JP2003153432A - 電気/電子部品の熱保護制御装置 - Google Patents

電気/電子部品の熱保護制御装置

Info

Publication number
JP2003153432A
JP2003153432A JP2001349981A JP2001349981A JP2003153432A JP 2003153432 A JP2003153432 A JP 2003153432A JP 2001349981 A JP2001349981 A JP 2001349981A JP 2001349981 A JP2001349981 A JP 2001349981A JP 2003153432 A JP2003153432 A JP 2003153432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
electric
thermal protection
electronic component
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001349981A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoyuki Taguchi
仁幸 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alpine Electronics Inc
Original Assignee
Alpine Electronics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alpine Electronics Inc filed Critical Alpine Electronics Inc
Priority to JP2001349981A priority Critical patent/JP2003153432A/ja
Publication of JP2003153432A publication Critical patent/JP2003153432A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱保護制御のための検出レベルを常に最適な
値とすると共に、検出速度のずれを小さくし、迅速な熱
保護に寄与することを目的とする。 【解決手段】 電気/電子部品に熱結合された温度セン
サ21と、周囲温度を検出する温度センサ22と、制御
部23とを備え、各温度センサ21,22により検出さ
れた電気/電子部品の温度(An)と周囲温度(Bn)
とに基づいて、熱保護制御のための検出レベルをデジタ
ル処理により動的に変化させて補正し、電気/電子部品
の温度(An)が該補正された検出レベルを超えたとき
に、熱保護回路を機能させる制御信号CSを出力し、当
該電気/電子部品の動作を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気/電子部品の
熱保護を制御する技術に係り、特に、電気/電子部品の
動作を停止させるか否かを検出するためのしきい値(検
出レベル)を最適化するのに適応された熱保護制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱検出を行う方法や手段には様々
な形態があるが、いずれの形態においても、熱を検出す
る素子(温度センサ、感熱センサ等)は、熱検出対象と
する電気/電子部品の近傍に配設されている(つまり、
熱結合されている)。そして、電気/電子部品の動作中
の温度が規定の温度を超えたときに当該電気/電子部品
の動作を停止させる(シャットダウン制御)など、必要
な熱保護を行うための回路が設けられている。
【0003】図1は熱検出対象とする電気/電子部品の
熱保護を行う回路の一構成例を示したものである。
【0004】図1において、1及び2はそれぞれ熱検出
対象としての電子部品(電界効果トランジスタ(FE
T))、3は同じく熱検出対象としての電気部品(変圧
器)を示し、これら電気/電子部品1〜3は、熱保護さ
れるべき被保護回路の一部を構成している。図示の例で
は、この被保護回路は電源回路を構成し、FET1,2
と変圧器3の一次巻線は直列に且つループ状に接続され
ており、FET1とFET2との接続点は接地され、変
圧器3の一次巻線の中点は規定レベルVBの電源ライン
に接続されている。
【0005】一方、10は熱保護回路を示し、npn型
トランジスタ11と、pnp型トランジスタ12と、キ
ャパシタ13と、抵抗器14と、パルス幅変調(PW
M)コントローラ15とを備えて構成されている。トラ
ンジスタ11は制御信号CSに応答し、そのエミッタは
接地され、そのコレクタはトランジスタ12のベースに
接続されている。トランジスタ12のエミッタは規定レ
ベルVAの電源ラインに接続され、そのコレクタは、キ
ャパシタ13と抵抗器14との接続点に接続されると共
に、PWMコントローラ15の制御入力端に接続されて
いる。キャパシタ13及び抵抗器14は、規定レベルV
Aの電源ラインとグランドラインとの間に直列に接続さ
