転写後の表面硬度を考
慮すると、アクリル系のラジカル重合性ハードコート剤
が望ましい。
【0038】アクリル系のラジカル重合性ハードコート
剤は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
する多官能(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を主
たる構成成分とする。
【0039】多官能(メタ)アクリレートとしては、例
えば、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官
能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシ
アヌル酸エステル(メタ)アクリレート等の3官能(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレー
トが挙げられる。
【0040】さらに、多官能(メタ)アクリレートとし
て、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物に
(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メ
タ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及
び/又はその無水物と(メタ)アクリル酸とをエステル
化させて得られるポリエステルアクリレート、多価アル
コールと多価イソシアネートと水酸基含有アクリレート
とを反応させて得られるウレタンアクリレート等も挙げ
られる。
【0041】これらのうち、例えば、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート等が高い硬度が得られる
点から好ましい。これらのうち1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。上記多官能(メタ)ア
クリレートの使用量は、ハードコート剤中(固形分換
算)20〜80重量%程度である。
【0042】また、上記多官能(メタ)アクリレートの
他に、光重合性オリゴマーあるいはポリマーを用いるこ
ともできる。例えば、末端に(メタ)アクリロイル基を
有するオリゴマーあるいはポリマーであって、重量平均
分子量Mwが例えば2000〜50000程度のもので
ある。オリゴマーあるいはポリマー部としては、例え
ば、スチレン重合体、スチレン/アクリロニトリル共重
合体、スチレン/(メタ)アクリレート共重合体、(メ
タ)アクリレート重合体、ブタジエン重合体、シリコー
ン重合体から形成されるもの等が挙げられる。光重合性
オリゴマーあるいはポリマーとしては、例えば、ポリス
チリルメタクリレート、ポリブタジエンメタクリレート
等が挙げられる。
【0043】光重合開始剤は、公知の種々のものを用い
ることができる。例えば、ケトン類(アセトフェノン、
プロピオフェノン、アントラキノン、チオキサントン、
ベンゾフェノン又はそれらの誘導体)、安息香酸エステ
ル類(例えばp−ジメチルアミノ安息香酸メチル)、ベ
ンゾインエーテル又はその誘導体(例えばベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル)、アシルホ
スフィンオキシド等から選択するとよい。もちろん、こ
れら以外のものを用いてもよい。光重合開始剤の使用量
は、例えば、前記多官能(メタ)アクリレート(A)1
00重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1
〜10重量部程度の範囲から選択できる。
【0044】ハードコート層(4) の形成におけるハード
コート剤の塗布方法や、塗布後の硬化方法は、低屈折率
層(2a)としてのハードコート層形成の場合と同様であ
る。また、ハードコート層(4) には、紫外線吸収剤、光
安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種公知
の添加剤を含ませてもよい。
【0045】ハードコート層(4) の膜厚は、対象物体へ
の転写後に適切な表面硬度を得るために、2μm以上1
0μm以下程度とすることが好ましく、更に好ましくは
3μm以上6μm以下である。
【0046】図1に示すように、ハードコート層(4) 上
に接着剤層(3) が塗布形成される。また、剥離フィルム
上に接着剤層(3) を塗布形成し、これを接着剤層(3) が
ハードコート層(4) に接するようにラミネートしてもよ
い。接着剤層を形成しておくことによって、この接着剤
層を介して、対象物体上に反射防止層(2) を容易に転写
できる。
【0047】接着剤層(3) に用いる接着剤としては、接
着剤溶液を塗布し乾燥しただけでタック感があり、しか
も流動性のない接着剤層が得られ、転写対象物体上に貼
り付けた後に接着剤層を紫外線硬化することによって硬
い硬化層が得られるような接着剤が好ましい。転写対象
物体上に貼り付け硬化させた後の接着剤層の軟化や劣化
は好ましくない。タック感があることで転写対象物体へ
