JP2003151796A - 携帯型プラズマ処理装置 - Google Patents

携帯型プラズマ処理装置

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JP2003151796A
JP2003151796A JP2001353043A JP2001353043A JP2003151796A JP 2003151796 A JP2003151796 A JP 2003151796A JP 2001353043 A JP2001353043 A JP 2001353043A JP 2001353043 A JP2001353043 A JP 2001353043A JP 2003151796 A JP2003151796 A JP 2003151796A
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processing apparatus
circuit
voltage
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JP2001353043A
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Kensuke Akutsu
顯右 阿久津
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電極に印加される高電圧パルス電力の電圧
及びパルス形態を一定化することができ、安定したプラ
ズマを発生させることができる携帯型プラズマ処理装置
を提供する。 【解決手段】 携帯型プラズマ処理装置1には、電源か
ら供給される交流電力を変換して直流電力を生成する変
換回路3と、変換回路3から出力された直流電力を所定
周波数及び所定パルス幅の基準パルス電力に変換するM
OS型FET15、16を用いた基準発振回路4と、基
準発振回路4から出力された基準パルス電力を昇圧して
高電圧パルス電力を生成する高電圧トランス5と、高電
圧トランス5で生成された高電圧パルス電力を受け入れ
て、被処理物に接近又は接触したときに該被処理物との
間にコロナ放電を惹起して被処理物表面にプラズマ処理
を施す放電極6とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基準発振回路と高
電圧生成変圧器とによって高電圧パルス電力を生成し、
この高電圧パルス電力を放電極に印加して、該放電極と
被処理物との間にコロナ放電を生じさせ、被処理物にプ
ラズマ処理を施すようにした携帯型プラズマ処理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂、紙、布あるいは金属(例
えば、アルミニウム、鉄)等で形成された被処理物の表
面に、接着剤を用いて他の部材を接着し、塗料を塗布
し、あるいは印刷を行う場合、被処理物表面への接着剤
ないしは塗料の接着性、印刷インキの印刷特性、該被処
理物表面の防曇性、洗浄性あるいは摩擦特性等を改良す
るために、該被処理物に対して表面処理が施される。そ
して、このような表面処理の1つとして、コロナ放電に
より空気中に生じるプラズマを被処理物表面に印加して
該表面を改質するといったプラズマ処理が知られてい
る。なお、かかるプラズマ処理は、例えば、1991年
に高分子刊行会から発行された雑誌「接着」の第35巻
第4号の24頁〜30頁に掲載された、記事「コロナ表
面処理」中に開示されている。
【0003】このようなプラズマ処理においては、コロ
ナ放電により被処理物近傍の空気中にプラズマを発生さ
せるプラズマ発生装置が用いられるが、従来のプラズマ
発生装置は、普通、高電圧・高周波数の交流電力あるい
はパルス状電力を放電極に印加し、該放電極を、略グラ
ンド電圧に保持された対向電極の上に配置された被処理
物に接触又は接近させ、放電極と対向電極ないしは被処
理物との間にコロナ放電を惹起して被処理物近傍の空気
中にプラズマを発生させるようにしている。そして、こ
のような被処理物のプラズマ処理に用いられる従来のプ
ラズマ発生装置は、高電圧を取り扱い、また安定したプ
ラズマを発生させるために放電間隔を一定にする必要が
あるので、一般に固定式とされている。したがって、被
処理物は、搬送装置等を用いてプラズマ発生装置に搬送
され、該プラズマ発生装置内でプラズマ処理が施され
る。
【0004】しかしながら、このような被処理物のプラ
ズマ処理に用いられる従来のプラズマ発生装置は大がか
りな固定式であり、その電気容量が大きいので(例え
ば、数十Kw程度)、比較的単純な形状の被処理物を大
量かつ画一的に処理するのには適しているものの、比較
的複雑な形状の被処理物の処理、あるいは被処理物の一
部分のみに対して局所的にプラズマ処理を施し又は他の
部分よりも強いプラズマ処理を施すなどといった個別的
ないしは補修的な処理には不適であるといった問題があ
る。また、かかる大型で大容量のプラズマ発生装置は、
持ち運びが著しく困難であり、かつそのコストが非常に
高くなるといった問題もある。
