JP2003150164A - 擦弦楽器および振動検出装置 - Google Patents

擦弦楽器および振動検出装置

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JP2003150164A
JP2003150164A JP2001352214A JP2001352214A JP2003150164A JP 2003150164 A JP2003150164 A JP 2003150164A JP 2001352214 A JP2001352214 A JP 2001352214A JP 2001352214 A JP2001352214 A JP 2001352214A JP 2003150164 A JP2003150164 A JP 2003150164A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 擦弦楽器において、コスト増加などを招くこ
となく、駒の振動をより正確に検出する。 【解決手段】 駒7の脚部18a,18bの各々下面側
に、第1振動検出センサ群50aおよび第2振動検出セ
ンサ群50bが配置されている。第1振動検出センサ群
50aは、圧電センサ51aと圧電センサ53aといっ
た2つの圧電センサを絶縁層52を挟んで積層配置した
構成となっており、2つの圧電センサが並列接続されて
いる。第2振動検出センサ群50bも同様に、2つの圧
電センサ51b,53bを絶縁層52を挟んで積層配置
し、これらを並列接続する構成となっている。このよう
に構成された第1振動検出センサ群50aおよび第2振
動検出センサ群50bの出力インピーダンスは小さく、
駒の振動をより正確に検出するための種々の効果が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擦弦操作に応じた
振動を検出することができる擦弦楽器、および擦弦操作
に応じた検出信号を出力する振動検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、バイオリン等の自然弦楽器を
模倣した電気弦楽器が用いられている。この電気弦楽器
は、弦の振動をピックアップで検出し、その検出信号を
増幅して出力するというものである。このような電気弦
楽器では、検出信号をヘッドフォン等に出力する、いわ
ゆる消音演奏が可能であり、大きな楽音等を発生させる
ことができない環境下で行う練習に用いる楽器として非
常に便利である。
【0003】また、自然弦楽器にあるべき共鳴体等、ア
コースティックの構成を有するアコースティック弦楽器
における駒にピックアップを装着し、このような自然楽
器においても増幅装置を介したスピーカ等から楽音を出
力させるようにした楽器も用いられている。
【0004】上記のようなピックアップを備えた電気バ
イオリンの外観構成を図1に示す。同図に示すように、
この電気バイオリン1Aは、弦4を支持する台座である
ボディ(本体部)2A、ネック3および胴部5を備えた
構成である。弦4は、ボディ2Aの底部に固定されたテ
ールピース6から駒7を経てネック3の先端にわたり4
本張られている。ネック3には、弦4の端部が巻回され
て弦4に張力を与えるペッグスクリュー3aが装着され
ている。
【0005】なお、この明細書においては、電気バイオ
リンであっても、上記のように本体部に設けられる弦4
を支持する部材、すなわちアコースティックバイオリン
における駒に相当する部材を駒と称することとする。
【0006】この電気バイオリン1Aでは、通常の自然
楽器バイオリンのように、胴部の音響放射機能は必要な
いので、胴部5は演奏者が身体(顎)で支持する側とは
反対側にデザイン的に形成され、その胴部5の反対側に
おけるボディ2Aの底部に、実際に顎に挟んで支持する
部分として顎当てパッド8が取り付けられている。
【0007】上記のように擦弦操作による振動を検出す
るピックアップは駒7とボディ2Aとの間に設けられて
おり、その近傍の構成を図2に示す。同図に示すよう
に、駒7の2つの脚部18a,18bと、ボディ2Aの
表面部との間には、各々ピックアップ20a,20bが
配置されている。そして、演奏操作によって振動する弦