れている。PWMコントローラ15は、その制御入力端
に入力信号を受けていないときにPWM制御を行い、こ
のときFET1,2は交互にオン/オフ動作を行ってい
る。一方、PWMコントローラ15の制御入力端に規定
レベルの信号が入力されると、PWM制御は停止され、
これを受けてFET1,2も動作を停止する。
【0006】かかる構成において、制御信号CSが論理
的に低レベル(“L”レベル)にあるとき、トランジス
タ11はオフ状態にあり、そのためトランジスタ12の
ベース電位はフローティング状態となるので、トランジ
スタ12もオフ状態にある。従って、PWMコントロー
ラ15の制御入力電位がグランドレベルとなるため、P
WM制御が行われ、被保護回路(FET1,2、変圧器
3など)は正常に動作している。
【0007】一方、制御信号CSが論理的に高レベル
(“H”レベル)になると、トランジスタ11はオン
し、これによってトランジスタ12のベース電位がグラ
ンドレベル近傍にひき下げられるので、トランジスタ1
2もオンする。従って、PWMコントローラ15の制御
入力端には、オン状態のトランジスタ12を介して規定
レベルVAの信号が入力されるので、PWM制御が停止
され、被保護回路の動作が停止(つまり熱保護)され
る。つまり熱保護回路10は、外部から入力される制御
信号CSが“H”レベルのときに、熱保護されるべき電
気/電子部品1〜3の動作を停止させる。
【0008】かかる熱保護回路10の動作を制御するた
めの回路構成としては、例えば、図2及び図3に示すよ
うな制御回路が用いられる。
【0009】図2はサーミスタの抵抗温度特性を利用し
て熱保護制御を行う回路の一構成例をその特性グラフと
共に示したものである。
【0010】図2(a)に示す制御回路は、サーミスタ
THと、抵抗器Rと、npn型トランジスタTR1と、
pnp型トランジスタTR2とを備えて構成されてい
る。サーミスタTH及び抵抗器Rは、規定レベルVCの
電源ラインとグランドラインとの間に直列に接続されて
いる。トランジスタTR1のエミッタは接地され、その
ベースはサーミスタTHと抵抗器Rとの接続点に接続さ
れ、そのコレクタはトランジスタTR2のベースに接続
されている。トランジスタTR2のエミッタは規定レベ
ルVCの電源ラインに接続され、そのコレクタから、熱
保護回路10の動作を制御するための制御信号CSが取
り出される。熱検出素子として用いられるサーミスタT
Hは、熱検出対象とする電気/電子部品の近傍、例え
ば、図1において○で囲まれたAの部分又はBの部分に
配設される。
【0011】この制御回路では、図2(b)に示すよう
にサーミスタTHの抵抗値が温度の上昇に応じて低下す
る性質を利用し、規定の温度を超えたときにトランジス
タTR1をオンにし、さらにトランジスタTR2をオン
にすることで、制御信号CSを規定レベルVC(“H”
レベル)とし、それによって熱保護回路10を機能させ
るようにしている。
【0012】一方、図3はトランジスタのベース・エミ
ッタ間電圧の温度依存性を利用して熱保護制御を行う回
路の一構成例をその特性グラフと共に示したものであ
る。
【0013】図3(a)に示す制御回路は、pnp型ト
ランジスタTRと、抵抗器R1,R2及びR3とを備え
て構成されている。抵抗器R1及びR2は、規定レベル
VCの電源ラインとグランドラインとの間に直列に接続
されている。トランジスタTRのエミッタは規定レベル
VCの電源ラインに接続され、そのベースは抵抗器R1
とR2との接続点に接続され、そのコレクタから、抵抗
器R3を介して制御信号CSが取り出される。熱検出素
子として用いられるトランジスタTRは、同様にして、
熱検出対象とする電気/電子部品の近傍に配設される。
【0014】この制御回路では、図3(b)に示すよう
に同じ出力電流Icに対し温度の上昇に応じてベース・
エミッタ間電圧VBEが低下する性質を利用し、規定の温
度を超えたときにトランジスタTRをオンにすること
で、制御信号CSを規定レベルVC(“H”レベル)と
し、それによって熱保護回路10を機能させるようにし
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように熱検出
を行ういずれの形態においても、熱検出対象(電気/電
子部品)と熱検出素子(温度センサ等)とは互いに熱結
合されている。熱結合には様々な形態があり、例えば、
空気のみを媒体としている場合もあれば、後述するよう
にモールド樹脂部やヒートシンク等を媒体としている場
合もある。このため、熱検出対象が急激な温度上昇を起
こした場合には、熱結合の形態の違いに起因して、その
温度検出に時間的なずれ(検出速度のずれ)が生じる。
【0016】例えば、FET等の半導体素子(熱検出対
象)がパッケージの形態でモールディングされている場
合に、その半導体素子の動作中に発生される熱(主とし
てpn接合部で発生する熱)はモールド樹脂部を介して
パッケージ外部に伝達されることになる。従って、この
パッケージの近傍に設けた温度センサを用いて熱検出対
象の温度を検出するとき、その熱検出対象の温度変化が
パッケージのモールド樹脂部を介して温度センサに伝わ
