JP2003153326A - セルサーチ方法及びセルサーチ装置、並びに移動体端末装置 - Google Patents

セルサーチ方法及びセルサーチ装置、並びに移動体端末装置

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JP2003153326A
JP2003153326A JP2001344372A JP2001344372A JP2003153326A JP 2003153326 A JP2003153326 A JP 2003153326A JP 2001344372 A JP2001344372 A JP 2001344372A JP 2001344372 A JP2001344372 A JP 2001344372A JP 2003153326 A JP2003153326 A JP 2003153326A
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cell search
frequency deviation
unit
phase error
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Nagaaki Shu
長明 周
Hitsuki Ryu
必起 龍
Shihei Ryu
詩平 劉
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Yozan Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤検出率を低下させてセルサーチを行う。 【解決手段】 マッチトフィルタ部81により行われた
受信信号(SINI,SINI)と第1同期コード(PS
C)との相関演算の結果を使用して、移動局が無線リン
クを接続すべき基地局の発信周波数と移動局の受信周波
数との周波数偏差を、位相誤差検出部82による位相誤
差の検出結果に基づいて検出する。そして、検出された
周波数偏差に基づいて、その周波数偏差がある場合に、
セルサーチにおける誤検出率を低下させる観点からみ
て、適切な受信信号と所定コードとの相関を求める相関
検出方法を選択する。こうして選択された相関検出方法
を使用して、その後における受信信号と所定のコードと
の相関を検出することにより、誤検出率を低下させた適
切なセルサーチを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルサーチ方法及
びセルサーチ装置、並びに移動体端末装置に係り、より
詳しくは、符号分割多重アクセス(Code Division Mult
iple Access:CDMA)通信方式において移動局が使
用するセルサーチ方法、該セルサーチ方法を使用するセ
ルサーチ装置、及び該セルサーチ装置を備える移動体端
末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の分野では、直接拡散
符号分割多重アクセス(Direct Spread-Code Division
Multiple Access:DS−CDMA)方式を用いて、拡
散帯域を5MHzに広帯域化した広帯域拡散符号分割多
重アクセス(Wideband-Code Division Multiple Acces
s:W−CDMA)方式が注目を集めている。こうした
W−CDMAを含む符号分割多重アクセスにおいては、
移動局が、電源立ち上げ時、ソフトハンドオーバに入る
前、あるいは間欠受信モードにおいて、無線リンクを接
続すべき基地局を特定するセルサーチを行っている。な
お、移動局がその電源立ち上げ時に行うセルサーチは、
初期セルサーチと呼ばれている。
【0003】かかるセルサーチは、図26に示されるよ
うな、基地局ごとの共通パイロットチャンネル(CPI
CH)、第1同期チャンネル(P−SCH)、及び第2
同期チャンネル(S−SCH)を介して各基地局から発
信された信号を利用して行われている。なお、各基地局
から発信される信号は、これらの各チャンネルの信号が
重畳された態様となっている。
【0004】ここで、共通パイロットチャンネルは、各
基地局が、基地局ごとに割り当てられたスクランブルコ
ードを反映したチップ列を、フレーム単位で繰り返し発
信するチャンネルである。また、第1同期チャンネル
は、各基地局が、基地局間において共通のシンボルを基
地局間で共通の所定の拡散符号で拡散したチップ列(第
1同期コード(PSC))をスロット周期に同期して繰
り返し発信するチャンネルである。また、第2同期チャ
ンネルは、各基地局が、基地局ごとへのスクランブルコ
ードの割り当てにあたって用いられた所定のアダマール
行列(例えば、256×256のアダマール行列)と所
定の共通系列とから作成されたチップ列(第2同期コー
ド(SSC))を、スロット周期に同期して順次発信す
るとともに、フレーム単位で繰り返して発信するチャン
ネルである。
【0005】こうした共通パイロットチャンネル、第1
同期チャンネル、及び第2同期チャンネルを介して基地
局から発信された信号を受信した移動局(以下、「端
末」ともいう)は、セルサーチを行っている。かかるセ
ルサーチのうちの初期セルサーチでは、初期同期及び無
線リンクを接続すべき基地局の探索のために演算処理を
行うため、多くの時間を要する。そこで、特に初期セル
サーチ時間を短縮するため、図27に示されるようなセ
ルサーチ方法が、「今井、森:W−CDMAセルラ方式
におけるセルサーチ特性の解析、電子情報通信学会論文
誌B、Vol.J83-B、 No.9, pp.1245-1257、2000年9月」
等において提案されている。
【0006】このセルサーチ方法では、図27に示され
るように、まず、ステップ201において、受信信号と
移動局において用意した第1同期コードとの相関が検出
される。そして、その検出結果に基づいて、無線リンク
を接続すべき基地局からの受信信号に関するスロット同
期タイミング(以下、「スロットタイミング」ともい
う)が抽出される(第1段階)。
【0007】引き続き、ステップ202において、ステ
ップ201で検出されたスロットタイミングを利用し
て、スロット毎に第2同期コード候補それぞれと受信信
号との相関が検出される。そして、その検出結果に基づ
いて、無線リンクを接続すべき基地局からの受信信号に
関するフレーム同期タイミング(以下、「フレームタイ
ミング」ともいう)が抽出されるとともに、当該基地局
が使用しているスクランブルコードが属しているスクラ
ンブルコードグループが特定される(第2段階)。
【0008】次に、ステップ203において、ステップ
202で検出されたフレームタイミングを用い、やはり
ステップ202で検出されたスクランブルコードグルー
プに含まれるスクランブルコード候補それぞれと受信信
号との相関が検出される。そして、その検出結果に基づ
いて、移動局が無線リンクを接続すべき基地局が使用し
ているスクランブルコードが特定される(第3段階)。
【0009】引き続き、ステップ204において、ステ
ップ202で検出されたフレームタイミング及びステッ
プ203で特定されたスクランブルコードを用いて、共
通パイロットチャンネルに関する受信信号成分を受信処
理する。この処理結果に基づいて、移動局の受信周波数
をスクランブルコードが特定された基地局の送信周波数
に合わせ込む周波数制御が行われる。
【0010】こうした周波数制御が行われた後、移動局
と基地局との間で送受信処理が開始される。
【0011】ところで、初期セルサーチにおける上述し
た第1〜第3段階では、無線リンクを接続すべき基地局
の発信周波数と移動局の受信周波数との間における周波
数同期が行われていないため、これらの周波数間におけ
る周波数偏差が小さいことが保証されていない。このた
め、初期セルサーチにおいて周波数偏差が大きな場合に
は、上述した3段階セルサーチの各段階における相関検
出の精度が悪化することになり、セルサーチにおける誤
検出率が高くなってしまう。
【0012】このため、「Y. Wang and T. Ottosson :
Cell Search in W-CDMA, IEEE JOURNAL ON SELECTED AR
EAS IN COMMUNICATION, Vol.18, No.8 AUGUST 2000」に
おいて、少なくとも初期セルサーチにおける第1〜第3
段階に限っては、1シンボルの全てチップについて相関
をとる全相関演算に代わって、1シンボル内の所定部分
のチップについてのみ相関をとる部分相関演算を行うこ
とが提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のような部分相関
演算を行う方法は、通常の全相関演算を行う方法と比べ
て、周波数偏差が大きな場合にはセルの誤検出率を低減
することができる。
【0014】しかし、部分相関演算のみを行うこととす
ると、全相関演算を行うことを前提としたシステム本来
の拡散利得(Process Gain)を十分に活かすことができ
ない。このため、一般にS/N比を低下させることにな
る。
【0015】また、初期セルサーチにおける周波数偏差
は、一般に移動局端末ごとに異なっている。さらに、同
一の移動局端末であっても、初期セルサーチにおける周
波数偏差は、利用時の環境条件等によって異なる。
【0016】したがって、部分相関演算のみを行うこと
により、移動局端末による初期セルサーチ時における誤
検出率が、全相関演算を行う場合と比べて、必ずしも低
下する訳ではない。例えば、周波数偏差が十分に小さか
った場合には、部分相関演算のみを行うこととすると、
全相関演算を行う場合と比べて、初期セルサーチ時にお
ける誤検出率が増加することとなってしまう。
【0017】本発明は、上記の事情のもとでなされたも
のであり、その第1の目的は、誤検出率を低下させて、
無線リンクを接続すべき基地局の探索を行うことができ
るセルサーチ方法及びセルサーチ装置を提供することに
ある。
【0018】また、本発明の第2の目的は、移動体通信
網を介した通信にあたって、誤検出率を低下させて、無
線リンクを確立すべき基地局の探索を行うことができる
移動体端末装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のセルサーチ方法
は、移動局が接続すべきセルの探索を行うセルサーチ方
法であって、複数の基地局のうちで前記セルに応じた基
地局の送信周波数と前記移動局の受信周波数との周波数
偏差を検出する周波数偏差検出工程と;前記周波数偏差
検出工程において検出された周波数偏差に基づいて、前
記受信信号と所定コードとの相関を求める相関検出方法
を選択する相関検出方法選択工程と;を含むセルサーチ
方法である。
【0020】これによれば、周波数偏差検出工程におい
て、移動局が、接続すべき基地局の発信周波数と移動局
の受信周波数との周波数偏差を検出する。そして、相関
検出方法選択工程において、検出された周波数偏差に基
づいて、その周波数偏差がある場合に、セルサーチにお
ける誤検出率を低下させるという観点からみて、適切な
受信信号と所定コードとの相関を求める相関検出方法を
選択する。こうして選択された相関検出方法を使用し
て、受信信号と所定のコードとの相関を検出することに
より、誤検出率を低下させた適切なセルサーチを行うこ
とができる。
【0021】本発明のセルサーチ方法では、前記基地局
の探索が、前記基地局からの受信信号と前記複数の基地
局に共通の第1同期コードとの相関に基づいて、スロッ
ト同期タイミングを抽出する第1段階と;該第1段階で
抽出されたスロット同期タイミングを使用して、前記受
信信号と前記受信信号に含まれるスクランブルコードグ
ループを特定するための複数のコードから構成される第
2同期コードとの相関に基づいて、フレーム同期タイミ
ングの抽出及びスクランブルコードグループの特定を行
う第2段階と;前記スクランブルコードグループに含ま
れるスクランブルコードそれぞれと前記受信信号との相
関に基づいて、前記受信信号に含まれるスクランブルコ
ードを特定する第3段階と;の3段階を少なくとも1回
経ることにより行われることとすることができる。
【0022】ここで、前記周波数偏差検出工程が、前記
第1段階の終了後において、前記第1段階で抽出された
スロット同期タイミングと同期して前記受信信号の逆拡
散後の信号間の位相誤差を検出する位相誤差検出工程
と;前記位相誤差検出工程において検出された位相誤差
に基づいて、前記周波数偏差を算出する周波数偏差算出
工程と;を含むことができる(以下、「第1の周波数偏
差検出方法」という)。
【0023】また、前記周波数偏差検出工程が、前記第
1段階と並行して、前記受信信号と前記第1同期コード
との相関のピークを検出する相関ピーク検出工程と;前
記相関ピーク検出工程において検出された複数の相関ピ
ーク時点における前記受信信号の逆拡散後の信号間の位
相誤差を検出する位相誤差検出工程と;前記位相誤差検
出工程において検出された位相誤差に基づいて、前記周
波数偏差を算出する周波数偏差算出工程と;を含むこと
ができる(以下、「第2の周波数偏差検出方法」とい
う)。
【0024】また、前記周波数偏差検出工程が、前記第
1段階と並行して、前記受信信号と前記第1同期コード
の1シンボル未満の部分コードとの相関ピークを検出す
るシンボル内相関ピーク検出工程と;前記シンボル内相
関ピーク検出工程において検出された1スロット内の複
数の相関ピーク点における前記受信信号の前記部分コー
ドによる逆拡散後の信号間における位相誤差を検出する