【0005】そこで、本願出願人はこのような問題を解
決すべく、特開平11−054298号公報等におい
て、持ち運び可能な可搬式小型表面処理装置を提案して
いる。この小型表面処理装置(小型常圧プラズマ発生装
置)は、励磁と消磁とを繰り返すスイッチ駆動用マグネ
ットと該マグネットによって開閉される接点スイッチと
によって高周波数のパルス電力を発生させるスイッチ回
路と、該スイッチ回路から出力されたパルス電力を昇圧
して高電圧パルス電力を生成する変圧回路と、該変圧回
路から出力された高電圧パルス電力を受け入れて対向電
極に接近したときにコロナ放電を惹起してプラズマを発
生させる放電極とを備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−054298号公報等に開示された、本願出願人
にかかる小型表面処理装置においても、なお次のような
問題が残っている。すなわち、安定したプラズマを生成
して被処理物にむらなくプラズマ処理を施すには、放電
極に印加する高電圧パルス電力の電圧及びパルス形態
(パルス発生頻度等)を一定化することが必要である。
しかしながら、例えば特開平11−054298号公報
に開示された小型表面処理装置では、スイッチ回路が接
点スイッチの機械的ないしは力学的な開閉動作によりパ
ルス電力を生成する関係上、高電圧パルス電力の電圧な
いしはパルス形態を十分には一定化することができず、
放電極で、十分に安定したプラズマを生成することがで
きないといった問題がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、放電極に印加される高電圧パ
ルス電力の電圧及びパルス形態を一定化することがで
き、安定したプラズマを発生させて、被処理物にむらな
くプラズマ処理を施すことができる携帯型プラズマ処理
装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明にかかる携帯型プラズマ処理装置は、
(i)電源から供給される交流電力を変換して直流電力
を生成する変換回路と、(ii)変換回路から出力された
直流電力を、所定周波数及び所定パルス幅の基準パルス
電力(交流)に変換する基準発振回路と、(iii)基準
発振回路から出力された基準パルス電力を受け入れる1
次巻線と、該1次巻線よりも巻数の多い2次巻線とを備
えていて、1次巻線に受け入れられた基準パルス電力に
対応して2次巻線に高電圧パルス電力(交流)を生成す
る高電圧生成変圧器と、(iv)高電圧生成変圧器の2次
巻線で生成された高電圧パルス電力を受け入れて、被処
理物に接近又は接触したときに該被処理物との間にコロ
ナ放電を惹起して被処理物表面にプラズマ処理(表面処
理)を施す放電極(放電処理部)とが設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0009】この携帯型プラズマ処理装置によれば、基
準発振回路が、電気的ないしは電子的な動作により一定
周波数及び一定パルス幅の基準パルス電力を生成するの
で、高電圧生成変圧器の2次巻線に惹起される高電圧パ
ルス電力の電圧及びパルス形態(パルス発生頻度等)も
一定化される。このため、放電処理部で安定したプラズ
マを生成することができ、被処理物にむらなくプラズマ
処理を施すことができる。
【0010】また、変換回路、基準発振回路、高電圧生
成変圧器等は、それぞれ半導体等からなる小型のものを
用いることができる。したがって、これらを絶縁材料
(例えば、樹脂)からなる筒状ケーシングに収容し、こ
のケーシングに放電極を取り付ければ、該携帯型プラズ
マ処理装置は、軽量かつコンパクトなものとなり、容易
に持ち運ぶことができる。したがって、この携帯型プラ
ズマ処理装置を人手であるいはロボットを用いて持ち運
び、放電極を被処理物の所望の部分に接触又は接近させ
ることにより、該部分にプラズマ処理を施すことができ
る。また、該携帯型プラズマ処理装置が簡素な構造とな
るのでその製作コストが低減される。よって、被処理物
にむらなくプラズマ処理を施すことができる、軽量で安
価な携帯型プラズマ処理装置が得られる。
【0011】上記携帯型プラズマ処理装置において、基
準発振回路は、例えば、所定周波数及び所定パルス幅の
トリガ信号を生成するトリガ発信回路と、トリガ発信回
路から出力されたトリガ信号に従って上記直流電力から
上記基準パルス電力を生成する電力増幅回路とを備えて
いるものを用いるのが好ましい。なお、電力増幅回路
は、MOS型FETを用いて電力を増幅するようになっ
ているのが好ましい。このようにすれば、基準パルス電
力の周波数及びパルス幅を、任意の値に設定することが
できる。
【0012】上記携帯型プラズマ処理装置においては、
基準パルス電力ないしは高電圧パルス電力の周波数(以
下、「パルス周波数」という。)は500〜2000p
psの範囲内に設定するのが好ましい。パルス周波数が
10pps以上であればプラズマ処理は可能であるもの
の、500pps未満の場合はプラズマ処理が十分に施
されないおそれがあるからである。また、2000pp
