JP2003149651A - 液晶表示装置用スペーサー及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置用スペーサー及びそれを用いた液晶表示装置

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JP2003149651A
JP2003149651A JP2001347342A JP2001347342A JP2003149651A JP 2003149651 A JP2003149651 A JP 2003149651A JP 2001347342 A JP2001347342 A JP 2001347342A JP 2001347342 A JP2001347342 A JP 2001347342A JP 2003149651 A JP2003149651 A JP 2003149651A
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meth
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JP2001347342A
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Miya Sakurai
美弥 桜井
Hiroyuki Takeda
博之 武田
Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
Hiroyuki Tokuda
博之 徳田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルギャップ幅の精度が高く微細な
スペーサーパターンにより得られ、耐熱性に優れる液晶
表示装置用スペーサー、及び、当該スペーサーを使用
し、液晶の電圧保持率の高い液晶表示装置を提供するこ
と。 【解決手段】 (a)カルボキシル基又はフェノー
ル性水酸基、及び、2−オキソ−1,3−ジオキソラン
−4−イル基とを有する重合体、(b)(メタ)アクリ
ル酸誘導体、(c)光重合開始剤を含有する光重合性組
成物の光硬化塗膜により形成される液晶表示装置用スペ
ーサー及び、それを使用した液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置やタ
ッチパネルなどの表示装置を構成する2枚の基板間に介
在して両基板を支持し、両基板の間隔を保持する液晶表
示装置用スペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、液晶表示装置は、薄膜トラン
ジスタ(TFT)、画素電極、配向膜等を備える背面基
板と、カラーフィルター、電極、配向膜等を備える前面
基板とを対向させ、両基板間に液晶を封入して構成され
ている。そして、2枚の基板の間隔(以下、セルギャッ
プという)を一定に保つために、所定の粒径を有するガ
ラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサー粒子が
使用されている。
【0003】しかしながら、このようなビーズスペーサ
ーを使用した場合、背面基板の凸部(TFT等)上に散
布された少数のスペーサーのみが前面基板に当たるた
め、この少数のスペーサーにより支持される部分に荷重
が集中し、電極に損害を与えることがあった。また、ス
ペーサー粒子は、ガラス基板上にランダムに散布される
ため、有効画素部内に前記スペーサーが存在すると、入
射光が散乱を受け、液晶表示装置のコントラストが低下
するという問題があった。
【0004】これに対し、特開平3−89320号公報
及び特開平4−318816号公報には、液晶表示装置
を形成する基板上にアクリレート系紫外線硬化性樹脂を
塗布し、フォトマスクを介して紫外線硬化を行い、その
後未硬化部分を溶剤で除去(現像)する、フォトレジス
ト材料を用いたスペーサーの形成方法が開示されてい
る。これらの方法によれば、素子や配線の破壊が防止で
き、セルギャップをフォトレジスト材料の塗布膜厚によ
りコントロールできるため、セルギャップ幅のコントロ
ールが容易で、また、有効画素部外にスペーサーを形成
できるためコントラストの高い液晶表示装置を得ること
ができる。しかしながら、近年、更に微細なスペーサー
パターンが要求されており、よりセルギャップ幅精度の
高く、微細加工の可能な材料設計が必要になっている。
【0005】セルギャップ幅の精度が高く微細なスペー
サーを得る方法として、特開平11−133600号公
報には、カルボキシル基及びエポキシ基を有するアクリ
ル共重合体をアルカリ可溶成分として含有する、アルカ
リ可溶型フォトレジスト材料を用いたスペーサーが開示
されている。当該方法によれば、現像感度が高くスペー
サーパターンの微細加工が可能な上、スペーサーパター
ン部に残存するエポキシ基とカルボキシル基とを熱架橋
することにより、耐溶剤性、耐熱性及び安定性の高いス
ペーサーパターンを得ることができる。しかしながら、
該フォトレジスト組成物の場合、硬化したスペーサーパ
ターン部の塗膜物性は良好となるものの、エポキシ基と
カルボキシル基との反応性が高すぎるため、フォトレジ
スト組成物の製造持又は保存持に、増粘や一部ゲル化が
生じてしまう。増粘又は一部ゲル化したフォトレジスト
組成物により形成されたスペーサーパターンは、現像性
が悪く、現像後も紫外線未照射部にゲル化物が残存する
等の問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、セルギャップ幅の精度が高く微細なスペー
サーパターンにより得られ、耐熱性に優れる液晶表示装
置用スペーサーを提供することであり、当該スペーサー
