JP2003154265A - ホーランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒及びその製造方法並びに該光触媒を用いた気相系環境浄化モジュール - Google Patents

ホーランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒及びその製造方法並びに該光触媒を用いた気相系環境浄化モジュール

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JP2003154265A
JP2003154265A JP2001357179A JP2001357179A JP2003154265A JP 2003154265 A JP2003154265 A JP 2003154265A JP 2001357179 A JP2001357179 A JP 2001357179A JP 2001357179 A JP2001357179 A JP 2001357179A JP 2003154265 A JP2003154265 A JP 2003154265A
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titania
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hollandite compound
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Yoshio Hasegawa
良雄 長谷川
Yoshiyasu Nanjo
吉保 南条
Toshiyuki Mori
利之 森
Jun Watanabe
遵 渡辺
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Kaken Co Ltd
National Institute for Materials Science
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Kaken Co Ltd
National Institute for Materials Science
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用的なエネルギーミニマム型環境浄化シス
テム用光触媒モジュールを開発するための高効率に環境
汚染物質を分解する光触媒として好適な、チタニアを主
成分とする繊維状光触媒表面にホーランダイト化合物を
ハイブリッド化した高効率の自立型光触媒を提供する。 【解決手段】 ホーランダイト化合物前駆体ゾルを製造
する工程、ホーランダイト化合物前駆体ゾルをチタニア
を主成分とする繊維状光触媒に塗布する工程、ホーラン
ダイト化合物前駆体ゾルを繊維表面でゲル化させ焼結さ
せる工程によりホーランダイト化合物/チタニア繊維ハ
イブリッド光触媒を製造し、これを空間に低密度で充填
しモジュールを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエネルギーミニマム
型環境浄化システム用光触媒モジュールを開発する目的
で、高効率に環境汚染物質を分解する光触媒の形態とハ
イブリッド化に関し研究を行い、従来の微粉末光触媒や
光触媒薄膜を基材に固定化して用いる方法ではなく、バ
インダーや基材を用いることなく利用できる、いわゆる
自立型光触媒のモジュール化により、固定化光触媒より
も高効率での気相の環境汚染物質の分解が可能であるこ
とに着目し、チタニアを主成分とする繊維状光触媒を利
用し、さらにチタニアを主成分とする繊維状光触媒表面
にホーランダイト化合物を担持することではるかに高効
率の気相系環境浄化モジュールを実現した。
【0002】
【従来の技術】光触媒は、太陽光を利用し環境汚染物質
を分解除去できるため、エネルギーミニマム型環境浄化
材料として期待されている。これまで、大気や水などを
対象とした環境浄化材料としての光触媒は種々検討され
ているが、化学的安定性や安全性の観点からチタニアに
勝るものはないとされ、これについて環境浄化材料への
応用が活発に検討されている。しかしチタニアの優れた
性能は微粉末や薄膜について得られる物質本来の特性で
あり、これらは取り扱いやシステム化が困難であるた
め、環境浄化システムとして使用するためには、基材に
固定化して用いる必要があった。しかし固定化は一般的
に困難で、実用的にはフッ素樹脂やコンクリートに練り
込んだり、塗料あるいは粉末を焼結して作製したコーテ
ィングとして用いられているにすぎず、これらはコスト
高になるばかりでなく、物質本来の特性が著しく低下し
てしまうという欠点があった。
【0003】このような事情から、本発明者らは、すで