sを超えるパルス周波数の基準パルス電力を生成するに
は、基準発振回路の容量及び重量を大きくする必要があ
り、該携帯型プラズマ処理装置の大型化を招くからであ
る。なお、パルス幅は0.1〜10μsecの値に設定
するのが好ましい。
【0013】上記携帯型プラズマ処理装置の高電圧生成
変圧器においては、2次巻線が、それぞれロッド状のフ
ェライト素材からなる鉄心に同心円状に巻き付けられ鉄
心の長手方向に複数段重ねられた複数のコイルからな
り、1次巻線が2次巻線の周囲に巻き付けられているの
が好ましい。このようにすれば、2次巻線の浮遊容量
(ストレーキャパシタンス)が小さくなり、また1次巻
線のインダクタンスが小さくなるので、2次巻線に、立
ち上がりが急峻で電圧(peak to peak)がとくに高い高
電圧パルス電力を生成することができる。
【0014】上記携帯型プラズマ処理装置において、電
源電力としては、例えば電力会社等から供給される普通
の50Hz又は60Hzの、100V又は110Vの交
流電力を用いることができる。
【0015】上記携帯型プラズマ処理装置において、放
電極としては、例えば、可撓性を有するループ線状の金
属部材(例えば、ステンレススチールのより線)が誘電
体(例えば、チューブ状のもの)で被覆されてなるもの
を用いることができる。上記誘電体としては、例えば、
フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、ポリオレフ
ィン又は塩化ビニル等を用いることができる。このよう
にすれば、誘電体によって放電極が被覆されるので、放
電極でスパークが発生するのが防止されるほか、金属部
分が表面に存在している被処理物に対しても支障なくプ
ラズマ処理を施すことができる。また、高電圧が印加さ
れる放電極が誘電体すなわち絶縁材料で被覆されるの
で、高電圧を取り扱う上での安全性が一層高められる。
さらに、放電極が可撓性を有するので、放電極を被処理
物に弾力的に接触させることができる。
【0016】この携帯型プラズマ処理装置は、樹脂(プ
ラスチック)、紙、布等の非導電性の材料及び/又はア
ルミニウム、鉄等の導電性の材料(金属材料)からなる
被処理物に対して有効に用いることができる。具体的に
は、かかる被処理物として、プラスチックフィルム、樹
脂成型品、PCM鋼板、印刷用紙等をあげることができ
る。そして、被処理物にプラズマ処理を施す際には、携
帯型プラズマ処理装置を被処理物の存在する場所に持ち
運んで、該被処理物の所望の部分に所望の強さでプラズ
マ処理を施すことができる。したがって、深い溝や孔な
どの比較的複雑な形状の被処理物の処理、あるいは被処
理物の一部分のみに対して局所的にプラズマ処理を施し
又は他の部分よりも強いプラズマ処理を施すなどといっ
た補修的ないしは個別的な処理をも容易に行うことがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。まず、携帯型プラズマ処理装置の全体的
な構成を説明する。図1(a)、(b)、(c)に示す
ように、本発明にかかる小型かつ軽量で持ち運びが可能
な常圧仕様の携帯型プラズマ処理装置1においては、絶
縁材料(例えば、樹脂)からなる中空略円柱形(円筒
形)のケーシング2内に、単相交流電源(図示せず)か
ら供給される交流電力を変換して直流電力を生成する変
換回路3と、変換回路3から出力された直流電力を所定
周波数及び所定パルス幅の基準パルス電力に変換する基
準発振回路4と、基準発振回路4から出力された基準パ
ルス電力を昇圧して高電圧パルス電力を生成する高電圧
トランス5(高電圧生成変圧器)とが収容されている。
なお、オペレータは、ケーシング2の握りスペース2a
を握って該プラズマ処理装置1を使用する。
【0018】ここで、基準発振回路4は、所定周波数及
び所定パルス幅のトリガ信号を生成するトリガ発信回路
4aと、トリガ発信回路4aから出力されたトリガ信号
に従って直流電力から基準パルス電力を生成する電力増
幅回路4bとで構成されている。そして、ケーシング2
の前端部(図1(a)、(b)では左端)には、高電圧
トランス5で生成された高電圧パルス電力を受け入れ
て、被処理物に接近又は接触したときに該被処理物との
間にコロナ放電を惹起して被処理物表面にプラズマ処理
を施す放電極6が設けられている。
【0019】また、ケーシング2の後端部(図1
(a)、(b)では右端)は、絶縁材料(例えば、樹
脂)からなる蓋部材7によって閉止されている。なお、
蓋部材7には、該携帯型プラズマ処理装置1をオン・オ
フするための電源スイッチ8と、該携帯型プラズマ処理
装置1がアースに接続されていることを表示するアース
接続表示ランプ9と、変換回路3に電力が供給されてい
ることを示す電源運転表示ランプ10とが付設されてい
る。また、蓋部材7には、先端に差し込みプラグ12
(図3参照)が取り付けられた電源コード11が取り付
けられている。
【0020】図2(a)、(b)に示すように、ケーシ
ング2の先端部に取り付けられた放電極6は、可撓性を
有する(フレキシブルな)ステンレススチールのより線