位相誤差検出工程と;前記位相誤差検出工程において検
出された位相誤差に基づいて、前記周波数偏差を算出す
る周波数偏差算出工程と;を含むことができる(以下、
「第3の周波数偏差検出方法」という)。
【0025】また、前記周波数偏差検出工程が、前記第
1段階と並行して、それまでの前記第1段階の処理にお
いて抽出されたスロット同期タイミングを使用し、前記
受信信号と前記第1同期コードの1シンボル未満の部分
コードとの相関ピーク点を推定するシンボル内相関ピー
ク推定工程と;前記シンボル内相関ピーク検出工程にお
いて推定された1スロット内の複数の相関ピーク点にお
ける前記受信信号の前記部分コードによる逆拡散後の信
号間における位相誤差を検出する位相誤差検出工程と;
前記位相誤差検出工程において検出された位相誤差に基
づいて、前記周波数偏差を算出する周波数偏差算出工程
と;を含むことができる(以下、「第4の周波数偏差検
出方法」という)。
【0026】上述の第1〜第4の周波数偏差検出方法を
採用する場合には、前記相関検出方法選択工程において
選択された相関検出方法を使用して、その後における相
関検出が行われることとすることができる。
【0027】また、本発明のセルサーチ方法では、前記
相関検出方法アルゴリズム選択工程において、前記検出
された周波数偏差が所定の閾値よりも大きいときには、
1シンボル未満を単位として相関を求める部分相関検出
方法を選択するとともに、前記検出された周波数偏差が
所定の閾値以下のときには、1シンボル単位で相関を求
める全相関検出方法を選択することととすることができ
る。
【0028】本発明のセルサーチ装置は、移動局が接続
すべきセルの探索を行うセルサーチ装置であって、前記
セルに応じた基地局の送信周波数と前記受信局の受信周
波数との周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と;
前記周波数偏差検出手段により検出された周波数偏差に
基づいて、前記受信信号と所定コードとの相関を求める
相関検出方法を選択する相関検出方法選択手段と;を備
えるセルサーチ装置である。
【0029】これによれば、周波数偏差検出手段が、無
線リンクを接続すべき基地局の発信周波数と移動局の受
信周波数との周波数偏差を検出する。そして、相関検出
方法選択手段が、検出された周波数偏差に基づいて、そ
の周波数偏差がある場合に、セルサーチにおける誤検出
率を低下させるという観点からみて、適切な受信信号と
所定コードとの相関を求める相関検出方法を選択する。
すなわち、本発明のセルサーチ装置は、上述した本発明
のセルサーチ方法を使用してセルサーチを行う。したが
って、誤検出率を低減した適切なセルサーチを行うこと
ができる。
【0030】本発明の移動体通信端末装置は、基地局か
ら送信された信号を受信する受信手段と;前記受信手段
により受信した信号に基づいてセルサーチを行う本発明
のセルサーチ装置と;を備える移動体通信端末装置であ
る。
【0031】これによれば、受信手段が受信した基地局
からの信号に基づいて、本発明のセルサーチ装置が、誤
検出率を低下させた適切なセルサーチを行う。したがっ
て、移動体通信網を介した通信にあたって、無線リンク
を確立すべき基地局の探索を、誤検出率を低下させつつ
適切に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の説明に先立っ
て、後述する本発明の実施形態で利用されている本発明
者の知見について説明する。本発明者が研究の結果から
得た知見によれば、上述した初期セルサーチの第1〜3
段階において、一律に部分相関演算を行うことにした場
合、及び、一律に全相関演算を行うことにした場合にお
ける基地局の送信周波数と移動局である自局の受信周波
数との周波数偏差と、セルサーチにおける基地局(セ
ル)の誤検出率との関係は、図25に示される通りであ
る。なお、図25に示されるグラフにおいては、全相関
演算の場合が実線で示され、部分相関演算の場合が破線
で示されている。
【0033】図25から判るように、周波数偏差の絶対
値が値ΔfT未満の場合には、全相関演算を行う方が誤検
出率が小さく、周波数偏差の絶対値が値ΔfTを超える場
合には、部分相関演算を行う方が誤検出率が小さい。勿
論、この値ΔfTは、移動局の機種が異なることに伴うセ
ルサーチ用の回路構成が異なれば異なり、また、どのよ
うな部分相関演算を行うかによっても異なる。
【0034】しかしながら、移動局が互いに同機種であ
れば、部分相関演算の種類が決まれば、利用条件が多少
変化しても、値ΔfTはほぼ同一である。この値ΔfTは、
設計段階で精度良く算出できない場合もあるが、少なく
とも試作機の段階における実験等により知ることができ
る。
【0035】また、周波数偏差の値に応じた全相関演算
と部分相関演算との切換を行う場合に、周波数偏差の発
生が予想される周波数偏差範囲において、全体的な誤検
出率を低下させるという観点から、どのような部分相関
演算を採用すべきかということも、少なくとも試作機の
段階における実験等により知ることができる。
【0036】以下に説明する実施形態は、以上のような
本発明者の知見を利用している。
【0037】《第1の実施形態》本発明の第1の実施形
態を、図1〜図15を参照しながら説明する。
【0038】図1には、第1の実施形態に係る移動局と
しての携帯電話端末10の構成が概略的に示されてい
る。図1に示されるように、この携帯電話端末10は、
アンテナ12、該アンテナ12に接続された送受信切換
器(デュプレクサ:DUP)14、並びに送受信切換器
14に接続された受信信号処理部20及び送信信号処理
部40を備えている。送受信切換器14は、送信信号処
理部40からアンテナ12へ向かう送信信号に関連する
電流と、アンテナ12から受信信号処理部20へ向かう
受信信号に関連する電流とを分離して、混信を防止する
ようになっている。
【0039】また、携帯電話端末10は、送信信号処理
部20と接続された音声変調器55と、該音声変調器5
5に接続されたマイク56とを備えている。マイク56
を介して入力した音声は、音声変調器55においてデジ
タル符号化された後、送信音声データとして送信信号処
理部40に供給されるようになっている。
【0040】また、携帯電話端末10は、受信信号処理
部20と接続された音声復調器35と、該音声復調器3
5に接続されたスピーカ36とを備えている。受信信号
処理部20から出力されたデジタル符号化された音声デ
ータは、音声復調器35においてアナログ音声信号に変
化され、スピーカ36により音声に再生されるようにな
っている。
【0041】さらに、携帯電話端末10は、全体を統括
管理する制御部60を備えている。この制御部60は、
制御用CPU、読取専用メモリ(ROM)、ランダムア
クセスメモリ(RAM)等(いずれも不図示)から構成
されている。制御部60には、キーボード等の入力装置
61及び液晶ディスプレイ等の表示装置62が接続され
ている。携帯電話端末10の使用者が入力装置61を操
作して入力したデータ等が制御部60に通知されると、
制御部60は、通知されたデータの種類に応じて、その
データ内容を表示装置62に表示したり、送信信号処理
部40に供給したりするようになっている。例えば、入
力装置61が操作されて通信相手の電話番号データが通
知されたときには、制御部60は、操作者の確認用に表
示装置62に入力された電話番号を表示する。この後、
発呼要求が入力装置61を介して通知されると、制御部
60は、通信先の電話番号データを適切なタイミングで
送信信号処理部40に供給する。
【0042】また、携帯電話端末10は、送信信号処理
部40及び受信信号処理部20における送受信動作タイ
ミングの基準となる基本クロック信号を発生する基本ク
ロック発生部39を備えている。この基本クロック発生
部39は、電圧制御可能な水晶発振器(VCXO)を有
しており、受信信号処理部20から出力される周波数制
御信号VCSによって基本クロックの周波数が制御され
るようになっている。
【0043】前記送信信号処理部40は、送信信号を拡
散する拡散変調部41と、該拡散変調部から出力された
同相成分(I成分)及び直交成分(Q成分)のデジタル
信号をそれぞれアナログ信号に変換するアナログ・デジ
タル変換器(D/A変換器)42I,42Qと、該D/
A変換器42I,42Qそれぞれから出力されたアナロ
グ信号の高周波ノイズを除去するローパスフィルタ(L
PF)43I,43Qとを備えている。
【0044】また、送信信号処理部40は、LPF43
I,43Qから出力されたI成分信号及びQ成分信号を
QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調を行
う直交変調部(QPM)44と、該QPM44から出力
された信号のレベルを所定のレベルとする可変増幅部4
5と、該可変増幅部45から出力された信号に含まれる
所定周波数範囲以外の周波数成分を除去するバンドパス
フィルタ(BPF)46と、ミキサ47とを備えてい
る。
【0045】さらに、送信信号処理部40は、基本クロ
ック部39から供給された基本クロック信号の周波数を
送信周波数として動作する送信周波数シンセサイザ52
を備えている。この送信周波数シンセサイザ52の出力
は、直交変調部44及びミキサ47に供給されている。
直交変調部44では、送信周波数シンセサイザ52から
供給された信号に同期してQPSK変調を行うことによ
り、送信周波数による変調が行われるようになってい
る。また、ミキサでは、BPF46から信号と送信周波
数シンセサイザ52から供給された信号とのミキシング
が行われるようになっている。
【0046】また、送信信号処理部40は、ミキサ47
から出力された信号に含まれる所定周波数範囲以外の周
波数成分を除去するバンドパスフィルタ(BPF)48
と、該BPF48から出力された信号レベルを所定のレ
ベルとする可変増幅部49と、該可変増幅部49から出
力された信号を増幅するパワーアンプ(PA)50とを
備えている。
【0047】送信信号処理部40では、拡散変調部41
がマイク56から入力した音声が音声変調器55により
変調(例えば、PCM変調)された送信音声信号、ある
いは、制御部60から供給された送信データ信号を受信
すると、上述した各構成要素で順次処理して基地局へ向
けて出力する波形の信号に変換する。そして、送信信号
処理部40から出力された信号は、送受信切換器14及
びアンテナ12を介して、電波の形態で基地局へ向けて
送信される。
【0048】前記受信信号処理部20は、アンテナ12
において電波の形態で受信し、送受信切換器14を介し
た受信信号を増幅する低雑音の線形増幅器(LNA)2
1と、該線形増幅器21から出力された信号に含まれる
所定周波数範囲以外のノイズ周波数成分を除去するバン
ドパスフィルタ(BPF)22とを備えている。
【0049】また、受信信号処理部20は、BPF22
から出力された信号を中間周波数の信号に変換するミキ
サ23と、該ミキサ23から出力された信号における所
定周波成分を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)2
5と、該BPF25から出力された信号を所定の信号レ
ベルとする可変増幅器26と、該可変増幅器26から出
力された信号を直交検波する直交検波部27とを備えて
いる。ここで、直交検波部27は、可変増幅器26から
出力された1つの信号を直交検波して、同相成分(I成
分)及び直交成分(Q成分)を抽出して出力するように
なっている。
【0050】さらに、受信信号処理部20は、基本クロ
ック部39から供給された基本クロック信号の周波数を
受信周波数として動作する受信周波数シンセサイザ32
を備えている。この受信周波数シンセサイザ32の出力
は、ミキサ23及び直交検波部27に供給されている。
ミキサ23では、BPF22からの信号と受信周波数シ
ンセサイザ32から供給された信号とのミキシングが行
われ、BPF22から出力された信号が中間周波数の信
号に変換されるようになっている。また、直交検波部2
7では、受信周波数シンセサイザ32から供給された信
号に同期してQPSK検波を行うことにより、受信周波
数による検波が行われるようになっている。
【0051】また、受信信号処理部20は、直交検波部
27から出力されたI成分信号及びQ成分信号それぞれ
に含まれる高周波ノイズを除去するローパスフィルタ
(LPF)28I,28Qと、該LPF28I,28Q
それぞれから出力されたI成分信号及びQ成分信号をI
成分デジタル信号SINI及びQ成分デジタル信号SIN
に変換するアナログデジタル変換器(A/D変換器)2
9I,29Qと、該A/D変換器29I,29Qから出
力されたI成分デジタル信号SINI及びQ成分デジタル
信号SINQを逆拡散する逆拡散復調部30とを備えてい
る。この逆拡散復調部30は、音声復調器35に接続さ
れるとともに、内部バス65介して制御部60と接続さ
れている。そして、逆拡散復調部30は、通信相手先か
らの音声信号に応じた符号化された音声データ信号を音
声復調器35に供給するとともに、基地局との通信制御
データを必要に応じて制御部に供給するようになってい
る。
【0052】なお、以下の説明においては、A/D変換
器29I,29Qから出力されたI成分デジタル信号S
INI及びQ成分デジタル信号SINQを、それぞれ「I成
分受信信号SINI」及び「Q成分受信信号SINQ」と呼
ぶものとする。また、I成分受信信号SINIとQ成分受