の貼り付けが容易となる。又、流動性がないことで、接
着剤層を設けた後貼り付けまでの間、接着剤層を保護す
るためのフィルムを付与することが可能となる。さら
に、本発明において、接着剤層(3) に用いる接着剤とし
ては、転写対象物体がガラス製のものであっても、ガラ
ス表面のシランカップリング剤などによる前処理を行う
ことなく、良好な接着を得る必要がある。接着剤の硬化
収縮が少ない必要がある。
【0048】このような観点から、本発明において、接
着剤層(3) は、カチオン重合性紫外線硬化型エポキシ樹
脂組成物から主として構成される。このエポキシ樹脂組
成物には、次の成分(A)、(B)及び(C)が含まれ
る。(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部
(固形分)として、 (A)芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物及
び脂肪族エポキシ化合物の中から選ばれる1種以上のエ
ポキシ化合物:20〜90重量部 (B)3官能以上の多官能タイプのグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂:5〜70重量部 (C)光カチオン重合開始剤:0.5〜10重量部 前記エポキシ樹脂組成物には、さらに、タック性を向上
させるために、 (D)重量平均分子量5万以上のアクリル系ポリマー:
1〜50重量部が含まれることが好ましい。
【0049】(A)成分のエポキシ化合物としては、従
来公知の芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合
物、脂肪族エポキシ化合物が挙げられる。これらのう
ち、脂環式エポキシ化合物が紫外線による硬化反応性の
点から好ましく、脂環式エポキシ化合物が20〜90重
量部含有されると良く、50〜90重量部含有されるこ
とがより好ましい。
【0050】脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘ
キセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイドをその
分子構造中に含有するものが好適に用いられる。脂環式
エポキシ化合物の具体例としては、次の化合物(a)〜
(k)が挙げられる。
【0051】
【化1】
【0052】
【化2】
【0053】脂肪族エポキシ化合物としては、テトラメ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル等が挙げられる。
【0054】(B)3官能以上の多官能タイプのグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂としては、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂等が挙げられる。フェノールノボラック型
エポキシ樹脂の具体例としては、N−730、N−74
0、N−770(以上、大日本インキ化学工業製)、E
PPN−201(日本化薬製)、DEN−431(ダウ
・ケミカル製)等が挙げられる。これらは官能基数が多
く、芳香族含量も多いので、(B)成分の含有によっ
て、耐熱性、耐化学薬品性、接着性の向上が得られる。
(B)成分は、5〜70重量部含有させると良く、より
好ましくは10〜50重量部含有させる。
【0055】(C)光カチオン重合開始剤は、紫外線照
射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する開始
剤である。光カチオン重合開始剤としては、例えば、ア
リールジアゾニウム塩(例えば、PP−33(旭電化工
業社製))、アリールヨードニウム塩、アリールスルホ
ニウム塩(例えば、FC−509(3M社製)、UVE
1014(G.E.社製)、UVI−6974、UVI
−6970、UVI−6990、UVI−6950(ダ
ウ・ケミカル製)、SP−170、SP−150(旭電
化工業社製))、アレン−イオン錯体(例えば、CG−
24−61(チバガイギー社製))等が挙げられる。光
カチオン重合開始剤は、0.5〜10重量部含有させる
と良く、より好ましくは1〜8重量部含有させる。この
範囲の配合量で、光照射により適切な光カチオン重合が
得られ、上記(A)成分、(B)成分が硬化する。
【0056】(D)アクリル系ポリマーは公知のアクリ
ル系ポリマーから選ばれる。接着剤層のタック性を向上
させるために、重量平均分子量5万以上のアクリル系ポ
リマーを用いる。例えばアクリル樹脂103Bや1BR
−305(大成化工(株)製)が挙げられる。アクリル
系ポリマーの好ましい重量平均分子量は5万以上50万
以下であり、より好ましくは10万以上20万以下であ
る。前記分子量のアクリル系ポリマーは、1〜50重量
部含有させると良く、より好ましくは5〜50重量部含
有させる。さらに、公知の光重合開始剤を含ませてもよ
い。
【0057】上記カチオン重合性紫外線硬化型エポキシ
樹脂は硬化収縮率が比較的小さく、これを接着剤層(3)
