JP2003151354A - シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた低圧耐火ケーブル - Google Patents

シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた低圧耐火ケーブル

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JP2003151354A JP2001348976A JP2001348976A JP2003151354A JP 2003151354 A JP2003151354 A JP 2003151354A JP 2001348976 A JP2001348976 A JP 2001348976A JP 2001348976 A JP2001348976 A JP 2001348976A JP 2003151354 A JP2003151354 A JP 2003151354A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体上にシリコーン樹脂組成物からなる耐火
絶縁層が設けられた低圧耐火ケーブルにおいて、良好な
耐火性を有するとともに、加熱時における耐火絶縁層の
電気絶縁性を高める。 【解決手段】 前記シリコーン樹脂組成物として、シリ
コーン樹脂に、軟化開始温度500℃以下、かつ結晶化
開始温度840℃以下のアルカリ金属を含むガラスフリ
ットに加えて、親油性スメクタイトが添加されたものを
使用する。導体1上に、前記シリコーン樹脂組成物から
なり、架橋された耐火絶縁層2が設けられた低圧耐火ケ
ーブルを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、導体上にシリコ
ーン樹脂組成物からなる耐火絶縁層が設けられた低圧耐
火ケーブルに関し、良好な耐火性を有するとともに、燃
焼時における耐火絶縁層の電気絶縁性を高めるようにし
たものである。
【0002】
【従来の技術】低圧耐火ケーブルとは、消防用非常設備
の電気配線に使用され、火災中においても電線としての
性能を所定時間保持し、消火設備、避難誘導表示機器等
に一定時間給電することを目的とする耐火ケーブルのう
ち、供用電圧が600V以下のものをいう。その規格
は、消防庁の低圧耐火ケーブル認定試験基準(JMCA
試第1010号)に定められている。
【0003】上記基準に合格する低圧耐火ケーブルとし
ては、従来、導体上にマイカテープを巻き回してなる耐
火層を設け、この耐火層の上に架橋ポリエチレン等から
なる絶縁層を設け、さらにこの絶縁層の上に可塑化ポリ
塩化ビニル等からなるシースを押出被覆したものが知ら
れている。前記マイカテープとしては、通常、厚さ2〜
7μm、幅100〜1500μm程度の鱗片状雲母を結
合用樹脂により集成した集成マイカ層をテープ基材上に
設け、さらに、前記集成マイカ層上に接着剤層を塗布し
たものが用いられている。前記マイカテープを導体上に
巻き回すことにより前記鱗片状雲母の層が形成されるの
で、係る低圧耐火ケーブルは高電圧に耐えうる高い電気
絶縁性を発揮できるようになっている。
【0004】しかし、このような構造の低圧耐火ケーブ
ルには、マイカテープの巻き回し作業が複雑で生産性が
低いこと、マイカテープの耐屈曲性が不十分であって、
これを過度に屈曲すると前記鱗片状雲母が破砕したり前
記テープ基材が破損したりして低圧耐火ケーブルの耐火
性や電気絶縁性が低下するおそれがあること、また、マ
イカテープの切断が困難であって、端末加工時の導体口
出しの作業性が低いこと等の欠点がある。このような不
具合を解決するために、低圧耐火ケーブルの導体上に、
耐火絶縁層として、軟化開始温度500℃以下、かつ結
晶化開始温度840℃以下であるガラスフリットをシリ
コーン樹脂に配合したシリコーン樹脂組成物からなり、
架橋されたものを設ける方法が提案されている(特願20
01-65154参照)。
【0005】しかし、このような低圧耐火ケーブルで
は、前記基準に定める耐火試験において、加熱時に耐火
絶縁層の絶縁抵抗が急激に低下して、その基準値を下回
り、認定試験に不適合と判定されることがあった。これ
は、ガラスフリットに由来するアルカリ金属イオンが、
高温下、耐火絶縁層内を移動することで、耐火絶縁層の