信信号SINQとを総称するときは、「受信信号SIN」と
呼ぶものとする。
【0053】前記逆拡散復調部30は、図2に示される
ように、セルサーチ部71、パスサーチ部72、制御チ
ャンネル受信部73、トラフィックチャンネル受信部7
4、及び周波数制御部75を備えて構成されている。上
述した受信信号SINは、セルサーチ部71、パスサーチ
部72、制御チャンネル受信部73、及びトラフィック
チャンネル受信部74に入力している。
【0054】前記セルサーチ部71では、受信した受信
信号SINのうちの第1同期チャンネル(P−SCH)、
第2同期チャンネル(S−SCH)、及び共通パイロッ
トチャンネル(CPICH)を介した受信信号成分に基
づいて、無線リンクを接続すべき基地局の下りリンクに
ついてのスロット同期タイミング及びフレーム同期タイ
ミングを抽出するいわゆる初期同期抽出を行う。こうし
たスロット同期タイミング及びフレーム同期タイミング
を抽出の後、無線リンクを接続すべき基地局が使用して
いるスクランブルコードを特定する。なお、セルサーチ
部71は、初期同期抽出を必須とする初期セルサーチ以
外に、ソフトハンドオーバのための周辺セルサーチも行
うようになっている。かかるセルサーチ部71の構成及
び作用については後述する。
【0055】前記パスサーチ部72は、セルサーチ部7
1による初期セルサーチの後に、受信信号SINとの同期
のタイミング(フレーム同期タイミング等)に基づい
て、受信信号SINにおいていわゆるマルチパス現象が生
じたときに、それらの位相差を特定する。ここで、「マ
ルチパス現象」とは、同一信号が、反射等により時間差
が発生した、複数の信号として移動局としての携帯電話
端末10に到着する現象をいう。
【0056】こうした機能を有するパスサーチ部72で
は、マルチパスにおける各パスに応じた所定の相関ピー
クを検出している。かかる相関ピークの抽出のために、
パスサーチ部72は、複数のスライディング相関器から
構成される相関器(不図示)又はマッチトフィルタ(不
図示)を備えている。
【0057】前記制御チャンネル受信部73は、携帯電
話端末10に対する種々の制御のために、基地局から送
信された制御信号を受信信号SINから抽出して復調す
る。かかる制御信号の抽出のために、スクランブルコー
ド(拡散符号)による逆拡散、同期検波、及びRAKE
合成が行われる。このため、制御チャンネル受信部73
は、スライディング相関器、同期検波器、及びRAKE
合成器(いずれも不図示)を備えている。このように構
成された制御チャンネル受信部73では、抽出されて復
調された制御信号を、バス65を介して制御部60に供
給するようになっている。また、本実施形態の制御チャ
ンネル受信部73では、無線リンクを確立すべき基地局
の共通パイロットチャンネル(CPICH)における下
りデータに基づいて、当該基地局の送信周波数と携帯電
話端末10における受信周波数の偏差を検出し、その検
出結果を周波数制御部75に供給するようになってい
る。
【0058】前記トラフィックチャンネル受信部74
は、基地局から送信されたトラフィックチャンネルの信
号を抽出して復調する。かかるトラフィックチャンネル
信号の抽出のために、スクランブルコード(拡散符号)
による逆拡散、同期検波、及びRAKE合成が行われ
る。このため、トラフィックチャンネル受信部74は、
スライディング相関器、同期検波器、及びRAKE合成
器(いずれも不図示)を備えている。このように構成さ
れたトラフィックチャンネル受信部74では、抽出され
て復調された信号を、バス65を介して制御部60や音
声復調器35に供給するようになっている。また、本実
施形態のトラフィックチャンネル受信部74では、無線
リンクを確立すべき基地局の共通パイロットチャンネル
(CPICH)における下りデータに基づいて、当該基
地局の送信周波数と携帯電話端末10における受信周波
数の偏差を検出し、その検出結果を周波数制御部75に
供給するようになっている。
【0059】前記周波数制御部75は、バス65を介し
た制御部60からの指定あるいは上述した制御チャンネ
ル受信部73又はトラフィックチャンネル受信部74に
よる周波数偏差の検出結果に基づいて、基本クロック発
生部39へ向けて周波数制御指示VCSを出力する。よ
り詳細には、周波数制御部75は、携帯電話端末10の
電源投入による初期状態においては、制御部60から指
示された初期値に応じた周波数制御指示VCSを基本ク
ロック発生部39へ向けて出力する。その後、初期セル
サーチが行われ、制御チャンネル受信部73又はトラフ
ィックチャンネル受信部74から周波数偏差の検出結果
が通知されると、周波数制御部75は、その周波数偏差
を補正する周波数制御指示VCSを基本クロック発生部
39へ向けて出力するようになっている。
【0060】前記セルサーチ部71は、図3に示される
ように、I成分受信信号SINI及びQ成分受信信号SIN
Qそれぞれと第1同期コード(PSC)との相関を演算
するマッチトフィルタ部(MF)81と、該マッチトフ
ィルタ部81から出力された位相誤差検出用相関値SPC
I,SPCQのスロット間における位相誤差を検出する位
相誤差検出部82と、マッチトフィルタ部81から出力
されたスロットタイミング抽出用相関値SPSCI,S
PSCQに基づいて相関電力を算出する相関電力算出部8
3と、該相関電力算出部83から出力された相関電力値
PSCに基づいて、スロットタイミングを抽出するスロ
ットタイミング抽出部84(以下、単に「抽出部84」
とも呼ぶ)とを備えている。ここで、マッチトフィルタ
部81には、バス65を介して制御部60から相関演算
制御指示MFCが供給されている。また、位相誤差検出
部82からは、バス65を介して制御部60へ位相誤差
検出結果PSEが供給されるようになっている。また、
スロットタイミング抽出部84からは、スロットタイミ
ングSTMが出力されるとともに、該スロットタイミン
グSTMと同期しているサンプリングタイミングPET
が出力され、該サンプリングタイミングPETが位相誤
差検出部82に供給されている。
【0061】マッチトフィルタ部81は、図4に示され
るように、直列に接続された(P+1)個の個別マッチ
トフィルタ101p(MFp:p=0〜P)と、各個別マ
ッチトフィルタ101pから出力されたI成分PCRIp
の和を算出する加算器103Iと、各個別マッチトフィ
ルタ101pから出力されたQ成分PCRQpの和を算出
する加算器103Qとを備えている。また、マッチトフ
ィルタ部81は、各個別マッチトフィルタ101pから
出力された相関値対(PCRIp,PCRQp)及び加算
器103I,103Qから出力された相関値対(TCR
I,TCRQ)の中から、制御部60からの相関選択信
号MFC1に応じて、1つの相関値対を選択し、位相誤
差検出用相関値対(SPCI,SPCQ)として出力するマ
ルチプレクサ105を備えている。さらに、マッチトフ
ィルタ部81は、位相誤差検出用の相関値対(SPCI,
PCQ)及び加算器103I,103Qから出力された
相関値対(TCRI,TCRQ)の中から、制御部60
からの相関選択信号MFC2に応じて、1つの相関値対
を選択し、スロットタイミング検出用相関値対(S PSC
I,SPSCQ)として出力するマルチプレクサ107を
備えている。
【0062】個別マッチトフィルタ101p(p=1〜
(P−1))は、図5に示されるように、直列に接続さ
れた、I成分に関する(Np+1)個の遅延素子111
0〜111INpと、直列に接続された、Q成分に関す
る(Np+1)個の遅延素子111Q0〜111Q
Npと、個別マッチトフィルタ101pに応じた第1同期
パターン(PSC)の部分のI成分パターンPSCI
p,0〜PSCIp,Np及びQ成分パターンPSCQp,0〜P
SCQp,Npを発生する部分パターン発生器119pとを
備えている。ここで、遅延素子111Inp及び遅延素子
111Inp(np=0〜Np)のそれぞれは、入力と出
力との間に1チップ分の時間差(D)を発生させる遅延
素子である。
【0063】また、個別マッチトフィルタ101pは、
遅延素子111Inp及び遅延素子111Qnpへの入力S
IIp,np及び入力SIQp,npと部分パターン発生器11
9から出力されたパターンPSCIp,np及びパターンP
SCQp,npとの複素積を算出する複素積算出装置113
p,npと、複素積算出装置113p,0〜113p,Npそれぞ
れから出力された複素積のI成分CPIp,0〜CPI
p,Npの和を算出する加算器115Ipと、複素積算出装
置113p,0〜113p,Npそれぞれから出力された複素
積のQ成分CPQp,0〜CPQp,Npの和を算出する加算
器115Qpとを備えている。ここで、加算器115I
からは、個別マッチトフィルタ101pのI成分出力P
CRIpが出力され、加算器115Qからは、個別マッ
チトフィルタ101pのQ成分出力PCRQpが出力され
るようになっている。
【0064】なお、個別マッチトフィルタ101Pは、
図6に示されるように、上記の図5に示される個別マッ
チトフィルタ101p(p=0〜(P−1))と比べ
て、最終段の遅延素子111INP及び遅延素子111Q
NPからの出力SOINP及び出力SOQNPと、これらの出
力SOIP,NP及び出力SOQP,NPに応じてパターン発生
器119Pから出力されたパターンPSCIP,NP+1及び
パターンPSCQP,NP+1との複素積を算出する複素積算
出器113P,NP+1を更に備えている点が相違している。
そして、個別マッチトフィルタ101Pでは、加算器1
15IPが、複素積算出装置113P,0〜113P,NP+1
れぞれから出力された複素積のI成分CPIP,0〜CP
P,NP+1の和を算出して、個別マッチトフィルタ101
PのI成分出力PCRIPとして出力するとともに、加算
器115QPが、複素積算出装置113P,0〜113
P,NP+1それぞれから出力された複素積のQ成分CPQ
P,0〜CPQ P,NP+1の和を算出して、個別マッチトフィ
ルタ101PのQ成分出力PCRQPとして出力するよう
になっている。
【0065】なお、個別マッチトフィルタ1010〜1
01Pが有する遅延素子数の総計NDは、1シンボル内
のチップ数NCと、次の(1)式の関係にある。 NC=ND+1 =(N1+1)+…+(NP+1)+1 …(1)
【0066】前記複素積算出装置113p,npは、図7に
示されるように、信号値SIIp,npとパターンPSCI
p,npとの積を算出する積算器121と、信号値SII
p,npとパターンPSCQp,npとの積を算出する積算器1
22と、信号値SIQp,npとパターンPSCQp,npとの
積を算出する積算器123と、信号値SIQp,npとパタ
ーンPSCIp,npとの積を算出する積算器124とを備
えている。また、複素積算出装置113p,npは、積算器
121の出力PIIp,npと積算器123の出力PQQ
p,npとの和を算出する加算器126と、積算器122の
出力PIQp,npと積算器124の出力PQIp,npとの和
を算出する加算器127とを備えている。
【0067】このように構成された複素積算出装置11
p,npでは、加算器126の出力CPIp,np及び加算器
127の出力CPQp,npは、次の(2)式及び(3)式
で表される通りとなる。
【0068】 CPIp,np=SIIp,np・PSCIp,np+SIQp,np・PSCQp,np …(2) CPQp,np=SIIp,np・PSCQp,np-SIQp,np・PSCIp,np …(3)
【0069】すなわち、複素積算出装置113p,npから
の出力CPIp,np,CPQp,npそれぞれは、次の(4)
式の演算結果における実部と虚部となっている。なお、
本明細書においては、(4)式の演算をすることを複素
積の算出と呼んでいる。
【0070】 (SIIp,np+j・SIQp,np)・(PSCIp,np+j・PSCQp,np)* =(SIIp,np+j・SIQp,np)・(PSCIp,np-j・PSCQp,np) …(4) ここで、jは虚数単位であり、X*はXの複素共役を示
している。
【0071】複素積算出装置113p,npが以上のように
構成されることから、図5に示される個別マッチトフィ
ルタ101pでは、複素値組((SIIp,0+j・SIQ
p,0),…,(SIIp,Np+j・SIQp,Np))と複素パタ
ーン((PSCIp,0+j・PSCQp,0),…,(PSC
p,Np+j・PSCQp,Np))との複素積が算出され、
その結果がI成分PCRIp及びQ成分PCRQpとして
出力される。また、図6に示される個別マッチトフィル
タ101Pでは、複素値組((SIIP,0+j・SI
P,0),…,(SIIP,NP+j・SIQP,NP),(SOI
P,NP+j・SOQP,NP))と複素パターン((PSCI
P,0+j・PSCQP,0),…,(PSCIP,NP+1+j・P
SCQP,NP+1))との複素積が算出され、その結果がI
成分PCRIP及びQ成分PCRQPとして出力される。
そして、個別マッチトフィルタ101pは、それぞれが
内部で発生する第1同期パターンPSCの部分パターン
と受信信号S INとの複素相関(以下、単に「部分相関」
ともいう)を時間順次に算出するようになっている。
【0072】図4に戻り、以上より、マッチトフィルタ
部81における加算器103I,103Qの算出結果
は、第1同期パターンPSC全体と受信信号SINとの複
素相関(以下、単に「全相関」ともいう)を時間順次に
算出するようになっている。そして、マッチトフィルタ