に環境浄化材料として最も優れた性能を有するチタニア
を、バインダーや基材を用いることなく使用できる、い
わゆる自立型光触媒として利用できる形態の探索と、こ
れを高効率に環境浄化できるようにモジュール化する研
究開発を行い、光触媒を繊維状とし、これを低密度で均
一に空間にバインダーなしで固定化して用い、気相系の
環境浄化用にモジュール化することに成功した。
【0004】しかし繊維状光触媒自体の光触媒機能は微
粉末光触媒のそれよりは低く、したがってモジュールの
高性能化には限界があった。そのため、一方ではチタニ
アに他の物質を添加し光触媒機能を向上させようとする
研究が行われており、本発明者らもある種類のホーラン
ダイト化合物微粉末を繊維状光触媒上に担持し、光触媒
機能が4倍近くまで向上する場合があることを見出した
が、粉末の脱離や再現性に問題があり、他の研究と同様
実用化には至らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】このように、環境
浄化材料として最も優れた性能を有するチタニアでも、
何らかの方法により固定化して用いなければならず、実
用的な環境浄化システムを構築することが困難である。
従って実用的なエネルギーミニマム型環境浄化システム
を構築するためには、第一にバインダーや基材を用いる
ことなく使用できる、いわゆる自立型光触媒がりようで
きること、第二に自立型光触媒が微粉末光触媒と同等の
性能を有すること、第三に自立型光触媒を高効率に環境
浄化できるようにモジュール化できることが要求され
る。
【0006】そこで本発明は、前記微粉末あるいは繊維
状光触媒における課題と前記のエネルギーミニマム型環
境浄化システムに求められる条件に鑑み、微粉末あるい
は薄膜状チタニアの本来の特性を有する、バインダーや
基材を用いなくてもよい繊維状の自立型光触媒を開発
し、従来にない高効率の気相系環境浄化モジュールを提
案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、微粉末光触
媒と同等の性能を有するチタニアを主成分とする繊維状
ハイブリッド光触媒の開発と、これを低密度で均一に空
間にバインダーなしで固定化するいわゆる自立型光触媒
として用いることにより、従来にない高効率で有害物質
を分解・除去できる気相系環境浄化モジュールを開発す
べく鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明では、微粉末光触媒と同
等の性能を有する自立型光触媒としてホーランダイト化
合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒を開発し、さら
に、これを低密度で均一に空間にバインダーなしで固定
化するいわゆる自立型光触媒として用いる方法により、
従来にない高効率で有害物質を分解・除去できる気相系
環境浄化モジュールの開発に成功した。
【0009】本発明のホーランダイト化合物/チタニア
繊維ハイブリッド光触媒は、ホーランダイト化合物前駆
体ゾルを製造する第一の工程と、ホーランダイト化合物
前駆体ゾルをチタニアを主成分とする繊維状光触媒に塗
布する第二の工程と、ホーランダイト化合物前駆体ゾル
を繊維表面でゲル化させ焼結させる第三の工程により製
造される。
【0010】このようにして製造されたホーランダイト
化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒表面には、ホ
ーランダイト化合物が、チタニアを主成分とする繊維状
光触媒に対して、1μm以下の薄膜として担持されてい
る。このようにホーランダイト化合物とチタニア繊維を
ハイブリッド化することにより、チタニアを主成分とす
る直径が2〜50μmの繊維状光触媒に、それ自身が有
する光触媒機能の10倍以上の、すなわち微粉末光触媒
と同等の光触媒機能をもたせることができ、また、ホー
ランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒
を、バインダーを用いることなく空間に10〜200m
g/cm3の空間密度で充填し固定化することにより、
何らかのバインダーで固定化した従来の固定化光触媒を
充填したモジュールの10倍以上の性能をもたせること
ができた。こうして、本発明により従来型の100倍近
い有害物質の浄化効率を有する気相系環境浄化モジュー
ルを実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、具体的且つ詳細に説明する。本発明によれば、ホー
ランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒
は、ホーランダイト化合物前駆体ゾルを製造する第一の
工程と、ホーランダイト化合物前駆体ゾルをチタニアを