を使用し、液晶の電圧保持率の高い液晶表示装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、前記課題
を解決するために、(a)カルボキシル基又はフェノー
ル性水酸基、及び、2−オキソ−1,3−ジオキソラン
−4−イル基とを有する重合体、(b)(メタ)アクリ
ル酸誘導体、(c)光重合開始剤を含有する光重合性組
成物の光硬化塗膜により形成される液晶表示装置用スペ
ーサーを提供する。
【0008】また、本発明は、前記課題を解決するため
に、前記記載の液晶表示装置用スペーサーを使用した液
晶表示装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明の液晶表示装置用スペーサーは、
(a)カルボキシル基又はフェノール性水酸基、及び、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とを有
する重合体(以下、本発明で使用する重合体(a)とい
う)と、(b)(メタ)アクリル酸誘導体、及び(c)
光重合開始剤を含有する光重合性組成物の光硬化塗膜に
より形成されることを特徴とする。
【0010】本発明で使用する重合体(a)において、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基(以
下、シクロカーボネート基と記す)とは、下記の一般式
(1)で示されるものである(但し、式中のR1、R2
及びR3は、それぞれ同一であっても異なっていても良
い、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を表
す)。
【0011】
【化1】 (1)
【0012】本発明で使用する重合体(a)は、エポキ
シ基を二酸化炭素で保護したシクロカーボネート基を含
有するものであり、このことによりエポキシ基の反応性
を抑制し、保存安定性を高めることができる。更に、ス
ペーサーパターン形成工程後に行われる焼き付けにおい
ては、保護されたエポキシ基は、本発明で使用する重合
体(a)に併有されるカルボキシル基又はフェノール性
水酸基と熱により反応し架橋構造を形成する。その結
果、耐熱性に優れ、耐熱変形を起こすことのないスペー
サーパターンを得ることができる。
【0013】本発明で使用する重合体(a)は、例え
ば、少なくとも(a−1)1分子中に少なくとも1個の
エチレン性二重結合と1個以上のシクロカーボネート基
とを有する単量体(以下、シクロカーボネート単量体と
いう)と、(a−2)1分子中に少なくとも1個のエチ
レン性二重結合と、1個以上のカルボキシル基又はフェ
ノール性水酸基とを有する単量体とを共重合させて得る
ことができる。この時必要に応じて、(a−3)その他
の共重合用単量体を併用してもよい。
【0014】(a−1)シクロカーボネート単量体とし
ては、例えば、2,3−カーボネートプロピル(メタ)
アクリレート、2−メチル−2,3−カーボネートプロ
ピル(メタ)アクリレート、3,4−カーボネートブチ
ル(メタ)アクリレート、3−メチル−3,4−カーボ
ネートブチル(メタ)アクリレート、4−メチル−3,
4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、3−メ
チル−3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレー
ト、6,7−カーボネートヘキシル(メタ)アクリレー
ト、5−エチル−5,6−カーボネートヘキシル(メ
タ)アクリレート、7,8−カーボネートオクチル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;2,3
−カーボネートプロピルビニルエーテル、メチル−2,
3−カーボネートプロピルマレート、又はメチル−2,
3−カーボネートプロピルクロトネート等が挙げられ
る。これらのシクロカーボネート単量体は、それぞれ単
独で使用することも、2種類以上を混合して使用するこ
ともできる。
【0015】(a−2)1分子中に少なくとも1個のエ
チレン性二重結合と、1個以上のカルボキシル基又はフ
ェノール性水酸基とを有する単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸もしくは
フマル酸等のエチレン性二重結合を有するモノ−及びジ
−カルボン酸類;マレイン酸モノアルキルエステル、フ
マル酸モノアルキルエステルもしくはイタコン酸モノア
ルキルエステル、2−、3−、又は4−ヒドロキシスチ
レン等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独
で使用することも、2種類以上を混合して使用すること
もできる。
【0016】また、(a−3)その他の共重合用単量体
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の
アルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル類;(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イ
ソボロニル等の脂環式アルキル基を有する(メタ)アク
リル酸エステル類;(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸フェノキシエチル等の芳香環を有する
(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0017】マレイン酸ジメチル等のマレイン酸誘導
体;フマル酸ジメチル等のフマル酸誘導体;スチレン誘