るため、温度が急激に上昇してもその温度上昇を直ちに
検出することができず、検出速度のずれが生じる。この
ような検出速度のずれは、パッケージ内部からの熱を放
熱するためのヒートシンクを備えている場合には、熱検
出対象の温度変化がモールド樹脂部のみならずヒートシ
ンクをも介して温度センサに伝わるため、一層顕著に現
れる。
【0017】一方、温度上昇が急激な場合の検出速度の
ずれを補正しようとすると、従来の方法では、電気/電
子部品の動作中の温度が規定の温度を超えているか否か
を検出するためのしきい値、すなわち、当該電気/電子
部品の動作を停止させるか否かを検出するためのしきい
値(以下、単に「検出レベル」ともいう。)を相対的に
下げることが考えられる。
【0018】しかしこの方法では、逆に、温度上昇が緩
やかな場合には本来意図していない低い温度で「温度上
昇検出」を行ってしまうことになり、好適な方法とは言
えない。つまり、温度上昇が急激な場合と緩やかな場合
のいずれに対しても検出レベルを最適な値に設定するの
が困難であるといった課題があった。
【0019】また、従来の技術では、サーミスタの抵抗
温度特性(図2)やトランジスタのベース・エミッタ間
電圧VBEの温度依存性(図3)を利用したアナログ制御
回路を用いていたため、熱検出対象の検出温度(の信
号)を入力してから最終的に熱保護回路を機能させる制
御信号CSを出力するまでに相当の時間を要し、検出応
答性がそれほど良くない(つまり検出速度のずれが大き
い)といった問題があった。
【0020】このため、熱検出対象の上昇した温度を下
げるための制御を行う場合にも、熱検出対象の温度が規
定の温度以下に達するまでに相当の時間がかかってしま
い、その結果、熱保護を迅速に行えないといった不都合
があった。
【0021】本発明は、かかる従来技術における課題に
鑑み創作されたもので、熱保護制御のための検出レベル
を常に最適な値とすると共に、検出速度のずれを小さく
し、ひいては迅速な熱保護に寄与することができる電気
/電子部品の熱保護制御装置を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の課題
を解決するため、本発明によれば、電気/電子部品の動
作中の温度が規定の温度を超えたときに該電気/電子部
品の動作を停止させる機能を備えた熱保護回路の動作を
制御する装置であって、前記電気/電子部品に熱結合し
て配設された第1の温度センサと、周囲温度を検出する
第2の温度センサと、前記熱保護回路を機能させる制御
信号を出力する制御部とを備え、該制御部は、前記第1
の温度センサ及び第2の温度センサによりそれぞれ検出
された前記電気/電子部品の温度及び周囲温度に基づい
て、前記規定の温度に相当する熱保護制御のための検出
レベルをデジタル処理により動的に変化させて補正し、
該電気/電子部品の温度が該補正された検出レベルを超
えたときに前記制御信号を出力することを特徴とする電
気/電子部品の熱保護制御装置が提供される。
【0023】本発明に係る熱保護制御装置によれば、第
1,第2の各温度センサにより検出された電気/電子部
品の温度と周囲温度とに基づいて、制御部によるデジタ
ル処理により、熱保護回路の動作を制御するための検出
レベル(すなわち、当該電気/電子部品の動作を停止さ
せるか否かを検出するためのしきい値)を動的に変化さ
せて補正し、当該電気/電子部品の温度がこの補正され
た検出レベルを超えたときに、熱保護回路を機能させる
制御信号を出力するようにしている。
【0024】検出レベルを動的に補正する処理の一形態
としては、電気/電子部品の検出温度の周囲温度に対す
る差分を演算し、該演算された差分の単位時間あたりの
変化分が増加しているか否かを判定し、該判定された結
果に基づいて前記変化分が増加しているときに前記検出
レベルを動的に変化させるようにしてもよい。
【0025】また、他の形態としては、電気/電子部品
の検出温度の単位時間あたりの第1の差分及び周囲温度
の単位時間あたりの第2の差分を演算し、該演算された
第1の差分の第2の差分に対する比率を演算し、該演算
された結果に応じて前記検出レベルを動的に変化させる
ようにしてもよい。
【0026】このように、電気/電子部品の検出温度と
周囲温度の2つの温度データに基づいて、電気/電子部
品の動作を停止させるか否かを検出するためのしきい値
である検出レベルを動的に補正しているので、従来のよ
うに温度上昇が急激な場合と緩やかな場合のいずれに対
しても検出レベルを最適な値に設定するのが困難である
といった不都合を招くことなく、熱保護制御のための検
出レベルを常に最適な値とすることができる。
【0027】また、電気/電子部品の検出温度(の信
号)を入力してから最終的に熱保護回路を機能させる制
御信号を出力するまでの処理は、制御部によるデジタル
処理に基づいて行われるので、従来技術(図2,図3)
に見られたようなサーミスタの抵抗温度特性やトランジ
スタのベース・エミッタ間電圧VBEの温度依存性を利用
して制御信号を出力する構成と比べて、検出応答性を向
上させることができる。これによって、検出速度のずれ