主成分とする繊維状光触媒に塗布する第二の工程と、ホ
ーランダイト化合物前駆体ゾルを繊維表面でゲル化させ
焼結させる第三の工程とを経ることにより製造される。
【0012】本発明の第一の工程で製造されるホーラン
ダイト化合物前駆体ゾルは公知の方法により製造でき、
アルコキシド法や無機塩法、あるいはホーランダイト化
合物の微粉末をスラリー化したものを用いることができ
るが、アルコキシド法が均一にしかも後述するようにチ
タニアを主成分とする光触媒の結晶構造を変えないで広
い温度範囲で焼結させることができる点で最も好適であ
る。アルコキシドとしてはメトキシド、エトキシド、イ
ソプロポキシド、ブトキシドが好適で、これらを所定量
エタノール、イソプロピルアルコールなど非水溶媒中で
混合し、さらに所定量の水を加え部分加水分解を行い、
ホーランダイト化合物前駆体ゾルを得る。この際必要に
よりエチルアセトアセテートなどβ−ジケトンを加え前
駆体ゾルの加水分解に対する安定性を増加させることが
できる。
【0013】ホーランダイト型化合物とは、AxMyN
8-yO16(ここで、AはK、Na、Rbの中から選ばれ
る1種類の元素、MはFe、Ga、Zn、In、Cr、
Co、Mg、Al、Niから選ばれる1種類又は2種類
の元素、NはSn、Tiから選ばれる1種類又は2種類
の元素、1.5<x≦2、1.5<y≦2)で表される
組成式を有し、前記前駆体ゾルを本発明の方法の第二及
び第三の工程を経ることによりチタニアを主成分とする
繊維状光触媒表面に薄膜状に生成する。
【0014】本発明の第二の工程では第一の工程で製造
したホーランダイト化合物前駆体ゾルがチタニアを主成
分とする繊維状光触媒に塗布される。塗布の方法はディ
ップコーティング、スプレーコーティングなどいずれの
方法でもよいが、膜厚の制御のしやすさからディップコ
ーティングが好適で、ホーランダイト化合物前駆体ゾル
溶液の濃度は、ホーランダイト化合物換算で0.1〜1
0重量%がよい。0.1重量%以下では均一な膜が得ら
れずハイブリッド化の効果も低い。また10重量%以上
では膜厚が厚くなりすぎたり、むらが生じ、繊維状光触
媒に光が到達できないため光触媒機能が極端に低下す
る。
【0015】チタニアを主成分とする繊維状光触媒は0
〜20mol%のSiO2を含有したチタニアであり、
SiO2が0%では最も光触媒機能が高いが、SiO2含
有量が増加すると共に繊維の機械的特性、特に弾性率の
低下による取り扱いやすさが増加し好適であるが、20
mol%より多くなると光触媒機能が低下するので好ま
しくない。この繊維状光触媒は直径が2〜50μmであ
ることが好ましい。2μm以下では粉化しやすく、合成
も困難であり、50μm以上ではしなやかさに欠け充填
が困難である。
【0016】このようなチタニアを主成分とする繊維状
光触媒は公知の方法で製造され、例えば、チタンアルコ
キシドと、あるいは必要によりケイ素アルコキシドを加
えた混合アルコキシドとβ−ジケトンを原料として得ら
れた無機高分子を紡糸した後、酸化分解して合成するこ
とができる。チタンアルコキシドとしてはチタンテトラ
イソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドなど
が好適であり、ケイ素アルコキシドとしてはテトラエト
キシシランが好適である。これらアルコキシド、あるい
はアルコキシド混合物にエチルアセトアセテートなどβ
−ジケトンを加え、加水分解することにより無機高分子
とした後濃縮して紡糸可能な前駆体とすることができ
る。チタンアルコキシドに加えるケイ素アルコキシドは
0〜20mol%が好適である。こうして得られた前駆
体を紡糸し、大気中にて500〜1100℃で焼成して
チタニアを主成分とする繊維状光触媒を得ることができ
る。500℃より低温ではアナターゼの結晶化が十分で
なく、1100℃以上ではアナターゼ相がルチル相に転
移するため好ましくない。
【0017】本発明の第三の工程では、ホーランダイト
化合物前駆体ゾルを繊維表面でゲル化させ焼結させるこ
とによりホーランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリ
ッド光触媒を得る。ゲル化は大気中の水蒸気による加水
分解縮合により行わせることができるので、ホーランダ
イト化合物前駆体ゾルを塗布した繊維を室温からゾル溶
液の溶媒の沸点より低い温度範囲で乾燥させることによ
り達成される。その後、大気中あるいは酸素ガス中で5
00〜1100℃まで1時間に50〜500℃で焼成
し、所定の温度で0.5〜10時間保持することにより
ホーランダイト化合物/チタニア繊維状ハイブリッド光
触媒が得られる。焼成温度が500℃より低温ではホー
ランダイト化合物の生成が十分ではなく、また1100
℃より高温ではチタニアの結晶相がアナターゼからルチ
