JP2003147585A - キトサンシート材及びキトサン積層体の製造方法 - Google Patents

キトサンシート材及びキトサン積層体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】キトサンからなるシート材及びキトサン層と無
機化合物層からなる積層体を提供する。 【解決手段】酸性水溶液中で、キトサンを電気泳動さ
せ、カソードに層状に付着させることによりキトサンか
らなるシートを形成することからなるキトサンシート材
の製造方法、及びキトサンを含む酸性水溶液中にアノー
ド及びカソードを配置して通電し、キトサンを電気泳動
させカソードに層状に付着させてキトサン層を形成する
工程と、該カソードと同じ電極を用い、無機化合物を含
む水溶液中で、電気分解または電気泳動により無機化合
物層を形成する工程を少なくとも一工程ずつ含み、これ
を交互に行うことによりキトサン層と無機化合物層が交
互に積層された積層体を形成することからなる、キトサ
ン積層体の製造方法、並びにこれらの方法により製造さ
れたキトサンシート材及びキトサン積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キトサンシート材
のキトサン積層体の製造方法、並びに該方法により製造
されたキトサンシート材及びキトサン積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】キトサンは、カニ、エビ等の甲殻類の殻
等の成分であるキチンの脱アセチル化により得られる材
料であり、抗菌性、免疫賦活作用等の性質を有するた
め、近年注目されている。キトサンを樹脂に分散させた
抗菌性材料等が開発されており、多くの製品に利用され
ている。キトサン粉末を添加した健康食品も種々開発さ
れている。キトサンは、上記以外にも多くの有用な性質
を有するため、キトサンを主体としたシート材等が開発
されれば、さらに用途が広がる。例えば、食品鮮度保持
シート、抗菌性ゴミ袋、化粧用シート、創傷シート等と
しての利用が考えられる。また、キトサンは生体適合性
材料であるため、骨折時等に骨を補強または補修する材
料、人工生体材料等として生体内で利用することが期待
されているが、その場合、キトサンまたはキトサンと他
の生体適合材料の複合材料で形成するのが好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キトサ
ンは、通常、粉末状またはフレーク状で提供されてお
り、キトサンのみでシート材を形成した例はなかった。
本発明者らは、キトサンのみでシートを形成するため
に、キトサンを水に分散させ、基板上に塗布して乾燥さ
せる方法を試みたが、そのような方法でシート材を製造
するのは困難であり、形成されたシートは脆く、強度が
非常に低かった。
【0004】本発明の発明者らは、電気泳動法によりキ
トサンからなるシート材を形成し得ることを見出した。
また、本発明の発明者らは、キトサン層と無機材料、特
にカルシウム塩の層からなる積層物を電気泳動法により
形成し得ることを見出した。この方法によれば、電流、
電圧、通電時間を調整することにより、所望のシート
厚、緻密さ、多孔度を得ることができる。また、キトサ
ン層とカルシウム塩等の無機材料の層を積層してなるシ
ートが、生体適合性と高い強度とを兼ね備えた材料であ
ることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記のシート材
の製造方法に関する。 (1)酸性水溶液中で、キトサンを電気泳動させ、カソ
ードに層状に付着させることによりキトサンからなるシ
ートを形成することからなるキトサンシート材の製造方
法。 (2)キトサンを含む酸性水溶液中で、キトサンを電気
泳動させカソードに層状に付着させてキトサン層を形成
する工程と、該カソードとして用いるのと同じ電極を用
い、無機化合物を含む水溶液中で、電気分解または電気
泳動を行うことにより無機化合物層を形成する工程を少
なくとも一工程ずつ含み、これらを交互に行うことによ
りキトサン層と無機化合物層が交互に積層された積層体
を形成することからなる、キトサン積層体の製造方法。 (3)前記キトサン層の厚さが5〜200μmである
(1)または(2)の製造方法。 (4)前記無機化合物層の厚さが0.1〜200μmで
ある(2)または(3)の製造方法。 (5)前記カソードが5cm以上の平板状である
(1)〜(4)のいずれか1項に記載の製造方法。