に用いると、ガラス製の転写対象物体の表面前処理を行
うことなく、良好な接着性と高い表面硬度とが得られ
る。もちろん、シランカップリング剤等で表面処理され
たガラス製の転写対象物体に対しても、良好な接着性と
高い表面硬度とが得られる。
【0058】接着剤層(3) は、上記組成の接着剤溶液を
ハードコート層(4) 上に塗布、乾燥することにより形成
される。接着剤層(3) の厚みは1〜100μm、好まし
くは3〜20μmである。
【0059】さらに接着剤層には、顔料、色素等を分散
あるいは溶解して添加してもよい。顔料としてはシリカ
等の公知の耐すり傷性の材料や彩色のための無機材料か
ら選択すればよい。
【0060】反射防止フィルムの接着剤層(3) 上に剥離
フィルムを付与し、使用時まで接着剤層面を保護しても
よい。
【0061】本発明は、上述の転写用反射防止フィルム
の反射防止層(2) が、接着剤層を介して転写により表面
に設けられている反射防止処理された物体にも関する。
本発明の反射防止処理された物体の層構成例を図2に示
す。
【0062】図2は、図1の転写用反射防止フィルムを
用いた例であり、対象物体(5) 表面に接着剤層(3C)を介
して反射防止層(2) が付与された層構成例を示す断面図
である。接着剤層(3C)は、硬化されたものである。
【0063】対象となる物体(5) には、特に限定される
ことなく、種々のものが含まれる。例えば、均一厚みの
塗布層を形成しにくい板材のような可撓性に乏しい物体
ないしは支持体、ガラスやセラミックスのような物体等
が含まれる。例えば、CRT表面は、反射防止、ハード
コート等の処理が求められており、CRTは本発明にお
ける対象物体の具体例として挙げられる。
【0064】本発明の反射防止処理された物体を得るに
は、上述の転写用反射防止フィルムの反射防止層(2) を
支持体(1) から対象物体(5) 上に転写する。すなわち、
反射防止フィルムを対象物体(5) 表面に、支持体(1) が
外側となるように接着剤層(3) を介して貼り付ける。そ
の後、紫外線を照射して接着剤層を硬化させる。次に反
射防止フィルムの支持体(1) を剥離する。
【0065】露光光線としては、紫外線が有効である。
露光時間は、用いた紫外線硬化型エポキシ樹脂組成物の
感光特性や、光線の種類により、適宜選択される。
【0066】本発明の大きな利点は、対象物体(5) がガ
ラス表面のものであっても、ガラス表面について何らの
前処理を施すことなく、上述の転写操作を行えることで
ある。このようにして、対象物体表面に反射防止層が形
成される。
【0067】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0068】[実施例1]図1に示すように、支持体
(1) 上に低屈折率層(2a)、高屈折率層(2b)、ハードコー
ト層(4) 及び接着剤層(3) をこの順で有する転写用反射
防止フィルムを作製した。
【0069】(低屈折率層の形成)シリコーン系ハード
コート液KP−854(信越化学工業(株)製)100
重量部にエタノール400重量部を加え、低屈折率層塗
布液とした。この塗布液を75μm厚のPETフィルム
(1) 上に塗布、乾燥し、100℃、2時間で硬化させ、
0.09μm厚の低屈折率層(2a)を形成した。
【0070】(高屈折率層の形成)平均粒径が約30n
mの酸化すず超微粒子のエタノール分散液(シーアイ化
成(株)製、固形分濃度15重量%)75重量部と平均
粒径が約30nmの酸化チタン超微粒子のエタノール分
散液(シーアイ化成(株)製、固形分濃度15重量%)
25重量部の混合液に、エタノール115重量部を加
え、高屈折率層塗布液とした。得られた塗布液を前記低
屈折率層(2a)上に塗布、乾燥し、0.09μm厚の高屈
折率層(2b)を形成した。
【0071】(ハードコート層の形成)アクリル系モノ
マーUVHC−1101(GE東芝シリコーン製)10
0重量部に、アクリル系ポリマー1BR−305(大成
化工製、固形分濃度39.5重量%)25重量部と、メ
チルエチルケトン(MEK)250重量部とを加えて、
ハードコート層塗布液とした。得られた塗布液を前記高
屈折率層(2b)上に塗布、70℃で1分間乾燥し、紫外線
を照射して硬化して、3μm厚のハードコート層(4) を
形成した。
【0072】(接着剤層の形成)脂環エポキシ化合物
(UVR−6105、ダウ・ケミカル製)90重量部、
フェノールノボラック型エポキシ(DEN−431、ダ
ウ・ケミカル製)10重量部、カチオン重合開始剤(U
VI−6990、ダウ・ケミカル製)5重量部、アクリ
ル系ポリマー(1BR−305の分子量アップ品、Mw
=13万、大成化工製、固形分濃度30重量%)83重
量部、及びメチルエチルケトン(MEK)200重量部
を混合し、接着剤層塗布液とした。この塗布液を前記ハ
ードコート層(4) 上に塗布、70℃で1分間乾燥して、
5μm厚の接着剤層(3) を形成した。接着剤層を指で触
ったところ、タック感があった。以上のようにして反射
防止フィルムを得た。
【0073】(対象物体ガラス板への反射防止層の付
与)対象物体として、2mm厚の表面処理を施していな