部71は、制御部60からの指示信号MFC(=MFC
1+MFC2)に応じて、複数の部分相関算出結果
((PCRI0,PCRQ0),…,(PCRIP,PC
RQP))及び全相関算出結果(TCRI,TCRQ)
の中から1つの相関算出結果を選択し、位相誤差検出用
の相関値対(SPCI,S PCQ)として位相誤差検出部8
2へ供給するとともに、全相関算出結果(TCRI,T
CRQ)及び位相誤差検出用の相関値対(SPCI,SPC
Q)の一方をスロットタイミング検出用の信号対(S
PSCI,SPSCQ)として相関電力算出部83に供給す
る。
【0073】前記位相誤差検出部82は、図8に示され
るように、マッチトフィルタ部81から出力された信号
PCIを、スロットタイミング抽出部84から供給され
たサンプリングタイミングPETに同期してサンプルし
てホールドするサンプルホルダ(S/H)131と、サ
ンプルホルダ131からの出力信号をサンプリングタイ
ミングPETに同期してサンプルしてホールドするサン
プルホルダ(S/H)132とを備えている。また、位
相誤差検出部82は、マッチトフィルタ部81から出力
された信号SPCQを、サンプリングタイミングPETに
同期してサンプルしてホールドするサンプルホルダ(S
/H)133と、サンプルホルダ133から出力された
信号をサンプリングタイミングPETに同期してサンプ
ルしてホールドするサンプルホルダ(S/H)134と
を備えている。さらに、位相誤差検出部82は、サンプ
ルホルダ131〜134それぞれから出力された信号に
基づいて、位相誤差検出用の信号対(SPCI,SPCQ)
のスロット間における位相誤差を検出する位相誤差算出
部135を備えている。
【0074】前記抽出部84は、図9に示されるよう
に、相関電力算出部43から出力された相関電力値P
PSCを累積加算する累積加算部141と、該累積加算部
141の出力に基づいて、スロットタイミングSTM及
び該スロットタイミングSTMと同期したサンプリング
タイミングPETを生成する判定部142とを備えてい
る。ここで、累積加算部141は、相関電力値PPSC
一方の入力端子で受信する加算器146と、加算器14
6の出力を記憶するとともに、記憶結果を加算器146
の他方の入力端子及び判定部へ向けて出力するメモリ
(MEM)147とを備えている。なお、メモリ147
には、判定部142から、記憶タイミングMTM及び記
憶内容のリセット指示RMCが供給されている。
【0075】以上のように構成された抽出部84では、
判定部142が発生する記憶タイミングMTMに応じ
て、各時刻における受信信号SINと第1同期パターンと
の相関値を反映した相関電力値PPSCの値が累積加算さ
れ、メモリ141に記憶される。また、判定部142が
発生するリセット指示RMCに応じて、メモリ141の
記憶内容がリセットされる。こうした記憶タイミングM
TM及びリセット指示RMCに応じた相関電力値PPSC
の累積加算値の変化態様に基づいて、判定部142が、
スロットタイミングSTM及びサンプリングタイミング
PETを生成して出力する。なお、メモリ141として
は、リセット可能なラッチレジスタ素子を使用すること
ができる。
【0076】図3に戻り、セルサーチ部71は、上述し
た抽出部84から供給されたスロットタイミングSTM
に同期して、I成分受信信号SINI及びQ成分受信信号
INQと基地局から受信した第2同期コード(SSC)
に関するZ個の候補コードのI成分(以下、「I成分候
補グループ」という)SC[1]I,…,SC[Z]I
及びQ成分(以下、「Q成分候補グループ」という)S
C[1]Q,…,SC[Z]Qとの相関を演算する相関
算出部(SCP)85と、該相関算出部85による相関
算出結果を記憶するメモリ(MEM)86と、該メモリ
に記憶された相関算出結果に基づいて、フレームタイミ
ングを抽出するとともに、スクランブルコードグループ
SCMGを特定する抽出特定部87とを備えている。こ
こで、相関算出部85には、上述した抽出部84から出
力されたスロットタイミングSTMが供給されるととも
に、バス65を介して制御部60から相関演算制御指示
SCC1が供給されている。また、抽出特定部87から
は、抽出されたフレームタイミングFTM及び特定され
たスクランブルコードグループSCMGが出力されてい
る。
【0077】相関算出部85は、図10に示されるよう
に、Z個のスライディング相関器(SC)1501〜1
50Zを備えている。これらのスライディング相関器1
501〜150ZそれぞれにはI成分受信信号SINI及び
Q成分受信信号SINQが入力しており、スライディング
相関器150z(z=1〜Z)は、I成分受信信号SI N
I及びQ成分受信信号SINQと、I成分候補グループS
G[z]I及びQ成分候補グループSG[z]Qとの複
素相関を算出し、算出結果のI成分A[z]I及びQ成
分A[z]Qを出力するようになっている。
【0078】スライディング相関器150zは、図11
に示されるように、I成分受信信号SINIとI成分候補
グループSG[z]Iとの積を算出する積算器151
と、I成分受信信号SINIとQ成分候補グループSG
[z]Iとの積を算出する積算器152と、Q成分受信
信号SINQとQ成分候補グループSG[z]Qとの積を
算出する積算器153と、Q成分受信信号SINQとI成
分候補グループSG[z]Iとの積を算出する積算器1
54とを備えている。また、スライディング相関器15
zは、積算器151の出力と積算器153の出力との
和を算出する加算器155と、積算器152の出力と積
算器154の出力との和を算出する加算器156と、加
算器155の出力を周期的に累積加算する積分/ダンプ
部157と、加算器156の出力を周期的に累積加算す
る積分/ダンプ部158とを備えている。さらに、スラ
イディング相関器150zは、制御部60からの相関演
算制御指示SCC1に応じ、スロットタイミング信号S
TMに基づいて、I成分候補グループSG[z]I及び
Q成分候補グループSG[z]Qそれぞれを出力すると
ともに、積分/ダンプ部157,158へ向けて加算タ
イミング信号SAT及び累積加算結果のリセット指示S
RCを出力するコード発生部159zを備えている。こ
こで、積分/ダンプ部157,158は、上述した累積
加算部141と同様に構成されている。
【0079】このように構成されたスライディング相関
器150zでは、受信信号(SINI,SINQ)と、相関
演算制御指示SCC1によって指定された候補グループ
(SG[z]I,SG[z]Q)のチップ部分(全チッ
プの場合も含む)との複素積が、順次、積算器151〜
154及び加算器155,156によって、上述した複
素積算出器113pの場合と同様にして算出される。こ
うして算出された複素積のI成分及びQ成分は、積分/
ダンプ部157及び積分/ダンプ部158において累積
加算される。
【0080】コード発生部159zが1シンボル内の全
てのチップについての複素積について、加算タイミング
SATによる累積加算指示を行う場合には、積分/ダン
プ部157,158の出力A[z]I,A[z]Qは、
受信信号(SINI,SINQ)と候補グループ(SG
[z]I,SG[z]I)との全相関算出結果となる。
一方、コード発生部159zが1シンボル内の一部のチ
ップについての複素積について、加算タイミングSAT
による累積加算指示を行う場合には、積分/ダンプ部1
57,158の出力A[z]I,A[z]Qは、受信信
号(SINI,SINQ)と候補グループ(SG[z]I,
SG[z]Q)との部分相関算出結果となる。
【0081】以上のように各スライディング相関器15
zは、受信信号(SINI,SINQ)と候補グループ
(SG[z]I,SG[z]Q)との相関算出結果を出
力信号A[z]I,A[z]Qとして出力する。この結
果、図10に示されるように、相関算出部85からは、
受信信号(SINI,SINQ)と候補グループ(SG
[1]I,SG[1]Q)〜(SG[Z]I,SG
[Z]Q)それぞれとの相関算出結果(A[1]I,A
[1]Q)〜(A[Z]I,A[Z]Q)が出力され
る。
【0082】図3に戻り、相関算出部85から出力され
た相関算出結果(A[1]I,A[1]Q)〜(A
[Z]I,A[Z]Q)は、メモリ86に供給され、メ
モリ86内に記憶される。抽出特定部87は、メモリ8
6から相関算出結果(A[1]I,A[1]Q)〜(A
[Z]I,A[Z]Q)を読み出す。引き続き、抽出特
定部87は、その相関算出結果(A[1]I,A[1]
Q)〜(A[Z]I,A[Z]Q)に基づいて、フレー
ムタイミングを抽出するとともに、スランブルコードグ
ループを特性する。そして、抽出特定部87は、抽出さ
れたフレームタイミングFTMを出力するとともに、特
定されたスクランブルコードグループSCMGを出力す
る。
【0083】また、セルサーチ部71は、上述した抽出
特定部87から供給されたフレームタイミングFTMを
使用して、I成分受信信号SINI及びQ成分受信信号S
INQと基地局が採用しているスクランブルコードに対す
るR個の候補コードのI成分(以下、「I成分候補コー
ド」という)SC[1]I,…,SC[R]I及びQ成
分(以下、「Q成分候補コード」という)SC[1]
Q,…,SC[R]Qとの相関を演算する相関算出部
(SCP)88と、該相関算出部88による相関算出結
果(B[1]I,B[1]Q)〜(B[R]I,B
[R]Q)それぞれのに基づいて相関電力を算出する相
関電力算出部891〜89Rと、該相関電力算出部891
〜89Rによる算出結果Sth[1]〜Sth[R]に基づ
いて、基地局がスクランブルコードSCMを特定するス
クランブルコード特定部90(以下、単に「特定部9
0」とも呼ぶ)とを備えている。ここで、相関算出部8
8には、上述した抽出特定部87から出力されたフレー
ムタイミングFTMが供給されるとともに、バス65を
介して制御部60から相関演算制御信号SCC2が供給
されている。また、特定部90からは、特定されたスク
ランブルコードSCMが出力されている。
【0084】相関算出部88は、図12に示されるよう
に、R個のスライディング相関器(SC)1601〜1
60Rを備えている。これらのスライディング相関器1
601〜160ZそれぞれにはI成分受信信号SINI及び
Q成分受信信号SINQが入力しており、スライディング
相関器161r(r=1〜R)は、I成分受信信号SI N
I及びQ成分受信信号SINQと、I成分候補コードSC
[r]I及びQ成分候補コードSC[r]Qとの複素相
関を算出し、算出結果のI成分B[r]I及びQ成分B
[r]Qを出力するようになっている。
【0085】スライディング相関器160rは、図13
に示されるように、上述したスライディング相関器15
zとほぼ同様に構成されているが、I成分受信信号S
INI及びQ成分受信信号SINQと相関を演算するコード
が相違することに伴い、コード発生器169rがスライ
ディング相関器150zにおけるコード発生器159z
は異なるものとなっている。すなわち、スライディング
相関器160rは、I成分受信信号SINIとI成分候補
コードSC[r]Iとの積を算出する積算器161と、
I成分受信信号SINIとQ成分との積を算出する積算器
162と、Q成分受信信号SINQとQ成分候補コードS
C[r]Qとの積を算出する積算器163と、Q成分受
信信号SINQとI成分候補コードSC[r]Iとの積を
算出する積算器164とを備えている。また、スライデ
ィング相関器160rは、積算器161の出力と積算器
163の出力との和を算出する加算器165と、積算器
162の出力と積算器164の出力との和を算出する加
算器166と、加算器165の出力を周期的に累積加算
する積分/ダンプ部167と、加算器166の出力を周
期的に累積加算する積分/ダンプ部168とを備えてい
る。さらに、スライディング相関器161zは、制御部
60からの相関演算制御指示SCC2に応じ、フレーム
タイミングFTMに基づいて、I成分候補コードSC
[r]I及びQ成分候補コードSC[r]Qそれぞれを
出力するとともに、積分/ダンプ部167,168へ向
けて加算タイミングTAT及び累積加算結果のリセット
指示TRCを出力するコード発生部169rを備えてい
る。
【0086】このように構成されたスライディング相関
器160rでは、受信信号(SINI,SINQ)と候補コ
ード(SC[r]I,SC[r]Q)との複素積が、積
算器161〜164及び加算器165,165によっ
て、上述したスライディング相関器150zの場合と同
様にして算出される。こうして算出された複素積のI成
分及びQ成分は、積分/ダンプ部167及び積分/ダン
プ部168において累積加算される。
【0087】コード発生部169rが全てのチップにつ
いての複素積について、加算タイミング信号TATによ
る累積加算指示を行う場合には、積分/ダンプ部16
7,168の出力信号B[r]I,B[r]Qは、受信
信号(SINI,SINQ)と候補コード(SC[r]I,
SC[r]Q)との全相関算出結果となる。一方、コー
ド発生部169rが一部のチップについての複素積につ
いて、加算タイミング信号TATによる累積加算指示を
行う場合には、積分/ダンプ部167,168の出力B
[r]I,B[r]Qは、受信信号(SINI,SINQ)
と候補コード(SC[r]I,SC[r]Q)との部分
相関算出結果となる。
【0088】特定部90は、図14に示されるように、
相関電力算出部891〜89Rとから出力された相関電力