が小さくなり、被保護対象である電気/電子部品の熱保
護を迅速に行うことが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】図4は本発明の一実施形態に係る
電気/電子部品の熱保護制御装置の構成を概略的に示し
たものである。
【0029】本実施形態に係る熱保護制御装置20は、
例えば図1に例示したような熱保護回路10の動作を制
御するのに供され、熱検出対象とする電子部品(図1の
FET2)や電気部品(図1の変圧器3)から発生され
る熱(すなわち、動作中の温度)が規定の温度を超えた
ときに熱保護回路10を機能させ、当該電気/電子部品
の動作を停止させるものである。
【0030】熱保護制御装置20において、21は熱検
出対象とする電気/電子部品の動作中の温度を検出する
ための温度センサ、22は周囲温度を検出するための温
度センサを示す。温度センサ21は、当該電気/電子部
品の近傍に(つまり熱結合して)配設されている。例え
ば、FET等の熱検出対象部品がパッケージの形態でモ
ールディングされ、ヒートシンク上に配設されている場
合に、ヒートシンク上で当該部品の近傍に温度センサ2
1を金属製のブラケットで固定支持することにより、温
度センサ21と当該部品とは互いに熱結合される。
【0031】また、23はマイクロコンピュータ等によ
り構成された制御部を示し、この制御部23は、各温度
センサ21,22によりそれぞれ検出された対象部品の
検出温度(An)と周囲温度(Bn)とに基づいて、熱
保護回路10の動作を制御するための処理(すなわち、
熱保護回路10を機能させる制御信号CSをどのような
温度条件の下で出力するかについての各種演算、判定等
の処理)を行う機能を有している。制御部23は、後述
するように、そのデジタル処理により、各検出温度(A
n,Bn)に基づいて熱保護制御のための検出レベルを
動的に変化させて補正し、対象部品の検出温度(An)
がその補正された検出レベルを超えたときに制御信号C
Sを出力する。この制御部23が行う熱保護制御のため
の検出レベルを動的に補正する処理の方法については、
後で詳述する。
【0032】また、24はRAM等により構成された温
度データ格納部を示し、この温度データ格納部24に
は、制御部23からの制御に基づいて、各温度センサ2
1,22によりそれぞれ検出された対象部品の検出温度
及び周囲温度をそれぞれ指示するデータAn及びBnが
格納される。同様に、25はRAM等により構成された
温度差分データ格納部を示し、この温度差分データ格納
部25には、制御部23からの制御に基づいて、対象部
品の検出温度(An)の周囲温度(Bn)に対する差分
を指示するデータN(=An−Bn)、対象部品の検出
温度(An)の前回の温度に対する差分を指示するデー
タΔAn、及び、周囲温度(Bn)の前回の温度に対す
る差分を指示するデータΔBnが格納される。
【0033】また、26は温度センサ21で検出された
信号を後段の制御部23が所定のデジタル処理を行える
程度に十分なレベルまで増幅するアンプ、27は同様に
温度センサ22で検出された信号を制御部23にとって
十分なレベルまで増幅するアンプ、28はアンプ26を
介して増幅された信号(アナログ信号)をデジタル化し
て制御部23に接続するインタフェース(I/F)、2
9は同様にアンプ27を介して増幅された信号(アナロ
グ信号)をデジタル化して制御部23に接続するインタ
フェース(I/F)を示す。なお、アンプ26,27に
ついては、各温度センサ21,22で検出された信号が
制御部23にとって十分なレベルを有している場合に
は、必ずしも設ける必要はない。
【0034】以下、本実施形態に係る熱保護制御装置2
0において制御部23が行う熱保護制御に係る処理(検
出レベルを動的に補正する処理)について、その処理フ
ローの一例を表した図5を参照しながら説明する。
【0035】先ずステップS1では、初期状態として、
制御部23は“L”レベルの制御信号CSを出力してい
るものとする。このとき、図1に関連して説明したよう
に、熱保護回路10は機能しないため、熱検出対象であ
る電気/電子部品(図1のFET1,2、変圧器3)は
正常に動作している。
【0036】次のステップS2では、温度センサ21で
検出された対象部品の温度(An)を指示するデータを
アンプ26及びインタフェース28を介して取り込む。
このとき、取り込まれた対象部品の検出温度を指示する
データAnは、温度データ格納部24にいったん格納さ
れる。
【0037】次のステップS3では、温度センサ22で
検出された周囲温度(Bn)を指示するデータをアンプ
27及びインタフェース29を介して取り込む。このと
き、取り込まれた周囲温度を指示するデータBnは、温
度データ格納部24にいったん格納される。
【0038】次のステップS4では、制御部23が、温
度データ格納部24に格納されているデータを参照し
て、対象部品の検出温度(An)が規定の温度(例え
ば、150℃)以上である(YES)か否(NO)かを
判定する。判定結果がYESの場合にはステップS13
にスキップし、判定結果がNOの場合にはステップS5
