JP2003149119A - 導電透明プローブ - Google Patents

導電透明プローブ

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JP2003149119A
JP2003149119A JP2001341651A JP2001341651A JP2003149119A JP 2003149119 A JP2003149119 A JP 2003149119A JP 2001341651 A JP2001341651 A JP 2001341651A JP 2001341651 A JP2001341651 A JP 2001341651A JP 2003149119 A JP2003149119 A JP 2003149119A
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transparent probe
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Tatsu Murashita
達 村下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トンネル電流注入および集光効率を損なうこと
なく、シアーフォース・ギャップ制御に適用可能な、導
電透明プローブを提供する。 【解決手段】先端が先鋭化されたテーパ部5が一端に設
けられた光ファイバ1と、テーパ部5の表面に形成した
導電透明膜4と、光ファイバ1の外周面に形成した第1
金属被膜6とを有し、導電透明膜4と第1金属被膜6と
は電気的に接続され、光ファイバ1の他端は固定板9に
取り付け、センシング用振動子8によって光ファイバ1
を軸と直交方向に加振する導電透明プローブの、テーパ
部5に隣接する部分から他端を含む範囲までの第1金属
被膜6の長さと厚さとを、光ファイバ1がセンシング用
振動子8と一体化して振動する値である5mm以上と
0.2〜10μmとにそれぞれ設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブ電流を試
料に注入することによって生じる発光を検出して、ナノ
メータサイズの微小領域の光学的・電子的特性を測定す
る装置に用いる導電透明プローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】素子の微小化や、個々の分子の特性を利
用する技術の発展に伴い、材料のナノメータサイズの微
小領域(以下ナノ領域という。)の特性評価や、本来ナ
ノメータサイズである個々の分子の電気的・光学的特性
測定に関する要望が強まっている。このような測定、評
価には、先鋭化したプローブの先端から試料へ電流を注
入することによって生じる発光の検出、分析を可能にす
るトンネル発光顕微装置(以下TL装置という。)が使
用されている。さらに、集光効率等を向上させるため
に、プローブの先端から電流を注入すると同時に、同じ
プローブの先端から集光する、透明かつ導電性を有する
プローブ(以下導電透明プローブという。)が開発さ
れ、ナノ領域の特性評価に威力を発揮している。また、
TL装置によるナノ領域の特性評価の有効性が高まるに
つれ、測定対象を導電性の試料のみならず絶縁性または
高電気抵抗の領域が混在する試料に拡大することが要望
されている。
【0003】ところで、TL装置のようにプローブを試
料表面の極く近傍に接近させて測定する装置(以下プロ
ーブ顕微鏡という。)においては、プローブと試料表面
との間の微小な間隔(以下ギャップという。)の制御が
非常に重要となる。このため、プローブと試料間に流れ
るプローブ電流を測定に利用するプローブ顕微鏡(例え
ば走査型トンネル顕微鏡、以下STMという。)におい
ては、一般にプローブと試料との間に流れるトンネル電
流を検出してギャップを制御する方法(以下STM制御
法という。)が用いられている。これは、トンネル電流
はギャップに対して非常に敏感であるので、精密なギャ
ップ制御に有効であるためである。
【0004】しかし、このようなSTM制御法は、測定
領域全体が導電性の試料にしか適用できず、絶縁体や高
電気抵抗の領域が混在した試料には使用できなかった。
このため、絶縁体や高電気抵抗の領域が混在した試料に
も適用できるように、トンネル電流を用いることなくギ
ャップ制御を実施することができるTL装置が切望され
ていた。
【0005】トンネル電流を用いないギャップ制御方法
としては、プローブが試料表面にきわめて接近したとき
にプローブと試料との間に作用する原子間力を利用する
制御方法がある。この場合、導電集光プローブの高効率
の集光特性を維持するためには、プローブの構造を直線
形状にしたままでギャップ制御を実施する必要がある。
このような直線形状のプローブを用いて原子間力を検出
する方法としては、試料表面と平行方向にプローブを振
動させ、振動による変形に抵抗するシアーフォース(せ
ん断力)を検出し、検出したシアーフォースを用いてギ
ャップ制御を行う方法(以下シアーフォース・ギャップ
制御という。)がある。
【0006】シアーフォース・ギャップ制御によって安
定したギャップ制御が行われるためには、プローブが、
寄生振動の少ない滑らかな振動数対振幅特性(振動数と