4から駒7に伝達される振動による機械エネルギーが、
これらの圧電素子等から構成されるピックアップ20
a,20bによって電気エネルギーに変換され、脚部1
8a,18bの振動に応じた電気信号を取得することが
できるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に駒7の振動を検出するピックアップ20a,20bは
圧電素子等から構成されており、この振動検出構成の容
量に関して、これを等価回路で表すと、圧電素子はコン
デンサで表される。したがって、コンデンサの容量が大
きくなると、ピックアップとしての出力インピーダンス
が小さくなる。このように出力インピーダンスが大きく
なると、カットオフ周波数が高くなり、振動の低周波成
分を検出することができなくなる。したがって、出力イ
ンピーダンスの大きいピックアップ20a,20bで検
出した信号を基に音響信号を生成した場合、低音域の音
を正確に発生させることができなくなってしまう。ま
た、出力インピーダンスが大きいと、検出信号にインピ
ーダンスノイズが多く含まれてしまい、その結果、この
検出信号に基づいて生成する音響信号の音質が悪化して
しまうといった問題が生じる。もちろん、ピックアップ
20a,20bを構成する圧電素子として薄型のものを
採用すれば、コンデンサ容量が大きくなり、出力インピ
ーダンスを小さくすることができるが、圧電素子の薄型
加工は困難であり、実現できるとしても多大な費用がか
かってしまう。
【0009】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
ものであり、コスト増加などを招くことなく、駒の振動
をより正確に検出することができる擦弦楽器および振動
検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る擦弦楽器は、弦と、該弦を支持する駒
と、該駒が立設される本体部とを備えた擦弦楽器であっ
て、前記駒下に取り付けられ、当該駒の振動を電気エネ
ルギーに変換する複数の圧電素子を有する振動検出セン
サを備え、前記複数の圧電素子が並列接続されているこ
とを特徴としている。
【0011】この構成によれば、複数の圧電素子を並列
接続することにより、当該圧電素子の組から構成される
振動検出センサ全体としての出力インピーダンスが低下
する。すなわち、等価回路で表すと、コンデンサとなる
圧電素子を並列接続することにより静電容量が複数倍と
なり、その結果出力インピーダンスが低下する。出力イ
ンピーダンスが小さくなることで、カットオフ周波数を
小さくしたり、ノイズを低減したりすることができ、よ
り正確な振動検出を行うことができる。また、圧電素子
として薄型のものを採用する等、圧電素子単体として出
力インピーダンスが低下するような構成を採用すれば上
記と同様の効果が得られるが、圧電素子の薄型加工は困
難であり、実現できたとしても多大なコストを要する。
すなわち、本発明によれば、大幅なコスト増加を招くこ
となく、より正確な振動検出を実現することができる。
【0012】また、本発明に係る振動検出装置は、弦
と、該弦を支持する駒と、該駒が立設される本体部とを
備えた擦弦楽器に設けられ、擦弦操作による前記弦の振
動に応じた検出信号を出力する振動検出装置であって、
前記駒に取り付けられ、当該駒の振動を電気エネルギー
に変換する複数の圧電素子を有する振動検出センサを備
え、前記複数の圧電素子が並列接続されていることを特
徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。 A.実施形態 まず、本発明の一実施形態に係る電気バイオリンの全体
構成は図1に示した一般的な電気バイオリンと同様であ
り、本実施形態に係る電気バイオリンは駒7の振動を検
出する振動検出センサユニット(振動検出装置)および
検出した振動に応じて楽音をヘッドフォン等から放音さ
せる音響信号生成ユニットを有しており、その振動検出
センサユニットの構成に特徴を有している。したがっ
て、バイオリンの一般的な構成の説明は省略することと
し、図3および図4を参照しながら、駒7近傍の振動検
出構成について説明する。
【0014】図3に示すように、駒7の脚部18a,1
