JP2003148561A - 歯付ベルト - Google Patents

歯付ベルト

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JP2003148561A
JP2003148561A JP2001281058A JP2001281058A JP2003148561A JP 2003148561 A JP2003148561 A JP 2003148561A JP 2001281058 A JP2001281058 A JP 2001281058A JP 2001281058 A JP2001281058 A JP 2001281058A JP 2003148561 A JP2003148561 A JP 2003148561A
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rubber
belt
toothed belt
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mass
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JP2001281058A
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Sadakichi Sakanaka
貞吉 阪中
Akihiro Ueno
明宏 上野
Takeshi Takehara
剛 竹原
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯付ベルトの背部に使用されるゴムの摩擦係
数を下げることにより、高負荷下で発生するベルト背面
の亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動に
よるベルトの端面摩耗、損傷が防止でき、それによりエ
ンジンの正常な動きを維持するベルトを提供する。 【解決手段】 背部2に心線1を埋設した歯付ベルト5
に長手方向に沿って複数の歯部3を設け、歯部3表面を
歯布4で被覆して形成される歯付ベルトに関する。少な
くとも前記背部2に使用されるゴムの動摩擦係数を0.
5よりも小さくする。その手段として、前記ゴム中に配
合するカーボンブラックの粒子径を30μmよりも小さ
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車用
エンジンのカム軸又はカム軸とインジェクションポンプ
の駆動用、一般産業用機械の同期伝動用等に使用される
歯布被覆の歯付ベルトに関するものである。特に、高負
荷用ベルトに関して、耐摩耗性及び耐歯欠け性を維持し
つつ、特にベルト端面損傷を防ぐ為に改善した発明に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンのカム軸、インジェク
ションポンプ、オイルポンプ、ウォータポンプ等を駆動
する歯付ベルトは、エンジンの高出力化に伴い、ベルト
への負荷の増大及びエンジンルームのコンパクト化に伴
う雰囲気温度の上昇など歯付ベルトの使用環境は近年特
に厳しくなってきている為、さらなる耐久性の向上が要
求されている。また、一般産業用に使用される歯付ベル
トについても、射出成形機等の高負荷駆動用等取替え周
期の延長を要求されている。
【0003】歯付ベルトの故障形態は、心線の屈曲疲労
及びゴムの耐熱性不足による亀裂発生からのベルト切断
と過負荷や歯布及び歯ゴムの耐熱性不足、歯布の摩耗に
よる歯欠けに大別される。心線の屈曲疲労及びゴムの耐
熱性不足によるベルト切断に対しては、心線材質、心線
構成の細径化等の改良、心線処理剤の耐熱性改良が実施
されている。また、ゴムの耐熱性改良についても水素添
加ニトリルゴムの使用等により故障は減少している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、ベルトに高負荷
が掛かるエンジン又は産業用駆動装置を駆動する歯付ベ
ルトは、高負荷の為プーリ軸が撓んだり、ベルトの片寄
り走行が発生しプーリフランジ等との摩擦によるベルト
側面の異常摩耗及び側面の損傷による切断、歯欠けが発
生し易い。
【0005】又、高負荷によりベルトが伸びて、オート
テンショナーが作動せず、ベルトに適正な負荷が掛から
なくなり、エンジンの正常な動作を妨げる現象が生じ
る。
【0006】ベルト側面摩耗、損傷、ベルトの伸びに対
し、プーリ歯とかみ合う歯付ベルト表面の歯布材料に摩
擦係数低減作用のあるフッ素樹脂や層状のグラファイト
等を添加した処理を施すことや、心線材料の検討が実施
されているが、未だに十分な改良策が見出されていな
い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する為、歯付ベルトの背部に使用されるゴムの摩擦係
数を下げることにより、高負荷下で発生するベルト背面
の亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動に
よるベルトの端面摩耗、損傷が防止でき、それによりエ
ンジンの正常な動きを維持するベルトを提供する。
【0008】その手段として、本発明は長手方向に沿っ
て所定間隔で配置した複数のゴムを基材とした歯部と、
心線を埋設したゴムを基材とした背部を有し、上記歯部
の表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、少なくと
も前記背部に使用されるゴムの動摩擦係数が0.5より
も小さい歯付ベルトにある。
【0009】請求項1に記載の発明によると、少なくと