導体;N−メチルマレイミド等のマレイミド誘導体など
が挙げられる。これらの共重合用単量体は、それぞれ単
独で使用することも、2種類以上を混合して使用するこ
ともできる。
【0018】前記単量体の使用割合は、(a−1)シク
ロカーボネート単量体の使用割合が、単量体の合計に対
し1〜50質量%となるよう調整することが好ましい。
(a−1)シクロカーボネート単量体の使用割合が1質
量%未満では、得られる重合体の耐熱性が十分ではな
く、一方、50質量%を超えると、得られる重合体の溶
剤に対する溶解性が十分ではない。更に、(a−2)1
分子中に少なくとも1個のエチレン性二重結合と、1個
以上のカルボキシル基又はフェノール性水酸基とを有す
る単量体の使用割合は、本発明で使用する重合体(a)
の酸価(試料1g中に存在する酸分を規定の方法に基
き、中和するのに要した水酸化カリウムのミリグラム
数)が20〜250mgKOH/gの範囲となるように
調整することが好ましく、具体的には、単量体の合計に
対し2〜89質量%であり、より好ましくは、単量体の
合計に対し2〜69質量%である。本発明で使用する重
合体(a)の酸価が20mgKOH/g以下の場合に
は、得られる重合体のアルカリ溶解性が十分ではなく、
また、酸価が250mg以上の場合には、得られる重合
体のアルカリ溶解性が高くなりすぎる結果、光硬化後の
塗膜までもがアルカリに溶解してしまう傾向にある。
【0019】また、(a−3)その他の共重合用単量体
は、硬化塗膜の硬さ、耐溶剤性、ガラス転移点を調整す
るために使用するものであり、その使用割合は、単量体
の合計に対し10〜97質量%、より好ましくは、単量
体の合計に対し30〜90質量%である。(a−3)そ
の他の共重合用単量体の使用割合が30質量%未満で
は、硬化塗膜に十分な硬さ、耐溶剤性、ガラス転移点を
付与することができず、一方、90質量%を越えると、
硬化塗膜に十分な耐熱性が得られなかったり、重合体
(a)のアルカリ溶解性が低くなりすぎる傾向にある。
【0020】本発明で使用する重合体(a)は、前記の
単量体を重合開始剤存在下、塊状重合法、溶液重合法等
の公知手法により重合することで得られるが、なかでも
簡便な溶液重合法により重合することが好ましい。重合
に使用する溶媒は、前記の単量体や得られる重合体を溶
解できるものであれば特に限定されることはないが、例
えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
もしくはシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール等のアルコール類、などが挙げ
られる。これらの有機溶媒は、2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0021】溶液重合の際に用いる重合開始剤は、公知
のラジカル重合開始剤を用いればよく、例えば、2,2
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開
始剤;ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオキシ2−エチルへキサノエ
ート等の過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。
【0022】本発明の液晶表示装置用スペーサーを形成
する光重合性組成物に使用する(b)(メタ)アクリル
酸誘導体としては、2官能以上の(メタ)アクリル酸誘
導体が好ましく使用でき、例えば、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート;
【0023】フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂と(メタ)アク
リル酸との反応物;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビ
スフェノールAのポリエトキシジオールなどのポリオー
ル類と、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートなどの有機ポ
リイソシアネート類と、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレ
ート水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応で得
られるウレタンアクリレート類などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0024】前記(b)(メタ)アクリル酸誘導体は、
単独で用いることも、2種類以上を混合して使用するこ
ともできる。(b)(メタ)アクリル酸誘導体の使用割
合には、本発明で使用する重合体(a)全量に対して2
5〜150質量%の範囲が好ましい。(b)(メタ)ア
クリル酸誘導体の割合が150質量%を越えると、得ら
れる硬化塗膜の現像性が低下する傾向にある。一方、
(b)(メタ)アクリル酸誘導体の割合が25質量%未
満では、所望する塗膜物性を有する硬化塗膜が得られ難
く、また、パターン形成が困難になる傾向にある。
【0025】また、本発明の液晶表示装置用スペーサー
を形成する光重合性組成物に使用する(c)光重合開始
剤としては、光により解離してラジカルを発生するよう
な光重合開始剤であれば特に限定されず、公知慣用のも
のが使用できる。具体的には、例えば、ベンゾフェノ
ン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンな
どのベンゾフェノン類;チオキサントン、イソプロピル
チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなど
のチオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベン
ゾインブチルエーテルなどのアシロインエーテル類;ベ
ンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;
【0026】1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケ
トン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン
−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フ
ェニル〕−2−モルフオリノプロパン−1−オン、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2
−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾリル2量体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−
[ジ−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル
−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−
6−(3−ブロモ−4−エトキシ)フェニル−S−トリ
アジンアントラキノン、n−フェニルチオアクリドンな
どが挙げられる。
【0027】また、前記光重合開始剤に公知慣用の光増
感剤を併用することもできる。光増感剤としては、例え
ば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原
子を有する化合物、塩素原子を有する化合物又はニトリ
ル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙げ
られる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組
み合わせて用いることもできる。
【0028】(c)光重合開始剤の使用割合は、組成物
中の(b)(メタ)アクリル酸誘導体に対して0.1〜
30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲が
特に好ましい。0.1質量%未満の使用量では、感度が
低下する傾向にあり、30質量%を越える使用量では、
結晶の析出、塗膜物性の劣化等を引き起こす傾向にあ
る。
【0029】また、本発明の液晶表示装置用スペーサー
を形成する光重合性組成物には、塗布性、現像性を改良
するために、界面活性剤を配合することもできる。この
ような界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテルなどのノニオン系界面活性剤;大日本インキ
化学工業株式会社製のメガファックF172などのフッ
素系界面活性剤;(メタ)アクリル酸重合体系界面活性
剤などが挙げられる。
【0030】更に、本発明の液晶表示スペーサーを形成
する光重合性組成物には、基板との密着性を改良するた
めの接着助剤;保存安定剤;消泡剤;カップリング剤な
どを添加することもできる。
【0031】本発明の液晶表示装置用スペーサーを形成
する光重合性組成物は、前記諸成分を混合することによ
り得られる。このとき、該組成物の粘度調整、液晶表示
スペーサーの膜厚調整のために適当な溶剤を使用するこ
とができる。そのような溶剤としては、前記各成分と反
応しないものであれば、特に限定されず公知慣用のもの
が使用できる。
【0032】このような溶剤としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、メトキシベンゼンなどの芳香族系溶剤;
酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエ
チルエーテルアセテートなどの酢酸エステル系溶剤;エ
トキシエチルプロピオネートなどのプロピオネート系溶
剤;メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジ
エチレングリコールなどのアルコール系溶剤;
【0033】ブチルセロソルブ、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエ
ーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;ヘキサ
ンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホル
ムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロ
リドンなどの窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトンな
どのラクトン系溶剤;カルバミン酸メチルとカルバミン
酸エチルの混合物のようなカルバミン酸エステル、水、
などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用するこ
とも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することも
できる。
【0034】これら溶剤は、沸点が80℃〜200℃の
範囲にあるものを選択することが好ましい。なかでも、
塗布性に優れ、塗膜の乾燥が簡単であることから、10
0℃〜170℃の沸点を有する溶剤がより好ましい。こ