いガラス板を用いた。得られた反射防止フィルムを接着
剤層(3) がガラス板の一方の面に接するようにラミネー
ターにて貼り付けた。紫外線を照射して接着剤層(3) を
硬化させた。支持体PETフィルム(1) を剥がした。接
着剤層(3) は非常に強固であった。このようにして、図
2に示すように、ガラス板(4) 上に接着剤層(3) を介し
て、反射防止層(2:2a,2b) が付与された。ガラス板の他
方の面についても同様に反射防止層を付与した。
【0074】[比較例1]ハードコート層を設けること
なく、高屈折率層上に直接に8μm厚の接着剤層を形成
した以外は、実施例1と同様にして転写用反射防止フィ
ルムを作製した。接着剤層塗布液は、実施例1で用いた
のと同じ塗布液であった。実施例1と同様にして、表面
処理を施していないガラス板に、反射防止層を転写によ
り付与した。
【0075】[比較例2]支持体上に低屈折率層及び高
屈折率層を実施例1と同様にして形成した。アクリル樹
脂UVHC−1101(GE東芝シリコーン製)100
重量部に、1BR−305(大成化工製、固形分濃度3
9.5重量%)71重量部と、メチルエチルケトン(M
EK)245重量部とを加えて、接着剤層塗布液とし
た。ハードコート層を設けることなく、高屈折率層上に
直接にこの塗布液を塗布、70℃で1分間乾燥して、8
μm厚の接着剤層を形成し、反射防止フィルムを作製し
た。接着剤層を指で触ったところ、タック感があった。
実施例1と同様にして、表面処理を施していないガラス
板に、反射防止フィルムを接着剤層がガラス板の一方の
面に接するようにラミネーターにて貼り付けた。紫外線
を照射して接着剤層を硬化させたところ、接着不良であ
った。
【0076】[比較例3]この比較例では、転写タイプ
ではなく貼り付けタイプの反射防止フィルムを作成し
た。
【0077】実施例1と同様にして、75μm厚のPE
Tフィルム支持体上に低屈折率層及び高屈折率層を形成
した。得られた高屈折率層上に、実施例1で用いたのと
同じハードコート層塗布液を塗布、70℃で1分間乾燥
した。その後、得られたフィルムを、188μm厚の光
学用PETフィルムの片面にハードコート層が接するよ
うに貼り合わせ、紫外線を照射してハードコート層を硬
化して、75μm厚のPETフィルム支持体を剥離し
た。ハードコート層の厚みは3μmであった。次に、1
88μm厚の光学用PETフィルムの裏面に、下記組成
のアクリル系粘着剤溶液を塗布、70℃で1分間乾燥し
た後、この粘着剤層が接するように表面処理を施してい
ないガラス板に貼り付けた。
【0078】 (粘着剤溶液) アクリル系粘着剤AS−1107 100重量部 (一方社油脂工業株式会社製、固形分濃度42重量%) イソシアネート系架橋剤B−45 1重量部 (一方社油脂工業株式会社製、固形分濃度45重量%) メチルエチルケトン(MEK) 50重量部 トルエン 50重量部
【0079】実施例及び比較例で得られたサンプルにつ
いて以下の評価を行った。 (初期接着性の評価)JIS−K5400(碁盤目法)
に準じた。ガラス板上に反射防止層が付与された表面に
カッターで1mm間隔で縦横各11本の切り込みを入れ
た(計100個の正方形マス目状)。これにセロファン
粘着テープを貼り、剥離した後、ガラス板上に残ったマ
ス目の数をカウントした。
【0080】(鉛筆硬度の測定)JIS−K5400に
準じて測定した。
【0081】(反射防止効果の評価)分光光度計V−5
70(日本分光製)に積分球(日本分光製)を組み合わ
せて、550nmの波長の反射光と550nmの波長の
透過光を測定した。
【0082】結果を表1に示す。表1より、実施例1で
は、初期接着が良好であり、表面硬度にも優れて、且つ
反射防止性能にも優れていた。これに対して、比較例1
では、実施例1と同じ紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤
を用いたので初期接着は良好であったが、ハードコート
層がないので表面硬度に劣っていた。比較例2では、ラ
ジカル重合性アクリル系樹脂接着剤を用いたので、表面
処理の施されていないガラス面に対する接着性は不良で
あった。表面硬度は測定できなかった。比較例3では、
アクリル系樹脂粘着剤を用いたので初期接着は良好であ
ったが、PETフィルムが存在するため表面硬度に劣っ
ていた。また、光透過率にも劣っていた。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、均一厚みの反射防止層
を転写により板材のように可撓性に乏しい物体表面に付
与でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れる転写用
反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィルムを用い
て反射防止処理された物体、及び前記転写用反射防止フ
ィルムを用いて反射防止処理された物体を製造する方法
が提供される。
【0085】特に、本発明によれば、均一厚みの反射防
止層を転写により表示素子表面に、より特別には表示素