【0006】(6)前記無機化合物層が、カルシウム塩
の層である(2)〜(5)のいずれか1項に記載の製造
方法。 (7)前記酸性水溶液が酸性アミノ酸の水溶液である
(1)〜(6)のいずれか1項に記載の製造方法。 (8)前記(1)〜(7)の方法により製造されたキト
サンシートまたはキトサン層と無機化合物層からなるキ
トサン積層体。
【0007】(9)キトサン層と炭酸カルシウム層また
はリン酸カルシウム層とを交互に重ね合わせてなる積層
体であって、キトサン層と炭酸カルシウム層またはリン
酸カルシウム層が酸性アミノ酸を介して結合しているこ
とを特徴とする(8)のキトサン積層体。 (10)前記(8)または(9)のキトサンシート材ま
たはキトサン積層体から実質的になり、所望により他の
成分を含んでいてもよい創傷シート。 (11)前記(8)または(9)のキトサンシート材ま
たはキトサン積層体から実質的になり、所望により他の
成分を含んでいてもよい骨補修材。 (12)前記(8)または(9)のキトサンシート材ま
たはキトサン積層体から実質的になり、所望により他の
成分を含んでいてもよい食品鮮度保持シート。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、キトサンを含む酸性水
溶液中にアノード及びカソードを配置して通電し、キト
サンを電気泳動させカソードに層状に付着させることに
よりシートを形成することからなるキトサンシートの製
造方法、及びキトサンを含む酸性水溶液中にアノード及
びカソードを配置して通電し、キトサンを電気泳動させ
カソードに層状に付着させてキトサン層を形成する工程
と、前記カソードと同じ電極を層形成のための電極とし
て用い、無機化合物を含む水溶液中で、電気分解または
電気泳動を行うことにより、無機化合物層を形成する工
程を少なくとも一工程ずつ含み、これによりキトサン層
と無機化合物層が交互に積層された積層体を形成するこ
とからなる、キトサン−無機化合物積層体の製造方法に
関する。
【0009】本明細書において「キトサン」は、エビ、
カニの殻等の成分であるキチンを脱アセチル化すること
により得られるものであり、市販品として入手すること
ができる。キトサンの脱アセチル化度は、用途により異
なるが、例えば50〜100%である。即ち、本発明に
おいて、「キトサン」はキチンが100%脱アセチル化
されたものだけでなく、その一部が脱アセチル化された
ものも含む。また、本発明において、用途によっては、
キトサンの代わりにキチンを使用することも可能であ
る。本明細書において、「シート」の形状は任意であ
り、テープ状のものも含む。酸性溶液は、限定されない
が、好ましくは希酸、有機酸等の水溶液、特に酸性アミ
ノ酸、例えばアスパラギン酸の水溶液である。濃度は、
酸性アミノ酸水溶液の場合、例えば0.003〜0.0
25mol/dmである。酸性溶液中のキトサンの濃度は、
例えば0.005〜0.5重量%である。
【0010】無機化合物層は、好ましくはカルシウム
塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、シリカ、
酸化チタン等の金属酸化物等が挙げられる。無機化合物
層には、電気分解または電気泳動法で層状に形成し得る
限り用途に応じ種々の材料を用いることができる。人工
生体材料として生体内に適用される材料としては、カル
シウム塩、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等
の層を形成するのが好ましい。炭酸カルシウム、リン酸
カルシウムの層は、電気泳動条件を変えることにより、
種々の粒径で形成することができる。例えば1〜300
μmの粒径の結晶を析出させることができる。炭酸カル
シウム層を形成する場合、無機化合物を含む水溶液とし
ては、炭酸水素カルシウム水溶液を用いても、水酸化カ
ルシウム水溶液を用いてもよいが、水酸化カルシウム水
溶液を用いた場合は、水酸化カルシウム層が形成される
ので、後にCO雰囲気下に一定時間放置し、炭酸化を
行う必要がある。即ち、炭酸カルシウム層は、炭酸水素
カルシウム水溶液(より好ましくは飽和水溶液)中に電
極を入れ、電気泳動を行う方法、水酸化カルシウム水溶
液中に電極を入れ、電気泳動を行った後、形成されたシ
ートを二酸化炭素雰囲気中に入れ炭酸化を行う方法によ
り形成することができる。
【0011】電気泳動条件は、目的とする厚さ、層の緻
密度等により異なるが、具体例を下記に示す。電流は、
例えば1〜10mA/cmである。電流値を変えるこ