電気伝導性が増加するためと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、導体上にシリコーン樹脂組成物からなる耐火絶縁層
が設けられた低圧耐火ケーブルにおいて、良好な耐火性
を有するとともに、加熱時における耐火絶縁層の電気絶
縁性を高めることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、前記シリコ
ーン樹脂組成物として、シリコーン樹脂に、軟化開始温
度500℃以下、かつ結晶化開始温度840℃以下のア
ルカリ金属を含むガラスフリットと、親油性スメクタイ
トとが添加されたものを用いることで解決される。前記
親油性スメクタイトの添加量は、シリコーン樹脂100
重量部に対して1〜50重量部とされる。導体上に、こ
のようなシリコーン樹脂組成物からなり、架橋された耐
火絶縁層が設けられた低圧耐火ケーブルは、耐火性に優
れたものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明を詳しく説明する。図1は、本発明に係る低圧耐火ケ
ーブルの一例を示すものである。図1中、符号1は導体
を示し、これは無酸素銅など公知のものからなる。この
導体1上には耐火絶縁層2が設けられ、この耐火絶縁層
2上にはシース3が設けられて、この例の低圧耐火ケー
ブルが構成されている。この低圧耐火ケーブルの寸法と
しては、例えば、導体1の断面積を1.2〜600mm
2としたとき、耐火絶縁層2の厚みを1.1〜3.5m
m、シース3の厚みを1.5〜2.3mmとすることが
できる。
【0009】耐火絶縁層2は、耐火層と絶縁層を兼ねる
ものであって、シリコーン樹脂とガラスフリットと、親
油性スメクタイトとを必須成分とするシリコーン樹脂組
成物からなり、この組成物が架橋されているものであ
る。上記シリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン
樹脂、メチルビニルシリコーン樹脂、メチルフェニルシ
リコーン樹脂等、ポリシロキサンを主体とする公知のシ
リコーン樹脂に、微粉状シリカを配合して混練した、押
出成形が可能な熱可塑性のものが用いられる。
【0010】また、前記ガラスフリットは、前記シリコ
ーン樹脂の燃焼時に生成する酸化ケイ素を主成分とする
無機質の殻の強度を高めるためのものである。このガラ
スフリットには、釉薬(うわぐすり)を溶融し、冷却し
て粉砕し、粒子径を50μm以下とした粉末が用いられ
る。ガラスフリットの粒子径が50μmを超えると、シ
リコーン樹脂と混練しても十分に混和されなくなるの
で、好ましくない。
【0011】このガラスフリットとしては、軟化開始温
度が500℃以下、好ましくは350〜500℃であっ
て、かつ、結晶化開始温度が840℃以下、好ましくは
500〜840℃以下のものが用いられる。
【0012】本発明において、ガラスフリットの軟化開
始温度とは、ガラスフリットが加熱されて軟化し始める
温度をいい、具体的には高温顕微鏡による観察下、ガラ
スフリットの粉末が溶融し始め、粉末の角がなくなる温
度を測定することで求められる。
【0013】実際の耐火試験の状況から、前記シリコー
ン樹脂組成物が燃焼する温度領域は、350〜500℃
であることが判明した。この温度領域でガラスフリット
が溶融しないと、シリコーン樹脂の燃焼時に生成する無
機質の殻が膨張して崩壊することがわかった。すなわ
ち、ガラスフリットが上記温度領域で溶融することによ
り、前記無機質の殻が溶融したガラスフリットにからめ
られ、その膨張が抑制され、緻密で高強度の耐火物の層
が形成されることになる。このような理由により、軟化
開始温度を500℃以下と定めたのである。
【0014】また、結晶化開始温度は、ある種のガラス
フリットにおいて、一旦溶融したものをさらに加熱して
ゆくと、ある温度でガラスが結晶化することがあり、そ
の温度を結晶化開始温度といい、具体的には示差走査熱
量測定法(DSC)での吸熱ピーク温度を測定すること
で求められる。
【0015】高温で結晶化する種類のガラスフリットで
は、シリコーン樹脂が燃焼して生成する殻を、高温にお
いても補強することができる。それに対して、高温で結
晶化しない種類のガラスフリットでは、高温では流動性
が高くなり、殻の補強効果が小さい。そのため、本発明
で用いられるガラスフリットは、高温で結晶化するもの
に限定される。そして、前記耐火試験では、最高到達温
度が840℃と定められているので、この温度より低い