に進む。
【0039】次のステップS5では、制御部23が、温
度データ格納部24に格納されているデータを参照し
て、周囲温度(Bn)が規定の温度(例えば、85℃)
以上である(YES)か否(NO)かを判定する。判定
結果がYESの場合にはステップS13にスキップし、
判定結果がNOの場合にはステップS6に進む。
【0040】次のステップS6では、制御部23が、温
度データ格納部24に格納されているデータを参照し
て、対象部品の検出温度(An)の周囲温度(Bn)に
対する温度差分(N=An−Bn)を演算する。この演
算された温度差分を指示するデータNは、温度差分デー
タ格納部25にいったん格納される。
【0041】次のステップS7では、制御部23が、温
度差分データ格納部25に格納されているデータを参照
して、1回前の温度差分データN’(つまり、前回のサ
ンプリング時に取り込まれた対象部品の温度データA
n’と周囲温度データBn’との差分を指示するデー
タ)を読み出す。この時点では、温度差分データ格納部
25には前回の温度差分データN’は未だ取り込まれて
いないため、N’の値として“0”を読み出す。
【0042】次のステップS8では、演算された温度差
分データNと読み出された1回前の温度差分データN’
との差分α(=N−N’)を演算する。
【0043】次のステップS9では、演算された差分α
の値が正である(YES)か否(NO)か、言い換える
と、演算された温度差分(N)の単位時間あたりの変化
分が増加しているか否かを判定する。判定結果がYES
の場合にはステップS10に進み、判定結果がNOの場
合にはステップS11にスキップする。
【0044】ステップS10では(温度差分(N)の単
位時間あたりの変化分が増加している場合)、予め規定
した150℃という判定値(検出レベル)に対してその
変化分に応じた補正を行い、その検出レベルを変化させ
る(つまり、検出レベルを補正する)。本実施形態で
は、当初の検出レベル(150℃)に所定の補正係数C
を乗算し、差分αで除算して得られた値(C*150/
α)を補正検出レベルとしている。
【0045】さらに、対象部品の検出温度(An)が補
正検出レベル(C*150/α)以上である(YES)
か否(NO)かを判定し、判定結果がYESの場合には
ステップS13にスキップし、判定結果がNOの場合に
はステップS11に進む。
【0046】次のステップS11では(温度差分(N)
の単位時間あたりの変化分が0であるか又は減少してい
る場合、あるいは対象部品の検出温度(An)が補正検
出レベル(C*150/α)未満である場合)、制御部
23が、温度データ格納部24にいったん格納された対
象部品の温度データAn及び周囲温度データBnを、そ
れぞれ1回前の温度データAn’及びBn’として置き
換える処理(データ更新)を行う。
【0047】次のステップS12では、制御部23が、
温度データ格納部24に格納されているデータを参照し
て、対象部品の検出温度(An’)の周囲温度(B
n’)に対する温度差分(N’=An’−Bn’)を演
算する。この演算された温度差分を指示するデータN’
は、1回前の温度差分データとして、温度差分データ格
納部25に格納される。この後、ステップS2に戻って
上記の処理を繰り返す。
【0048】最後のステップS13では(ステップS
4、ステップS5又はステップS10において判定結果
がYESの場合)、制御部23は“H”レベルの制御信
号CSを出力する。これによって、熱保護回路10は機
能し、熱検出対象である電気/電子部品の動作が停止さ
れる。この後、本処理フローは「エンド」となる。
【0049】以上説明したように、本実施形態に係る熱
保護制御装置20において制御部23が行う熱保護制御
処理(図5の処理フロー)によれば、温度センサ21に
より検出された対象部品の検出温度(An)と温度セン
サ22により検出された周囲温度(Bn)とに基づい
て、対象部品の検出温度(An)の周囲温度(Bn)に
対する温度差分(N)を演算し、この演算された温度差
分の単位時間あたりの変化分(差分α)が増加している
か否かを判定し、この判定された結果に基づいて前記変
化分が増加しているときに、熱保護制御のための検出レ
ベルを動的に変化させて補正している。そして、対象部
品の検出温度(An)がこの補正された検出レベルを超
えたときに、熱保護回路10を機能させる“H”レベル
の制御信号CSを出力するようにしている。
【0050】このように、対象部品の検出温度(An)
と周囲温度(Bn)の2つの温度データに基づいて、対
象部品の動作を停止させるか否かのしきい値である検出
レベルを動的に補正しているので、従来のように温度上
昇が急激な場合と緩やかな場合のいずれに対しても検出
レベルを最適な値に設定するのが困難であるといった不
都合を招くことなく、熱保護制御のための検出レベルを
常に最適な値とすることができる。
【0051】また、対象部品の検出温度データAnを入
力してから最終的に熱保護回路10を機能させる制御信
号CSを出力するまでの処理は、制御部23によるデジ
タル処理に基づいて行われるので、従来技術(図2,図
3)に見られたようなサーミスタの抵抗温度特性やトラ