振幅との関係を表す曲線)を示すことが必要である。そ
れには、プローブが振動子と一体化して、振動子の振動
に忠実に追随して振動する必要がある。プローブが振動
子と一体化して振動するためには、プローブは、プロー
ブと振動子との接触が両者の間に適度の接触圧力をもっ
て保たれるための適度の剛性と、プローブが安定して振
動するための適度な弾性とを有する必要がある。プロー
ブが過度に柔軟で、プローブと振動子との接触圧力が小
である場合には、振動子によって加振されたプローブ
は、振動子の振幅を超えて跳びはね、振動子と一体化し
て振動子の振動に忠実に追随して振動しなくなり、寄生
振動が発生すること等により、動作が不安定になる。一
方、プローブが硬すぎて接触圧力が過大である場合に
は、プローブが破壊したり、あるいは所望の振幅で加振
されなくなって、適切な動作ができなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のSTM
用のプローブは、雑音源となる機械的振動を抑制するた
めに、長さが短くされ、かつ表面に厚い金属メッキが施
されて、全体が剛体化されており、シアーフォース・ギ
ャップ制御に必要な適度な剛性と適度な弾性とを有する
ものではないので、シアーフォース・ギャップ制御には
適用できないという問題があった。
【0008】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、TL装置をトンネル電流によるギャップ制
御が困難な絶縁体や高電気抵抗の領域が混在した試料に
も適用可能とするために、微小領域のトンネル電流注入
および集光効率を損なうことなく、シアーフォース・ギ
ャップ制御に適用可能な、導電透明プローブを提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明においては、先端が先鋭化されたテーパ部が
一端に設けられた光ファイバと、上記テーパ部の表面に
形成した導電透明膜と、上記光ファイバの外周面に形成
した第1金属被膜とを有し、上記導電透明膜と上記第1
金属被膜とは電気的に接続され、上記光ファイバの他端
は固定板に取り付け、振動子によって上記光ファイバを
軸と直交方向に加振する導電透明プローブにおいて、上
記テーパ部に隣接する部分から上記他端を含む範囲まで
の上記第1金属被膜の長さと厚さとを、上記光ファイバ
が上記振動子と一体化して振動する値に設定する。
【0010】この場合、上記第1金属被膜の上記長さを
5mm以上、上記第1金属被膜の上記厚さを0.2〜1
0μmにする。
【0011】またこの場合、上記光ファイバの上記他端
の外周面に厚さが10μm以上の第2金属被膜を形成
し、上記第1金属被膜と上記第2金属被膜とを、厚さが
連続的に滑らかに変化する遷移部分によって接続する。
【0012】またこの場合、上記テーパ部を光を透過し
ない材料で被覆し、上記光を透過しない材料が試料に対
向する先端部に、透過光の波長より小さい径の微小開口
を設ける。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
の図面を用いて詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の導電透明プローブの第1
の実施の形態の縦断面図である。
【0015】この導電透明プローブは、コア2と、コア
2を覆うクラッド3とからなる光ファイバ1からなる。
光ファイバ1の試料12(図2参照)に対向する端部
(以下一端という。)から数百μm以内の部分に、先端
がナノメータサイズに先鋭化されたテーパ部5を設け
る。絶縁性の光ファイバ1のテーパ部5に導電性と集光
機能とを付与するために、テーパ部5の表面に、導電性
と透明性とを有する導電透明膜4を塗布する。さらに、
光ファイバ1に導電性を付与するために、光ファイバ1
の外周面に導電性を有する第1金属被膜6を塗布する。
導電透明膜4と第1金属被膜6とは電気的に接続する。
【0016】このように形成した導電透明プローブの先
端から試料12ヘトンネル電流を注入し、それにより生
じる発光を同じ導電透明プローブの先端から集光する。
【0017】導電透明プローブの一端から所定の距離D
だけ離れた個所から先の部分(以下他端という。)を、
例えば金属板からなる導電性の固定板9を介して支持構
造11(図2参照)に固定する。なお、固定板9はバイ
アス電源(図示しない)に接続されている。固定板9は
導電透明プローブの第1金属被膜6と電気的に接触する
ので、導電透明プローブヘ電流を供給する電極としての
機能を有している。
【0018】バイアス電源からの電流は、固定板9と、
光ファイバ1の表面の第1金属被膜6と、テーパ部5の
導電透明膜4とを介して、導電透明プローブの先端へ供
給される。
【0019】導電透明プローブの一端から距離d(d<
D、数mm程度)の点で、導電透明プローブをセンシン
グ用振動子8によって、光ファイバ1の軸と直交する方
向に加振する。センシング用振動子8は励起用振動子1
0(図2参照)に取り付けられており、励起用振動子1
0の振動を導電透明プローブヘ伝達する機能と、導電透
明プローブの振動と振幅とを検出する機能とを有してい
る。なお、センシング用振動子8は導電透明プローブと