の算出結果Sth[1]〜Sth[R]それぞれを累積加算
する累積加算部1711〜171Rと、該累積加算部17
1〜171Rからの出力に基づいて、無線リンクを接続
すべき基地局が使用しているスクランブルコードSCM
を特定する判定部172とを備えている。ここで、累積
加算部1711〜171Rのそれぞれは、上述した累積加
算部141と同様に構成されている。すなわち、累積加
算部1711〜171Rのそれぞれは、相関電力の算出結
果Sth[r]を一方の入力端子で受信する加算器176
と、加算器176の出力を記憶するとともに、記憶結果
を加算器176の他方の入力端子及び判定部172へ向
けて出力するメモリ(MEM)177とを備えている。
なお、メモリ177には、判定部172から、記憶タイ
ミングMT及び記憶内容のリセット指示RMが供給され
ている。
【0089】以上のように構成された特定部90では、
判定部172が発生する記憶タイミングMTに応じて、
各時刻における受信信号SINと候補コード(SC[1]
I,SC[1]Q)〜(SC[R]I,SC[R]Q)
との相関値を反映した相関電力Sth[1]〜Sth[R]
が累積加算され、メモリ1771〜177Rに記憶され
る。また、判定部172が発生するリセット指示RMに
応じて、メモリ177の記憶内容がリセットされる。こ
うした記憶タイミングMT及びリセット指示RMに応じ
た相関電力Sth[1]〜Sth[R]の累積加算結果に基
づいて、判定部172が、スクランブルコードSCMを
特定して、出力する。なお、メモリ177 1〜177R
れぞれとしては、上述のメモリ141の場合と同様に、
リセット可能なラッチレジスタ素子を使用することがで
きる。
【0090】以上のように構成されたセルサーチ部71
は、制御部60による制御のもとで、以下のようにして
セルサーチを行う。
【0091】前提として、本実施形態の携帯電話端末1
0において、マルチプレクサ105及びマルチプレクサ
107(図4参照)における出力選択により選択できる
部分相関演算の種類のうち、周波数偏差の発生が予想さ
れる周波数偏差範囲において、最適な部分相関演算の種
類は、制御部60にとって既知であるものとする。そし
て、この最適な部分相関演算を行うとしたときに、上述
した図25における値ΔfTも、制御部60にとって既知
であるものとする。
【0092】電源が投入されると、内部回路が初期化さ
れた後に、携帯電話端末10は初期セルサーチを開始す
る。この初期セルサーチにあたり、図15に示されるよ
うに、まず、ステップ201において、アンテナ12で
受信され、送受信切換器14を経由した後、受信信号処
理部20内において、線形増幅器21からA/D変換器
29I,29Qまでの各要素を介することにより、I成
分受信信号SINI及びQ成分受信信号SINQの形態とさ
れた受信信号から、携帯電話端末10が無線リンクを接
続すべき基地局の送信におけるスロットタイミングST
Mを抽出する(第1段階)。
【0093】かかる第1段階では、まず、制御部60
が、上述したセルサーチ部71のマッチトフィルタ部8
1におけるマルチプレクサ107(図4参照)に対し
て、相関選択指示MFC2により全相関(TCRI,T
CRQ)を選択して出力すべきことを通知する。この通
知を受けたマッチトフィルタ部81は、マルチプレクサ
107の出力の選択を全相関(TCRI,TCRQ)の
出力に設定する。
【0094】この状態でセルサーチ部71に受信信号S
IN(SINI,SINQ)が入力すると、マッチトフィルタ
部81は、上述した構成要素により各種の相関演算を行
い、第1同期コードPSCの1シンボル分(すなわちN
C個のチップ)全てのチップ(PSCI0,0〜PSCI
P,NP+1,PSCQ0,0〜PSCQP,NP+1)と受信信号S
IN(SINI,SINQ)との相関演算結果すなわち全相関
(TCRI,TCRQ)を、スロットタイミング検出用
相関値(SPSCI,SPSCQ)として、相関電力算出部8
3へ向けて出力する。
【0095】相関電力算出部83は、スロットタイミン
グ検出用相関値(SPSCI,SPSCQ)の電力を算出し、
その結果PPSCを抽出部84へ向けて出力する。この相
関電力PPSCを受信した抽出部84では、累積加算部1
41が相関電力PPSCを累積加算し、その結果に基づい
て判定部142が閾値処理をして、無線リンクを接続す
べき基地局から送信された第1同期チャンネル(P−S
CH)のスロットタイミングSTMを抽出し、相関検出
部85へ向けて出力する。こうして初期セルサーチの第
1段階が終了する。
【0096】引き続き、ステップ211において、スロ
ットタイミングSTMに同期して、すなわち、スロット
間隔を隔てて全相関(TCRI,TCRQ)をサンプリ
ングし、スロットタイミングSTMによって定義される
スロット相互間における全相関(TCRI,TCRQ)
の時間変化における位相誤差を検出する。そして、この
検出結果に基づいて、以後に行うべき相関演算方法を選
択する。
【0097】かかるステップ211の処理においては、
まず、制御部60が、上述したセルサーチ部71のマッ
チトフィルタ部81におけるマルチプレクサ105(図
4参照)に対して、相関選択指示MFC1により全相関
(TCRI,TCRQ)を選択して出力すべきことを通
知する。この通知を受けたマッチトフィルタ部81は、
マルチプレクサ105の出力の選択を全相関(TCR
I,TCRQ)の出力に設定する。これらと並行して、
判定部142がスロットタイミングSTMに基づいて、
スロットタイミングSTMに対して所定の時間間隔を有
するタイミングであるサンプリングタイミングPETを
生成して、位相誤差検出部82へ向けて出力する。
【0098】この状態でセルサーチ部71に受信信号S
IN(SINI,SINQ)が入力すると、マッチトフィルタ
部81は、上述の第1段階の場合と同様にして、全相関
演算を行い、その結果(TRCI,TRCQ)を位相誤
差検出用相関値(SPCI,S PCQ)として、位相誤差検
出部82へ向けて出力する。
【0099】位相誤差検出部82は、マッチトフィルタ
部81の判定部142から受信したサンプリングタイミ
ングPETに従って、その時点における位相誤差検出用
相関値をサンプルホルダ131,132によってサンプ
ルするとともに、サンプルホルダ131,132から出
力された、前回のサンプリングタイミングPETに従っ
てサンプルホルダ131,132によってサンプリング
された位相誤差検出用相関値を、サンプルホルダ13
3,134によってサンプリングする。すなわち、サン
プリングタイミングPETに従ったサンプルホルダ13
1〜134によるサンプリングにより、スロット間隔を
隔てた2時点における位相誤差検出用相関値が同時に得
られる。
【0100】位相誤差算出部135は、こうして得られ
たスロット間隔を隔てた2時点における位相誤差検出用
相関値に基づいて、スロット間隔を隔てた2時点におけ
る位相誤差検出用相関値間における位相の誤差を検出す
る。
【0101】ここで、かかる位相誤差の検出の原理につ
いて説明する。
【0102】位相誤差検出用相関値(SPCI,SPCQ)
の時刻tにおける複素表現CF(t)は、無線リンクを
接続すべき基地局の発信周波数(キャリア周波数)と、
携帯電話端末10の受信周波数との偏差をΔfとする
と、次の(5)式及び(6)式で表すことができる。
【0103】 CF(t)=SPCI(t)+j・SPCQ(t)=C・exp[j・2π・Δf・t] …(5) C=((SPCI(t))2+(SPCQ(t))2)1/2 …(6)
【0104】ところで、時刻tにサンプルホルダ131
〜134によるサンプリングが行われると、スロット間
隔をTSとして、位相誤差算出部135には、相関値C
F(t)及び相関値CF(t−TS)それぞれのI成分
及びQ成分が入力する。ところで、相関値CF(t)及
び相関値CF(t−TS)との積を算出すると、次の
(7)式のようになる。
【0105】 CF(t)・CF(t-TS)=C・exp[j・2π・Δf・t]・C・exp[j・2π・Δf・(t-TS)] =C2・exp[j・2π・Δf・TS] =C2・(cos(2π・Δf・TS)+j・sin(2π・Δf・TS)) …(7)
【0106】したがって、位相誤差算出部135は、相
関値CF(t)と相関値CF(t−TS)との積を演算
し、例えば、その演算結果の積の虚部IMP(=C2・sin
(2π・Δf・TS))を求めた後、次の(8)式の計算するこ
とにより、スロット間隔を隔てた2時点における位相誤
差検出用相関値間における位相誤差PSE(=2π・Δf・
TS)を求めることができる。
【0107】 PSE=sin-1(IMP/C2) …(8)
【0108】こうして求められた位相誤差PSEは、制
御部60に通知される。制御部60は、通知された位相
誤差PSEを使用して、次の(9)式により、周波数偏
差Δfを算出する。
【0109】 Δf=PSE/(2π・TS) …(9)
【0110】引き続き、制御部60は、算出された周波
数偏差Δfと上述した既知の周波数閾値ΔfTとの大小
を比較する。そして、周波数偏差Δfが閾値ΔfT以下
の場合には、相関演算方法として全相関演算を選択し、
一方、周波数偏差Δfが閾値ΔfTより大きい場合に
は、相関演算方法として上述した最適な部分相関演算を
選択する。こうして相関演算方法の選択が終了すると、
制御部60は、マッチトフィルタ部81、相関算出部8
5、及び相関算出部88に対して、以後に使用すべき相
関演算方法を、マッチトフィルタ制御指示MFC2、相
関演算制御指示SCC1、及び相関演算制御指示SCC
2により通知する。ここで、マッチトフィルタ部81に
対し選択された相関演算方法が通知されるのは、1回目
の第1段階の終了直後に位相誤差検出による相関演算方
法の選択が行われ、1回目の第1〜第3段階の実行によ
ってはセルサーチが成功しなかった場合に、2回目以降
の第1〜第3段階の実行にあたり、全段階にわたって1
回目の第1段階の終了直後に選択された相関演算方法を
使用することができるようにするためである。
【0111】次に、ステップ202において、選択され
た相関演算方法によりフレームタイミングFTMの抽出
及びスクランブルコードグループSCMGの特定が行わ
れる(第2段階)。かかるフレームタイミングFTMの
抽出及びスクランブルコードグループSCMGの特定に
あたっては、まず、相関算出部85が、抽出部84から
供給されたスロットタイミングSTMに基づいて、受信
信号SIN(SINI,S INQ)と、相関演算制御指示SC
C1によって指定された候補グループ(SG[z]I,
SG[z]Q)の部分と相関値(A[z]I,A[z]
Q)を算出する。この算出結果の相関値(A[z]I,
A[z]Q)は、メモリ86に格納される。
【0112】引き続き、抽出特定部87は、メモリ86
から相関値(A[1]I,A[1]Q)〜(A[Z]
I,A[Z]Q)を読み出し、その読み出し結果に基づ
いて、フレームタイミングFTMの抽出及びスクランブ
ルコードグループSCMGの特定を行う。そして、抽出
特定部87は、抽出されたフレームタイミングFTM及
び特定されたスクランブルコードグループSCMGを、
相関算出部88へ向けて出力する。こうして第2段階の
処理が終了する。
【0113】次に、ステップ203において、選択され
た相関演算方法を使用して、無線リンクを接続すべき基
地局が使用しているスクランブルコードSCMの特定が
行われる(第3段階)。かかるスクランブルコードSC
Mの特定にあたっては、まず、相関算出部88が、抽出
特定部87から供給されたフレームタイミングFTM及
びスクランブルコードグループSCMGに基づいて、受
信信号SIN(SINI,SINQ)と、相関演算制御指示S
CC2によって指定された候補コード(SC[r]I,
SC[r]Q)(r=1〜R)の部分との相関値(B
[r]I,B[r]Q)を算出し、相関電力算出器89
rへ向けて出力する。
【0114】相関電力算出部89rは、相関値(B
[r]I,B[r]Q)の電力を算出し、その結果Sth
[r]を特定部90へ向けて出力する。この相関電力S
th[r]を受信した特定部90では、累積加算部171
が相関電力Sth[1]〜Sth[R]それぞれを累積加算
し、その結果に基づいて判定部172が、無線リンクを
接続すべき基地局が使用しているスクランブルコードS
MCを特定し、制御部60、パスサーチ部72、制御チ
ャンネル受信部73、及びトラフィックチャンネル受信
部74へ向けて出力する。こうして初期セルサーチの第
3段階の処理が終了する。
【0115】次に、ステップ204において、トラフィ
ックチャンネル受信部74が、セルサーチ部71の特定
部90から供給されたスクランブルコードSMCを使用
して、受信信号SIN(SINI,SINQ)に含まれる共通
パイロットチャンネル(CPICH)成分を逆拡散処理
した結果に基づいて、無線リンクを接続すべき基地局の
発信周波数と携帯電話端末10の受信周波数との周波数
偏差を精度良く検出し、その検出結果を周波数制御部7
5へ向けて出力する。引き続き、周波数制御部75は、
受信した周波数偏差に基づいて、その周波数偏差を補正
する周波数制御指示VCSを、基本クロック発生部39
へ向けて出力する。基本クロック発生部39は、受信し
た周波数制御指示VCSに従って、基本クロックの周波
数を修正する。この結果、無線リンクを接続すべき基地
局の発信周波数と携帯電話端末10の受信周波数とが精
度良く一致する。
【0116】こうして、周波数偏差の低減が行われる