も前記背部に使用されるゴムの動摩擦係数が0.5より
も小さい歯付ベルトとすることによって、高負荷下で発
生するベルト背面の亀裂、損傷及びベルトのプーリフラ
ンジ部への移動によるベルトの端面摩耗、損傷を防止す
ることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、前記ゴム中には粒
子径が30μmより小さいカーボンブラックが配合され
た請求項1に記載の歯付ベルトにある。
【0011】請求項2に記載の発明によると、前記ゴム
中には粒子径が30μmより小さいカーボンブラックを
配合することによって、ゴムの動摩擦係数を0.5より
小さくすることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記カーボンブ
ラックの量がゴム100質量部に対して10〜50質量
部である請求項2に記載の歯付ベルトにある。
【0013】請求項3に記載の発明によると、前記カー
ボンブラックの量をゴム100質量部に対して10〜5
0質量部とすることによって、加工が容易になると共に
自動車用歯付ベルトとして使用可能なゴムの物性が十分
に発現できる。
【0014】請求項4に記載の発明は、少なくとも前記
背部のゴム層に短繊維を1〜20質量部配合した請求項
1から3のいずれかに記載の歯付ベルトにある。
【0015】短繊維の配合量が、ゴム100質量部に対
して1質量部よりも少ない場合は、短繊維を配合する効
果が小さく、20質量部を越えて配合すると、ゴムのム
ーニ粘度が上がりすぎて、加工工程(練り工程で分散不
良、シート圧延工程で圧延できない、表面肌が悪く厚み
が出ない等)で問題となる。又、歯が精度よく形成され
ない等の問題がある。
【0016】請求項5に記載の発明は、前記ゴムが水素
化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩と有機過酸化
物又は硫黄化合物を配合した請求項1から4に記載の発
明にある。
【0017】請求項5に記載の発明によると、前記ゴム
が水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩と有機
過酸化物又は硫黄化合物を配合したことから、背部に使
用されるゴムの動摩擦係数が0.5よりも小さくでき
る。
【0018】請求項6に記載の発明は、前記ゴムが水素
化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマー
に対して15〜40質量部添加した請求項1から3のい
ずれかに記載の歯付ベルトである。
【0019】請求項6に記載の発明によると、前記ゴム
が水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポ
リマーに対して15〜40質量部添加した請求項1から
3のいずれかに記載した歯付ベルトであることから、背
部に使用されるゴムの動摩擦係数を確実に0.5よりも
小さくできると共に、高負荷下で発生するベルト背面の
亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動によ
るベルトの端面摩耗、損傷を防止することができる。
【0020】請求項7に記載の発明は、前記ゴムが水素
化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマー
に対して5〜15質量部添加した請求項4に記載の歯付
ベルトにある。
【0021】請求項7に記載の発明によると、前記ゴム
が水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポ
リマーに対して5〜15質量部添加した請求項4に記載
の歯付ベルトにあることから、請求項6に記載の発明と
同様に背部に使用されるゴムの動摩擦係数を確実に0.
5よりも小さくできると共に、高負荷下で発生するベル
ト背面の亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ部への
移動によるベルトの端面摩耗、損傷を防止することがで
きる。
【0022】請求項8に記載の発明は、前記歯付ベルト
の背面硬度が80度(JISA型硬度計)以上である請
求項1から7のいずれかに記載の歯付ベルトにある。
【0023】請求項8に記載の発明によると、前記歯付
ベルトの背面硬度が80度(JISA型硬度計)以上、
好ましくは85度以上である為、応力が負荷された場合
であっても、ゴムの変形を抑制することができる。この
為、ベルト走行時の発熱が抑制されると共に、摩擦時の
抵抗も小さくできる。これによって、ベルト走行時のベ
ルト側面の摩耗及び損傷を小さくすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本実施形態に係る歯付ベルトの全体斜視
概略図である。図1において、歯付ベルト5は、長手方
向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部3と、歯部3
と連続する背部2と、背部2に埋設された心線1と、歯
部3の表面に被覆された歯布4とを有する構造である。
背部2と歯部3は、ゴム層9で形成されたベルト本体を
構成する。又、歯布4は、ベルトの長手方向に延在する
緯糸7と、ベルトの幅方向に延在する経糸8とを織成し
て成る繊維材料を基材として構成される。
【0025】ここで、少なくとも前記背部に使用される
ゴムの動摩擦係数が0.5よりも小さいことが好まし
い。より好ましくはベルト背部に使用されるゴムの動摩
擦係数が0.4より小さく、さらにより好ましくは0.