れらの溶剤は、光重合性組成物の粘度調整、及び液晶表
示用スペーサーの膜厚調整のために、不揮発性分濃度が
10〜50質量%になるよう添加することが好ましい。
【0035】次に、本発明の液晶表示装置用スペーサー
の形成方法、並びに、それを用いた液晶表示装置の一例
について述べるが、本発明の液晶表示装置用スペーサー
及び液晶表示装置の適用範囲は、例示の方法に限定され
るものではない。当該スペーサーは、カラーフィルター
等を備えた前面基板、又は、TFT等を備えた背面基板
に形成する。前面基板は、ガラス板等の透明基板上に、
カラーフィルター、保護膜、電極、ポリイミド配向膜を
順に積層した構造を有しており、前面基板にスペーサー
を形成する場合は、電極上、ポリイミド配向膜上、又
は、カラーフィルターの一部を形成するブラックマトリ
ックス上に作製することができる。一方、背面基板にス
ペーサーを形成する場合、TFT、画素電極、ポリイミ
ド配向膜の順に積層された背面基板のTFT上、画素電
極上、又は、ポリイミド配向膜上に作製することができ
る。ここでは、透明基板上にカラーフィルター、保護
膜、電極を順に形成した前面基板の、電極上にスペーサ
ーを作製する場合を一例に説明する。
【0036】カラーフィルターは、特に限定されず公知
慣用のものが使用でき、例えば、顔料分散法、印刷法、
電着法、又は、染色法により得られるものが挙げられ
る。顔料分散法によるカラーフィルターの形成方法を一
例に説明すると、赤、緑、青の顔料をそれぞれ分散した
カラーフィルター用着色組成物を、ガラス板等の透明基
板表面に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱
又は光照射により重合させることで、カラーフィルター
用の画素部を形成することができる。パターニング手法
としては、フォトリソグラフィー法を選択することがで
きる。
【0037】保護膜としては、例えば、エポキシ樹脂、
アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサンポリマー等
が使用できる。その形成方法としては、ロールコーター
法、スピンコート法等により樹脂溶液を塗布し、加熱硬
化や光照射により重合する方法などが挙げられる。電極
としては、一般的には、インジウムチンオキシド(IT
O)の透明電極が用いられ、ITOを保護膜上にスパッ
タリングすることにより得ることができる。前面基板の
電極上にスペーサーを設ける場合には、前記のように調
製した光重合性組成物を電極表面に塗布後、必要に応じ
加熱(プリベーク)することにより溶剤を揮発させる。
【0038】光重合性組成物を電極表面に塗布する方法
には、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、
バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法等各
種の方法を用いることができる。プリベーク条件は、各
成分の種類、配合割合によっても異なるが、通常50〜
150℃で60〜900秒程度である。プリベーク後の
塗膜厚は、一般的には1〜30μmとなるように、好ま
しくは3〜20μmとなるようにする。
【0039】次に、得られた塗膜面にスペーサーを形成
するための所定のパターン形状を有するマスクを介して
光を照射する。照射する光の種類は、紫外線から可視光
線が好ましく、中でも、g線(波長436nm)、h線
(波長405nm)、i線(波長365nm)、o線
(波長256nm)などの紫外線、KrFレーザー(波
長248nm)、ArFレーザー(波長193nm)等
の遠紫外線が好ましい。
【0040】光照射条件は、用いる光源の種類、光重合
開始剤の種類や量の影響を受け、一概に決められない
が、0.03〜5J/cmの照射量範囲が好ましく用
いられる。光照射量が0.03J/cmより低い場合
には、使用する光重合開始剤量を増やす必要があり、そ
の結果、スペーサー中での光重合開始剤の析出、スペー
サー塗膜物性の劣化等を引き起こしやすくなる。一方、
光照射量が5J/cmとするためには、出力強度の高
い照射装置を使用するか、照射ラインの速度を低く設定
する必要があるため、経済性及び生産性が劣ることにな
る。従って、スペーサー物性と生産性とのバランスを考
慮すると、0.05〜3J/cm2の照射量範囲が特に
好ましい。
【0041】光照射後、現像液により光重合性組成物の
塗膜の未露光部分を除去する。現像液としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモ
ニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチル
アミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、
メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシ
クロ[4,3,0]−5−ノナンなどのアルカリの水溶
液、などが挙げられる。また、前記アルカリ水溶液に、
メタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性
有機溶剤、界面活性剤を適当量添加した水溶液を、現像
液として使用することもできる。
【0042】現像方法は、液盛り法、ディッピング法、
スプレー法等のいずれでもよい。現像後、水洗を行い、
さらに、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させ、該未露光部分
を除去することによって、スペーサーパターンを形成す
ることができる。更に、得られたスペーサーパターンを
ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用い、150
〜230℃で加熱処理し、本発明で使用する重合体
(a)のシクロカーボネート基と、カルボキシル基又は
フェノール性水酸基とを架橋させることにより、耐熱性
及び安定性を向上させて本発明の液晶表示装置用スペー
サーを得ることができる。
【0043】本発明の液晶表示装置用スペーサーを形成
した基板を用いて、液晶表示装置を作成することができ
る。一般に、液晶表示装置は、カラーフィルタや電極、
配向膜等を具備した前面基板と、TFT、画素電極、配
向膜等を具備した背面基板とを対向させ、両基板を貼り
合わせ、その間に液晶を封入することにより得ることが
できる。
【0044】例えば、前面基板の電極上に本発明の液晶
表示装置用スペーサーを形成する場合、まず、ガラス等
の透明基板上に、カラーフィルタ、保護膜、電極の順に
積層した前面基板上に、前記方法に従いスペーサーを形
成する。更に、スペーサーを形成した基板上に、配向膜
を形成する。配向膜としては、ポリイミド配向膜、光配
向膜等公知慣用のものを使用することができる。形成方
法としても特に限定されないが、例えばポリイミド配向
膜の場合、ポリイミド配向剤を塗布し、180℃以上の
温度で熱硬化してポリイミド膜を得、該膜を綿布やレー
ヨン布によりラビング処理することで得ることができ
る。ツイストネマチック方式の場合、本発明の液晶表示
装置用スペーサーを備えた前面基板とTFTを備えた背
面基板を貼り合わせた際に、液晶が90°捻れるように
ラビング方向を選択する。
【0045】該前面基板と背面基板とを貼り合わせる方
法としては、例えば、外縁を額縁状にシール剤を用いて
貼り合わせる方法が挙げられる。具体的には、背面基板
上にエポキシ系のシール剤を、カラーフィルターの額縁
部分が接合されるように、液晶注入口を設けた形でスク
リーン印刷し、その後前面基板と背面基板を位置合わせ
し、両基板間に圧力をかけつつ加熱しシール剤を熱硬化
させる。加熱条件は、使用するシール剤の種類により異
なるが、100℃ 〜170℃ で5分間〜2時間行うの
が一般的である。
【0046】得られた液晶セルに液晶を注入し、液晶注
入口を紫外線硬化樹脂で封止し、紫外線を照射して硬化
させる。最後に、ラビング方向に合わせて、基板外側に
偏光フィルムを貼り付けて、本発明の液晶表示装置を得
ることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるもの
ではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」
は、特に断りのない限りは質量基準のものである。
【0048】<製造例1> 〔カルボキシル基及びシクロカーボネート基を有する重
合体の調製〕温度計、環流冷却管、撹拌機および窒素ガ
ス導入口を備えた四つ口フラスコに、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート(以後PGMAcと
略記する)の425.0部を仕込み、撹拌しながら90
℃まで昇温したのち、2,3−カーボネートプロピルメ
タクリレートの82.5部、メタクリル酸(以下MAA
と略記する)の38.0部、ベンジルメタクリレート
(以下BzMAと略記する)の209.5部、PGMA
cの97.0部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサネート(以下P−Oと略記する)の16.5部と
の混合溶解物を1時間かけて滴下した。滴下終了後90
℃にて2時間保持したのち、P−Oの1.7部を加え、
さらに同温度で7時間反応させ、樹脂固形分の酸価が7
5mgKOH/gのカルボキシル基およびシクロカーボ
ネート基を有する重合体(A−1)の溶液を得た。得ら
れた樹脂溶液の不揮発成分(107.5℃、1時間乾燥
後の残留樹脂質量%)は39.4%、ガードナー粘度は
T〜Uで、ポリスチレン換算の数平均分子量は510
0、分散度Mw/Mnは2.49であった。
【0049】<製造例2> 〔カルボキシル基及びシクロカーボネート基を有する重
合体の調製〕製造例1において、2,3−カーボネート
プロピルメタクリレートの82.5部を3,4−カーボ
ネートブチルアクリレートの26.5部に、MAAの3
8.0部を49.5部に、BzMAの209.5部をメ
チルメタクリレート(以下MMAと略記する)の25
4.0部に、P−Oの16.5部を3.5部に変更した
以外は、製造例−1と同様にして、樹脂固形分の酸価が
98mgKOH/gのカルボキシル基およびシクロカー
ボネート基を有する重合体(A−2)を得た。得られた
樹脂溶液の不揮発成分は42.8%、ガードナー粘度が
Z2〜Z3、そして数平均分子量が12000、分散度
Mw/Mnは2.73であった。
【0050】<製造例3> 〔カルボキシル基及びシクロカーボネート基を有する重
合体の調製〕製造例1において、MAAの38.0部を
76.0部に、BzMAの209.5部をBzMAの1
22.0部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以
下HEMAと略記する)の16.5部、スチレンの3
3.0部に変更した以外は、製造例−1と同様にして、
樹脂固形分の酸価が150mgKOH/gのカルボキシ
ル基およびシクロカーボネート基を有する重合体(A−
3)を得た。得られた樹脂溶液の不揮発成分は41.8
%、ガードナー粘度がX〜Y、そして数平均分子量が5
300、分散度Mw/Mnは2.36であった。
【0051】<比較製造例1> 〔比較例用重合体の調製〕製造例1において、滴下する
混合溶解物中の2,3−カーボネートプロピルメタクリ