温度で結晶化するガラスフリットでなければ、加熱時に
おいて、殻の補強効果が十分に得られない。このような
理由により、結晶化開始温度を840℃以下と定めたの
である。
【0016】このような特性を有するガラスフリット
は、例えば、SiO2、Al23、B23、P25、N
2O、K2O、Li2O、CaO、As23、TiO2
ZrO2などの酸化物を成分とするガラス組成物から選
択される。この組成の具体例としては、例えば、Na2
O:20重量%、Al23:20重量%、SiO2:4
0重量%、CaO:20重量%を含有するものが挙げら
れる。
【0017】特に、Na2O、K2O、Li2O等のアル
カリ金属酸化物は、軟化開始温度の低いガラス組成物を
得るため、1〜40重量%の範囲で含有されているのが
好ましい。アルカリ金属酸化物の含有量が1重量%未満
では、得られるガラス組成物の軟化開始温度が十分に低
くならず、40重量%を超えると、得られるガラス組成
物が高温で流動しやすくなり、ついには液状化するので
好ましくない。
【0018】また、前記ガラスフリットとしては、シリ
コーン樹脂への分散性ならびに相溶性を向上させるた
め、シランカップリング剤による表面処理を施したもの
が好ましい。上記シランカップリング剤としては、アミ
ノシラン、エポキシシラン、アルキルシラン、メルカプ
トシラン、フェニルシラン、ビニルシラン等、公知のも
のが用いられる。表面処理方法としては、シランカップ
リング剤のアルコール溶液にガラスフリットを浸漬し、
乾燥する方法等、周知の方法が適用できる。
【0019】前記ガラスフリットの配合量は、シリコー
ン樹脂100重量部に対して、1〜40重量部とするの
が好ましい。ガラスフリットの配合量が1重量部未満で
は燃焼時の殻の強度が十分に向上せず、40重量部を超
えるとシリコーン樹脂組成物の機械的強度、押出成形性
が低下する。
【0020】本発明に用いられる前記親油性スメクタイ
トとは、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイ
ト、バイデライト、サポナイトなどに代表されるスメク
タイト系粘土鉱物をベースにし、これらのスメクタイト
を第四級アンモニウムイオンで処理して親油性を付与し
たものであって、既に数多くの種類のものが市販されて
いる。前記親油性スメクタイトに用いられるスメクタイ
トとしては、天然鉱物と合成品とがあり、特に限定され
ることはないが、不純物が少なく、品質がより均質であ
るという理由から、合成品が好ましい。
【0021】そして、前記スメクタイト系粘土鉱物を親
油化するための前記第四級アンモニウムイオンとして
は、長鎖の置換基として、オクタデシル基やオクチル基
などの高級アルキル基、または、ポリオキシエチレン基
やポリオキシプロピレン基などのポリエーテル基を少な
くとも1つ有し、その他の置換基がメチル基、エチル
基、ベンジル基などの炭化水素基であるものが一般的に
使用されており、例えば、ポリオキシプロピレン(2
5)メチルジエチルアンモニウム、トリメチルオクタデ
シルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、
ジメチルベンジルオクタデシルアンモニウムが例示され
る。このような親油性スメクタイトは、ベンゼン、トル
エン等の有機溶剤中に均一に分散し、かつ有機溶剤中で
膨潤する性質を有している。
【0022】本発明において親油性スメクタイトを添加
する意味は、以下のとおりである。上述のとおり、耐火
絶縁層2の材料として用いられる前記シリコーン樹脂組
成物にはアルカリ金属酸化物を含有するガラスフリット
が配合されている。このようなシリコーン樹脂組成物か
らなる耐火絶縁層2をもつ低圧耐火ケーブルにおいて
は、加熱時にアルカリ金属のイオンが耐火絶縁層2内を
移動し、電気伝導性を高めるので、耐火絶縁層2の絶縁
性能が低下することがあった。鋭意検討の結果、前記親
油性スメクタイトをシリコーン樹脂組成物に添加したも
のを耐火絶縁層2の材料として用いると、その低圧耐火
ケーブルは、加熱時における絶縁抵抗が著しく向上され
たものとなることが分かった。これは、親油性スメクタ
イト前記シリコーン樹脂組成物内に介在することで、ア
ルカリ金属イオンが耐火絶縁層2内を移動することが抑
制されるためと考えられる。また、親油性スメクタイト
は有機物との親和性が極めて高いので、シリコーン樹脂