とにより、層の多孔度を調整することができる。キトサ
ン層の形成においては、電流値が高いとより多孔性の層
となり、電流値が低いとより緻密な層となる。また、炭
酸カルシウム層を形成する場合は、電流値が高いと炭酸
カルシウム結晶の粒径が小さくなり、より緻密な層が形
成され、電流値が低いと炭酸カルシウム結晶の粒径が大
きくなり、より多孔質の層が形成される。通電時間は1
分間〜6時間、好ましくは1〜60分間である。ただ
し、通電時間を変えることにより形成されるシートまた
は積層体の層の厚さが異なってくるため、目的とする厚
さに応じて通電時間を変化させることができる。
【0012】電極は、通常電気泳動、電気分解に使用さ
れる材料により形成され得る。カソードとしては、好ま
しくは白金、チタン、銀、ステンレス鋼等を用いること
ができる。アノードとしては、好ましくは白金を用い
る。より広面積の電極を用いて広面積のシートを製造す
る場合には、カソードをステンレス鋼等により形成する
のが、コストの点で好ましい。シートを形成する側の電
極形状については、円柱状、円筒状、または板状である
のが好ましい。なお、電極は、電気泳動漕中に、垂直に
配置されても水平に配置されてもよい。カソードとして
円柱または円筒状の電極を用いる場合は、電極を回転さ
せながら電気泳動を行ってもよい。この際、形成された
シートまたは積層体を回転する電極から剥離しながら形
成していき、長尺のシートを形成することもできる。本
発明のシートまたは積層体は、用途に応じて5cm
上、さらには1m以上の大きさに形成することができ
る。電気泳動温度は、例えば−20℃〜60℃、好まし
くは0℃〜室温である。
【0013】本発明のキトサン積層体は、キトサン層と
無機化合物層それぞれ1層以上を含む。形成される層の
数は、用途によるが、キトサン層と無機化合物層との合
計として、好ましくは3〜11層、特に好ましくは7〜
9層である。積層順序は問わない。例えば、3層構造で
ある場合、キトサン層−無機化合物層−キトサン層であ
っても、無機化合物層−キトサン層−無機化合物層であ
ってもよい。キトサン層の厚さは、例えば5〜200μ
mであり、用途により異なるが、好ましくは7〜25μ
mである。各層の厚さは同一でも異なってもよい。無機
化合物層の厚さは、用途により異なるが、例えば0.1
〜200μmである。各層の厚さは同一でも異なっても
よい。本発明のキトサンシート材またはキトサン層と無
機化合物層からなるキトサン積層体は、上記方法により
形成されたシート材または積層体を、さらに加圧成形す
ることにより緻密化したものであってもよい。また、キ
トサン層と、炭酸カルシウム層からなる積層体の場合
は、上記方法により得られた積層体に、さらに炭酸水素
カルシウム水溶液を含浸させることにより、緻密化した
ものであってもよい。
【0014】本発明のキトサンシート材またはキトサン
層と無機化合物層からなるキトサン積層体は、重金属の
吸着性に優れるため、水処理用のフィルムとしても適し
ている。この場合、シートをそのまま用いても、例えば
蛇腹状に折り畳んで用いてもよい。土壌中に一定時間入
れ、取り出して吸着した成分を分析することにより、土
壌汚染、特に重金属による汚染の程度を測定するための
シートとして使用することもできる。また、キトサンシ
ート材は、抗菌性に優れているため、食品保存用のシー
トまたは包装材としても適している。また、キトサン層
と炭酸カルシウムからなる積層体は、キトサンの抗菌作
用と炭酸カルシウムの鮮度保持作用により、食品保存用
のシートまたは包装材としてさらに好ましい。かかるシ
ートは、使用後燃焼した場合にも有害な成分を出さず環
境衛生上も好ましい。また、本発明のキトサンシート材
または積層体で製造された袋は、ゴミ袋としても適して
いる。そのようなゴミ袋は、キトサンの抗菌作用と吸着
能のため、防臭性に優れ、しかも無機材料層を炭酸カル
シウムのような燃焼時に有害な成分を発生しない材料に
より形成すれば、環境衛生上も好ましい。
【0015】また、本発明のキトサンシート材に、有機
または無機化合物よりなる成分の層が介挿された積層体
は、該成分を徐々に放出する材料として適している。さ
らに、本発明のキトサンシート材または積層体は、抗菌
性及び保湿性を有するため、化粧用材料、例えば化粧水
等を含浸したシート、パック用シート等の材料としても
適している。さらに、本発明の積層体において、無機化
合物層を、炭酸カルシウム層、リン酸カルシウム層等の
生体適合性材料とすることにより、生体内に適用可能な
材料として適するシートを提供することができる。その