(ワイヤ)ないしは道糸からなる放電線13と、フッ素
樹脂製チューブ(テフロン(登録商標)チューブ)から
なり放電線13を被覆する誘電体14とで構成されてい
る。ここで、放電線13の材料はステンレススチールに
限定されるものではなく、導電性材料であればどのよう
な材料を用いてもよい。また、誘電体14の材料はフッ
素樹脂(テフロン(登録商標))に限定されるものでな
く、誘電性材料(例えば、シリコン樹脂、ポリウレタ
ン、ポリオレフィン、塩化ビニル等)であればどのよう
な材料を用いてもよい。
【0021】なお、誘電体14を、放電線13(例え
ば、直径1mm)を直接被覆する第1のチューブ(例え
ば、外径2mm、内径1mm)と、該第1のチューブを
被覆する第2のチューブ(例えば、外径3mm、内径2
mm)とからなる2重構造のチューブとしてもよい。こ
のようにすれば、放電極6の可撓性を維持しつつ該誘電
体14の耐久性を高めることができる。
【0022】以下、携帯型プラズマ処理装置1の電気的
な構成を説明する。まず、携帯型プラズマ処理装置1内
の電気回路の概略構成を説明する。図3に示すように、
携帯型プラズマ処理装置1においては、電源(図示せ
ず)から差し込みプラグ12を介して供給される交流電
力が、変換回路3によって変換され、直流電力が生成さ
れる。ここで、電源から供給される交流電力は、周波数
が50HZ又は60Hzであり、電圧が100V又は1
10Vである普通の交流電力である。
【0023】そして、トリガ発信回路4a(周波数発信
回路)は、所定周波数及び所定パルス幅のトリガ信号を
生成する。ここで、トリガ発信回路4aは、トリガ信号
の周波数を10pps〜2000ppsの範囲内で任意
の値に設定することができ、パルス幅を0.1〜10μ
secの範囲内で任意の値に設定することができる。
【0024】トリガ回路4aから出力されたトリガ信号
は、第1MOS型FET15と第2MOS型FET16
と発振コンデンサ17とを備えた電力増幅回路4bに入
力される。電力増幅回路4bは、トリガ信号に従って、
変換回路3によって生成された直流電力から基準パルス
電力を生成する。この基準パルス電力の周波数及びパル
ス幅は、それぞれ、トリガ信号の周波数及びパルス幅と
ほぼ同一である。なお、前記のとおり、トリガ発信回路
4aと電力増幅回路4bとで基準発振回路4を構成して
いる。
【0025】基準発振回路4ないしは電力増幅回路4b
で生成された基準パルス電力は、高電圧トランス5に入
力される。高電圧トランス5は、1次巻線18と、該1
次巻線18よりも巻数の多い2次巻線19とを備えてい
て、1次巻線18に受け入れられた基準パルス電力に対
応して2次巻線19に高電圧パルス電力を生成する。こ
こで、1次巻線18と2次巻線19の巻き数比は、1:
200〜1:300程度に設定される。なお、高電圧ト
ランス5の具体的な構造は後で説明する。
【0026】高電圧トランス5の2次巻線19で生成さ
れた高電圧パルス電力は、放電極6に印加される。そし
て、放電極6が被処理物に接近又は接触したときには、
高電圧パルス電力によって放電極6と被処理物との間に
コロナ放電が惹起され、これによって放電極近傍の被処
理物まわりにプラズマが生成され、被処理物表面にプラ
ズマ処理が施される。
【0027】図4に示すように、高電圧トランス5にお
いて、2次巻線19は、ロッド状のフェライト素材から
なる鉄心19に同心円状に巻き付けられ、1次巻線18
は2次巻線19の周囲に巻き付けられている。なお、高
電圧トランス5内の空間部には、シリコンモールド21
が充填されている。前記のとおり、この高電圧トランス
5の1次巻線18には、基準発振回路4を構成する電力
増幅回路4bの両MOS型FET15、16のスイッチ
動作で発生した基準パルス電力(電圧)が、発振コンデ
ンサ17を介して供給される。そして、高電圧トランス
5の2次巻線19には、発振コンデンサ17の静電容量
と、該高電圧トランス5のインダクタンスとによる共振
現象により、立ち上がりが急峻な(立ち上がり時間の短
い)高電圧のパルス電力(高周波電力)が得られる。つ
まり、高電圧パルス電力の電圧波形は、極めて急峻なも
のとなる。
【0028】このように、立ち上がりが急峻な高電圧パ
ルス電力が生成されるのは、高電圧トランス5が図4に
示すような構造を備えたことにより、1次巻線18のイ
ンダクタンスが極めて低くなる一方、2次巻線19の浮
遊容量(ストレーキャパシタンス)が極めて小さくなる
からである。なお、2次巻線19の浮遊容量が大きくな
ると、高電圧パルス電力の波形が鈍化する。
【0029】すなわち、高電圧トランス5においては、
2次巻線19は、それぞれロッド状のフェライト素材か
らなる鉄心20に同心円状に巻き付けられ鉄心20の長
手方向に複数段重ねられた複数のコイル19aで構成さ
れている。そして、1次巻線18が、鉄心20と同心状
となるようにして、これらのコイル19aの周囲に巻き
付けられている。ここで、コイル19aは、浮遊容量
(ストレートキャパシタンス)の増加を有効に抑制する
ために、鉄心20の長手方向に6段〜10段重ねられ