ルに転換し始めるので好ましくない。
【0018】以上説明した方法によれば、ホーランダイ
ト化合物が、チタニアを主成分とする繊維状光触媒に対
して、1μm以下の薄膜として繊維状光触媒表面に担持
されていることを特徴とするホーランダイト化合物/チ
タニア繊維ハイブリッド光触媒が製造できる。
【0019】このようなホーランダイト化合物/チタニ
ア繊維ハイブリッド光触媒を自立型光触媒として充填
し、気相系環境浄化モジュールとすることができる。繊
維状光触媒の空間に充填する密度は10〜200mg/
cm3が好ましい。10mg/cm3以下では固定化が充
分行えず汚染物質の分解率も低く、また200mg/c
m3以上に充填することは困難である。
【0020】繊維状光触媒を低密度で充填する方法は、
繊維状光触媒を1〜10mmに切断して充填する。切断
しないで充填することもできるが均一な充填を行うため
には1〜10mmに切断することが好ましい。また1m
m以下ではアスペクト比が小さくなり低密度での充填が
できなくなり好ましくない。充填は切断した光触媒繊維
をそのまま充填してもよいが、必要によりモジュールの
形状が複雑である場合には、分散媒に分散させて行って
もよい。分散媒は水、エタノール、アセトンなどを用い
ることができる。また、前記充填を、あらかじめ切断し
た繊維を一般の抄紙する方法により不織布に成型し行う
ことができ、大面積の光触媒フィルターとして好適であ
る。
【0021】本発明の製造方法により、直径が2〜50
μmであり、0〜20mol%SiO2を含有したチタ
ニアを主成分とする繊維状光触媒の表面に、AxMyN
8-yO16(ここで、AはK、Na、Rbの中から選ばれ
る1種類の元素、MはFe、Ga、Zn、In、Cr、
Co、Mg、Al、Niから選ばれる1種類又は2種類
の元素、NはSn、Tiから選ばれる1種類又は2種類
の元素、1.5<x≦2、1.5<y≦2)で表される
組成式を有するホーランダイト型化合物が1μm以下の
薄膜として担持されていることを特徴とするホーランダ
イト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒が提供さ
れる。
【0022】アルコキシド法によれば、このホーランダ
イト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒では、図
1に示すように、ホーランダイト化合物が、チタニアを
主成分とする繊維状光触媒表面に、極めて均一に1μm
以下の薄膜として担持することができる。
【0023】本来、ホーランダイト化合物は、気相中や
水中に存在する環境汚染物質に対する分解除去機能がチ
タニア比し低く実用的ではないにもかかわらず、例えば
ペンタクロロフェノールなど芳香族系塩素化合物や1,
2,3,4,6,7,8−へプタクロロジベンゾパラダ
イオキシンなどダイオキシン類がホーランダイト化合物
表面に固体で担持された場合にはチタニア以上の効率で
分解、除去されることが明らかになっている。本発明の
ホーランダイト化合物/チタニア繊維状ハイブリッド光
触媒では、ホーランダイト化合物が、チタニアを主成分
とする繊維状光触媒表面に、極めて均一に1μm以下の
薄膜として担持されているために、この薄膜内あるいは
薄膜とチタニア表面間に有害物質がホーランダイト化合
物表面に固体で担持された場合と同様の効果を生ずる反
応場が形成されていることが推定される。
【0024】さらに、本発明の製造方法によれば、ホー
ランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒
は、本発明の第三の工程で、ホーランダイト化合物前駆
体ゾルを繊維表面でゲル化させ、大気中あるいは酸素ガ
ス中で500〜1100℃まで1時間に50〜500℃
で焼成し、所定の温度で0.5〜10時間保持すること
により得られる。チタニアは、一般的に低温で得られる
アナタ−ゼ型の結晶構造で高い有害物質の分解、除去機
能を有しており、本発明における前駆体法では600℃
が限界で、これ以上の高温では機能が低いルチル相へと
転換する。しかしながら、ホーランダイト化合物/チタ
ニア繊維ハイブリッドでは、1100℃までの焼成では
ルチル相が生成せず、しかも高温での熱処理によりアナ
ターゼの結晶化を十分進行させることができる。アナタ
−ゼ型結晶構造を有するチタニアの光触媒機能は結晶化
が高い場合ほど優れているといわれており、このように
チタニアを主成分とする光触媒の結晶構造を変えないで
広い温度範囲で焼結させることができたのは、ホーラン
ダイト化合物前駆体ゾル中に過剰に存在するアルカリ金
属のチタニア内への拡散によると推定される。
【0025】さらに、このようなにアルカリ金属のチタ
ニア内への拡散は、ホーランダイト化合物(光吸収端は