2より小さいことが望まれる。前記動摩擦係数が0.5
より大きいベルトを使用した場合、スラスト力が大きく
なり、軸手前にベルトが移動したままになり、それによ
りベルト端面の損傷が発生しベルト破損等の問題が生じ
る。
【0026】上記ベルト背部に使用されるゴムの動摩擦
係数を所定の範囲にするには、少なくとも前記背部のゴ
ム中には粒子径が30μmより小さいカーボンブラック
を配合すると良い。好ましくは粒子径が15μm以下の
カーボンブラックを配合することが望ましい。粒子径が
30μm以上のカーボンブラックを使用すると、発熱が
大きくなると共に背面の摩擦係数が上がり、それにより
ベルトに掛かる負荷時の抵抗が大きくなりベルト背面の
亀裂、損傷及びプーリフランジ部への移動による端面損
傷が発生ずる。
【0027】前記カーボンブラックの配合量は、ゴムの
ポリマー100質量部に対し10〜50質量部が好まし
い。カーボンブラックの量が10質量部より少なくなる
と、必要なゴム物性が出現しない。又、練り工程では、
練りゴムがばらばらになる。また、未加硫ゴム強度が弱
くシート状にすると圧延ゴムが薄くなり、最悪シートが
切れてしまう等の問題がある。さらに圧延工程では、練
りゴムがロールに巻き付かない現象が生じたり、シーテ
ィングできないような状況となる。一方、カーボンブラ
ックの量が50質量部を越えると練りゴムのムーニ粘度
が上昇し、ゴムを加工できない等の問題が発生する。
【0028】ベルト本体を形成するゴム配合物の材質に
は特に制限はなく、使用条件に応じて適切なものが適宜
選択される。自動車エンジン用及び各種エンジン用歯付
ベルトの場合、耐熱性と耐油性を備えたH−NBR、C
R、CSM等が使用される。一般産業用機械に用いられ
る歯付ベルトには、H−NBR、CR、CSM以外に、
NBR、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPD
M)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SB
R、イソプロピレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、
フッ素ゴム、シリコンゴム等何れの場合も使用可能であ
る。このような歯付ベルトの場合、図1で説明した歯布
の使用が有効である。
【0029】歯布4の緯糸、経糸8等を形成する繊維材
料の材質としては、それぞれナイロン、アラミド、ポリ
エステル、ポリベンゾオキサゾール、綿等の何れか又は
これらの組み合わせが採用できる。繊維の形態は、フィ
ラメント糸及び紡績糸の何れでも良く、単独組成の撚糸
又は混撚糸、混紡糸の何れであっても良い。また、織成
構成は綾織り、繻子織り、平織り等何れであっても良
い。
【0030】背部2のゴム層9には、このゴム層9を構
成するゴム100質量部に対して1〜20質量部の短繊
維17が配合されている。ここで、短繊維17には、摩
擦時に低温で溶融しにくい高融点、又は融点を持たない
綿、ビニロン、アラミド、無機繊維等が好ましい。その
長さは5mm以下であることが好ましい。繊維長が5m
mを越える場合は、ゴムをカレンダー又は押し出し機等
で圧延シート状にする時に、配向し易く、ベルトになっ
た場合に、屈曲により早期にクラックが発生し易い。ま
た、短繊維の配向方向は、ベルト幅方向が好ましいが、
ベルト長さ方向の配向であってもよい。短繊維の配合量
が1質量部より少ないと、短繊維を配合した効果が現れ
ず、一方短繊維の量が20質量部より多くなると、ゴム
のムーニ粘度が上昇し加工(練り工程で分散不良、シー
ト圧延工程で圧延できない、表面肌が悪く厚みが出ない
等)できない、歯ず精度良く形成できない等の問題があ
る。
【0031】前記ベルト背面硬度は少なくとも80度以
上、好ましくは85度以上(JISA)である。背面硬
度を少なくとも80度以上とする為には、ゴム配合物と
しては、H-NBRを使用する、又はH-NBRに不飽和
カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15〜40質量
部、或いは5〜15質量部添加する。不飽和カルボン酸
金属塩の量が5質量部未満であるとゴム硬度が所定の硬
度にならず、一方40質量部を越えるとゴム硬度が大き
くなりすぎ、ベルト剛性が高くなり、屈曲疲労性に劣り
ベルト寿命が短くなる。
【0032】また上記の水素化ニトリルゴムとしては、
耐熱性の観点から水素添加率が少なくとも90%以上で
あることが必要であり、92〜98%が好適である。そ
してこの水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩
を配合することによって、モジュラス(引張弾性率)や
硬度を高めるようにしているものであり、モジュラス
(引張弾性率)や切断伸度、さらに高い引き裂き強度や
硬度を確保する為には、上記のように水素化ニトリルゴ
ムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15
〜40質量部配合することが望ましい。或いは、5〜1
5質量部混合する場合には、短繊維をポリマー成分10
0に対して1〜20質量部配合することが必要となる。
【0033】上記心線3としては、5〜9μmのEガラ
ス又は高強度ガラスのフィラメント、或いは0.5〜