る。
【0030】このような構造を備えた高電圧トランス5
は、軽量かつコンパクトであり、その全長Lは100m
m程度であり、その直径Dは40mmφ程度であり、重
量は1kg以下である。この高電圧トランス5では、最
大40KV(peak to peak)の波高値の高電圧パルス
電力(振動高電圧)が得られる。高電圧パルス電力のパ
ルス頻度は1000ppsが定格仕様である。なお、浮
遊容量の増加に伴う電圧波形の鈍化や電力損失を防ぐた
め、電力増幅回路4bのMOS型FET15、16と発
振コンデンサ17とを接続する回路導線の長さ、あるい
は発振コンデンサ17と高電圧トランス5の1次巻線1
8とを接続する回路導線の長さはできる限り短くする必
要があり、10cm以内とするのが好ましい。
【0031】以下、図5(a)、(b)及び図6を参照
しつつ携帯型プラズマ処理装置1内の電気回路の具体的
な回路構成を説明する。図5(a)に示すように、この
電気回路には、交流電源(図示せず)から該携帯型プラ
ズマ処理装置1に交流電力を導入するための電力導入部
22が設けられている。この電力導入部22には、それ
ぞれ差し込みプラグ12の第1端子23(±100V)
及び第2端子24(0V)に接続された第1導線26及
び第2導線27が設けられている。なお、差し込みプラ
グ12にはアース端子25が設けられ、アース端子25
はアース導線28を介してアース部に接続されている。
【0032】そして、第1、第2導線26、27には、
電界ノイズを除去するノイズフィルタ29と、該携帯型
プラズマ処理装置1への交流電力の供給をオン・オフす
る電源スイッチ8とが設けられている。また、第1導線
26にはヒューズ31(例えば、2A用)が介設されて
いる。さらに、電力導入部22には、それぞれネオンラ
ンプからなるアース接続表示ランプ9と電源運転表示ラ
ンプ10とが設けられている。なお、アース接続表示ラ
ンプ9は、該携帯型プラズマ処理装置1がアース接続さ
れているときに点灯する。また、電源運転表示ランプ1
0は該携帯型プラズマ処理装置1に交流電力が実際に供
給されているときに点灯する。
【0033】図5(b)に示すように、変換回路3は、
実質的に、コンデンサC1〜C3と、ダイオードD1〜
D5と、バリスタSA1と、抵抗R1とで構成され、電
源から供給される交流電力を平滑な直流電力に変換する
ようになっている。
【0034】電圧増幅回路4bは、実質的に、トリガ発
信部4aから出力されたトリガ信号を受け入れるトリガ
入力部35と、第1MOS型FET15を含む第1増幅
部36と、第2MOS型FET16を含む第2増幅部3
7と、発振コンデンサ17とで構成されている。ここ
で、第1増幅部36と第2増幅部37とは互いに並列に
接続されている。
【0035】トリガ入力部35は、ダイオードD6と変
圧器38とで構成され、トリガ発信回路4aから出力さ
れたトリガ信号を第1増幅部36と第2増幅部37とに
分配して出力するようになっている。第1増幅部36
は、第1MOS型FET15と、ダイオードD7〜D8
と、抵抗R3〜R4と、トランジスタQ1とで構成さ
れ、トリガ信号に対応する周波数及びパルス幅の基準パ
ルス電力を生成する。また、第2増幅部37は、第2M
OS型FET16と、ダイオードD9〜D10と、抵抗
R5〜R6と、トランジスタQ2とで構成され、トリガ
信号に対応する周波数及びパルス幅の基準パルス電力を
生成する。
【0036】図6に示すように、トリガ発信回路4a
は、実質的に、変換回路3から直流電力を受け入れるた
めの直流電力入力部40と、トリガ信号の周波数を調整
する周波数調整部41と、トリガ信号のパルス幅を調整
するパルス幅調整部42と、トリガ信号を発信するトリ
ガ発信部43と、トリガ信号の発信を中断させるための
トリガ中断回路44とで構成されている。そして、トリ
ガ発信回路4aは、所望の周波数及びパルス幅のトリガ
信号を出力することができるようになっている。なお、
出力可能なトリガ信号の周波数範囲は10〜2000p
psであり、パルス幅範囲は0.1〜10μsecであ
る。
【0037】直流電力入力部40は、コンデンサC5〜
C6と、ツェナダイオードDZ1〜DZ2と、抵抗R2
とで構成され、周波数調整部41とパルス幅調整部42
とに平滑化された直流電力を供給するようになってい
る。
【0038】周波数調整部41は、第1基準発振器45
と、コンデンサC12〜C14と、ダイオードD11〜
D12と、可変抵抗器VR1と、抵抗R8〜R9とで構
成されている。そして、周波数調整部41は、トリガ信
号の周波数を10〜2000ppsの範囲内の任意の値
に調整ないしは設定する。
【0039】また、パルス幅調整部42は、第2基準発
振器46と、コンデンサC7〜C9と、ダイオードD1
3と、可変抵抗器VR2と、抵抗R10〜R12とで構
成されている。パルス幅調整部42は、トリガ信号のパ
ルス幅を0.1〜10μsecの範囲内の任意の値に調
整ないしは設定する。
【0040】トリガ発信部43は、トランジスタQ5
(MOS型FET)と、並列3連式のインバータIC1