と、無線リンクを接続すべき基地局との間で、携帯電話
端末10の送受信処理が開始される。
【0117】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、初期セルサーチにあたって、初期セルサーチの第1
段階の処理終了後に、ある程度の精度で、無線リンクを
接続すべき基地局の発信周波数と携帯電話端末10の受
信周波数との周波数偏差を検出する。そして、検出され
た周波数偏差に応じて、誤検出率がより小さくなる相関
演算方法を、全相関演算及び部分相関演算のうちから選
択している。したがって、誤検出率を低下させて、無線
リンクを接続すべき基地局の探索を行うことができる。
【0118】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態に係る携帯電話端末について説明する。本実施
形態の携帯電話端末は、上述した第1の実施形態に係る
携帯電話端末と比べて、セルサーチ部の構成のみが異な
っている。以下、この相違点に主に着目して、本実施形
態について説明する。なお、以下の説明において、第1
の実施形態における場合と同一又は同等の要素には同一
の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0119】本実施形態のセルサーチ部71は、図16
に示されるように、上述の図3に示される第1実施形態
におけるセルサーチ部の位相誤差検出部82に代えて、
位相誤差検出部82Aを備えている。この位相誤差検出
部82Aには、第1実施形態における位相誤差検出部8
2のように抽出部84からサンプリングタイミングPE
Tが供給されるのではなく、相関電力算出部83から相
関電力PPSCが供給されるようになっている。
【0120】位相誤差検出部82Aは、図17に示され
るように、上述した図8に示される位相誤差検出部82
と比べて、相関電力算出部83から供給された相関電力
PS CからサンプリングタイミングPETを生成するた
めのピーク検出部181及びサンプリングタイミング生
成部182を更に備えている。ここで、ピーク検出部1
81は、入力した相関電力PPSCの時間的な変化を監視
して、相関電力PPSCの時間変化波形のピークを検出
し、検出されたピークタイミングをサンプリングタイミ
ング生成部182に通知している。また、サンプリング
タイミング生成部182は、ピーク検出部181から通
知されたピークタイミングに基づいて、サンプリングタ
イミングPETを生成し、サンプルホルダ131〜13
4に供給するようになっている。
【0121】以上のように構成された本実施形態のセル
サーチ部71は、制御部60による制御のもとで、以下
のようにしてセルサーチを行う。
【0122】前提として、第1実施形態の場合と同様
に、本実施形態の携帯電話端末10においても、マルチ
プレクサ105及びマルチプレクサ107(図4参照)
における出力選択等により選択できる部分相関演算の種
類のうち、周波数偏差の発生が予想される周波数偏差範
囲において、最適な部分相関演算の種類は、制御部60
にとって既知であるものとする。また、この最適な部分
相関演算を行うとしたときに、上述した図25における
値ΔfTも、制御部60にとって既知であるものとする。
【0123】電源が投入されると、内部回路が初期化さ
れた後に、携帯電話端末10は初期セルサーチを開始す
る。この初期セルサーチにあたり、図18に示されるよ
うに、まず、ステップ201において、アンテナ12で
受信され、送受信切換器14を経由した後、受信信号処
理部20内において、線形増幅器21からA/D変換器
29I,29Qまでの各要素を介することにより、I成
分受信信号SINI及びQ成分受信信号SINQの形態とさ
れた受信信号から、携帯電話端末10が無線リンクを接
続すべき基地局の送信におけるスロットタイミングST
Mの抽出を行う(第1段階)。
【0124】この第1段階では、第1の実施形態の場合
と同様に、まず、制御部60が、上述したセルサーチ部
71のマッチトフィルタ部81におけるマルチプレクサ
107(図4参照)に対して、相関選択指示MFC2に
より全相関(TCRI,TCRQ)を選択して出力すべ
きことを通知するとともに、マルチプレクサ105(図
4参照)に対して、相関選択指示MFC1により全相関
(TCRI,TCRQ)を選択して出力すべきことを通
知する。この通知を受けたマッチトフィルタ部81は、
マルチプレクサ107の出力の選択を全相関(TCR
I,TCRQ)の出力に設定するとともに、マルチプレ
クサ105の出力の選択を全相関(TCRI,TCR
Q)の出力に設定する。
【0125】この状態でセルサーチ部71に受信信号S
IN(SINI,SINQ)が入力すると、マッチトフィルタ
部81は、上述した構成要素により各種の相関演算を行
い、第1同期コードPSCの1シンボル分(すなわちN
C個のチップ)全てのチップ(PSCI0,0〜PSCI
P,NP+1,PSCQ0,0〜PSCQP,NP+1)と受信信号S
IN(SINI,SINQ)との相関演算結果すなわち全相関
(TCRI,TCRQ)を、スロットタイミング検出用
相関値(SPSCI,SPSCQ)として、相関電力算出部8
3へ向けて出力する。また、マッチトフィルタ部81
は、全相関(TCRI,TCRQ)を、位相誤差検出用
相関値(SPCI,SPCQ)として、位相誤差検出部82
へ向けて出力する。
【0126】以後、ステップ201においては、第1の
実施形態の場合と同様にして、無線リンクを接続すべき
基地局から送信された第1同期チャンネル(P−SC
H)のスロットタイミングSTMの抽出処理を継続す
る。
【0127】かかるスロットタイミングSTMの抽出処
理と並行して、ステップ221において、位相誤差検出
部82のピーク検出部181は、受信した相関電力信号
PS Cの波形ピーク(すなわち、相関ピーク)の検出を
行う。そして、ピーク検出部181は、相関ピークを検
出すると、直ちにその旨を、サンプリングタイミング生
成部182へ通知する。
【0128】引き続き、ステップ222において、相関
ピークの検出の通知を受けたサンプリングタイミング生
成部182は、その通知がされたタイミングに基づい
て、サンプリングタイミングPETを生成し、サンプル
ホルダ131〜134に位相誤差検出用サンプルタイミ
ングとして供給する。以下、ステップ222において
は、第1の実施形態におけるステップ211の場合と同
様にして、サンプルホルダ131〜134及び位相誤差
算出部135によって位相誤差PSEが算出されて、制
御部60に通知される。そして、制御部60が、通知さ
れた位相誤差PSEを使用して、第1の実施形態の場合
と同様にして、周波数偏差Δfを算出する。
【0129】引き続き、制御部60は、算出された周波
数偏差Δfと上述した既知の周波数閾値ΔfTとの大小
を比較する。そして、周波数偏差Δfが閾値ΔfT以下
の場合には、相関演算方法として全相関演算を選択し、
一方、周波数偏差Δfが閾値ΔfTより大きい場合に
は、相関演算方法として上述した最適な部分相関演算を
選択する。
【0130】こうして選択された相関演算方法が全相関
演算であった場合には、制御部60は、相関算出部85
及び相関算出部88に対して、以後に使用すべき相関演
算方法を、相関演算制御指示SCC1及び相関演算制御
指示SCC2により通知する。この結果、ステップ20
1の第1段階処理は全相関演算によってそのまま継続さ
れる。
【0131】一方、選択された相関演算方法が部分相関
演算であった場合には、制御部60は、マッチトフィル
タ部81、相関算出部85、及び相関算出部88に対し
て、以後に使用すべき相関演算方法を、マッチトフィル
タ制御指示MFC2、相関演算制御指示SCC1、及び
相関演算制御指示SCC2により通知する。この結果、
ステップ201の第1段階処理は部分相関演算を使用す
る処理に切り換えられ、部分相関演算を使用したスロッ
トタイミングSTMの抽出が行われる。
【0132】以後、ステップ202及びステップ203
の処理において、第1の実施形態と同様にして、選択さ
れた相関演算方法を使用して、フレームタイミングFT
Mの抽出、スクランブルコードグループの特定、及びス
クランブルコードの特定が行われる。そして、ステップ
204において、第1の実施形態の場合と同様にして、
精度の良く周波数制御が行われ、送受信処理が開始され
る。
【0133】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、初期セルサーチにあたって、初期セルサーチの第1
段階と並行して、ある程度の精度で、無線リンクを接続
すべき基地局の発信周波数と携帯電話端末10の受信周
波数との周波数偏差を検出する。そして、検出された周
波数偏差に応じて、誤検出率がより小さくなる相関演算
方法を、全相関演算及び部分相関演算のうちから選択
し、選択された相関演算方法を使用して、その後のセル
サーチ処理を行っている。したがって、誤検出率を低下
させて、無線リンクを接続すべき基地局の探索を行うこ
とができる。
【0134】また、第1の実施形態と異なり、初期セル
サーチの第1段階の終了を待たずに第1段階と並行して
周波数偏差の検出を行い、使用すべき相関演算方法を選
択して、選択された相関演算方法の使用を直ちに開始す
るので、第1の実施形態と比べて、より迅速に適切な相
関演算方法を選択することができる。このため、第1の
実施形態と比べて、さらに誤検出率を低下させることが
できる。
【0135】《第3の実施形態》次に、本発明の第3の
実施形態に係る携帯電話端末について説明する。本実施
形態の携帯電話端末は、上述した第1及び第2の実施形
態に係る携帯電話端末と比べて、位相誤差検出用に部分
相関演算結果が使用される点及びセルサーチ部の構成の
みが異なっている。以下、この相違点に主に着目して、
本実施形態について説明する。なお、以下の説明におい
て、第1又は第2の実施形態における場合と同一又は同
等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。
【0136】本実施形態のセルサーチ部71は、図19
に示されるように、上述の図3に示される第1の実施形
態におけるセルサーチ部の位相誤差検出部82に代え
て、位相誤差検出部82Bを備えている。この位相誤差
検出部82Bには、第1の実施形態における抽出部84
からのサンプリングタイミングPETの供給や、第2実
施形態における相関電力PPSCの供給は行われず、マッ
チトフィルタ部81から位相差検出用相関値SPCI,S
PCQが供給されている。
【0137】位相誤差検出部82Bは、図20に示され
るように、上述した図8に示される第1の実施形態の位
相誤差検出部82と比べて、位相差検出用相関値S
PCI,S PCQからサンプリングタイミングPETを生成
するための相関電力算出部183、ピーク検出部18
4、及びサンプリングタイミング生成部185を更に備
えている。ここで、相関電力算出部183は、位相差検
出用相関値対(SPCI,SPCQ)の相関電力を算出し、
ピーク検出部184へ向けて出力する。また、ピーク検
出部184は、相関電力算出部183による相関電力P
の算出結果の時間的な変化を監視して、当該相関電力の
時間変化波形のピークを検出し、検出されたピークタイ
ミングをサンプリングタイミング生成部185に通知し
ている。また、サンプリングタイミング生成部185
は、ピーク検出部184から通知されたピークタイミン
グに基づいて、サンプリングタイミングPET’を生成
し、サンプルホルダ131〜134に供給するようにな
っている。
【0138】以上のように構成された本実施形態のセル
サーチ部71は、制御部60による制御のもとで、以下
のようにしてセルサーチを行う。
【0139】前提として、第1実施形態の場合と同様
に、本実施形態の携帯電話端末10においても、マルチ
プレクサ105及びマルチプレクサ107(図4参照)
における出力選択等により選択できる部分相関演算の種
類のうち、周波数偏差の発生が予想される周波数偏差範
囲において、最適な部分相関演算の種類は、制御部60
にとって既知であるものとする。また、この最適な部分
相関演算を行うとしたときに、上述した図25における
値ΔfTも、制御部60にとって既知であるものとする。
【0140】電源が投入されると、内部回路が初期化さ
れた後に、携帯電話端末10は初期セルサーチを開始す
る。この初期セルサーチにあたり、図21に示されるよ
うに、まず、ステップ201において、アンテナ12で
受信され、送受信切換器14を経由した後、受信信号処
理部20内において、線形増幅器21からA/D変換器
29I,29Qまでの各要素を介することにより、I成
分受信信号SINI及びQ成分受信信号SINQの形態とさ
れた受信信号から、携帯電話端末10が無線リンクを接
続すべき基地局の送信におけるスロットタイミングST
Mの抽出を行う(第1段階)。
【0141】この第1段階では、まず、制御部60が、
上述したセルサーチ部71のマッチトフィルタ部81に
おけるマルチプレクサ107(図4参照)に対して、相
関選択指示MFC2により全相関(TCRI,TCR
Q)を選択して出力すべきことを通知するとともに、マ
ルチプレクサ105(図4参照)に対して、相関選択指
示MFC1により所定の部分相関(PCRIp0,PCR
p0)を選択して出力すべきことを通知する。この通知
を受けたマッチトフィルタ部81は、マルチプレクサ1
07の出力として全相関(TCRI,TCRQ)を選択
するとともに、マルチプレクサ105の出力として部分