8bとボディ2Aとの間には、擦弦操作によって生じる
駒7の振動を検出することができる振動検出センサユニ
ット50が配置されており、振動検出センサユニット5
0は、脚部18a,18bの各々の下方側に配置される
第1振動検出センサ群50aおよび第2振動検出センサ
群50bを有している。
【0015】振動検出センサユニット50は、圧電セン
サ51a,51bと、絶縁層52と、圧電センサ53
a,53bとを有しており、これらの各構成要素が駒7
とボディ2Aとの間に図の上下方向、すなわち駒7とボ
ディ2Aとを結ぶ振動の伝達方向に積層された構造とな
っている。
【0016】第1振動検出センサ群50aの圧電センサ
51aおよび圧電センサ53aは、脚部18aの下面に
絶縁層52を挟んで積層されており、お互いの分極方向
が逆方向(図示の例では、圧電センサ51aが上から
下、圧電センサ53aが下から上)となるよう配置され
ている。そして、圧電センサ51aと圧電センサ53a
に挟まれる絶縁層52には、スルーホール52aが形成
されており、スルーホール52aを挿通させられた配線
55aによって圧電センサ51aおよび圧電センサ53
aの対向する面同士が電気的に接続されている。そし
て、圧電センサ51aの下面、すなわち圧電センサ53
aと対向する面に出力配線56aが接続されており、圧
電センサ51aの上面および圧電センサ53aの下面に
接地線57aが接続されている。これにより、擦弦操作
によって駒7(脚部18a)に振動が生じた場合、その
振動が圧電センサ51aおよび圧電センサ53aによっ
て電気エネルギーに変換され、この結果出力配線56a
を介して振動に応じた電気信号が出力されるようになっ
ている。なお、圧電センサ51aと圧電センサ53aと
の面同士の接続方法はスルーホールを利用するものに限
らず、例えば絶縁層52を介さずに両者を直接導電性接
着剤等で貼り付けるようにしてもよい。
【0017】第2振動検出センサ群50bの圧電センサ
51bおよび圧電センサ53bは、脚部18bの下面に
絶縁層52を挟んで積層されており、お互いの分極方向
が逆方向となるよう配置されている。また、図示のよう
に、圧電センサ51bはその分極方向が圧電センサ51
aと逆方向となるよう配置されており、圧電センサ53
bはその分極方向が圧電センサ53aと逆方向となるよ
う配置されている。そして、圧電センサ51bの下面、
すなわち圧電センサ53bと対向する面に出力配線56
bが接続されており、圧電センサ51bの上面および圧
電センサ53bの下面に接地線57bが接続されてい
る。これにより、擦弦操作によって駒7(脚部18b)
に振動が生じた場合、その振動が圧電センサ51bおよ
び圧電センサ53bによって電気エネルギーに変換さ
れ、この結果出力配線56bを介して振動に応じた電気
信号が出力されるようになっている。以上のように圧電
センサ51bはその分極方向が圧電センサ51aと逆方
向となるよう配置し、圧電センサ53bはその分極方向
が圧電センサ53aと逆方向となるよう配置するととも
に同一側の面に出力線57a,57bを結線することに
よって、駒7に生じる振動の横振動成分をより正確に検
出することができる。すなわち、駒7の横振動成分、つ
まりある一時点における脚部18a,18bの振動方向
は逆方向(一方が下から上の場合、他方は上から下とな
る)となる振動成分を検出した際に圧電センサ51a,
51bおよび圧電センサ53a,53bから出力される
信号が、お互いの特性を打ち消し合うことがないので、
横振動成分をより正確に検出することができるのであ
る。
【0018】以上のような構成の振動検出センサユニッ
ト50の容量に関する等価回路を図4に示す。同図に示
すように、振動検出センサユニット50は、脚部18a
の下方側に配置される圧電センサ51aおよび圧電セン
サ53aの2つのセンサ(等価回路ではコンデンサに相
当)が並列に接続され、脚部18bの下方側に配置され
る圧電センサ51bおよび圧電センサ53bの2つのセ
ンサ(コンデンサに相当)とが並列に接続されるといっ
た等価回路となる。したがって、各圧電センサ51a,
51bおよび圧電センサ53a,53bのコンデンサの
静電容量をCとした場合、各々の脚部18a,18bの