と、コンデンサC10〜C11と、抵抗R13〜R15
とで構成されている。そして、トリガ発信部43は、周
波数調整部41によって設定された周波数と、パルス幅
調整部42によって設定されたパルス幅とを有するトリ
ガ信号を電力増幅部4bのトリガ入力部35に出力す
る。
【0041】トリガ中断回路44は、プッシュボタンP
Bと、インバータIC2と、コンデンサC15と、ダイ
オードD14と、抵抗R16〜R17とで構成されてい
る。そして、トリガ中断回路44は、プッシュボタンP
Bが押されたときには、該トリガ発信回路4aからのト
リガ信号の出力を中断させ、ひいては基準パルス電力な
いし高電圧パルス電力の出力を中断させる。
【0042】このようなトリガ発信回路4aと電力増幅
回路4bとを備えた基準発振回路4は、2つのMOS型
FET15、16(フィールド・エミッション・トラン
ジスタ)を並列に組み込んだ、リンキングチョーク(R
CC)型インバータ回路であり、高電圧トランス5との
組み合わせにより、周波数が10〜2000pps(好
ましくは500〜2000pps)であり、パルス幅が
0.1〜10μsec(好ましくは、0.1〜5μse
c)であり、最大波高値が40KV(peak topeak)で
ある高電圧パルス電力(交流減衰振動電圧)を生成す
る。
【0043】つまり、高電圧パルス電力のパルス発生頻
度(振動高電圧の繰り返し回数)が10pps以上、好
ましくは500〜2000ppsとなり、パルス幅が
0.1〜10μsec、好ましくは0.1〜5μsec
となるようにMOS型FET15、16をオン・オフさ
せるトリガ信号がトリガ発信回路4aで生成され、この
トリガ信号が両MOS型FET15、16に印加され、
基準パルス電力が生成される。そして、この基準パルス
電力が発振コンデンサ17(静電容量1〜4μF)を介
して、高電圧トランス5の1次巻線18に供給される。
【0044】ここで、基準パルス電力ないしは高電圧パ
ルス電力のパルス周波数を好ましくは500〜2000
ppsの範囲内に設定する理由は、およそ次のとおりで
ある。すなわち、パルス周波数が10pps以上であれ
ばプラズマ処理は可能であるものの、500pps未満
の場合はプラズマ処理が十分に施されないおそれがある
からである。また、2000ppsを超えるパルス周波
数の基準パルス電力を生成するには、基準発振回路4の
容量及び重量を大きくする必要があり、該携帯型プラズ
マ処理装置1の大型化を招くからである。
【0045】また、パルス幅を0.1〜10μsec、
好ましくは0.1〜5μsecに設定するのは、立ち上
がりが急峻な基準パルス電力ないしは高電圧パルス電力
を生成するためである。MOS型FET15、16は、
応答速度が速く(周波数特性がよい)、スイッチングス
ピードが速いスイッチ動作を行うことができるので、急
峻な立ち上がりの基準パルス電力を生成するのに適して
いる。
【0046】このようにして、基準発振回路4によって
生成された基準パルス電力(交流)が高電圧トランス5
の1次巻線18に入力され、これに伴って高電圧トラン
ス5の2次巻線19には、立ち上がりが急峻な高電圧パ
ルス電力が惹起される。
【0047】図7(a)、(b)、(c)に、本発明に
かかる携帯型プラズマ処理装置の高電圧トランス5の2
次巻線19で生成される高電圧パルス電力の電圧の時間
に対する変化特性を示す。また、図8(a)、(b)、
(c)に、例えば、特開平11−54298号公報に開
示されているような機械式の接点スイッチを用いた従来
の携帯型プラズマ処理装置の高電圧トランスの2次巻線
で生成される高電圧パルス電力の電圧の時間に対する変
化特性を示す。
【0048】図7(a)、(b)、(c)から明らかな
とおり、本発明にかかる携帯型プラズマ処理装置では、
立ち上がりが極めて急峻であり、パルス幅が非常に小さ
くかつ、かつパルス発生頻度が一定の高電圧パルス電力
(40KV(peak to peak))が得られている。これに
対して、図8(a)、(b)、(c)から明らかなとお
り、接点スイッチを用いた従来の携帯型プラズマ処理装
置では、電圧ピーク値や電圧発生時間が不均一で一定化
されていない。
【0049】このように、本発明にかかる携帯型プラズ
マ処理装置1は、常温常圧(大気圧下)において、プラ
ズマ生成に必要な高電圧パルス電力(交流減衰振動電
圧)を繰り返し生成することができる。電圧波形が繰り
返し惹起される高電圧パルス電力においては、各波形の
電圧は1波形毎に減衰し、最大でも10波形程度でほぼ
完全に減衰する(最大50μsec以下で減衰)。この
場合、各スイッチ動作で、1回目には最大電圧が40K
V(peak to peak)程度である急峻な電圧波形が得ら
れるが、プラズマの発生に伴い電力が消費される結果、
2回目以降は振幅が次第に減衰してゆく電圧波形とな
る。
【0050】また、本発明にかかる携帯型プラズマ処理
装置は、軽量かつ小型のものであり、その総重量はおお
むね1kg以下であり、その全長はおおむね320mm
以下であり、その直径はおおむね42mmφ以下であ
る。したがって、本発明にかかる携帯型プラズマ処理装