レートを使用せずBzMAの209.5部を292.0
部に変更した以外は、製造例−1と同様にして、樹脂固
形分の酸価が75mgKOH/gの比較参考用重合体
(H−1)を得た。得られた樹脂溶液の不揮発成分は4
0.7%、ガードナー粘度がH、そして数平均分子量が
4900、分散度Mw/Mnは2.37であった。
【0052】<比較製造例2> 〔比較例用重合体の調製〕製造例1において、滴下する
混合溶解物中の2,3−カーボネートプロピルメタクリ
レートをエポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
(ダイセル化学工業社製サイクロマーM−100)に、
重合時のゲル化反応を防ぐために反応温度を90℃から
80℃へ変更した以外は、製造例−1と同様にして反応
を行った。P−Oを追加して2時間後のガードナー粘度
はすでにZ1−Z2であり、この時点での分子量は数平
均分子量が11700、分散度Mw/Mnは6.86で
あり、すでに分子量分布が広がっていた。さらにその後
も反応溶液が徐々に増粘したためP−Oを追加して5時
間で反応を停止し、樹脂固形分の酸価が75mgKOH
/gの比較参考用重合体(H−2)を得た。得られた樹
脂溶液の不揮発成分は40.7%、ガードナー粘度がZ
4−Z5、そして数平均分子量が12700、分散度M
w/Mnは25.59であり、さらに分子量分布が広が
った重合体となった。
【0053】<実施例1>製造例1で調製したカルボキ
シル基及びシクロカーボネート基を有する重合体(A−
1)50.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(日本化薬社製;以下DPHAと略記する)1
4.0部、イルガキュア369(チバスペシャルティー
ケミカルズ社製の光重合開始剤;以下I−369と略記
する)0.6部、PGMAc35.4部、メガファック
172(大日本インキ化学工業社製の界面活性剤;以下
M−172と略記する)0.03部を加え混合した後、
孔径1.0μmのフィルターでろ過し、光重合性組成物
(B−1)を得た。
【0054】(光重合性組成物の保存安定性)前記の光
重合性組成物(B−1)について、40℃で24時間放
置後の粘度を測定し、試験前粘度に対する増粘率が10
%未満であれば○、10%以上であれば×とした。な
お、粘度測定は、東機産業社製E型粘度計RE−500
L型粘度計を用いて行った。
【0055】(スペーサーの形成)前記の光重合性組成
物(B−1)をガラス基板上に滴下し、スピンコーター
を用いて1,000回転/分で3秒間回転塗布した後、
80℃で5分間ホットプレート上でプレベークして厚さ
7μmの塗膜を形成した。この塗膜に所定のパターンマ
スクを介し、高圧水銀灯を用いて波長365nmでの照
射量が0.1J/cm の光を照射した。次いで、30
℃に保持したテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
2.38%水溶液で30秒間現像し、純水で1分間リン
スした後、150℃で5分間ホットプレート上で乾燥さ
せて厚さ6μm±0.03μmの、厚みむらがないスペ
ーサーを得た。
【0056】(スペーサー断面形状の評価)前記方法で
得られたスペーサーについて、断面形状を走査型電子顕
微鏡で観察した。断面形状が長方形又は台形であれば
「○」、半円又は断面に凹凸が生じていれば「×」と評
価し、その結果を表1に示した。
【0057】(耐熱変形の評価)前記方法で得られたス
ペーサーをオーブン中、280℃で60分間加熱した。
スペーサーの厚さの寸法変化率が加熱前後で5%以内で
あり、且つ、断面形状に変化がない時を○、スペーサー
の厚さの寸法変化率が加熱前後で5%を越える時、又
は、断面形状が長方形又は台形から変形した時を×と評
価し、その結果を表1に示した。
【0058】(電圧保持率の評価)前記の光重合性組成
物(B−1)をITO膜からなる透明電極付きガラス板
の透明電極側に滴下し、スピンコーターを用いて1,0
00回転/分で3秒間回転塗布した後、80℃で5分間
ホットプレート上でプリベークして厚さ7μmの塗膜を
形成した。この塗膜に所定のパターンマスクを介し、高
圧水銀灯を用いて波長365nmでの照射量が0.1J
/cmの光を照射した。次いで、30℃に保持したテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液
で30秒間現像し、純水で1分間リンスした後、150
℃のホットプレート上で5分間乾燥させてスペーサー付
き基板を作製した。触針型膜厚計を用いて、スペーサー
の厚みをランダムに測定したところ6μm±0.03μ
mであった。
【0059】前記のスペーサー付き基板及び透明電極付
きガラス板それぞれの外縁に、直径5μmのガラスファ
イバー入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布し
た後、電極面が相対するように重ね合わせ圧着し、接着
剤を150℃で硬化させて、液晶セルを得た。
【0060】次いで、前記の液晶セルの液晶注入口より
基板間にネマティック型液晶組成物(大日本インキ化学
工業社製、ELS−001)を充填した後、エポキシ系
接着剤で液晶注入口を封止して評価用液晶表示素子を得
た。この評価用液晶表示素子に5Vの電圧を印加した
後、回路をオープンし、16.7m秒後の保持電圧を測
定し、電圧保持率(保持電圧/印加電圧)を評価した結
果を表1に示した。
【0061】<実施例2>製造例2で調製したカルボキ
シル基及びシクロカーボネート基を有する重合体(A−
2)45.0部、DPHA13.0部、I−369を
0.5部、PGMAc41.5部、M−172を0.0