下方側に設けられる並列接続された第1振動検出センサ
群50aおよび第2振動検出センサ群50bの静電容量
は2倍、すなわち2Cとなるから、インピーダンスZ
は、次式で表される。 Z=1/(2πf*2C) なお、上記式において、fは周波数である。
【0019】すなわち、圧電センサ51aと圧電センサ
53aおよび圧電センサ51bと圧電センサ53bを各
々並列接続することによって、第1振動検出センサ群5
0aおよび第2振動検出センサ群50bの静電容量が2
倍となり、この結果、当該各センサ群の出力インピーダ
ンスは、1つの圧電センサ(静電容量C)を利用した場
合(Z=1/2πfC)と比較して低下することにな
る。このように、第1振動検出センサ群50aおよび第
2振動検出センサ群50bの出力インピーダンスが低下
すると、これに伴ってカットオフ周波数を低くすること
ができ、各々第1振動検出センサ群50aおよび第2振
動検出センサ群50bは、脚部18a,18bに生じる
振動の低周波成分をより正確に検出することができる。
また、上記のように出力インピーダンスを低下させるこ
とで、インピーダンスノイズが減少するので、第1振動
検出センサ群50aおよび第2振動検出センサ群50b
はノイズの少ない検出信号を出力することができる。
【0020】以上のような構成の第1振動検出センサ群
50aおよび第2振動検出センサ群50bを有する振動
検出センサユニット50が脚部18a,18bとボディ
2Aとの間に設けられており、擦弦操作に応じた駒7の
振動を検出することができ、振動に応じた電気信号を出
力することができる。
【0021】次に、上記構成の振動検出センサユニット
50の第1振動検出センサ群50aおよび第2振動検出
センサ群50bが検出した駒7の振動に対応する電気信
号に基づいて音響信号を生成し、外部スピーカ等の放音
装置から放音するための音響信号生成ユニットの構成に
ついて図5を参照しながら説明する。
【0022】同図に示すように、音響信号生成ユニット
60は、アンプ61a,61bと、アンプ62a,62
bと、周波数特性調整フィルタ65a,65bと、加算
回路66とを備えている。
【0023】アンプ61a,61bの各々には、上記構
成の振動検出センサユニット50の第1振動検出センサ
群50aおよび第2振動検出センサ群50bによって検
出された振動に対応する信号が供給されるようになって
おり、両信号の振幅が個別に設定された所定の増幅率で
増幅された後、各々アンプ62a,62bに供給され
る。アンプ62a,62bでは、各々供給された信号が
所定の増幅率で増幅され、周波数特性調整フィルタ65
a,65bに供給される。
【0024】周波数特性調整フィルタ65a,65b
は、各々異なる特性を有するフィルタである。第1振動
検出センサ群50aが駒7の低音側の弦が配置される側
の脚部の下面に配置されるものであり、第2振動検出セ
ンサ群50bが駒7の高音側の弦が配置される側の脚部
に配置されるものであるから、各々のフィルタは駒7に
おける振動検出位置に応じた周波数特性調整を行うよう
な特性を有している。
【0025】周波数特性調整フィルタ62a,62bか
ら供給される周波数特性調整後の信号は加算回路66に
出力される。加算回路66では、これらの信号が加算さ
れ、音響信号としてヘッドフォンやスピーカ等から構成
される放音装置68に出力される。なお、図示はしない
が、加算回路66から出力される信号をディジタル信号
に変換し、残響付与等のディジタル信号処理を施してか
ら放音装置68に出力するようにしてもよい。
【0026】音響信号生成ユニット60は上記の構成を
有しており、振動検出センサユニット50の第1振動検
出センサ群50aおよび第2振動検出センサ群50bに
よって検出される駒7の振動に対応する電気信号に対
し、適当な信号処理を施して音響信号を生成するように
なっている。
【0027】以上説明したように本実施形態に係る電気
バイオリンでは、擦弦操作による駒7の振動を検出する
手段として、第1振動検出センサ群50aおよび第2振
動検出センサ群50bを複数(本実施形態では2つ)の
圧電センサを並列接続した構成を採用している。このよ
うに複数の圧電センサを並列接続した構成とすることに
より、出力インピーダンスが低下し、擦弦操作によって