置1は容易に持ち運ぶことができる。例えば、この携帯
型プラズマ処理装置1を人手であるいはロボットを用い
て持ち運び、放電極6を被処理物の所望の部分に接触又
は接近させることにより該部分に効果的にプラズマ処理
を施すことができる。また、携帯型プラズマ処理装置1
の製作コストが低減される。
【0051】本発明にかかる携帯型プラズマ処理装置1
は、樹脂(プラスチック)、紙、布等の非導電性の材料
及び/又はアルミニウム、鉄等の導電性の材料(金属材
料)からなる被処理物に対して有効に用いることができ
る。具体的には、かかる被処理物として、プラスチック
フィルム、樹脂成型品、PCM鋼板、印刷用紙等をあげ
ることができる。そして、被処理物に表面処理を施す際
には、携帯型プラズマ処理装置1を被処理物の存在する
位置に持ち運んで、該被処理物の所望の部分に所望の強
さでプラズマ処理を施すことができる。したがって、深
い溝や孔などの比較的複雑な形状の被処理物の処理、あ
るいは被処理物の一部分のみに対して局所的にプラズマ
処理を施し又は他の部分よりも強いプラズマ処理を施す
などといった補修的ないしは個別的な処理をも容易に行
うことができる。
【0052】以下、この携帯型プラズマ処理装置1の具
体的な使用方法の一例を説明する。まず、その電圧がグ
ランド電圧(アース電圧)に保持された対向電極(図示
せず)の上に、樹脂(プラスチック)、紙、布等の非導
電性の材料及び/又はアルミニウム、鉄等の導電性の材
料(金属材料)からなる被処理物を載せる。なお、被処
理物が層状の金属を含む場合、例えばPCM鋼板のよう
な金属板上に樹脂、塗料等がコーテイングされている層
状部材である場合は、対向電極を設けることなく、該層
状部材の金属板をアース(接地)することができる。こ
の場合も、強いコロナ放電が惹起され、強いプラズマが
生成される。
【0053】次に、携帯型プラズマ処理装置1を人手で
あるいはロボットを用いて持ち運び、放電極6を、被処
理物表面のプラズマ処理を施すべき範囲内の適当な位置
に接触させる。そして、放電極6を被処理物表面に接触
させたままプラズマ処理を施すべき範囲の上を移動させ
る。ここで、放電極6は、例えば1〜2cm/secの
移動速度で万遍なく移動させるのが好ましい。また、被
処理物表面に通常のプラズマ処理を施す場合は、放電極
6を該被処理物表面上で1〜5回程度繰り返し移動させ
るのが好ましい。
【0054】なお、放電極6を被処理物表面に接触させ
る時間は、必要とされるプラズマ処理の強さに応じて好
ましく設定される。このとき、放電極6と対向電極ない
しは被処理物との間にコロナ放電が惹起され、このコロ
ナ放電により被処理物表面近傍の空気中にプラズマが生
成され、このプラズマによって被処理物表面がプラズマ
処理される。このようにして、被処理物の表面に対し
て、接着剤を用いて他の部材を接着し、塗料を塗布し、
あるいは印刷を行う場合の、該被処理物の表面への接着
剤ないしは塗料の接着性・密着性、印刷インキの印刷特
性、該表面の防曇性、洗浄性あるいは摩擦特性等の各種
表面特性が改良ないしは改質される。
【0055】ここで、該被処理物表面のプラズマ処理を
施すべき部位に放電極6を接触させる時間を調節するこ
とにより、該部位に施されるプラズマ処理の強度を調節
することができる。例えば、接触時間を長くすれば該部
分に強いプラズマ処理を施すことができる。したがっ
て、被処理物の所望の部位に所望の強度のプラズマ処理
を施すことができる。
【0056】また、この携帯型プラズマ処理装置1の放
電極6においては、可撓性を有する放電線13が誘電体
14によって被覆されているので、被処理物にプラズマ
処理を施す際には、誘電体14が被処理物表面に接触し
あるいは摺接・移動し、誘電体14と被処理物表面との
間に生成されるプラズマによって、火花放電を生じさせ
ることなく、被処理物表面がプラズマ処理される。ま
た、その際、放電線13あるいは誘電体14は、その弾
力によって適度な押圧力でソフトに被処理物表面に接触
するので、被処理物表面に損傷を発生させることなく短
時間(例えば、数秒)でプラズマ処理を完了することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明にかかる携帯型プラズマ処理
装置の側面断面図であり、(b)は(a)に示す携帯型
プラズマ処理装置の側面図であり、(c)は(a)に示
す携帯型プラズマ処理装置の後面図である。
【図2】 (a)は図1に示す携帯型プラズマ処理装置
の放電極の側面図であり、(b)は該放電極の側面断面
図である。
【図3】 図1に示す携帯型プラズマ処理装置の概略の
回路構成を示す回路図である。
【図4】 高電圧トランスの断面構造を示す模式図であ
る。
【図5】 (a)は図1に示す携帯型プラズマ処理装置
の電力導入部の回路構成を示す回路図であり、(b)は
該携帯型プラズマ処理装置の変換回路、電力増幅回路及
び高電圧トランスの回路構成を示す回路図である。
【図6】 図1に示す携帯型プラズマ処理装置のトリガ
発信回路の回路構成を示す回路図である。