電気的に絶縁されている。
【0020】励起用振動子10が作動すると、導電透明
プローブは、長さが距離Dに相当する片持ち梁としての
振動数と振幅に対応して振動する。励起用振動子10の
振動を導電透明プローブの先端に忠実に伝達するために
は、距離dは短くすることが望ましい。また、導電透明
プローブが振動しやすいようにするためには、加振点を
固定端から離れた個所に設けることが望ましく、距離D
はなるべく大きくすることが望ましい。実験的には、5
mm以上の距離D(テーパ部5に隣接する部分から他端
を含む範囲までの第1金属被膜6の長さに略等しい。)
と、2〜3mm程度の距離dとを組み合わせた際に、取
り扱いが実用的で安定した動作が得られた。
【0021】次に、本発明の導電透明プローブを実装し
たシアーフォース・ギャップ制御系の動作について説明
する。
【0022】図2は、本発明の導電透明プローブを実装
したシアーフォース・ギャップ制御系の基本構成を示す
図である。
【0023】図に示すように、導電透明プローブの他端
を固定板9に取り付ける。この時点では、導電透明プロ
ーブは、センシング用振動子8の裏側に位置させる。次
いで、導電透明プローブを少したわませて、導電透明プ
ローブの先端から距離dの点がセンシング用振動子8の
表側に位置するように、センシング用振動子8に導電透
明プローブを載せる。このたわみによる弾性力によっ
て、導電透明プローブとセンシング用振動子8とは、両
者の間に適度の接触圧力をもって互いに接触する。
【0024】次に、励振用振動子10により、導電透明
プローブを、光ファイバ1の軸と直交方向(すなわち試
料表面と平行方向)に、以下に説明する特定の振動数で
加振する。加振された導電透明プローブは、固定板9に
取り付けられた部分を固定端とする片持ち梁として、振
動子による加振振動数で振動する。センシング用振動子
8からは導電透明プローブの振動の振幅に対応した電圧
が出力される。
【0025】このような振動系を、固有振動数から僅か
に外れた振動数で加振した場合に、振動数が僅かに変化
すると、導電透明プローブの振幅が大きく変化する。そ
こで、固有振動数から僅かに外れた振動数において導電
透明プローブを加振して、センシング用振動子8によっ
て振幅をモニタする。
【0026】ところで、導電透明プローブが試料12に
接近して両者間に作用する原子間力が大きくなると、こ
の原子間力が光ファイバ1の軸に直交する方向のシアー
フォースとして導電透明プローブに作用するようにな
る。すると、このシアーフォースが導電透明プローブの
片持ち梁としての振動運動に対する抵抗力として作用
し、導電透明プローブの固有振動数が僅かに変化し、モ
ニタしている振動数における導電透明プローブの振幅に
変化が生じる。この振幅の変化を、センシング用振動子
8の出力電圧の変化として検出し、出力電圧の振幅が所
定の値になったとき、すなわちシアーフォースが所定の
値に達したときに、導電透明プローブの試料12への接
近(アプローチ)を停止させる。その後、測定動作中は
モニタ振動数における導電透明プローブの振幅が一定
(すなわちシアーフォースが一定)となるように、導電
透明プローブと試料12との間のギャップを制御するこ
とにより、安定なAFM(Atomic Force Microscope、
原子間力によりギャップ制御を行う顕微鏡。)の動作が
得られる。
【0027】このようなシアーフォース・ギャップ制御
は、試料12の導電性とは無関係に安定に行われるの
で、絶縁体や高電気抵抗の領域が混在した試料にも適用
可能な導電透明プローブを用いたTL装置の実現が可能
となる。
【0028】安定なシアーフォース・ギャップ制御に必
要な、導電透明プローブとセンシング用振動子8との適
度な接触条件を得るために、光ファイバ1の外周に施し
た第1金属被膜6の厚さと長さとを調整することによっ
て、導電透明プローブの曲げ剛性を調整する。第1金属
被膜6の材料としては、例えばニッケル、銅、ステンレ
ス鋼等があるが、光ファイバ1の表面との接着力が強
く、導電性の高いものであればその種類を問わない。
【0029】導電透明プローブの先端から固定板9まで
の距離Dが数mm以下の場合には、光ファイバ1の曲げ
剛性が大きくなるため、センシング用振動子8が光ファ
イバ1の表面を滑動して、励振用振動子10の振動が光
ファイバ1に忠実に伝達され難くなることがある。
【0030】光ファイバ1の外周の第1金属被膜6の厚
さが約0.2μmより薄い場合には、光ファイバ1は僅
かなせん断力で折損しやすい。また、導電透明プローブ
ヘ電流を供給する電極である固定板9から光ファイバ1
の先端までの電気抵抗が大きくなって、光ファイバ1の
先端までの安定な電流供給が難しくなる。したがってこ
のように第1金属被膜6の厚さが薄い導電透明プローブ
は実用的ではない。
【0031】逆に、第1金属被膜6の厚さが10μmよ
りも厚くなると、導電透明プローブの剛性が大となっ
て、曲げるためには大きな力が必要となる。また、無理
に曲げた場合には、塑性変形が生じて変形が元に戻らな
くなることが多い。したがって、このような第1金属被
膜6の厚さが厚い導電透明プローブも、シアーフォース
・ギャップ制御に適しない。
【0032】実験的には、第1金属被膜6の厚さが0.