駒7に生じる振動の低周波成分をより正確に検出するこ
とができ、当該検出結果を用いた楽音発生の際における
低音域の音質を向上させることができる。また、上記の
ように検出結果に含まれるノイズを減少させることもで
きるので、当該検出結果を用いた楽音発生を行うと、よ
り高品位の楽音を発生させることができる。
【0028】もちろん、脚部18a,18bの各々の下
面側に配置する圧電センサとして、薄型のものを採用す
れば、出力インピーダンスを低下させることができ、上
記第1振動検出センサ群50aおよび第2振動検出セン
サ群50bと同様の効果を得ることも可能であるが、圧
電センサを非常に薄く加工するのは困難であり、仮に可
能であったとしても多大なコストを要することになると
考えられる。これに対し、複数の圧電センサを並列接続
するといった構成を採用することにより、市販等されて
いる圧電センサを利用しながら、つまり大幅なコストの
増加等を招くことなく、センサ群全体としてみれば出力
インピーダンスを低下させることができ、これにより上
記のような種々の効果を得ることができる。
【0029】ところで、上記のように複数の圧電センサ
を並列接続した構成の振動検出センサ群としては、駒7
における点在する部位に各圧電センサを取り付け、これ
らを並列接続することも考えられる。しかしながら、こ
のようにした場合には、各々のセンサの出力特性が異な
ることがあり、これらを並列接続した構成のセンサによ
って得られる検出結果の正確性が損なわれるおそれがあ
る。これに対し、本実施形態では、並列接続する各圧電
センサを脚部18a,18bの下面側において、駒7か
らボディ2Aへの振動伝達方向に積層配置することによ
り、積層配置された各圧電センサにはほぼ同じ振動が加
わり、この結果、各圧電センサから出力される信号の特
性もほぼ同じようなものとなる。したがって、これらの
積層配置された圧電センサの出力結果の正確性が損なわ
れる可能性が小さくなる、つまりより正確な振動検出が
可能となるのである。
【0030】また、並列接続する各圧電センサに対し、
ほぼ同じような振動が加わるようにするために脚部18
a,18bの各々の下面に、それぞれ2つの圧電センサ
を貼り付け、これらを並列接続することも考えられる。
しかしながら、バイオリンの駒7の脚部18a,18b
の下面の面積は微小であり、この限られた面積をさらに
2分割した領域、つまり小さな領域に取り付けられた各
圧電センサを利用して振動検出を行う場合、振動を検出
することにより得られる信号の出力値が小さい等に起因
して正確な振動検出ができなくなるおそれもある。これ
に対し、本実施形態では、第1振動検出センサ群50a
および第2振動検出センサ群50bを構成する各圧電セ
ンサ51a、圧電センサ53aおよび圧電センサ51
b、圧電センサ53bとして、各々脚部18a,18b
の下面とほぼ同じ面積を有するものを採用した上で、こ
れらを上下方向に積層配置することで、上記のような可
能な限り大きい面積を有する圧電センサを並列接続とす
ることができるようにしている。したがって、上記のよ
うに脚部18a,18bの下面を各々2分割した領域に
圧電センサを取り付ける場合よりも、得られる検出信号
の出力値が大きくなり、より正確な振動検出を行うこと
が可能となる。
【0031】B.変形例 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるもので
はなく、以下に例示するような種々の変形が可能であ
る。
【0032】(変形例1)上述した各実施形態において
は、本発明をバイオリンに適用した場合について説明し
たが、弦と、弦を支持する部材(駒等)とを有し、該弦
を弓等によって擦ることにより演奏を行う擦弦楽器に適
用することが可能であり、例えばチェロ、ビオラ、コン
トラバス等に適用することができる。
【0033】(変形例2)また、上述した実施形態で
は、圧電センサ51aと圧電センサ53a、および圧電
センサ51bと圧電センサ53bといった2つの圧電セ
ンサを並列接続する構成としていたが、これに限らず、
3つ以上の圧電センサを並列接続するようにしてもよ
い。このように3つ以上の圧電センサを並列接続する場
合には、上述した実施形態と同様、3つ以上の各圧電セ