ンジスタのベース・エミッタ間電圧VBEの温度依存性を
利用して制御信号を出力する構成と比べて、検出応答性
を向上させることができる。その結果、検出速度のずれ
が小さくなり、対象部品の熱保護を迅速に行うことがで
きる。
【0052】次に、本実施形態に係る熱保護制御装置2
0において制御部23が行う熱保護制御処理の他の例に
ついて、その処理フローを表した図6を参照しながら説
明する。
【0053】図6に示す処理フローにおいて、ステップ
S21〜S25で行う処理については、図5のステップ
S1〜S5で行った処理と同じであるので、その説明は
省略する。
【0054】図6に示す処理フローでは、ステップS2
1〜S25(図5のステップS1〜S5)の処理を行っ
た後、ステップS26では、制御部23が、温度データ
格納部24に格納されているデータを参照して、1回前
の温度データ(つまり、前回のサンプリング時に取り込
まれた対象部品の温度データAn’と周囲温度データB
n’)を読み出す。この時点では、温度データ格納部2
4には前回の温度データAn’,Bn’は未だ取り込ま
れていないため、An’,Bn’の値としてそれぞれ
“0”を読み出す。
【0055】次のステップS27では、制御部23が、
温度データ格納部24に格納されているデータを参照し
て、検出された対象部品の検出温度(An)の単位時間
あたりの温度差分、すなわち対象部品の検出温度(A
n)の前回の温度(An’)に対する温度差分(ΔAn
=An−An’)と、検出された周囲温度(Bn)の単
位時間あたりの温度差分、すなわち周囲温度(Bn)の
前回の温度(Bn’)に対する温度差分(ΔBn=Bn
−Bn’)とを演算する。この演算された温度差分を指
示するデータΔAn及びΔBnは、温度差分データ格納
部25にいったん格納される。
【0056】次のステップS28では、制御部23が、
温度差分データ格納部25に格納されているデータを参
照して、対象部品の検出温度の差分データΔAnの周囲
温度の差分データΔBnに対する比率β(=ΔAn/Δ
Bn)を演算する。
【0057】次のステップS29では、演算された比率
βの値が必ずしも正(+)とは限らないので、βの値の
絶対値を求め、求めた値をkとする。
【0058】次のステップS30では、図5のステップ
S10で行った処理と同様にして、予め規定した150
℃という検出レベルに対して比率βの大きさ(kの値)
に応じた補正を行い、その検出レベルを変化させる。本
実施形態では、当初の検出レベル(150℃)に所定の
補正係数Cを乗算し、比率βの大きさ(kの値)で除算
して得られた値(C*150/k)を補正検出レベルと
している。
【0059】さらに、対象部品の検出温度(An)が補
正検出レベル(C*150/k)以上である(YES)
か否(NO)かを判定し、判定結果がYESの場合には
ステップS32にスキップし、判定結果がNOの場合に
はステップS31に進む。
【0060】次のステップS31では(対象部品の検出
温度(An)が補正検出レベル(C*150/k)未満
である場合)、図5のステップS11で行った処理と同
様にして、制御部23が、温度データ格納部24にいっ
たん格納された対象部品の温度データAn及び周囲温度
データBnを、それぞれ1回前の温度データAn’及び
Bn’として置き換える処理(データ更新)を行う。こ
の後、ステップS22に戻って上記の処理を繰り返す。
【0061】最後のステップS32では(ステップS2
4、ステップS25又はステップS30において判定結
果がYESの場合)、図5のステップS13で行った処
理と同様にして、制御部23は“H”レベルの制御信号
CSを出力する。これによって、熱保護回路10は機能
し、熱検出対象である電気/電子部品の動作が停止され
る。この後、本処理フローは「エンド」となる。
【0062】図6の処理フローに従う熱保護制御処理に
よれば、図5に示した熱保護制御処理によって得られる
効果と同等の効果(熱保護制御のための検出レベルを常
に最適な値とし、検出速度のずれを小さくし、迅速な熱
保護を可能とする)を奏することができる。
【0063】但し、図6の処理フローでは、温度センサ
21により検出された対象部品の検出温度(An)と温
度センサ22により検出された周囲温度(Bn)とに基
づいて、対象部品の検出温度(An)の単位時間あたり
の温度差分(ΔAn)と周囲温度(Bn)の単位時間あ
たりの温度差分(ΔBn)とを演算し、この演算された
各温度差分の比率β(=ΔAn/ΔBn)を演算し、こ
の演算された結果に基づいて、熱保護制御のための検出
レベルを動的に変化させて補正し、対象部品の検出温度
(An)がこの補正された検出レベルを超えたときに
“H”レベルの制御信号CSを出力するようにしてい
る。その他の処理については、図5の処理フローで説明
したものと同じである。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、熱
保護制御のための検出レベルをデジタル処理により動的
に変化させて補正することにより、その検出レベルを常
に最適な値とすることができ、また、検出速度のずれを