およそ340nm)とチタニア繊維(光吸収端はおよそ
390nm)の界面における光吸収を可視光にまで拡大
している可能性もある。以上により、ホーランダイト化
合物をチタニアを主成分とする繊維状光触媒にハイブリ
ッド化することにより、チタニア繊維自身が有する光触
媒機能の10倍以上の、すなわち微粉末光触媒と同等の
光触媒機能をもたせることができたと考えられる。
【0026】また本発明による上記ホーランダイト化合
物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒を用いた気相系環
境浄化モジュールは、繊維状自立型光触媒を低密度で空
間に固定化したものであり、バインダーを用いる必要が
なく、光触媒微粉末が持つ光触媒機能を損なうことなく
発揮させることができるという考えに基づいている。例
えば、図2に示すように、同じ強度の光照射の条件で、
チタニア繊維光触媒をバインダーを用いることなく空間
に適当な空間密度で充填し固定化したモジュールでは、
シリカガラス板上にスパッター法で作製したチタニア薄
膜を内包させたモジュールの10倍以上の性能をもたせ
ることができたのである。こうして、本発明により従来
型の100倍近い有害物質の浄化効率を有する気相系環
境浄化モジュールを実現できる。
【0027】さらに繊維状光触媒は空間に10〜200
mg/cm3という低密度で均一に充填することができ
るため、光をモジュールの表面だけではなく内部でも利
用でき、しかも大流量で気体を流すことができるため、
気相中の有害物質を高効率で大量に浄化することが可能
となる。このような光の有効利用は固定化光触媒では不
可能であった。また繊維状光触媒は直径が2〜50μm
であるために、空間に低密度で固定できるばかりでな
く、その絡み合いを利用して種々の形態に整形でき、不
織布としてフィルター化することにより、交換が容易な
形態となり、極めて簡便な小型のモジュール化が可能と
なるため、高性能な環境浄化システムの構築にとっては
有利である。本発明のSiO2含有チタニア繊維は弾性
率が低く、そのためしなやかで取り扱い性に優れている
ことは、不織布などへの加工には必要不可欠である。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1)チタンテトライソプロポキシドに当量のβ
−ジケトンであるエチルアセトアセテートを加え、これ
をエタノールで希釈した後、塩酸とエタノールの混合液
を滴下しながら1時間攪拌した。その後ロータリーエバ
ポレーターにて減圧下で濃縮を行い、チタニアの前駆体
である無機高分子を得た。この前駆体を紡糸した後、大
気中で1時間に100℃の昇温速度で500℃あるいは
900℃まで加熱し、1時間保持して直径約6μmから
30μmの繊維状チタニア光触媒を得た。
【0029】次に、ホーランダイト化合物前駆体ゾルと
してK2Ga2Sn6O32前駆体ゾルの調製を、i−プロ
ポキシカリウム、トリ−i−プロポキシガリウム、テト
ラ−i−プロポキシスズをそれぞれ3モル、1モル、3
モルの比で適当量のイソプロパノールに溶解し、さらに
全アルコキシドと等モルのアセト酢酸エチルと2倍モル
のエタノールを加えた後、さらに触媒量の6M塩酸を含
むエタノールの混合溶液を滴下してK2Ga2Sn6O16
前駆体ゾルを、K2Ga2Sn6O16として2.5重量%
の濃度になるよう調整した。
【0030】次にK2Ga2Sn6O16前駆体ゾル5.4
4gをチタニア繊維315mgに含浸し、100℃で2
時間乾燥してK2Ga2Sn6O16前駆体ゲルをチタニア
繊維にコーティングし、その後、大気中、500〜12
00℃で1時間焼成してK2Ga2Sn6O16/チタニア
繊維を合成した。各繊維のX線回折の結果から、チタニ
ア繊維が、低温では結晶性が低い、高温では結晶化が進
んだアナタ−ゼ型の、K2Ga2Sn6O16でコーティン
グされたK2Ga2Sn6O16/チタニア繊維であること
が確認されたが、1100℃ではルチル相がわずかに認
められる程度であったが、1200℃ではルチル相が顕
著になった。
【0031】これらの繊維、および、比較用として50
0℃と900℃で焼成したチタニア繊維と標準的チタニ
ア光触媒微粉末であるP−25を、内径8mm、長さ2
5mmの石英ガラス管に空間密度32mg/cm3で充
填しモジュール化した。繊維状光触媒は約5mmの長さ
に切断して充填した。P−25は、カラム中に固定化で
きないので薄く広げて使用した。
【0032】これらのモジュール内へ104ppmのト
リクロロエチレン(TCE)を種々の流速で、1%の酸
素を混合して流しながらブラックライトで波長310〜
400nm、強度1.3mW/cm2の紫外線を照射
し、TCEの分解速度をガスクロマトグラフで測定し
た。その結果、図3に示すように、本モジュールはすべ
ての焼成温度でチタニア繊維の性能を凌ぐ性能が得ら