2.5デニールのパラ系アラミド繊維のフィラメントを
撚り合わせ、RFL液、エポキシ溶液、イソシアネート
溶液とゴムコンパウンドとの接着剤で処理された撚りコ
ードが使用される。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例)表1に示す配合からなるゴムを通常の方法で
混練し、カレンダーロールにて所定の厚さのゴムシート
A−1からA−5を調整した。また、歯布は、表2に示
す繊維を用いて、表2に示す処理を行いB−1を得た。
表2におけるRFL処理は、表3に示すC−1の配合か
らなるRFL処理液に、歯布を浸漬し、120°Cにて
乾燥後180°Cにて2分間熱処理したものである。ま
た、表2におけるゴム糊処理は、表4に示すゴム配合物
を表3に示すC−2及びC−3のように、MEK、トル
エンに溶かした後にイソシアネート化合物としてポリア
リールポリイソシアネート(商品名PAPI)を添加し
た処理液に、適宜、MBIやN―(1,3-Dimeth
yl-Butyl)―N´―phenyl―pheny
lendiamine、フッ素樹脂粉末又はグラファイ
ト等の減摩材を添加混合した処理液に歯布を浸漬し乾燥
したものである。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】次に、ベルト作製用のZBS歯形120歯
数の金型に上記の歯布を巻き付け、SZ撚一対のRFL
及び水素化ニトリルゴムをトルエン等の溶剤にて溶かし
たゴム糊にて接着処理された表5に示す心線を表6のピ
ッチにてスパイラルに所定の張力で巻き付けた。この心
線の上に、表1のゴムシートを貼り付けた。更に、加硫
缶に投入して通常の圧入方式により歯形を形成させた後
165°Cにて30分加圧加硫して、ベルト背面を一定
厚さに研磨し一定幅(30mm)にカットして走行用歯
付ベルトを得た。各ベルトの背面硬度は表7に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】作製したベルトのサイズは、ベルト幅30
mm、ベルト歯形ZBS、歯数120歯、歯ピッチ9.
525mmであり、通常120ZBS30と表示され
る。走行試験装置として、図2に示す22歯のクランク
プーリ11、44歯のカムプーリ13、19歯のウォー
タポンププーリ15、偏心プーリ19、アイドラー21
からなるレイアウトの試験装置を使用する。クランクプ
ーリ回転数4000rpmでベルトに掛かる有効張力を
3700Nとし、初張力を350Nにて走行試験を行っ
た。そして、走行試験用ベルトの両端歯部に白インクで
歯部前面にマーク(塗りつぶす)を入れた。走行条件は
4000rpmで200時間走行し、走行後のマークの
消え具合により端面損傷を評価した。その端面現象と評
価点との関係を表8に、その結果を表7に示す。
【0043】次に、表1のゴムシートをサンプルとして
摩擦係数を測定した。測定した摩擦係数は動摩擦係数
で、測定方法としては、図3に示すようにJISK71
25の「プラスチックフィルム及びシートの摩擦係数試
験方法」に従って測定した。このときの相手材としては
JIS B0601に規定する中心線平均粗さ(Ra)
が0.4μmRa以下で材質はS45Cの鉄板であるテ
ーブルを用いた。さらに、図4に示すようなJISK7
218の「プラスチックの滑り摩耗試験方法」のA法に
よる測定を行った。このときの相手材としてはJIS
B0601に規定する中心線平均粗さ(Ra)が0.4
μmRa以下で材質はS45Cの鉄板を用いた。その結
果を表8に示す。
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】表7から背部ゴムの摩擦係数が0.5を大
きく下回っている実施例1から3は、前記摩擦係数が
0.5を上回った比較例と比べてマークが半分以上残り
端面の損傷がかなり小さいことがわかる。従って、実施
例は比較例と比べて端面損傷にかなり効果があることが
わかる。
【0047】
【発明の効果】上記のように、本発明は、少なくとも前
記背部に使用されるゴムの動摩擦係数が0.5よりも小
さい歯付ベルトとすることによって、高負荷下で発生す
るベルト背面の亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ
部への移動によるベルトの端面摩耗、損傷を防止するこ
とができるという効果がある。
【0048】請求項2に記載の発明では、前記ゴム中に
は粒子径が30μmより小さいカーボンブラックを配合
することによって、ゴムの動摩擦係数を0.5より小さ
くすることができるという効果がある。
【0049】請求項3に記載の発明によると、前記カー
ボンブラックの量をゴム100質量部に対して10〜5
0質量部とすることによって、加工が容易になると共に
自動車用歯付ベルトとして使用可能なゴムの物性が十分
に発現できるという効果がある。
【0050】請求項4に記載の発明によると、少なくと
も前記背部のゴム層に短繊維を1〜20質量部配合する
ことによって、ベルトレイアウト上でベルト背面と接触
するアイドラー又はテンショナープーリ表面との摩擦係
数を低減させ、ベルト側面と走行中接触するプーリフラ
ンジとの摩擦時の応力を緩和させ、側面の摩耗、損傷を
防ぐことができるという効果が有る。
【0051】請求項5に記載の発明によると、前記ゴム