2〜10μmの場合に、導電透明プローブはシアーフォ
ース・ギャップ制御に適切な弾性を有し、かつ、電気伝
導性も十分に良好で、シアーフォース・ギャップ制御用
の導電透明プローブとして十分な特性を有することが確
認できた。
【0033】以上のように、テーパ部5に隣接する部分
から他端を含む範囲までの第1金属被膜6の長さを5m
m以上とし、第1金属被膜6の厚さを0.2〜10μm
とした場合には、導電透明プローブとセンシング用振動
子8との接触圧力が適切な大きさになり、センシング用
振動子8によって加振された導電透明プローブが、セン
シング用振動子8の振幅を超えて跳びはねることはな
く、センシング用振動子8と一体化して、センシング用
振動子8の振動に忠実に追随して、振動するようにな
り、寄生振動等によって動作が不安定になることはなか
った。また、導電透明プローブが硬すぎて接触圧力が過
大となることはなく、導電透明プローブが破壊したり、
あるいは所望の振幅で加振されなくなることはなく、適
切に動作することが可能になった。
【0034】ところで、導電透明プローブの片持ち梁と
して曲げ振動する部分と、固定端である固定板9に取り
付けられた部分との境界の部分は、応力が集中するため
に折損しやすい。また、導電透明プローブを固定するた
めに固定板9から導電透明プローブに加えられる圧力に
よって光ファイバ1が歪んで、導電透明プローブの光学
特性が劣化することがある。
【0035】そこで、図3に示す本発明の第2の実施の
形態においては、固定板9から加えられる圧力によって
光ファイバ1が歪むことがないようにするために、導電
透明プローブの他端に、第1金属被膜6の厚さに比べて
厚さを十分に厚くした第2金属被膜13を形成する。実
験の結果、第2金属被膜13の厚さは10μm以上にす
る必要があり、50〜100μmが望ましいことが分か
った。また、第1金属被膜6と第2金属被膜13との間
で金属被膜の厚さが不連続に変化すると、その部分にや
はり応力が集中して導電透明プローブが折損する可能性
があるので、第1金属被膜6と第2金属被膜13との間
に、厚さが滑らかに変化する、金属被膜の厚さの遷移部
分14を設ける。このような構造にすることにより、導
電透明プローブの光学特性に影響を及ぼすことなく、導
電透明プローブを固定板9によって確実に強固に固定す
ることができ、また応力集中によって破損することのな
い、導電透明プローブを実現することができた。
【0036】図4は、本発明の導電透明プローブの第3
の実施の形態の断面図である。図に示すように、この実
施の形態においては、導電透明プローブの一端に設けた
テーパ部5を、光を透過しない材料15で被覆し、光を
透過しない材料15の試料12に対向する先端部に、透
過光の波長より小さい径の微小開口7を設ける。このよ
うな構造にすることによって、トンネル電流発光のうち
近接場光のみを選択的に集光することが可能となる。
【0037】ここでは、シアーフォースによるギャップ
制御装置の構成として、導電透明プローブに接触させた
センシング用振動子を介して励起用振動子の振動を導電
透明プローブへ加えるとともに、原子間力による導電透
明プローブの振幅の変化をセンシング用振動子によって
検出する構成例について述べた。しかし、これ以外のシ
アーフォースによるギャップ制御装置の構成として、導
電透明プローブを固定板9に固定することに代えて、励
起用振動子に直接固定するとともに、導電透明プローブ
の側方から導電透明プローブへレーザ光を照射し、導電
透明プローブの振動によって変調されたレーザ光を測定
することにより、原子間力による導電透明プローブの振
幅の変化を検出する方法もある。本発明による導電透明
プローブは、このようなレーザ光を用いたシアーフォー
スによるギャップ制御装置にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電透明
プローブにおいては、テーパ部に隣接する部分から他端
を含む範囲までの第1金属被膜の長さと厚さとを、光フ
ァイバが振動子と一体化して振動する値に設定したこと
によって、トンネル電流注入および集光効率を損なうこ
とがなく、シアーフォース・ギャップ制御に適した導電