組成物とよく混和し、シリコーン樹脂組成物の改質効果
が極めて高いものとも考えられる。
【0023】前記親油性スメクタイトの平均粒子径は、
50μm以下とするのが好ましく、10μm以下とする
のが特に好ましい。平均粒子径が50μmを超えると、
シリコーン樹脂と混練しても十分に混和されなくなるの
で、好ましくない。前記親油性スメクタイトの添加量
は、シリコーン樹脂100重量部に対して、1〜50重
量部とする。1重量部未満では絶縁抵抗の向上効果が十
分ではない。50重量部を超えると、シリコーン樹脂組
成物の粘性が高くなり、導体上への押出しが困難になる
ので不都合になる。
【0024】上記シリコーン樹脂組成物の架橋のため、
有機過酸化物などの架橋剤が添加される。この架橋剤の
具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙
げられる。この架橋剤の配合量は、シリコーン樹脂10
0重量部に対して、0.5〜3重量部とされる。0.5
重量部未満では架橋が不十分に行われず、3重量部を超
えると押出成形時にスコーチを生じることがある。
【0025】上記シリコーン樹脂組成物には、これ以外
に、種々の添加剤、例えば充填剤、着色剤、安定剤等を
適宜添加することができる。また、酸化チタン、酸化
鉄、セリウム系金属酸化物、カーボンブラックなどの耐
熱向上剤を添加してもよい。この耐熱向上剤は、必要に
応じて、シリコーン樹脂100重量部に対して10重量
部以下、添加することができる。
【0026】本発明のシリコーン樹脂組成物は、上述の
ように、前記シリコーン樹脂にガラスフリット、親油性
スメクタイトならびに架橋剤を配合し、必要に応じてそ
の他の添加剤を添加したものであり、これは、ロールな
どの混練機を用い、通常の方法で混和されて使用され
る。
【0027】シース3は、ポリエチレン等のポリオレフ
ィン樹脂、またはクロロプレンゴム、可塑化ポリ塩化ビ
ニル等、公知の樹脂からなるものである。このような低
圧耐火ケーブルの製造は、通常の押出被覆法によって行
われる。例えば、図1に示した構造の耐火ケーブルで
は、まず導体1に前記シリコーン樹脂組成物を押出被覆
する。これを架橋装置に送り、100〜200℃に加熱
してシリコーン樹脂組成物を架橋することによって耐火
絶縁層2を形成する、この耐火絶縁層2の上にシース3
を押出被覆する。
【0028】このような低圧耐火ケーブルにあっては、
火災等により燃焼した際に、耐火絶縁層2が燃え、酸化
ケイ素を主体とする殻が生成される。この殻は、耐火絶
縁層2中に存在するガラスフリットによって、その機械
的強度が大きく高められる。また、この耐火絶縁層2を
構成するシリコーン樹脂組成物に、親油性スメクタイト
が添加されており、上述のように、これが耐火絶縁層2
に含まれるアルカリ金属イオンの移動を抑制するので、
加熱時においても十分な絶縁抵抗を保持する。
【0029】しかも、前記耐火絶縁層2に含まれる親油
性スメクタイトの粒子が極めて微細であるので、従来の
マイカテープを使用したものに比して、低圧耐火ケーブ
ルの耐屈曲性や口出し性が大幅に改善させられる。しか
も、前記耐火絶縁層2の形成には、押出被覆法が用いら
れるので、作業工程が単純になり、生産性も向上させら
れる。
【0030】以下、具体例に基づいて、本発明を説明す
る。表1および表2に示す組成のシリコーン樹脂組成物
を、断面積3.5mm2の導体1上に厚み1.1mmに
押出被覆し、これを200℃に加熱し架橋して耐火絶縁
層2を形成し、この上にポリオレフィンを押出被覆して
厚み1.5mmのシース3を設けることによって、8種
類の低圧耐火ケーブルを製造した。
【0031】表1および表2において、「シリコーン樹
脂」には汎用押出グレードの、密度1.17g/cm3
のものを用いた。「低融点ガラスフリット」は、軟化開
始温度370℃、結晶化開始温度650℃であって、酸
化ナトリウムの含有量が20重量%のものである。「耐
熱向上剤」には、TiO2系のものを、「架橋剤」には
有機過酸化物を用いた。また、親油性スメクタイトとし
ては、コープケミカル株式会社製の「ルーセンタイトS
PN」(商品名)を、また、親水性スメクタイトとして
は、コープケミカル株式会社製の「ルーセンタイトSW
F」(商品名)を用いた。
【0032】上記低圧耐火ケーブルに対して、以下の試
験を行った。第一に、シリコーン樹脂組成物を導体上に
押出被覆するときの押出機負荷トルクを測定した。押出