れ、特に焼成温度が900〜1100℃で、P−25と
同等以上の性能が得られた。
【0033】(実施例2)チタンテトライソプロポキシ
ド1molに対してテトラエトキシシランを0.05、
0.10モルの割合でそれぞれ加えた混合アルコキシド
に、アルコキシドと当量のβ−ジケトンであるエチルア
セトアセテートをそれぞれ加え、これらをエタノールで
希釈した後、塩酸とエタノールの混合液を滴下しながら
1時間攪拌した。その後ロータリーエバポレーターにて
減圧下で濃縮を行い、チタニアを主成分とする光触媒繊
維の前駆体である無機高分子を4種類得た。これら前駆
体をそれぞれ紡糸した後、大気中で1時間に100℃の
昇温速度で500、600、700、800、900℃
まで加熱し、所定の温度で1時間保持して直径約6μm
から12μmのアナタ−ゼ相のチタニアを主成分とする
繊維状光触媒を得た。SiO2含有率が高い繊維ほどヤ
ング率が低く、しなやかで取り扱い易い繊維であった。
【0034】これらの繊維を32mg/cm3の充填密
度でモジュール化し実施例1と同様の方法でTCEの分
解率を測定した結果、900℃で焼結した5mol%の
SiO2を含有する繊維でも、チタニア繊維とほぼ同等
の0.256nmol/sのTCE分解率を示したの
で、この繊維に実施例1と同様の方法で1000℃でK
2Ga2Sn6O16でコーティングを施し、5〜10mm
に切断し、エタノール中に分散して抄紙法により厚さ約
1mmの不織布とした。この不織布からの繊維の脱離は
ほとんどなく、これを丸めて、内径8mm、長さ25m
mの石英ガラス管に空間密度128mg/cm3で充填
しモジュール化した。実施例1と同様の方法でTCEの
分解を行ったところ46nmol/sの分解速度が得ら
れ、これは薄膜を用いたモジュールの約96倍の分解効
率であった。
【0035】(実施例3)実施例1で、焼成温度800
℃で得られたK2Ga2Sn6O16/チタニア繊維を用
い、これを約1〜3mmに切断し、適量の水に分散し、
実施例1と同様のカラムに充填してモジュール化したと
ころ、198mg/cm3の充填密度が得られた。実施
例1と同様の方法でTCEの分解を行ったところ62n
mol/sの分解速度が得られ、これは薄膜を用いたモ
ジュールの約130倍の分解効率であった。
【0036】(実施例4)実施例1でテトラ−i−プロ
ポキシスズの代わりにテトラ−i−プロポキシチタンを
用い、た以外は、実施例1と同様の方法で、K1.6Ga
1.6Ti6.4O16前駆体ゾルを調製し、800℃で焼成し
てK1.6Ga1.6Ti6.4O16/チタニア繊維を得た。こ
れを約5mmに切断し、適量の水に分散し、実施例1と
同様のカラムに充填してモジュール化したところ、12
0mg/cm3の充填密度が得られた。実施例1と同様
の方法でTCEの分解を行ったところ58nmol/s
の分解速度が得られ、これは薄膜を用いたモジュールの
約120倍の分解効率であった。
【0037】(実施例5)実施例3と同様に、900℃
で焼成したK1.6Ga1.6Ti6.4O16/チタニア繊維を
124mg/cm3の充填密度でモジュール化した。実
施例1と同様の方法でモジュール内へ102ppmのエ
タンを流しながら分解を行ったところ、8.3×10-3
nmol/sの分解速度が得られた。これは薄膜を用い
たモジュールの約80倍の分解効率であった。
【0038】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によればホー
ランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒を
空間に低密度で固定化することにより、従来の気相系環
境浄化モジュールの性能の100倍以上の高性能気相系
環境浄化モジュールを得ることができる。しかもSiO
2を含有したTiO2−SiO2繊維はしなやかで取り扱
い性に優れているため不織布等に加工しやすく、より複
雑、大形状のモジュールとすることができる。このよう
なバインダーなどを用いて固定化する必要がない、いわ
ゆる自立型光触媒である繊維状光触媒は低コストであ
り、容易にモジュール化できるので、実用的なエネルギ
ーミニマム型環境浄化システムの開発を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】K2Ga2Sn6O32/チタニア繊維のSEM写
真である。
【図2】チタニア薄膜、P−25およびチタニア繊維を
充填したモジュールのチタニア充填密度とTCE分解速
度の関係である。
【図3】P−25、チタニア繊維、K2Ga2Sn6O32
/チタニア繊維のTCE分解速度の比較である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月22日(2001.11.