小さくし、対象部品の熱保護を迅速に行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱検出対象とする電気/電子部品の熱保護を行
う回路の一構成例を示す図である。
【図2】サーミスタの抵抗温度特性を利用して熱保護制
御を行う回路の一構成例をその特性グラフと共に示した
図である。
【図3】トランジスタのベース・エミッタ間電圧VBE
温度依存性を利用して熱保護制御を行う回路の一構成例
をその特性グラフと共に示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電気/電子部品の熱
保護制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】図4における制御部が行う熱保護制御に係る処
理(検出レベルを動的に補正する処理)の一例を示すフ
ロー図である。
【図6】図4における制御部が行う熱保護制御に係る処
理(検出レベルを動的に補正する処理)の他の例を示す
フロー図である。
【符号の説明】
1,2,3…電気/電子部品(熱検出対象部品)、 10…熱保護回路、 20…熱保護制御装置、 21…温度センサ(対象部品測温用)、 22…温度センサ(周囲温度検出用)、 23…制御部、 24…温度データ格納部、 25…温度差分データ格納部、 CS…熱保護回路を機能させる制御信号、 An…電気/電子部品の温度(データ)、 Bn…周囲温度(データ)、 N…電気/電子部品の温度の周囲温度に対する差分(デ
ータ)。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気/電子部品の動作中の温度が規定の
    温度を超えたときに該電気/電子部品の動作を停止させ
    る機能を備えた熱保護回路の動作を制御する装置であっ
    て、 前記電気/電子部品に熱結合して配設された第1の温度
    センサと、 周囲温度を検出する第2の温度センサと、 前記熱保護回路を機能させる制御信号を出力する制御部
    とを備え、 該制御部は、前記第1の温度センサ及び第2の温度セン
    サによりそれぞれ検出された前記電気/電子部品の温度
    及び周囲温度に基づいて、前記規定の温度に相当する熱
    保護制御のための検出レベルをデジタル処理により動的
    に変化させて補正し、該電気/電子部品の温度が該補正
    された検出レベルを超えたときに前記制御信号を出力す
    ることを特徴とする電気/電子部品の熱保護制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、前記検出された電気/電
    子部品の温度の前記検出された周囲温度に対する差分を
    演算し、該演算された差分の単位時間あたりの変化分が
    増加しているか否かを判定し、該判定された結果に基づ
    いて前記変化分が増加しているときに前記検出レベルを
    動的に変化させて補正することを特徴とする請求項1に
    記載の電気/電子部品の熱保護制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電気/電子部品の温度の前記周囲温
    度に対する差分を指示するデータを格納する温度差分デ
    ータ格納部を備え、 前記制御部は、前記温度差分データ格納部に格納されて
    いるデータを参照して前記演算された差分の単位時間あ
    たりの変化分が増加しているか否かを判定することを特
    徴とする請求項2に記載の電気/電子部品の熱保護制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部は、前記検出された電気/電
    子部品の温度の単位時間あたりの第1の差分及び前記検
    出された周囲温度の単位時間あたりの第2の差分を演算
    し、該演算された第1の差分の第2の差分に対する比率
    を演算し、該演算された結果に応じて前記検出レベルを
    動的に変化させて補正することを特徴とする請求項1に
    記載の電気/電子部品の熱保護制御装置。
  5. 【請求項5】 前記電気/電子部品の温度及び前記周囲
    温度をそれぞれ指示するデータを格納する温度データ格
    納部を備え、 前記制御部は、前記温度データ格納部に格納されている
    データを参照して前記第1の変化分及び前記第2の変化
    分を演算することを特徴とする請求項4に記載の電気/
    電子部品の熱保護制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御部は、前記検出された電気/電
    子部品の温度が第1の所定温度を超えたとき、又は前記
    検出された周囲温度が第2の所定温度を超えたときに、
    前記熱保護回路を機能させる制御信号を出力することを
    特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気
    /電子部品の熱保護制御装置。