相関(PCRIp0,PCRQp0)を選択する。
【0142】この状態でセルサーチ部71に受信信号S
IN(SINI,SINQ)が入力すると、マッチトフィルタ
部81は、上述した構成要素により各種の相関演算を行
い、第1同期コードPSCの1シンボル分(すなわちN
C個のチップ)全てのチップ(PSCI0,0〜PSCI
P,NP+1,PSCQ0,0〜PSCQP,NP+1)と受信信号S
IN(SINI,SINQ)との相関演算結果すなわち全相関
(TCRI,TCRQ)を、スロットタイミング検出用
相関値(SPSCI,SPSCQ)として、相関電力算出部8
3へ向けて出力する。また、マッチトフィルタ部81
は、部分相関(PCRIp0,PCRQp0)を、位相誤差
検出用相関値(SPCI,SPCQ)として、位相誤差検出
部82へ向けて出力する。
【0143】以後、ステップ201においては、第1の
実施形態の場合と同様にして、無線リンクを接続すべき
基地局から送信された第1同期チャンネル(P−SC
H)のスロットタイミングSTMの抽出処理を継続す
る。
【0144】かかるスロットタイミングSTMの抽出処
理と並行して、ステップ231において、位相誤差検出
部82Bの相関電力算出部183は、受信した位相差検
出用相関値対(SPCI,SPCQ)の相関電力を算出し、
ピーク検出部184へ向けて出力する。引き続き、ピー
ク検出部184は、受信した相関電力信号の波形ピーク
(すなわち、相関ピーク)の検出を行う。そして、ピー
ク検出部184は、相関ピークを検出すると、直ちにそ
の旨を、サンプリングタイミング生成部185へ通知す
る。
【0145】ここで、受信した位相差検出用相関値対
(SPCI,SPCQ)は部分相関の演算結果なので、1シ
ンボル内において周期的に発生する複数のピークを有し
ている。例えば、部分相関演算が1シンボルの1/4の
チップについて行われるのであれば、1シンボル期間の
1/4の期間を周期として相関ピークが検出される。
【0146】引き続き、ステップ232において、相関
ピークの検出の通知を受けたサンプリングタイミング生
成部185は、その通知がされたタイミングに基づい
て、サンプリングタイミングPET’を生成し、サンプ
ルホルダ131〜134に供給する。この結果、1シン
ボル期間内において、複数のサンプリングタイミングP
ET’が生成される。以下、ステップ232において
は、第1の実施形態におけるステップ211の場合と同
様にして、サンプルホルダ131〜134及び位相誤差
算出部135によって、1シンボル期間内の複数のサン
プリングタイミングがされた後、当該サンプリングタイ
ミング間における位相差検出用相関値対(S PCI,SPC
Q)の波形における位相誤差PSEが算出されて、制御
部60に通知される。そして、制御部60が、通知され
た位相誤差PSEを使用して、第1の実施形態の場合と
同様にして、周波数偏差Δfを算出する。
【0147】引き続き、制御部60は、算出された周波
数偏差Δfと上述した既知の周波数閾値ΔfTとの大小
を比較する。そして、周波数偏差Δfが閾値ΔfT以下
の場合には、相関演算方法として全相関演算を選択し、
一方、周波数偏差Δfが閾値ΔfTより大きい場合に
は、相関演算方法として上述した最適な部分相関演算を
選択する。
【0148】こうして選択された相関演算方法が全相関
演算であった場合には、制御部60は、相関算出部85
及び相関算出部88に対して、以後に使用すべき相関演
算方法を、相関演算制御指示SCC1及び相関演算制御
指示SCC2により通知する。この結果、ステップ20
1の第1段階処理は全相関演算によってそのまま継続さ
れる。
【0149】一方、選択された相関演算方法が部分相関
演算であった場合には、制御部60は、マッチトフィル
タ部81、相関算出部85、及び相関算出部88に対し
て、以後に使用すべき相関演算方法を、マッチトフィル
タ制御指示MFC2、相関演算制御指示SCC1、及び
相関演算制御指示SCC2により通知する。この結果、
ステップ201の第1段階処理は部分相関演算を使用す
る処理に切り換えられ、部分相関演算を使用したスロッ
トタイミングSTMの抽出が行われる。
【0150】以後、ステップ202及びステップ203
の処理において、第1の実施形態と同様にして、選択さ
れた相関演算方法を使用して、フレームタイミングFT
Mの抽出、スクランブルコードグループの特定、及びス
クランブルコードの特定が行われる。そして、ステップ
204において、第1の実施形態の場合と同様にして、
精度の良く周波数制御が行われ、送受信処理が開始され
る。
【0151】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、初期セルサーチにあたって、初期セルサーチの第1
段階と並行して、ある程度の精度で、無線リンクを接続
すべき基地局の発信周波数と携帯電話端末10の受信周
波数との周波数偏差を検出する。そして、検出された周
波数偏差に応じて、誤検出率がより小さくなる相関演算
方法を、全相関演算及び部分相関演算のうちから選択
し、選択された相関演算方法を使用して、その後のセル
サーチ処理を行っている。したがって、誤検出率を低下
させて、無線リンクを接続すべき基地局の探索を行うこ
とができる。
【0152】また、第1の実施形態と異なり、初期セル
サーチの第1段階の終了を待たずに第1段階と並行して
周波数偏差の検出を行い、使用すべき相関演算方法を選
択して、選択された相関演算方法の使用を直ちに開始す
るので、より迅速に適切な相関演算方法を選択すること
ができる。このため、第1の実施形態と比べて、さらに
誤検出率を低下させることができる。
【0153】さらに、第2の実施形態と異なり、位相誤
差の検出を1スロット期間内(より詳細には、1シンボ
ル期間内)に得られた情報に基づいて、周波数偏差の検
出を行い、使用すべき相関演算方法を選択するので、第
2の実施形態と比べてより迅速に適切な相関演算方法を
選択することができる。
【0154】《第4の実施形態》次に、本発明の第4の
実施形態に係る携帯電話端末について説明する。本実施
形態の携帯電話端末は、上述した第1の実施形態に係る
携帯電話端末と比べて、位相誤差検出用に部分相関演算
結果が使用される点及びセルサーチ部の構成のみが異な
っている。以下、この相違点に主に着目して、本実施形
態について説明する。なお、以下の説明において、第1
〜第3の実施形態における場合と同一又は同等の要素に
は同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0155】本実施形態のセルサーチ部71は、図22
に示されるように、上述の図3に示される第1の実施形
態におけるセルサーチ部の位相誤差検出部82に代え
て、位相誤差検出部82Cを備えている点のみが異なっ
ている。
【0156】位相誤差検出部82Cは、図23に示され
るように、上述した図8に示される第1の実施形態の位
相誤差検出部82と比べて、サンプリングタイミング生
成部186を更に備えている。ここで、サンプリングタ
イミング生成部186は、抽出部84から供給されたサ
ンプリングタイミングPETに基づいて、新たなサンプ
リングタイミングPET’を生成し、サンプルホルダ1
31〜134に供給するようになっている。新たなサン
プリングタイミングPET’の作成にあたっては、具体
的には、シンボル周期、サンプリングタイミングPE
T、及び部分相関のコード式の長さから、部分相関のピ
ークタイミングを特定している。
【0157】以上のように構成された本実施形態のセル
サーチ部71は、制御部60による制御のもとで、以下
のようにしてセルサーチを行う。
【0158】前提として、第1実施形態の場合と同様
に、本実施形態の携帯電話端末10においても、マルチ
プレクサ105及びマルチプレクサ107(図4参照)
における出力選択等により選択できる部分相関演算の種
類のうち、周波数偏差の発生が予想される周波数偏差範
囲において、最適な部分相関演算の種類は、制御部60
にとって既知であるものとする。また、この最適な部分
相関演算を行うとしたときに、上述した図25における
値ΔfTも、制御部60にとって既知であるものとする。
【0159】電源が投入されると、内部回路が初期化さ
れた後に、携帯電話端末10は初期セルサーチを開始す
る。この初期セルサーチにあたり、図24に示されるよ
うに、まず、ステップ201において、アンテナ12で
受信され、送受信切換器14を経由した後、受信信号処
理部20内において、線形増幅器21からA/D変換器
29I,29Qまでの各要素を介することにより、I成
分受信信号SINI及びQ成分受信信号SINQの形態とさ
れた受信信号から、携帯電話端末10が無線リンクを接
続すべき基地局の送信におけるスロットタイミングST
Mの抽出を行う(第1段階)。
【0160】この第1段階では、まず、制御部60が、
上述したセルサーチ部71のマッチトフィルタ部81に
おけるマルチプレクサ107(図4参照)に対して、相
関選択指示MFC2により全相関(TCRI,TCR
Q)を選択して出力すべきことを通知するとともに、マ
ルチプレクサ105(図4参照)に対して、相関選択指
示MFC1により所定の部分相関(PCRIp0,PCR
p0)を選択して出力すべきことを通知する。この通知
を受けたマッチトフィルタ部81は、マルチプレクサ1
07の出力として全相関(TCRI,TCRQ)を選択
するとともに、マルチプレクサ105の出力として部分
相関(PCRIp0,PCRQp0)を選択する。
【0161】この状態でセルサーチ部71に受信信号S
IN(SINI,SINQ)が入力すると、マッチトフィルタ
部81は、上述した構成要素により各種の相関演算を行
い、第1同期コードPSCの1シンボル分(すなわちN
C個のチップ)全てのチップ(PSCI0,0〜PSCI
P,NP+1,PSCQ0,0〜PSCQP,NP+1)と受信信号S
IN(SINI,SINQ)との相関演算結果すなわち全相関
(TCRI,TCRQ)を、スロットタイミング検出用
相関値(SPSCI,SPSCQ)として、相関電力算出部8
3へ向けて出力する。また、マッチトフィルタ部81
は、部分相関(PCRIp0,PCRQp0)を、位相誤差
検出用相関値(SPCI,SPCQ)として、位相誤差検出
部82Cへ向けて出力する。
【0162】以後、ステップ201においては、第1の
実施形態の場合と同様にして、無線リンクを接続すべき
基地局から送信された第1同期チャンネル(P−SC
H)のスロットタイミングSTMの抽出処理を継続す
る。そして、この抽出処理の途中段階から、各スロット
ごとに応じてサンプリングタイミングPETの出力を開
始する。
【0163】こうしたスロットタイミングSTMの抽出
処理と並行して、ステップ241において、位相誤差検
出部82Cのサンプリングタイミング生成部186は、
受信したサンプリングタイミングPETに基づいて、受
信した位相差検出用相関値対(SPCI,SPCQ)の相関
電力における複数のピーク発生時点を推定する。
【0164】引き続き、ステップ242において、サン
プリングタイミング生成部186は、推定された相関ピ
ーク点におけるサンプリングを指示する新たなサンプリ
ングタイミングPET’を生成し、サンプルホルダ13
1〜134に位相誤差検出用サンプルタイミングとして
供給する。この結果、1シンボル期間内において、複数
のサンプリングタイミングPET’が生成される。以
下、ステップ232においては、第1の実施形態におけ
るステップ211の場合と同様にして、サンプルホルダ
131〜134及び位相誤差算出部135によって、1
シンボル期間内の複数のサンプリングタイミングがされ
た後、当該サンプリングタイミング間における位相差検
出用相関値対(SPCI,SPCQ)の波形における位相誤
差PSEが算出されて、制御部60に通知される。そし
て、制御部60が、通知された位相誤差PSEを使用し
て、第1の実施形態の場合と同様にして、周波数偏差Δ
fを算出する。
【0165】引き続き、制御部60は、算出された周波
数偏差Δfと上述した既知の周波数閾値ΔfTとの大小
を比較する。そして、周波数偏差Δfが閾値ΔfT以下
の場合には、相関演算方法として全相関演算を選択し、
一方、周波数偏差Δfが閾値ΔfTより大きい場合に
は、相関演算方法として上述した最適な部分相関演算を
選択する。
【0166】こうして選択された相関演算方法が全相関
演算であった場合には、制御部60は、相関算出部85
及び相関算出部88に対して、以後に使用すべき相関演
算方法を、相関演算制御指示SCC1及び相関演算制御
指示SCC2により通知する。この結果、ステップ20
1の第1段階処理は全相関演算によってそのまま継続さ
れる。
【0167】一方、選択された相関演算方法が部分相関
演算であった場合には、制御部60は、マッチトフィル
タ部81、相関算出部85、及び相関算出部88に対し
て、以後に使用すべき相関演算方法を、マッチトフィル
タ制御指示MFC2、相関演算制御指示SCC1、及び
相関演算制御指示SCC2により通知する。この結果、
ステップ201の第1段階処理は部分相関演算を使用す
る処理に切り換えられ、部分相関演算を使用したスロッ
トタイミングSTMの抽出が行われる。
【0168】以後、ステップ202及びステップ203
の処理において、第1の実施形態と同様にして、選択さ
れた相関演算方法を使用して、フレームタイミングFT
Mの抽出、スクランブルコードグループの特定、及びス
クランブルコードの特定が行われる。そして、ステップ