透明プローブを実現することが可能となり、絶縁体や高
電気抵抗の領域が混在した試料に対しても安定したTL
測定が可能となるという効果がある。
【0039】特に、第1金属被膜の長さを5mm以上に
し、第1金属被膜の厚さを0.2〜10μmとすること
により、シアーフォース・ギャップ制御に適した曲げ剛
性を有する導電透明プローブを実現することが可能とな
るという効果がある。
【0040】また、光ファイバを固定板に取り付ける部
分の光ファイバの外周面に厚さが10μm以上の第2金
属被膜を形成し、第1金属被膜と第2金属被膜とを厚さ
が連続的に滑らかに変化する遷移部分によって接続する
ことによって、光学特性に影響を及ぼすことなく、確
実、強固に固定することができ、曲げ応力が集中するこ
とによって破損することのない、導電透明プローブを実
現することが可能となるという効果がある。
【0041】さらに、テーパ部を光を透過しない材料で
被覆し、光を透過しない材料が試料に対向する先端部
に、透過光の波長より小さい径の微小開口を設けること
により、トンネル電流発光のうち近接場光のみを選択的
に集光することが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電透明プローブの第1の実施の形態
の縦断面図である。
【図2】本発明の導電透明プローブを実装したシアーフ
ォース・ギャップ制御系の基本構成を示す図である。
【図3】本発明の導電透明プローブの第2の実施の形態
の縦断面図である。
【図4】本発明の導電透明プローブの第3の実施の形態
の縦断面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ 2…コア 3…クラッド 4…導電透明膜 5…テーパ部 6…第1金属被膜 7…微小開口 8…センシング用振動子 9…固定板 10…励起用振動子 11…支持構造 12…試料 13…第2金属被膜 14…金属被膜の厚さの遷移部分 15…光を透過しない材料 D…導電透明プローブの先端と固定板との間の距離 d…導電透明プローブの先端とセンシング用振動子との
間の距離

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が先鋭化されたテーパ部が一端に設け
    られた光ファイバと、上記テーパ部の表面に形成した導
    電透明膜と、上記光ファイバの外周面に形成した第1金
    属被膜とを有し、上記導電透明膜と上記第1金属被膜と
    は電気的に接続され、上記光ファイバの他端は固定板に
    取り付け、振動子によって上記光ファイバを軸と直交方
    向に加振する導電透明プローブにおいて、上記テーパ部
    に隣接する部分から上記他端を含む範囲までの上記第1
    金属被膜の長さと厚さとを、上記光ファイバが上記振動
    子と一体化して振動する値に設定したことを特徴とする
    導電透明プローブ。
  2. 【請求項2】上記第1金属被膜の上記長さを5mm以
    上、上記第1金属被膜の上記厚さを0.2〜10μmと
    したことを特徴とする請求項1に記載の導電透明プロー
    ブ。
  3. 【請求項3】上記光ファイバの上記他端の外周面に厚さ
    が10μm以上の第2金属被膜を形成し、上記第1金属
    被膜と上記第2金属被膜とを、厚さが連続的に滑らかに
    変化する遷移部分によって接続したことを特徴とする請
    求項2に記載の導電透明プローブ。
  4. 【請求項4】上記テーパ部を光を透過しない材料で被覆
    し、上記光を透過しない材料が試料に対向する先端部
    に、透過光の波長より小さい径の微小開口を設けたこと
    を特徴とする請求項2または3に記載の導電透明プロー
    ブ。
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CN100356135C (zh) * 2004-08-31 2007-12-19 精碟科技股份有限公司 薄膜厚度量测装置
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