ンサを絶縁層を挟んで積層配置するようにしてもよい。
【0034】(変形例3)また、上述した各実施形態に
おいては、本発明を電気バイオリンに適用した場合につ
いて説明したが、アコースティックな発音機能を有する
擦弦楽器に適用することができる。例えば、図6に示す
ようなアコースティックバイオリンにも本発明を適用す
ることができる。
【0035】同図に示すように、このバイオリンは、通
常のバイオリンと同様に共鳴体である響胴(本体部)1
1と、響胴11から延出するネック12とを有してお
り、ネック12に設けられた糸巻13と響胴11に設け
られた緒止板14とで4本の弦15を張力を与えた状態
で支持している。響胴11およびネック12の上面(紙
面手前側)には、指盤16が弦15とほぼ平行に配置さ
れている。響胴11には駒18が立設されており、弦1
5との間で挟持されている。これにより弦15の振動が
駒18を介して響胴11に伝達されるようになってい
る。これらの各構成要素は、通常のアコースティックバ
イオリンと同様の機能を有している。当該バイオリンの
駒18の脚部に、上記実施形態と同様の振動検出センサ
ユニットを取り付けるようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コスト増加などを招くことなく、駒の振動をより正確に
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気バイオリンの外観構成を示す正面図であ
る。
【図2】 前記電気バイオリンの駒近傍の構成を示す図
である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る電気バイオリンの
駒の振動を検出するための振動検出センサユニットの構
成を示す図である。
【図4】 前記振動検出センサユニットの容量に関する
等価回路を示す図である。
【図5】 前記振動検出センサユニットによって検出さ
れた信号に基づいて音響信号を生成する音響信号生成ユ
ニットの構成を示す図である。
【図6】 前記実施形態に係るバイオリンの変形例を示
す図である。
【符号の説明】
1A……電気バイオリン、2A……ボディ、4……弦、
5……胴部、7……ブリッジ、11……響胴、12……
ネック、15……弦、18……駒、18a,18b……
脚部、50……振動検出センサユニット、50a……第
1振動検出センサ群、50b……第2振動検出センサ
群、51a,51b,53a,53b……圧電センサ、
52……絶縁層、60……音響信号生成ユニット、68
……放音装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦と、該弦を支持する駒と、該駒が立設
    される本体部とを備えた擦弦楽器であって、 前記駒下に取り付けられ、当該駒の振動を電気エネルギ
    ーに変換する複数の圧電素子を有する振動検出センサを
    備え、 前記複数の圧電素子が並列接続されていることを特徴と
    する擦弦楽器。
  2. 【請求項2】 前記振動検出センサは、絶縁層を有して
    おり、 前記並列接続される複数の圧電素子は、前記駒の立設方
    向にほぼ沿った方向に前記駒の脚部と本体部との間に前
    記絶縁層を挟んで積層配置されていることを特徴とする
    請求項1に記載の擦弦楽器。
  3. 【請求項3】 前記振動検出センサの検出結果に基づい
    て音響信号を生成する音響信号生成手段をさらに具備す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の擦弦楽
    器。
  4. 【請求項4】 弦と、該弦を支持する駒と、該駒が立設
    される本体部とを備えた擦弦楽器に設けられ、擦弦操作
    による前記弦の振動に応じた検出信号を出力する振動検
    出装置であって、 前記駒下に取り付けられ、当該駒の振動を電気エネルギ
    ーに変換する複数の圧電素子を有する振動検出センサを
    備え、 前記複数の圧電素子が並列接続されていることを特徴と
    する振動検出装置。
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