3部を加え混合した後、孔径1.0μmのフィルターで
ろ過し、光重合性組成物(B−2)を得た。この光重合
性組成物(B−2)を使用し、実施例1と同様の操作を
行い、厚さ6μm±0.03μmの、厚みむらがないス
ペーサーを得た。このスペーサーを用いて実施例1と同
様の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0062】<実施例3>製造例3で調製したカルボキ
シル基及びシクロカーボネート基を有する重合体(A−
3)48.0部、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト(日本化薬社製;以下PETAと略記する)16.0
部、I−369を0.7部、PGMAc35.3部、M
−172を0.03部を加え混合した後、孔径1.0μ
mのフィルターでろ過し、光重合性組成物(B−3)を
得た。この光重合性組成物(B−3)を使用し、実施例
1と同様の操作を行い、厚さ6μm±0.03μmの、
厚みむらがないスペーサーを得た。このスペーサーを用
いて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示
した。
【0063】<比較例1>比較製造例1で調製した比較
参考用重合体(H−1)55.0部、DPHA17.0
部、I−369を0.7部、PGMAc27.3部、M
−172を0.03部を加え混合した後、孔径1.0μ
mのフィルターでろ過し、光重合性組成物(C−1)を
得た。この光重合性組成物(C−1)を使用し、実施例
1と同様の操作を行い、断面が半円で厚さ6μm±0.
05μmのスペーサーを得た。このスペーサーを用いて
実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示し
た。
【0064】<比較例2>比較製造例2で調製した比較
参考用重合体(H−2)47.0部、DPHA14.0
部、I−369を0.6部、PGMAc38.4部、M
−172を0.03部を加え混合した後、孔径1.0μ
mのフィルターでろ過し、光重合性組成物(C−2)を
得た。この光重合性組成物(C−2)を使用し、実施例
1と同様の操作を行い、断面に凹凸がある厚さ6μm±
0.3μmのスペーサーを得た。しかしながら、保存安
定性試験後の粘度の増粘率は57%であり、また、得ら
れたスペーサーの断面形状には凹凸が生じた。このスペ
ーサーを用いて実施例1と同様の評価を行い、その結果
を表1に示した。
【0065】
【表1】<表1>
【0066】(表中の化合物の説明) 重合体A−1:製造例1で得たカルボキシル基及びシク
ロカーボネート基を有す る重合体重合体A−2:製造例2で得たカルボキシル基
及びシクロカーボネート基を有する重合体 重合体A−3:製造例3で得たカルボキシル基及びシク
ロカーボネート基を有する重合体 重合体H−1:比較製造例1で得た比較参考用重合体 重合体H−2:比較製造例2で得た比較参考用重合体 DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート PETAペンタエリスリトールトリアクリレート I−369:イルガキュアー369(光開始剤) M−172:メガファック172(界面活性剤) PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、セルギャップ幅の精度
が高く微細なスペーサーパターンにより得られ、耐熱性
に優れる液晶表示装置用スペーサーを提供することがで
き、当該スペーサーを使用し、液晶の電圧保持率の高い
液晶表示装置を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳田 博之 千葉県佐倉市鍋山町97−7 Fターム(参考) 2H089 MA04X MA07X PA03 QA14 TA04 TA09 4J011 AA05 PA69 PA78 QA03 QA15 QA23 QA24 SA01 SA21 SA31 SA64 UA01 UA02 VA01 WA01 WA10 4J026 AA17 AA20 AA43 AA45 AA48 AA53 AA55 AA57 AC33 AC36 BA28 BA40 DA02 DA08 DA15 DB06 DB36 4J038 CR071 CR072 FA121 FA122 FA171 FA172 FA251 FA252 FA281 FA282 GA05 GA06 JA33 JA34 JC18 KA03 PA17 PB08 PB09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カルボキシル基又はフェノール性
    水酸基、及び、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4
    −イル基とを有する重合体、(b)(メタ)アクリル酸
    誘導体、(c)光重合開始剤を含有する光重合性組成物
    の光硬化塗膜により形成されることを特徴とする、液晶
    表示装置用スペーサー。
  2. 【請求項2】 2枚の基板の間に液晶を挟時した液晶表
    示装置において、基板間隔を保持するスペーサーが、
    (a)カルボキシル基又はフェノール性水酸基、及び、
    2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とを有
    する重合体、(b)(メタ)アクリル酸誘導体、(c)
    光重合開始剤を含有する光重合性組成物の光硬化塗膜に
    より形成されることを特徴とする、液晶表示装置。
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