子のガラス表面に何らの前処理を施すことなく付与で
き、可視光領域の光の反射防止効果に優れ、且つ転写後
の高い硬度を有する転写用反射防止フィルム、前記転写
用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された表示素
子、及び前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止
処理された表示素子を製造する方法が提供される。ガラ
ス表面の前処理工程を行う必要がないので、工程の簡略
化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の転写用反射防止フィルムの層構成例
を示す断面図である。
【図2】 本発明の転写用反射防止フィルムの反射防止
層が転写により表面に設けられた反射防止処理された物
体の層構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
(1) :支持体 (2) :反射防止層 (2a):低屈折率層 (2b):高屈折率層 (3) :接着剤層 (3C):硬化した接着剤層 (4) :ハードコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 C09J 7/02 C09J 7/02 Z 133/00 133/00 163/00 163/00 Fターム(参考) 4F100 AG00 AK25C AK25D AK42 AK53D AL05D AT00A BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D CB00D DE01E EC18 EJ08 EJ54 GB41 JA07D JB14C JB14D JG01E JK12C JK17 JL01 JL11D JL14A JN18A JN18E JN30B JN30E YY00D 4J004 AA02 AA10 AA13 AB07 CC02 FA08 4J038 CG141 DD181 DL031 FA111 FA231 FA251 FA261 FA281 HA216 KA12 KA20 NA10 NA19 PA17 PC08 4J040 DF041 DF042 EC071 EC072 EC261 EC262 EC271 EC272 JA02 JA09 JB08 JB09 KA13 LA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、1層又は2層以上からなる
    反射防止層を有し、反射防止層上にハードコート層を有
    し、ハードコート層上にカチオン重合性紫外線硬化型エ
    ポキシ樹脂組成物から主として構成される接着剤層を有
    し、 前記支持体は前記反射防止層から剥離可能である転写用
    反射防止フィルム。
  2. 【請求項2】 前記カチオン重合性エポキシ樹脂組成物
    は、重量平均分子量5万以上のアクリル系ポリマーを含
    有する、請求項1に記載の転写用反射防止フィルム。
  3. 【請求項3】 前記ハードコート層は、アクリル系紫外
    線硬化型樹脂を用いて形成されている、請求項1又は2
    に記載の転写用反射防止フィルム。
  4. 【請求項4】 前記反射防止層は、低屈折率層と、この
    低屈折率層よりも高い屈折率を有する高屈折率層とを少
    なくとも含み、 前記低屈折率層と前記高屈折率層とは、支持体上にこの
    順で塗布によって形成されたものである、請求項1〜3
    のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記高屈折率層は、導電性微粒子を含
    む、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の転写用
    反射防止フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちのいずれか1項に記
    載の転写用反射防止フィルムの反射防止層が、接着剤層
    を介して転写により表面に設けられている、反射防止処
    理された物体。
  7. 【請求項7】 物体が表示素子である、請求項6に記載
    の反射防止処理された物体。
  8. 【請求項8】 反射防止処理すべき対象物体表面に、請
    求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防
    止フィルムを前記フィルムの接着剤層を介して貼り付
    け、その後、紫外線照射によって前記フィルムの接着剤
    層を硬化させ、支持体を剥離して対象物体表面に反射防
    止層を形成することを特徴とする、反射防止処理された
    物体を製造する方法。
  9. 【請求項9】 反射防止処理すべき対象物体が、表面処
    理されていないガラス製である、請求項8に記載の反射
    防止処理された物体を製造する方法。
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