ようなシートは、キトサンの抗菌性や、免疫賦活作用、
生体適合性を利用して、生体内で用いられる骨補強また
は補修用シート、その他の生体内の組織の損傷部位を保
護するためのシート、腫瘍部位に適用される抗癌作用を
有するシートとして利用することも可能である。例え
ば、本発明は、上記で説明したキトサンシートまたはキ
トサン積層体から実質的になり、所望により他の成分を
含んでいてもよい創傷シート、骨補修材、食品鮮度保持
シートに関する。これらの製品には、目的に応じて他の
有効成分及び/または助剤がコーティング、含浸等され
ていてもよい。なお、ここで創傷シートは、体内の組織
または皮膚等の損傷、例えば傷、潰瘍、火傷等を覆い、
組織や皮膚が再生または治癒するまでの間、患部を保護
し、場合によっては再生や治癒を促進するシートを意味
する。また、食品鮮度保持シートは、食品、特に肉、
魚、野菜等の生鮮食品の鮮度保持のために、包装材料等
として用いられるシートである。
【0016】
【実施例】実施例1:0.017mol/dmのアスパラギン酸
水溶液中に、フレーク状のキトサン(株式会社ナカライ
テスク製、分子量10万、脱アセチル化度80%)を溶
解させ、0.075重量%のキトサン-アスパラギン酸水溶液
を調製した。該溶液中に、アノードとしての白金電極
と、カソードとしての板状のSUS316鋼よりなる板状の電
極を入れ、電気泳動を行った。定電流は、3mA/cm
とした。また、電気泳動時間は5分間とした。その
後、電極を炭酸水素カルシウム飽和溶液中に移し、電流
を流した。定電流は3mA/cmとした。また、電気
泳動時間は1時間とした。これにより、キトサン層上に
アスパラギン酸を介して炭酸カルシウム層が形成され
た。さらに、電極を再び、上記と同じキトサン-アスパ
ラギン酸水溶液中に移し、同様に電気泳動によりキトサ
ン層を形成した。ここまでの工程で得られた積層体を積
層体No.1とする。上記の工程に加えて、さらに炭酸カ
ルシウム層の形成とキトサン層の形成を上記と同様に行
うことにより、キトサン−炭酸カルシウム−キトサン−
炭酸カルシウム−キトサンの5層からなる積層体(積層
体No.2)を製造した。さらに、炭酸カルシウム層とキ
トサン層を同様に1回ずつまたは2回ずつ交互に形成す
ることにより、各々キトサン−炭酸カルシウム−キトサ
ン−炭酸カルシウム−キトサン−炭酸カルシウム−キト
サンの7層からなる積層体(積層体No.3)、キトサン
−炭酸カルシウム−キトサン−炭酸カルシウム−キトサ
ン−炭酸カルシウム−キトサン−炭酸カルシウム−キト
サンの9層からなる積層体(積層体No.4)を製造し
た。
【0017】実施例2:炭酸水素カルシウム飽和溶液の
代わりに水酸化カルシウム飽和溶液を用いること以外
は、実施例1と同じ方法により、積層体を形成した。得
られた積層体をデシケーター内で二酸化炭素雰囲気で炭
酸化することにより、水酸化カルシウム層を炭酸カルシ
ウム層とした。
【0018】試験例1:実施例1の方法におけるキトサ
ン層の形成を、定電流値及び電気泳動時間を変えて行
い、形成されたキトサン層の厚さを測定した。結果を図
1のグラフに示す。
【0019】試験例2:実施例1の方法における炭酸カ
ルシウム層の形成を、定電流値及び電気泳動時間を変え
て行い、形成された炭酸カルシウム層の厚さを測定し
た。結果を図2のグラフに示す。
【0020】試験例3:実施例1の方法で製造された積
層体No.1〜4について、引張強度をインテスコ社製小
型精密材料試験機IM−20型により測定した。結果を
図2のグラフに示す。グラフ中、破線はキトサン薄膜の
みの引張強度を示す。グラフより明らかなように、7層
からなる積層体No.3において引張強度が急激に向上し
た。また、実施例2で得られた積層体は、同じ層数の実
施例1の積層体と比較して、4〜5倍高い引張強度を示
した。
【0021】試験例4:カソード上に厚さ7μmのキト
サン層を形成した後、過飽和度95の炭酸水素カルシウ
ム水溶液中で電気泳動することにより、該キトサン上に
炭酸カルシウム層を形成した。炭酸カルシウム層は、定
電流値と電気泳動時間を変えて形成した。その後、さら
にその上に厚さ7μmのキトサン層を形成して3層から
なる積層体を形成し、その引張強度を試験例3と同じ装
置により測定した。結果を図4のグラフに示す。
【0022】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、キトサンを
シート状に形成することが可能になり、またキトサンと