が水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩と有機
過酸化物又は硫黄化合物を配合したことから、背部に使
用されるゴムの動摩擦係数が0.5よりも小さくできる
という効果がある。
【0052】請求項6に記載の発明によると、前記ゴム
が水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポ
リマーに対して15〜40質量部添加した請求項1から
3のいずれかに記載した歯付ベルトであることから、背
部に使用されるゴムの動摩擦係数を確実に0.5よりも
小さくできると共に、高負荷下で発生するベルト背面の
亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動によ
るベルトの端面摩耗、損傷を防止することができるとい
う効果がある。
【0053】請求項7に記載の発明によると、前記ゴム
が水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を総ポ
リマーに対して5〜15質量部添加した請求項4に記載
の歯付ベルトにあることから、請求項6に記載の発明と
同様に背部に使用されるゴムの動摩擦係数を確実に0.
5よりも小さくできると共に、高負荷下で発生するベル
ト背面の亀裂、損傷及びベルトのプーリフランジ部への
移動によるベルトの端面摩耗、損傷を防止することがで
きるという効果がある。
【0054】請求項8に記載の発明によると、前記歯付
ベルトの背面硬度が80度(JISA型硬度計)以上、
好ましくは85度以上である為、応力が負荷された場合
であっても、ゴムの変形を抑制することができる。この
為、ベルト走行時の発熱が抑制されると共に、摩擦時の
抵抗も小さくできる。これによって、ベルト走行時のベ
ルト側面の摩耗及び損傷を小さくすることができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る歯付ベルトの全体斜視概略図
である。
【図2】歯付ベルトの走行試験装置の概略図である。
【図3】JISK7125の測定方法を示した概略図で
ある。
【図4】JISK7218の測定方法を示した概略図で
ある。
【符号の説明】
1 心線 2 背部 3 歯部 4 歯布 5 歯付ベルト 7 緯糸 8 経糸 9 ゴム層 11 クランクプーリ 13 カムプーリ 15 ウォータポンププーリ 19 偏心プーリ 21 アイドラー 23 オートテンショナー 27 測定サンプル 29 荷重 31 回転摩擦力 33 加圧力 35 測定サンプル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/02 C08K 7/02 C08L 15/00 C08L 15/00 21/00 21/00 Fターム(参考) 4J002 AC001 AC011 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB151 BB271 BD121 BE022 CL062 CP031 DA036 DA048 EG017 EK008 FA042 FA086 FD016 FD148 GM01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に沿って所定間隔で配置した複
    数のゴムを基材とした歯部と、心線を埋設したゴムを基
    材とした背部を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した
    歯付ベルトにおいて、少なくとも前記背部に使用される
    ゴムの動摩擦係数が0.5よりも小さいことを特徴とす
    る歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 前記ゴム中には粒子径が30μmより小
    さいカーボンブラックが配合された請求項1に記載の歯
    付ベルト。
  3. 【請求項3】 前記カーボンブラックの量がゴム100
    質量部に対して10〜50質量部である請求項2に記載
    の歯付ベルト。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記背部のゴム層に短繊維を
    1〜20質量部配合した請求項1から3のいずれかに記
    載の歯付ベルト。
  5. 【請求項5】 前記ゴムが水素化ニトリルゴムに不飽和
    カルボン酸金属塩と有機過酸化物又は硫黄化合物を配合
    した請求項1から4のいずれかに記載の歯付ベルト。
  6. 【請求項6】 前記ゴムが水素化ニトリルゴムに不飽和
    カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して15〜40質量
    部添加した請求項1から3のいずれかに記載の歯付ベル
    ト。
  7. 【請求項7】 前記ゴムが水素化ニトリルゴムに不飽和
    カルボン酸金属塩を総ポリマーに対して5〜15質量部
    添加した請求項4に記載の歯付ベルト。
  8. 【請求項8】 前記歯付ベルトの背面硬度が80度(J
    ISA型硬度計)以上である請求項1から7のいずれか
    に記載の歯付ベルト。
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