機負荷トルクは、スメクタイトを含まない比較例1のも
のを100%とする百分率として求め、この百分率が3
00%以上の場合を押出性不良とした。
【0033】第二に、耐火電線認定業務委員会の認定試
験に合格した試験炉において、低圧耐火電線認定試験基
準に定められた方法に従い、燃焼試験前後の耐火絶縁層
の絶縁抵抗を測定した。この絶縁抵抗が上記基準に定め
られた値、すなわち、加熱前において50MΩ以上、か
つ加熱30分において0.4MΩ以上であれば、耐火性
優良とし、そうでなければ耐火性不良とした。
【0034】上記試験の結果を表1および表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1から明らかなように、試験番号1〜5
の低圧耐火ケーブルは、いずれも上記試験に合格した。
また、表2に示すように、親油性スメクタイトの添加量
が少ない試験番号6および7のものは、いずれも耐火性
が不良であり、また、親油性スメクタイトの添加量が過
多である試験番号8のものは、押出性が不良となった。
親油性スメクタイトに代えて、親水性スメクタイトを添
加した試験番号9および10のものでは耐火性は得られ
なかった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシリコー
ン樹脂組成物は、シリコーン樹脂に、軟化開始温度50
0℃以下、かつ結晶化開始温度840℃以下のアルカリ
金属を含むガラスフリットと、親油性スメクタイトとが
添加されているので、燃焼して生成される殻の機械的強
度が高いものとなるとともに、加熱時に所定の絶縁抵抗
を維持する。また、本発明の低圧耐火ケーブルは、導体
上に、前記シリコーン樹脂組成物からなり、架橋された
耐火絶縁層が設けられたものであるので、良好な耐火性
を有するとともに、加熱時においても十分な絶縁性能を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の低圧耐火ケーブルの一例を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1…導体、2…耐火絶縁層、3…シース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CP031 CP141 DJ007 DJ037 DL006 FB087 FD206 FD207 GQ01 5G305 AA02 AB01 AB25 BA12 BA15 CA26 CC14 CC20 CD13 5G315 CA01 CB02 CC08 CD06 CD16 CD17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン樹脂に、軟化開始温度500
    ℃以下、かつ結晶化開始温度840℃以下のアルカリ金
    属を含むガラスフリットと、親油性スメクタイトとが添
    加されたことを特徴とするシリコーン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記親油性スメクタイトの添加量が、シ
    リコーン樹脂100重量部に対して、1〜50重量部で
    あることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のシリコ
    ーン樹脂組成物からなり、架橋された耐火絶縁層が導体
    上に設けられたことを特徴とする低圧耐火ケーブル。
JP2001348976A 2001-11-14 2001-11-14 シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた低圧耐火ケーブル Withdrawn JP2003151354A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006503121A (ja) * 2002-08-01 2006-01-26 セラム ポリメリック ピーティーワイ リミテッド 耐火性シリコーンポリマー組成物
JP2007505181A (ja) * 2003-09-12 2007-03-08 ネクサン 耐熱電気絶縁組成物
KR100952160B1 (ko) * 2008-01-30 2010-04-09 김백규 실리콘 난연 내화 케이블의 제조방법

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