【図7】 (a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本
発明にかかる携帯型プラズマ処理装置の高電圧トランス
の2次巻線で生成されるパルス電圧の時間に対する変化
特性を示すグラフである。
【図8】 (a)、(b)及び(c)は、それぞれ、従
来の携帯型プラズマ処理装置の高電圧トランスの2次巻
線で生成されるパルス電圧の時間に対する変化特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…携帯型プラズマ処理装置、2…ケーシング、3…変
換回路、4…基準発振回路、4a…トリガ発信回路、4
b…電力増幅回路、5…高電圧トランス、6…放電極、
7…蓋部材、8…電源スイッチ、9…アース接続表示ラ
ンプ、10…電源運転表示ランプ、11…電源コード、
12…差し込みプラグ、13…放電線、14…誘電体、
15…第1MOS型FET、16…第2MOS型FE
T、17…発振コンデンサ、18…1次巻線、19…2
次巻線、20…鉄心、21…シリコンモールド、22…
電力導入部、23…第1端子、24…第2端子、25…
アース端子、26…第1導線、27…第2導線、28…
アース導線、29…ノイズフィルタ、31…ヒューズ、
35…トリガ入力部、36…第1増幅部、37…第2増
幅部、38…変圧器、40…直流電力入力部、41…周
波数調整部、42…パルス幅調整部、43…トリガ発信
部、44…トリガ中断回路、45…第1基準発振器、4
6…第2基準発振器。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源から供給される交流電力を変換して
    直流電力を生成する変換回路と、 変換回路から出力された直流電力を、所定周波数及び所
    定パルス幅の基準パルス電力に変換する基準発振回路
    と、 基準発振回路から出力された基準パルス電力を受け入れ
    る1次巻線と、該1次巻線よりも巻数の多い2次巻線と
    を備えていて、1次巻線に受け入れられた基準パルス電
    力に対応して2次巻線に高電圧パルス電力を生成する高
    電圧生成変圧器と、 高電圧生成変圧器の2次巻線で生成された高電圧パルス
    電力を受け入れて、被処理物に接近又は接触したときに
    該被処理物との間にコロナ放電を惹起して被処理物表面
    にプラズマ処理を施す放電極とが設けられていることを
    特徴とする携帯型プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 基準発振回路が、所定周波数及び所定パ
    ルス幅のトリガ信号を生成するトリガ発信回路と、トリ
    ガ発信回路から出力されたトリガ信号に従って上記直流
    電力から上記基準パルス電力を生成する電力増幅回路と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型
    プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 電力増幅回路がMOS型FETを備えて
    いることを特徴とする請求項2に記載の携帯型プラズマ
    処理装置。
  4. 【請求項4】 上記所定周波数が500〜2000pp
    sであり、上記パルス幅が0.1〜10μsecである
    ことを特徴とする請求項3に記載の携帯型プラズマ処理
    装置。
  5. 【請求項5】 高電圧生成変圧器において、2次巻線
    が、それぞれロッド状のフェライト素材からなる鉄心に
    同心円状に巻き付けられ鉄心の長手方向に複数段重ねら
    れた複数のコイルからなり、1次巻線が2次巻線の周囲
    に巻き付けられていることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の携帯型プラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 電源から供給される交流電力の周波数が
    50Hz又は60Hzであり、電圧が100V又は11
    0Vであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    つに記載の携帯型プラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 放電極が、可撓性を有するループ線状の
    金属部材が誘電体で被覆されてなるものであることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の携帯型プ
    ラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 上記誘電体が、フッ素樹脂、シリコン樹
    脂、ポリウレタン、ポリオレフィン又は塩化ビニルから
    なることを特徴とする請求項7に記載の携帯型プラズマ
    処理装置。
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