22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/06 B01J 37/03 A 37/03 B01D 53/36 J (72)発明者 南条 吉保 茨城県水戸市堀町1044番地 株式会社化研 内 (72)発明者 森 利之 茨城県つくば市並木1−1 独立行政法人 物質・材料研究機構物質研究所内 (72)発明者 渡辺 遵 茨城県つくば市並木1−1 独立行政法人 物質・材料研究機構物質研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA11 AA21 BA01Y BA03Y BA06Y BA07X BA14X BA16Y BA17X BA17Y BA21X BA25Y BA36Y BA37Y BA38Y BA41X BA42X BB08 CA03 CA10 EA01 4G069 AA03 AA08 AA11 BA02A BA04A BA04B BA48A BB06A BB06B BC02A BC03A BC03B BC05A BC10A BC16A BC17A BC17B BC18A BC22B BC35A BC50B BC58A BC66A BC67A BC68A CA19 DA06 EA03X EA03Y EA09 EB14X EB14Y EB15X EB15Y EC21X EC21Y EC22X EC22Y FA01 FA03 FB06 FB08 FB23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタニアを主成分とする繊維状光触媒の
    表面にホーランダイト型化合物を薄膜状に担持すること
    を特徴とする、ホーランダイト化合物/チタニア繊維ハ
    イブリッド光触媒。
  2. 【請求項2】 チタニアを主成分とする繊維状光触媒の
    直径が2〜50μmであることを特徴とする請求項1に
    記載のホーランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッ
    ド光触媒。
  3. 【請求項3】 チタニアを主成分とする繊維状光触媒が
    0〜20mol%SiO2を含有したチタニアであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のホーランダイ
    ト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒。
  4. 【請求項4】 ホーランダイト型化合物が、AxMyN
    8-yO16(ここで、AはK、Na、Rbの中から選ばれ
    る1種類の元素、MはFe、Ga、Zn、In、Cr、
    Co、Mg、Al、Niから選ばれる1種類又は2種類
    の元素、NはSn、Tiから選ばれる1種類又は2種類
    の元素、1.5<x≦2、1.5<y≦2)で表される
    組成式を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載のホーランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリ
    ッド光触媒。
  5. 【請求項5】 ホーランダイト化合物/チタニア繊維ハ
    イブリッド光触媒を製造する方法であって、請求項4に
    記載のホーランダイト化合物前駆体ゾルを製造する第一
    の工程と、ホーランダイト化合物前駆体ゾルをチタニア
    を主成分とする繊維状光触媒に塗布する第二の工程と、
    ホーランダイト化合物前駆体ゾルを繊維表面でゲル化さ
    せ焼結させる第三の工程とを有することを特徴とするホ
    ーランダイト化合物/チタニア繊維ハイブリッド光触媒
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ホーランダイト化合物が、チタニアを主
    成分とする繊維状光触媒に対して、1μm以下の薄膜と
    して繊維状光触媒表面に担持されていることを特徴とす
    る請求項5に記載のホーランダイト化合物/チタニア繊
    維ハイブリッド光触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のホーランダイト化合物
    /チタニア繊維ハイブリッド光触媒を、バインダーを用
    いることなく空間に低密度で固定化することを特徴とす
    る気相系環境浄化モジュール。
  8. 【請求項8】 モジュール内のホーランダイト化合物/
    チタニア繊維ハイブリッド光触媒の空間密度が10〜2
    00mg/cm3で充填されていること特徴とする請求
    項8に記載の気相系環境浄化モジュール。
  9. 【請求項9】 ホーランダイト化合物/チタニア繊維ハ
    イブリッド光触媒が1〜10mmに切断され、必要に応
    じて抄紙して不織布として充填されていることを特徴と
    する請求項8または9に記載の気相系環境浄化モジュー
    ル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008222654A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Nissan Chem Ind Ltd ビタミンb12−チタニアハイブリッド化合物および脱ハロゲン化触媒
CN103592402A (zh) * 2013-11-07 2014-02-19 苏州浩波科技股份有限公司 4-氯代乙酰乙酸乙酯中2-氯代乙酰乙酸乙酯的检测方法

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