JP2001349981A 2001-11-15 2001-11-15 電気/電子部品の熱保護制御装置 Pending JP2003153432A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349981A JP2003153432A (ja) 2001-11-15 2001-11-15 電気/電子部品の熱保護制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349981A JP2003153432A (ja) 2001-11-15 2001-11-15 電気/電子部品の熱保護制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003153432A true JP2003153432A (ja) 2003-05-23

Family

ID=19162574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001349981A Pending JP2003153432A (ja) 2001-11-15 2001-11-15 電気/電子部品の熱保護制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003153432A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100416963C (zh) * 2003-10-21 2008-09-03 达姆科斯公司 电气装置
JPWO2015059735A1 (ja) * 2013-10-22 2017-03-09 今井 満 電源装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100416963C (zh) * 2003-10-21 2008-09-03 达姆科斯公司 电气装置
JPWO2015059735A1 (ja) * 2013-10-22 2017-03-09 今井 満 電源装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7164248B2 (en) Electric motor drive apparatus and motor-driven power steering system
JP4818971B2 (ja) 温度検出回路
EP1096262B1 (en) Current detector
US20090273874A1 (en) Power switch circuit exhibiting over current and short circuit protection and method for limiting the output current thereof
US20110018621A1 (en) Current mirror circuit
JPH06209519A (ja) 過電流保護回路
JPH09182275A (ja) 電力用半導体トランジスターの過電流保護回路
JP4654765B2 (ja) 負荷駆動装置及び負荷駆動装置の出力調整方法
US20020014918A1 (en) Temperature sensor and circuit configuration for controlling the gain of an amplifier circuit
JPH09145749A (ja) 電流検出回路
US20050243482A1 (en) Brushless DC fan motor driving circuit
JP2003153432A (ja) 電気/電子部品の熱保護制御装置
JP3455683B2 (ja) 負荷電流検出回路
JP4065328B2 (ja) 電力増幅器の出力トランジスタを保護するための構成
EP1345326A2 (en) Dynamic on chip slew rate control for MOS integrated drivers
US6717788B2 (en) Temperature-protected semiconductor circuit configuration
US6489778B2 (en) Fault current recognition in control units
EP1099888B1 (en) Apparatus and method for calibration of transmission shifters
US20040208226A1 (en) Saturated transistor based temperature sensor
JPH08223013A (ja) 電力用トランジスタの過電流保護装置
JPS6085552A (ja) 集積回路
JP2618950B2 (ja) 半導体集積回路における熱遮断回路
JP2010104138A (ja) 直流モータの駆動装置
JP2000018081A5 (ja)
JP2010103412A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060718