204において、第1の実施形態の場合と同様にして、
精度の良く周波数制御が行われ、送受信処理が開始され
る。
【0169】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、初期セルサーチにあたって、初期セルサーチの第1
段階と並行して、ある程度の精度で、無線リンクを接続
すべき基地局の発信周波数と携帯電話端末10の受信周
波数との周波数偏差を検出する。そして、検出された周
波数偏差に応じて、誤検出率がより小さくなる相関演算
方法を、全相関演算及び部分相関演算のうちから選択
し、選択された相関演算方法を使用して、その後のセル
サーチ処理を行っている。したがって、誤検出率を低下
させて、無線リンクを接続すべき基地局の探索を行うこ
とができる。
【0170】また、第1の実施形態と異なり、初期セル
サーチの第1段階の終了を待たずに第1段階と並行して
周波数偏差の検出を行い、使用すべき相関演算方法を選
択して、選択された相関演算方法の使用を直ちに開始す
るので、より迅速に適切な相関演算方法を選択すること
ができる。このため、第1の実施形態と比べて、さらに
誤検出率を低下させることができる。
【0171】さらに、第2の実施形態と異なり、位相誤
差の検出を1スロット期間内(より詳細には、1シンボ
ル期間内)に得られた情報に基づいて、周波数偏差の検
出を行い、使用すべき相関演算方法を選択するので、第
3の実施形態と同様に、第2の実施形態と比べてより迅
速に適切な相関演算方法を選択することができる。な
お、図24のステップ241とステップ242は、第1
段階が終了した後に行うこととしても良いのは、勿論で
ある。
【0172】なお、上記の各実施形態では、携帯電話端
末について説明したが、CDMA方式を採用する移動体
通信網における移動局装置であれば、本発明を他の種類
の装置にも適用することができる。
【0173】また、上記の各実施形態では、位相誤差検
出に先立って、又は、位相誤差検出と並行して行われる
スロットタイミングの検出においては全相関演算を行う
こととしたが、部分相関演算を行うこともできる。
【0174】また、上記第1〜第3の実施形態における
マッチトフィルタ部81においては、2つのマルチプレ
クサ105及びマルチプレクサ107を使用したが、マ
ルチプレクサ107を省略し、マルチプレクサ105の
出力を位相誤差検出部82及び相関電力算出部83へ供
給する構成とすることもできる。
【0175】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のセ
ルサーチ方法及びセルサーチ装置によれば、無線リンク
を接続すべき基地局の発信周波数と移動局の受信周波数
との周波数偏差を検出し、検出された周波数偏差に基づ
いて、その周波数偏差がある場合に、セルサーチにおけ
る誤検出率の低下の観点からみて、適切な受信信号と所
定コードとの相関を求める相関検出方法を選択する。し
たがって、選択された相関検出方法を使用して、受信信
号と所定のコードとの相関を検出することにより、誤検
出率を低減した適切なセルサーチを行うことができる。
【0176】また、本発明の移動体端末装置によれば、
本発明のセルサーチ装置を備え、当該セルサーチ装置に
よりセルサーチを行うので、移動体通信網を介した通信
にあたって、誤検出率を低減したセルサーチを行うこと
ができる
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の携帯電話端末の概略的な構成
を示す図である。
【図2】図1における逆拡散復調部の概略的な構成を示
す図である。
【図3】図2におけるセルサーチ部の構成を示す図であ
る。
【図4】図3におけるマッチトフィルタ部の構成を示す
図である。
【図5】図4における個別マッチトフィルタ部の構成を
示す図(その1)である。
【図6】図4における個別マッチトフィルタ部の構成を
示す図(その2)である。
【図7】図5及び図6における複素積算出部の構成を示
す図である。
【図8】図3における位相誤差検出部の構成を示す図で
ある。
【図9】図3におけるスロットタイミングの抽出部の構
成を示す図である。
【図10】図3におけるフレームタイミング抽出及びス
クランブルコードグループ特定用の相関算出部の構成を
示す図である。
【図11】図10におけるスライディング相関器の構成
を示す図である。
【図12】図3におけるスクランブルコード特定用の相
関算出部の構成を示す図である。
【図13】図12におけるスライディング相関器の構成
を示す図である。
【図14】図3におけるスクランブルコードの特定部の
構成を示す図である。
【図15】第1の実施形態におけるセルサーチ動作を説
明するためのフローチャートである。
【図16】第2の実施形態におけるセルサーチ部の構成
を示す図である。
【図17】図16における位相誤差検出部の構成を示す
図である。
【図18】第2の実施形態におけるセルサーチ動作を説
明するためのフローチャートである。
【図19】第3の実施形態におけるセルサーチ部の構成
を示す図である。
【図20】図19における位相誤差検出部の構成を示す
図である。
【図21】第3の実施形態におけるセルサーチ動作を説
明するためのフローチャートである。
【図22】第4の実施形態におけるセルサーチ部の構成
を示す図である。
【図23】図22における位相誤差検出部の構成を示す
図である。
【図24】第4の実施形態におけるセルサーチ動作を説
明するためのフローチャートである。
【図25】周波数偏差とセルサーチにおける誤検出率と
の関係を説明するためのグラフである。
【図26】セルサーチ用に使用される基地局からの送信
情報を説明するための図である。
【図27】従来のセルサーチ動作を説明するためのフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10…携帯電話端末(移動局装置)、12…アンテナ
(受信手段)、60…制御部(セルサーチ装置の一部、
周波数偏差検出手段の一部)、71…セルサーチ部(セ
ルサーチ装置の一部)、81…マッチトフィルタ部、8
2…位相誤差検出部(周波数偏差検出手段の一部)、8
3…相関電力算出部、84…スロットタイミング抽出
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 劉 詩平 東京都世田谷区北沢3丁目5番18号 株式 会社鷹山内 Fターム(参考) 5K022 EE01 EE21 EE33 EE36 5K047 AA11 BB01 BB05 CC01 HH02 HH15 LL06 MM33 5K067 BB04 CC10 DD25 DD43 DD46 EE02 EE10 EE24 EE68 HH22 HH36 JJ72

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動局が接続すべき基地局の探索を行う
    セルサーチ方法であって、 前記セルに応じた基地局の送信周波数と前記移動局の受
    信周波数との周波数偏差を検出する周波数偏差検出工程
    と;前記周波数偏差検出工程において検出された周波数
    偏差に基づいて、前記受信信号と所定コードとの相関を
    求める相関検出方法を選択する相関検出方法選択工程
    と;を含むセルサーチ方法。
  2. 【請求項2】 前記基地局の探索は、 前記基地局からの受信信号と前記複数の基地局に共通の
    第1同期コードとの相関に基づいて、スロット同期タイ
    ミングを抽出する第1段階と;該第1段階で抽出された
    スロット同期タイミングを使用して、前記受信信号と前
    記受信信号に含まれるスクランブルコードグループを特
    定するための複数のコードから構成される第2同期コー
    ドとの相関に基づいて、フレーム同期タイミングの抽出
    及びスクランブルコードグループの特定を行う第2段階
    と;前記スクランブルコードグループに含まれるスクラ
    ンブルコードそれぞれと前記受信信号との相関に基づい
    て、前記受信信号に含まれるスクランブルコードを特定
    する第3段階と;の3段階を少なくとも1回経ることに
    より行われることを特徴とする請求項1に記載のセルサ
    ーチ方法。
  3. 【請求項3】 前記周波数偏差検出工程は、 前記第1段階の終了後において、前記第1段階で抽出さ
    れたスロット同期タイミングと同期して前記受信信号の
    逆拡散後の信号間の位相誤差を検出する位相誤差検出工
    程と;前記位相誤差検出工程において検出された位相誤
    差に基づいて、前記周波数偏差を算出する周波数偏差算
    出工程と;を含むことを特徴とする請求項2に記載のセ
    ルサーチ方法。
  4. 【請求項4】 前記周波数偏差検出工程は、 前記第1段階と並行して、前記受信信号と前記第1同期
    コードとの相関のピークを検出する相関ピーク検出工程
    と;前記相関ピーク検出工程において検出された複数の
    相関ピーク時点における前記受信信号の逆拡散後の信号
    間の位相誤差を検出する位相誤差検出工程と;前記位相
    誤差検出工程において検出された位相誤差に基づいて、
    前記周波数偏差を算出する周波数偏差算出工程と;を含
    むことを特徴とする請求項2に記載のセルサーチ方法。
  5. 【請求項5】 前記周波数偏差検出工程は、 前記第1段階と並行して、前記受信信号と前記第1同期
    コードの1シンボル未満の部分コードとの相関ピークを
    検出するシンボル内相関ピーク検出工程と;前記シンボ
    ル内相関ピーク検出工程において検出された1スロット
    内の複数の相関ピーク点における前記受信信号の前記部
    分コードによる逆拡散後の信号間における位相誤差を検
    出する位相誤差検出工程と;前記位相誤差検出工程にお
    いて検出された位相誤差に基づいて、前記周波数偏差を
    算出する周波数偏差算出工程と;を含むことを特徴とす
    る請求項2に記載のセルサーチ方法。
  6. 【請求項6】 前記周波数偏差検出工程は、 前記第1段階と並行して、それまでの前記第1段階の処
    理において抽出されたスロット同期タイミングを使用
    し、前記受信信号と前記第1同期コードの1シンボル未
    満の部分コードとの相関ピーク点を推定するシンボル内
    相関ピーク推定工程と;前記シンボル内相関ピーク検出
    工程において推定された1スロット内の複数の相関ピー
    ク点における前記受信信号の前記部分コードによる逆拡
    散後の信号間における位相誤差を検出する位相誤差検出
    工程と;前記位相誤差検出工程において検出された位相
    誤差に基づいて、前記周波数偏差を算出する周波数偏差
    算出工程と;を含むことを特徴とする請求項2に記載の
    セルサーチ方法。
  7. 【請求項7】 前記相関検出方法選択工程において選択
    された相関検出方法を使用して、その後における相関検
    出が行われることを特徴とする請求項3〜6のいずれか
    一項に記載のセルサーチ方法。
  8. 【請求項8】 前記相関検出方法選択工程では、 前記検出された周波数偏差が所定の閾値よりも大きいと
    きには、1シンボル未満を単位として相関を求める部分
    相関検出方法を選択し、 前記検出された周波数偏差が所定の閾値以下のときに
    は、1シンボル単位で相関を求める全相関検出方法を選
    択する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項
    に記載のセルサーチ方法。
  9. 【請求項9】 移動局が接続すべきセルの探索を行うセ
    ルサーチ装置であって、 前記セルに応じた基地局の送信周波数と前記受信局の受
    信周波数との周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段
    と;前記周波数偏差検出手段により検出された周波数偏
    差に基づいて、前記受信信号と所定コードとの相関を求
    める相関検出方法を選択する相関検出方法選択手段と;
    を備えるセルサーチ装置。
  10. 【請求項10】 基地局から送信された信号を受信する
    受信手段と;前記受信手段により受信した信号に基づい
    てセルサーチを行う請求項9に記載のセルサーチ装置
    と;を備える移動体通信端末装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100658576B1 (ko) * 2004-11-05 2006-12-15 에스케이 텔레콤주식회사 휴대 인터넷 시스템을 위한 셀 탐색 장치 및 방법
JP2007521679A (ja) * 2003-08-04 2007-08-02 トムソン ライセンシング ユニバーサル移動体通信システム受信機におけるセル・サーチの間の周波数の同期
US7689185B2 (en) 2004-02-11 2010-03-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for estimating initial frequency offset in an asynchronous mobile communication system

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