無機材料の積層物を製造することが可能になる。これに
よりキトサンの用途が大幅に拡大する。本発明のキトサ
ンシートを用いた製品は、カニの殻等の従来廃棄処分さ
れている材料を利用するため、資源の有効利用という観
点からも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法における電気泳動時間とキトサン
層の厚さの関係を示すグラフである。
【図2】本発明の方法における電気泳動時間と炭酸カル
シウム層の厚さの関係を示すグラフである。
【図3】本発明の方法における積層数と引張強さとの関
係を示すグラフである。
【図4】本発明の方法における電気泳動時間と引張強さ
との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 9/00 B32B 9/02 9/02 C25D 9/08 C25D 9/08 13/00 308Z 13/00 308 A61L 15/01 Fターム(参考) 4B021 LA15 LA17 LW02 LW03 LW04 MC01 MK04 MP10 4C081 AA02 AA12 AB02 CD091 CF01 CF11 DA02 DC02 EA02 4F100 AA04B AA08B AH03C AJ08A BA02 BA03 BA08 BA10A BA10B GB15 GB23 GB66

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性水溶液中で、キトサンを電気泳動さ
    せ、カソードに層状に付着させることによりキトサンか
    らなるシートを形成することからなるキトサンシート材
    の製造方法。
  2. 【請求項2】キトサンを含む酸性水溶液中で、キトサン
    を電気泳動させカソードに層状に付着させてキトサン層
    を形成する工程と、該カソードとして用いるのと同じ電
    極を用い、無機化合物を含む水溶液中で、電気分解また
    は電気泳動を行うことにより無機化合物層を形成する工
    程を少なくとも一工程ずつ含み、これらを交互に行うこ
    とによりキトサン層と無機化合物層が交互に積層された
    積層体を形成することからなる、キトサン積層体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】前記キトサン層の厚さが5〜200μmで
    ある請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記無機化合物層の厚さが0.1〜200
    μmである請求項2または3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記カソードが5cm以上の平板状であ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記無機化合物層が、カルシウム塩の層で
    ある請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】前記酸性水溶液が酸性アミノ酸の水溶液で
    ある請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】前記請求項1〜7記載の方法により製造さ
    れたキトサンシート材またはキトサン層と無機化合物層
    からなるキトサン積層体。
  9. 【請求項9】キトサン層と炭酸カルシウム層またはリン
    酸カルシウム層とを交互に重ね合わせてなる積層体であ
    って、キトサン層と炭酸カルシウム層またはリン酸カル
    シウム層が酸性アミノ酸を介して結合していることを特
    徴とする請求項8記載のキトサン積層体。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載のキトサンシート
    材またはキトサン積層体から実質的になり、所望により
    他の成分を含んでいてもよい創傷シート。
  11. 【請求項11】請求項8または9記載のキトサンシート
    材またはキトサン積層体から実質的になり、所望により
    他の成分を含んでいてもよい骨補修材。
  12. 【請求項12】請求項8または9記載のキトサンシート
    材またはキトサン積層体から実質的になり、所望により
    他の成分を含んでいてもよい食品鮮度保持シート。
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